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1 :
saga
:2018/08/30(木) 22:46:17.21 ID:ml2SyGCB0
理樹、YouTuberになる
クド、筋肉(マッスル)に恋をする
葉留佳、姉の引き出しから百合物の同人誌を見つける
の三本です(∵)
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1535636776
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/30(木) 23:20:17.72 ID:ml2SyGCB0
朝
食堂
真人「おっ、もう全員いるな」
理樹「本当だ」
理樹(夏休みが終わり、すっかり学校にも活気が戻った。しかし、暑さという奴は全く引き際を知らないようで、まだまだ寝付けない夜は続きそうだ)
来ヶ谷「やあ久しぶりだね二人とも」
理樹「うん!久しぶり、来ヶ谷さん!」
真人「おう!」
理樹(いつもの席にはみんなが既に食事を取っていた)
小毬「あ〜理樹君と真人君が来たよクーちゃん」
クド「あっ、本当です!お二人もキブユー!なのですっ」
理樹(クドは会うや否や僕らにピンポン球くらいの大きさの紙の包みを渡した。触ってみた感じかなり柔らかい)
真人「なんだこれ?」
クド「夏休み中、テヴアに行って来てましてそのお土産の大福です!お爺さんがとても気に入っているらしくて日本からわざわざ取り寄せていたらしいですよっ」
理樹(えっへんと胸を張るクド。それはお土産と定義していいのだろうか?)
真人「ありがとよ!それにしてもみんな変わってねえな〜」
理樹(親戚の叔父さんのような事を言う真人)
葉留佳「こんな2ヶ月程度で変わってたら逆にビックリでしょーが!」
真人「おっ、でも西園はちょっと焼けてね?」
美魚「はい。私も少し家族で沖縄へ旅行に行っていました」
理樹「みんないいなぁ。旅行に行って」
謙吾「ふっ、だが理樹だって恭介達の実家に行っていたんだろう?」
理樹「はは、まあね」
理樹(そう、僕は夏休みの間はずっと棗家にお世話になっていたのだ。というのも……)
小毬「そういえば恭介さんは元気だった?」
理樹「うん、ちょっと元気過ぎるほどだったよ」
鈴「あいつ仕事から帰ってきたらすぐ理樹と遊ぼうとするんだ」
葉留佳「やはは……なんか光景が容易に想像出来ますナ…」
理樹(卒業後、仕事に就いた恭介は学生寮に住む僕らになかなか会えず、せめて夏休み中はと思ったのか実家に招くなり仕事の時間以外のほとんどの時間を一緒に過ごして来たのである)
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/30(木) 23:46:39.57 ID:ml2SyGCB0
謙吾「しかし恭介はこんな調子で大丈夫か?社会人一年目とは言えまだ理樹や鈴と離れられない状態ではこの先心配だな」
理樹「まあ夏休みの間だし……」
鈴「でも恭介はまだ理樹や真人達と遊びたがってたぞ。今度は週末にこっちに来たいとか言ってた」
葉留佳「ウワー重症ですネ」
美魚「電話や手紙では飽き足らずお前に直接会いたい……といった感じですね……フフフ」
理樹「なんなのその言い方……」
クド「うーんでもリトルバスターズの中で恭介さん一人だけ卒業した訳ですから少し気持ちは分かりますね〜…」
理樹「でもここに来るとかそういうのは現実的じゃあないしなぁ」
理樹(どうにか僕も恭介と遊びたいが何しろこちらも学生の身でしかも寮生だ。なかなか上手くコトは運ばない)
来ヶ谷「……そうだ、ではYouTuberをやってみてはどうだろう?」
理樹「YouTuber?」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/10/15(月) 08:04:35.48 ID:8p5miMbl0
てすてす
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/10/15(月) 08:05:39.11 ID:8p5miMbl0
よっしゃあ書き込めてるな!
近いうちに再開するぜ!!
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/10/15(月) 08:32:07.47 ID:5FkJZSjEo
乙。待ってた
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/10/17(水) 23:25:25.04 ID:aIC6ZyTyo
ういーやったね
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/10/25(木) 10:56:29.88 ID:5/PYKrUs0
今日再開(∵)
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/11/04(日) 16:01:26.17 ID:R5GywDsW0
すまん、はっきり言って日シリ観てた
今度こそ再開
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/11/04(日) 22:43:40.70 ID:n7GGcr1qo
たのむぞー
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/04(日) 23:53:04.87 ID:WCa1FSV50
来ヶ谷「youtubeに動画を投稿し、そこから来る広告収入を生業として活動する人々の事をそう言う。分かりやすく言えば、ミニマムなテレビ番組を自分たちで作っているようなものだな」
理樹(と、来ヶ谷さん)
謙吾「俺も見たことがある。基本、素人が作っているようだがなかなか見れるものが多いぞ」
来ヶ谷「近頃は動画編集ソフトも潤っている分、腕に覚えがある人間がいればクオリティはそれなりの物は作れるさ。良くも悪くも内容が勝負の世界という所かな」
クド「わふー!今度私も見てみるのです!」
真人「ほー。まあそのyoutuberってのがどんなのかは分かったけどよぉ、なんでそれをやろうってんだ?」
理樹(僕も聞きたかったことを先に真人が口に出した)
来ヶ谷「ふふ、分からないか?ズバリ私たちが恭介氏が学園に居た頃のように面白いことをしているのをyoutube越しに恭介氏に楽しんでもらおうというのだよ」
理樹(今日の来ヶ谷さんは心なしかいつもより芝居がかった口調だ)
葉留佳「なにーっ!ついにリトルバスターズがゼンコクデビューですカ!?」
来ヶ谷「はっはっは。甘いな葉留佳君、youtubeはネットだから全世界だよ」
真人「なるほどそういうことか!よっしゃあ!燃えてきたぜ!!」
謙吾「ふふ・・・こんなこともあろうかと温めて来た一発ギャグ108連発がようやく火を噴くか」
美魚「撮影は任せてください」
理樹(意外にもみんなの雰囲気は肯定モードでむしろやる気が満ち溢れているようにも感じられた)
理樹「いやいやいや!みんな待ってよ!そんな簡単にやるとは言うけどそういうのって大変な準備が色々と必要なんじゃ・・・」
理樹(と、異論を唱えようとするとなにかが後ろから僕の制服を引っ張った)
鈴「理樹、あたしはやってもいいと思うぞ」
理樹「り、鈴・・・?」
鈴「確かに動画を作るのは大変かもしれないけどきっと皆でやれば楽しい。それに恭介がそれで気を紛らわしてくれれば・・・」
理樹「くれれば?」
鈴「・・・もう実家に帰っても飛びついてこなくなるかもしれない・・・」
理樹「ああ・・・」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/05(月) 00:23:56.74 ID:cRD9GO+00
来ヶ谷「youtubeに動画を投稿し、そこから来る広告収入を生業として活動する人々の事をそう言う。分かりやすく言えば、ミニマムなテレビ番組を自分たちで作っているようなものだな」
理樹(と、来ヶ谷さん)
謙吾「俺も見たことがある。基本、素人が作っているようだがなかなか見れるものが多いぞ」
来ヶ谷「近頃は動画編集ソフトも潤っている分、腕に覚えがある人間がいればクオリティはそれなりの物は作れるさ。良くも悪くも内容が勝負の世界という所かな」
クド「わふー!今度私も見てみるのです!」
真人「ほー。まあそのyoutuberってのがどんなのかは分かったけどよぉ、なんでそれをやろうってんだ?」
理樹(僕も聞きたかったことを先に真人が口に出した)
来ヶ谷「ふふ、分からないか?ズバリ私たちが恭介氏が学園に居た頃のように面白いことをしているのをyoutube越しに恭介氏に楽しんでもらおうというのだよ」
理樹(今日の来ヶ谷さんは心なしかいつもより芝居がかった口調だ)
葉留佳「なにーっ!ついにリトルバスターズがゼンコクデビューですカ!?」
来ヶ谷「はっはっは。甘いな葉留佳君、youtubeはネットだから全世界だよ」
真人「なるほどそういうことか!よっしゃあ!燃えてきたぜ!!」
謙吾「ふふ・・・こんなこともあろうかと温めて来た一発ギャグ108連発がようやく火を噴くか」
美魚「撮影は任せてください」
理樹(意外にもみんなの雰囲気は肯定モードでむしろやる気が満ち溢れているようにも感じられた)
理樹「いやいやいや!みんな待ってよ!そんな簡単にやるとは言うけどそういうのって大変な準備が色々と必要なんじゃ・・・」
理樹(と、異論を唱えようとするとなにかが後ろから僕の制服を引っ張った)
鈴「理樹、あたしはやってもいいと思うぞ」
理樹「り、鈴・・・?」
鈴「確かに動画を作るのは大変かもしれないけどきっと皆でやれば楽しい。それに恭介がそれで気を紛らわしてくれれば・・・」
理樹「くれれば?」
鈴「・・・もう実家に帰っても飛びついてこなくなるかもしれない・・・」
理樹「ああ・・・」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/05(月) 00:48:41.02 ID:cRD9GO+00
来ヶ谷「という訳で我らがリーダーのお許しも出たことだし早速次の休日から初めて行こう!
みんな「「「おおー!」」」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・
数日後
来ヶ谷「よーいアクション!」
カンッ
謙吾「はい!という訳でさっそく第一回リトルバスターズチャンネルをやっていきたいと思います!今回のリポーターは私、宮沢謙吾と・・・」
真人「井ノ原真人、略してイノマサがお送りするぜ!」
謙吾「って語呂が悪いわ!なんのための略称だ!」
真人・謙吾「「ハッハッハッ」」
来ヶ谷「はいカット。どうだ?」
美魚「画は問題ありません」
来ヶ谷「音は?」
小毬「うん、オッケーだよーっ」
カカンッ
来ヶ谷「よし、次の場面にいこう!」
理樹(撮影は全員素人の状態だったはずが思ったよりとてもスムーズに動いていた。僕は撮影というとただカメラを回すだけかと思っていたが、
どうやら音を別で撮る”音響”や、撮る対象を光で照らす”照明”といった部署があるようで、来ヶ谷さんはそれらを僕らに恐ろしい程の速度で伝授していった。そんな撮影風景をぼんやりと後ろで見ていると、さっきまで現場にいたはずの鈴が近くに来て話しかけてきた)
鈴「理樹、どうした?」
理樹「ああ、いや・・・来ヶ谷さんは凄いなぁってね。みんなを引っ張って上手くやってるし、僕よりよっぽどリーダーに適任じゃないかって思ってさ」
鈴「そんなことはないっ」
理樹(鈴はそういうとスズをちりんと鳴らして言った)
鈴「確かに今回は来ヶ谷が言い出しっぺだったが、恭介がいた頃もこんなことはあった。あんまり上手くは言えないが、リーダーというのは必ずしも真ん中にいなくてもいいんだ。たまには皆がやってる後ろで見守ってないと何か起こっても気付きにくい・・・と、あたしは思う」
理樹(そういう鈴の目には僕が自分を卑下したことに対するちょっぴりの怒りと、過去の恭介の背中を見てきたことによる確信の想いが見て取れたような気がした)
理樹「ふふ、そういうものかな」
理樹(その時、前から来ヶ谷さんの声が聞こえた)
来ヶ谷「おおい、来てくれ理樹君。2人がまた喧嘩しそうなんだ。君じゃないと止められそうにない」
鈴「ほら、行ってこい」
理樹「うん」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/05(月) 01:19:08.13 ID:cRD9GO+00
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・
一週間後
夜
恭介部屋
恭介「ふう・・・今日も疲れたな・・・」
恭介(なかなかやりがいのある仕事ではあるが、最近はずっと働き詰めで疲れが溜まりやすくなっていた。こういう時はネットサーフィンで面白動画を見るのが日課となりつつある)
恭介「どれどれ、今日のおすすめはっと・・・・ん?・・・・・んんんんんん!?」
恭介(youtubeの動画一覧をざっと見ていると一つどこかで見たことがある顔がサムネイルになっている動画を見つけた。つかどうあがいても真人だこれ)
恭介「何故真人がyoutubeに!?」
恭介(さっそく動画をクリックして撮影してみると、まぎれもない真人と謙吾が学校の食堂メニューで食レポをしていた。一瞬俺の頭が働き過ぎでおかしくなったのかと思ったが、確かにそこにはリトルバスターズチャンネルとかいうそれらしいチャンネル名と共に動画が投稿されていた)
恭介「ふふ・・・なるほど、今度はyoutuberを始めようってか。なかなか面白そうじゃねえか!どれ、少し見守ってみるか」
恭介(それにしても一つ気になるのは、おそらくあっちも意識せざるを得ないだろうが・・・)
同時刻
理樹部屋
来ヶ谷「動画再生数・・・やっぱり伸びないな」
理樹(動画を投稿してから数日後、動画の見直しも兼ねて僕と真人と来ヶ谷さんと鈴と謙吾の5人が部屋に集まった)
真人「やっぱりってどういうことだよっ」
来ヶ谷「いやなに、初めから上手くいくとは思っていなかったさ。ただ、テストを兼ねていたとはいえたったの58回では皆も少しは落胆するだろう」
謙吾「俺達自身が見た回数を減らすと21回か・・・」
理樹「いつの間にそんなに見てたの!?」
真人「内容そんなに悪いとは思ってなかったんだがなぁ」
鈴「お前らがただ飯を食うだけの動画のどこが面白いんじゃ」
真人「あんだと!?」
理樹「まあまあ落ち着いて。・・・そういえば恭介にはまだ動画のこと伝えなくていいの?」
来ヶ谷「ああ。いずれは話すのもいいが、どんどん動画が話題になって次第に恭介氏の目に入って驚かせるというのもまた一興だろう」
謙吾「ふっ、確かに。驚く姿が目に浮かぶな」
来ヶ谷「そうだな・・・どういうのが良いと思う?」
鈴「うーん・・・」
真人「すまねえ、話の最中で悪いけどちょっとトイレいってくるわ」
理樹「行ってらっしゃい」
パタン
理樹(と、真人が部屋を出ると、来ヶ谷さんは怪しげな目をして言った)
来ヶ谷「・・・とは言ったが実はもう次の企画は決めてあるんだ」
理樹「・・・というと?」
来ヶ谷「ドッキリ企画だよ。主人公は真人君だよ」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/05(月) 02:44:31.26 ID:cRD9GO+00
昼
裏庭
真人「よう、珍しいな。鈴が呼び出すなんてよ」
鈴「まあな。たまには一緒に飯でもどうかと思ってな」
真人「ふっ、3年に上がってから色々変わったなあ鈴さんよ。そういえば結局撮影の方はどうすることになってんだ?そろそろじゃねえの?」
鈴「・・・うーん、そうだな」
真人「・・・ところでなんだその手に持ってるちっちゃい奴?」
鈴「ん?これか?これはまあ、なんだ、今度使うマイクだっ」
真人「そうかい。あ、ていうか飯食うならなんか買って来なきゃな!購買行こうぜ!」
鈴「・・・」
ダダダッ
謙吾「真人!」
真人「おう謙吾!・・・どうした、そんな声荒げて」
謙吾「り・・・理樹がリトルバスターズの女性陣全員と全股しててそれがバレたから結局能美とそのままテヴアへ駆け落ちした!」
真人「な・・・なん・・・だと・・・?」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/11/05(月) 03:12:06.06 ID:1ejxbi/fO
俺たちの理樹がそんなことする筈が……
って言いたいけど実際に別周回で全員と付き合ってるし、あり得なくもないと思えるのが中々
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/11/09(金) 13:24:54.08 ID:8iLR/AmUO
理樹が女装すりゃ真人、謙吾も攻略可能よ
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/11/10(土) 13:05:23.87 ID:V8HZVgJFO
女装理樹とかいう一見すると与太話と見せかけた公式の存在
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/19(月) 02:16:29.11 ID:eipS4Y3W0
茂み
理樹(真人はこの真人しか引っかからないであろうドッキリに見事引っかかっていた)
来ヶ谷「うむ。やはり真人君は素晴らしいな」
美魚「あとはこのまま校門で落とし穴に引っかかる真人さんへネタバレするという流れですね」
理樹「やっていてなんだけど凄まじく雑だよね」
………………………………………………………………
謙吾「テヴアに向かうぞ真人!既に飛行機のチケットは取っている!俺たちで理樹の目を覚まさせよう!」
真人「……………………」
謙吾「……真人?」
理樹(外へ向かおうとする謙吾。真人もそのまま後を追うものかと思ったけど、何やら様子がおかしい)
真人「待て謙吾、それは俺たちが言ってもいいものなのか?」
謙吾「なに?」
……………………………………………………………
来ヶ谷「むむ」
美魚「どうしたんでしょう?」
理樹(予想外の真人の動きに来ヶ谷さん達の動揺が見て取れた)
……………………………………………………………
真人「確かに理樹の行動は褒められたもんじゃねえが……でも、理樹は本当にそういう事をするか?」
謙吾「だ、だが実際にそうだと女子から聞いたんだぞ!?」
真人「謙吾はあの理樹がそうやって人を傷付けるような奴だと本気で思っているのか?」
謙吾「……いや、そうは思わない」
真人「こんなことになってるのに理樹は俺やお前に相談すらせず外国まで行っちまったんだ。きっと何か事情があるに違いねえ……!」
……………………………………………………………
理樹「ま、真人……」
理樹(真人は、リトルバスターズの中でもよく人にいじられたり遊ばれたりはするが決して本気で見下す人間はいない。むしろ友人である事を誇りに思う人の方が多いだろう。僕もその一人だ)
来ヶ谷「まずいなこれは…これでは凄く真人君がカッコいい」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/19(月) 02:24:30.72 ID:eipS4Y3W0
真人「鈴、お前も理樹とそういう関係だったのか?」
鈴「うん。赤ちゃんもいる」
理樹(とんだ畜生だな僕)
真人「正直に言って俺はこの件に関して何も関係がない。だからもし理樹が本当にそういう事になっていたとしてもぶん殴ってやる事は出来ない。だから鈴、もし鈴に行く気があるなら理樹のいる場所の扉の前までは俺も一緒について行くぜ」
理樹(真人はずっと真面目な顔だった。とてもドッキリをしていることが申し訳ない。まさかこんなアホな話に本気になってくれるとは……)
……………………………………………………………
美魚「どうしますか?」
理樹(来ヶ谷さんは苦笑いしながらふっと笑った)
来ヶ谷「もういい、我々の負けだ。葉留佳君にプラカードを持ってこっちに来てもらおう」
美魚「はいっ」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/11/19(月) 02:42:30.73 ID:eipS4Y3W0
数日後
理樹部屋
カチカチッ
来ヶ谷「ううむ……おっ、今度は再生数が伸びているな。ちょっとしたネットニュースで紹介されたのと同じくらいだ」
真人「ふっ、やっぱり俺の理樹に対する熱い思いが伝わっちまったかな……?」
理樹(あのドッキリをしてからというものの皆真人に対して何か申し訳なくなり、その結果、真人本人はちょっと調子に乗っていた)
理樹「はいはい……あ、なんかコメントがちらほら付いてるね」
謙吾「なになに……『ドッキリの女の子が美人』『仕掛け人の子あんまり喋ってなかったけどかわいい〜』」
理樹(ネットは素直な意見が多く、また大抵は内容に関わらず視聴者にとって目に留まった部分が注目されがちだ)
真人「全然ドッキリ関係ねえじゃねえか!」
謙吾「だと、鈴」
鈴「な、な、な……」
理樹(鈴は少し顔を赤くさせていた。元から鈴は学校で男子からそれなりの人気を博していたが、こうやって直接的に褒められたことは少ないのだろう。あるいはされても気づかなかったか)
来ヶ谷「ふふふ……」
理樹(そこへ怪しげな笑顔を浮かべる来ヶ谷さん)
来ヶ谷「私はどうも回りくどい考え方をしていたようだ。……そうだよ。最初から鈴君達を売り出せばよかったじゃないか、何故こんな美女揃いのグループなのに女の子を前面に押し出さなかったんだ私は!」
理樹「僕はあえて黙ってたけどそういう感じでやっちゃうと何か本末転倒地味て来ない!?」
来ヶ谷「可愛いは正義だよ理樹君。可愛いは正義だ」
理樹「ええ……」
理樹(この有無を言わさず話が通る感じ、無茶苦茶ではあるが恭介のいた頃のリトルバスターズにとてつもなく似た流れだ……)
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/25(日) 22:45:57.78 ID:FzGPTWlK0
同時期
恭介部屋
恭介(仕事帰り、ふとまたあいつらが動画を更新しているかもしれないと思い立ち、早速チェックしてみると案の定新しい動画が上がっていた)
「〜〜〜!」
恭介「ふっ、真人にドッキリはなぁ・・・特にこういう種類のは昔から斜め上の反応をしてくるから成功した試しがなかったんだよなあ・・・」
恭介(思わず学生の頃に真人をびっくりさせようとさせてきた過去を思い出して苦笑いを浮かべた。そして何気なしに動画に寄せられたコメントを見ていくと一つの特徴を持ったコメント群が目を引いた)
恭介「『仕掛け人の女の子が可愛いすぎる』『女の子をもっと映せ』・・・・か」
恭介(確かに鈴は可愛い。それは避けようのない事実だ。しかしそうか、とうとうあの可愛さが世界デビューしちまったか・・・)
恭介「・・・」
恭介「なんだか嫌な予感がするな」
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
数日後
来ヶ谷「チキチキ!棗鈴VS直枝理樹の野球対決〜〜〜!」
パフパフ〜!
小毬・クド・葉留佳「「いえ〜〜〜!!」」
鈴「理樹、なんだこれは」
理樹「あはは・・・これもなんか企画らしいよ。youtubeの・・・」
理樹(来ヶ谷さんが言うには今度は前回のコメントからヒントを得て鈴のマスコット性を前面に押し出した企画にしたいとの事だった)
来ヶ谷「えー今回は草野球チームらしく黄金の右腕、棗鈴と学園の虎、直枝理樹の3打席勝負をしたいと思います。ルールは簡単、彼ら2人で1回分の勝負をしてもらい、3アウトになるまでに1点でも理樹君が入れることが出来れば理樹君の勝ち、逆にこの回を抑えられたら鈴君の勝利となります」
鈴「・・・つまりどういうことだ?」
謙吾「理樹を打ち取ればいいってことだ。ちなみに守備と代走は俺達がやる」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/25(日) 23:00:35.82 ID:FzGPTWlK0
来ヶ谷「プレイボール!」
理樹「なんだかよく分からないけど勝負なら手は抜かないよ鈴!」
鈴「おー!あたしも容赦はしない!」
理樹(とはいったが、動画的には鈴の良いところを映したいはず・・・真剣勝負に水を差すのは主義じゃないがここは適当な所で力を抜いて・・・)
来ヶ谷「あっそうだ」
理樹(と、僕のすぐ後ろでグラブを構える来ヶ谷さんがうっかりしていたといった口調で言った)
来ヶ谷「負けた方はえげつない罰ゲームを用意しているから頑張りたまえ」
理樹・鈴「「!?」」
理樹(気合を入れることにした)
PIIIIIIII!!
あーちゃん先輩「さあ始まりました理樹くんバーサス鈴ちゃんの戦い!実況は私、あーちゃんと!」
佳奈多「・・・解説の二木です。なんで私がこんなことを・・・」
あーちゃん「まま、固いこと言わないで!それよりかなたん、相手ピッチャーから見て直枝選手はどうですか?」
佳奈多「・・・そうですね、やはり棗選手が退団した今、同時に監督も務めるリトルバスターズの4番打者ですから威圧感はあるでしょう」
あーちゃん「そうですかー。さあ、ピッチャー振りかぶって投げた!」
鈴「うりゃ!」
バシュッ
あーちゃん「おっと、一球目は外してきた!」
佳奈多「抉るようなインコースですね」
あーちゃん「打者に対して恐れはないぞ、といった力強い投球です」
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/25(日) 23:23:23.42 ID:FzGPTWlK0
理樹「おっとと・・・」
審判「ボール!」
理樹(鈴の投球は試合の時となんら変わらない球圧だった。それにしてもこのコントロールをたった数回練習しただけで仕上げてくるとは・・・)
来ヶ谷「いい球だ鈴君!」
・・・・・・・・・・・・・・
あーちゃん「さあ試合は佳境を迎えました。ツーツー、2アウト一塁二塁」
「〜〜〜」
あーちゃん「えーたった今、お菓子休憩をしていた神北アナから速報があるようです。神北アナどうぞ」
小毬「はいっ、えー先ほど捕手のくーちゃん選手から話を聞いたところ、2人のうちどちらか負けた方には罰ゲームがあるそうで、鈴ちゃんは猫耳メイドを、理樹君には巫女の女装をしてもらうそうです」
あーちゃん「はい、小毬アナウンサーありがとうございましたー!・・・とのことですがかなたん?」
佳奈多「・・・そ、それは・・・見逃せない勝負ですね・・っ!」
あーちゃん「さあと言っている間に鈴選手投げっ・・・ああーっと!打った!直枝選手打ちました!」
佳奈多「あーー!!だめだめ!行くな!行くな!超えるな!!」
ピュー・・・
あーちゃん「っとなにやら欲望じみた声も聞こえましたがボールはギリギリポールの外側へ外れてファールです!」
佳奈多「ほっ・・・」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/26(月) 01:05:40.12 ID:CNAELP+30
理樹「はぁ・・・はぁ・・・」
鈴「ふーっ・・・ふーっ・・・!」
来ヶ谷「・・・」
スッ
来ヶ谷(ここは流れを一旦切るためにも一球外そう外角低めののフォークだ)
鈴「んーん」
来ヶ谷「・・・オーケー」
来ヶ谷(ストレートだな。君も熱い女性だ)
鈴「・・・!」
コクッ
あーちゃん「さあ首を一度振ったっ」
佳奈多「恐らくここで勝負を決めるつもりでしょう。この回だけで47球投げてますからね」
あーちゃん「なるほど、次の球が最大ポテンシャルで投げられる限界という訳ね!」
鈴「・・・!」
スッ
理樹「・・・っ!」
ギュゥ
あーちゃん「鈴ちゃん振りかぶって・・・投げた!」
バシュッ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/26(月) 01:15:06.33 ID:CNAELP+30
理樹部屋
理樹「・・・それで反応の方はどう?」
カタカタ・・・
来ヶ谷「うむ、上々だ!再生数も中堅と言っても差し支えの無いところまで来ている。これもひとえに二人の真剣な様子と可愛さから来るものだろう」
理樹(今、可愛さまで一緒くたにされた気がしたけど言及するのはやめておこう)
真人「『二人ともいい目をしているのがイイネ』『実況と解説も面白い!罰ゲームはよ』だってよ!」
謙吾「そうだ、罰ゲームもまた別で撮るのか?」
来ヶ谷「そうだな。既に企画についてはだいたい考えてある。・・・・期待しているぞ理樹君?」
理樹「・・・うう」
理樹(その次の日、来ヶ谷さんは具体的な企画書を持って皆の前に現れた。それは『巫女姿のままあらゆる場所を闊歩していつまでバレないか』という地獄のようなものだった)
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/26(月) 01:16:08.74 ID:CNAELP+30
つづく(∵)
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/11/26(月) 02:33:44.15 ID:/48EvLR00
さすが
>>1
!!!期待通りの女装理樹登場
おつ
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/11/26(月) 19:55:57.37 ID:6U9pmJkM0
理樹君的にはバレても地獄、バレなきゃバレないで男としてのアイデンティティ的な意味でも地獄という逃げ場のない状態
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/27(火) 00:08:38.31 ID:HmEpJKHh0
数日後
グラウンド
来ヶ谷「はい、という訳でやってまいりました罰ゲームのコーナー」
謙吾「いえええええええぇぇぇーーーっっっ!!!!」
葉留佳「ひゃほおおおお!!」
小毬「ぱふぱふ〜」
クド「わふわふ!」
鈴「なんか全体的にテンション高いな」
真人「謙吾は巫女姿って聞いてからあんな調子だぜ・・・」
来ヶ谷「それにしても我々は鈴君に感謝しなくてはならないな。近年は警戒されてこういう機会がなければ中々お目にかかれない」
鈴「乙女は強くなくっちゃな」
美魚「それにしてもこれは撮れ高が期待できますね」
佳奈多「ところで肝心の直枝はどこよ?」
真人「なんで当たり前のようにお前もいるんだよっ!?」
来ヶ谷「ふっ、案ずるなかれ者どもよ。今回罰ゲームを受けることとなった直枝理樹君・・・いや、理樹子は今そこの更衣室でスタンバっている。それではどうぞ!」
ガララッッ
理樹子「うう〜・・・もう一生の恥だよ・・・」
シーン
謙吾「・・・おお」
佳奈多「うあ・・・・」
全員「「「・・・・・・」」」
ゴクリ
理樹「いやいやいやいやいや!!みんな何か反応してよ!」
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/27(火) 00:24:23.62 ID:HmEpJKHh0
理樹(扉から登場する前まではてっきり色んな冷やかしが飛び交ってくるものかと思ったけど、実際の状況はそれと程遠く、まるで同窓会にまったく知らない人が現れたかのような静けさしかなかった)
理樹「ど、どうしたのさ・・・」
真人「・・・レベル高ぇなオイ」
謙吾「これもう実質女性じゃないのか?」
佳奈多「アリね、アリだわ」
来ヶ谷「あーこれはヤバいな。キュートすぎる」
鈴「おい、なんか知らない人だぞ。理樹はどこだ?」
美魚「はぁ・・はぁ・・!」
理樹(その時、本能でなんとなく『これがガチの時の反応なのか』と悟った)
理樹「あ、あはは・・・冗談きついな皆!ほら、カツラ被ってるからでしょ?これで顔が見えづらかったんだよきっと」
理樹(僕はポニーテールになっていたカツラを外した。すると張り詰めた雰囲気が少しマシになった・・・ような気がする)
鈴「あ、なんだ理樹か」
小毬「えへへ〜私とはるちゃんでメイクした甲斐がありましたね〜」
葉留佳「えっへん!」
来ヶ谷「ご、ごほん!よし、じゃあお披露目も済んだことだし早速企画の説明をしようか!」
謙吾「お、おう・・・そうだな!頼む来ヶ谷っ」
佳奈多「・・・・」
シュン
美魚「フルパワー直枝さんがあれほどだったとは・・・いやぁ油断していました」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/27(火) 00:37:04.99 ID:HmEpJKHh0
来ヶ谷「この企画はずばり理樹子ちゃんがあらゆる女性向けの場所に赴いてバレないかを攻めていくものだ。バレたらその時点で終了、ただしわざとバレるような行動・・・人前で喋ったりなどしてもノーカウントで次の場所へ移動だ」
理樹「もう好きにして・・・」
来ヶ谷「この企画は少人数で行動しよう。カメラマンの美魚君と企画進行役の私、あと一人くらいならいいが・・・」
葉留佳「はいはーい!はるちんも行きたーい!」
佳奈多「ずるいわよ葉留佳!私も行きたいわ!」
クド「わ、私も行きたいですー!」
来ヶ谷「ふふ・・・じゃあくじ引きでいこうか」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
街中
真人「別に俺はどっちでもよかったんだけどなぁ・・・」
来ヶ谷「いいじゃないか、美少女3人に囲まれて幸せだろう」
理樹「もうつっこまないからね」
美魚「ところで最初はどこへ行きますか?」
来ヶ谷「そうだな・・・女子寮という手もあったが正直言ってどうせバレないからな。ここはもっと大胆に行こう」
理樹「というと?」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/27(火) 00:53:07.30 ID:HmEpJKHh0
アウトレットモール
理樹「いやいやいや・・・まさかとは思うけど・・・」
来ヶ谷「うむ!理樹君は思いのほか素で完成度が高かったからな。ここで衣装も来てみよう」
理樹「いや絶対問題でしょこれ!」
来ヶ谷「大丈夫、試着するものは全部買い取るし、試着室なんて男女どちらが使っても問題あるまい」
理樹「いやいやいや・・・」
美魚「さあ観念して中に入りましょう!」
理樹「ちょっとお、押さないで・・・!」
真人「おいおい、あんまりいじめてやるなよ?」
ウィーン
店員「いらっしゃいませー!」
理樹(店に入ると早速店員さんが話しかけてきた。僕は声を出すとバレるのでここからはおしゃべり厳禁だ)
店員「わっ、巫女さんですかー?とても似合ってますねー!」
来ヶ谷「そうでしょうそうでしょう。実はこの子、今まで実家の神社でずっと暮らしていたため、年相応の服を一着も持っていないのです。彼女に似合うものを何着か見繕ってくれませんか?」
理樹(人が何も言えないからって適当言って!)
店員「そーなんすか!?よーし、腕が鳴るぞ!ちょっとお待ちください!」
理樹(若い店員は目に炎を灯し、一周して僕を見るとあちこちの服を調達しに行った。相変わらず来ヶ谷さんは人が言われて嬉しい言葉を引き出すのが上手い)
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/27(火) 01:05:58.87 ID:HmEpJKHh0
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・
1時間後
店員「ありがとうございましたー!」
ウィーン
理樹「・・・死にたい」
理樹(あの後ゆうに15回は試着を繰り返したと思う。女性らしいふわふわしたものからピチピチした一歩間違えたら犯罪じみたものまで・・・今来ているものもスカートだから股がなにやらスースーして気持ちが悪い)
来ヶ谷「うむ、理樹子ちゃんはなで肩だからフリフリの服も割と似合うな!」
美魚「大丈夫です、費用は私たち持ちですが服は直枝さんにお渡ししますよ」
理樹「いらないよ!」
真人「次はどこいく?」
来ヶ谷「次はランジェリーショップに・・・」
理樹「絶っっ対!!行かないからね!」
来ヶ谷「はっはっは!そう凄まれても今の理樹君だと可愛いだけだよ」
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/27(火) 01:25:07.90 ID:HmEpJKHh0
理樹(その後もパンケーキ屋やメイク用品店などに連れまわされた。残念ながらその中で僕を男性だと疑う人は見つからず、散々真人に嫉妬の目線やお世辞が贈られるだけの一日だった)
理樹部屋
ガチャ
鈴「お。おかえりー」
謙吾「ふっ、また可愛くなって帰って来たな」
理樹「もー勘弁してよ・・・おかげでスカートをはいてる時のしぐさを完全にマスターしちゃったんだから」
佳奈多「やってみなさいよ」
理樹「ええーこんな感じ?」
ヒラヒラ
理樹(フラフラ動きながらもスカートをパンツが見えるギリギリで押さえたりした)
佳奈多「グハッ!」
葉留佳「お姉ちゃんが倒れた!」
来ヶ谷「いやしかし、これならなかなか期待通りの動画が出来そうだ」
美魚「我々の目線を抜きにしてもこれは結構いい再生数を稼げるのでは?」
理樹「いやいやいや・・・流石にないでしょ。むしろこんなヘンテコな内容で逆に人が離れるんじゃない?」
来ヶ谷「どうだろうな。女の子が男だったり、男の子が女だったり。はたまた男同士だったり女同士だったりと、性に関してはよく分からないことが流行りまくっているからな。もしかするとこれは・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・
数日後
来ヶ谷「バズった」
理樹「えっ?」
来ヶ谷「再生数100万いった」
理樹「えっ?」
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/11/27(火) 01:33:38.25 ID:+Fqczpzw0
流石理樹子ちゃん……!
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/27(火) 02:31:23.84 ID:HmEpJKHh0
謙吾「『この子本当に男の子?可愛すぎだろ・・・』『理樹子ちゃんのファンになります』『理樹君は本当に男の子?気になる交友関係、彼氏はいるのか?』」
来ヶ谷「既に有志によって理樹君のファンクラブのようなものまで出来つつある」
佳奈多「なるほど、コアな層に目を付けられたって訳ね」
真人「だからなんでお前が自然と俺達の部屋にいるんだよっ!というかコアな層ってお前らだろ!」
理樹「うわあ・・・なんか大ごとみたいになっちゃったね・・・」
来ヶ谷「みたいな・・・というより大ごとだ。こいつは非常にまずいことになったぞ」
鈴「どーゆー意味だ?」
来ヶ谷「有名になったということはそれほど一般群衆と理樹君個人の関係が狭まったということ。今のネットの有名税は以前と比べて50%は増したと言っても過言ではない。今までは役者やタレントといった芸能人こそが有名人であったが、今日日素人がテレビなどを介さずそのまま同じような扱いを受ける時代だ」
謙吾「そうか・・・学校では元々、リトルバスターズのリーダー・・・もとい学内のぬらりひょんとして有名だった理樹もこれからは学外ですら有名となってしまい、ほとぼりが冷めるまでどこでもお忍び状態となってしまう訳か!」
理樹「待って、ぬらりひょんのくだり初めて聞いたんだけど」
来ヶ谷「すまない、理樹君。これから君の可愛さに嫉妬してあらゆる謂れのない言葉や風評被害を投げつけられるかもしれない・・・」
理樹「いやいやいや、考えすぎだよ。確かに100万回ってのは凄いけど一瞬で流行るってことは一瞬で廃れるってことなんだから」
来ヶ谷「・・・そうだな。少々人気に怖気づいてネガティブな考えになっていたようだ。ここは人気youtuberとしての成功をささやかながらに祝おうじゃないか」
皆「「「おおーっっ」」」
・・・・・・・・・・・・
夜
理樹部屋
理樹(最初は僕も来ヶ谷さんにああは言ったけどやっぱりちょっと不安なところはある。確かにネットというのは恐ろしいもので、一歩使い方を誤っただけで想わぬ事態になることは少なくない。まさか僕の元までやってくるような人はいないとは思うけど今度から動画での言動は注意しよう)
理樹「ふぁぁ・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/27(火) 02:51:16.77 ID:HmEpJKHh0
次の日
教室
理樹(それは授業中、もうすぐで寝てしまうかという時のことであった)
ブーブーッ
理樹「?」
理樹(授業中にもかかわらず携帯のバイブが鳴った。先生に見つからないよう静かに中身を確認すると、それは前の方に座っている謙吾からだった)
謙吾『窓の外、グラウンドの更衣室の影を見てみろ』
理樹(妙な指示だな、と思ったのもつかの間。視線を言う通りに流して僕は全身の血が凍り付いた)
謎の男「・・・」
理樹「!?」
理樹(何者かがこちらを見ていた。背丈は高く、おそらく170〜175cmといったところだろう。肩幅も大きく男性であることは間違いない。・・・と、何故こうも確信の無い言い方をしているかというとその原因がその男の格好だった。上下はフードを深くかぶったパーカーと体格の分かりづらいジャージ。それに顔は大きなサングラスとマスクでほとんどが覆われていたからである)
謙吾『早速現れてしまったな』
理樹(謙吾がまたそう送ってきた。そうなのか?本当に僕の・・・」
来ヶ谷『何があった?』
理樹(すると僕の落ち着きのなさに左端の席の来ヶ谷さんが気付いてメールを寄越した。僕も謙吾と同様のメールを送る)
来ヶ谷『状況は把握した』
理樹(来ヶ谷さんはそれだけ返すと席を立った)
来ヶ谷「すいません先生。少し体調が悪いので保健室に行かせてもらってもよろしいでしょうか?」
謙吾「・・・!」
先生「あ、ああ・・・行きなさい」
ガタッ
謙吾「俺もついていこう」
来ヶ谷「ああ、助かるよ」
理樹「・・・・・・・」
理樹(見かけはただの保健室へ向かう生徒と、それを手伝う友人だが、僕にはどうも違う思惑が見てうかがえる。おそらくなにか先ほどから僕らの教室を覗いている男性について対策するつもりなんだろう・・・無茶はしてほしくないけど・・・)
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/27(火) 03:06:03.54 ID:HmEpJKHh0
明日終わりにしたい。そして終わったらこれからかなーり忙しくなるので短編集とか言ったけどスレは閉じる。いや、申し訳ない
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