ウマっ娘(娘)話〜リギル前史

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25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 01:53:43.23 ID:9Vzqhes+0
>>24
ご指摘ありがとうございます&すいません。
元は先輩で書いていましたが、調べて見ると同期でビックリ。
アニメ本編見る限りでは同期がいないのか?
と思いましたが、正確には仲が良い同期がいないという意味なんだ、と思い、一気に書き上げた次第です。
同期ウマ娘に名前を付けなかったのは悪役をえんじてもらうためですが、
調べ直して良いウマなのが分かり、最後は良い奴になりそうです(最初が最初だけに仲良くはなれませんが)
仲の良い同期がいない寂しさと解釈し書き進めます
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 02:01:18.63 ID:oSt52KiD0
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 02:01:46.27 ID:oSt52KiD0
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 10:05:24.31 ID:9Vzqhes+0

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−−数ヶ月後 トレーナー室内


他チームトレーナー「…しゃあ無えな?ウチん所から参加してやんよ」

ハナ 「あ、ありがとうございますっ!」

他チームトレーナー「なあに、困った時はお互い様さ…しっかしアンタも大変だな?まさかあまりの強さに回避ウマ娘が続出、レース成立の規定数に到達しないなんざ…」

ハナ 「…はい。昨シーズンの最優秀ウマ娘に選出されたのは良かったんですけど…」

他チームトレーナー「俺ぁ構わねえんだけどよ?上も含め、中には国内ウマ娘にレース参加権を制限しようって考えが根強いからなぁ…」

ハナ 「…その考えを否定するつもりは無いんです。ただファン視点で、単純に走らせてみたらどっちが強いかという興味は根強くあると思うんです」

他チームトレーナー「確かに、外国ウマ娘も出られるレースが無いのは問題だよな?まあ、それすら覆す"何か"が無えと変わらねえとは思うが…」

ハナ 「その"何か"を…私は、マルゼンスキーに託してるんです」

29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 10:06:17.49 ID:9Vzqhes+0


他チームトレーナー「…そういや、アイツの行方はまだ分かんねーのか?」

ハナ 「はい。どこで何してるんだか?全く"あの人"は…」

他チームトレーナー「良いトレーナーだったんだがな…まあ頑張んな?ウマ娘を助けられるのは俺達トレーナーしかいねえんだから…じゃ、俺ぁ行くわ」


パタンっ…


ハナ 「ふうっ…膝の骨折で3ヶ月の休養を余儀無くされたけど、あの娘は本当に良くやってくれている」ギシッ

ハナ 「もう少し…もう少しなの。上を何とか説得して、ようやく8連勝を条件に飲ませたのに…まさか最後の8戦目にして、参戦ウマ娘が足らなくなる上に、あんな条件が出るだなんて…」ハアッ…


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30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 10:07:34.08 ID:9Vzqhes+0
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−−1ヶ月前 協会上層部会議室





ハナ 「…あの娘をドリームトロフィに出させてほしい!賞金なんかいらない、大外枠でいい、他の馬の邪魔もしません!ただ、マルゼンスキーの能力を確かめるだけでいい!そうすれば誰が一番強いか…そして、海外ウマ娘に対抗できるだけの力がある事を証明出来るんです!」





ハナ 「!…じゃあ次に勝って8連勝を決めれば…晴れてドリームトロフィへの出場を認めて頂けるのですね?!」パアッ





ハナ 「…え…?」



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−−数ヶ月後 チームリギル部室内


ハナ (…ここまで来て…最後の最後で、ね…)

ハナ (ここに来るまで、ずいぶんとお偉いさん方の鼻っ柱を叩き折ってきてしまったものね。最後の華はお偉いさんに持たせろって事か…)

ハナ (…いえ。私の望みは、確かにこの娘がドリームトロフィを全力で走る事。なら、私の気持ちなんて些細な話…やる事は決まってるわね…)フッ…

31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 10:08:52.28 ID:9Vzqhes+0


マルゼンスキー「…あのー、おハナさん?お話って…」

ハナ 「あ、ご、ごめんなさいねっ?!…それとマルゼンスキー?私の事はトレーナーって呼びなさいって言ったでしょ?」メッ

マルゼンスキー「ウフフ、ごめんなさい。トレーナーさんっ♪」テヘッ

ハナ 「…8戦目が決まったわ。前から話していた通り、これに勝てば8連勝…ドリームトロフィへの参戦権を得る事が出来る」

マルゼンスキー「あまりにも夢過ぎて夢にさえ見なかったドリームトロフィに、まさかこの私が出れるなんて…っ!」パアッ

ハナ 「フフ…(…出来るだけショックを与えないように…落ち着いて話すのよ?東条ハナ)」

マルゼンスキー「…それでっ?!次のレースはどんな内容なのっ?!」


ハナ 「短距離ステークス…ダートなのっ…(あ…ダメだっ…感情が抑えられない…っ!)」ポロッ


32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 10:09:44.30 ID:9Vzqhes+0


ハナ 「…芝じゃないのっ…治ったばかりの脚に負担の掛かる、ダートなのっ…ごめんなさい…ごめんっ…(…どうして?どうしてこの娘ばっかり…)」ポロポロ


ギュウッ!


ハナ 「…ま、マルゼンスキー?」グスッ

マルゼンスキー「私なんかのためにっ…いつも苦労かけさせちゃってるの…私、ちゃんと知ってるよ?」ギュウウッ

ハナ 「!!…あなたは…」

マルゼンスキー「だから…心配しないで?私は大丈夫だからっ!これダート向けトレーニングメニューよね?行ってくるわっ?!」


バタンッ!…パタパタバタ…


ハナ 「む、無理はするなよっ!マルゼンスキー…」


・・・・・・・・・・・・・・・・


ザッ、ザッ、ザッ…


マルゼンスキー「よくも…よくも!"私のトレーナーさん"を泣かせたわね?見てらっしゃい…絶対後悔させてやるんだから…っ!!」


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33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 10:10:26.93 ID:9Vzqhes+0
今回はここまでです。
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 10:13:12.87 ID:ahdOx25y0
>>24-25
ヒシスピードに鼻差勝ちした
ときは手を抜いてたとか(@_@)
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 17:17:25.11 ID:9Vzqhes+0

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−−マルゼンスキー8戦目 レース場 コース上


同期ウマ娘「…ふふーん!あなた初めてのダートよね?トレーナーに頼んで無理矢理参加したの!今度こそケッチョンケッチョンに…」

マルゼンスキー「…"また"来てくれたんだ?私、スッゴく感謝してる…」ユラリッ

同期ウマ娘「ひ、ヒイーッ?!」


ハナ 「頼むっ…無事に帰ってきてくれ、マルゼンスキー…!」


????(…なぜ芝ではなく、短距離のダートなんだ?ついこの前怪我をしたウマ娘に対する行為では無い…何か事情がありそうだな…)


バシャッ!


ウオオーーーーッ!!!


実況 「マルゼンスキー、ダートでも圧勝!その差なんと10ウマ身!!」


同期ウマ娘「…か、怪物め…」アゼン


????「ダートでも10ウマ身差だと?!…これではますます一刻も早い手合わせをしないと…滾る血汐を抑えきれんっ!!」ブルッ


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36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 17:18:58.43 ID:9Vzqhes+0
undefined
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 17:19:29.43 ID:9Vzqhes+0
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−−レース場 控え室外 廊下


????「…そういう事だったのか…それにしても、良いチームじゃないか…」ミミピトッ


同期ウマ娘「…あなた、誰?関係者じゃ、ないわよね…」ジーッ


????「…あ」


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38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 17:22:07.90 ID:9Vzqhes+0
鼻差勝ち時は、ウマ娘的にはどうするかな?と思い、この形にしてみました。続きは夜になります。
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 17:23:28.22 ID:9Vzqhes+0
36ぬけていましたね。
以下正しい流れです。
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 17:24:11.69 ID:9Vzqhes+0
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−−レース場 控え室内


マルゼンスキー「トレーナーさんっ!見ててくれました?!これなら文句無しですよねっ!!」ニコッ

ハナ 「え、ええ…もちろんそうだけど…あ、脚は大丈夫?あんな悪路を…」ウルッ


ギュウッ!


マルゼンスキー「泣いちゃダメっ!…芝でもダートでも関係ないの。貴女が死ぬ気で取ってきてくれたレースだもの…私はそこを全力で走って勝利をもぎ取るだけなんだからっ!」ギュウウッ

ハナ 「ま、マルゼンスキー…」グスッ

マルゼンスキー「…だから、私が勝ったら笑顔で出迎えて?それだけで私はまた頑張れるんだから…」スッ…

41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 17:24:45.00 ID:9Vzqhes+0
ハナ 「…そ、そうだわっ…おめでとうマルゼンスキー。8連勝で貴女自身はドリームトロフィシリーズ出場の権利を得たわ…」グスッ

マルゼンスキー「…ああ!そういう事になるのよね…」

ハナ 「忘れてたの?!…今の貴女にはその資格がある。その資格のおかげで、幾つかのチームから貴女を受け入れようという話が…」

マルゼンスキー「私、行かないわよ?」

ハナ 「え?な、何をいってるの…特に良さげなところを見繕ったのよ?…貴女の好きなところに…」

マルゼンスキー「私が好きなのは、おハナさんのいるチームリギルだもん」

ハナ 「ダメなのよ…チームに5人以上いないと、ドリームトロフィ参加は認められないの…だから」ポロッ

マルゼンスキー「関係ない!私が本当に一人ぼっちだった時、救ってくれたのは貴女だけだった!他に行くなんかあり得ない。私がドリームトロフィに出るのは過ぎた夢…その夢を見れるとしたら、それはチームリギル以外ありえないのっ!!」ポロポロ

ハナ 「全く…バカな娘ね?せっかくのチャンスをふいにして…っ」ポロポロ

マルゼンスキー「チャンスなんか幾らでもあるわっ!チームメイトが増えるまで、10でも20連勝でもしてみせるわよ!それとも、協会やトレセン学園は、たった一人のウマ娘の自由意思も受け止められないのかしら?!」

ハナ 「マルゼンスキー?あなた…強くなったわね…」グスッ

マルゼンスキー「あら?私はもともと強いのよ?」グスッ

ハナ 「そうかしら?初めて会った時めそめそ泣いてたくせに…」クスッ

マルゼンスキー「やっぱ知ってたんだ…恥ずかしい///」カアッ

ハナ 「いいえ?やっぱりあなたは強いわ…ずっと一人で頑張ってきたんだもの…私が来るまで」ナデナデ

マルゼンスキー「うん…頑張ったよ?おハナさんが来るまで」スリスリ

ハナ 「私が迎えに行くまで…頑張ってくれて、ありがとう?マルゼンスキー」

マルゼンスキー「…うんっ!迎えに来てくれてありがとう。私のトレーナーさんっ!」


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42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 17:25:25.36 ID:9Vzqhes+0
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−−レース場 控え室外 廊下


????「…そういう事だったのか…それにしても、良いチームじゃないか…」ミミピトッ


同期ウマ娘「…あなた、誰?関係者じゃ、ないわよね…」ジーッ


????「…あ」


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43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 17:26:21.11 ID:9Vzqhes+0
以上です。
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 21:16:52.06 ID:9Vzqhes+0
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−−数ヶ月後 トレセン学園 チームリギル部室内


…バタンッ!


ハナ 「朗報よ、マルゼンスキー!今年入ってくる規格外の新人のおかげで、海外ウマ娘への規制が相当弛くなるらしいわ!」

マルゼンスキー「規格外の新人のおかげで?それってどういう…」

ハナ 「ついに日本にも、世界レベルで通用しそうなウマ娘が出てきたって事。日本にもこんなスゴいウマ娘がいるんだぞって事を、世界に対して見せ付けたくなったんでしょ?…あなたも含めて、ね」

マルゼンスキー「ふふ…さしずめ私は海外から来るであろう悪役の代理ね?でも存分にレースができるなら、それでも全然構わないわ!」

ハナ 「ええ!このチャンスを活かしてメンバーを増やし、今度こそドリームトロフィに出ましょう…チームリギルとして!!」

45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 21:17:42.41 ID:9Vzqhes+0



マルゼンスキー「で、その驚異の新人ウマ娘の名前は?」

ハナ 「このウマ娘よ…名前は、シンボリルドルフ。ちょうど今頃、各チームトレーナーに向けた新人ウマ娘達の公開練習に参加してるんじゃないかしら」

マルゼンスキー「チームリギルのトレーナーは参加しないの?」

ハナ 「彼女にとって最大のライバルのあなたを擁するチームリギルが?…シンボリルドルフ目的のトレーナー達がいなくなったら、他の娘目当てで見に行くわよ」



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46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 21:18:17.24 ID:9Vzqhes+0
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−−トレセン学園 練習コース場


ザワザワ…


他チームトレーナーA「どうかね、ぜひうちのチームに…!」

他チームトレーナーB「うちはアフターフォローが万全で…!」

他チームトレーナーC「ウマ娘の所属人数はうちが一番…!」



ルドルフ「………」



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47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 21:19:17.98 ID:9Vzqhes+0
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−−翌日のトレセン学園 練習コース場


マルゼンスキー「…そういえば噂の新人ウマ娘、昨日はどこにも所属チームを決めなかったみたいね?」

ハナ 「有力なチームトレーナーのほとんどが参加したはずなんだけどね?…ま、驚異の新人は気まぐれでもあるんだろうし、何も慌てて決める必要も無いし…」


????「…誰が気まぐれだって?私は信念に対しては限り無く一途だぞっ!!」


48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 21:20:10.17 ID:9Vzqhes+0


ハナ 「?!お、お前…シンボリルドルフじゃないか!!」

ルドルフ「そうだ。あなた達に用があってわざわざ訪ねて来たというのに…好き勝手に気まぐれだの何だの好き放題言われ、かなり機嫌を損ねたぞ?」

ハナ 「その期待の新人ウマ娘が、私たちに一体何の用だ?」

ルドルフ「…何の用だと?ずいぶんな言い草だな。この時期に新人ウマ娘がチームを訪ねて来ると言えば、用件など1つしか無いだろう?!」

マルゼンスキー「え?それってひょっとして…私たちのチームに入りたい、って事?」

ルドルフ「…マルゼンスキー。私は貴女の走りをずっと見てきた。私が初めて、本気でぶつかり合いたいと思ったのがお前なんだ!」

マルゼンスキー「…えっ…ほ、本気でぶつかり合いたい…?」トクン…

ルドルフ「そうだ。ここトレセン学園に来る前から、私はリギルに決めていた!なのに公開練習には来ず、訪ねてみれば何しに来た呼ばわり…これでは私の立つ瀬が無い。チームリギルは、たった一人のウマ娘の自由意思も受け止められないのか?!」グスッ

49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 21:21:10.90 ID:9Vzqhes+0


マルゼンスキー「ごめんなさい…泣いてる?」チラッ

ルドルフ「…なっ、泣いてないっ!」プイッ

ハナ 「あー…それは確かに私が悪かったわ。ごめんなさいね?…でも私たちにも言い分はあるの。聞いてくれない?」

ルドルフ「…いいぞ。話を聞こうじゃないか」グスッ

ハナ 「まずあなたの最大のライバルたるマルゼンスキー…彼女の所属するチームに、そもそも単純に入るはずがないという思い込みがあったのは素直に認めるわ」

ルドルフ「…それから?」

ハナ 「次に、チームリギルは色々あって同僚や上の方に睨まれてる…つまり、敵が多いのよ。だから、期待の新人たるあなたを採れば、更に風当りが強くなる…これも理由の1つね」

50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 21:22:16.15 ID:9Vzqhes+0

ルドルフ「…海外ウマ娘の扱いについて諸問題が発生している事は理解している。本来私が言うべき事では無いのだが…」

マルゼンスキー「…?」

ルドルフ「私がいる事で規制が緩くなり、マルゼンスキーの出走機会が増えるのであれば…同じチームの方が無視できなくなり、より効果を狙えるのではないか?」

ハナ 「…それを貴女自身が言うとはね。ただ逆の見方もあるのよ?例えば、私が貴女とマルゼンスキーの八百長を仕込むんじゃないか、とか…」

ルドルフ「ふむ…」

ハナ 「…だから最初から貴女は候補には入れてなかった。貴女の存在だけで私たちは救われた。その感謝と敬意を踏みにじり、巻き込むような真似をしたくなかった…それが一番の理由かしらね?」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 21:23:09.60 ID:9Vzqhes+0

ルドルフ「…話は解った。互いの誤解が解け、互いの本心が解った。それは良い…だが私はまだ答えをもらっていない」


ハナ 「…」


ルドルフ「改めて問おう。このチームに…私は必要か否か?!」


ギュウッ!


ルドルフ「?!な、何を…マルゼンスキー?お、おいっ…」

マルゼンスキー「…ありがとうっ…シンボリルドルフっ…」ギュウウッ


ハナ 「…それが答えよ。私たちに今必要だったのは、共に同じ高みに立つ仲間…戦友なの。だから歓迎するわ、シンボリルドルフ!ようこそ…チームリギルへ!!」


ルドルフ「フッ…これからよろしく頼む!」


52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/21(土) 21:24:04.79 ID:9Vzqhes+0


????????「全く…相変わらず話が回りくどいぞ?ルドルフ」

?????? 「面白そうな話だね…ボク達も交ぜてくれるかな?」

ハナ 「エアグルーヴ?それに…フジキセキ!」

エアグルーヴ「トレセン学園トップクラスを2名も擁するチームなら…高みを目指すには持ってこいだな!」

フジキセキ 「その通り。それに尊敬すべき先輩の泣き顔は見たくないからね」

マルゼンスキー「る、るどるふぅ…み、みんな〜っ!!」グスグスッ

ルドルフ「あぁ泣かないでくれ、マルゼンスキー。お前に涙は似合わない…世間の偏見?そんなもの、私たちの本気の走りを持って押し通って見せる!!」

ハナ 「ああ!…これでチームリギルは計4人。必ず5人以上のメンバーを集めて…マルゼンスキーをドリームトロフィに送り込むぞっ!!」



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53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 21:24:35.03 ID:9Vzqhes+0
今回はここまでです。
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 23:50:03.07 ID:ej7H2Ae/o
このチーム強すぎィ!
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/22(日) 10:18:43.99 ID:VFAykn+sO
拡散希望
あやめ速報、あやめ2ndへの掲載拒否を推奨します
創作活動に対する冒涜を行う酷いまとめサイトです
あやめ速報へのSS掲載を拒否し、掲載されてしまった貴方のSSを消すように訴え、あやめ速報を利用しないで下さい
このことを多くの方へ伝えて下さい
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/22(日) 18:22:08.53 ID:ncIY39Hi0
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−−約1年後 チームリギル 選抜試験会場


ブライアン 「…おい、ゴールドシップ。お前、やめるのか?」

ゴルシ 「ああ。一応顔は出してみたが、どーもこーゆーお堅いのは性に合わなくてなー…」

ヒシアマゾン 「だろうな〜…」

ゴルシ 「むしろ規格外のお前らが、こんなクソ真面目なチームにすんなり入るの決めちまった方が意外だぞ?」

ブライアン 「フン…同じ条件下、同じ環境で、ガチで殺り合いたいヤツに出会っちまったからな…」

ヒシアマゾン 「おーおー怖えー怖えー…」ヘヘッ

ブライアン 「笑うなアマさん」

ヒシアマゾン 「アマさん言うな」

57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/22(日) 18:23:10.39 ID:ncIY39Hi0


ゴルシ 「シンボリルドルフか…まあそれもいーんじゃね?」

ブライアン 「…チーム決まったら真っ先に教えろよ?」

ゴルシ 「あれ?心配してくれてんの?」

ブライアン 「いや?これまた見事に」

ヒシアマゾン 「全く。全然」

ゴルシ 「…おいおいゴルシちゃん傷つくなー泣いちゃうぞこのヤロ」

ブライアン 「大丈夫だろお前なら…適当にうまくやるだろうしな?」

ゴルシ 「へへっ…実はオレもな?全く心配してねー」

ブライアン 「フフッ…だろうな」

ゴルシ 「んじゃなー」ヒラヒラ

ヒシアマゾン 「おーう」ヘイヘイ


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58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/22(日) 18:24:16.89 ID:ncIY39Hi0

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ハナ 「貴女の推してたウマ娘が残ったわね…まるでいつぞやの誰かさんみたいじゃない?」フフッ

ルドルフ「だから、他人事じゃないのさ…可愛い奴らだろう?」ニヤリ

ハナ 「はいはい。じゃあ決まりね」

ルドルフ「…あのゴールドシップとか言うのは引き留めなくて良いのか?中々の逸材と見たが…」

ハナ 「悪いけど、気紛れなジャジャ馬にかまけてる暇は無いの(…"あの人"は好きそうだけどね…)」

ルドルフ「…5人以上揃って、これでようやくドリームトロフィへの出場権を得た訳だな?」

ハナ 「ええ…ようやくあの娘を晴れ舞台に立たせてあげれるわ!!」


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59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/22(日) 18:25:23.74 ID:ncIY39Hi0

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ゴルシ 「はぁ…ああは言ったものの、さて、どーすっかなー…」テクテク


さわさわ…


??? 「…おお!この張り、肉付き…これは理想的な…」

ゴルシ 「…お前。この私の魅力的な脚に何してくれちゃってるわけ?」


トレーナー 「…あ。」


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60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/22(日) 18:27:09.08 ID:ncIY39Hi0

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−−数ヶ月後 ドリームトロフィ コース上


…ワアアァーーッ!!!


マルゼンスキー「ああ…居場所の無かったこの私が…皆のおかげで、夢の舞台に立ててる…!!」ウルッ


マルゼンスキー「…ダメ!泣くのはまだ早いわ…全力で走る!!全てはこのためだったんだから…っ!」グッ!


バシャッ!


ウオオーーーーッ!!!


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61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/22(日) 18:28:33.59 ID:ncIY39Hi0

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−−北海道の片田舎の一軒家内


幼ウマ娘「…お母ちゃん!赤いウマ娘さん…スゴく速いよ?スゴいスゴい!!」ブンブン!

お母ちゃん「スゴいねー…素人の私が見ても分かるよ、圧倒的じゃないか」

幼ウマ娘「ヤッター!!勝ったよ?誰も追い付けなかった!」ピョンピョン!

お母ちゃん「ふぅん…スーパーカー、マルゼンスキーって言うんだ」

幼ウマ娘「…あれれ?赤いおウマ娘さん泣いてるよ?怪我したのかな?痛いのかな?」グスッ

お母ちゃん「違うねー…きっとこの人は、夢の舞台で存分に走れて、スゴく嬉しいんだよ。人は…ウマ娘は、嬉しくても泣くんだ。あんたを産んだときのお母ちゃんみたいにね?」ナデナデ

幼ウマ娘「そっかぁ…嬉しいんだぁ!なら良かったねぇ?」ニコニコ


お母ちゃん「…お前も、この人みたいになるんだよ?スペ!」

幼ウマ娘「うんっ!」ニコッ


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62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/22(日) 18:29:34.58 ID:ncIY39Hi0

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−−ドリームトロフィ 観客席


ハナ 「気高く、美しく、可憐で、華やかだ…そして傍にいた私は、彼女が限りなく優しく、そして強い事も知っている…!」グスッ


ルドルフ「ああ…ようやく見れた!これが見たかった!!おめでとうとは敢えて言わないぞ?なぜなら、お前こそこの晴れ舞台に最も相応しい存在だからだ!」ブルッ…!


ルドルフ(…ありがとうマルゼンスキー。これで私は、お前が見せてくれた、私の望む進むべき世界に自信を持って挑むことが出来る!)



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63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/22(日) 18:30:58.00 ID:ncIY39Hi0
今回はここまでです。
今夜の次で最後になります。
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/22(日) 22:03:08.19 ID:ncIY39Hi0
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−−更に数年後 ドリームトロフィ 観客席


ザワザワ…


タイキシャトル 「…今度は、私の番デースっ!」フンスッ


オペラオー 「このレースこそ、華麗な僕に相応しい…!」


グラスワンダー「先輩方の走りを目に焼き付ける…来るときに備えて!」


エルコンドル 「国内も海外も…全部ミーが頂きマース!」


スズカ 「誰よりも速く走るなら…避けては通れない場所…っ!」


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65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/22(日) 22:03:50.76 ID:ncIY39Hi0
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−− ドリームトロフィ 控え室内


ルドルフ「…生徒会に入り、理不尽な制限や要求にも対抗できるだけの力を手に入れた…これでおハナさんの負担も大分減らせるだろう」

ハナ 「おハナさんはよせ…だが、マルゼンスキーの受けた理不尽な仕打ちを、もう他のウマ娘にさせないのはありがたいな?」

エアグルーヴ「ウマ娘の自由意思を、組織の都合に左右させず全うさせるのが生徒会のあるべき姿だ…」

フジキセキ 「それはリギルに限らない。他のどのチームにも、そしてウマ娘達に公平に与えられるべき権利だからな!」


66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/22(日) 22:04:40.17 ID:ncIY39Hi0


マルゼンスキー「フフッ…ねえみんな?私、チームメイトとドリームトロフィに出ることになったら、やってみたかった事があるんだけど…」

エアグルーヴ「フフッ…相変わらずマイペースですね。いいんじゃないですか?」

フジキセキ 「やってみましょう?マルゼンスキー先輩!」

ヒシアマゾン 「へへ。ガラじゃねえが…」

ブライアン 「あねさんが言うんじゃ、やらないわけにはいかないな?」

マルゼンスキー「こーら。あねさんじゃないわ、お姉さんでしょ?…ほら、トレーナーさんもっ!」メッ

ハナ 「わ、私は良いわよ…」

マルゼンスキー「ダーメーでーす、ほら早く!」


67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/22(日) 22:05:21.32 ID:ncIY39Hi0


ルドルフ「円陣を組むぞ…トレーナー?何か一言」

ハナ 「…皆の力を、チームリギルの力を、存分に見せつけてきなさいっ!!」


マルゼンスキー「ふふっ…それじゃあ、行きましょうか…チームリギルー…?!」



「「「「ファイっ、オーッ!!!」」」



おしまい



−−−−−−−−−−−−−−−−−

68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/22(日) 22:06:11.43 ID:ncIY39Hi0
以上となります。
ありがとうございました。
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/23(月) 00:28:47.77 ID:PIdMvJoA0
おつ!
泣けた
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/23(月) 02:06:57.52 ID:sJ8gZ41G0
ありがとうございます。
では申請出してきます。
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