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渋谷凛「監視の気持ち」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:28:55.78 ID:xgYAeiA40
デレマスの二次創作SSです
人によっては百合に感じられる描写があるかもしれません
よろしくお願いします
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1533446935
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:30:38.65 ID:xgYAeiA40
──衣装室──
蘭子(最近はアイドルのお仕事にも慣れてきたけど)
蘭子(改めて考えるとすごいなぁ、プロデューサーって……)
蘭子(だって私がこの素敵な衣装を着れるのも、プロデューサーが頑張ってお仕事を取ってきてくれるおかげなんだもん)
蘭子(どんなに忙しくっても、そのことを絶対に忘れちゃいけませんよね)
蘭子(ありがとうプロデューサー。これからも一緒に進んでいけたら嬉しいです)
蘭子「我らが魂の赴くままに……!」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:31:25.87 ID:xgYAeiA40
蘭子(とはいえ、誰もいない衣装室でそんなことを考えていたって、感謝の気持ちは伝わらない)
蘭子(プロデューサーに会った時に、直接口に出して言わないと!)
蘭子(でもなんて言えばいいんだろう。ありがとうの気持ちを伝える時ぐらい、ストレートな言葉を使って……)
蘭子(うん。試しに我がグリモアールにセリフを書いてみよう)
カキカキ
『カンシャしている』
蘭子「……」カァァ
蘭子(す、ストーレートすぎる! こんな直球の言葉、私言えない!)
蘭子(もう少し考えた方が良さそうかも)ペリ…
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:33:23.21 ID:xgYAeiA40
トントン
蘭子「!?」ビクッ
凛「ねぇ、衣装室に誰かいる? 入ってもいいかな?」
蘭子(凛ちゃんの声! こんな時間にどうして!?)
凛「トライアドで着る衣装、一応サイズの確認しておいてって奈緒と加蓮が……誰もいないなら入っちゃうよ」
蘭子(どどどどうしよう! このままじゃ凛ちゃんにこの紙を見られちゃう!)
蘭子(身を隠せる場所もないし、うまい言い訳も思いつかない……)
蘭子(あ、そうだっ。急いで消しゴムで消せば)ゴシゴシ
凛「失礼しまーす」キィ…
蘭子(あぁダメだ、間に合わない! どうしよう……どうしよう……)
蘭子(! そうだ!)
バッ
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:34:41.43 ID:xgYAeiA40
凛「あれ、蘭子いたんだ。返事してくれれば良かったのに」
蘭子「……降誕の時に備え、魔力を高めている最中であった」
凛「あー、集中してたってこと? そっか、邪魔してごめんね」
蘭子「いえ……優しき同胞よ、気にするでない!」タタタッ
バタンッ
蘭子(私が急いで紙を隠したのは、ずらりと並ぶ衣装の中の隙間……)
蘭子(服の間に紙を入れ、後で回収すれば誰にも見られることはないはず!)
蘭子(どうか見つかりませんように……!)
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:35:32.36 ID:xgYAeiA40
凛「……走って出て行っちゃうなんて、よっぽど集中したかったんだね」
凛「悪いことしちゃったな。後で謝っておかないと」
凛「でも今は、さっさと衣装合わせを済ませないとね」
ゴソゴソ
凛「次のトライアドの衣装ってどれだっけ。これじゃないし、これでもないし……」
凛「あ、多分これだ。えーと、確か胸のレースのあたりに特徴があるから……」サワサワ
カサッ
凛「ん? 衣装の内側から変な紙が出てきた」
凛「何か書いてあるな……」
ペラリ
『カンシ している』
凛「……」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:36:20.77 ID:xgYAeiA40
──控え室──
ガチャッ
奈緒「凛。おかえりー」
加蓮「遅かったじゃん。やっぱ体型変わってたんじゃない?」
凛「いや、サイズに変更はなし。むしろウエスト3mm細くなってたぐらいだよ。全く失礼しちゃうな」
奈緒「ライブ前だからみんな測る決まりなんだよ。でもま、変わりないようで安心したぜ」
加蓮「ふーん、体型変わってなかったんだ。この前奈緒のおやつのチョコを盗み食いした時、凛の方が多く食べてたのに」
奈緒「なっ!? いつの間にかあたしのおやつがなくなってると思ったら、お前たちが犯人だったのか!」
加蓮「ふふ。机に開けっぱなし置きっぱなしの方が悪いんだよー」クスクス
凛「ごめん奈緒。チョコだったから、てっきり私への貢物かと思って」
奈緒「貢ぐわけあるか! どんな発想だよ!」
アハハ…
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:36:56.81 ID:xgYAeiA40
奈緒「さて、そろそろ時間だな。今日はリハのリハみたいなもんだけど、油断せず真剣に合わせていこう!」
加蓮「そうだね。行くよ凛」
凛「……うん」
凛(手紙のこと、2人に言おうかどうか迷ったけど、この雰囲気を崩すのは嫌だな)
凛(……監視している、か)
凛(差出人は熱心なファンか、ストーカーか……)
凛(どちらにしても気持ち悪い。練習の後プロデューサーに報告しよう)
奈緒「何ぼーっとしてんだ凛?」
凛「ごめんごめん、今行くよ」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:38:25.70 ID:xgYAeiA40
──スタジオ──
まゆ「トライアドのみなさん。お疲れさまです」ペコリ
奈緒「あれ、なんでまゆがいるんだ?」
加蓮「今日って合同だったっけ?」
まゆ「いえ、まゆは隣のスタジオで撮影です。でもその前に、プロデューサーさんにお会いしておこうと思って」フフ
奈緒「そ、そうか」
加蓮「私たちの練習の邪魔はしないでね?」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:39:04.05 ID:xgYAeiA40
まゆ「ええ。それでは行ってきます」
タタタッ
加蓮「……凛も行って来なよ」
凛「え?」
加蓮「プロデューサーさんのところ。衣装のサイズの報告があるでしょ」
凛「そんなの後でも良くない?」
加蓮「いいから行って来なって。凛が戻ってくるまで準備体操は待ってるから」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:40:07.13 ID:xgYAeiA40
まゆ「……そうですか。わかりました、失礼します」ペコリ
凛「まゆ。プロデューサーいた?」タタッ
まゆ「あれ、凛ちゃんもプロデューサーさんにご用なんですか?」
凛「うん。ちょっとね」
まゆ「……」
凛「ただの衣装サイズの報告だから」
まゆ「……そうですか。ですが、まだプロデューサーさんは到着されてないみたいです。スタッフの方に聞いたんですけど、いつ来られるかもわからないそうで」
凛「ふーん、そっか。まあでもトライアドの練習までにはやって来るでしょ。まゆも私たちと一緒に待つ?」
まゆ「まゆはこれから隣のスタジオで撮影が……」
凛「あ、そうだった」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:40:52.60 ID:xgYAeiA40
まゆ「しょうがありません。電話でお話しさせていだだきましょう」ピピ
プルルルル ガチャ
まゆ「もしもしプロデューサーさん? はい、まゆです」
まゆ「そうですかぁ、会議が長引いて……ええ。今スタジオにいるんです」
まゆ「プロデューサーさんに会うために、撮影の前に寄ったんですよぉ」フフッ
まゆ「え? どうして自分がスタジオに行くことを知ってるかって?」
まゆ「……うふふ。プロデューサーさんの予定ぐらい、把握しているに決まってるじゃないですか」
まゆ「まゆはいつだってプロデューサーさんのことを……”監視している”んですよ」
凛「……」
まゆ「ふふっ、監視は言い過ぎですかね。でも、それぐらい大好きってことです」
まゆ「なんたってまゆとプロデューサーさんは、運命の赤いリボンでつながっているんですから」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:41:48.06 ID:xgYAeiA40
ピッ
まゆ「ふふふ……」
凛「……ねぇ、まゆ」
まゆ「あ、凛ちゃん。ごめんなさい、凛ちゃんも報告があったんでしたっけ。かけ直しましょうか?」
凛「大丈夫。それよりも……監視してるって、どういう意味?」
まゆ「え?」
凛「プロデューサーのこと監視してるって言ったよね。あれは、どういう意味で言ったのかな?」
まゆ「……そんなの決まってるじゃないですかぁ」
まゆ「大好きって意味です。好きすぎて、あなたのことを全部知りたいって意味です。他にどんな意味があるんですか?」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:42:26.90 ID:xgYAeiA40
──練習後──
オツカレサマデシター
凛「私は卯月と帰る約束があるから。休憩室で時間潰していくね」
奈緒「おう。お疲れさま」
加蓮「また明日ねー」
ガチャッ …ゴロン
凛(練習、上手くいって良かった。手紙のことも練習中は気にならなかったし)
凛(あ、そうだ手紙……結局報告せずじまいだ。プロデューサー最後までこっちに来てくれなかったから)
凛(まあしょうがないよね。最近ずっと忙しそうだもん。あっちこっち動き回って、きっと疲れてるし)
凛(ふう。私も今日は、かなり疲れた……)
スースー…
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:43:13.79 ID:xgYAeiA40
卯月「──凛ちゃん」
凛「……」
卯月「凛ちゃん、凛ちゃん。起きてください」ツン
凛「……あれ、卯月?」
卯月「はいっ。お待たせしました凛ちゃん」
凛「うん……ふぁーあ。横になってたらいつの間にか寝ちゃってたよ」
卯月「もう、無用心ですよ。鍵のない部屋で女の子が居眠りなんて。お腹もめくれちゃってるじゃないですか」
凛「しょうがないじゃん、休憩室にベッドが置いてあるのが悪いんだよ。自由に寝てくださいってお願いされてるようなもんだもん、これ」ポンポン
卯月「もー、凛ちゃんったら」クスクス
凛「……おはよう卯月」
卯月「はい。おはようございます、凛ちゃん!」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:43:44.17 ID:xgYAeiA40
──帰り道──
テクテク
卯月「今日はどんな1日でしたか?」
凛「うーん、練習漬けの1日だったかな。トライアドでレッスンしっぱなしだった」
卯月「大変でしたね。お疲れさまです」
凛「うん、卯月もお疲れさま」
卯月「えへへ。私の方はラジオだけで、今日は穏やかな感じでしたけど」
凛「そっか。ならよかった」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:44:36.08 ID:xgYAeiA40
凛「まあ、トライアドの練習がハードになるのは仕方のないんことだけどね」
卯月「ライブの予定が近いですからね。私も今から楽しみです。必ず見に行きますよ、凛ちゃんたちのライブ」
凛「本当? 見に来てくれるの?」
卯月「当たり前です。未央ちゃんと一緒に、もうチケットも買ってありますので!」キリッ
凛「ふふっ、言ってくれれば何枚かあげられたのに」
卯月「いいえ、自分たちの手で直接取ってみたかったんです。今回のライブは特にチケットの倍率が高いって聞きましたから」
凛「そっか……ありがとう」
卯月「えへへ、お礼は私が言う側ですよ」
凛「え、どうして?」
卯月「凛ちゃんたちがキラキラと輝く姿は、私にとって、とっても大切な原動力ですから」
卯月「凛ちゃんたちの姿を見て感じる『あんな風にキラキラしたい』って気持ちが、私を前へ前へと進めてくれるんです。いつもありがとう、凛ちゃん」ニコッ
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:45:24.11 ID:xgYAeiA40
凛「……」
卯月「凛ちゃん?」
凛「あ、いや……こちらこそありがとう。卯月と未央の期待に応えられるよう、次のライブ、絶対に成功させるからね」
卯月「はい! 島村卯月、全力で応援します!」
──凛の部屋──
プルルルル… ガチャ
凛「あ、もしもしプロデューサー?」
凛「こんな時間にごめんね。……うん、プロデューサーもお疲れ様」
凛「大した用じゃないんだけど、衣装サイズの報告だけ電話で済ませちゃおうと思って。ほら、明日も会うの無理そうだし」
凛「うん、衣装のサイズに変更はないから。それだけよろしくね」
凛「……そういえば、あれからまゆとは会えたの?」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:46:04.74 ID:xgYAeiA40
凛「そっか、撮影の後に会えたんだ。よかったね」
凛「え、なんでまゆと電話したのを知ってるのかって?」
凛「……」
凛「だって私は、プロデューサーのことを”監視している”から」
ガタンッ
凛「……あはは、冗談だよ冗談」
凛「あの時まゆのすぐ隣に居たんだ。ごめんね、そんなに驚くと思わなくて」クスクス
凛「……うん、そうだね。こんな電話してる暇があるなら体を休めないとね」
凛「プロデューサーも早く寝てね。それじゃあおやすみなさい」
ピッ
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:46:53.25 ID:xgYAeiA40
──翌日──
凛(そういえば、昨日の電話でストーカーからの手紙のこと報告するの忘れてた)
凛(まぁ、また後で電話しなおせばいいか……)
ガチャ
凛「おはよー2人とも」
奈緒「おう凛。今日も頑張っていこうな」
加蓮「昨日以上の完成度を目指して、気合い入れてこうね」
凛「うん、頑張ろう」
ザワザワ ランコチャンガンバッテー! ミリアモヤルー
奈緒「なんだ、騒ぎか?」
加蓮「蘭子がギャラリーに囲まれながら携帯電話を握ってる……」
蘭子「プ、ププ、プロデューサー!」
凛「プロデューサー?」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:47:28.88 ID:xgYAeiA40
蘭子「い、いきなり、電話してごめんなさい……」
蘭子「あの、えっと、今日は思い切って伝えたいことがあって」オロオロ
蘭子「その、ええと……」
蘭子「……」グッ
蘭子「私、プロデューサーに感謝しているんですっ!」
蘭子「私1人じゃ、絶対にここまで来れなかったから……」
蘭子「だから、今日こそは感謝の気持ちを、直接伝えようと思って……!」カァァ
加蓮「わーお。朝から熱いもの見せてくれるねぇ」
奈緒「邪魔しちゃ悪そうだ。別んとこ行こうぜ」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:48:09.78 ID:xgYAeiA40
──控え室──
奈緒「さっきの蘭子、すごかったな」
加蓮「うん。まさに愛の告白って感じだったよね〜。甘〜い!」
凛「いや、愛の告白ではないでしょ……」
加蓮「ん? なに? もしかして妬いてる?」
凛「はぁ?」
奈緒「でも、蘭子の言ってることはその通りだよな。あたしたちもプロデューサーさんにはきちんと感謝しないと」
加蓮「いつもお世話してもらってるもんねー。そうだ、ライブの打ち上げはプロデューサーさんの好きなお店でやるっていうのはどうかな」
奈緒「いいな。でもあの人の好物ってなんだっけ?」
加蓮「んー、なんだったかなぁ」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:48:43.76 ID:xgYAeiA40
まゆ「プロデューサーさんの好物はまゆの手料理ですよ」ニュッ
凛「わっ!」ビクッ
まゆ「どうでしょう、打ち上げは寮のまゆの部屋でやるというのは……」
加蓮「まゆ!」
奈緒「どっから出てきたんだ!? ここトライアドの控え室だぞ!」
まゆ「うふふ。いえ、少し凛ちゃんに話がありましてね……」
凛「え、私?」
まゆ「はい。今お時間よろしいですか?」
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:49:42.53 ID:xgYAeiA40
──カフェ──
ゴユックリドウゾー
凛「で、話って何?」
まゆ「昨日の帰りの際、休憩室に寄りましたよね。控え室の窓から、加蓮ちゃん奈緒ちゃんと別れるところを見ていました」
凛「? それが何?」
まゆ「まゆもプロデューサーさんを待つために、凛ちゃんが帰った後休憩室に入ったんです」
まゆ「そしたら、とある紙がベットの上に」
凛「あ……」
凛(しまった。あの手紙を落としたか……)
まゆ「その反応、やはり凛ちゃんのものでしたか。……ふふ、大丈夫です。誰にも言わずまゆの鞄にしまってありますから。今お返ししましょうか?」
凛「いや……いらないよ。私が書いたものじゃないし」
まゆ「またまたぁ。誰かにあげるつもりだったのでしょう。あの”ラブレター”」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:50:24.47 ID:xgYAeiA40
凛「は? ……ラブレター?」
まゆ「はい。ラブレターですよね、あれ」
凛「いや、どこをどう読んだらそんな解釈を……」
まゆ『まゆはいつだってプロデューサーさんのことを……”監視している”んですよ』
まゆ『大好きって意味です。好きすぎて、あなたのことを全部知りたいって意味です。他にどんな意味があるんですか?』
凛「……あーなるほど」
まゆ「凛ちゃんも隅に置けませんねぇ。誰に差し上げるんですか?」
凛「だから私が書いたんじゃ……」
まゆ「言いにくい人なんですかぁ? ふふ、まさかプロデューサーさんじゃないですよねぇ?」クス
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:50:56.95 ID:xgYAeiA40
凛「違うよ。確かに昨日の夜電話で、『監視してる』とは言ったけどさ」
シーン
まゆ「……え?」ユラ…
凛「あっ……ち、違う。そういう意味で言ったわけじゃ──」
まゆ「ど、どど、どういうことですかぁー!?」クワッ
凛「い、いやっ、まゆが想像してるようなことじゃないから! 大した会話じゃないから!」
まゆ「大した会話じゃない……つまり日常的に監視している!?」
凛「違うっ、落ち着いて!」
まゆ「詳しく説明してもらえますかねぇ。今ここで、じっくりと、まゆが納得するまで」ジリジリ
凛「……ごめん、私トライアドのレッスンがあるからっ。コーヒー代はここに置いとくね!」ダッ
まゆ「凛ちゃんっ!」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:51:31.70 ID:xgYAeiA40
タタタ…
凛「はあ、はあ。早とちりもいいところだよ」
凛「私とプロデューサーはそんなんじゃ……」
卯月「プロデューサーさんがどうかしました?」
凛「わっ!」ドキッ
卯月「凛ちゃんおはようございますっ。顔が赤いようですけど、どうかしたんですか?」
凛「あ、ああ、今さっきまで走ってたから」
卯月「走ってた?」
凛「ううん、なんでもない!」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:52:14.52 ID:xgYAeiA40
凛「私これからトライアドの方に行くけど、卯月は?」
卯月「ピンチェで撮影ですっ。私ももう行かないと!」
凛「帰りはどうしよっか。事務所で待つ? それとも昨日みたいに休憩室?」
卯月「うーん。凛ちゃんのいやすい方で構いません。両方に寄りますから。あ、でも休憩室で居眠りはもうしちゃダメですよ」
凛「ふふ、わかった。それじゃあお互い頑張ろうね」
卯月「はいっ」
スタスタ
まゆ『誰かにあげるつもりだったのでしょう。あの”ラブレター”』
凛「……」
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:52:50.56 ID:xgYAeiA40
凛「ねえ卯月」
卯月「はい?」クルッ
凛「卯月は、誰かを……」
卯月「?」
凛「……いや、やっぱりなんでもない」
凛「引き止めてごめんね。それじゃ、また帰りに」
タタタ…
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:53:30.73 ID:xgYAeiA40
──事務所──
ガチャ
まゆ「凛ちゃん、ここにいますかぁ? 早くで出て来てくださぁい」ユラァ
みく「元気出して、蘭子チャン」
みりあ「そうだよ蘭子ちゃん! 落ち込むことなんて全然ないよ!」
蘭子「うぅ……」
まゆ「?」
みく「蘭子チャンの電話、すごくよかったよ。隣で聞いてるだけでも蘭子チャンの素直な気持ちが伝わってきたもん」
みりあ「うんうんっ。みりあもそう思うよ!」
蘭子「感謝する、みく、みりあ……でも……わたし全然うまく喋れなかった……」
まゆ「どうかしたんですかぁ?」
みく「あ、まゆチャン」
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:54:33.38 ID:xgYAeiA40
まゆ「お電話がどうとか聞こえてきましたけど……」
蘭子「……言の葉は不得手、秘めたる意思を伝える秘術我には在らず。たかが感謝の報せでさえ、これほどの重みであろうとは……」
まゆ「ええと……?」
みりあ「蘭子ちゃんはね、たかが感謝の気持ちを伝えることさえ自分にはできなかったーって落ち込んじゃってるの」
まゆ「はあ、なるほど……」
みく「元気出して蘭子チャン」
まゆ「……」
まゆ「蘭子ちゃん。蘭子ちゃんがそんな風では、伝えられた側の人が可哀想ですよ」
蘭子「え……?」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:55:19.29 ID:xgYAeiA40
まゆ「人のことを想う気持ちに、優劣なんてないってまゆは思ってます」
まゆ「愛するって気持ちも、好きって気持ちも、感謝するって気持ちも、監視したいって気持ちも」
まゆ「全部含めて、みんなある種の愛なんです!」
まゆ「蘭子ちゃんは愛の告白をしたんです。ちゃんと、自分の言葉を使って、自分の気持ちを伝えたんです」
まゆ「緊張してうまくしゃべれなくたって当たり前です。蘭子ちゃんはそれだけのことをしたんですから」
蘭子「まゆさん……」
まゆ「だから”たかが”なんて言葉、間違っても使っちゃいけません。涙を拭いて、前を向いてください。それが今相手に対してできる、最大の感謝の気持ちのはずですよ」ニコ
蘭子「我が……同胞よ……!」ギュッ
みく「……ふふふ。今度はみくの方の目が潤んできちゃったみたい……」ウルウル
みりあ「みりあも感動するー!」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:56:20.72 ID:xgYAeiA40
まゆ「それで」
まゆ「そのお電話された方とは誰なんですか?」
みく「………………」
蘭子「………………」
みりあ「ぷろ──」
みく「にゃ゛っ!!!!」
────
オツカレサマー
凛「じゃ、帰ろっか」
卯月「はいっ」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:57:11.66 ID:xgYAeiA40
凛「今日は何してたの?」
卯月「今日は雑誌のインタビューに答えたり、サイン色紙を書いたりしてました。凛ちゃんは?」
凛「ライブに向けた練習でてんてこ舞いだったよ。本番前の最後の大型レッスンだったから、昨日以上に疲れちゃった」
卯月「そうですか……お疲れ様です」
凛「心配しないで、明日から本番までは割とゆっくりできるはずだから」
卯月「それなら良かったです。……ライブ、緊張しますか?」
凛「そりゃ少しはね。でも、ファンのみんなや卯月や未央たちの期待に応えるんだっていう、ワクワクした気持ちの方が今は強いかな」
卯月「ふふっ、凛ちゃんらしいです!」
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:58:06.38 ID:xgYAeiA40
卯月「じゃあ、ライブに向けて心配事とかはありますか?」
凛「心配事か……」
『カンシ している』
凛「……いや、それもないよ」
卯月「そうですか。ふふふ、ではライブに向けてすでに準備万端って感じなんですね!」
凛「うん」
凛(心配事はない、それは本当のことだ。卯月を安心させようと嘘をついたわけじゃない)
凛(ストーカーからの手紙に対して、私は手紙を見つけた当初から、それほど危機感を抱いていないから)
凛(アイドルとしてもっと怖がるべきだと頭では理解しているのに……何故だろう、怖くならない)
凛(怖くならない理由が、自分自身でさえもよくわからない)
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:58:54.55 ID:xgYAeiA40
──海──
加蓮「久しぶりの休日! in夏のビーチ!」
奈緒「witnトライアド〜!!」ドンドンパフパフ
凛「……テンション高いね2人とも」
加蓮「凛がテンション低いんでしょ! 休日だよ、ビーチだよ!?」
奈緒「レッスンで溜まった疲れを、パーっと解放させるいい機会じゃんか!」
凛「ライブ前にこんな暑いところ来て……体調不良にでもなったらどうするの」
加蓮「真面目か! 奈緒ですらこのテンションなのに!」
奈緒「トレーナーさんにもプロデューサーさんにも許可とって来てるんだから、今はそんなこと気にしてないで遊ぶんだよ! ほらお前も来い!」グイッ
凛「わっ、ちょっと奈緒!」
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 14:59:32.64 ID:xgYAeiA40
パシャパシャ
加蓮「見て〜。この打ち上げられた海藻、奈緒に似てる〜」
奈緒「本人に言うかそれ〜?」
凛「やれやれ。2人とも完全にたがが緩んじゃってるね。レッスンきつかったし、本番前の緊張をほぐす意味でもわからなくはないけどさ」
凛「……ん、あれは」
リイナチャーン? ドコー?
みく「まったく、迷子の子猫チャンなんだから……」
凛「みく?」
みく「わっ、凛チャン!」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 15:00:33.18 ID:xgYAeiA40
凛「なにやってるのこんなところで」
みく「普通に遊びに来てるだけだよ。李衣菜チャンと2人で……凛チャンは撮影?」
凛「ううん、私もプライベート。奈緒と加蓮と遊びに来てたの」
みく「そうなんだ。すっごい偶然だね!」
凛「李衣菜、迷子なの? 心配だから私も探すの手伝うよ」
みく「いいよ悪いし。そのうちひょっこり現れるにゃ」
凛「1人で探すより2人で探したほうが早いでしょ。大丈夫、奈緒たちは勝手に遊んでるから」
みく「んー、それじゃあお言葉に甘えて」
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