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梨子「私はレクイエムを捧げる」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/08/31(金) 16:59:05.61 ID:P6EvqBDe0
前に書いた物の修正版です。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1535702345
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/08/31(金) 17:05:45.93 ID:P6EvqBDe0
梨子「あれから何年経ったのかしら・・・」
作曲に没頭していた彼女はついに最後のページを書き終えた。
左腕を押さえながら椅子に座り、一枚の写真を見ている。
梨子「みんな・・・」
彼女はそう呟き、ゆっくり目を閉じた。
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/08/31(金) 17:17:06.55 ID:P6EvqBDe0
ーーーーーーー
千歌「みんなで遊びに行こうよ!」
ダイヤ「急にどうしたんですの?」
千歌「なんかさ、最近練習ばっかりで全然休めてないじゃん!」
果南「確かに・・・」
千歌「だから、たまには何処か行って息抜きしたくない?」
善子「まぁ…でも、何処かって、案はあるの?」
千歌「うん。一カ所面白そうな場所があるんだ!」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/08/31(金) 17:26:26.64 ID:P6EvqBDe0
ーーーーーー
一週間後 山道入口
善子「ど、どうして山なのよ!」
曜「まぁまぁ」
鞠莉「それにしてもこんな場所に山道なんてあるのね」
果南「えーっと、アザミ山道?」
八人「アザミ山道?」
果南が見ていたのは古い立て札。そこには『唖坐魅山道』とあり、上には『アザミ』と書かれていた。
梨子「アザミって花だよね?」
花丸「そうずら」
果南「まぁ、面白そうだし行ってみよ」
曜「ヨーソロー!」
彼女たちは山道に入っていった。
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/08/31(金) 17:37:07.25 ID:P6EvqBDe0
山道は多くの木に囲まれ薄暗く、とてもじめじめしていた。道は整備されているが、人がいる気配はない。
ダイヤ「薄暗いですわね」
千歌「懐中電灯持ってきて良かったね」
ルビィ「ピギィ!何か、鳴いてるよ?」
花丸「大丈夫ずら。ただの鳥ずら」
果南「ダイヤ〜鞠莉〜」
ダイヤ「果南さん、涙目ですわよ」
善子「くっくっくっ・・・闇に住み着きリトルデーモン達よ・・・」
花丸「善子ちゃん、入る前とは大違いずら」
善子「善子じゃなくてヨハネ!」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/08/31(金) 17:42:35.94 ID:P6EvqBDe0
数十分後
果南「やっと明るい道になったね」
曜「みんなは?」
善子「疲れた・・・」
鞠莉「I'm tired…」
千歌「もう少しゆっくり…」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/08/31(金) 17:47:25.37 ID:P6EvqBDe0
梨子「そういえば千歌ちゃん、ここには何があるの?」
千歌「分からない」
梨子「え?」
千歌「なんか、うちに泊まった人がここに面白い場所があるって教えてくれたんだ」
梨子「はぁ・・・」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/08/31(金) 17:52:35.08 ID:P6EvqBDe0
曜「何だろ、あれ?」
曜が見つけたのは古い、人工的なトンネル。
ダイヤ「トンネル・・・ですわね」
鞠莉「入ってみる?」
梨子「やめておいた方が」
花丸「この先は展望台ずら」
梨子「?」
花丸は近くにあった立て札を指差した。立て札には確かに『この先展望台』と書かれていた。
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/08/31(金) 18:00:32.81 ID:P6EvqBDe0
曜「どうする?」
千歌「うーん」
その時、強い風が吹いた。
曜「うゎ、すごい風!」
風はすぐに止まったが、梨子は今の風が不気味に思えた。
梨子(風でこんなに鳥肌が立つのは初めて…)
千歌「よし!」
千歌「せっかくだし、行ってみヨ」
千歌の一声で各自トンネルに入っていく。
果南「梨子ちゃん、大丈夫?」
梨子「だ、大丈夫です…」
果南「そう。なら早く行こ」
果南に連れられ、梨子もトンネルに入る。
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/08/31(金) 18:07:59.71 ID:P6EvqBDe0
トンネルの内部は懐中電灯のおかげで明るいが、山道よりじめじめしていた。また、虫の姿はないが、雑草が一面に生えている。
曜「千歌ちゃん、頭に何か付いてるよ」
曜は千歌の頭から一枚の花弁を取った。
千歌「ありがと、曜…ちゃん」
ダイヤ「ルビィ、転ばないように気を付けなさい」
ルビィ「うん!」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/08/31(金) 18:18:22.44 ID:P6EvqBDe0
しばらく進むと曜が足を止めた。
曜「道が三つに分かれてるヨ?」
果南「何か、道を示すものはない?」
全員で探すが見つからない。
鞠莉「どの道に進むの?」
千歌「三つに分かれて進んでみたら?」
果南「それだと、展望台に行けるのは三人だけになるよ」
花丸「マルも、果南ちゃんの言う通りだと思うずら」
善子「どうするの」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/08/31(金) 18:41:36.68 ID:P6EvqBDe0
梨子「・・・?」
梨子「あれ、何か空気が重く・・・」
ルビィ「うっ」
善子「ル、ルビィ、大丈夫!?」
善子の慌てた声を聞き、後ろを振り向くとルビィがふらつき、今にも倒れそうになっていた。
花丸「ルビィちゃん、しっかりするずら!」
皆でルビィを支えようとすると、
果南「うぅ・・・」
ダイヤ「何故でしょう…急に…目眩が」
鞠莉「果南!ダイヤ!」
千歌「みんなしっかりして!」
果南とダイヤも急に倒れてしまった。
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/08/31(金) 18:46:10.00 ID:P6EvqBDe0
倒れた果南とダイヤを鞠莉と曜が、ルビィは花丸と善子が支えていた。
梨子(わ、私も手伝わないと・・・)
梨子も皆を手伝おうとするが、急に激しい目眩に襲われた。
梨子「あぁ・・・」
千歌「梨子ちゃん!」
千歌が梨子の様子に気付き、急いでやってきたが、千歌の手が届く前に彼女は倒れてしまった。
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/08/31(金) 18:48:29.93 ID:P6EvqBDe0
目の前が真っ白になった。
意識が段々と遠くなっていく。
誰かが呼んでいる。
そう、誰かが・・・
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/08/31(金) 19:20:58.66 ID:P6EvqBDe0
ーーーーーー
「梨子さん、梨子さん」
梨子「うぅ・・・」
倒れていた彼女は目を覚ました。
起き上がってみると視界に見慣れた顔が入った。
梨子「ダ、ダイヤさん!」
ダイヤ「梨子さん、ご無事で何よりですわ」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/08/31(金) 19:24:40.60 ID:P6EvqBDe0
ダイヤの話では、彼女もついさっき目が覚めたらしい。
近くには梨子と曜が倒れており、一人での行動は危険と思ったため、二人が目を覚ますのをまっていたらしい。
ダイヤ「そういう訳です」
梨子「そうだったんですか・・・」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/08/31(金) 19:29:13.39 ID:P6EvqBDe0
曜「あれ、二人共どうしたの?」
梨子「曜ちゃん!」
曜「えーっと、ここ何処ですか?」
ダイヤ「私に聞かれても分かりません…」
梨子「ダイヤさん、他のみんなは・・・」
ダイヤ「残念ながら、見ていません」
曜「これからどうします?」
ダイヤ「まずは他の人達を探してみましょう…」
梨子「そう、ですね」
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