【アマガミ】橘「絢辻さんとの生活を選んでよかった、二人で幸せになるんだ」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:29:46.49 ID:Wkb2+v/q0
お久しぶりです

6人目は絢辻詞です


よかったらこっちも見てください
七咲逢
【アマガミ】橘「七咲、許してくれるかな」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1529075638/
棚町薫
【アマガミ】橘「今日はカットの練習に付き合う日だったな、準備をして薫を待つか」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1530292541/
森島はるか
【アマガミ】橘「美也が車に乗りたそうにやってきた、仕方ない乗せてやるか」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1531684217/
桜井梨穂子
【アマガミ】橘「梨穂子のその後って…」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1533314531/
中多紗江
【アマガミ】橘「今日は中多さんのバイト先に遊びに行く約束だ!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1535386513/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1539797386
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:30:13.84 ID:Wkb2+v/q0
絢辻「ほらっ!いつまで寝てるのよ!」

ボコッ

橘「痛っ!!」

橘「な、何…」

橘「どうしたの?」

絢辻「朝ごはんできたわよ」

橘「…え?朝ごはん?」

絢辻「そう、朝は一緒に食べるって約束でしょ」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:30:56.84 ID:Wkb2+v/q0
橘「あ、うん…」

絢辻「なら、あたしが実習で早いときはどうすればいいか分かるわよね?」

橘「う…」

絢辻「ほ〜ら、橘君の好きな卵焼きだって作ってあるのよ」

橘「…わかった、起きるよ」

絢辻「ん、よろしい」

絢辻「そうやってあたしと暮らす幸せをもっとちゃんと噛み締めなさいよね」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:31:56.61 ID:Wkb2+v/q0
―――――

橘「それじゃあいってらっしゃい」

絢辻「うん、いってきます」

絢辻「あっそうそう、今日は昼からだといって、二度寝したりしちゃだめよ」

絢辻「どうせ起きられないんだから」

絢辻「昨日も遅刻したんでしょ、知ってるわよ」

橘「な、なんでそれを…」

絢辻「あたしは顔が広いの」

絢辻「学部が違うからって油断しないことね」

橘「は、はい…」

絢辻「橘君…留年なんて許さないからね…」

橘「…はい」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:32:48.71 ID:Wkb2+v/q0
橘「変わらないな、絢辻さんは」

橘「さて、僕は何をしようかな…」

橘「もう少し寝ていたいけど、寝たらなぜかバレそうだからやめとこ」

橘「そうだ、この前買った漫画まだ読んでなかったな」

橘「たしかここに…」

ペラッ

橘「ん?なんだこの紙…」

読む前に30分だけでも勉強しなさい

橘「……」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:34:28.94 ID:Wkb2+v/q0
数時間後 大学

女学生1「ねえ、絢辻さん、今日出す課題なんだけどここがどうしてもわからなくて」

絢辻「ああ、ここはこうして、こうすればいいのよ」

女学生1「お〜、なるほど」

女学生2「絢辻さん、私もお願い!」

絢辻「はいはい」

女学生1「絢辻さんってすごいよね」

女学生2「うんうん」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:35:50.70 ID:Wkb2+v/q0
女学生1「勉強ができて、美人で、彼氏もいるもん」

女学生2「うらやましいわ〜、ほんと」

絢辻「そんな褒め過ぎよ」

女学生2「でもなんか絢辻さんと彼氏の人ってなんかこう…」

女学生2「なんだろう、なんて言うか…ねえ」

女学生1「あ〜…言いたいことは微妙にわかるような…」

絢辻「?」

絢辻「どういうこと?」

女学生1「二人が似合わないとかじゃないけど…」

女学生1「言い方は悪いけど、恋人同士に見えないというか…」

絢辻「え…」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:37:14.04 ID:Wkb2+v/q0
女学生1「ち、違うのよ…え〜っと…」

絢辻「私たちは不自然ってこと?」

女学生2「そういうことではないのよね…」

絢辻「は、はっきりしてよ…」

女学生1「あっわかった、微妙に距離がある感じがするのよ」

女学生2「なるほど、それかも」

絢辻「距離…?」

女学生2「あっ、でもこれは妬みとかじゃなくて、勝手に思っただけで、そんなに気にすることじゃないわよ」

絢辻「うん…」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:39:07.21 ID:Wkb2+v/q0
絢辻(距離…か)

絢辻(純一君はわたしを信用してくれている)

絢辻(わたしも同じ…)

絢辻(もしかして心のどこかで…)

絢辻(それも他人にわかるほど…)

絢辻(ううん、そんなはずない)

絢辻(純一君のことはわたしが誰よりも)

絢辻「……」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:41:22.00 ID:Wkb2+v/q0
――――

橘(絢辻さん待ってるかな…)

男学生「よう、橘!」

男学生「今日も彼女探しか?」

橘「今日もっていつもやってるみたいに…て、ていうか何で決めつけるんだよ」

男学生「違うのか?」

橘「……」

男学生「はっはっは、黙るなよ〜」

男学生「呼び止めて悪かったな、じゃあまた授業で会おうぜ」

橘「うん」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:44:11.28 ID:Wkb2+v/q0
橘「お待たせ」

絢辻「うん…」

橘「あれ?絢辻さんなんか…疲れてるの?」

絢辻「え?どうして?」

橘「いつもよりちょっと元気がないから」

絢辻「そ、そうかしら?気のせいじゃない」

橘「ならいいけど…」

橘「何かあったら言ってよね、僕にできることなら何でもするから」

絢辻「じゃあそうね、お腹がすいたから早くお弁当食べたいな」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:45:54.62 ID:Wkb2+v/q0
橘「今日のはけっこう上手くできたと思うんだ」

絢辻「へぇ…」

絢辻「いただきます」ぱくっ

絢辻「……」

橘「どう…?」

絢辻「うん、おいしい」

橘「ほんと!?」

絢辻「ええ、嘘じゃないわ」

橘「やったぁ!」

絢辻「……」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:47:49.46 ID:Wkb2+v/q0
絢辻(純一君、わたしのために一生懸命お弁当作ってくれたんだ…)

絢辻(ちょっと雑なところもあるけど、いつもよりおいしい)

絢辻「……」

絢辻「ねえ、橘君」

橘「なに?どこか変なところでもあった?」

絢辻「ううん、変なところはないわ」

絢辻「お弁当のことじゃないんだけど、橘君から見て、あたしはどう見える?」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:49:02.40 ID:Wkb2+v/q0
橘「え?なんか急だな」

絢辻「いいから」

橘「うーん、そうだな…」

橘「かわいい!」

絢辻「……」

絢辻「あなたね…よく外でそんな恥ずかしげもなく…」

橘「だってほんとのことだもん」

絢辻「……」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:49:51.48 ID:Wkb2+v/q0
絢辻「じゃあ質問を変えるわ」

絢辻「あたしたちって客観的に見てどういう関係に見えると思う?」

橘「それは恋人同士…じゃないの?」

絢辻「…そうね」

橘「どうしたの、今日の絢辻さん?」

絢辻「…なんでもないわ」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:50:53.77 ID:Wkb2+v/q0
絢辻「……」

橘「…?」

橘(やっぱり今日の絢辻さん、何か変だ)

橘(こういうときこそ、僕が何とかしなくちゃ)

橘「絢辻さん、今日は出さないといけない課題とか、テストがあったりとかしない?」

絢辻「え?昼からはもうないけど…」

橘「よし、じゃあどこか出かけようか」

絢辻「いや…たしかに課題もテストもないけど、授業はないなんて言ってないわよ」

橘「大丈夫だよ、僕も授業はあるから」

絢辻「何も大丈夫じゃないでしょ」

橘「いいからいいから、ほら行くよ」ぐいっ

絢辻「ちょ、ちょっと…橘君…」

絢辻(どうしたんだろ純一君…)

絢辻「ふっ…」

絢辻(仕方ないわね…付き合ってあげますか)
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:52:13.37 ID:Wkb2+v/q0
絢辻「それで、どこに連れて行ってくれるのかしら」

橘「そうだな…」

絢辻「まさか、あたしを連れまわすのにノープランだったわけ?」

橘「その…思い付きで言ったものだから…」

絢辻「……」

絢辻「まあいいわ、せっかく授業をサボるんだから、よく考えてよね」

絢辻「中途半端なところはいやよ」

橘「う、うん…」

橘(なんか絢辻さん、ちょっと嬉しそうだな)

橘(よし…どこかいいところを考えないと)
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:53:28.17 ID:Wkb2+v/q0
神社

絢辻「…ねえ、橘君」

絢辻「ここは?」

橘「神社だよ」

絢辻「そんなことわかってるわよ」

絢辻「どうしてわざわざこんな遠いところに来たかって話をしてるの」

橘「ここならゆっくり話ができるかなって思ったから」

絢辻「ゆっくり話なら家でもできるでしょ」

橘「なんかここで話したくなってさ」

橘「絢辻さんと本当の意味で出会えた場所…だからかな」

絢辻「…まあいいわ、せっかく来たんだし、少し話しましょうか」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:55:01.95 ID:Wkb2+v/q0
橘「今日の絢辻さんどうしたの?」

橘「なんとなくだけどわかるんだ、ちょっと元気がないなって」

絢辻「……」

橘「話したくないなら無理に聞かないけど…」

絢辻「…今日、橘君とあたしの間に距離があるって言われたの」

橘「距離…?」

絢辻「そう、なんでだろうって…ずっと考えてたの…」

橘(僕と絢辻さんの間に距離…?考えたこともなかった…)

橘(絢辻さん、僕に何か隠し事してるとか…いやいや、絢辻さんを疑うなんて何してるんだ)

橘(僕の方は…お宝本ぐらいだから…それは…)
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:57:22.17 ID:Wkb2+v/q0
絢辻「橘君はどう思う…?」

橘「ぼ、僕はそんなものないと思うよ」

絢辻「…ほんと?」

橘「もちろんだよ」

絢辻「…ふっ」

絢辻「あたしも同じ」

橘「二人とも同じ考えだね、もしそれでも距離があるっていうのなら…」

橘「絢辻さん、手を出して」

絢辻「?…はい」

ギュッ

絢辻「あ…」

橘「こうしてると距離は感じないでしょ」

橘「さあ、帰ろうか」

絢辻「うん…」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:58:53.52 ID:Wkb2+v/q0
翌日

女学生2「家でドラマ見ててわかったんだけど、昨日言ってたことの理由がわかったの」

絢辻「教えて!」ガタッ

女学生2「う、うん…絢辻さんでもそんな反応するんだ…」

絢辻「あ、ごめんなさい、つい…」

絢辻「それで理由ってのは…?」

女学生2「えっと絢辻さんたちって付き合ってそこそこ長いんでしょ」

女学生2「それなのにお互いに今でも名字に君付け、さん付けじゃない」

女学生2「たぶんそのせいかな?他人行儀っていうか、なんかちょっと気になって」

絢辻「……」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 02:59:30.58 ID:Wkb2+v/q0
―――――――――――

二人の部屋

絢辻「……」

絢辻(お互い名字で呼び合ってる…か)

絢辻(たしかにそうね…声に出して純一君って言ったことないかも)

橘「へぇ〜、そうなんだ」

橘「ねえ絢辻さん知ってた?」

絢辻「!」

絢辻「な、何を…?」

橘「見てなかったの?」

橘「般若心経ってカラオケボックスで歌えるんだって」

絢辻「……」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 03:00:36.46 ID:Wkb2+v/q0
絢辻(純一君はわたしが考えてるようなことを考えたことあるのかしら…)

絢辻(たしかにあの子の言うことも確かなのよね…)

絢辻(こんな彼から言ってくれるのかしら…)

橘「ははっ、これおもしろいね」

絢辻「……」

絢辻(今の純一君との関係に何も不満はない)

絢辻(むしろ、彼と一緒にいられることが嬉しくてたまらない…)

絢辻(もしかして親密であるほど、周りは違和感を感じるのかも…)

絢辻「……」

絢辻(ずっと先のこと考えるといつまでも橘君って呼び方ってのも…)
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 03:01:34.61 ID:Wkb2+v/q0
絢辻(さすがにストレートに言うのはわたしでも言いづらいから、会話の中で言うのがいいはず」

絢辻(よ、よし…)

絢辻「……」

絢辻「……」

絢辻「……」

絢辻(だ、だめ…思いつかない…)

橘「どうしたの?さっきから難しい顔して」

絢辻「えっ…ううん、なんでもない」

絢辻「そんなことよりじゅ…じゅ…ジュースが飲みたくなったな、橘君も何か飲む?」

橘「ありがとう、じゃあコーラがいいな」

絢辻「うんわかった」

絢辻「……」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 03:02:28.93 ID:Wkb2+v/q0
――――――

絢辻「じゅん…準備した?明日の」

橘「うん、できてるよ」

――――――

絢辻「じゅー…っぷんだけ勉強しようかなー…」

橘「な、なんか絢辻さんにしては短いね」

――――――

絢辻「じゅ…じゅっ…十回クイズやる?」

橘「え?い…いいけど…」

――――――

絢辻「じゅんい…!」

橘「順位?」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 03:03:37.13 ID:Wkb2+v/q0
――――――

お風呂

絢辻「……」

絢辻(ど、どうしても上手く言えない…)

絢辻(高校までは思ったことを口に出さないようにしていたけど)

絢辻(思ったことを口に出すってのもけっこう難しいのね…)

絢辻(正直に言えた言葉もいくつかはあったのに…)

絢辻「純一君…」

絢辻「……」

絢辻(別に声に出すことができないわけじゃないのよね…)

絢辻(ただ彼の前で言えないだけ)

橘「呼んだ?」

絢辻「!!!!!!!!!?????????」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 03:04:57.17 ID:Wkb2+v/q0
絢辻「なっ…なっ…な…なんで純一君がそこにいるのよ!!」

橘「ちょっと忘れ物を」

橘「それより絢辻さんに名前で呼ばれるのなんかいいな」

絢辻「えっ」

橘「もう一回言ってよ」

絢辻「……///」

橘「あれ?絢辻さん?」

絢辻「…う、うるさいわね!今お風呂に入ってるの!」

絢辻「あっち行ってなさい!この変態!」

橘「す…すみません…」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 03:06:10.42 ID:Wkb2+v/q0
―――――

絢辻「……」むすっ

橘「あ、あの…さっきの…」

絢辻「悪い?」

橘「いや、悪くはないけど…」

橘「もう一回言ってほしいな」

絢辻「……」

ビシッ

絢辻「ふんっ…」

橘(今のはは照れてるときの威力だ…)

橘(絢辻さんかわいいな)
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 03:07:45.61 ID:Wkb2+v/q0
橘(そうだ!)

橘「そんな怒らないでよ、詞」

絢辻「っ…!」

絢辻「……」

橘「あ、あれ…?」

絢辻「わ…悪く…ないわね…//」

橘「え?」

絢辻「……」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 03:08:45.80 ID:Wkb2+v/q0
翌日

橘「……」zzz

絢辻「純一君、起きなさい、朝ごはんよ」

橘「…んあ」

橘「絢辻さん…」

橘「もう朝なの…?」

絢辻「……」

ボコッ

橘「痛っ」

絢辻「ええ、そうよ、早く起きなさい」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 03:09:53.97 ID:Wkb2+v/q0
――――

絢辻「……」

絢辻「ごちそうさま」

橘「絢辻さん、後は僕がかたづけておくよ」

絢辻「いい…」

橘「あ…」

橘「……」

橘(なんだか今日の絢辻さん、機嫌悪いな…)
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 03:11:18.08 ID:Wkb2+v/q0
数時間後 大学

絢辻「はぁ…」

絢辻「我ながら情けないわ…」

絢辻「名前で呼んでもらえなかっただけで純一君に当たるなんて…」

橘「なんだ、そういうことだったんだ」

絢辻「!?」

絢辻「も、もうっ!急に現れるのはやめなさい!」

橘「別にそんなつもりはなかったんだけど…」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 03:13:30.13 ID:Wkb2+v/q0
絢辻「……」

橘「今朝から機嫌が悪かったから心配してて…」

橘「昨日のあれ、そういうことだったんだ」

橘「ごめんね絢辻さん…じゃなかった、詞さん」

絢辻「……」

絢辻「…き、昨日みたいに詞がいい」

橘「わかったよ詞」

絢辻「……」

絢辻「……//」

橘「あれ?もしかしてあや…詞照れてる?」

絢辻「う、うっさいわね!」ビシッ

橘(かわいいなぁ)

絢辻「何ニヤニヤしてるのよ」ビシッ
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 03:14:08.08 ID:Wkb2+v/q0
―――

橘「ところで、なんで急に名前で呼んだの?」

絢辻「…言われたのよ、あたしたちの関係に違和感があるって」

絢辻「あたしたちそこそこ関係が長いのに、ずっと名字に君とさん付けでしょ」

絢辻「それが周りには不自然だったんだって」

橘「詞もそういうこと気にするんだね」

絢辻「まあ…ね」

絢辻(あなたと少しでも良い関係でいたいからよ…)

橘「案外、詞って呼ばれたかったからって理由だったりして」

絢辻「っ…!?」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 03:15:00.26 ID:Wkb2+v/q0
数週間後

ガチャ

橘「ただいまー…」

橘「……」こそこそ

橘「詞はまだ帰ってない…みたいだな」

橘「今日は遅くなるかもって言ってたし」

橘「よし、今のうちだ」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 03:16:04.19 ID:Wkb2+v/q0
―――――

ガチャ

絢辻「はぁ、ただいま」

絢辻「あれ、電気ついてない…」

絢辻「いつも使ってる靴もないし、どこか出かけてるのかしら」

絢辻「とりあえず電気つけて…」カチッ

パァン!

絢辻「ひゃあっ!?」

橘「うわっ」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 03:16:46.35 ID:Wkb2+v/q0
絢辻「……」

橘「びっくりした、詞もあんな声出すんだね」

絢辻「……」ボコッ

橘「痛っ!」

絢辻「全く…なんなのよこれ」

橘「今日は詞の誕生日だから驚かせようと思って」

絢辻「えっ」

橘「ケーキとかいろいろ用意してあるからさ、機嫌直してよ」

絢辻「…も、もう少しいいやり方を考えなさいよね」

橘「はい…」

絢辻「……」

絢辻「ありがとね…純一君…」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 03:18:17.09 ID:Wkb2+v/q0
――――――

橘「ほら詞、思いっきりふーって火を消して」

絢辻「今のあなたのふーっで一つ消えたんだけど」

橘「あ、ごめん…」

絢辻「ふっ」

絢辻「次の純一君の誕生日にはあたしが一本消すから覚えときなさいよ」

橘「…うん」

絢辻「そ、そんな悲しそうな顔しないの」

絢辻「あたしなりのあなたの誕生日も一緒に過ごすって意味なんだから…」

橘「!」

絢辻「ふーっ!」

橘「あっ急に消すなんて…真っ暗だよ」

絢辻「……//」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 03:19:21.07 ID:Wkb2+v/q0
数日後

絢辻「あら?」

絢辻「この辺からなーにーか…」

絢辻「……」

絢辻「あった」

絢辻「教科書の間に挟んでるとは、逆に見つかりにくいとでも思ったのかしら」

絢辻「全く…あたしがいながら純一君はこんなものばかり読んで」

絢辻「男の人ってどうしてこういうのが好きなのかしら」ペラッ

絢辻「……」

絢辻「!」

絢辻「これは…!」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/18(木) 03:20:55.33 ID:Wkb2+v/q0
ピンポーン

絢辻「…!」ビクッ

絢辻「…じゅ、純一君ならインターホンは鳴らさないわよね」

ピンポーン

絢辻「はーい」

絢辻「誰かしら…ああ、なんだ」

ガチャ

美也「絢辻先輩、こんにちは〜」

絢辻「はい、こんにちは」
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