【モバマス】きょうこちゃんのおばあちゃんのはな

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1 : ◆Vysj.4B9aySt [sage]:2018/08/10(金) 17:59:23.94 ID:IgexI0rDO
ドタドタドタ

響子「Pさん?見つかりましたか?」

モバP(以下P)「あぁ、こんな所にな」

ポロッ

P「おや、これは?」

響子「あ……懐かしい。これ、私のおばあちゃんが作ってくれた絵本なんですよ」

P「へー、響子のか……見てもいいか?」

響子「とりあえず、ここを片付けたらお茶を入れますので」

P「わかった。手伝うよ」

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2 : ◆Vysj.4B9aySt [sage]:2018/08/10(金) 18:09:14.38 ID:IgexI0rDO
本日、10日は五十嵐響子の誕生日です。

そして、連合国による日本に対するポツダム宣言の日でもあり、時期が時期だけにそれを絡めたお話になります

こちら、独自の設定がありますので、よろしくお願いいたします
3 : ◆Vysj.4B9aySt [sage]:2018/08/10(金) 18:16:41.98 ID:IgexI0rDO
――73年前

きょうこ「今日もいい天気。お洗濯を干して、勤労奉仕にいかないと」

オーイ

きょうこ「あ、Pさん。あれ?予課練に行ったのに本日は休暇ですか?」

P「……そのな」

きょうこ「Pさん……?」

「まさか……」

P「うん。今度、沖縄に行くことになった」

きょうこ「嘘……嘘ですよね」ワナワナ

P「こうして休暇をもらえたのが証拠って言ったら?」

きょうこ「いやっ!Pさんが死ぬだなんて!」

P「……大丈夫。俺の肉体は無くなっても、必ずきょうこの元へ帰ってくるから」

きょうこ「馬鹿!……私の…私の気持ちも知らないで……」

「Pさんなんて、アメリカに体当たりできずに死んじゃえ!」

タッタッタッ



P「……すまん」
4 : ◆Vysj.4B9aySt [sage]:2018/08/10(金) 18:37:47.77 ID:IgexI0rDO
きょうこ「ひどいよ……」グスングスン

「まだ……私から」

「好きだって……言ってないのに」

「その為に……一生懸命に」



ボーンボーン

「あっ!」

「いけない、勤労奉仕の時間になっちゃう!」

タッタッタッ
5 : ◆Vysj.4B9aySt [sage]:2018/08/10(金) 18:39:22.73 ID:IgexI0rDO
ハァハァハァ

きょうこ「急がないと、さなえさんとか怒るからなぁ」

タッタッタッ

きょうこ「……またPさんに会えるといいけど」



ウーウーウー

「え?空襲!?」
6 : ◆Vysj.4B9aySt [sage]:2018/08/10(金) 18:41:27.01 ID:IgexI0rDO
ヒューン

バリバリバリバリバリバリ

ドカーン

ギャー

タスケテー





きょうこ「あぁ……私の…」

「工場がアメリカにやられちゃって……」

「ど、どうしよう」ガクガク
7 : ◆Vysj.4B9aySt [sage]:2018/08/10(金) 18:43:27.12 ID:IgexI0rDO
グォーン

きょうこ「え……こっちに……」

キーン

「や……やだ」

バリバリバリ

「きゃっ!」



「きょうこぉーっ!」

ガバッ
8 : ◆Vysj.4B9aySt [sage]:2018/08/10(金) 18:50:28.37 ID:IgexI0rDO
きょうこ「きゃっ!」

ドサッ

ギューン



P「行ったみたいだな……痛てて」

きょうこ「Pさん!?」

P「きょうこがこっちに向かったのを見てな……うっ」

きょうこ「大変!血が……」

P「大丈夫。かすり傷だ。それより……」

きょうこ「あ……」
9 : ◆Vysj.4B9aySt [sage]:2018/08/10(金) 18:56:48.94 ID:IgexI0rDO
きょうこ「うづきちゃん!みほちゃん!」

タッタッタッ

「まゆちゃん!ちえりちゃん!ゆかりちゃん!」

タッタッタッ

「そんな……みんな……昨日まで」

「みんな……笑ってたのに」

「ゆみさんが育てていたお花も……燃えて」

グラッ

「あ……さなえさ」

バタン

「んっ?!」

サワサワ

P「……駄目だ。事切れてる」

きょうこ「そんな……私……私だけ……嘘……」

「そんなのヤダよう……」グスグス

「Pさん……私、どうしたらいいの……」

P「きょうこ!」ダキッ

きょうこ「あ……Pさん?」

P「きょうこには俺が……俺がいる」

きょうこ「Pさん……」ギュッ
10 : ◆Vysj.4B9aySt [sage]:2018/08/10(金) 18:59:56.95 ID:IgexI0rDO
P「俺が休暇を貰ったのは墓参りと」

「きょうこ、お前に会うためだ」

きょうこ「え……私に?」

P「俺もお前が好きだ!この体が無くなる前に……せめて生きた証に」

「お前を抱きたい」



きょうこ「Pさん……」

シュル

パサッ

「はい……私、Pさんの赤ちゃん。欲しいです」
11 : ◆Vysj.4B9aySt [sage]:2018/08/10(金) 19:04:41.25 ID:IgexI0rDO
…………
……

響子「こうして、きょうこちゃんはPさんの子どもを生みました」

「まもなく、戦争も終わりPさんも無事に帰って来ました」

「きょうこちゃんは亡くなったみんなが生きた証にと、再びお花を植えいつまでも幸せに暮らしました」

P「……」

響子「Pさん?」

P「その……なんだ。お腹の子。絶対に幸せに育てような」

響子「Pさん……」パアァァァ



「はいっ!勿論です」

「みんな、幸せになりましょうね」
12 : ◆Vysj.4B9aySt [sage]:2018/08/10(金) 19:15:12.28 ID:IgexI0rDO
P「で、そのおばあちゃんは鳥取から来れるの?」

響子「はい、大丈夫です」

「えっと正確には、ひいおばあちゃんですけどね」

P「そっか……そんなに昔の話なんだ」

「今日、響子が16歳になったから籍を入れて、明日が結婚式。あわただしかったからなぁ」

響子「小さなハートをぎゅっと詰め込んだ、結婚式になりますよね」コンヤクユビワキラリ

P「まさかあの歌の通りになるとは思わなかったがな。でも、もう待たなくても響子の笑顔はそこにあるからな」


響子「ふふっ、私の笑顔でダンナ様を幸せにしますから、覚悟してくださいねっ」



(o・▽・o)&(●・▽・●)おわりだよー
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