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ハッシュヴァルト「未来が視えるとは思い悩む事ばかりだ。そうだろう、黒木智子」
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1 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 21:24:23.92 ID:8bDthKfUO
もこっち「ぐーっ、ぐーっ……」スヤスヤ
ハッシュ「起きろ、人間」ユサユサ
もこっち「……んーー? お母さん、もう朝なの……」ムニャムニャ
ハッシュ「…………私はお前の母親ではない。いいから起きろ」ペチペチ
もこっち「……ん、ん〜〜?」パチリッ
ハッシュ「ようやく目覚めたようだな」
もこっち「………」
もこっち「………えっ、?」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1532435063
2 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 21:28:16.10 ID:ZK48FfaMO
ハッシュ「今からお前には私の質問に答えてもらう」
もこっち「あっ、えっ、?」
ハッシュ「反論は一切受け付けん。それを肝に銘じておくことだ」
もこっち「………?!?」
ハッシュ「まず、今の私の状況についてだがーーー」
もこっち「………だ、だだだだだだだだーーー」
もこっち「誰だよお前!?」
3 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 21:29:57.96 ID:ZK48FfaMO
ハッシュ「……反論は一切受け付けんと言ったはずだ」ギロッ
もこっち「」ビクッ
もこっち「えっ、いや、その」アタフタ
もこっち(何だよ、こいつ!? どうやって私の部屋に入ってきた!?)
もこっち(と、とりあえず警察にーーー)
ハッシュ「……私の質問に答えろ。次はない」
もこっち「あっ、えっ、うっ」
ハッシュ「わかったな?」
もこっち「……は、はい!!」ビクビクッ
ハッシュ「ならば、まず第一にーーーーーー」
4 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 21:31:28.84 ID:ZK48FfaMO
ハッシュ「ーーー質問は以上だ。お前はそこでそのまま待機していろ」
もこっち「えっ、あっ、」
ハッシュ「………」ギロッ
もこっち「ひっ!? ひ、ひゃい、待機です、はい!」
ハッシュ「………」
5 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 21:47:40.44 ID:ZK48FfaMO
ハッシュ(……情報を得ることはできたがーーー、どういうことなのだ、これは?)
もこっち(ううっ……)
ハッシュ(……この人間の話によると、いま私がいるこの世界は『現世』と限りなく類似した環境にあるようだ)
ハッシュ(だが、決定的に異なる点がある)
ハッシュ(それは、この世界だけで完結した閉じた世界ということだ)
ハッシュ(この世界は、死後の世界を必要としていない。いや、死後の世界自体が存在していないというべきか)
ハッシュ(……少なくとも、私の知る『尸魂界』『虚圏』『地獄』の三界はない)
ハッシュ(この人間を起こす前、実際に『尸魂界』『虚圏』『地獄』に繋がる門を幾度となく生成してみたが、どの門も繋がることはなかった)
ハッシュ(正しい座標を指定したにも関わらず、だ)
6 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 21:50:29.13 ID:ZK48FfaMO
ハッシュ(また、霊圧知覚で、死神及び虚の霊圧の残滓を感知することも試みたが、その一切を感知できなかった)
ハッシュ(時間をかけ、空座町の位置まで霊圧知覚を広げたにも関わらず、だ)
ハッシュ(空座町の死神派遣率及び虚の出現率を考慮すれば、霊圧が全く残されていないことなどあり得ない)
ハッシュ(あり得るとすれば、死亡寸前の私が夢か幻を見ているか、この世界では元々死神も虚も、奴らの住まう世界も存在しないかのどちらかだ)
ハッシュ(仮に後者だとすれば、この世界は、私の知る死後の世界を必要としていない別世界ということになる)
7 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 21:52:44.50 ID:ZK48FfaMO
ハッシュ(……仮に別世界だとして、なぜ、このような世界が存在するのか、なぜ、私がそこにいるのか)
ハッシュ(そもそも、なぜ、私が生きているのか?)
ハッシュ(なぜ、 “ 聖別 ” を受けたはずの私が、それよりも前の万全な状態を保持しているのか?)
ハッシュ(なぜ、この世界の、この家の、この部屋の中で目覚めたのか?)
ハッシュ(やはり、全ては夢か幻なのか?)
ハッシュ(……それらを即座に断定することはできない。情報が少なすぎる)
ハッシュ(ならば、いま私がすべきことは、ただ一つ)
ハッシュ(情報収集を継続し、この世界を徹底的に調べ上げ、結論を出す。それだけだ)
8 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 21:54:25.87 ID:ZK48FfaMO
ハッシュ「……人間よ」
もこっち「」ビクッ
ハッシュ「………」
もこっち「……えっ、あっ、はい!? わ、私のことでしゅか?!」アタフタ
ハッシュ「お前以外に誰がいる?」
もこっち「あっ、うん、そ、そうですよね、あはは……」
ハッシュ「……今から命ずる。この部屋から出てみろ」
9 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 21:57:04.76 ID:ZK48FfaMO
もこっち「……えっ?」
ハッシュ「聞こえなかったか? 部屋から出ろと言ったのだ」
もこっち「……あっ、はい、わかりました! 今すぐにーーー」ササッ
ガチャッ
もこっち「ーーーで、出ました! これで、良いんですよね!?」アタフタ
ハッシュ「………」スタスタ
もこっち「えっと、その、これでーーー」
ハッシュ「……もう良い。部屋に戻れ」
もこっち「……あっ、はい!」ガチャッ
10 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 21:58:27.53 ID:ZK48FfaMO
智樹「おい、さっきから、なに大声出してんだ」ガチャッ
ハッシュ「!」
もこっち「あっ、と、ともくーーー」
智樹「……まさか、また鏡と話をしてるんじゃないよな?」
もこっち「ち、違う! 私が話をしているのは、こいつーーー」
智樹「は? 何言ってんだ?」
もこっち「いや、だから、見ての通り、ここにいるこいつーーー」
智樹「……だから、何言ってんだよ?」
もこっち「……へっ、?」
智樹「ここは、俺たち以外誰もいねーだろうが」
11 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 22:02:42.44 ID:ZK48FfaMO
ハッシュ「………」
もこっち「な、なに言ってんだよ!? この金髪外人が見えないのか!?」
智樹「……お前、やっぱりーーー」
もこっち「えっ、えっ、?」
もこっち(何この状況? まさか、私がおかしいのか?)
ハッシュ「……寝惚けていたと言え」
もこっち「!?」
ハッシュ「……寝惚けていたというんだ。わかったな?」チャキッ
もこっち(……こ、こいつよく見たら剣持ってる!? もしかして、モノホンか!?)
ハッシュ「……さっさと言え」スッ
もこっち「ひっ、」ビクッ
12 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 22:04:21.37 ID:ZK48FfaMO
智樹「……今から母さん呼んでくる。大人しく待ってーーー」
もこっち「ち、ちがうんだ!」
智樹「……違うだと? だったら、さっきのはーーー」
もこっち「ね、寝ぼけてたんだ、あはは……」
智樹「………」
もこっち「あ、あはは……」
13 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 22:06:35.60 ID:ZK48FfaMO
智樹「……寝ぼけてたんなら、顔洗っとけ。少しはマシになんだろ」ガチャッ
もこっち「あ、うん、そうするわ、あはは……」
もこっち(……なんとか誤魔化せた)ハアッー
もこっち(……って、これで本当に良かったのか?)
もこっち(この金髪外人……弟に見えないってことは、何かの病気ってことだよな?)
ハッシュ「………」
もこっち(それに、よく見りゃこいつ、すげーイケメンで背もたけーし……喪女を拗らせた結果としか思えねえ)
もこっち(最近は、すっかりリア充だから、大丈夫って思ったんだけどな……)ハアッー
もこっち(……いや、イケメン転校生と親しくなる妄想なら、つい最近までやってたか。それの影響か、これは?)
もこっち「……なんにしろ仕方がないな、今日は学校休んで病院にーーーーーー」
14 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 22:08:48.30 ID:ZK48FfaMO
ハッシュ「いや、お前は今まで通りの生活を送れ」
もこっち「……まだ、しゃべってるよ。いつまで続くんだ、この幻覚はーーー」
ハッシュ「私は幻などではない」
もこっち「幻に決まってんだろ、こんな日本語ペッラペラの長身イケメンが私の家にいるわけがーーー」
ハッシュ「聞け」グッ
もこっち「ぐえっ、!?」
15 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 22:10:37.61 ID:ZK48FfaMO
もこっち(えっ、このイケメン、幻覚だよね?)
もこっち(なんで、幻覚が私の首根っこ掴んでんの? えっ?)
ハッシュ「もう一度言う、お前は今まで通りの生活を送れ。病院になど行くな」
もこっち「い、意味がわからなーーー」
ハッシュ「理解する必要は無い」
ハッシュ「ただ、私の命令を聞けないのであれば、こちらも相応の考えがあるというだけのことだ」ググッ
もこっち「!?」パクパク
ハッシュ「……わかったら、さっさと準備をしろ。いいな?」パッ
もこっち「は、はい……っ、!?!」
16 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 22:13:08.75 ID:ZK48FfaMO
ハッシュ(……これまでのやりとりで確信した)
ハッシュ(……やはり、現在の私はこの人間から離れることができない)
ハッシュ(その証拠に、この人間が移動したことで、私の移動できる範囲が変わり、部屋から出ることも可能となった)
ハッシュ(それらの事象から推測するに、現在の私の状況には、この人間も少なからず関与している可能性がある)
ハッシュ(だが、これまでにおけるこの人間の反応を見る限り、この人間はこの状況について何一つ把握していない)
ハッシュ(……ならば、私はこの人間及びその周囲を徹底的に観察するまでのこと)
ハッシュ(この人間及びそれに関わる事象を観察することで、この状況に陥った原因に気づくことができるかもしれない)
17 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 22:15:55.58 ID:ZK48FfaMO
もこっち「あ、あのーー……」
ハッシュ「……なんだ」
もこっち「き、着替えたいんですけど……?」
ハッシュ「……そうか」ズズズッ
もこっち「えっ、?」
「これで良いだろう?」
もこっち「えっ、ちょっと、お前、どこに消えてーーー」
「何でも良いだろう。さっさと着替えろ」
もこっち「いや、でもーーー」
「……着替えるんだ、いいな?」
もこっち「」ゾワッ
もこっち「ひゃ、ひゃい!」
18 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 22:18:27.08 ID:ZK48FfaMO
もこっち「………」ビクビクッ
「終わったな?」
もこっち「……あ、はい! 終わりました!」
「そうか……」
ズズッ……
ハッシュ「では朝食を摂り、学校に向かうが良い」ズズズッ
もこっち「うわっ、!?」
もこっち(こ、こいつ影からーーー!?)
ハッシュ「………」
もこっち(……マジで、なんなんだよ、こいつは?!)
19 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 22:19:48.35 ID:ZK48FfaMO
もこっち(はっーーー)
もこっち(ーーーま、まさか、幽霊なんてことはーーー)
ハッシュ「早く行け」
もこっち「ひゃ、ひゃい!」
20 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2018/07/24(火) 22:21:36.03 ID:ZK48FfaMO
もこっち「……い、いただきます……」
智樹「いただきます」
黒木母「よく噛んで食べるのよーー」
もこっち「あ、うん……」
もこっち「………」モグモグ
ハッシュ「………」
もこっち(見られてるし……)タラリ
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