ミナミの帝王 棋士の魂

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/01(水) 12:30:13.00 ID:qWXdS1OA0
ちょっと言葉が変なのはお許しを。
あと少し気分悪くされるかも。

大阪・ミナミ萬田事務所
「それじゃ萬田クン今回の分ね」

「はい、毎度あり」

「兄貴ただいま帰りました」

「これが噂の舎弟クンかぁ、気合い入っているねぇ…それじゃ10日後のこの時間かな、こっちに来る用事があるから、またね今度は一緒に人妻でもナンパしようよ。ナンバでナンパってね…ほなご機嫌よう」がちゃり

「兄貴、あのジジイ誰でっか?」

「ああ、会長や」

「へぇ、けったいな会長ですな」
複雑な駒組をした盤面の将棋盤だが萬田の玉は詰んでいる

「兄貴、あの会長と将棋してはったんですか?あれ、珍しい兄貴の負けやないですか?」

「そりゃ会長やからな」

「会長やと将棋強いんでっか?兄貴」

「日本将棋協会の会長やからな」

「へぇって、それ凄いんですか?」

「あの羽流さんがおる組織で、あの人も若い頃はタイトルぎょうさん取って、名人にもなった人や」

「へぇ…そんな人には見えませんでしたけどな。そんな人が何しに来はりました?」

「お前にはアノ凄さ分からんか…まあそりゃ、うちの事務所に来るんやからカネでんがな」

「会長はん、借金でっか?どえらい額とか?」

「ゴセンや」

「ゴセン万でっか…10日置きに500万でっか」

「ちゃうわ。ただのゴセンや」

「へ?ゴセン円って樋口さんでっか?」

「そうや」

「んなもん、会長はんなら直ぐに返せまっしゃろ」

「まあ十年近くジャンプのままや。まあ半分は遊び相手と息抜きかな、あとなんやかんや人間の繋がりやろな」
「へぇ、けったいな会長でんな」


米川さん、アンタ会長になる前からも、なってからも偉い人や思われて損得抜きに付き合える友達がおらんのかもしれませんなあ。
まあ、ワイくらいやったら何時でも遊び相手になりますわ。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1533094212
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/01(水) 12:40:19.46 ID:qWXdS1OA0
〜〜回想約10年前〜〜
百駄ヶ谷将棋館
「はいちょっとゴメンやっし」

「すみません、どちら様でしょうか?こちらより先は関係者様以外は入室禁止です」

「ワシも仕事やから、はいそうですかと帰られへんのや。後川っちゅう奨励会員がおるやろ?そいつに用があるんや」

「仮に後川がおりましてもアポの無い方は駄目です。対局中でしたら尚更お引き渡し出来ません」

「ほうテンゴ言いまんやな?でしたら100万はオタクが払ってくれるんか?」

「100万?」…

「どうしたの受付先で、お兄さんも大きな声出しちゃ駄目だよ、もう少し落ち着いて」

(このジジイやり手やな)(この、兄さんは本物だなあ)

「ここは私が受けるからね。後川は私の門下だよ。何か粗相したかね?」

「へぇ。後川さんがホステスに入れ込んでワシから100万借りましたんや。それを返す日になっても返させんので確実におる奨励会の定例日に来たんですわ」

「事務員さん、後川呼んできて。時間切れ?そんなもん関係なく負けで良いよ」

「萬田クンと言ったかな?とりあえず会議室へ」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/01(水) 12:41:24.46 ID:qWXdS1OA0
会議室
「後川クン、お金借りたの?」

「米川先生すみません」

「借りたの?」

「はい、借りました」
「いくら?」

「100万です」

「水商売の女に?」

「はい、すみません」
「良いオンナだった?」

「少なくともボクは好きでした」

「ヤったの?」

「いえ…」

「なんで?」

「ホステスを辞めてたんです」

「情けないねぇ…いつも言ってるだろ?オンナにさせて下さいと頼む内は二流。オンナからさせて下さいと言わせなきゃ。100万もあれば、友達三人くらい呼ばせて楽しめただろうに情けないねぇ。愛人の1人も作れなかったのかい?」

萬田(なんちゅうジジイや…)

「萬田クンだね?それじゃ100万円渡すよこれで良いかな?
あ、後川クンは今日で破門ね。奨励会も辞めなさい」
「先生…」

「100万で愛人作れないヤツはプロ棋士になれないよ」

「分かりました…」

「じゃ出ていって。後の手続きはボクがやるから」

「はい…」去ろうとする

「後川…」

「はい」

「お前が必死なら、アマチュアからでもプロにはなれる。その時は師匠役だけはしてやるからな」

「し、失礼します」

……
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/01(水) 12:54:38.68 ID:qWXdS1OA0
……
「さてと、キミがミナミの萬田クンかあ。わざわざ千駄ヶ谷までねぇ。顔を気にする鬼というわけだ」

「いや、天下の米川先生に知っていただくほどのもんじゃありませんわ」

「なんだ、ボクを知ってるの?」

「そりゃ天下の米川先生でっせ」

「キミは金貸しだよね?もう現役も終わりで儲けも少ない老人が貸してくれって言ったらいくら都合つく」

「天下の米川先生なら上限いっぱいまで貸しまっせ」

「それじゃゴセンお願いして良いかな?」

「ゴセン万でっか?」
「いや、ゴセン。新渡戸、ゴセン円だよ」

「へい分かりました。では10日に1割になります」

「うん分かったよ。申し訳無いが仕事柄10日きっちりというわけにもいかないんだ。早かったり遅かったりするかもしれないけど、10日に一回は関西に行くからその際に事務所によらせてよ」

「10日後に1割でジャンプでも全額でも」

「良い様にさせてもらうよ」

〜〜〜
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/01(水) 14:14:20.45 ID:psKnhRywO
拡散希望
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あやめ速報の誠意ある対応を待っております
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/01(水) 15:02:19.47 ID:qWXdS1OA0
掲載拒否云々は最後に
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/01(水) 19:09:32.65 ID:Ttf9EVcOO
又渋いもんを、期待
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/03(金) 11:26:01.15 ID:XghC4HgA0
〜〜現在〜〜
「おい竜一」

「へい兄貴」

「これから新幹線で東京やワレもついてこい」

「へい。兄貴、目的はなんでっか?」

「金主の藤澤保社長に挨拶と百駄ヶ谷の将棋館や」

「あの会長、とうとうゴセン円返せへん様になりましたんか?」

「いや、病気でな、あまり遠出したくないそうや」

「毎度の五百円の為でっか?」

「ど阿呆!米川会長に飛車落ちで月三回指していただいて五百円もらうなんて知らん人が聞いたら卒倒するで。ワイはもうゴセン円なんてもう回収する気はあらへんのや。もう人間的な繋がりしかあらへん」

「あんな下ネタジイサンが凄い人にはワシには見えませんわ」

「それはお前が足らんからや…ほな行くで竜一」
9 :T氏の隣人 ◆ypkhdBq3X0pa :2018/08/03(金) 11:29:50.18 ID:XghC4HgA0
〜〜百駄ヶ谷〜〜

「米川先生お久しぶりやす」

「おうおう萬田クン。わざわざ済まんね」
(会長痩せはりましたなあ。髪の艶も落ちて…けど眼光の鋭さは変わりませんなあ)

「申し訳ないね。アソコのガンでね。やっぱり体力落ちちゃって。でもね、この前は人妻と出来たんだよ。嬉しいねぇ」

「御変わり無い様で、少し痩せはったんちゃいまっか?」

「頑張り過ぎたかね?おうおう舎弟クンも付き添いかい?相変わらず気合い入ってるねぇ。ボクももう少し若かったらやって見ようかな?そういえばね若手棋士の1人が似た様な髪型に紫の特攻服着てね対局したんだよ。しかも天下のMHKで。しかも負けてるんだから世話無いよね」
(無理して明るう振る舞ってますけど、調子悪そうでんな米川さん)

「舎弟クンも見るばっかりじゃつまらんでしょ?今日は対局は無いけど棋士の一人二人はいるだろ?私も応援するから対局してみないかい?」
言うやいなや受付に電話

『今日って誰かプロ棋士来てる?八段以上か有名な子………うん、亘辺明夫虎王と新浦クンか…新浦クンにね会長室に来る様に言ってくれない?うんいつもの会長のワガママ………うん、じゃよろしくね』

萬田「虎王じゃなく新浦先生でっか?」

「そう。知名度なら虎王だけどね。新浦クンの方が面白いからね」

(ワシ、何されるんやろ?兄貴に付き添ってプロ棋士先生といきなり指せって…)

コンコン「新浦です、失礼します」
(なんやヌボっとした兄さんやなあ。ホンマ強いんかいな。もしかしてワシでも勝てるかも)
(ほう、これが三浦八段か…テレビで見る物腰の割に芯の強そうな兄さんや。流石、米川先生は人を見る目がある)


(何だろうガラの悪そうな人が二人、1人は羽流先生みたいなオーラが…)

「新浦クンいきなり悪いね。この眼鏡かけた人が萬田クンって言うんだけど十年近く将棋を教えて来た弟子みたいなもんだよ」

「萬田です。よろしゅう」

「その弟子の舎弟クンだ。今日はね、この舎弟クンと対局してくれないかな?晩御飯はボクが持つから」

「対局ですか?明日、ボクはA級順位戦があるんですが…」

「何を言ってるんだいアマチュア相手に指したくらいで調子崩す様じゃ駄目だよ」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/03(金) 11:57:35.09 ID:XghC4HgA0
「ボクはね、名人戦の前日に女性と五局挿(注・誤字ではありません)したことがあるんだよ。アマチュアと指したくらいで駄目になる様じゃ駄目だ。会長命令だ舎弟クンと指しなさい」

(((むちゃくちゃなジジイだ)))
11 :T氏の隣人 ◆ypkhdBq3X0pa :2018/08/04(土) 13:28:10.63 ID:NU1viqoA0
「さて駒割りだが平手(ハンデ無し)で良いかな?」

「会長はん!?流石にそれは無理ですわ。なんぼかハンデ頼んます」

「分かったよ。舎弟クンの香落ちで良いかい?」

「会長…私がハンデをもらうんですか?」

「え?なに?不服なの?新浦クン?こっちの舎弟クンが人生修羅場くぐってるでしょ?新浦クンはチャカとヤク見たことある?舎弟クンはある?」

「見たことあるわけ無いに決まってるじゃありませんか!」

「恥ずかしながら、ワシ…あります」

「大名人だった大矢先生は戦争経験があるし、新手一生の升井先生も戦争経験者。GHQ相手に喧嘩売ったんだよ?
じゃ、舎弟クンの飛車と角を落とそうか」

その後の話し会いの結果で新浦八段の飛車角が落とされる二枚落ちに落ち着きました。

「舎弟クンは二歩突っ切り定跡は分かるよね?」

「へえ」

「手に悩んだらボクが教えるし、助けるよ。それじゃ…お願いします」

「「よろしくお願いします」」

「萬田クン、定跡っていうのは美しいけど、もう分かってるから面白くない部分もあるよね」
パチンパチン

「人生も堅実な方が確かっていうことがありますからなあ」
パチンパチン

「萬田クンも堅実なんて望むの」

「出来るんでしたら、ワテも堅実な方が良かったですわ」
パチン

「ボクはそれなりに波乱万丈で良かったよ。子供のときに一家心中未遂は出来たし、朝ドラ女優は五人と対局したし、砂丘でヌード写真も撮ってもらった。あとは人間国宝か国民栄誉賞をもらうくらいかなあ…」
パチン

「会長はんならいけるんとちゃいますか。元気におればなんとかなりまっせ」

「どうかなあ。前立腺ガンは再発もあるしね…ボクは、初めて舎弟クンの将棋を見るけど、ちゃんと指せる様だね」

(え?棋力も知らない相手に平手で指させようとしたんですか!なんか怖い人達だしボクはどうなるんだろ…)
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/04(土) 14:11:43.45 ID:NU1viqoA0
〜〜対局進んで〜〜
パチン
「定跡から離れて面白くなってきたね…舎弟クン、ここは一回受けに回ろうか」

「受けでっか…こんな手で」パチン

「お!やった」

〜〜
「舎弟クン、次の一手だけボクに指させてくれないかね?」

「会長はんが指しますんか?一手だけでっせ」

「新浦クンは、この手読んで無いでしょ?」
6三桂馬成!

「これなんでっか?」

「ん…あ、ああ」頭ポリポリ

「ほうら、新浦クンが悩みだした。いいかい舎弟クン、盤面をしっかり見るんだよ。女性のオマ●コを…関西じゃオメ●っていうんだっけ?そこを見る様に将棋盤を見るんだよ」
「オメ●でっか」ジー…

「そういえばさ、昔は将棋協会内に食堂があったんだよ。ボクがね「オバチャン、定食にオシンコつけてねオシンコだよ?一文字間違えちゃ駄目だからね」って言ったのさ…そうしたらある棋士が、「ここの食堂にオシルコはありませんよ」だってね。あん時は一本取られたなあ…」

「面白いこと言わはりますなあ」

「ところで舎弟クン、どうだい何か見えたかい?」

「会長はん、あきませんわ。ワシなんか勃ってきましたんや」

「ど阿呆!新浦先生と対局や言うのに、アソコおっ勃てるヤツがおるか!」

「萬田さん。違いますよ。舎弟クンは素晴らしい。私はね、全ての弟子に同じことを言ったけど、ちゃんと勃ったヤツはいなかったんだ。舎弟クンはね、この短い時間で心から真剣に盤面を見つめた。彼はね純粋なんだよ。彼こそボクの本物の弟子かもしれないね」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/04(土) 21:46:31.51 ID:NU1viqoA0
誤字…深い意味は無く実在の人物団体とは云々かんぬん
>>4
千駄ヶ谷→百駄ヶ谷
>>9
三浦八段→新浦八段
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/04(土) 21:56:18.60 ID:kulyIGE0O
百駄率のせいで虎王戦挑戦権が……
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/04(土) 22:24:51.42 ID:NU1viqoA0
>>14
ネタばらししないで…
ただ萬田はんが絡みますから……えぇ…はい
16 :T氏の隣人 ◆ypkhdBq3X0pa :2018/08/06(月) 17:51:22.54 ID:Qubew/PA0
「我々がね無責任に猥談してる間に局面は難解だよね。いやあ面白いね。強い人同士も面白いけど、こういうハンデ戦で、強い方が喰らい付いたりミスを誘ったりする将棋はワクワクするね」

「駒落ち中終盤の華でんな」

「顔には大きく出てないけど新浦クン2・3手、間違えてるんだよ。舎弟クンがね自信満々に変な手指すから狂っちゃった」

「プロでもありますんやなあ」

「あるよ。自信満々に変な手を指すと相手が考え込んで自爆するんだよ。現役時代はよくやったけどね、そんなボクの指し方を泥々流ってい言うのは酷いよね。ホガラカ流とか呼んで欲しいもんだ」

「会長はんは卓越した実績がありますからな」

「それにしても、あれだ捻れてきたね。お互いに玉が危なそうで案外大丈夫かな一時間以上かかった大熱戦だけど近くの店屋がしまっちゃうよ」

「会長。申し訳ありませんが、この将棋はまだまだ面白くなりますから待っていただけませんか?」

「大丈夫だよ、新浦クン。キミみたいな将棋指しから将棋を奪う様なことはしないよ」
17 :T氏の隣人 ◆ypkhdBq3X0pa :2018/08/06(月) 17:52:51.68 ID:Qubew/PA0
〜〜
一時間後
「負けました」

「兄貴やりましたで!」

「いやはや面白かった。詰みを三回見逃した舎弟クンだけど最後の長手順は間違え無いんだからね」

「そうでっか」

「はい、舎弟さんがここは桂馬で詰みです。次にここは飛車を切る順なんですが、これを読めたらプロです。まあ最後もアマチュアでは詰みを見つけるには難しいですね」

「なんやワシ、二人のプロから褒められてめっちゃ強い気がしてきましたわ」

「安心して良いよ。新浦クン相手に二枚落ちでこれだけ出来たら大丈夫……さてと食事に行こうか…萬田クン、今日はこっちに泊まって朝一で帰りなよ。新浦クンも一緒に泊まりなさい。食事も宿もボクが持つよ。ボクが知る限り、世界で一番良いオンナがいて、一番大好きな料理をご馳走するよ。それじゃ予約するかね」

「ご馳走になります」

「会長、ボク、明日、順位戦なんですが」
(無視して電話)


「予約したから。さあ行こうか」
竜一(あの会長が世界一言うオンナって、どんなんやろ…)
18 :T氏の隣人 ◆ypkhdBq3X0pa :2018/08/06(月) 17:54:22.08 ID:Qubew/PA0
〜〜鷲ノ宮〜〜
「兄貴、なんや閑静な住宅街でんな」

「そりゃ、向かう場所が場所やからな」

「兄貴どこ行くか分かりますんか?」

「なんとなく…やけどな」

民家前
「最近流行りの隠れ家的な〜とか誰かの家みたいなお店ってやつでっか?」

ピンポーン

「うん、ボクだよ。開けてくれ」

ガチャ
「ようこそいらっしゃいませ」

「(小声耳打ち気味に)兄貴、小綺麗ですけど普通のオバチャンでっせ」

「(小声)そりゃそうやろ」

「はじめまして。私、将棋協会でいつも会長にお世話になっております。新浦と言います。本日はいきなりお邪魔することになりまして、奥様申し訳ありません」

「お、奥様でっか?」

「あれ?ボク新浦クンに行ったっけ自宅に招待するって」

「会長はんは言っとりまへんな」

「萬田クンの反応見ると分かってたみたいだね。分からなかったのは舎弟クンだけか…」

「そりゃ、会長はんくらいの男か最高のオンナ・大好きな料理言うたら簡単に想像つきますわ」

「驚かすのは失敗だね、こりゃ。まあ、今日はボクの家でご馳走するし、ここに泊まっていきなさい」
19 :T氏の隣人 ◆ypkhdBq3X0pa :2018/08/06(月) 17:58:43.87 ID:Qubew/PA0
〜〜米川邸〜〜
竜一「会長はん、この料理うまいでんなあ…」

「そうだろそうだろ…さて、新浦クン。今日、キミに萬田クンと会わせたの分かるかい?」

「会長の考えることはボクには分かりません」

「舎弟クンは?」

「会長はんの気紛れちゃいまっか?」

「それは半分正解!」

「さて、萬田サンは分かりますか?」

「ちょっとした顔合わせか。今後のことの含みってとこでっか」

「それも正解だね。さて、新浦クン。キミも40が見えてきた。今までもそれなりに実績はある。けど色々壁にはぶつかってるだろ?」

「はい」

「壁にぶつかった時はね、色々あるんだ。今までやってきたことを1から戻ってやる。今まで以上に真剣にやる。別の方法を探す。色々あるよ…新浦クンはやりそうに無いが他人のせいにする。言い訳に逃げる。戦うことを止めるとかね…あとは女性に溺れるとかかな、ははは………うん、けど、新浦クンは器用じゃない。今のままじゃ愚直にグルグル回りながら後ろに下がるだけだ」

「耳に痛いです」

「愚直も良い、優しいのも良いことだ。けど、羽流クンを見てごらん。カレはね、異業種に目を向けて、他の道の人から刺激を受けてる。ボクがどうこう言わなくてもやっていける。だから、ボクは新浦クンにとびきり面白い人物を用意したんだよ。多分、キミが一番出会わなそうな立派な人物をね」

「会長、そりゃ買いかぶりでっせ」

「まあ、それは新浦クンが判断することだ、食事して打ち解けてくれ」

「はあ……」
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