【アイマス昔話】「おばあさんと街コン」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/21(火) 17:17:14.66 ID:lpSP5emkO
……

…むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました

小鳥「あらぁ、いま千早ちゃんの声が聞こえた気がするけれど、私の気のせいかしら?」

…き、気のせいです、きっと

小鳥「それで、おじいさんはどこにいるのかしら?」

……

……

…おばあさんが一人で住んでいました

小鳥「一人だわー、一人でおばあさんになってしまったわー」

お、おばあさんは毎日寂しく暮らしていました

小鳥「川上から大きな桃が流れてきてその中から渋い感じのナイスミドルが」



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2 :いきなり訂正… [saga]:2018/08/21(火) 17:18:53.18 ID:lpSP5emkO
……

…むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました

小鳥「あらぁ、いま空から千早ちゃんの声が聞こえた気がするけれど、私の気のせいかしらぁ?」

…き、気のせいです、きっと

小鳥「それで、おじいさんはどこにいるのかしら?」

……

……

…おばあさんが一人で住んでいました

小鳥「一人だわー、一人でおばあさんになってしまったわー」

お、おばあさんは毎日寂しく暮らしていました

小鳥「寂しいわー。川上から大きな桃が流れてきてその中から渋い感じのナイスミドルが出てこないかしらー」

というわけで、おばあさんは川に洗濯に行くことにしました
3 :いきなり訂正… [saga]:2018/08/21(火) 17:25:32.27 ID:lpSP5emkO
小鳥「川に着いたわ。さて、溜まっている洗濯物を洗うとしますか」

おばあさんは誰にも見せる予定のない可愛い下着などを丹念に洗いました

小鳥「見せる予定無さすぎて、ワコールさんに謝らなきゃいけないくらいだわ」

そんなことを呟きながら洗濯していると、川上から大きな桃がアンジェリークアンジェリークと流れてきました

小鳥「まぁ!私の人生を狂わせた擬音とともに大きな桃が流れてきたわ!」

おばあさんはその桃を部屋に持ち帰ることにしました
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/21(火) 17:36:44.59 ID:lpSP5emkO
小鳥「ナイスミドル…渋い感じで私の趣味にも理解があって3か国語くらい話せてクルーザーとか持ってるナイスミドル……」

図々しくも大きく条件を付け足しながら、おばあさんはよく使い込まれた包丁で桃を割りました。すると……

小鳥「まぁ!何やらチラシが入っていたわ!何のチラシかしら!」

なんとそのチラシには、765市で開催されるいわゆる「街コン」の案内が記されていました

小鳥「あー、街コンかぁ。街コンで本当の愛が見つかるとは思えないのよね。アバンチュールを求めるだけ、みたいな」

過去にアバンチュールすら無かったおばあさんは、何やらは悟ったようなことを呟きながら、いそいそと身支度を始めました

小鳥「ミ、ミニスカートは攻めすぎかしら……?」

過去に攻めたことすら無かったおばあさんは、街コンに何を着ていけばよいのかも分からない様子でした
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/21(火) 17:44:53.49 ID:B8bCGUhy0
オイ、怒らないからおばあさんってスレタイ見て瞬時にピヨちゃんが浮かんだ奴素直に手を挙げろ

ノシ
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/21(火) 17:53:45.94 ID:lpSP5emkO
小鳥「お化粧よし、服装よし、お弁当よし!」

念のために二人分のお弁当を作り、おばあさんは軽やかな足取りで部屋を飛び出してゆきました

小鳥「嫁になりたい 自由な嫁にー」

持ち歌を図々しく替え歌しながら歩いていると、一匹の犬が現れました

雪歩「わ、わん」

小鳥「…自分が犬になるのは大丈夫なのかしら?」

雪歩「な、なんとか……」

小鳥「あ、そうなのね…まぁ、可愛いワンちゃん!」

雪歩「お、お腹が減りましたぁ……」

犬は腹ペコといった様子で、ALRIGHT*とははほど遠い状態でした

小鳥「困ったわねぇ…いま二人分のお弁当しかないのよね……」

雪歩「く、くぅーんくぅーん!」

その切なさと儚さの入り交じった表情に忘れかけていた母性本能を刺激されたおばあさんは、お弁当を分けてあげることにしました
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/21(火) 18:00:37.92 ID:lpSP5emkO
雪歩「ごちそうさまでしたぁ」

小鳥「もっと食べてもいいのよ?」

雪歩「もうじゅうぶんです。ありがとうごちそうさまでしたぁ」

犬はおばあさんがどこかで無くしてしまった純真さをたたえた微笑みで、お礼を言いました

小鳥「…ペット…動物好きな女性…アピールポイント……」

おばあさんは長年の事務員人生で培った計算能力で瞬時に判断しました

小鳥「着いてくる?」

雪歩「い、いいんですか?」

小鳥「ええ。一緒に行きましょう」

こうしておばあさんの旅…という名の街コンに犬が加わりました
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/21(火) 18:11:01.50 ID:lpSP5emkO
小鳥「オーライっ 今日が笑えたらー」

雪歩「お、オーライっ 明日はきっと幸せ」

その歌詞に何事かを託しているかのように歌うおばあさんとそれに付き合わされている犬が林の側を歩いていると、そこから何かの鳴き声が聞こえてきました

響「…はいさい」

小鳥「…猿?鳥?」

響「…うっきー……」

小鳥「まぁ、お猿さんだわ」

どうやら猿の鳴き声だったようです

響「お腹空いたぞ」

猿も腹ペコの様子でした

小鳥「うーん……」

響「お腹空いたぞ」

まるで無理やり覚えさせられたセリフを嫌々言わされているかの如く、猿は抑揚のない口調で繰り返しました
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/21(火) 18:18:43.07 ID:lpSP5emkO
小鳥「犬の食いかけのお弁当ならあるけど……」

雪歩「言い方……」

そんなだからお嫁に行けないんですぅ、と犬は思いました

雪歩「お、思ってないですぅ!」

響「お腹空いたぞ」

犬は三度繰り返しました

小鳥「お食べなさい」

響「う、うっきー!」

どうやらヤケになった猿は、お弁当の残りを食べ始めました

雪歩「小鳥さ…お、おばあさんお料理上手ですよね」

小鳥「いつか訪れる『その日』のために腕を磨いてきたのよ」

『その日』がどの日なのか、まだ子供の犬にはよく分かりませんでした
たぶん
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/21(火) 18:32:58.08 ID:lpSP5emkO
響「ごちそうさまでした」

小鳥「あら、もういいの?」

まるでこの後にも何かが登場するのを予言するかの如く、猿はお弁当を残しました

響「うん、もう大丈夫だぞ。ありがと」

猿はおばあさんがどこかで無くしてしまった爛漫さをたたえた笑顔で、お礼を言いました

小鳥「…猿かぁ……」

おばあさんは長年の事務員人生で培った計算能力を活用しましたが、連れていくことに対するメリットを見出だせませんでした

響「あ、ホントに!じゃあ帰るね自分!」

雪歩「!!!…くぅーん!」

なんの躊躇いもなく帰りかけた猿を見つめながら、犬が哀しそうな鳴き声をもらしました

響「……」

雪歩「くぅーん…響ちゃん…くぅーん……」

犬猿の仲、という言葉など嘘のような光景が、おばあさんの眼前で繰り広げられていました

響「一緒に…行くぞ……」

小鳥「あ、そうなのね、来ちゃうのね」

雪歩「よ、よかったですねおばあさん!楽しい仲間が増えましたぁ!」

こうしてあらたに猿を加えたおばあさん一行は、街コンに向かって再び歩き出しました
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/21(火) 18:49:51.69 ID:lpSP5emkO
おばあさんと犬と猿が765市へと渡る橋のたもとまで来ると、そこに何かがうずくまっていました
できれば無視して先へと進んで欲しそうなオーラを全身から漂わせています

小鳥「えっと…鳥よね?」

律子「…ホーホケキョ」

どうやら鳥でした

小鳥「鳥さん鳥さん、そんなところにうずくまってどうしたの?」

おばあさんは優しさアピール全開で声をかけました

律子「…あー、お腹へったなー、何か食べるものは無いかしらー、食べかけのお弁当でもいいから食べるもの無いかしらー!」

鳥は最初からヤケでした
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/21(火) 19:05:34.16 ID:lpSP5emkO
小鳥「あら、ちょうど良かったわ。犬と猿の食いかけのお弁当があるのよ」

響「だから、言い方……」

雪歩「字面が汚すぎますぅ……」

でもなんくるないさー、と猿は思いました

響「なんくるなくないさー……」

律子「漬物と黒豆しか残ってない……」

猿は気の使えない残し方をしていました

響「そ、それはなんくるなくないさー!」

律子「美味しいわー、犬と猿が残した漬物と黒豆美味しいわー」

鳥はまるで魔法をかけられたかのようにいっぱいいっぱい食べました
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