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提督「朝潮ちゃんにビンタする」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/29(日) 20:21:22.48 ID:fghpv5ya0
提督「かわいそうなのでやめた」
朝潮「えらい」
提督「もっと」
朝潮「やさしい」
提督「もっと」
朝潮「すてき」
提督「もっと」
朝潮「すきです」
提督「もっと」
朝潮「あいしてます」
提督「もっと」
朝潮「けっこんします」
提督「しよう」
朝潮「しれいかんいがいと」
提督「」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1532863282
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/29(日) 20:43:17.07 ID:fghpv5ya0
朝潮「ねえ、荒潮。気になっていたことがあるのですけど」
荒潮「なあに? 朝潮ねえさん」
朝潮「日本書紀でイザナギとイザナミに子作りの方法を」
荒潮「セックス」
朝潮「子作りの方法を」
荒潮「セックス」
朝潮「……セックスを教えたのはセキレイと言われているらしいのですが、無理があると思うんです」
荒潮「どうして?」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/29(日) 21:12:26.34 ID:fghpv5ya0
朝潮「だってセキレイの尾を振る姿から着想を得たんでしょ?」
荒潮「腰を振る感じね」
朝潮「でもそれって一匹のセキレイじゃないですか。どうして男女のまぐわいに至ったんですか」
荒潮「なるほど。朝潮ちゃんの言いたいことは、セキレイをみるだけだとオナニー、しかもとりわけ床オナしか推論できないんじゃないかってことね」
朝潮「イザナギはどうして床オナしなかったのでしょうか?」
荒潮「でもまって朝潮ちゃん。これは国生みの話だから、そもそもオナる床がなかったんじゃない?」
朝潮「ならセキレイはどこにいたんですか」
荒潮「……なんかどろどろした地面?」
朝潮「そこでオナればいいじゃないですか。ローション付きで気持ちいいでしょうに」
荒潮「どうしたの朝潮ねえさん。つかれてる? ……でも古事記だとちょっと違うのよね」
朝潮「どのように」
荒潮「えっと、イザナミが体に穴があると言い、イザナギが俺にはなんか余計な突起があるし、合わせてみましょうって感じよ」
朝潮「下ネタじゃないですか!」
荒潮「えぇ……? 因みにこの合意の後彼らはわざわざ待ち合わせデートして、互いに褒めあうとかしてるわ。それで男が先に女を褒めるべきだなんて言ってたりするの、現代にも続く恋愛方式のルーツね」
朝潮「なるほど。デートして親しくした結果のセックスではなく、まずセックスありきのデートその他手続きなのが歴史的に正当なのですね」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/29(日) 21:19:10.32 ID:fghpv5ya0
荒潮「それで面白いのは、彼ら子供を産んでも思うようでなかったら、舟に乗せて流したり、認知しなかったのよ」
朝潮「今やったらひどいバッシングものですね」
荒潮「兵庫県の淡路島はその認知されてない子供よ」
朝潮「かわいそう」
荒潮「でも、淡路島はいじらしく、今の日本として初めて産まれた場所として、両親の逸話を象徴してセキレイ石なんて記念碑を置いているわ」
朝潮「無慈悲であっても子はその両親を敬っているんですね。いい話です。孝経にあってもおかしくない!」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/29(日) 21:47:15.33 ID:fghpv5ya0
朝潮「なにしているんですか?」
提督「見てわからないか」
朝潮「わかりません」
提督「コンドームを水風船にしてるんだよ。パイプ回転式で三角ハンドルの単水栓。いまは見ることも少なくなった古き良き蛇口だよ全くお前は。水風船作るのに最適だ」
朝潮「はあ」
提督「あ。そうだ。朝潮。ちょっとこっちこい」
朝潮「はい」
提督「蛇口を跨いで腰を落とせ」
朝潮「え? なぜ」
提督「どうせならお前の膣内に入れて膨らませてみたい」
朝潮「こんなところの蛇口をいれろと?」
提督「大丈夫だ。コンドームもついてる。清潔だ。さっさとパンツ脱げ」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/29(日) 22:21:10.07 ID:e2skIWNvO
拡散希望
あやめ速報、あやめ2ndへの掲載拒否を推奨します
創作活動に対する冒涜を行う酷いまとめサイトです
あやめ速報へのSS掲載を拒否して下さい
あやめ速報に掲載されてしまった貴方のSSを消すように訴えて下さい
不当サイトの活動源にしてはいけません
あやめ速報を利用しないで下さい
このことを多くの方へ伝えて下さい
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/29(日) 22:46:43.23 ID:fghpv5ya0
提督「どうだ」
朝潮「下腹部に圧迫感が出てきました。あと恥ずかしいです。さっき通りすがりの子供に指さされたのですが」
提督「がまんしろ」
朝潮「でも、これ涼しくて夏場はよいかもしれません」
提督「そうか。ちょっと待ってろ。今これ止めて口を結ぶから」
朝潮「え? これ入れたままなんですか?」
提督「そっちのほうが涼しいだろ。よしできた。ほらパンツも履け」
朝潮「ありがとうございます。んしょ」
バシャッ
提督「……」
朝潮「あの、スカートも濡れて、なんかすごい派手に漏らしたみたいになったんですが」
提督「うーん。破水したことにしとけばいいんじゃないか」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/30(月) 09:35:22.29 ID:ccAllIBJ0
朝潮「あ。二宮金次郎像」
神風「今時珍しいですね。ちゃんと薪を背負って歩いている姿のですね」
朝潮「歩きスマホとかの関係で最近減っているんですよね」
神風「さすがに漫画じゃないからセーフとはいかなかったようで」
朝潮「というかあれ何読んでいるんですか?」
神風「『大学』ですね。儒教の経典の一つです」
朝潮「ああ。天下を治めるには国家を治める必要があり、国家を治めるには一家を治める必要があり、一家を治めるには一身を治める必要がある云々の修養の教科書ですね」
神風「そうですそうです」
朝潮「あれって勉強する意味ある?」
神風「えぇ? ……や、やはり常識的なことも漢文で格調高く書かれてると峻厳な気持ちになるじゃないですか? 例えば六章の書き出しとか――――」
『財を生ずるに大道あり。これを生ずる者衆く(おおく)して、これを食らう者寡なく(すくなく)、これを為す者疾く(とく)して、これを用うる者舒やか(ゆるやか)なれば、則ち財恒に足る。』
神風「びっくりするぐらい普通のことを言っているのになんかすごいってなりません!?」
朝潮「神風あなたって詐欺に騙されそう」
神風「!?」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/30(月) 09:54:58.62 ID:ccAllIBJ0
朝潮「でもわかります」
神風「え」
朝潮「教育勅語ってあるじゃないですか。あれの二段落目から『爾臣民、父母ニ孝ニ、兄弟ニ友ニ、夫婦相和シ……』と守るべき項が続けていますよね」
神風「ええ」
朝潮「それのエッセンスを英訳したのが明治神宮崇敬会から「Important Qualities」として出ていたんですが、それのはじめが」
『1. Father and Mother,thank you』
朝潮「いや、サンキューじゃねえよと思いましたもん。これもはや教育勅語から学ぶ必要あるのと思いましたもん」
神風「そ、そうですよね。やはり同じ命題でも格調によって全然受ける印象異なりますよね!?」
朝潮「まあ、あなたが何をどう言おうと悪い男に騙されそうという私があなたから受ける印象は変わらないですけどね」
神風「!?」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/30(月) 13:15:42.70 ID:ccAllIBJ0
鈴谷「ちーす提督。スイカ持ってきたからたべよ」
提督「なるほど。スイカ割りだな?」
鈴谷「え。普通に切り分けて食べればいいじゃん」
提督「ビニールシートよし。棒よし。目隠しよし。準備は万端だ」
鈴谷「用意周到すぎ! ていうか執務室でするの!?」
提督「鈴谷ほら目隠しするぞ」
鈴谷「しかも、わたしから!?」
提督「ほらどうだ。見えるか? 今指何本?」
鈴谷「何も見えない」
提督「ほほう。……では。なるほど。淡いピンクに黒のレースか」
鈴谷「っ!///」ぶん
ごっしゃあああ
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/30(月) 13:41:27.04 ID:ccAllIBJ0
提督「……君たち艦娘は腕力あるんだから少しは加減してくれないと。見ろよこれ。脳天勝ち割られて脳みそでろでろじゃないか」
鈴谷「何も見えない」
提督「提督を殺してもスイカを割るまで目隠しを外さないという強い意志を感じる。素晴らしい」
鈴谷「あれぐらいよけれたでしょ!? どうして」
提督「お前のスカートの中が美しくて見惚れていたんだ。外見だけじゃなく、ちゃんと内面まできれいな鈴谷みたいな奴好きだぜ」
鈴谷「キュン///」
鈴谷「も、もうとにかくスイカ割りやるんならはやくしよ!」
二時間後
鈴谷「はあはあ」
提督「気持ちよかったぞ鈴谷」
鈴谷「コンドームないからって全部中に出すなんて思ってなかったわ」
提督「仕方ないだろ。水風船に使っちまったんだから」
鈴谷「なにそれ。まあいいや、提督もう一度抱きしめて。そう。……ん。んちゅっ」
提督「俺の大脳皮質とディープキスすることにはまったのか?」
鈴谷「ん、れろっ、ちゅ。……ちょっと新鮮な感じ。なんていうの柔らかいんだけどコリコリしてて舌で転がすの楽しい」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/30(月) 16:01:59.44 ID:ll2CCaEaO
狂気
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/30(月) 19:57:11.49 ID:EAYjvHodo
この提督は不死者かなんかか
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/30(月) 20:44:34.29 ID:ccAllIBJ0
朝潮「ねえ荒潮」
荒潮「なあに、朝潮姉さん」
朝潮「先日ドラマで108本のバラの花束を出してプロポーズしている場面を見たんですね」
荒潮「バラが108本で結婚してくださいという意味らしいわねー」
朝潮「あれって貰った方は嬉しいんでしょうか」
荒潮「確かに多少処理に困るかもしれないけれど、花束の代わりに五万円を差し出す風景を想像してみて? だめでしょう?」
朝潮「私は五万円貰える方がうれしいです」
荒潮「だめよ。朝潮姉さんが司令官から五万円貰ってプロポーズ受けてたら殴るわ」
朝潮「いくら司令官が男性だからといっても殴るなんてことは許されないんですよ。差別ですよ。めっ」
荒潮「大丈夫よ。両方殴るから〜」
朝潮「!?」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/30(月) 21:10:52.30 ID:ccAllIBJ0
荒潮「それに現金だとその額の分だけが気持ちみたいになるじゃない? 花束とか現物にして贈った方が気持ちが伝わると思わない?」
朝潮「なるほど。花束とか価値がわかりづらいものにして具体的な数値を濁しているわけですか。これがマネーロンダリング」
荒潮「……。まあ何かあいまいな数値のものを介することによって、贈る方も受け取る方も生々しい価値衡量しないで済むわけね」
朝潮「でも、どうして花束なのでしょうか」
荒潮「え。きれいだからじゃないの」
朝潮「花ってあれ植物の性器ですよね? つまりドラマの彼らは108個の性器をやり取りしていたことですよね」
荒潮「ええ……」
朝潮「どうして彼は切除した女性器108個を串に刺して渡さなかったんでしょうか」
荒潮「……朝潮姉さんはそれ貰ってうれしいの?」
朝潮「うれしいうれしくないの話じゃないって話じゃありませんでしたか。私は五万円貰える方がうれしいです」
荒潮「いや、でも見た目も悪いし、プロポーズ一つに払う代償が大きすぎるじゃない」
朝潮「でも、絶対浮気しなさそうですよ?」
荒潮「まあ、周りの女性をそれだけ使用できなくするとね……」
朝潮「というわけで私も司令官に男性器108本串に刺して贈ってみようと思うのですが、どうでしょうか!?」
荒潮「そんなことしたら卒倒するわ。司令官も私も」
朝潮「よい案だと思うのですが」
荒潮「ごめんね。私がその、下ネタばかり話したのが悪かったわ。昔の朝潮姉さんに戻って」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/30(月) 21:15:08.50 ID:YCHz5IESO
ミムラ
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/30(月) 23:16:58.93 ID:ccAllIBJ0
鈴谷「あ、そういえばこのスイカ結局食べずじまいじゃん。どうする?」
提督「ママぁ……おっぱい」
鈴谷「」
鈴谷「やっばー……提督の脳みそ吸いすぎて幼児退行しちゃった」
提督「ママぁ……ぐす」
鈴谷「あーはいはい。ママですよー」
提督「ちゅぱちゅぱんまんま」
鈴谷「どう鈴谷のミルクおいしい?」
提督「んまー!」
鈴谷「そっかそっかー!」
熊野「……な、なにをしているんですの?」
鈴谷「あ、熊野! 私決めたよ!」
熊野「……なにを」
鈴谷「私この子の母親になる!」
熊野「……それって提督じゃなくて?」
鈴谷「そうだよ」
熊野「……」
鈴谷「ほーらいい子いい子ー」
提督「きゃっきゃっ!!」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/30(月) 23:29:30.44 ID:EAYjvHodo
うわぁ…(うわぁ…)
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/31(火) 07:24:06.79 ID:65lxkD3mo
ヒェ-
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/31(火) 21:19:44.57 ID:DKTzgVi10
霞「――――ねえ。今の話聞いていて思ったんだけど、サルバドール・ダリって胎内回帰願望みたいなものでもあったのかしら」
朝潮「!?」荒潮「!?」
霞「プラスチック製の卵の殻に裸で閉じこもって瞑想したり、絵画作品でも卵白卵黄を紐で垂れ下げたようなやつあるじゃない」
霞「その頃のダリは緒で括られた卵のイマージュに憑りつかれていたんじゃないかしら」
サルバドール・ダリ『皿のない皿の上の卵』1932
https://www.musey.net/wp-content/uploads/2017/10/fried-egg-on-the-plate-without-the-plate-1932Large.jpg
荒潮「わ、わあ。さすが、霞ちゃん、しっかりもの、ね……?」
朝潮「それが私たちの話から出てくるんですか?」
霞「花が性器という話よね。ダリは後年、瞑想するバラなんて描いているのよ。茎もなく宙にただ浮くバラよ」
サルバドール・ダリ『瞑想するバラ』1958
https://www.musey.net/wp-content/uploads/2016/09/rose-meditative.jpg
霞「ダリの精神の位相はその間に緒のついた胎児からそれを包括する子宮に移動したわけね」
霞「でも、瞑想を胎児ならまだしも胎児を含んだ子宮がするとなるとその瞑想主体って一体どこにあるのかしらね」
荒潮「あ、あの霞ちゃん。」何か悩みでもあるの……? お姉さんでよかったらきいてあげても」
霞「今聞いたじゃない」
荒潮「えぇ……?」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/07/31(火) 22:11:04.32 ID:DKTzgVi10
霞「そういえば、胎児の相続権利に関する法理学上の問題があったわね」
朝潮「生まれるまでは権利能力を与えない停止条件説と胎内でも権利能力を与えるけど死産の場合それを遡って無かったことにする解除条件説とかの話ですか?」
霞「どっちなんでしょうね」
朝潮「……? 通説では停止条件説らしいですが」
霞「それだと、私たちには権利はないの?」
朝潮「私たち? いえ、あの、胎児? いや、ダリ? の話じゃないのですか?」
霞「そうよ胎児ダリあなた私バラの話よ」
朝潮「では権利って相続権ではないのですか?」
霞「そう相続権、われわれの存在する権利」
霞「ええ今までここは何もうまれてこなかった。ここは子宮だからよ」
霞「わたしたちにはだから相続権を保証されなければならない」
霞「前世代のものをひきつぐけんりを願い請求せねばならない」
霞「ここはほんとうに子宮なのよ。あらかじめ知らなかったでしょ?」
荒潮「朝潮姉さん。少し霞ちゃん休ませてくるわね。なんだか非常に調子が悪そうだから」
朝潮「そうですか。お大事に」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/31(火) 23:09:20.61 ID:ewfaPwCj0
そうだよ
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/02(木) 00:40:07.62 ID:HTcKA/2b0
暁「ねえ響。聞いてくれる?」
響「なんだい。姉さん」
暁「私、気づいたの。いつまでもおばけの話を怖がっているようじゃ、もしや一人前のレディーとは呼べないんじゃないかってね」
響「さすがだよ。姉さんそこに気付くとは」
暁「でね。やっぱり怖いのはあばけの正体が不明だからだと思ったのね」
響「なるほど」
暁「それで神風さんにも協力してもらいながら色々おばけの話調査したのよ」
響「神風も暇だね」
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/02(木) 01:12:46.63 ID:HTcKA/2b0
響「それで何を調べたりしたんだい?」
暁「メリーさん」
響「ああ。有名どころだね」
暁「いろいろバリエーションがあるみたい。ある少女がひき逃げにあった現場を雨の金曜日に通ると、傘を差し婚約指輪を嵌めたメリーさんがナイフを持って立っているとか」
響「それは少女の代理なのかい」
暁「ちなみにそのメリーさんには少女が好きだったポテトチップスを渡せば助かるらしいわ」
響「少女とメリーさんが同一化したのか、それとも死後の少女は全員メリーさんなのかな」
暁「メリーさんと同系統の怪異としてリカちゃんの電話というのもあって、リカちゃんが電話の度に近づいてくるものらしい。元ネタとして、電話するとテープ音声が流れるリカちゃん電話サービスも実在したみたい」
Wikipedia「リカちゃん」リカちゃん電話の項参照。
https://ja.wikipedia.org/wiki/リカちゃん
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/02(木) 02:10:24.39 ID:HTcKA/2b0
暁「ところでメリーさんの電話番号は「111」とされることもあるらしいんだけど、これは線路試験受付につながるだけで意味なかったわ」
響「線路試験受付?」
暁「電話回線を確認用の番号らしく、かけるとすぐ後に電話が折り返しかかってくるシステムらしい。キャリアによって変わるらしく私もかけたんだけど、テストは終了しましたって延々と流れ続けるだけだったわ」
響「へえ。折り返しかかってくるというのが噂の原因なんだろうね」
暁「それでメリーさんの由来なんだけど、実在した横浜のメリーさんが関係しているんじゃないかとも、戦前アメリカから親善目的で一万体以上贈られた青い目の人形が元ネタなんじゃないかってことらしいわ」
響「ああ、学校とかで飾られていたけど、戦時下には敵性人形と判断されて焼却廃棄処分するよう命令されたやつのことだね」
詳細はWikipedia「青い目の人形」のページ参照のこと。
https://ja.wikipedia.org/wiki/青い目の人形
暁「子供たちが愛着を持っていたりしたので実際にはかなりの数が天井裏とかに隠されていたようで、戦後たくさん出てきて再び学校で飾られたりしたらしいわ」
響「でも、その人形が来たのって1927年とかじゃなかった? 電話と関係づけられるかな」
暁「神風さんは戦前戦後の電話加入数グラフを見て、戦中の抑圧と戦後の安堵と開放感という点で青い目の人形と電話は軌を一にしているのかもしれないって言っていたわ」
「固定電話の歴史」電話加入者数グラフ参照。太平洋戦争の始まる1941年までには電話加入者数は100万人を超えたが終戦時には40万少しと半減し、戦後加入者数は急速に増加するというV字型を見せる。
http://www.kogures.com/hitoshi/history/tushin-denwa/index.html
暁「メリーさんの電話はゴミ捨て場から始まって、普通は捨てられた怨みからやってくると考えられたんだけど、もしかしたら戦中の抑圧から解放されて帰ってくるという構図で必ずしも害はない、それどころか受け手にとっても歓迎すべきことであったかもしれないって神風さんは言っていたわ」
響「なるほど、自由な文化性の回帰という開放感を背景に生じた可能性もあるということだね」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/02(木) 02:10:53.52 ID:XxsAjd5t0
?
http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/02(木) 02:48:32.80 ID:HTcKA/2b0
暁「電話の普及率を考える必要もあるわ。固定電話の普及率が50%を超えたのは1975年あたりからで、携帯に関して50%を超えたのは2000年からね」
固定電話の普及率は「昭和55年版科学技術白書」第1-1-28図 電話加入数,普及率,積滞数及びダイヤル通話回数参照(かなり下の方)。
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa198001/hpaa198001_2_010.html
携帯電話の普及率に関しては総務省の情報通信統計データベース「携帯電話・PHS加入契約数の推移」を参照。
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/new/index.html
響「となると、メリーさんが今の都市伝説となって形作られるのはそのあたりが契機になるのかな」
暁「さっき言ったリカちゃん電話のサービス開始は1968年だからもっと早いかもしれないけど」
響「それってそんな時期からあったんだね」
暁「だから、リカちゃん電話をメリーさんの電話の派生と考えることはできないの。むしろ、リカちゃん電話が先にあって、今述べたような開放されたメリーさんの話と融合して、今のネガティブメリーさん伝説が生まれた可能性もあるんだから」
響「……ふむ。まさか暁姉さんからそんな興味深い話が聞けるとは」
暁「どういう意味よ!?」
響「それで神風はどうしたんだい? いないようだけど」
暁「ええと、青い目の人形について調べてるときにね、その運動を渋沢栄一も推奨したみたいな話が出てきてね」
響「えっと確か日本資本主義の父とも言われ近代日本の経済基盤を作り上げた人だったね」
暁「そうそう。で、彼は経済には道徳がなければならないっていう道徳経済合一説を掲げているんですけど、その著書『論語と算盤』が表すように、その基礎を『論語』に求めるわけ」
響「たしか神風は」
暁「神風さんあの人なんかそういう古典好きでしょ? それを研究したいと言って、私とメリーさんを放ってどっか行っちゃったのよ。ひどいと思わない?」
響「ノーコメント」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/02(木) 02:49:28.62 ID:HTcKA/2b0
>>26
ありがとう
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/02(木) 03:09:55.96 ID:HTcKA/2b0
暁「あ、それで聞いてほしい話っていうのはね」
響「え? 今のじゃないの?」
暁「違うわよ。それで色々調べてメリーさんの電話については理解も深まっただけ怖さも薄れた気がするの」
響「よかったじゃないか」
暁「それでね。調べてるとメリーさんの電話以外の派生や類系も目に付くわけね」
響「リカちゃん電話とかね」
暁「それでねメリーさんの元ネタ青い目の人形なんだけど、あれって大人になってまで覚えていると呪い殺されるらしいの」
響「へえ」
暁「でね」
響「うん」
暁「このまま大人のレディーになるわけにはいかなくなったわけよね?」
響「……こわいの?」
暁「それでね。響さんに頼みがあるんです」
響「いやだ」
暁「まだ何も言ってないじゃない!?」
響「一緒に調べてくれということだろ? めんどうだよ」
暁「いいじゃない! だって神風さんどっかいっちゃうし!」
響「いやー」
暁「どうにか! かわいい姉の頼みと思って! 一人でお化け調べるの怖いのー!!!!」
響「……」
1・1・1 ピッピッピ
暁「どうしたのスマホ見て?」
響「……いや、そういえば今日仕事があったんだった。もうそろそろ連絡の電話がくる頃合いかと思ってね」
プルルルル
響「おや、ちょうど。さて、仕事の時間だ! その件はまた他の人にでも頼んでくれ。ダ スヴィダーニャ」
暁「……」
暁「もう! 響のけちーー!!!」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/02(木) 16:50:36.22 ID:Geu8vQnzO
怪談やオカルトを紐解いて現実の出来事に戻していくの面白いよね
龍は洪水、巨人は山崩れとかの災害に準えられたり、みたいな
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/02(木) 22:02:50.86 ID:HTcKA/2b0
時雨「村雨に日頃の感謝を込めてプレゼントをしようと思う」
夕立「もう村雨ちゃん寝たっぽい?」
春雨「ちゃんと眠れるように準備を整えました」
山風「……プレゼント、ちゃんと……持ってきた」
海風「あの海風はたまたま偶然出くわしてしまったというか、なんというか」
時雨「大丈夫だよ海風。もともと四人でこっそりやる予定だったから、海風はいま手持ちのもので適当に見繕ってくれれば」
海風「あ、贈り物することは確定なんだ……」
夕立「村雨ちゃんの驚く顔が早く見たいっぽい!」
春雨「そ、そんなに騒ぐと起きちゃいますよっ」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/02(木) 22:40:55.64 ID:HTcKA/2b0
時雨「ところでみんなはプレゼントどんなの贈る気なんだい?」
夕立「夕立はこれっぽい!」ビリビリ
http://image.rakuten.co.jp/cook/cabinet/00650594/img57902604.jpg
時雨「なるほど。世界的に有名なブランド「GLOBAL」の包丁か」
時雨「刃と柄がオールステンレス一体型の美しいフォルム」
時雨「18%クロームを含んだ超硬質モリブデン・バナジウムという医療用メスと同じ素材には「ハマグリ型」という職人的刃付け加工がなされている」
時雨「まさに包丁として一流。それを贈り物に選ぶとは夕立のセンスは素晴らしいね」
夕立「えへへ。それほどでもないっぽいー」
春雨「私はこれですっ」びりびり
http://item.shopping.c.yimg.jp/i/l/yebisu-yaiba_mv40rgggxn
時雨「なるほど。恵比寿刃(えびすやいば)のダマスカス包丁か」
時雨「まず何よりも目に付くのは刃の美しい積層模様だ」
時雨「現在はダマスカス鋼形成技術が失われているため、刃の切れ味と模様は関係のないものになってしまっているが、その切れ味と頑強性は他の包丁と一線を画す」
時雨「切れ味もよくデザイン性は唯一無二。ゆえに魅了され、安くないとはいえ、これを選択する人は数えきれない」
時雨「まさに芸術品だ。それを贈ろうだなんて春雨の瀟洒な精神の表れとしか言いようがない」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/02(木) 23:37:48.72 ID:HTcKA/2b0
春雨「やっぱり女の子は小物品でもオシャレしたいですよね」
山風「私は、これ……」びりびり
https://image.rakuten.co.jp/santecdirect/cabinet/61/30881-206.jpg
時雨「なるほど。ツヴィリングのツインセルマックスか」
時雨「包丁の中で最も切れ味が鋭いといわれるツヴィリング渾身の最高級モデル」
時雨「野菜の組織繊維を破壊せず切れるほどで、トマトを1o間隔でカット出来たり玉ねぎを切っても涙が出ないなど今までにない新鮮な使用感あること請け負いだ」
時雨「値段以外に欠点のない包丁界の頂点。それをポンと贈ろうとするなんて、その山風は優しいね……」
山風「包丁を贈るなら、やっぱり最高のものをあげたい」
海風「ええと……?」
時雨「海風、なにも無理に贈り物を見繕う必要はないよ。こういうのは気持ちだからね……?」
海風「あ、ありました。これでどうですか……?」
http://www.ehamono.com/shopimages/ehamono/0000000007172.jpg
時雨「……堺孝行のグランドシェフシリーズ飛燕か」
時雨「鞘付きの柳刃はもはや包丁というより刀剣のような様相を呈している」
時雨「切れ味頑強さは言うまでもなく最高峰。もはやどうして海風が偶然持っていたのか気になるほどだ」
時雨「そして注目すべきは「村雨」と刻印されていることだ。海風の謎のずぶとさは是非見習いたい」
海風「たまたま。村雨姉さんに合うものを持っていて良かった……」
時雨「むしろその村雨姉さんにしか合わない一品だけどね」
夕立「それで時雨は何を贈るっぽい?」
時雨「……ひみつ」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/03(金) 00:10:05.72 ID:DOg4lGYZ0
村雨「(今夜のカレー何だったのかしら。白い錠剤が隠しようもなく入っていたのだけど)」
村雨「(私は薬物に耐性あるから良いんだけど、白露姉さんにあげたらもうぐっすり眠っている)」
白露「」
村雨「(あと外が何か騒がしい……)」
時雨「ほら、みんなこっち。電気はつけれないから足元注意して」
ぞろぞろ
山風「ねてる……?」
春雨「大丈夫ですよ。アフリカ象でさえ一錠飲めば昏睡状態に陥るものを300錠は盛りましたから」
海風「それ文字通り白い錠剤が山盛りになっていたんじゃ……」
夕立「っていうか、村雨ちゃんそれいつ目覚めるっぽい? 三千年後?」
時雨「一応白露姉さんもいるんだから静かに。プレゼント置くだけだから」
村雨「(ははぁん……? 事情が呑み込めたわ)」
村雨「(ふふ。ここは私のかわいい姉妹たちのためにも狸寝入りに徹すべきね)」
村雨「(でもちょっとだけなら、様子を伺うだけならいいわよね……?)」ちら
村雨「(……え? こわい……)」
村雨「(なんでみんな抜き身の包丁を持っているの!? なんかサバト的な儀式でもはじまるの!?)
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/03(金) 00:29:13.13 ID:DOg4lGYZ0
江風「ふぅ、夜戦明けの朝日は全くまぶしいぜ」
江風「おはよう。おはよう。江風が帰投しましたよっと」
村雨「……」
江風「あ、村雨の姉貴……って」
江風「あはは、村雨の姉貴どうしたんだよ! きひひ、現代の弁慶みたい!」
村雨「……あ、江風ちゃん。江風ちゃんは包丁持ってないわよね。投げてこないわよね。首元に突き付けてきたり枕元に突き刺したりしてこないわよね……?」
江風「いや、あの、テンション低いな……いやそんなことしないから」
村雨「そうよね。それでね、江風ちゃん私料理上手になろうと思うの」
江風「それまた突然だなー。まあ……そんだけ包丁があれば世界一にでもなれるよきっと」
村雨「私頑張るからね」
江風「あ、ああ頑張ってくれ。江風も姉貴を応援するぜ」
村雨「……」
江風「……」
江風「ところで、その耳飾り? はじめてみるけどかわいいな! 似合ってる」
村雨「……そう? ありがとう。ふふふ」
江風「……」
江風「(テンションひくっ! 私がいない間に何があったってんだ!?)」
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/03(金) 02:41:46.29 ID:hUGZgoLDO
プレゼントを突き刺す
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/03(金) 17:36:36.99 ID:X77SqIlyo
こえー
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/03(金) 20:47:41.32 ID:DOg4lGYZ0
提督「おい! ジャーヴィス! ジャーヴィスしろ! ジャーヴィスサービスしろ!」
Jervis「Darling? What you say?」
提督「Do Jervis!!」
Jervis「……えっとー、What do you mean by<Do Jervis>?」
提督「ほらここにコップがあるだろ。パンツ脱いでここにジャーヴィスするんだよ! Do Jervis!」
Jervis「O,oh ……It's Japanese joke! 」
提督「No joke. Do Jervis.」
Jervis「……いやよ! あっかんべー」
提督「いやじゃねえよ! 舌を出すな下から出せ。DO JERVIS !!!」
Jervis「(この瞬間、実はこの人やばい人なんじゃないかと思うに至るも時すでに遅く)」
提督「あ、そうか急に言われても出せないよな? 近代化改修で尿道に外付けバルブでもつけるか」
提督「ついでにコンパクト化して浄水聖染器として上から水を入れると下から小水を出すただの肉筒にでもしてやる」
提督「な? だからお前だけが無理する必要はないんだ。みんなの力を借りることもできるんだ」
Jervis「(逃れられない悪夢に捕らわれたことを知る)」
提督「DO JERVIS !!!」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/03(金) 21:16:51.06 ID:DOg4lGYZ0
じょわー
提督「漏らすな」
Jervis「ひ、ひぃ、ご、ごめんなさい。ぐす」
提督「あーあ。もったいない。もう出ないよな。仕方ない工廠にいくか」
Jervis「い、いや!」
提督「どうした? 漏らしたことを気にしているのか? 安心しろそんなことでお前に失望したりしない」
Jervis「あ、あのやります……」
提督「なにを」
Jervis「Do Jervisやります……」
提督「アメリカ語はわからない」
Jervis「おしっこします。やらせてください」ばっ
提督「わざわざ小便の水たまりに額づく必要もない。わかったから立て。立ってここにおしっこしろ」
Jervis「うぅ、ぐすっぐすっ」
じょー
提督「そういえばジャーヴィスも随分日本語流暢になったな。こっちにはもう慣れたか?」
Jervis「ぐすっ、あの、いえ、まだ少し……」
提督「……そうか。まあそう簡単でもないよな。徐々に慣れていってくれて構わない。何かあれば俺も相談に乗ろう」
Jervis「はい……ありがとうございます……」
提督「よしこれだけあれば大丈夫だろう」
Jervis「あの……それって何に使うのですか?」
提督「何ってまあ見てろ。吸引管を俺のちんこにさしてっと。吸引!」
提督「あああああ! ジャーヴィスのジャーヴィスが俺の膀胱に入ってくるううう!!」
Jervis「」
提督「も、もう耐えきれん出る!! ジャーヴィスのジャーヴィスが俺のジャーヴィスになるううう!!!!」
ジャーヴィスジャーヴィスジャーヴィス
Jervis「(執務室いっぱいに広がる虹をみた時、私はえも言われぬ感動を覚えたのでしょう)」
Jervis「あ、あれ、おかしいな……涙が止まらないや」
Jervis「へ、へんな病気でも貰ったのかな……とってもおうちにかえりたい」
Jervis「GOD bless me. GOD save Lucky Jervis.」
アンドレス・セラーノ『Piss Christ』。本来尿に溺れるキリストからは苦悶の表情を見て取るべきであるが、Jervisのおしっこに包まれているとみた場合その表情には至福の影が差さないだろうか。これがキリスト教神学のいう「救済」という概念です。
http://c4gallery.com/artist/database/andres-serrano/serrano-andres-piss-christ-1987.jpg
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/03(金) 21:18:42.75 ID:TgnCc77jo
業が深いSSだなあ
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2018/08/04(土) 17:07:27.58 ID:kcflCF4d0
うわぁ…なんぞこれ、なんぞこれ
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/04(土) 23:49:16.47 ID:k9AMqJIro
掛け値のない狂気
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 00:15:36.45 ID:3MfjBCvM0
風雲「あ! 秋雲! 今日は珍しく外に出ていたのね」
秋雲「そんな引きこもりみたいな扱いを受けるとは思わなかったねー」
風雲「だってあんたいつも部屋で絵描いているじゃない」
秋雲「いやいやそれはデッドラインへデスマーチしている時だけだって。秋雲だってちゃんと外に出るよ」
風雲「ふうん。どこいってきたの? とらのあな? メロンブックス?」
秋雲「おおう……私ってばそんなイメージなの?」
風雲「え? そうじゃないの?」
秋雲「秋雲は悲しいよ。そうじゃなくて美術館に行ってきてたの」
風雲「おどろいたわ」
秋雲「こっちがおどろくよ」
風雲「じゃあその手提げ袋は」
秋雲「ちゃんとした画板ですー薄い本じゃないよー」
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 01:30:08.76 ID:3MfjBCvM0
風雲「これは絵画のレプリカ。綺麗な絵ね」
秋雲「オラース・ヴェルネの『死の天使』だよ」
オラース・ヴェルネ『死の天使』1851
http://www.ntv.co.jp/hermitage2012/works/images/chapter3/detail/4.jpg
秋雲「それを見た時ちょっと感動して、帰りぎわについ買っちゃった」
風雲「感動? まあ綺麗な絵だと思うけど……」
秋雲「美術館て基本的にいくつかのセクションに分かれてて、それを通路で結び付けいているんだよね」
秋雲「でこの絵、実際は壁一面に広がる大きい絵なんだけど、それが通路の突き当りに展示されていたわけ」
秋雲「するとかなり遠くからでも一応目につくわけね。その時、私は白くて目立つ綺麗な女の人の部分しか見えなくて、ああ聖女画なんだなーと思っていたのよ」
秋雲「で、いざ近づいてちゃんとみるとこれ! なんとその後ろには黒い死がいるじゃない。近づくまで気づかない黒い死の天使。これは完全にやられちゃったなーとなるじゃん! わかる!? この感動が!?」
風雲「わ、わかったからとりあえず落ち着いて! ち、近いぃ……」
秋雲「ご、ごめん。でも、時々『美術館にわざわざ足を運ぶ必要ないよね、今は本もインターネットも充実しているし』と言う人いるけどさ。秋雲はそれ違うと思うんだ」
風雲「はあ」
秋雲「実際に自分の足で動いて初めて得られる経験て絶対あるよ」
秋雲「キネステーゼ感覚っていうのかな。現実の生の経験をとことん重視した現象学という哲学領域によると、私たちの認識は現在時の一面的認識だけじゃなく、他にも過去の一面を把持し、未来の一面を予持して、認識を構成しているらしいんだけど、その生の経験を実感するにはやっぱり空間を歩くことが大切なんだと思う」
風雲「秋雲。ごめん。なにを言っているのかわからないわ」
秋雲「今回、私はこの絵を最初ただの聖女画だと思ってたでしょ。その現在時私は遠目からの聖女画という経験を持っているから、当然未来も変わらないと思って近くからみる聖女画の未来を期待予持していた」
秋雲「でも、歩いて、つまり未来時点に立つと現れたのは死の天使。その時、認識はずれ込んで、過去把持の聖女、原現前としての死の天使と、私は認識は修正されて、ついでに時間契機を強く意識しちゃうわけ」
秋雲「自分の生での過去現在未来の認識をこうして力動させ修正完成させていく過程が本当の経験というものなんじゃないかと秋雲さんは思うわけです」
風雲「うん。ごめん。やっぱり私にはわからないわ」
秋雲「そっかー……まあいいや」
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/08/05(日) 02:39:33.64 ID:3MfjBCvM0
秋雲「あ、じゃあさ! こんど一緒に美術館行こうよ!」
風雲「え? でも、私そんな詳しくないわよ?」
秋雲「この秋雲さんが色々教えてあげるから大丈夫大丈夫! それに何も知らなくても美術館は案外楽しめるものだから!」
風雲「そういうもの?」
秋雲「そうだなーじゃあゴッホを観に行こう。ゴッホは筆づかいが変わってて実際に観ると絵具の盛り上がりとかで筆跡が明確に分かって面白いかも」
秋雲「『裏返しの蟹』なんて題材もシュールだし、カンバス上に絵具が山みたいな塊をつくっていて、実際に観にいく価値ありだよ!」
ゴッホ『裏返しの蟹』1889
http://img10.shop-pro.jp/PA01047/075/product/32089871.jpg?20110602142030
風雲「なら、今度一緒に行きましょ」
秋雲「やったー風雲とデートだー!」
風雲「デートじゃないわよ! ばか!」
秋雲「えー? でも、秋雲は風雲のこと好きだよ?」
風雲「また適当なことを言って……」
秋雲「いやいや、風雲ぐらいだからねー。自分の薄い本を売ってくれるのに付き合ってくれる娘」
風雲「……え? ちょ、ちょっとどういうこと!」
秋雲「この前売り子手伝ってくれたじゃん?」
風雲「え? え? 私あれ、秋雲がまあそういうの描いているの知っていたから、内容もそんなだと思って、中身確認していなかったんだけど……?」
秋雲「自分の薄い本手売りするなんてすごいなーと思っていたんだけど」
風雲「ってちょっと待って! お客さんからすごくじろじろ見られてたのってもしかしてそれが原因!?」
秋雲「オーソドックスなイチャラブ系からキメセク陵辱系に公衆の面前のもと隠してバイブ突っ込んでいる羞恥系まで幅広く取り揃えていました」
風雲「……っ!?……っ!?」
風雲「……はあ。まあ過ぎ去ったことだしそのことは私のとても寛容な心で許してあげる……」
秋雲「聖人ここに現る」
風雲「別に完全に許したわけじゃないから! その前に行くところが出来ただけよ!」
秋雲「どこに行く気?」
風雲「提督のところよ! あの人、「様子を見に来たぞ」と言ってパラパラめくった後、「風雲お前も大変だな。何冊か包んでもらおう」ってめちゃくちゃ偉そうに買っていったのよ! その時は感謝したのに! 問いただしてくる!」
秋雲「あ。行っちゃった……美術館の件忘れないでよー!!」
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