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【艦これ】龍驤「たりないもの」外伝
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101 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/02/28(木) 04:28:50.33 ID:7kTtEa1DO
「本当の所言うとな…漣だけでも辛いねん…その上更に増えるなんて…」
いつの間にか食堂の一角に作られていた村雨さんのクラブで龍驤さんは私にそう吐き出した
私は辛うじて顔には出さないようにして相槌を打つ
正直ショックだった
ご主人様とよりを戻して以降、三人で旅行に行ったり、お揃いのペンダントを買ったり、一緒に仕事したり、二人でご主人様にお説教したり、三人であれやこれやしたり、色々な事があった
私は自惚れていた、楽観していた、龍驤さんにも私を好きになってもらっている、受け入れてもらっていると思い込んでいた、いつか戦争が終わっても三人でいられると根拠も無く信じていた
102 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/02/28(木) 04:30:49.71 ID:7kTtEa1DO
何の事はない、ただ我慢してもらっていただけだったのだ、私は気付かぬ内に龍驤さんに負担をかけていたのだ
ここで龍驤さんが万が一また崩れてしまっては深海棲艦との和平の為に動く今のご主人様には計り知れない負担になる、下手をすれば二人ともが倒れる事もあり得る
そうなれば私達を快く思わない大本営のいくつかの派閥か組織か、もしくはそれ以外の誰彼に付け入る隙を与えてしまうかもしれない
そして朝霜の事もあり、私が今の位置に留まり続ければ遠からずそうなるだろう
ご主人様と龍驤さんには幸せになってほしい、その為なら私は私自身すら惜しくはないのだ
だから
103 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/02/28(木) 04:33:04.46 ID:7kTtEa1DO
『だから潜水新棲姫の好意を受ける事にしたのか』
私の中に住む、今や一蓮托生の重巡棲姫がどこか不機嫌そうにそう言った
「ええまあ、そうです、何だか随分不機嫌そうですね」
『私はお前の感情をもろに受ける、お前の葛藤は私には正直面白くない』
「そう言われましても…」
『お前はそれでいいのか?提督の事はもうどうでもいいと?』
「そんなわけないじゃないですか…人の気持ちがそんな簡単に右から左へ行くなら誰も苦労しません…」
『だろうな』
104 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/02/28(木) 04:35:16.31 ID:7kTtEa1DO
「何だか今日は意地悪ですね」
『言っただろう、面白くないと、だがまあ…お前の決断を私は尊重するよ』
「ありがとうございます…」
『それでこれからは正式に潜水新…ああ面倒だ、あのちびっこと恋人として付き合っていくのか?』
「そうですね、今のところはそれでもいいと思ってます、何となくペットと周りには言ってはいますが」
『今のところか』
「ええ、少なくともあの子が1人でも危なげ無く生きていけるようになるまではどんな形にしても面倒を見ていくつもりです」
『まるで親だな』
「自分の子供と関係を持つ親なんて嫌過ぎるので恋人でいいです…」
『ペットはいいのか?それは俗に言う獣か…』
「言わせねーよ!」
105 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/02/28(木) 04:37:20.28 ID:7kTtEa1DO
『漣』
「なんですか?」
『私もだからな』
「はい?」
『私もお前の為ならこの命、惜しくはないんだからな』
「貴女が死んだら結局私も死ぬじゃないですか…」
106 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/02/28(木) 04:39:22.55 ID:7kTtEa1DO
『いや、お前だけは何があっても死なせはしない』
「…私だって…貴女には死んでほしくないんですけど?」
『そうだな…すまない、最後の手段を使わずに済む事を祈ろうか』
「最後の手段?よく解りませんが駄目ですからね!」
『ああ、解った』
「本当に?約束ですよ?」
『ああ、約束しよう』
107 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/02/28(木) 04:41:19.55 ID:7kTtEa1DO
ホントに解ったのかなあ…などとぶつくさ言いながら漣が帰った後私は考える
漣、私はお前の感情を受けると言った
それはつまりお前が好きだと、大切だと向ける感情は私にも影響を与えるんだ
いつからか私自身もあの頼りない提督を憎からず思っていたのだ
こういうのも失恋というのだろうか、私にとって漣はもはや自分自身とも言える程になっていて始めの頃のような恋愛感情とは変わった気がする
いずれは私もあのちびっこを自らの子か恋人のように思う日が来るだろう、漣自身はまだ気付いていないがあいつは割と気が多い上にちょろいのだ
108 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/02/28(木) 04:43:21.39 ID:7kTtEa1DO
漣、約束はしたがいざという時には私はそれを破るだろう、自らを省みず、これも元はといえばお前の影響だ
だがそれまではお前が護りたいものを私にも護らせてくれ、お前が好きになったものを私にも好きにならせてくれ
私はお前を選んで良かったと心の底から思っている、あのまま海をさ迷っていたら味わえなかった楽しみや喜びをお前を通して沢山経験出来た
そんな私からお前に返せるものはこの命しか無いのだ
いつかその時が来ない事を
いつかその時が来る事を
そんな事を祈りつつ私は宿主の中で束の間の眠りに付くのだった
了
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/02/28(木) 12:29:29.52 ID:fkpC/8kbo
乙乙
漣ちゃんめっちゃ複雑な経緯で悩んでるけどいい女だよ
艦娘×深海カップル達もずいかがみたいに何かしてあげたい
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/01(金) 23:57:54.55 ID:MmUT1WjA0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1541669468/83
を基にしたまとめを作成していたので誠に勝手ながら投下させていただきます…
駆逐艦
・暁
改二。胃腸が弱いため厄介払いで移籍。お酒に弱い。響と隣部屋。
レ級の尻尾をクリティカルで破壊。
紆余曲折を経てレ級と恋仲になる。SとMどちらもいける。 他人の性感帯が分かるようになったらしい。
・雷
もっと頼られたい。料理が美味しい。お仕置きアンカー使い。特三型の四人の部屋は隣同士。
翔鶴 がDJのラジオ番組『白鶴、まる。』のアシスタントをしている。
・電
怒声をあげられたり威圧されたりするとパニックを起こす。 半分トラウマスイッチの入った響を元に戻すほどのくすぐりの達人。
雷「調子のいい日の電は敵に回しちゃいけないの」
・響
改二。本人の希望で響と呼ばれる。暁と隣部屋。語尾に「ニャン」とつける時がある。
艦娘の反対派のテロにより前の鎮守府の司令官が亡くなったと故に死に敏感。
事件は揉み消されており響から詳細を聞いたのは提督とガングートのみ。
フリフリ猫耳メイド服の自撮り有り。筋肉質な男性が好き。猫耳&猫尻尾を着けていることがある。
結構派手な下着を穿いているらしい。「先生」とその子供の「うすしお」という野良猫と仲がいい。
・清霜
前の鎮守府にいた武蔵を尊敬している。その武蔵は脳の病気に罹り亡くなる。清霜は、病気が進行して声帯が機能しなくなった武蔵のために手話を覚えた。
手話ができるため長門の通訳をするときがある。
・霞
改。龍驤からママみを感じられている。毒草マニア。皆に薬を渡す。薬剤師免許持ち。
タナトフィリア。鎮守府裏で薬の元となる草を栽培、また山へ採取しにいったりする。
榛名のことをお姉さまと呼び、付き合っている。素質はあったが前鎮守府で出撃させてもらえず練度不足。 榛名曰くストレスが溜まっているとSになるらしい。
・黒潮
改二。龍驤のブラックジョークに対応できる子。喧嘩が強い。加賀と素手の殴り合いをした。
前の鎮守府の提督が浮気をして鎮守府が解散。故に当鎮守府に来たのはたまたま。 神通とは仲がいい。
『悲劇』の時に神通や龍田を相手に立ち回った。その時のことを夢に見る時がある。漣のことが嫌いだったが、飛鳥の仲裁?もあり関係は改善する。。
・不知火
改二。お洒落に気を使う。猫耳狸柄パーカー着用。
一度怒りのスイッチが入ると大変。前の鎮守府では凄かったらしい。 隼鷹と仲が良い。
スパッツへのこだわりが大きく、そのままでお手洗いに行ける改造をしたり自分で作ったりしている。変な本の大半はお尻モノ。
特務艦綾波から離れるためK提督の鎮守府にレンタル移籍するが、脱走した綾波と交戦、実は傀儡であることが判明する。
・卯月 / 弥生
改。霞より練度が大きい。
かつて卯月が沈んだ際に、弥生が卯月の肉体を食べた結果、現在は弥生の肉体に卯月の意識も存在している。
性行中毒だったが改善。バリタチ。最高五股。
叢雲に槍で刺されて入院していた。叢雲に鉄パイプを入れてお腹を踏んだことがある。
・朝霜
練度250。提督に滅茶苦茶にしてほしい為に当鎮守府に来た。元々いた鎮守府の提督から移籍する許可をもらっているが、当鎮守府の提督は受理していない。
首輪をつけたり体中にピアスを空けていた。
ピアスには守れなかった人の名前が刻まれ、またその人物の一部が練り込んであったが、そのピアスを夕立に破壊される。 後にピアスを鋳なおし、イヤリングとして付けている。
提督が好き。幹部付き特務艦。龍驤の事故現場に遭遇している。 早霜に調教されていたので、早霜にはまるで逆らえない。
・叢雲
改二。ポニテメガネ。うーちゃんが好きで刺しちゃった(二回)。
釈放後、当鎮守府に所属した。スリップ着用タイツ直穿き。
卯月が改二になった叢雲をイジめたいというので頑張って改二になったらしい。
卯月に下半身を蹴られまくって正常な卵子を排卵できない体になり、妊娠不可能。
・皐月
改二。提督の友人である女性提督の所から移籍。母乳で溺れて天国を見た。雲龍の胸が好き。 一時漣や雲龍と肉体関係を持つ。
オッパイを極めた結果マッサージの技術を身に付けた。オッパイを揉んでいるとき、富士と遭遇するが、そのオッパイを揉み富士を体から追い出した。
・陽炎
改二。制服は金色。艤装も金色。家具も金色。私服も金色。メッキ加工ができる。他人に選ぶ服のセンスは真面。
一から夜の金色相棒を作ったことがある。出撃の合間に工廠で手伝う。
最後には快楽堕ちして奴隷になる陵辱系モノが好き(金色のカバーがかけられている)。
好きな甘味はケーキ。カップケーキ等をよく食べる。栄養剤代わりに金粉をかける。
改二の際、艤装を金色に塗装したところ、艤装が爆発してロボになった。声が出る。装着すると船速が早く耐久が大きくなる。装着した見た目はアイアンマッ!
かつては万引き癖があった。不知火と同じく傀儡である。
・漣
当鎮守府の初期艦。龍驤が怪我をした数日後に別の鎮守府に移籍。提督の初めて。
腕や脚をくっつけられた跡があったが、整備士によって健常者となる。胆嚢に友好的な重巡棲姫がいる。
深海の魚雷を使えるが深海の主砲は使えない。 アレを生やせる。
レ級とともに和平派の深海棲艦を集めている
・潮
傀儡の完璧なチューナーとして作られたが失敗作として放棄されたと思われる。
整備士と知り合いでかつ大本営を裏切った提督に送られる予定であったと思われる。
好きな艦種になれる。深海棲艦にもなれる。深海棲艦になると口が悪くなる(ブラック潮)。艦種に合わせて体型が変化する。
得意な重巡と当鎮守府での層が薄い戦艦をメインに使いこなせるよう頑張っている。空母艤装は一航戦や五航戦のものに近い。
皐月にオッパイの気持ち良さを教え込まれた結果、漣のものより長い立派なモノが生える。
・S朝潮
元ブラック最前線激戦区鎮守府所属。売られて毎回自分の中に出された液体を掻き出して飲んで生き延びていた。
買った男を自分の手で始末した。
殺人の件で再審が行われるも、朝潮の減刑は認められず、新型手錠のモニター期間も終了したため刑務所送りとなり、獄中で自殺する。
その怨念が独り歩きし、島風鎮守府を苦しめるが日進に怨念の事を伝え供養してもらう。
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/01(金) 23:58:35.27 ID:MmUT1WjA0
・山雲
霞の薬品の管理について監査に来た。恐らく組織側の艦娘であり、幹部と駆逐棲姫を拘束し、二人を奪還された後は艦娘を深海棲艦のように変異させる薬を飲み暴走する。
『頭ネジ』の武蔵に殺害されるが、その遺灰と朝雲が持っていた山雲の死体の一部が融合して出来た卵から、妖精さんサイズになって復活する。艤装の威力はサイズ相応だが、艤装を出している間は秋津洲を軽々投げ飛ばすほどの怪力を発揮できる。
・朝雲
山雲と同じく霞の薬品の管理について監査に来た。山雲が組織側の艦娘だとは知らなかった。どこにも所属していないことが判明し、提督の鎮守府所属となる。
・初雪
古鷹を自殺させたということで加古を憎んでおり、提督の昇進と同時に鎮守府に着任する。
古鷹の自殺の原因の多くが古鷹に寄生した深海棲艦によるものだと知り、加古を殺そうとしていたことを謝るなど加古との関係は持ち直す。
・白露
・村雨
・春雨
夕立・時雨(駆逐水鬼)の姉妹艦。元々は同じ鎮守府に所属していたが、時雨の死後バラバラになったらしい。
ガングートの代わりの戦力として鎮守府にレンタル移籍する。
春雨は富士を追い出している。
軽巡
・阿武隈
改二。酔うとキス魔になる。
下の毛は生えていない。清霜ですら生えてるのに。不感症の疑い。
前の鎮守府で独自のノルマを課せられていた。
・多摩
改二。龍驤が心配な為に艤装を破壊したり義足義手を隠したりしていた。
女子力の塊。瑞鶴のリハビリ担当医にアタックした結果婚約。
普段は指輪をネックレスにしている。
恥ずかしさのメーターが振り切れるとゴメン寝する。興奮すると語尾がとれる。
改二になった際、夜目が利くようになったり、野生の感が強くなったりした。マル秘作戦で加賀と一緒になったことがある。 その影響か、加賀とともに血中細胞が変異している。
・北上
改。工作艦医療担当も出撃もするハイブリットな北上様。
一生龍驤さんの専属技師。素質も練度も問題無いが、改二の服は寒いので改のまま。当鎮守府の憲兵と付き合っているが、情事が下手。
・夕張
工作艦担当。鎮守府の色々を盗撮している。ドローンも使う。夕張が着任してからは、集合写真は同じ場所で夕張が撮る。
鎮守府の運営がままならなくなった時、潜水艦達と一緒に何とかしていた一人。
メロンと呼ばれることが嫌い。前の鎮守府ではそう言って弄っていた相手が階段から落ちそうになった時、手を伸ばさなかった。
トリガーの使い過ぎで生命が殆ど無くなるも回復。入院時、PCが扱える烏に懐かれた。他の者に懐く様子はない。
夕張「やっぱりメロンは夕張ですよね!」
もし艦娘を殺してしまったときのために死体を隠しておくための冷凍庫を工廠に置いていた。その冷凍庫は時津風とヅカ系に詳しいらしくファンクラブ限定の超限定版DVDを持っている。
・神通
改二。練度99。ケッコンカッコカリ済。バトルジャンキーだったので匙を投げられ移籍してきた。
移籍当初は勝手に出撃を繰り返し気絶するまで帰ってこなかった。
ジョークにものってくれる。<龍驤さんは背も小さいですよ。
黒潮と共に龍驤に頼りにされている。素質は30だったが提督と話し合って変わり改善する。
ダメになると食べ物を噛めなくなる。注射が嫌い。 脇腹が弱点。
・川内
改二。夜戦がうるさくて夜戦に抗議をしたら自分が夜戦になった。
ニンジャ。素質問題無し。神通に次いで練度が大きい。休日は誰も知らない山水の滝で体を清める。
師匠と仰ぐ由良が居てその影響を受けて鬼軍曹と呼ばれていたらしい。愛用のバイクを所有。
提督の鎮守府に来てから梟挫を習得した。元々は忍者提督の鎮守府にいた。
・龍田
改二。天龍ちゃん好き。一思いに殺すのが得意。前の鎮守府で提督に襲われた。
素質は5であったが、当鎮守府に着任後に素質が上がり改善する。
・天龍
龍田の改二実装に凹むも皆からのビデオメッセージで感動。自分の役割を果たすと意気込む。
過激な乙女ゲーのガチャ中毒。株とかでへそくりを作って課金していた。霞の薬で様子見。
・大井
別の鎮守府から移籍。北上(別)に襲われ心意喪失するも、球磨が投与していた毒や周りの協力もあってある程度回復。
動けなくなるまでは別の鎮守府で一二を争う練度であった。強くなるのが好き。
・球磨
別の鎮守府から移籍。大井の介護をしていた。北上(別)を恨んでいる。
自我のない深海棲艦が脳以外のどこかに寄生、一体化している。趣味は艦娘の盗撮や使用済み下着の収集。
北上(別)の死体の破片を浴びた際、体内の深海棲艦を北上が乗っ取っていた。
北上(別)の働きで内臓を破裂させられ、その際北上は血を浴びた明石に移動した。その怪我は完治するが、下着を使った料理は食べられなくなったらしい。
・由良
川内の師匠として川内を鍛える。深海棲艦を滅ぼした後、艦娘も処分するという考えを持つ。
強くなるために深海棲艦のコアを食べたらしい。4体の深海棲艦を体内で飼っている。
忍者提督とケッコン済み。
重巡
・加古
改。寝坊癖がある。不知火達によく着替えさせてもらっている。 埠頭で釣りをして何も考えず時間が過ぎるのが好き。
前の鎮守府で共にエースだった古鷹を自殺に追い込んでしまった事から他の重巡を見ると錯乱していたが、先の記述とは別の古鷹が流したボトルメールを受け取ってから彼女と交流し、元気になっている。
・羽黒
目を見られるのが恥ずかしいので髪の毛で隠している。幹部さんが送った監査官(艦)。
素質は30程度で改二には程遠い。正式に当鎮守府に着任している。正義に悩んでいたが答えを見つけることができた。
絡み酒。酒に弱い。ウイスキーボンボンや甘酒でも酔う。
下の毛は結構濃いというか、ワイルドというか。剃っても逆効果。過去に男性経験あり。
・那智
当鎮守府が初着任な艦娘2号。当面の目標は改二。男性経験なし。
疲れが取れることもあり、皐月のマッサージを気に入っている。
・愛宕
男性恐怖症。町で男の人とすれ違うだけでもダメ。
前の提督に毎日ささやきボイスを聞かされて発症。それを理由にドロップアウトするのは嫌なので当鎮守府に移籍。
提督からの指示は他の者を通して伝達される。 男性恐怖症克服のため那智に男装してもらうが、その姿にキュンとする。
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/01(金) 23:59:14.28 ID:MmUT1WjA0
潜水艦
・伊401
メンタル弱。他の潜水艦とは違い『悲劇』の後も鎮守府で活動している。心の病治療済み。潜水棲姫を人質に取られ組織のスパイをしていた。
・伊168
過度のストレスによる狭心症であり右眼がうまく見えていない。
潜水艦達の中で一番ひどい症状だった。鳳翔のお店で働いている。
鎮守府でリハビリ中。初期トリガー使用者。
・伊8
鳳翔のお店で働いている。はっちゃん特製サラダ。
・伊58
『bar海底』を開店。仔狸を裏で飼っている。
・呂500
『bar海底』で働いている。鎮守府に復帰。酒乱で絡み酒。将棋が得意。
・伊19
高級店『料亭竜宮』で働いている。
・伊26
高級店『料亭竜宮』で働いている。
ストレスにより綺麗に白髪になる。
・伊13
潔癖症。手垢やドアノブ、握手がだめ。手袋をしている。
個人風呂を作ってもらったり個人食器を買ってもらったりして感謝している。
恋人は出来たことがない。恋人が出来たら全身を使って洗ってあげたいという願望がある。
性的に興奮してくると、酷い腰痛に襲われる。フレンドさんは触らないで声や息遣い、見た目だけで満足させていた。
・伊14
アルコール中毒だが、霞の薬で改善している。
戦艦
・金剛
改。艦娘の権利を守る団体から偵察にきた艦娘。
現在レンタル移籍中。
不祥事により所属団体の幹部から降格。艦娘保護団体の活動が忙しく、練度不足。
提督を狙っていたがその気持ちは親愛に因るものだと気づく。金剛の部屋は龍驤の部屋の隣にある。
・ガングート
改二。酒に酔い、暖炉に頭から突っ込んで顔に火傷を負ったため志願して当鎮守府に移籍。ホラー映画が苦手で叫び声を上げる。
純血。 ポンコツだが練度は高い。火力に自信有り。ロシア国籍。町の人達に人気。孫さんと鎮守府外で同棲、孫との子を妊娠し、入籍する。
・長門
改二。耳が聞こえず喋れないため読唇術やタブレット等で意思疎通をする。
ギリギリ改二。グロい話は少し苦手。宇宙戦争の映画が好きだった。
大層強大な力を持っていた深海棲艦と素手で戦い沈む。ダメコンを積まずに轟沈したが復活した。
轟沈した自分を助けた大本営に恩を感じ、スパイとして大本営と通じている。接触回線と非接触回線を搭載しているので、接触回線を搭載する者とは触れるだけで意思疎通ができる。
朝霜に尋問されるが、トラウマが再発した秋津洲が暴れる混乱に乗じて、陸奥とともに行方をくらます。
・榛名
榛名提督の鎮守府から移籍。霞のことが好き。艤装解除時に近くの駆逐艦を庇って左手薬指を欠損する。
比叡の料理で生死を彷徨った結果タナトフィリアに目覚める。左手薬指の爪を噛む癖があった。
死ぬ時は一緒に死のうと霞に言ったらしい。
・アイオワ
大本営からの支援として着任する。大和型に匹敵する火力と強力な対空火力を誇る。皆にハッピーを振りまいているが、かつてはアンハッピーな時期もあったらしい。
「ミーは強いわ!何故ならアメリカは強いから!」「そしてハッピーだからなのよ!」
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/01(金) 23:59:48.21 ID:MmUT1WjA0
空母
・雲龍
元世紀末鎮守府所属。定期的なエステ通いと手入れにより自慢の胸をもつ。胸は普通の『雲龍』より大きい。
忙しくても休み等きっちり与えてくれる提督に感謝している。当鎮守府の最初の正規空母。『悲劇』の際、記憶障害が起こった。
その胸で何度も皐月を狂わせているが、皐月によるマッサージを受けている。
・天城
右腕二の腕あたりまでが何かにより腐っていた。その部分は腐臭が無く、痛覚が働いていなかった。
隠れて酒や煙草を使用していたが皆にばれていた。他の『天城』とは生まれつき全然違った。
素の口調は男勝りであり障害者になることを恐れていたが手紙や説得により切除に切り替えた。現在は義手。
胸が異様に膨らんだり母乳が出るようになったりしたが前より少し大きくなった程度で収まった。
天提督とは隠れた恋仲だったようだが天提督のガン宣告を機に結婚することになる。照れると耳が赤くなる。
・葛城
龍驤が安心して休んでいられるように強くなりたい。その為に朝ランニングや瑞鶴の特訓を行っている。
夜戦(意味深)等の話題になると真っ赤になるウブな子。その手の経験はない。
当鎮守府が初着任な艦娘1号。葛城の部屋は執務室近くにある。
組織の末端に属していた男性と良い雰囲気。 秘書艦の仕事を勉強中。
・加賀
ツンデレ空母。百合好き提督鎮守府から移籍。瑞鶴を戦闘から遠ざけるため排斥行動をしていた。
前は如何にして戦果を稼ぐか、どれだけ他人と差をつけるかが生き甲斐だった。練度は高いらしい。
・瑞鶴
怪我をする前から改二。盲目。普段は飛鳥(盲導犬)と共に行動し、出撃時は四感(艤装の駆動音や風)で判断し戦闘。
加賀と恋仲。
百合好き提督鎮守府から移籍。目は艤装解除後にやられた為修復剤で治せない。
雲龍と行ったエステでの豊胸メニューにより少し大きくなっている。ツンデレ好き。
・翔鶴
当鎮守府に来る前から改二。瑞鶴を追ってカバンに入る。一時期ホームレスになっていた。
百合好き提督鎮守府から移籍。瑞鶴から瑞鶴翔鶴の写真を入れたハートの形をしたロケットをプレゼントされる。
体を許すのは将来伴侶になる殿方だけと決めている。噴式を使える。影が薄いことを気にしている。
『白鶴、まる。』というラジオ番組にDJ 「白鶴」としてアシスタントの雷と共に出演している。
・隼鷹
改二。不知火とヘンな話で弾む。
夜に対する恐怖を酒でごまかしていたが、泥酔した自分の姿を見ることで飲酒量を減らした。川内と同じくバイクを所有。
・飛鷹
清霜を礼号組という悪い見本から守ろうとする。一人だと安眠できないため清霜と一緒に寝ている。
前の鎮守府で良く懐いてくれていた娘に似ていたため、その娘と清霜を重ねて見ていた。
その娘は戦艦が好きでボランティアで仲良くなるも、手術中に深海棲艦の襲撃による停電が起きて亡くなる。
折り合いがついてからはその娘と清霜を重ねて見ることがなくなり、清霜のことが好きになる。
・龍驤
改二。最大練度。線路に転落した少女を助けようとして電車に轢かれ、左腕及び左足太腿先を欠損。義足義手がない状態で鎮守府内を行き来する姿にドン引きしている艦娘は多い。趣味は読書。
義手にロケットパンチ機能がついている。
艦載機発艦のために全身に印を刻んでいる。使用するのは舌に刻まれた印。
ドM気質(情事の際に首締めを求める)。
<天然モノのパイパンっぴょん!
<可愛いパンツはいてるやん!
・ガンビアベイ
他の鎮守府から転属してきた。足が不自由。杖があれば歩くことはできる。
前の提督や一部艦娘、同じ様に障害持ちの人からは良くしてもらっていたが、それが面白くない娘達と良くしてくれる娘達の軋轢が酷くなっていくのに耐えられなかった 。弁護士として艦娘のかかわる裁判で活動する。
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/02(土) 00:00:20.66 ID:dhaJ4tRy0
その他
・秋津洲
ブラック最前線激戦区鎮守府から移籍。工作艦。彼氏はここに来てからはできてない。
ワーカホリック気味だが食堂での会話や初めてできた友達である明石の存在により緩和されてきている。
夜の相棒の名前は大艇ちゃん。前歯2本は折られたので差し歯。大艇ちゃん(飛ぶ方)への拘りが凄い。
下着は基本的にウニクロで安いのをまとめ買いしている。 以前の鎮守府で暴力をふるわれたというトラウマがある。
・明石
完全なサイボーグを作ろうとしていた。 整備士と通じていたが思想の違いにより袂を分かつ。
工作艦。所属していた団体は真っ当。幹部により、以前の記憶を消される。
作業のクセや特徴を掴むために工廠組のノートをつくっている。
北上(別)が体内に入ったことで、以前の明石の人格が目を覚ますが、由良の中にいる深海棲艦達によって以前の明石の人格は完全に消滅し、吃音が改善する。
皆には秘密にしているが、ある男性といい関係のようだ。
・レ級
駆逐棲姫の姉のようなもの。
尻尾を暁に破壊される。暁と恋仲になる。基本受け。お尻に嵌まる。
艤装が大きさ3mくらいの戦艦になる。超重力砲ビーム。雷のような見た目。深海棲艦も艦娘も食べたことないよ。
漣とともに和平派の深海棲艦を集めている。雷の艤装を使うことができる。
・駆逐棲姫
通称クキ。恐らく駆逐艦の突然変異。両足をスクリューに巻き込まれ失っている。義足や車椅子で行動。
嵐(自然現象)が怖い。天体観測が好き。幹部をパパと呼ぶ。幹部と結婚する。深海棲艦も艦娘も食べたことないよ。
艤装は持っていないが工廠組が右腕用の機銃付きの籠手を開発している。
・提督
鬼畜カニバ鬼悪魔ドS提督等様々な風評被害に悩まされている。
あがり症。人相は良くない。金庫に今まで撮った集合写真を保管している。
ネコミミが好き。朝霜も叫ぶほど痛い足裏マッサージができる。菓子類を作るのが得意。
・幹部
偉い人。モンド(必殺仕事人)。駆逐棲姫と結婚する。脇フェチ。
明石の頭をチョメチョメした人。提督に代わり和平派提督たちの派閥のリーダーとなる。
・女幹部
幹部の知り合いで綾波を特務艦にした。その正体は菊月であり、ある男性を探しているらしい。
・飛鳥
瑞鶴の盲導犬。犬種はゴールデンレトリバー。 加賀のことは青いおっぱいの人と認識している。
・医師(瑞鶴のリハビリ担当医)
女性不信。多摩のひとめぼれの人。まずは友達として多摩と付き合った。
清いお付き合いの果てに多摩と婚約。
・鳳翔
鎮守府の近くに店を構えている。
大事な存在を深海棲艦に傷付けられたことがあり、提督のところには所属していなかった。
深海棲艦との和平には反対。
・憲兵
当鎮守府唯一の憲兵さん。
多摩に告白され振り、北上に告白して降られた。
そこで周りを妬むようになったが那智の言葉により北上に再度告白。北上と恋人になる。
・間宮
料理を教えていたりする。日常的に皆の食事作りを担当している。
・医者
身長150cm程。当鎮守府住み込み。内科医。寝ている人が好き。
鎮守府を行き来して艦娘専門の治療行為をしている。鎮守府敷地内の診療所や鎮守府内の医務室にいる。
・千歳
水上機母艦。医者に有料で胸を貸す。心療内科専門医。カウンセリングも大丈夫。
鎮守府敷地内の診療所や鎮守府内の医務室にいる。
・孫
熊野の事件で世話になった地元の権力者、その孫息子。
日本酒蔵で働く杜氏。ガング―トに対する日記をつけている。 ガングートの妊娠後、ガングートと入籍する。
・最上
時雨を取り戻せるという甘言を弄され、組織の傀儡の調整役になった。その後脱走し当鎮守府に助けを求める。
時雨に初めてあげたプレゼントはお洒落な服とアクセサリー。幹部預かり。
・駆逐水鬼
中身は時雨。最上と出かけている時に乗っていた水上バスが深海棲艦の魚雷にやられ瀕死。その後死亡。
時雨の死体は一度盗まれた後に脳を抉り取られた状態で発見された。
・那珂
傀儡。川内に保護されるも、夕張が使った古ぼけた艤装の中にあった黒い球を持ち去る。黒い球は荒潮に回収される。
・潜水棲姫
座礁して動けなくなっていたところを伊401に助けられる。同胞を食べたことがある。火力は大和型〜長門型の数値。雷装値は重雷装巡洋艦並み。
・北方棲姫
鎮守府に 時津風に殺されて深海棲艦となった。時津風と遭遇した際、殺人の証拠を消そうとした時津風に殺されるが時津風も道連れにする。
・潜水新棲姫
潜水棲姫 とレ級と一緒にいた漣を捕虜だと思いこむ。漣の棒を調べているうちにセイエキを浴び、発情し漣たちについてくる。鎮守府で知識を吸収し、書類仕事も手伝うようになる。
漣の下半身に負け、漣の言うことは聞くようになる。漣曰くペットとのこと。
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/02(土) 00:00:51.76 ID:dhaJ4tRy0
・百合好き提督
瑞鶴放置の理由が、戦隊の花形として盲目の瑞鶴は相応しくないからだと思っていたら、加賀との仲が悪く見えたからだった。
加賀曰く戦果を稼ぐのが趣味のような人だったのだが…。瑞加賀LOVE。お気に入りの百合モノ同人誌を赤城に捨てられる。
鳳翔さんのお店の常連。
・赤城
百合好き提督鎮守府所属。百合好き提督が好き。狐耳のコスプレをしたりする。鳳翔さんのお店の常連。
・天提督
優柔不断。膵臓癌であったが手術は成功。天城と結婚をする。初体験は天城から襲われ、下の毛も剃られた。 誰にでもダメコンを積む。
・扶桑
・山城
・村雨
改二。
・龍鳳
・深雪
天城を姉御と呼び慕っている。
・島風提督
ブラック最前線激戦区鎮守府の提督。島風のためなら何でもする。
頭のネジが外れた艦隊(以下『頭ネジ』)を指揮している。謎の組織とつながっていた。
皆との情事をやめると宣言した。 新年の大演習以来、提督の鎮守府とは接近禁止となる。
・島風
両手足欠損の達磨状態であったが、整備士によって両手足を生やしてもらった。
島風提督のことが好き。一緒にかけっこをしたい。
・長波
洗脳されている疑いがあったがメンヘラなだけだった。夜が激しすぎる。
神通「ヤンデレでしょうか?」 五月雨「メンヘラ」
・五月雨
『頭ネジ』作戦担当。煙草を吸っていたが妊娠を機にやめる。
スイッチを押されると頭が割れそうになるほど痛くなる。ドS。
粗暴な言葉遣いだったがさみだれへの影響を考え、島風に協力してもらい、直す。
島風提督をパパと呼ぶ。
・大鳳
『頭ネジ』旗艦。ヤンデレ。ナイフ、ペンや箸で島風提督を刺し殺しかけている。
・摩耶
島風提督が戻ってきたと聞いて戻ってきた。
煙草を吸っていたが島風提督がいないと吸っている気がしなかったらしい。
島風提督が好き。真面。
・伊400
『頭ネジ』真面な部類……だと思われたが、島風提督を取るためにスイッチを使い、五月雨及びさみだれを人質にする。
その後作戦は失敗し、逃亡。現在行方不明。島風から「皆が熱くなった時でも、常に冷静な判断を下してくれる頼もしい存在」と信用されている。
漂流していたところを整備士たちに発見され、共に行動することになる。ビスマルク「貴女ただのツンデレじゃない。」
・武蔵
『頭ネジ』一番やばい奴。思考言動が幼い。水鬼レベルを素手で殴っていた。文月をいじめっ子だと思っている。
・天津風
島風が無事で幸せならそれで良いと思っている。幹部預かりから戻ってきた。洗脳解除済み。
・夕雲
島風提督を刺した後通りかかった『頭ネジ』にポイ捨てされ、提督らに捕縛される。
組織に早霜を人質にとられているという洗脳を受けていた。早霜は元々居なかった可能性がある。
更に聞こうとすると気絶し、組織の事どころか色々な記憶が曖昧となる。現在は幹部が連れて帰っている。
・大淀
超低確率であるドロップ艦として着任。常識枠。五月雨「クソメガネ」(第一声)
・文月
改二。幼女塾という団体に買われ助けられてから改二となった。武蔵が苦手。現在幼女塾所属。
・浜風
下半身を4回程手術した。妊娠経験あり。子供が出来なくなる。凄く具合は良いと評判。幹部預かりから戻ってきた。
・さみだれ
五月雨と島風提督の子供。 近所の不良たちは、さみだれに頭が上がらないらしい。クリスマスに空飛ぶタクシーで移動するサンタにミニ艤装をもらう。
・後任提督
島風提督がいない間ブラック最前線激戦区鎮守府を担当。五月雨にサンドバッグにされ血反吐を吐き逃亡。
・北上(別)
球磨や大井のいた鎮守府の艦娘。多摩(別)を演習中の事故に見せかけて始末。深海棲艦に寄生されており自爆して亡くなった。
・多摩(別)
球磨や大井のいた鎮守府の艦娘。既に亡くなっている。球磨曰く腰抜け。
・榛名提督
霞のことは覚えていない。比叡を反省させるため榛名の移籍を許可するなど、決して悪人ではない。
金剛(別)、比叡、霧島が所属している。
・朝潮提督
朝潮とケッコン
・朝潮
龍驤とは龍驤が五体満足だった頃に提督会議で知り合った。ドM。朝潮提督とケッコン済み。
龍驤にBLを勧めた。緊縛されて羞恥責めされるのが好み。叩かれるのも大好き。
・川提督
管理人(北上)と副管理人(大井)の為に二人を失踪扱いにする。
・管理人
川の上流にあるキャンプ場の管理人さん。旦那さん。
・副管理人
川の上流にあるキャンプ場の副管理人さん。奥さん。
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/02(土) 00:01:27.18 ID:dhaJ4tRy0
・K提督
かつて不知火が所属していた鎮守府に不知火が去った後、異動してきた新米提督。
・足柄
K提督の秘書艦。海防艦ばかりの鎮守府で数少ない重巡。
・防空埋護姫
K提督の鎮守府のカボチャ畑にあった動物用の罠に捕まっていた。なんやかんやでK提督の鎮守府に滞在。
・択捉
・松輪
・対馬
・佐渡
・日振
・大東
K鎮守府所属の海防艦ズ。まだ練度は低い。
・阿武提督
かつて阿武隈が在籍していた当時の鎮守府の女性提督。
現在は同鎮守府の用務員をしている。
・長良
阿武隈が在籍していた鎮守府所属。厳しいノルマの無くなった現在の鎮守府が物足りない。
・鬼怒
阿武隈が在籍していた鎮守府所属。姉と同じく現在の鎮守府に物足りなさを感じている。
・忍者提督
元々忍者の家系だった。由良のことが大好き。
・長良
・五十鈴
・名取
・鬼怒
忍者提督の艦娘たち。以前所属していた川内は阿武隈の代わりだった。姉妹の中では由良が一番強かったらしい。
・老幹部
漣に初期艦としての心構えと実務を教えた。戦争は勝って終わらないと意味が無いと語る。
・曙
どこかの鎮守府所属。厨房担当。一年程前に孤児院での火事に遭遇し、逃げ遅れた4人全員を助ける。
そのうちのひとりであった大学生(孤児院の卒業生)を倒れてきた燃える柱から守る。
それにより右腕に火傷の痕がある。『第七駆逐隊の集い』に参加して高級栞ゲット。
助けた大学生のプロポーズを受けた。大学生が就職したら結婚する予定。
・H幹部
深海棲艦に勝ち目が無いと悟らせ、講和交渉に持ち込むという考えの派閥のトップ。オネエ。男漁りは趣味みたいなものらしい。
・朧
H幹部鎮守府所属。ロングヘアー。暇があれば読書。『第七駆逐隊の集い』に参加。
H幹部に毎朝髪の毛を梳かしてもらっている。H幹部のことが好きで付き合っている。
・浜波
かつて明石によって問題のない右脚を切断された。現在は車いすを使っている。
・綾波
沈みかけている所を深海棲艦に寄生される。右腕に意識が残っている。レ級様。
・タシュケント
深海棲艦を仲間に、ソビエト連邦再興・社会主義社会完成のために暗躍している。暗殺などの仕事をして資金を集めている。予備の肉体が多数あり、肉体が傷ついても新しい体で復活する。
・日進
大本営所属だが本人は和平派。艦娘の葬儀を担当している。個人的に悪いものを祓う仕事もしている。
島風鎮守府を呪うS朝潮の怨念を祓う。イタコのように死者の声を伝えることもでき、S朝潮の想いを提督たちに伝える。
黒潮と、お好み焼きは大阪と広島のどちらが本物なのかを発端として、プライドを賭けた勝負を繰り広げる。
>>1
曰く、日進は下も濃くて真っ裸就寝派。
・陸奥
死を恐れ、大本営に従っていれば死ぬことはないと諜報活動を行っている。長門と同じく接触回線を搭載しているので、長門と触れるだけで意思疎通ができる。
長門とともにどこかへ逃走する。
・あきつ丸
海軍ではなく警察に所属している。由良に捜査に協力してもらう代わりに、由良の任務は見逃してきた。
・まるゆ
あきつ丸と同じく警察に所属。警部補。皆にはモグラと呼ばれているらしい。響の提督を殺していた犯人を突き止めていたが、逮捕する前に深海棲艦の攻撃で町は壊滅した。
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/03/02(土) 00:01:59.81 ID:dhaJ4tRy0
・夕立
特務艦。時雨を殺した組織に復讐がしたい。最上をクズ重巡と思考の中で呼ぶ。駆逐水鬼が殺された時雨であると知る。
・時津風
特務艦。視察官と繋がっていた。夕立の犬になる。 かつての自身の殺人の証拠を消すため北方棲姫を殺すが、自身も命を落とすことになる。
死体はアケボノによって処理、朝霜以外は記憶を消去され時津風は大本営へのテロ未遂で射殺されたことになっている。
・綾波(特務艦)
かつて不知火が所属していた鎮守府唯一の生き残り。不知火に暴力をふるわれ、不知火と鎮守府の仲間を殺した大本営を憎んでいる。のちに女幹部の特務艦となる。
不知火に過剰な暴力をふるい女提督に再教育されるが脱走し、不知火と交戦するが傀儡の性能を発揮した不知火に撃破され、再起不能のダメージを精神に負い解体処分となる。
・早霜
『料亭竜宮』で暴れた。朝霜を「泣き虫姉さん」と呼ぶ。愛情が歪んでいる。
どうやら死んでも復活できるようだ。
・ヴェールヌイ
ガングートの妊娠を聞きつけてやってきたロシアの使者。背丈がでかい。
・監査官
男性。切れ者。
・視察官
女性。S朝潮に対して執拗な取り調べを行った。脱走犯。時津風と繋がっていた。
整備士に助けられるも、人間の身体はもう使い物にならなかったため、駆逐イ級の死骸で代用される。
・整備士
組織の元トップ。すぐに忘れられてしまうような容貌。伊13、伊14、呂500、伊401のみ潜伏場所を知っている。
卓越した義肢技術と生体生成技術(艦娘の体から本人の腕脚や内臓を作れる)を持つ。国に追われており公には死亡扱いされている。
白血病の手術痕有り。死亡届はアメリカで出されている。「男」と書き込まれることが殆ど。吹雪と恋仲。
・吹雪
深海棲艦のように肌が白く、角が生えている。轟沈したが整備士に助けられる。
生身の左腕を整備士が作ってつけた。轟沈したからかこの姿になったからか練度が元の倍になった。
・神風
傀儡に記憶をインストールされた者。将棋が得意。
・旗風
傀儡に旗風としての記憶をインストールされた者。
・ビスマルク
傀儡に記憶をインストールされた者。深海棲艦の力を抑えるには負の感情を持たないようにすれば良いと知っている。
・アケボノ
火を出現させる能力を持った艦娘。荒潮たちとチーム『NAMELESS』として行動を共にしている。
・荒潮
『NAMELESS』の一員。自身が死亡した際、過去に戻るという能力を持った艦娘。
・望月
『NAMELESS』の一員。限定的な未来予知能力を持った艦娘。 半分深海棲艦となっている。
・大鳳
『NAMELESS』の一員。透視能力を持った艦娘。
・神威
『NAMELESS』の一員。瞬間移動の能力を持っており、よくアケボノ達をテレポートさせている。
・羽黒
『NAMELESS』の一員。念写能力を持った艦娘。
・グラーフ
『NAMELESS』の一員。治癒能力を持っており、瀕死の状態でも回復させることができる。
・深海提督
組織と関係を持っている。深海棲艦たちに忍術を教えている。
・伝説の翔鶴
当鎮守府から遠く、未確認深海が確認されている『鉄の海域』に出没。朝霜が化け物、傷一つつけられないであろうと評価。
両腕が無く舌に印を刻み大量の艦載機で羽を作って飛ぶ。零戦と九九式を扱う。おばあさんに一時期保護されていた。
中継基地と呼ばれる鎮守府の最後の生き残り。基本的には誰も姿を見たことがない。
どこかの鎮守府に縛られるより、自由に海を守りたいと話す。
・信濃
大本営の新型艦娘。戦艦と空母のコンバート。天城・榛名・大井はその存在に妙な違和感を感じていた。
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/02(土) 01:53:45.34 ID:npnuzYRDo
お疲れ様
思えば遠くに来たものだ
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/02(土) 06:47:06.07 ID:RwYpasryo
乙
個人的には朝霜に提督龍驤とのリハビリ周りを入れて欲しいかも
120 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:12:38.37 ID:NdMAUcQDO
『朝ちゃーん、みかん剥いてー』
「はいはい…」
私の名前は朝潮、かつて艦娘としての使命を果たさせてもらえずに売り飛ばされ、凄惨な生活を送り、その後新たに私の主人となった人間を生きるために殺した私
その後とても運良く優しい司令官に巡り会うも結局は私自身の業に負け自らの命を絶ってしまった
人を殺し、自らの命までも絶った私はもちろん地獄に落ちるだろうと思っていたけれど…何故か洋室の中に炬燵というアンバランスな部屋でみかんを剥いていた
121 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:14:18.76 ID:NdMAUcQDO
「はいどうぞ」
『ありがとー、ちゃんと筋も取ってくれる几帳面な朝ちゃん好き』
私の対面に座るこれまた炬燵に似合わないゴスロリ服の少女…やし…何だか言ってはいけないらしいのでY子さんと呼んでいる―は炬燵に顎だけ乗せた状態で口を開ける
『食べさせてー』
「はいはい…」
これまで何度も繰り返した動作にいい加減慣れたものでY子さんの口にみかんを放り込む、密かに何処まで遠くから入れられるか挑戦中だ
122 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:16:18.28 ID:NdMAUcQDO
窓から外を見ると赤い彼岸花が咲き乱れ、その奥に海かと思う程の巨大な川が見えた
彼女が言うには此処は彼岸、あの世とこの世の境目の更に外れの方らしい
私は自分が死んでいると自覚している、本来なら有無を言わさず川を渡らなければならないらしい、そこを彼女の力で繋ぎ止めてもらっているのだと
『なにー?成仏でもしたくなった?』
「いえ、別にそういう訳では…」
123 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:17:43.71 ID:NdMAUcQDO
成仏すれば魂は浄化され、全ての記憶も無くし生まれ変わる…普通の死者なら
私は人を殺し挙げ句自殺した、この先へ進んでもそこは地獄
私にはお似合いだとも思いつつもやはり怖い、彼女がここに置いてくれるのはまさに渡りに船…三途の川でそれは笑えないけれど
そもそも何故私をここに繋ぎ止めているのか、理由を聞いても教えてはくれなかった
124 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:19:18.37 ID:NdMAUcQDO
『そろそろ時間だね、ほらまた沢山』
彼女の視線の先には大勢の人、人、人、現世で亡くなった死者の魂達が三途の川を渡っていく
老若男女問わず…艦娘や深海棲艦もその中にいた、おそらくは海以外の場所で死んだのだろうとY子さんが説明してくれた
『本来なら艦娘や深海棲艦は海に還るもの…それが変わりつつあるね、より人間に近付いて、人間のような業を背負い、人間のように死ぬ、それが良いことなのか悪い事なのか私にもまだ判らないけどねー』
125 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:21:13.32 ID:NdMAUcQDO
私達艦娘は深海棲艦と戦う為に生まれた、作られた
海で戦いいずれは海で死ぬ…私自身それでいいと思っていた、迷いなど無かった
だけどいつしか私は人を憎み、人を愛し、そして海以外の…暗い部屋で独り自らの命を絶った
私達艦娘に艦娘以外の役割を求め出した人間がそうさせているのかもしれない…私のように…
126 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:23:03.82 ID:NdMAUcQDO
「ところで沢山死んだって…何かあったんでしょうか」
『んー…見てみる?あんまり面白いものじゃないと思うけど』
「他に見るものもありませんし…お願いします」
そう言うと彼女はテレビのリモコンを手に取り壁に備え付けられたテレビに向ける、普通のテレビとは違い映るのは…
127 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:25:06.08 ID:NdMAUcQDO
「うわ…」
予想はしていた
何処かの国の漁村が深海棲艦に襲われていた
もはや海上ではなく上陸してまで人間を襲う深海棲艦、数人の艦娘が必死に守ろうと戦っているが程無く全滅してしまった
必死の抵抗だったのか深海棲艦の亡骸も少なくはなかったが残った深海棲艦は全く意に介してはいなかった
そして生き残りも居なくなった村で更に深海棲艦はあろうことか人間の、艦娘の亡骸を喰らい始める
128 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:27:41.18 ID:NdMAUcQDO
「うっ…」
吐き気がこみ上げ私はモニターから目を反らす
損壊した遺体なら見た事はあるし私自身が損壊させた事もあるがさすがに口にするという光景からの嫌悪感は初めて感じるものだった
私の様子を見てY子さんがテレビを消してくれた
『仲間を食べる深海棲艦は知ってるよね?』
「ええ…コア…?でしたっけ、それを食べて強くなると」
『でも今のやつらは違った…どうしてだと思う?』
「解りません…仲間以外でも強くなるようになったとかでしょうか」
129 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:29:26.20 ID:NdMAUcQDO
『求めるものが違うから』
「求めるもの?」
『まーあの程度の数ならすぐ討伐されて持ち帰られる事は無いかな、その辺はお姉ちゃんしっかり見張ってるみたいだし、噂すら広まってないからねー』
「あの…それはどういう…」
『秘密ー、朝ちゃんが自分で可能性を考えてみたら?時間はたっぷりあるよ?』
130 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:31:09.29 ID:NdMAUcQDO
こっちではね…という最後の言葉は私には意味が解らなかった、答えを教える気はなさそうだ
彼女はこういう問答からの丸投げをよくする
私は諦めてすっかり冷めてしまったお茶で喉を潤すのだった
131 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:32:52.06 ID:NdMAUcQDO
『ところでさー』
「はいはい、みかんですか」
『ちが…ああ違わない、みかん剥いてー剥きながら聞いてー』
「はいはい…なんでしょう」
…そういえばこのみかんは何処から…いやこの部屋だって不思議だ、外に出れば扉以外は彼岸花と三途の川しか見えない…彼女が言うにはこの場所を買ったとか何とか…あの世でも土地の売買は可能なのだろうか
『気にならないの?皆の事』
132 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:35:03.14 ID:NdMAUcQDO
ピタリと手が止まる
皆…か、…彼女の言う皆が何の事なのかはすぐに解った
『剥きながらー』
はいはい…とみかん剥きを再開しながら言う
「少しは気になりますよ、多分」
『多分かあー、やっぱり色々抜けたんだねぇ』
「抜けたとは」
133 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:37:08.52 ID:NdMAUcQDO
『執着、未練、そして怨念…そういうものは結局皆現世のものだから、後に残るのは記憶と業と情くらい』
確かに…ここに来てからはあれ程ぐちゃぐちゃだった私の思考がクリアになっていたのは気付いていた
『朝ちゃんの業は深いけど今の朝ちゃんが本来の朝ちゃんなんだろうね』
まあ…例えば私が殺人を犯す発端の存在を思い出せば多少ムカつきはするけどそれでも殺したい程ではない
そもそも今更という思いの方が強いのだ、彼らが幸せになろうがもう勝手にしてくれという感じだ
134 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:39:08.12 ID:NdMAUcQDO
ただ…また同じ事を繰り返すかもという思考をしてみると…
『ストップ、駄目だよー朝ちゃん』
「ごめんなさい…また…」
『多分だけど現世にまだ朝ちゃんの怨念が残ってるのかも…あれも一応朝ちゃんだから何処かで繋がってるんじゃないかな』
「あんなシリアルキラーみたいな私を私とは認めたくないですね…二言目には殺す殺すと…」
135 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:41:13.88 ID:NdMAUcQDO
「怨念が残っているとしてどうしたらいいんでしょう」
『まあねー…居場所も解らないからまた夢枕しても説明のしようがないね』
「また祓ってくださいでも何処に居るかは解りませんで丸投げではさすがに悪いですね…」
『まあいずれ力尽きて勝手に消滅してくれるよ!多分ね!』
「だといいんですが…」
136 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:43:30.38 ID:NdMAUcQDO
『考えてもしょうがない事は考えない、長生きの秘訣だよー』
「もう死んでるんですというツッコミ待ちですか」
『でさー、気にならないの?』
「まあ…少しは…」
『じゃあ見ちゃおう!』
と、再び彼女がリモコンを手に取るとボタンをいじり出す
137 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:46:52.46 ID:NdMAUcQDO
ドキドキする…心臓もう止まってるけど…気分的に
執着も未練も消えた、それでもこんな気持ちになれる…私はちゃんと司令官の事を愛していたのだと…
司令官は元気だろうか、龍驤さんを泣かせてはいないだろうか、それともまた彼女を増やしているのだろうか
そんな風に考えながらモニターを見つめる私、そして…
138 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:49:22.57 ID:NdMAUcQDO
<あぉぉぉぉ!イグッ!イグゥー!
ピンク髪の見慣れた誰かが同じくピンク髪の見慣れない誰かに襲われている光景だった
「なんでよりによってこんな場面なんですかぁぁぁ!!!」
『あっあれぇ!?おかしいなぁ…チャンネル設定間違えたかな…アンテナかなあ…』
「不思議な道具の割には変に現代的ですね!!!」
<んほぉぉぉ!またイグゥ!
「早く消してください!!!殺しますよ!!?」
せっかく怨念から離れられたのにまた怨霊化しそうな私だった
139 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/03(日) 06:51:15.56 ID:NdMAUcQDO
ここまで
また何か思い付けば
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/03(日) 14:04:59.20 ID:Br3BWx6hO
乙、よりにもよって春雨が漣犯してるシーンかよwwww
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/03(日) 15:48:57.77 ID:B/EcnNgio
おつです
やしm、Y子ちゃんは「まだ」姉と違ってやるときゃやってくれる感残ってる
あとそのTVください
142 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 20:57:31.67 ID:nQ+6pbjDO
>>138
から
「うふ…司令官はやはり素敵ですね」
『そーですねー』
私の名前は朝潮、かつて人間に買われ人間を殺し、人間を好きになった私だけど最後には自らの憎しみに負けて自決の道を選んだ
何の因果か成仏せずに三途の川の片隅でこうしてかつて暮らしていた場所を覗き見る生活を送っている
現世の様子を観る事が出来る謎テレビの使い方を何故かあった説明書を読んでからはその好きになった人間、司令官を眺めては悦に入っている私
テレビという物で観ているせいか何となく現実感が薄いように感じる
143 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 20:59:39.52 ID:nQ+6pbjDO
「それにしても少し見ない間に新しい顔ぶれもちらほらといますね」
『あれから色々あったみたいだよー、球磨がチェストバスターしたり、長門がスパイで得意技は頭突きだったり、朝霜が提督と龍驤の子供になったり、ガングートの子供が国家間戦争を引き起こしかけたり』
「まるで意味が解らないんですけど…え?…は?司令官の子供に!?」
『食い付くのはそこなんだねぇ』
私も司令官の子供になってみたかったかも…司令官をパパと呼んで甘える私、龍驤さんをママと呼びお世話をする私…川の字になって眠る親子三人…いいかもしれない
『…なんか何考えてるか解っちゃう顔してるなぁ』
144 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:02:01.98 ID:nQ+6pbjDO
「そういう事ですか…球磨さんとはあまり接点は無かったけど生きていて良かったですね…」
詳しく説明を受けた私はそう本心から思う、ついでに下着料理が出来なくなったらしいのも心から良かったとも激しく思う、実は私も被害者なのだ。下着が減っていると不審に思い探しているとその自分の下着が鍋で煮込まれていた私の気持ちが解るだろうか
「それに長門さんが大本営のスパイですか…まああの人の事もよく知りませんでしたけど…それに朝霜さんが幼児退行するのは意外ですね」
あの人への私のイメージはとにかく強い、喧嘩っ早い、逆境にも耐性のあるドM、と思っていたけど弱点もあったんだなあ
『一見強いように見えても何かを抱えてる、そんな人が集まる鎮守府なんだよね、運命か…それとも何かの意志が働いてるのかな』
145 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:05:01.06 ID:nQ+6pbjDO
「貴女の仕業ではないんですか?」
『どうだろうねぇ、そんな人の巡り合わせを操る力があったらこんな世界にした私をどうする?』
「…世界は別にどうでもいいですが、始めから司令官に会わせてほしかったと文句を言います」
『それだけ?復讐してやろうとか無いんだ?』
「それだけです、もう恨むとか復讐だとか懲り懲りなんですよ私は」
『そっかぁ…ふーん…そっかぁ…』
意味深なニヤニヤ顔で何処か嬉しそうに頷くY子さん、何だか正直気持ち悪い。実際彼女は底が知れない不気味さはあるけれど多分そんな力は無いと思う、あったとしたら私はここには居なかっただろうと思えるくらいには何となく信用している
146 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:07:23.71 ID:nQ+6pbjDO
何故私をここに繋ぎ止めているのか聞いた時その理由をはぐらかした彼女だったが、ある時一瞬見た申し訳なさそうな顔を私は忘れられなかった
はっきりとは聞いてないが多分彼女は私に罪悪感を抱いている…何故かは解らないがそれなら私がやるべきは出来る限り気楽に振る舞う事。恩はあれど何一つ悪くなどない彼女の為にも…
「それにしてもガングートさんにも子供が出来たのも驚きですね、しかも双子なんて」
『そうだねぇ…途轍も無く低い確率の筈なんだけどよっぽどの回数だったのかなぁ』
回数って…まぁその…私程ある意味で経験豊富な艦娘もなかなか居ないだろうけどその内容が酷かったせいで正直な所その手の話題は苦手なのだ。司令官に迫ってみたりした事もあったがむしろあれは我を忘れた暴走みたいなもので
「他には何か無かったんですか?他には」
露骨に話を反らす作戦に出る私だった
147 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:09:54.90 ID:nQ+6pbjDO
他の話も大概だった
不知火や陽炎さんが実は大本営製の傀儡だったとか、和平派の深海棲艦が同族に虐殺されいくつかの鎮守府が全滅したとか、あわや外交問題勃発からの鎮守府取り潰しの危機だったりとか聞いてるだけで震えが走る
その話の中で潜水新棲姫のせいで司令官が倒れた話を聞いた時私がその場に居なくて良かったと思った
「その時点であの私が居たら確実に殺しにかかってましたね…」
『まあそうかもねぇ、でも今はもうそんな事にはならないみたいだよ』
と彼女がモニターを指し示すとその小さな深海棲艦がべったりとピンクの初期艦に付き従っていた
148 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:12:03.07 ID:nQ+6pbjDO
「同一人物ですかこれ…私が見た時はもっとこう…キリリとしていて厳しい雰囲気でしたけど」
『恋は人を変えるというやつだねぇ』
初期艦さんに付き従う深海棲艦ははっきり言ってデレデレだった。それを受けている彼女は何処かこそばゆいような困った表情を浮かべている
「和平派の深海棲艦集めで付いてきたという話でしたけどいつの間に…」
『最初は身体目当てだったみたいだよー。でも多分刷り込みに近いものもあるんじゃないかな』
「身体目当て…ああ…そういう…」
何かにつけてそういう話題に行かざるを得ないのはあの鎮守府の呪いか何かなのだろうか
149 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:14:45.95 ID:nQ+6pbjDO
『あの小さな深海棲艦はほとんど外の世界を知らなかった。人類や艦娘と戦う事が全てだと思っていた。だけど子供らしい好奇心旺盛さから初めて見たものに強い興味を抱いた』
「そういえば初期艦さんが一度捕まったと聞きましたが…」
『色々見たんだろうねぇ』
「不純じゃないですか」
『始まりなんてそんなものだよー。だけど最初に出会った相手だというのも強く影響していたと思うよ。もしかすると退屈な世界から連れ出してくれた王子様?みたいに思っているのかも』
「ふぅん…王子様ですか…」
悪い癖だとは思いつつ、つい自分と重ねてしまう。自分にはあの地獄から救い出してくれる王子様は現れなかった。その後にさすがに王子様とは呼べないけれど素敵な人に巡り会ったので私はまだ恵まれていたのだと今なら思える
150 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:17:35.32 ID:nQ+6pbjDO
「は?司令官に付いていけないから和平派を抜ける?何考えてるんですかこの石頭は、司令官以上に和平に相応しい人は居ないでしょうに」
『どうどう、抑えて朝ちゃーん』
それからしばらくして和平派の会合を覗き見していた私はそんな場面に腹を立て聞こえる筈の無いブーイングを飛ばしていた
生前は決して見る事の無かった和平のリーダーとしての司令官の勇姿を見ようと思ったらいきなり会合は崩壊していた
「だいたい何ですか具体案出せって、無茶振りにも程があります。あの襲撃からまだそんなに経っていないじゃないですか、そんな簡単に対策出来るならそもそも襲撃自体を防げる筈です。いやそれよりも何で司令官に丸投げしてるんですか、無能だから自分では考えられないんですか」
『朝ちゃーん、落ち着いて朝ちゃーん』
はっ…私とした事が…いけない、思わずヒートアップしてしまった
151 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:20:41.24 ID:nQ+6pbjDO
「すみません…思わず何か…」
『まあ仕方ないよ、だけどあの彼の言い分も解るかなー』
「そう…ですけど…」
私自身もそれまでの経験から割とシビアな価値観を持っている。誰も傷付けず、何も失わず平和を勝ち取る、それがどれだけ難しい事かは理解出来る
だけど司令官のあの優しさに救われた私はむしろその甘さこそが司令官の武器なのではないかと思う部分もある
『実際今の提督のままだとちょーっと難しいよねぇ…』
「むぅ…確かに完全に敵対している相手なら倒す覚悟も必要なのは解りますけど…だけど話し合いが出来る場に引っ張り出せれば司令官ならきっと…」
『言葉が通じても話が通じない相手は必ず出てくるよ、同じ人間同士でそうなんだから違う種族なら尚の事』
「それは…」
『笑顔で銃を突き付けながら説得が出来るような図々しさがあの提督にあればいいんだけどねぇ…』
152 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:22:21.90 ID:nQ+6pbjDO
「それはまあ…そうかもしれませんね…でも多分司令官はあのままでも大丈夫な気がします」
『へぇ…それはどうして?』
「あの鎮守府は足りないものを補い合う鎮守府です、司令官に足りないそういう非情さ、シビアさは他の誰かがきっと補ってくれます」
そして司令官はそんな誰かをきっとまた優しく受け止めるだろう。むしろ謝ったりするかもしれない、自分の代わりに手を汚させてすまないと
だけど心配なのはあの鎮守府はそういう思いの強さからか独断専行しがちな人が多いという事だ、それが悪い方向に進まない事を私は祈るしか出来ない
そしてまた現世の様子を観る私達
153 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:24:20.40 ID:nQ+6pbjDO
司令官も参加するという提督達の集まりがテロリストに狙われていると匿名の電話が入り密かに初期艦さんが護衛に向かうという
「よりによって司令官が居る時を狙われるとは…私も居たら…鎮守府から出られない私では無理ですね…」
『せめてもう少し人数を揃えて行けばいいのにねぇ、テロリストが何人かも判らないのに』
「私も同じ立場だったら同じ事してた気がします…一刻も早く駆け付けなければと、それで頭が一杯なのではないでしょうか」
そんな事を話していると早くも犯人の潜伏場所を発見する初期艦さん、そういう所は流石だと思う、しかしやはり複数居るようで対応に困っている様子
154 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:26:20.02 ID:nQ+6pbjDO
そこに後を付けてきたらしい潜水新棲姫も現れ、何やらアドバイスをしている。それを聞いた初期艦さんがテロリストの武器弾薬の集積場所を砲撃した
大爆発
『うわぁ…無茶するなぁ…爆弾もあったみたいだし、下手したら皆吹っ飛ぶよあれ』
「こちらの人数が少ないですからね、多少の無茶は必要ですよ」
驚き、浮き足立った犯人達は計画の失敗を悟ったのか、側にあった装甲車に乗り込み逃走していく、それを見た深海棲艦が初期艦さんを引っ張って近くの車に乗り込み後を追う、そしてカーチェイスが始まった
155 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:28:01.73 ID:nQ+6pbjDO
「テレビで見ている事もあって本当に映画みたいですね」
『あはは、そうだねぇ。あ、でももう終わりそうだよ』
しばらく追いかけっこをしていたテロリストの車がカーブを曲がりきれずガードレールに突っ込んでいく
「ドジですねぇ。引き際は鮮やかでしたけど、運転は素人なんでしょうか」
『装甲車だからどんなのが運転してるのかよく見えないねぇ』
「『あ』」
ガードレールを突き破り半分近く崖に乗り出した犯人の車に追いかける二人の車も突っ込んでいく、その衝撃で装甲車は崖下に落ちていき二人の車は停車した
「ドジですねぇ」
『仕方ないんじゃないかな…いきなり道を塞がれたんだし』
156 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:29:43.84 ID:nQ+6pbjDO
爆発はしていなかったようなので運が良ければ犯人達はまだ生きているだろう。初期艦さんがふらふらと車から出るとなんと助けに行こうとしている、どうやら深海棲艦は気絶しているようだ
この人も司令官至上主義を公言しているが私とは違い大概甘いのだ。私なら助けには行かず止めを刺す事を考えていただろう。ましてや司令官も狙われていたのだ、放ってはおけない
事故のすぐ後に崖下に降りようなんて無茶もいいところだと思っていると程なく警察が追い付いて来て初期艦さんと深海棲艦は保護された
「どうやらこれで解決のようですね」
『あ、これから病院に運ばれるみたいだよ』
「それにしても通報はしていたとはいえたったの二人でテロリストを追い掛けるなんて無謀ですね。しかも一人は戦力にならない、さすがは突っ走りの初期艦さんですね」
『この場合あの深海の子が焚き付けたようにも見えたけどねぇ』
157 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:31:35.60 ID:nQ+6pbjDO
「酷い怪我はしていないように見えましたけど頭とか打ってなければいいのですが…」
何となく心配なので病院での風景を見ていると意識を取り戻した深海棲艦が初期艦さんに抱き付く。よほど怖かったのか心配していたのかと思ったていたらカッコよかった、また惚れ直したと目をキラキラさせていた
『熱烈だねぇ、何て言うかすっかりメロメロ』
「あの…あんまりこういう場面を見るのは…」
などと言いつつテレビを消そうとはしない私。やはり気になるのは気になるのだ
そして小さな深海棲艦の頭を優しく撫でる初期艦さん。うわぁ…何かすごい優しい顔してる…割といつも賑やかなイメージだったけれどああいう顔も出来るんだ…
158 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:33:30.11 ID:nQ+6pbjDO
やがて司令官や龍驤さんもお見舞いに来て少しの間入院という事になったようだ
それからもちょくちょくお見舞いをしている司令官に初期艦さんが今度は和平派の会合が狙われていると話していた
つい最近テロがあったのにまたという事は別口なのだろうか、この国にはテロリストがどれだけ居るのだろう
「別口のテロリストか内部抗争とかなんですかね」
『うーん…』
いつものように鎮守府の様子を眺めて一週間近くが経ったがどうも何も起きてはいないらしい
「デマだったんですかね。そもそも初期艦さんはこの情報を誰から…そういえば先のテロ情報も初期艦さんへの匿名電話だったらしいですが、彼女はテロテロ詐欺の標的にでもなっているのでしょうか」
『そんな詐欺は聞いた事…いや割とあるのかな、大抵はすぐ特定されて捕まるけど』
159 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:36:24.13 ID:nQ+6pbjDO
何となく気になって病院の様子をモニターに映すと初期艦さんは退院の準備で荷物の整理をしていた。そういえば明日退院という話だったと思い出していると看護師さんが病室へ入ってくる
「特に変わった所は無いみたいですね。ただのイタズラだったんでしょうか」
『…あいつは…』
「え?」
いつになく真剣な彼女の声に私はそちらに振り向こうと―――
ご主…!
―――空気が噴き出すような音と何かが倒れる音がした
160 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:39:41.67 ID:nQ+6pbjDO
「え?」
再びモニターに目を戻すと先程の看護師さんが何かを手に持ちそれを倒れている初期艦さんに向けていた
『…!』
再び先程の空気が噴き出す音、今度は連続で。初期艦さんの身体が僅かに痙攣してそのまま動かなくなった
「え?なんで…?あれってもしかして銃…どうして看護師さんが…?」
『朝ちゃん!もういいから!リモコン貸して!』
Y子さんが何かを叫んでいる。だけど私はモニターから目を離せなくなっていた
そしてその看護師さんが顔を上げ私はその目を―――
――見た
161 :
◆B54oURI0sg
[sage saga !red_res]:2019/03/15(金) 21:44:46.90 ID:nQ+6pbjDO
あああああああああああああああ痛いああああ嫌だああああああああ指あああああ痛い痛いあああ痛いああああああああああああああ止めてあああああ痛いああああああああ助けてああああお腹がああああ止めろああああ目あああ痛いああああああ助けてああ殺すああああどうしてあああああああああああああ止めてあああああ痛いあああああ殺してああああああ嫌だあああああああああ死にたくないあ殺すあああああ痛いあああああ死にたいあああああああああ助けてあああああ誰かああああああああああ司令官ああああああああ―――
162 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:46:52.40 ID:nQ+6pbjDO
『―――朝潮―――』
163 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:48:25.17 ID:nQ+6pbjDO
「あれ…?」
ふと私が我に返るといつの間にか目の前にY子さんが居て私の頭を両手で挟んでいた。彼女の目は不思議な輝きを放っていたがそれもすぐに消え、手を離す
「私…今…何か…?」
何か…途轍もない悪夢を視ていたような気がする。私が思い返そうとすると
『―――何も無いよ―――』
その彼女の声を聞くと頭の中の何かが霧散していくのを感じる
『―――何も起きなかった―――貴女はアレには会った事も無い―――それは存在しない記憶――』
「何を言って…」
あれ…?本当に何も無かったような気がする。いやそうじゃなくて私は確か病室の様子を見ていて…
164 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:49:59.12 ID:nQ+6pbjDO
「初期艦さん!」
思い出した。初期艦さんがあの看護師にいきなり撃たれて…あれは一体誰だったのか、見覚えは全く無かったが嫌な目をしていた、まともな人間ではないのは確実だろう
『…大丈夫?朝ちゃん?』
「え?私は別に何ともないですよ、いきなりショッキングな場面でびっくりはしましたが」
『そっか…なら良かった』
妙に心配そうなY子さん。こんな彼女は珍しい、いやそれよりも…
再びテレビモニターを見ると先程の看護師は既に居らず、血の海に沈んでいる初期艦さんが居るだけだった
「ああ…なんてことに…」
165 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:52:26.27 ID:nQ+6pbjDO
司令官に限らず初期艦というのは提督にとっては特別な存在だと聞いた事がある。それが轟沈どころか陸で何者かに殺されたとなればあの優しい司令官がどれ程心を痛めるか想像も付かない
それにあの人には私もお世話になっていた。その顔見知りが目の前で殺された。私の中にとある感情が沸き上がるのを感じる
これは憎しみとは違う。恨みや怨念とも違う。理不尽に対する、仲間を傷付けた者に対する正当な怒り
ああ…私は司令官だけでなくちゃんと他の皆の事も大切に感じていたのだと今更ながら…遅すぎる…今になって気付いたのか…
「彼女も…ここに来るんでしょうか…海ではなく陸で死んだとなれば私と同じく…」
『まだそうと決まった訳じゃないみたいだよ』
166 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:55:56.87 ID:nQ+6pbjDO
見ると倒れている初期艦さんの右腕だけが動きナースコールを押そうとしていた。間違いなく意識は無い、これは…
『あの子の中の深海棲艦が頑張っているみたいだね、普通なら艦娘だろうと即死だけど深海棲艦が何とか繋ぎ止めてる』
そしてどうにかボタンを押せたのか別の看護師さんが駆け込んできてそれからはもう大騒ぎだった
泣き叫ぶ小さな深海棲艦はまるで母親が死んでしまった幼子のようで見ている私も辛かった。そして連絡を受けて駆け付けてきた司令官は想像していた通りに狼狽して痛々しく、そして龍驤さんは思っていたよりは冷静に、だけど顔面は蒼白のまま司令官を慰めていた
ICUに担ぎ込まれた初期艦さんはどうにか一命を取り止めたようで私も胸を撫で下ろす。だがまだ予断は許さない状態のようで…
167 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 21:58:11.86 ID:nQ+6pbjDO
それから司令官の様子を見守っていると何処となく雰囲気が変わっている事に気付く
「司令官…やっぱりすごく怒っていますね…」
『いくら優しい甘いと言ってもそりゃあねぇ。これで怒らなかったらそれこそ異常だよ』
ただそれが私のような暗い憎悪でなく正道に立てるような怒りであればいいのだけれど…
そして龍驤さんが誰かを呼んだようで見た事の無い海外艦と連れ立って病院に向かうようだ。どうやらあの人なら助けられるらしい
168 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 22:00:07.45 ID:nQ+6pbjDO
「凄腕のお医者さんとかでしょうか」
『まあそんなようなものかな。…ん?お姉ちゃんがお話始めたみたいだねぇ…どうなるかなぁ…』
「ふ…じさんですか?」
『はっきり言っちゃっていいんじゃないかな。別にお姉ちゃんも止めてないし。そもそも色々な所で結構名指しされてるよお姉ちゃんは』
「秘密裏に何かしていると聞きましたが」
『活動している限りその存在を隠し通すなんて不可能だよ。というかドックに関わる人間なら元から知ってる事だし、そこからお姉ちゃんに行き着くのに時間は掛からなかったと思うよ』
169 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 22:02:23.95 ID:nQ+6pbjDO
『どれぇ、ちょっと様子をっと…』
Y子さんがリモコンを操作する、すると画面が切り替わり見た事のない風景が映る。白い何も無い空間に初期艦さんと黒い着物の女の子が何かを話している
「これが富士さん…」
服装は和洋真逆だが姉と呼んでいるだけあって顔立ちはよく似ている、だけど見た感じ富士さんの方が背も小さくこちらの方が妹のようにも見える、それに胸も…
ふと富士さんがピクリと反応してちらりとこちらを見た気がした
『お?さすがに解っちゃうかあ…まあ気にせず続けてねーお姉ちゃん?』
170 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 22:05:09.09 ID:nQ+6pbjDO
溜め息をひとつ吐き富士さんが初期艦さんに向き直り話を続ける
初期艦さんが話す内容もまた私にとっては興味深かった
あの龍驤さんの独占欲は私も知っている。それに確かに龍驤さんは今回の事でも私が自殺した事でも悲しんでくれていた、しかし本人にも自覚は無く無意識だとしても私や初期艦さんを邪魔だと感じていてもおかしくはないかもしれない
そもそも横恋慕していた私の方が悪いのだからそう思われていても仕方がないとも思う
それとは別に確かに仲間を大切に思う気持ちは本物だったと確信している。そうでなければあれほど親身に接してはくれないし、私から断ったとはいえ司令官を分けようなどと言い出す筈がない
171 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 22:07:23.78 ID:nQ+6pbjDO
そして初期艦さんが自らの想いを吐き出す。いつの間にか彼女はあの小さな深海棲艦の事が司令官よりも好きになっていたらしい。はっきり言ってこれが一番の驚きだった
「…意外ですね…いつも司令官第一だとばかり思っていましたが…」
『朝ちゃんもあの提督ばっかり見てたから知らなかっただろうけど、あの深海棲艦頻繁にアプローチしてたみたいだよ。多分そんな風に求められるのは初めてだったんじゃないかな』
「ものの見事に落とされてしまった訳ですか…」
『あのピンクの子も色々面倒を見てる内に情が移っていったみたいだねぇ』
…もしかしたら私にもそんな相手がいたらもっと楽に生きていけたのだろうか、憎しみも忘れ、横恋慕の負い目など無く、幸せに…
172 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 22:09:50.00 ID:nQ+6pbjDO
ふとモニターを見ると初期艦さんの姿が薄れていっている所だった
「えっ…消え…?」
『ここは精神世界だから現実に戻るだけだよ。お姉ちゃんあの子を見逃したみたいだねぇ…珍しいなぁ』
Y子さんがやたらニヤニヤとしながらそう言ってモニターの中の富士さんに手を振っている。すると今度ははっきりとこちらを見た富士さんが苦虫を噛み潰したような顔をして顔を反らしている
『照れるな照れるな。後で誉めてあげるからぁ』
何だかやたら嬉しそうなY子さん。この二人もよく解らない、仲は悪くはないのかな
そして映像が切り替わり病室にの場面に。あの深海棲艦が初期艦さんに抱き付いて泣きじゃくっていた
173 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 22:12:35.00 ID:nQ+6pbjDO
どうやらあの海外艦の人がどうやったのか治療したらしい。あれほどの重傷を完全に治すなんて信じられない、だけど…
「良かったですね…本当に…ぐすっ」
『朝ちゃん…』
私なんかとは違う、彼女はあの鎮守府には無くてはならない存在だ。私は結局司令官や皆に迷惑ばかりかけてしまった…せめて死ぬ前に恩を返したかったなあ…
『朝ちゃんこっちに』
「…?なんでしょう」
Y子さんが私を手招きする
174 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 22:15:15.72 ID:nQ+6pbjDO
「あ…」
彼女が私を抱き締め優しく頭を撫でてくる
『…ごめんね』
「なんでY子さんが謝るんですか…何もしてないのに」
それには答えず彼女は私を抱き締め頭を撫で続ける
私は不思議と安らぎを感じそれに身を任せるのだった
175 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/15(金) 22:17:35.91 ID:nQ+6pbjDO
ここまで
二人で外野視点で好き勝手言っていくスタイル…の筈
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/15(金) 23:21:22.38 ID:zmTIfQUBo
おつです
オーディオコメンタリーなやり取り好きなんだよなー
そして朝潮にも平原といわれる富士さん……ステータスだ元気だせ
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/15(金) 23:23:21.99 ID:TghJSXsHo
タシュケントはトラウマ
178 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/15(金) 23:58:35.86 ID:Lu6v8KbVO
素晴らしかったです
179 :
◆lxd9gSfG6A
[sage]:2019/03/16(土) 01:19:19.66 ID:cetMpEXN0
「……失礼しました」
「はい。おやすみ、不知火」
バタン
コツコツコツコツ…………
千歳さんのカウンセリングが終わり、誰もいない廊下に出ました。
黒潮の付き添いから始まったカウンセリングは、思ったよりずっと長かったようで、月明かりを頼りに歩きます。
同室の陽炎も、帰りが遅いことを心配していることでしょう。
180 :
◆lxd9gSfG6A
[sage]:2019/03/16(土) 01:20:23.85 ID:cetMpEXN0
コツコツコツコツ…………
…………陽炎に、どこから話せばいいのでしょう。
龍驤さんに反発する黒潮と話したこと。
異変を感じて千歳さんのところに付き添ったこと。
千歳さんのカウンセリングを受けたこと。
激昂した黒潮に綾波が重なって見えたこと。
その黒潮に傀儡と呼ばれたこと。
そして、不知火はPTSDであると診断されたこと…………
……………………
181 :
◆lxd9gSfG6A
[sage]:2019/03/16(土) 01:21:42.18 ID:cetMpEXN0
ザザーン……ザザーン……
あてもなく歩いて、近くの海岸にたどり着きました。
綺麗な海が見たくて、なんとなく散歩をしていただけです。
決して、部屋に帰りたくなかったわけではないのです。
誰も聞いていないひとりごとを呟きながら、砂浜に腰を降ろしました。
水面に大きな満月が揺れる、穏やかな夜の海です。
182 :
◆lxd9gSfG6A
[sage]:2019/03/16(土) 01:23:03.44 ID:cetMpEXN0
ザザーン……ザザーン……
暴力。
綾波。
傀儡。
PTSD。
千歳さんのカウンセリングで、不知火は自らの過去を話しました。
不知火は、多くの過ちを犯してきました。
かつての仲間に、数えきれないほどの暴力を振るったこと。
葛城さんに無理をさせてしまった瑞鶴さんを、正義面をして糾弾したこと。
鎮守府が消滅して、唯一の生き残りだった綾波が、私を恨んでいたこと。
その綾波さえ、廃人となって解体されたこと…………
183 :
◆lxd9gSfG6A
[sage]:2019/03/16(土) 01:25:55.36 ID:cetMpEXN0
この鎮守府に来て、不知火はたしかに変わりました。
ですが、それで不知火の過去が無かったことにも、生まれ変わったことにもなりません。
不知火は今でも、感情に振り回されて、暴力に訴える艦娘だと考えています。
ですが。
もし不知火の過ちが、未来を変えるために活かせるなら。
不知火のように過ちに囚われた仲間に、寄り添うことができるなら。
それが彼女への、せめてもの手向けになればと、思います。
184 :
◆lxd9gSfG6A
[sage]:2019/03/16(土) 01:28:26.35 ID:cetMpEXN0
水面に揺らぐ、夜月の輝き。
浮かんでは消える、いくつもの影。
執念に満ちた心を抱えて、絶望の中に沈んでいった彼女には、決して届かないとわかっていも。
残されたこの命を、償いのために捧げることができれば。
彼女が生きていたこの世界を、未来につなぐことができれば。
正しいかどうかは分かりません。
自己満足かもしれません。
それでも。
それでも、不知火は…………………………
185 :
◆lxd9gSfG6A
[sage]:2019/03/16(土) 01:29:49.15 ID:cetMpEXN0
「…………あっ、やっと見つけた!」
「もー!いつまでたっても帰ってこないから心配したじゃない!なんでこんなところにいるのよ!!」
「ほら明日も朝早いん…………?」
「いや、だって……そのかおわぷっ!?」
「ど、どうしたのよ急に……あーあーそんなにぐしゃぐしゃにしちゃって………よしよし………………」
186 :
◆lxd9gSfG6A
[saga]:2019/03/16(土) 01:30:47.72 ID:cetMpEXN0
『ここにいないあなたへ』
187 :
◆lxd9gSfG6A
[sage]:2019/03/16(土) 01:33:09.01 ID:cetMpEXN0
元ネタは[
たぬき
]の映画で流れた星野源の楽曲です。
YouTubeにあるのでよかったら是非。
188 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/16(土) 11:41:13.79 ID:b/w0V1i8o
乙
ん゛ん゛っいい曲!
出てきた陽炎型は皆主役張れるエピソード持ってるよね
189 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/16(土) 13:40:23.59 ID:dZzWUhhDO
おつです
ここの物語は割と姉妹艦の繋がりが弱いように感じていたけど陽炎はちゃんとお姉ちゃんしてるみたいで安心した
金ピカだけど
190 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/03/19(火) 17:18:33.14 ID:1VtF/uQA0
>>91
からの続きです
191 :
◆6yAIjHWMyQ
[saga]:2019/03/19(火) 17:21:20.37 ID:1VtF/uQA0
玄関ポーチに到達し、烏山提督の革靴の音が止む。一拍遅れて、私と玉砂利の演奏も幕を引いた。灰色の碁盤の上に二人で並ぶ。
正面へ顔を上げる。木で作られた両引き戸が鎮座していた。木製縦格子に、それらを繋ぐように整然と填められた乳白色の擦りガラスは自形の石英、つまり水晶、その結晶面のような形をとっている。
そこにただ存在しているだけの空虚な玄関だった。不用意に人を近付けさせまいと威圧感をだしていた正門とは打って変わった印象を受ける。
それと同時に何かが引っかかった。4枚建戸のあちこちに視線を巡らす。後頭部に火花が散った。京都の料亭で見た、銅製蝶が飾られた合掌引手にそっくりだ。
あの料亭は、前の提督が――――。思考を断絶。ここで思い出したところで何になるのか。多少は晴れた心を無駄に曇らす必要はない。
思考の破片を振り払うように顔を右に向ける。烏山提督は、玄関の壁にある呼鈴を押さずに扉を見つめているだけだった。
「そのインターホン、鳴らさないの?」
「鳴らさなくてもあちらから来るよ。」
烏山提督は口に手を当て、軽くあくびをしながら答えた。ずっと運転をしていたから少し疲れているのかしら。後で何か恩返しをしよう。
あくびが収まると、彼はあぁと声を出した。
「ここの提督にだけは荒潮の事情をすでに話した。彼女に話を通しておいたほうが安全性および秘匿性が高まる。」
笑顔で大事なことを世間話のように話された。
一瞬身構えたが、しかしこのタイミングで公開されたのならこの情報はさほど重要ではないのだろう。彼を信じよう。
「それ、大丈夫なの?」
されど念には念をいれる。用心には網を張れ。
「大丈夫。信頼出来る人だよ。小生と同じ、いわゆる上層部の一人だからね。」
「あぁ、でもあっちのほうが上だ。」という彼の呟きがすぅっと消えて、そこそこの権力という無駄な謙遜はいらないと思った。
192 :
◆6yAIjHWMyQ
[saga]:2019/03/19(火) 17:23:16.96 ID:1VtF/uQA0
程なくしてガラス越しに人影がみえた。ぴたぴたと張り付くような音が微かに聞こえる。
影は小さくなり、カタン。左へ移動しまたカタン。大根をゆっくり輪切りにした時の音に近い。
そして戸車の回り擦れる音を響かせながら、二枚の扉は左右に離れていく。その間から現れた人間は――――。
「烏山、待っていたよ。」
聞き覚えのある声だった。その声はカシミヤのように柔らかく、そして軽く弾んでいた。
見覚えのある顔だった。下手に化粧を施せば価値が失われるであろう肌と顔立ち。
その顔には黒曜石が如き双眸と眉が、高い左右対称性で配置されている。あまりに整い過ぎて地味な印象さえあった。
豊かな黒髪からつくられた一本の三つ編みが陽光の当たらぬ影の中で、蜜蝋でも塗られたような光沢を放ちながら、胸元へ垂れ下がっている。
枯れた蔓が赤褐色で描かれた、黒茶地の着物を纏った女がそこにいた。
「――――」
心臓が、自壊してしまいそうなほどに大きく鼓動を刻み、一瞬停止。
眼球がころりと抜け落ちてしまうのではないか。そう自覚できるほどに私の瞼は開かれた。きっと瞳孔も散大しているに違いない。
口内が粘つく。朽木がねじ込まれ、そのまま張り付いたかのように喉が窄まる。水分が体の中心へと向かっていく感覚があった。
その感覚に乗じて、烏山提督とこの女に気取られないように息を吸う。慎重に吐く。女の姿を見た瞬間から反射的に握りこんでいた拳が、弛緩していくのがわかった。
最前線の第一艦隊から長く離れていたこともあってか、不測の事態が起こってからの、精神の立て直しに、あの頃よりも時間がかかっている。
193 :
◆6yAIjHWMyQ
[saga]:2019/03/19(火) 17:24:28.96 ID:1VtF/uQA0
「それが本当なら、門衛に誰が来るのかをしっかり伝えてあげてやれ。狼狽していたぞ。」
隣から聞こえる、男の語気鋭い声。菊月達と話すときの調子とは違う。私は知らなかった。
「不測の事態にも対応できるように鍛えてあげる。この親心が分からないかなぁ。」
女の眉根に一瞬皺が刻まれたが、すぐに戻った。しかしこの対応はまさに暖簾に腕押し。私の知らない、彼女の応対だった。
「そして初めまして。君が曙さんに会いたいっていう荒潮さんだね。」
女は相対するように私へ体を向き直し、腰をかがめた。視線が合う。懐かしさが鼻先を仄かにくすぐる。甘くスパイシーな香り。
頭をよぎるのは『澪標』。秘書艦を必要としない彼女が愛用していた、恐らく最初で最後の秘書艦になったときに聞いた、香水の名前。
「ボクはここの提督で、雲林院っていいます。どうぞよろしく。」
手を差し出される。握手を求めているのでしょう。右手を差し出す。陶器のような見た目から放射されたこの熱の感触を、私は知っている。
「手、冷たいね。烏山、荒潮さんに防寒着を用意しなかったのかい?」
女の視線が烏山提督へと向けられる。私はその視線をたどる。
「合うものがなかったんだよ。」
目をそらされた。4つの瞳の圧力に屈してしまったのかしら。合うものがなかったのは確かだけれど。
「そっか、じゃあ仕方ないね。ささっ、上がって上がって。」
女は身を翻し、扉の内へと進む。続く烏山提督の背後に、私もまた続く。
予想外の出来事というものは得てして確認不足によって起こる、と思う。
確かめてもらったのは今の曙の提督の名前が、旧世界の曙の前の提督の名前と一致しないということだけだった。自分のその浅慮さを恨む。
いや、これは見様によっては好都合だ。曙の様子とこの女の様子を一度に把握できる。
あなたを見極めよう。かつて、あなたの麾下にいたこの私が。
194 :
◆6yAIjHWMyQ
[saga]:2019/03/19(火) 17:29:04.47 ID:1VtF/uQA0
一旦ここまで
質問や確認したいこと等がありましたら、どうぞ
195 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/20(水) 07:38:38.97 ID:KHOibW1ko
おつおつ
196 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/22(金) 02:12:21.24 ID:XmkdBCEDO
>>174
から
「ふぁあ…」
いつもの様にテレビを通して私がかつて居た鎮守府の様子を見ている私
私の名は朝潮、他に特に言うべき事も無い、独房!連れていけ!まあ私はむしろ独房に入れられる側ですが
…じゃなくて、幽霊生活にもだんだん慣れてきたけれど特にする事も無い私
この現世テレビを観るか、Y子さんのお世話をするか、部屋の掃除…とは言え普通の家の様に埃が積もったりはしないので専ら彼女が散らかした本やらお菓子やらを片付けるくらい
そのY子さんも今日は部屋で寝ているのでここには私一人だった
あれから司令官達は殺し屋を探すも見付けられずあっさり諦めて初期艦さんの復帰パーティーを始めた
司令官と別れる場面は少しだけ意外だった。少なくとも現状維持するのではと思っていたけど彼女も随分思い切ったものだと思う
197 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/22(金) 02:14:12.62 ID:XmkdBCEDO
パーティーの後は特に何事も無く普段通りの鎮守府に戻った様子で今は夜。それぞれ思い思いの時を過ごしている様子を流し見る
何やら猫耳を着けた龍驤さん朝霜さん響さんに壁まで追いやられている司令官が居た
「相変わらず司令官は猫耳に弱いんですね…」
正直誘惑というよりもその司令官の反応が楽しくて玩具にしている感が強い。私もやった事があるがつい調子に乗って龍驤さんに怒られたのも良い思い出
それから龍驤さんと司令官を残し部屋から退出する響さんと朝霜さん。ここからはプライベート、いくら見放題と言ってもそこは私も弁えている
リモコンを操作し場面を変える
「…ええ見ませんよ、私は夕張さんとは違うんです。そういうのは見ちゃ駄目なんです」
誰にともなくそう言い訳をするのは別に見たいからではありません。断じて違います
198 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/22(金) 02:16:38.87 ID:XmkdBCEDO
ふと覗いた書庫で潜水新棲姫に膝枕している初期艦さんと北上さんが話していた
≪霊は成仏してなんぼですけど、ここで見てて欲しいって気持ちもありますよ≫
すみません成仏してません…そこじゃないけど見てます
何となく心の中で謝る私
――と
ガチャ
背後から扉の開く音が聞こえた。Y子さん起きたのかなと振り向くとそこに居たのはあの精神世界で見た黒い着物の少女
【あの子は居ないのね】
「あ…はい、Y子さんはお部屋で寝てます」
【そう…】
何処かホッとしたような、それでいて寂しいような複雑な表情を浮かべ
そして何も言わずに炬燵に入り項垂れる
199 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/22(金) 02:18:51.69 ID:XmkdBCEDO
「あの…大丈夫ですか?何処か具合が…」
【私にも少し休みたいと思う事くらいあるわ…】
と疲れた顔で言う彼女
「とりあえずお茶でも淹れますね」
【…えぇ】
この人は確か富士さん…始まりの艦娘でありY子さんの姉、詳しい事は知らないし具体的に彼女が何をしているのかも私は聞いていなかった
以前Y子さんから聞いたのは全ての艦娘の中に眠っていてきっかけがあると目覚めるという事だけ
この際本人に聞いてみるのもいいだろうか
200 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2019/03/22(金) 02:20:32.57 ID:XmkdBCEDO
「はい、どうぞ」
【ありがとう…】
お茶を受け取り啜る富士さん。同じくお茶を啜る私と目が会った
あの目だ
Y子さんが時折私に向けるあの申し訳無さそうなあの目を彼女もしていた
【…私の話はあの子から聞いている?】
「始まりの艦娘で全ての艦娘の中に居るという事くらいでよく知りません」
【そう…ならいい機会だから貴女にも説明するわ、私が何を目指しているのか…】
「いいんですか?」
【えぇ…今の貴女には知る権利がある。全てとはいかないけれど話せる事は話すわ】
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