【艦これ】Extra Operation!! ドンと打ち上げ恋花火

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25 : ◆6x79oqdrbDOF [sage]:2018/08/16(木) 08:35:43.38 ID:CshDtiF10
>>24 美味しいですね コンビニに置いてあるとつい買っちゃうぐらいには好きです
そして今までボンタンアメの事をポンタンアメと憶えてました 衝撃の事実ですよ...
26 : ◆6x79oqdrbDOF [sage saga]:2018/08/19(日) 00:04:03.84 ID:uDI7Ft8B0

提督「何だ知らなかったのか、うちの鎮守府は鳳翔さんがトップの絶対君主制だぞ?鳳翔さんが白と言えばKでも白になるし、ついでに吹雪のパンツの色も白になる」

熊野「吹雪ちゃんのパンツ事情はどうでも良いですわ…提督って案外適当な所が有りますわね」

提督「この前熊野に騙された事、根に持ってるからな」

熊野「ちっちゃい男ですわ」

これぐらいの冗談は多めに見て欲しい。少しはおちょくらないとこっちが振り回されっぱなしだからな。

まあ、冗談を言う相手を間違えるとひどい目に会うのだが。霞辺りからはキツイ回し蹴りが飛んで来たのは言うまでもない。

熊野「今、他の女の事を考えましたわね?」

提督「んんっ、して、ないぞ?」

…その点、熊野との距離は丁度良いのかもしれない。
27 : ◆6x79oqdrbDOF [sage saga]:2018/08/19(日) 00:06:07.29 ID:uDI7Ft8B0

周りの露店の客が一人、また一人と捌けて行くのを眺めていると、急に体の右側から衝撃が飛んできた。

提督「おっと」

衝撃があった足元を見ると、そこには小さな影が蹲っていた。どうやら子供にぶつかってしまったらしい。

熊野「あらら、ボク、大丈夫ですの?」

少年「あ、え…ぅああああん!!!」

小学生位の子だろうか。熊野が声をかけるも、少年の目には見る見るうちに涙が溜まっていき、泣き出してしまった。

熊野「ど、どうしましょう提督」

提督「まあ俺に任せておけ」

ちっちゃい子が泣き出すのは、俺の経験則から大きく分けて3つの場合がある。

一つ目はお腹が減った時。人間誰しも空腹には耐え難いもので、子供なら尚更だろう。

二つ目はお目当てのおもちゃが買って貰えなかった時。売り場でヤダヤダ大旋風を親にお見舞いする事請け負いだ。

そして最後の三つ目、歩き疲れた時。親に連れられて歩いたあの日、疲れてよくおんぶを強請ったのを今でも覚えている。

ここから導かれる、俺がすべき事は…
28 : ◆6x79oqdrbDOF [sage saga]:2018/08/19(日) 00:10:20.71 ID:uDI7Ft8B0

提督「ほーら、おいちゃんが抱っこしてやるぞー」

少年「んぎゃああああああああああああ!!!!」

しまった、ぎゃん泣きじゃないか!どうやら俺は選択肢を間違えたらしい。

熊野「ちょっと提督!?何をしていますの!?」

提督「いや、疲れているだろうから抱っこでもしてあげようかなって」

熊野「だからって、見知らぬおじさんに抱っこされて喜ぶ子供はいませんわ!」

そうじゃん、俺見知らぬおじさんだったわ。パパじゃなかったわ。

呆気に取られていた俺を尻目に、熊野は涙と鼻水でグズグズになってしまった男の子の顔をハンカチで丁寧に拭う。

熊野「ああ、ほら泣かないで。男の子は滅多に涙を見せない物ですわ」

少年「うえぇ…ママあああ」

熊野「どうやら迷子みたいですわね」

言われてみれば子供とセットのはずの親の姿が見つからない。周りを見渡しても見渡してもそれらしい人は居ないようだ。
29 : ◆6x79oqdrbDOF [sage saga]:2018/08/19(日) 00:30:19.27 ID:uDI7Ft8B0

熊野「提督」

提督「そうだなあ…」

親とはぐれた子供をその場に放置する程、俺は鬼じゃない。

熊野と二人で子供の手を取り合うと、列を外れて親を探す事にした。

提督「…なあ少年、俺の顔、そんなに怖かった?」

少年「う”ん”…」

提督「そっかぁ…そっかぁ…」

提督「少年、正直なのは結構な事だが、これから生きていく上でお世辞という物を覚えていくと良いかもしれなイタタタタ!!!!」

熊野「ほんとこの人は…」

少年「おいちゃん怒られてやんのー!」

提督「少年、君以外と余裕あるんじゃないの?」

少年「うえええええええん!!!」

熊野「提督?」

提督「ちょ、これは理不尽じゃないか?」

熊野「言うなれば提督とこの子の間柄は事故を起こした自動車と歩行者ですわ」

提督「つまり?」

熊野「10:0で提督が悪いのですわ」

提督「そんなー!」


30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/23(木) 14:11:26.66 ID:sNvdDW7fo
おつ
31 : ◆6x79oqdrbDOF [sage saga]:2018/08/29(水) 11:21:45.72 ID:nsJN+/rV0

提督「...で、お父さんとはぐれちゃった訳だ」

少年「うん...」

少年が言うには、迷子になった経緯はこうだ。

父親と手をつないで歩いているとクラスメイトに似た子を見つけたそうだ。

後姿だったので本当にクラスメイトかどうか定かではなかったのだが、その子と話したかった為に、彼は父親の制止を振り切って追いかけたのだ。

振り切って走り出したまでは良かったのだが、周りの観覧客に紛れてしまい見つけられず、それに加えて彼自身も父親とはぐれてしまった...というのが事の顛末らしい。

提督「ちゃんと親の言う事は聞かないとな...多分、お父さんも今頃君を探し回ってる」

俺と熊野に挟まれた形で歩む少年は、俯きながら泣きべそをかいている。

まあ乗りかかった船なのだから、きちんと少年を親の元へ返す事にしよう。

それに父親とはぐれてから、時間はあまり経っていないそうなので、まだ近くにいるかもしれない。
32 : ◆6x79oqdrbDOF [sage saga]:2018/08/29(水) 11:22:39.02 ID:nsJN+/rV0

熊野「とりあえず、お父さんはどんな方ですの?」

そうだな、人探しをするときの基本はその人の特徴を聞く事だ。

提督「流石だなワトソン君」

熊野「誰がワトソンですか」

少年「えーっと...お父さんは優しくて、でもちょっと頼りなくて...でもかっこいいよ!」

熊野「だそうですわホームズ」

さすがにかの有名な名探偵ホームズにも無理と言うものがあるだろう。

提督「お父さんの服とかは分かるか?身に付けてるものとか」

少年「あっ、お父さん眼鏡かけてるよ!あとね、白いシャツ!」

提督「白?無地の真っ白なシャツって事か?」

少年「うん!」

これは有益な情報である。暗がりの場所では白い服装は比較的見つけやすい筈だ。

提督「じゃあ、お父さんとはぐれた場所まで戻ろうか」

少年「わかった、たぶんこっち!」

熊野「だめですわ。ちゃんと手をつないで、ね?」

走り出そうとした少年の手を、熊野と同じようにしっかりと繋ぎ止める。

これは親御さんも大変だな...目を離したら何処に行くか分かった物ではない。

小さい頃の自分もそうだったのだろうか。
33 : ◆6x79oqdrbDOF [sage saga]:2018/08/29(水) 11:23:55.62 ID:nsJN+/rV0

少年「僕ね、お父さんにフランクフルト買ってもらう約束したんだ」

熊野「じゃあ尚更、お父さんを見つけないといけませんわね?」

少年「うん、楽しみ!」

遥か頭上で咲き乱れる花火に照らされながら、俺達は三人で人ごみの中を掻き分けていく。

暫く経つと少年にも余裕が戻ってきたのか、無邪気にはしゃぎながら熊野とお喋りに花を咲かせ始めた。

少年「ねえ、おねえさんの名前はなんていうの?」

熊野「私ですか?熊野、と申しますの」

少年「くまの、かぁー。くまのは、おいちゃんとつきあってるの?」

流石小学生、ませてやがる。

一方の熊野はというと、口元に手を当てながら穏やかに笑っていた。

そしてこちらをちらりと一瞥すると、

熊野「やっぱり、そう見えますの?」

と含みのある返事をした。

少年「えー、違うの?ねえおいちゃん、教えてよ!」

提督「そうだな、たぶん君の想像通りだと思うぞ」

少年「もー、よくわかんない!」

提督「何時か分かるさ」
34 : ◆6x79oqdrbDOF [sage saga]:2018/08/29(水) 11:24:33.25 ID:nsJN+/rV0

少年「ずるいー!お父さんもそうだ、子供だからって秘密にするもん」

提督「例えば?」

少年「お父さん達、僕が寝た後にこっそり何か飲んでるんだ。黄色いしゅわしゅわの奴」

提督「あーなるほどな」

確かにお酒は子供には無縁なものだろう。親が秘密にしたいのも分かる。

少年「知ってるの?」

提督「俺は知らないなぁ」

少年「...ほんとう?」

提督「本当ダヨ、ワタシウソツイタコトナイヨ」

少年「絶対嘘だ」

提督「熊野なら知ってるかもな」

熊野「残念ですけど、私にも良く分かりかねますわ」

提督「まあ、何時か分かるさ」

少年「またそれじゃん」

提督「悪いな」

取り留めの無い無駄な会話が繰り広げられる。

そしてそれを悪くないと思う自分も居る。

なんだろう、何時かこうやって自分の子と会話をする日が俺にも来るのだろうか。

熊野「ふふっ、なんだか楽しいですわ」

提督「...ああ、そうだな」
35 : ◆6x79oqdrbDOF [sage saga]:2018/09/02(日) 14:44:17.22 ID:S/WWOSba0

提督「ここか?お父さんとはぐれた場所」

少年「...」

俺と熊野の手を引く少年が急に立ち止まる。どうやら彼の父親とはぐれた場所に辿り着いた様だ。

しかし残念な事に、少年の親の姿は辺りには見当たらなかった。

ここで暫く待つ方が良いのかもしれないが、少年の暗い顔色を見るに余り得策とは言えないだろう。

提督「熊野、悪いが迷子案内の場所を調べてもらえるか」

熊野「...おそらく向かい岸のハーバーランド側ですわ。こちら側からでは」

携帯端末で花火大会の特設HPをこちらに見せてくる。彼女の言うとおり、簡易地図に指し示された場所は、

提督「遠すぎるな」

現在俺達が居るしおさい公園からは、当然歩いて行ける様な距離ではない。

いっその事、最寄り駅の駅員に託した方が良いのだろうか。

提督(...やっぱり駄目だな)

俺にはどうしてもこの少年を、再び一人にする気にはなれなかった。

提督「少しの間、待っててくれるか?周りを探してくる。熊野!」

熊野「はい」

提督「親御さんが来るかもしれないから、この子に付き添っていてくれ」

熊野「承りましたわ」

熊野にそう告げると、俺は足早にその場を駆け出した。
36 : ◆6x79oqdrbDOF [sage saga]:2018/09/02(日) 14:44:55.13 ID:S/WWOSba0

熊野「大丈夫ですわ。ちゃんと提督が見つけてきてくれます」

少年「うん」

とは言ったものの、彼はこの子の親を見つける事ができるのかしら、と私は不安になってしまう。

先程から私達の前を多くの人が通り過ぎていく。

やはり花火大会と言うだけの事はあって、普段とは比べ物にならない程の人通りだ。

隣に腰をかけている少年も必死に親御さんを探している様ではあるが、今の所それらしき姿は見つけられていない。

少年「...くまのは寂しくないの?」

熊野「私ですか?私はもういい歳ですから、寂しくなんてありませんわ」

少年「くまのは大人なんだね」

熊野「ええ」

そう返したものの、私は何気ない少年の言葉に、心の何処かで突っ掛かりを覚えていた。

(寂しい...か)
37 : ◆6x79oqdrbDOF [sage saga]:2018/09/02(日) 14:45:28.48 ID:S/WWOSba0

艦娘は外見は人間と外見こそ似ているものの、本質は似て非なるものだ。

陸ではこうやって人と変わりない姿で過ごしているが、一度戦場である海上へ出れば艤装を展開し、人類の敵である深海棲艦と砲撃の応酬をする。

当然、戦闘では負傷者も出るし、場合によっては航行不能な損害を被る事だってある。

それでも私達は沈まない限り、工廠で入渠すれば傷は癒え、そして再び戦場へ舞い戻るだろう。

その姿は兵器と言っても過言ではない。

しかし兵器である私達にも心と言うものが存在するのだ。

人と同じように喜怒哀楽の感情を持ち、心の拠り所を求める。

それは同じ戦場に立つ仲間だったり、かけがえのない日常を守る為だったり、様々だ。

そして私、航空巡洋艦熊野にとって提督は心の拠り所となる存在である。

左手の薬指に付けられた指輪を無意識に撫でる。

彼から渡された、この鈍く光る指輪にはどのような意味が含まれていたのだろうか。

私の鎮守府では今までケッコンカッコカリをした艦娘は存在せず、事実上、私だけが提督と深い絆を結んでいる事になる。

この指輪を渡された時、彼からはこれからもよろしく頼む、と言う言葉だけであった。

彼は私をどう見ているのだろう。兵器の艦娘として?それとも...
38 : ◆YbZj61qUG8el [sage saga]:2018/12/12(水) 05:11:07.39 ID:uhvFBWPe0
test
39 : ◆mkE0UYh50w [sage saga]:2018/12/12(水) 05:12:02.19 ID:uhvFBWPe0
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