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【艦これ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 五隻目【安価・コンマ】

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871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/08/29(木) 13:03:32.96 ID:j3caq0kp0
良かった...マジで良かった...南方司令官と陸奥が一緒に...なんて最悪の事態まで想像してしまってソワソワしてた...
....え?ってことは....?
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/08/29(木) 15:02:14.40 ID:ZDPiCcfl0
乙です、これでまた提督は凹む
……それはそれとして何だかんだで赤城さんは喜びそうだけど
873 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/01(日) 04:16:03.89 ID:r9IK3c2M0
意識がヤバい……
なんとかここまでに書き溜めた分、一気に投下して寝ます。
終わらなかったよ……すまねぇ……すまねぇ……

>>868
タイトルの意味が明解になるまで進みたかったのですが、その手前で力尽きました……

>>870
ありがとうございます。

>>871
当初の予定では爆発に巻き込まれてました。こっちのがキャラから考えると『らしい』ですね。

>>872
確実に凹みます。
赤城さんの行動ですが前回の失態があるので今回はちょっと精彩を欠いてます。
874 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/01(日) 04:20:02.03 ID:r9IK3c2M0


 ――11:00――

 ルソン島 軍港


あきつ丸「ふぅ……やっと到着であります」

提督「うむ!」

 バタン!

赤城「提督、退院おめでとうございます。鎮守府の艦娘を代表して私たちがお迎えにあが――」

提督「そんなことはどうでもいい! すぐに船をだせ!」

蒼龍「えっ……あの、どうかしたんですか?」

提督「問題が発生した! 南方海域司令部に向かうぞ!」

蒼龍「?? あの、さっぱり――」

提督「説明は移動中にする! 寸暇を惜しめ!」

赤城「……畏まりました。すぐに船を出すようにつたえなさい」

漣「あらほらさっさー!」

赤城「……」

漣「す、すみません……」

赤城「結構です」

提督「なにをくだらんことをしている! 急げ!!」

赤城「失礼しました」
875 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/01(日) 04:44:33.90 ID:r9IK3c2M0


 ――11:30――

 船中 会議室


提督「ここにいるものたちに現在起こっていることを説明したい。静聴せよ」

赤城「ゴホン……鈴谷、潮、あなたたちは部屋に戻っていなさい。提督、よろしいですね?」

提督「ああ、そうだな。鈴屋、潮、ご苦労だった。部屋で休んでくれ」

鈴谷「わ、私もここにいる! なにかお手伝い――」

蒼龍「ふん……あるわけないでしょ」

提督「蒼龍の言うとおりだ、これからのことはお前たちが知る必要はない。部屋に戻っていろ」

鈴谷「……」

赤城「あきつ丸、案内してあげてください」

あきつ丸「了解であります。さ、鈴谷殿、潮殿」

鈴谷「……うん」

 バタン
876 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/01(日) 04:46:40.01 ID:r9IK3c2M0

提督「ゴホン……現状を簡潔に言えば『軍内の政争に巻き込まれた』以上の一言に尽きる」

蒼龍「政争ですか? なんでまた?」

提督「それを説明する必要性を感じない」

蒼龍「けど、そこらへんがはっきりしないことには――」

赤城「それよりも具体的な被害はあるのですか?」

提督「……うむ、まず陸軍の将校と西方海域司令長官に私の名で毒酒が送られた。あとはお前たちも知っていると思うが今日の退院祝いで使う予定だった料亭が爆破された」

蒼龍「ちょつ!? 待ってください!?」

提督「は? なんだ?」

蒼龍「聞いてないですよ! ねぇ、赤城さん」

赤城「……私たちには爆発があったという報告は来ておりません」

提督「む……」

霧島「これは南方海域司令部がその陰謀に加わっているということでは――」

提督「そんなわけがあるか!! 二度とそのようなことはいうな!」

霧島「し、失礼しました」

提督「……とにかく今は閣下と合流して善後策を講じるべきだと考えている。異論はあるか?」

赤城「私からは特には。蒼龍はどうです?」

蒼龍「私も特には」
877 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/01(日) 04:50:18.59 ID:r9IK3c2M0

提督「そうか。では次の行動だが――」

蒼龍「ちょっと待ってください! あの、ひょっとして犯人のめぼしってついてたりするんですか?」

霧島「は? そんなわけないでしょ」

蒼龍「いやいや、なんか提督がちょっと変だからもしかしたらって。それでどうなんですか?」

提督「……それを知ってどうする?」

蒼龍「わかってるんですね? それならすぐにその犯人の元へ艦隊を向かわせましょうよ! 焼き払って――」

提督「馬鹿! そんなことができるか!!」

蒼龍「け、けど、ほっといたら提督が危険です!」

霧島「料亭に爆弾を仕掛けた犯人は戦果を確認するためにも付近にまだ潜伏しているはずです。これだけでも排除するべきかと」

赤城「霧島の言う通りでしょう。南方海域司令部には第一水雷戦隊が代理の護衛として入っています。ネズミ掃除であれば十分に可能かと」

提督「む……いや、向こうを刺激したくない。今後の方針を決めるまでは何もするな」

赤城「畏まりました」

蒼龍「……納得いきません!」

提督「お前が納得する、しないでものごとをきめてなどいない」

蒼龍「むー……!」

提督「ふん!」
878 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/01(日) 04:52:16.84 ID:r9IK3c2M0

提督「それよりも本来のこの後の予定はどうなっていた?」

霧島「少々お待ちください。 ――はい、ヒトナナマルマルまで退院祝いの宴会。そののちはすぐに鎮守府へ戻ることになっていました」

提督「それだけか? ほかにどこかに移動するなどの予定はなかったな?」

霧島「はい。そのはずです」

提督「……であれば、これ以上は南方海域司令部には仕掛けはないか」

霧島「おそらく。あと何かを仕掛けてくるとしたら鎮守府に、でしょうね」

提督「女提督が南方海域司令部にいるということは鎮守府の指揮は誰がとっている?」

赤城「龍驤さんですねぇ」

提督「アレか、不幸中の幸いだな。よし、それであれば奴に艦娘を指揮させて危険物を捜索させろ」

霧島「畏まりました。すぐに連絡してきます」

提督「うむ。蒼龍、南方海域司令部周辺の地図を用意しろ。狙撃などの可能性を排除したいので移動ルートを策定する」

蒼龍「はい! すぐに持ってきますね!」

提督「艤装は?」

赤城「私共三人の分は船に積んできております」

提督「であれば、奴らが戻り次第、全員艤装を装着しておけ。ないとは思うが、海で襲撃を受ける恐れもある」

赤城「畏まりました」

提督「……艦娘が相手になるかもしれんということだが。その、なんだ、大丈夫か?」

赤城「? ええ、大丈夫、大丈夫ですよ? 艦娘であろうが薙ぎ払って御覧に入れます」

提督「……」

赤城「?」
879 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/01(日) 04:56:36.06 ID:r9IK3c2M0


 ――12:00――

 南方海域司令部周辺の町 教会


?「……どうか私たちの愚かさの犠牲になったあの子たちが安らかに眠れるよう」

旅順港鎮守府提督(以下、旅順港)「おや、お祈りですか? あなたが基督教徒だったとはしりませんでした。洗礼はいつお受けに?」

?「……」

旅順港「おや? もしもーし! 聞こえてますかー?」

?「邪魔だ。うせろ」

旅順「おお、上官に向かってその態度。感心できませんねぇ、実に感心できない」

?「……」

旅順港「無視とは酷い。涙が出てきそうだ。ねぇ、大淀くん」

旅順港大淀「え、ええ。仰る通りかと」

旅順港「は? 本当に? そんなに悲しいものですかねぇ? ひょっとして僕のことを馬鹿にしている、とか?」

旅順港大淀「めっそうもありません! 尊敬している提督にそのような態度をとられてはご本人以上に回りが悲しくなるものだと、お、思います……」

旅順港「はぁ……! なるほど! ナルホド! あなたのいうとおりでしょうねぇ」

?「くだらんな」

旅順港「は? どういうことですか?」

?「私は私のやりたいようにやらせてもらう。それがお前の望んだ結果になるとは限らんがな」

旅順港「それは困りますねぇ」

?「言ってろ」

旅順港「……ああ、そうだ。聖書には復讐というのは神に任せるべきだとあるそうですよ? 私が言うのもなんですが今ならやめられますよ?」

?「私は私が進むためにもアレとは決着をつけるだけだ。お前たちの脅しなどきっかけにすぎん」

旅順港「くふ……くふふ……ナルホド! それでは私はただ成功を祈っております」

?「……」

 バタン!
880 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/01(日) 04:58:34.31 ID:r9IK3c2M0


 ――14:00――

 南方海域司令部 軍港


提督「ここからの異動はどうなっている」

赤城「車を手配しております。先ほど決めたルートで南方海域司令部に向かわせましょう」

提督「よし。それでは降りる――」

赤城「提督、私の後ろに」

提督「……なんだ」スッ

赤城「あちらの倉庫の陰に何者か潜んでいます。霧島」

霧島「はい! すぐに制圧してまいります!」

提督「待て! 手を出すな!」

霧島「し、しかし……」

提督「聞き分けろ。赤城、相手は銃を持っているか?」

赤城「……いえ、目に見える範囲では」

提督「であれば、無視していくぞ。拳銃で狙える距離ではない」

蒼龍「し、しかし――」

提督「私には私なりの考えがある。命令だ」

蒼龍「……」グッ

赤城「蒼龍」

蒼龍「……はい」
881 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/01(日) 04:59:35.56 ID:r9IK3c2M0

提督「よし、それではいくぞ。くれぐれも私から離れるなよ、死にかねん」

赤城「くふっ……」

提督「なにがおかしい?」

赤城「ゴホン……いえ、なんでもないです」

提督「であれば気を引き締めろ」

赤城「すみませんでした」

提督「ちっ……」
882 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/01(日) 05:03:55.60 ID:r9IK3c2M0

赤城「提督、こちらの車です。すぐにご乗車を」

提督「ああ」

?「待て」

提督「――やはり最後は貴様なんだな」

警備隊司令「そういうことだ」

提督「……」

警備隊司令「同期のよしみだ、退院おめでとうとだけはいっておく」

提督「うむ。 ……それで何の用だ? すまないが今は忙しいのだ。話ならばあとに――」

警備隊司令「とぼけるなよ。私が何でここにいるかなどはわかっているだろ?」

提督「……知らんな。貴様がその腰に帯びている軍刀を抜かなければ何もなかったことにする。向こうに伏せている奴と一緒に今は消えろ」

警備隊司令「……そうか。残念だ」カチャッ

提督「あ?」

赤城「提督! お下がりください! 鯉口を――」

 パーン!

赤城「――は?」
883 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/01(日) 05:17:12.23 ID:r9IK3c2M0

警備隊司令「ゴホっ……!?」

警備隊司令「ふ、ふふ……そ、狙撃手を伏せていたか……やはり、貴様はちゃっかりしてる……」

提督「ち、違う!! おい、誰が撃った!? すぐにやめさせろ!!」

赤城「そ、それが、その……」

提督「ええい! それよりも医者だ!」ダッ

警備隊司令「そう、か……」グググッ……

提督「……おい! 動くな! すぐに医者を呼ぶ! まだ助かるはずだ!」

警備隊司令「無駄……だ……」グググッ……

提督「いや、そんなことがあるはずがない! あってたまるか! 助かるはずだ! だからじっとしていろ!」

警備隊司令「なぁ……提督……お前もこれで、少しは……苦しんで――」

 パーン

 ……パーン

警備隊司令「……」

 バタッ

提督「……おい、なんだこれは!? 誰が撃てといった!? 赤城、お前の手配か!?」

赤城「いえ、これは――」

?「そうですよ。あなたの命を助けて差し上げたのは私ですよ?」

提督「お前……!」

旅順港「こんにちは! ご機嫌いかがですか? いやぁ、危ないところでしたねぇ」

提督「……」
884 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/01(日) 05:18:03.12 ID:r9IK3c2M0

旅順港「まさか三羽烏なんて言われていたお友達から殺されそうになるなんて、どんな気分なんでしょうね! ぜひ、教えて欲しいものです」

提督「……今回の件はお前がすべて仕組んだのか、元帥からの指示か。答えろ」

旅順港「え? なんで私がそんな風にいわれるんです? わかりますか、大淀くん?」

旅順港大淀「い、いえ」

提督「御託はいい! ここまでやる必要があったのか!?」

旅順港「さて、あなたの話はさっぱりだ。見るべきものは見ましたし、私はこれでおうちに帰ることにしましょう」

提督「ふざけるな!! 逃がす――」

旅順港「どうぞ? ぜひ、その激情のままに行動してください。ただ私に手を出せば、どうなるかぐらいは賢いあなたはおわかりでしょう?」

提督「ぐっ……」

旅順港「くふっ!! その顔! いいですねぇ! あの物陰で動かなくなってる艦娘もそういう表情でしたよ!」

提督「……」ギリッ

旅順港「これで懲りたでしょ? これからは自分の身の程というものを考えて行動するように。それではアデュー」

提督「……」

赤城「……提督」

提督「……警備隊司令の遺体を船に。南方海域司令部に向かう」

赤城「はい」
885 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/01(日) 05:23:34.93 ID:r9IK3c2M0
今日はここまでになります。
正直、地の文ないのがここまでキツイことになるとは思いませんでした。パーンのむなしさよ。
警備隊司令についてはもう少し本編で触れらればよかったんですが……。鹿島編の最後にちょろっと顔出しただけでこの始末は……ううむ……

最後になりましたが、ツイッターでまとめを作成していただけるというDMいただきました。
本当にありがとうございます!
なにか不明な点があればレスかDMいただければすぐにお答えしたいと思います。
886 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/01(日) 05:24:37.78 ID:r9IK3c2M0

南方(大将・南方海域司令長官)94→生存

将校(中将・参謀次長)68→生存

警備隊司令(大佐・提督と同期)31→退場

女提督(大佐・基地司令)14→生存
887 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/01(日) 09:30:13.78 ID:qztwaRflO

深海棲艦という分かりやすい外敵がいるのに人類同士で殺し合いとか余裕ぶっこいてんなこいつら……
888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/01(日) 10:29:04.24 ID:z6QXgvpsO
>>887
旧帝国陸軍「ほんそれな」
旧帝国海軍「意識が足りていませんね」
889 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/01(日) 11:15:48.65 ID:C0x56Rjro
乙でした
890 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/01(日) 12:12:49.52 ID:aryZOL9M0

人類同士で内ゲバしないなんてそれこそ人類じゃないぜ!
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/09/02(月) 01:13:30.80 ID:HYv95ZJh0
乙です
個人的には西方さんが生き残ってくれてよかった
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/09/02(月) 02:45:36.58 ID:qhrrxi6l0
確かに南方提督は謀略にはめられて退場する様な玉じゃあないなぁ

個人的な南方提督のここ好きポイントは艦娘の抱き心地を知ってるところ
外では飲まないってのを陸奥が知ってるってことは....色々と妄想が捗るなぁオイ!!!
イッチが書くキャラは魅力的なキャラが多くてほんますこ
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/02(月) 04:27:07.06 ID:z3XVtq8jO
乙 なまじ顔をだしたばっかりに・・・
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/03(火) 03:45:13.02 ID:2MwB1u5p0
袂を分かつ運命の分かれ道はどこにあったんだろうね>三羽烏
伏せてる艦娘は既に制圧されているということかな
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/03(火) 07:49:01.41 ID:oohd/ifRO
友人を信じられなくなったときじゃねえかな
提督はアレな人だけど最後まで信じようとしたよ友人
896 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/06(金) 03:49:41.34 ID:63wHH6uE0

>>887
戦争が終わらないことを望んでる人もいたり、いなかったり……
ここらへんも今回の中編で明らかにしていきたいです。

>>888
予算の関係で陸軍と海軍はどこの国も険悪だから……(震え声)

>>889
ありがとうございます!

>>890
歴史的に内ゲバはクッソ多いですね

>>891
西方さんは規律第一のまじめな人だけど、こういう謀略に対する政治力高めです

>>892
ありがとうございます!
当初は避難誘導中に民間人庇って……という形でした。
キャラについてそういう風に言っていただけると本当にうれしいです!

>>893
本来はもっとがっつりいろんなところに顔を出してたはずなんですが……

>>894
>>895の方がいうように信じられなくなったのが大きいと思います。これから詳しくやってきます。
艦娘は……うん……最後にその……

>>895
提督は一定以上親しくなるとかなり対応変わってきますね。
そこも含めてアレではありますが……
897 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/06(金) 03:54:59.22 ID:63wHH6uE0


――――――――――



――XX16年 9月 10日――

 南方海域司令部隷下〇〇鎮守府 対空部隊管制室


警備隊司令「撃って、撃って、撃ちまくれ! とにかく弾幕を張って敵を威嚇せよ!」

警備隊艦娘一同『了解!』

警備隊司令「いい返事だ! 海上に奴らの居場所がないことを教えてやれ!」

警備隊艦娘A「し、失礼します!」

警備隊司令「ん。どうした? それよりも敵の空襲が激しい。お前も今回は出てもらうぞ」

警備隊艦娘A「は、はい!」

警備隊司令「しかし敵も暇なものだ。こんな辺境の鎮守府を襲うとは、ね」

警備隊艦娘A「し、司令、それが本部より連絡が来まして……」

警備隊司令「……上は言いにくい状況ということだな」

警備隊艦娘A「は、はい。鎮守府司令長官が第二波の空爆で秘書艦の方ともども戦死なさったと報告が来ました」

警備隊司令「そうなると鎮守府全体の指揮を私がとることになっていたな」

警備隊艦娘A「そ、そうなんです! こっちもこんな調子なのに指示を出せって本部の子たちが――」

警備隊司令「慌てても事態は好転しない。出撃している艦娘を下げるように指示をだしておけ、この鎮守府で籠城戦を行う」

警備隊艦娘A「え……そんなことせずに各地で迎撃を続行すべきじゃ……」

警備隊司令「私はこれから本部に向かうのだぞ? 現状を継続するのは不可能だ。戦局の立て直しを優先する」

警備隊艦娘A「わ、わかりました。 え、えっと――」

警備隊司令「落ち着いて行動しろ。急いてもいい結果になるとは限らんぞ。深呼吸!」

警備隊艦娘A「……スゥ―。はい! 本部に艦娘を警戒させながら退却させるように伝えます!」

警備隊司令「よし!」

警備隊艦娘A「失礼しました!」

 バタン!


898 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/06(金) 03:58:53.67 ID:63wHH6uE0


――XX16年 9月 15日――

 鎮守府 執務室


提督「……」

大淀「提督、失礼します。南方海域総司令部よりも連絡がきています」

提督「……閣下か?」

大淀「はい。南方海域司令長官です」

提督「はぁ……回せ」

大淀「畏まりました」

提督「うむ……ガチャッ……はい。――鎮守府司令長官の提督です」

南方『おう! ワシだけど。調子はどうよ?』

提督「はい、閣下のおかげさまで健やかにすごしております」

南方『ワシはお前にそんなことをしてやったおぼえはねぇけどな! ガハハ……!』

提督「…… それで今回はどのような御用でしょうか?」

南方『あんまり早い男は嫌われるもんなんがな。まぁ、今はその方が都合がいいや』

南方『で、○○鎮守府ってのはわかるだろ?』

提督「はい。同期が警備隊司令として赴任しております」

南方『ああ、知っている。それでな、本題はここからだ。その鎮守府が深海棲艦に5日前から包囲されてやがる、お前さんにその救援を頼みたい。マニラにいる第5戦隊と合流して早急に鎮守府を包囲してる敵さんをおちょくってくれ』

提督「畏まりました。一つ意見具申よろしいでしょうか?」

南方『ん』

提督「私の麾下の艦隊と第5戦隊では報告で上がっている敵の撃破は困難かと思います。さらなる増援をいただければ幸いです」
899 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/06(金) 03:59:31.02 ID:63wHH6uE0

南方『まぁ、そうなるわな。ワシも艦隊を率いて向かうつもりだが、お前たちが到着してからさらに一週間ほどかかる。その間に鎮守府が落とされないように奴さんにちょっかいをかけ続けてくれればいい』

提督「畏まりました」

南方『……それとこの救援作戦だがどうもくさい。戦死した鎮守府司令長官は攻撃を受けた際、ワシではなく本土へ連絡を入れている。そのせいで初動がかなり遅れた』

提督「では相当に急を要する作戦という認識でよろしいでしょうか?」

南方『いや、件の鎮守府は戦力も備蓄も十分に揃ってる。慎重さをもって進めるべし――って言うのが本土の連中の指示だ。けどな、これはワシの勘では急がなきゃやべぇってでてるんだよ』

提督「……」

南方『つうわけで最速で救援に向かえ。できれば10日以内だ。辺境とはいえそれなりの規模の鎮守府が落とされると大規模作戦の勝ちにケチがついて、流れが変わりかねん』

提督「はっ! 1週間で出撃の準備を整えさせます!」

南方『それでいい。それとわーってるとおもうけど、今回は引いたり押したり恋愛ごっこみたいにやらにゃならん。この部隊の責任者は軍歴で第五戦隊司令官になるとおもうが、あれにこういう駆け引きは厳しいだろうから小僧がちゃんと手綱を握れ』

提督「はっ!」ビシッ!

南方『よっしゃ! 露払いは任せたぞ!』ビシ

 ブチッ
900 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/06(金) 04:03:30.66 ID:63wHH6uE0

提督「――大淀、私はこのまま奴と敵艦隊迎撃の編成を練る。お前は第一並びに第三水雷戦隊へ出撃の命令を出しておけ。ほかの艦娘も即時出撃が可能なように準備だけはさせておけ」

大淀「先ほど見た敵の編成からは空母がいないと非常に難しい戦いになると思いますが?」

提督「ふん! そんなことは先刻承知している! そちらは向こうとのすり合わせの後に決める。お前ごときがアレコレと考える必要はない!」

大淀「チッ……了解しました」

提督「わかったのならばよろしい。さっさっとやるべき事をしろ!」

大淀「……はい」

 ピ、ポパ……プルル、プルル……ガチャ……

提督「こちら――鎮守府司令長官」

少将『――もしもし。こちら――基地司令、少将』

提督「随分と出るのが早いな」

少将『ははは、貴様と違って暇があるのでな』

提督「それは貴様の仕事が早いからだろうな」

少将『お世辞は結構。それでどうかしたか?』

提督「うむ。○○鎮守府が深海棲艦に包囲されたとのことだ。それの救出に向かわねばならん」

少将『む……そうか。どれだけの艦娘を出せばいい?』
901 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/06(金) 04:11:59.25 ID:63wHH6uE0

提督「敵の大攻勢を防ぐためのかく乱が目標だ。作戦の性質を考えれば少数精鋭で臨みたい」

少将「なるほどな。そちらはどれほどの艦娘を動かすのだ?」

提督「うむ、まずは水雷戦隊3つと空母4隻。あとは重巡洋艦を数隻といった予定だな」

少将「空母か……誰を出すんだ?」

提督「? 五航戦と二航戦を出撃させる予定だが。なにか問題があるか?」

少将「いや、そんなことはないさ。ただ練度的には一航戦のほうがいいのではないかと思ってな。敵に食いつかれず一撃離脱というのは高い練度が必要だろ?」

提督「なるほどな、速度よりも練度か。二航戦に代わって一航戦を出そう。では、つづいてそちらの編成だが――」

少将「いや、待ってくれ。かく乱といってもあまり火力がなくては敵の注意をひけないのではないか? 金剛型も用いるべきだと私は思うが」

提督「――そうか? うむ、それでは金剛と霧島を出そう。ほかにもなにか意見はあるか?」

少将「そうだな。本隊を守る部隊であれば多少の鈍足でも構わないだろ、防衛戦力として戦艦も少数編成すべきではないか?」

提督「う、む……」

少将「ほかにも包囲している敵を破るならば超長距離からの砲撃も有効かもしれん。敵の砲撃が届かない距離から一方的に主砲で攻撃し、近づいてきたところを半月陣形を組んだ水雷戦隊で迎え撃ちつつ包囲していくのだ。おお、これならば敵を撃滅することが可能なのではないか?」

提督「……検討しておこう」

少将「そうか、そうか。ここ数回の戦いで私もそれなりに戦場の機微というものが分かってきた気がするのだ。今度はお前のところの艦娘だけが称えられるなどということはないだろうな」

902 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/06(金) 04:16:14.35 ID:63wHH6uE0

提督「……それはそうと補給線なのだが」

少将「うむ。そこらへんの手配は任せろ。200隻までならばいつまでも作戦行動を継続させてやる」

提督「頼もしい限りだ。先ほどの提案はこちらで有効性を考えてみるので、貴様は水雷戦隊を率いて一週間後にこちらへきてくれ」

少将「うむ、了解した。それではな」

提督「ああ」

 ガチャッ

提督「……どういった意味での提案だったのだ? 分からん」

提督「私は所詮、そこまでということか……」

提督「フッ……」

903 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/06(金) 04:20:40.79 ID:63wHH6uE0


――XX16年 9月 15日――

 南方海域司令部隷下〇〇鎮守府 鎮守府司令長官執務室


提督「……」

警備隊艦娘A「食料がそこをつきかけています……」

警備隊艦娘B「このままでは士気にも影響がでます。余力のあるうちに吶喊して敵中を突破するべきかと」

警備隊司令「……そんなことをすればすりつぶされて終わりだ。こちらのまともに戦える戦力を考えてくれ。食料の件はギリギリまでほかの艦娘に気づかれないようにするならばどれぐらいもつ?」

警備隊艦娘A「そうなると1週間ほどが限界だと思います。切り詰めていっても10日ほどになると思います。それ以上は……」

警備隊司令「うむ、それであれば量を減らすなどのことはするな。士気の低い籠城戦など話にならん。援軍もその時期には到着する手はずだ」

警備隊艦娘A「……」

警備隊司令「そんな顔をするな。いざとなれば山狩りをして食べるものを得よう。私たちがわずかに食つなぐ動物ぐらいはいるだろ」

警備隊艦娘A「……今回の襲撃は不運が重なりすぎてます。海域総司令部から輸送物資が運ばれる直前に鎮守府司令長官が戦死するほど苛烈な攻撃があった上に、援軍が本土の手違いで送れるなんてまるで――」

警備隊司令「そこまで。それ以上はいったところでどうにもならん」

警備隊艦娘A「はい……」

警備隊司令「とにかく、今は耐えよう。つらいとは思うが奮斗するよりほかにない」
904 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/06(金) 04:25:15.67 ID:63wHH6uE0


 ――XX16年 9月 23日――

 マニラ島 軍港 第五戦隊旗艦 司令官私室


提督「――鎮守府司令長官の提督です。この度は援軍としてまいりました。足を引っ張らないように奮励努力所存であります」

第五戦隊司令官「ゲホ、ゲホ……知らない仲じゃないし、そんなに畏まらなくていいよ。私は先任ということぐらいしか能がないしね」

提督「そんなご謙遜を」

第5戦隊司令官「いやいや、本音だよ。この任務は少し荷が重く感じられてどうしようかと途方に暮れていたからね」

少将「……」

提督「……失礼ですがお体の具合がよろしくないのですか?」

第5戦隊司令官「情けないがどうも風邪をひいてしまったようでね。秘書官の青葉も随分と心配してくれているのだけれど、なかなか治らなくて参っているんだ」

少将「それでしたらどうぞお休みになっていてください。作戦は私たちが立案してご報告します」

第5戦隊司令官「といってもこの部隊の主将はわたしだからねぇ。なに座っているぐらいなら平気だよ」

少将「そうでしたか……。どうぞご自愛ください」

第5戦隊司令官「ありがとう。それで、あれだ、うん。先にもらっていた報告書を見ると提督君は随分と艦娘を連れてきたみたいだね?」

提督「……はい」
905 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/06(金) 04:26:41.91 ID:63wHH6uE0

第5戦隊司令官「君のことだからなにか考えはあるのだろうけど……うん……その、どういった意図が?」

提督「そ、それは――」

少将「それは私の提案でそういった編成となりました。これで敵を撃滅することも可能かと」

第5戦隊司令官「ゴッホ……失礼。しかし、決戦は私たちの任務では――」

少将「いえ、私には秘策があります! 必ずや敵を打ち破ってみせます!」

第5戦隊司令官「……そ、そうか。そこまで自信があるのならば君に任せ――てもいいのかな?」

提督「……」コクリ

第5戦隊司令官「……それでは少将君、作戦立案は頼むよ」

少将「はい! お任せください!」

第5戦隊司令官「あ、うん。私はやっぱり少し横になるよ、申し訳ないけれど提督君は肩を貸してもらっていいかな?」

提督「かしこまりました。さぁ、どうぞ」

第5戦隊司令官「ありがとう」

少将「それではお大事になさってください」

第5戦隊司令官「う、うん」

 バタン
906 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/06(金) 04:28:01.42 ID:63wHH6uE0

第5戦隊司令官「……」

提督「……」

第5戦隊司令官「……彼は、その、なんだ? 大丈夫なのかね?」

提督「はい、知勇兼備の名将と私は信じています。必ずや目的を達成するかと」

第5戦隊司令官「私みたいな愚将がいうのもなんだが、どうにも空回りしているように見えてしまってね……」

提督「奴は先日行われたカレー洋の海戦では獅子奮迅の活躍を見せました。ご安心ください」

第5戦隊司令官「う、うむ……」
907 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/09/06(金) 04:29:20.10 ID:63wHH6uE0
申し訳ありません。今日はここまでになります。
いろんなフラグが立ちました。次回で一気に結果を出していきます。
908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/06(金) 09:34:58.16 ID:tnwEJ7VVo
乙でした
能力に差があるのはどうしようもないね
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/06(金) 15:32:28.04 ID:KpyRKcK6O

あんなことが続いたからこらも提督をハメようとしてるのかと思ったが単純にミスしてるだけなのか……
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/06(金) 23:22:52.05 ID:tnwEJ7VVo
お大事に
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/09/07(土) 00:16:35.33 ID:GWLWAbbr0
乙です
何となーく少将の提督に対する感情が見えてくる、気がする
912 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/09/07(土) 04:28:52.90 ID:YrJQSiNf0
一撃翌離脱を主軸とする戦術なら高速戦艦を旗艦とした水上打撃部隊が鉄板だけど、空母を主軸としてるあたり
この提督はよっぽど空母がお気に入りなんやな

空母を主軸とした場合は制空権が奪われない、且つ作戦行動範囲を敵に掴ませない前提の戦線構築が必要になるし練度的には一航戦の起用は間違いではないけど
ここの一航戦...というか赤城は血の気が多すぎて一撃翌離脱には気質的に...
913 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/11(水) 20:37:33.74 ID:aWLWdafRo
お加減いかがですか?
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/21(土) 20:37:25.31 ID:HnuX0P390
新作でも感情度みたいな設定が欲しいと思うのは俺だけだろうか
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/08(火) 21:16:57.05 ID:uQJYn4mjo
残念無念やっぱり改稿エターか
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/11(金) 04:16:28.28 ID:SJ7SikKX0
体調崩したって言ってたし気長に待てよ
917 : ◆idiDHwDMwc :2019/10/18(金) 19:40:34.85 ID:0a6ixsFDO
すみません、ご無沙汰しております……
風邪が異様に長引いて新しい会社への準備がばたついてしまいました。
なんとか仕事のいろいろが落ち着いて来ましたので明後日までには再開します。

イベントですが、おしゃぶりのレビュー聞きながら全甲で完走しました。
御倉とジャービスは掘ってる時間ありませんでしたので安価不可になります……
申し訳ありません
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/18(金) 20:06:36.47 ID:Ws+wFVp9o
おつかれさま
919 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/18(金) 23:33:21.06 ID:BioxVnoCo
生存報告ありがとうございます。
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/22(火) 01:22:30.52 ID:4wOekdeZ0
生きてて良かった
加賀赤城が発見されたんだから人生これからだ(意味不明)
921 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/27(日) 00:16:57.73 ID:Gg7jJhtWO
待つぜぇ超待つぜぇ
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/27(日) 01:01:19.39 ID:8A/e2mk2o
朝霜改二めでたいねえ
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/28(月) 17:38:38.62 ID:vH+5iEPp0
そろそろ次スレか
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 17:50:14.88 ID:Dtwmm7sl0
こちらが信用しなければいい話なんだけど日時宣言して守れないならしない方が失望しなくていいと思う…
925 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/30(水) 03:21:22.85 ID:Lp+8U8bM0
期待してるのは分かるが、そういう言葉はマイナスしか生まないことは理解できるか?
926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/31(木) 08:22:56.52 ID:k1OW46cM0
追いついたぜ

木村王位就任やったぜ
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/21(木) 00:34:22.94 ID:ZGuAzAmro
やっほー!イッチ生きてる?
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/26(火) 22:06:04.03 ID:uZZpyeTJ0
そろそろ心配になってきた
大丈夫なのか
929 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/14(土) 00:08:36.31 ID:+BqllbIfo
イッチ復活やったぜ!投下予告もあって最高に嬉しい
930 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/18(水) 01:37:08.28 ID:ahBGqLCt0
待ってたぜぇ...この時をよぉ!!
931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/22(日) 13:33:21.06 ID:hw4ZnmchO
果たして海外版鈴谷感ある
デ・ロイテルは提督の毒牙にかかってしまうのか否か・・・
932 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/12/22(日) 23:09:12.20 ID:YfThPOuL0

――XX16年 9月 25日――

 南方海域司令部隷下〇〇鎮守府 鎮守府司令長官執務室


警備隊司令「食料がそこをついたか……」

警備隊艦娘A「はい……申し訳ありません……」

警備隊司令「なに、お前が謝ることではない。とにかく食料の調達部隊を増員するしかあるまい。食べれるものならばネズミだろうが、木の根だろうがなんでももってこさせろ。それにしても海に囲まれているというのに釣りもできんとはな」

警備隊艦娘A「……」

警備隊司令「ん? どうした?」

警備隊艦娘A「その、援軍が到着する日はまだ――」

警備隊司令「不明だ。私からも艦娘たちを鼓舞してみるがお前もそのように動いてくれ。生き残るためには耐えるしかあるまい。そうだろ?」

警備隊艦娘A「……畏まりました。それでは私は持ち場に戻ります」

警備隊司令「ああ」

 バタン

警備隊司令「……食料は尽き、防衛の要の戦艦、重巡洋艦は全滅」

警備隊「ふん、あとどれほどもたせられるかな……」
933 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/23(月) 00:24:22.73 ID:hgsNFKx3o
寝たかな?年末で忙しいし無理しないで
934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/23(月) 01:05:38.19 ID:RtFXwXgs0
寝落ちっぽいね
帰ってきてくれるだけで十分うれしいね
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/31(火) 23:57:04.52 ID:zCp33wKO0
来年もよろしく
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/11(土) 13:42:22.82 ID:3DR38k+9o
>>1は掘り終わった?
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/21(火) 18:08:22.04 ID:ORruR6Pr0
悲しいね...バナージ...
938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 01:05:21.49 ID:Uxavl9c00
飽きて別のもん書いてそう
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/12(水) 22:49:18.12 ID:fi67rVn0o
改稿エターか仕事が忙しいのかな?
条件付き断筆宣言が本気だったらやだなー
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/06(月) 03:00:21.37 ID:evL197cH0
俺はイッチの書くssが大好きだ
だからまた気が向いた時で良い...筆を握ってくれる事を心から願ってるよ
941 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2020/05/15(金) 04:02:38.05 ID:/rh3Tcp50


 ――XX16年 9月 26日――

 第五戦隊旗艦 艦橋


第5戦隊司令官「いよいよ敵との距離が縮まってきたわけだが……本当に彼の意見を丸呑みしていいものかね?」

提督「はっ。少将の提案するものであれば間違いないでしょう」

第5戦隊司令官「そうはいうが……彼には実績がない。これだけの兵を預かる私としては百戦錬磨である君の案も聞いておきたいものなんだがね」

提督「いえ、お言葉ではありますがそれは機会に恵まれていなかっただけです、奴はこの戦いでもちまえの軍才を大きく羽ばたかせ名声は四海に響き渡るようになるでしょう」

第5戦隊司令官「君がそこまでいうほどかね。それは期待をすることにしよう」

 コン、コン

第5戦隊司令官「入れ」

少将「はっ! 失礼します! 早速ですが作戦の概要をご説明させて――」

第5戦隊司令官「ゴホン! ……青葉」

第5戦隊青葉「はい! なにか御用ですか?」

第5戦隊司令官「申し訳ないけれどお茶を淹れてきてくれないかな? お茶請けはお煎餅がいいかな」

第5戦隊青葉「了解です! すぐにもってきますね!」

第5戦隊司令官「いや、ゆっくりでいい。少将君も少し落ち着いた方がいい。僕みたいに鈍いのは捲し立てられても理解が及ばないからね、子供に説明するつもりでやってくれ」

少将「――む」

第5戦隊司令官「それでは青葉が戻ってくるまで、うちの娘のことで相談に乗ってほしいのだけれどいいかね?」

提督「私どもでよければお話を伺います」

第5戦隊司令官「うむ。実はそろそろ青葉が建造されて4年になるのだけれど、なにか贈り物をしようとおもうんだ。なにがいいか――」

少将「司令官! 失礼ですがそんなことを話している場合ではないかと愚考いたします! 味方は今も戦っているのかもしれないのですよ! すぐさま策定し、艦娘たちに作戦を周知させるべきです」

提督「お、おい」

少将「なんだ! 私はなにか間違っているか!?」

提督「……」

第5戦隊司令官「まるで新兵だな」ボソッ

少将「失礼、なにかおっしゃいましたか?」

第5戦隊司令官「いや、大したことじゃない。随分と気合を入れて策を練ってきてくれたようで感心していただけだ。随分と苦労しただろう」

少将「それは……前線で戦う味方を思えばいかほどのものでもありません」

第5戦隊司令官「嘘はいけない。目の下のクマをみれば君の苦労が浮かばれる」

少将「……」

第5戦隊司令官「優秀な君の気宇壮大な案をまるで回ってきた寿司を食べるように無造作に聞くわけにはいくまい? 私のような凡人には心の準備というものがいるのだよ、すまないね。だろ? 提督君」

提督「私としては司令官も非凡な指揮官だと尊敬しております」

第5戦隊司令官「……それはありがたい評価だ。しかし君はぶれないね」

提督「?」

第5戦隊司令官「まぁ、というわけだ。少将君、このおじさんに少し落ち着く時間をいただきたい」

少将「……失礼しました」

第5戦隊司令官「それでは話を戻して、贈り物なのだけれど――」

 コン、コン

942 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2020/05/15(金) 04:05:35.15 ID:/rh3Tcp50

第5戦隊司令官「はぁ……入れ」

第5戦隊青葉「失礼します。お茶お持ちしました!」

蒼龍「失礼します」

第5戦隊司令官「ありがとう。それと随分と早いと思ったら提督君のところの子に手伝ってもらったのかい?」

第5戦隊青葉「はい」

第5戦隊司令官「提督君、すまないね」ズズズー

提督「いえ」

少将「……それではお茶も来たのですから、作戦の説明をさせていただいても宜しいでしょうか?」

第5戦隊司令官「ああ、うん、頼むよ」

少将「ゴホン! それでは私の考えた案は敵本体から数部隊を引き離して逐次撃破するというものであります。まず快足の水雷戦隊によるアウトレンジからの魚雷攻撃を行い、敵を陽動。そののちに航空機、戦艦の火砲を集中させ敵を撃滅していきます。これを数度繰り返せば敵の戦力を大きく削ることが可能です。すでに各艦娘の布陣についてもこちらにまとめてあります」

第5戦隊司令官「……なるほどね。提督君はどうおもう?」

提督「……い、いや、うむ、よろしいかと思います」

第5戦隊司令官「本気で言っているのかね」

提督「……はっ」

第5戦隊司令官「そうかね……。少将君、まるでその作戦は敵が戦力を逐次投入することを前提として考えられているように思うが、わずかに抑えを残した敵が反転して私たちを一気に攻めるということはないのかね?」

少将「? こちらの布陣図をご覧ください。陽動の水雷戦隊は軽巡洋艦1隻、駆逐艦5隻の6隻の予定です。これにそれほどの戦力を割くというのはあまり考えられないかと。それに我らに敵が大挙して押し寄せてくるとなれば、大変結構なことではないですか」

第5戦隊司令官「そういう意味で言っているのでは――は? 敵が押し寄せてきて良いとはどういう意味だね」

少将「これは包囲を受けてる鎮守府の備蓄状況でありますが、弾薬・糧食ともに不安はありません。であれば我らの姿を見れば反攻でるでしょうから、抑えを打ち破って前後から挟撃することができます。簡単にはいかないでしょうが敵を撃滅することも可能かと」

提督「……流石に戦力差が大きすぎる。挟撃できたとしてもそれぞれすり潰される可能性のほうが高いだろうな」

少将「そういうものか? では、逐次撃破のみに徹すればいいではないか」

提督「う、む……」

少将「司令官、いかがでしょうか? 完璧な作戦であるとおもいますが」

第5戦隊司令官「む……まだ疑問がある。魚雷によるアウトレンジというがそんな距離で売っても戦果なぞのぞめないぞ。敵が陽動に乗らなければどうするつもりだ?」

少将「はっ! その際は状況に応じて臨機応変に対応すべきかと思いまして、いくつかの案をまとめています!」

第5戦隊司令官「……そうかね。提督君、この作戦でよいのかね?」

提督「はっ……少将の提案でありますからうまくいくとおもいます」

第5戦隊司令官「そうか……では、陽動に乗らなかった際の案については提督君と打ち合わせをしてから結果だけを私に報告してくれ。少し具合が悪くなったので少し横になってくるから。青葉」

第5戦隊青葉「はい。お供しますね、あ。肩どぞ」

第5戦隊司令官「いや、そこまではいい。それじゃあ二人とも頼むよ」

少将「畏まりました」

提督「……畏まりました」
943 :張耳と陳余 ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2020/05/15(金) 04:16:54.01 ID:/rh3Tcp50


 第五戦隊旗艦 司令官私室前


第5戦隊司令官「……なぁ、青葉」

第5戦隊青葉「どうかしましたか? えっと、やっぱり肩を――」

第5戦隊司令官「いや、違うんだ。さっきの作戦をどう思う?」

第5戦隊青葉「へ? あの、すみません。難しいことはちょっと……で、でも! 司令官がいいと思うなら良い案なんだろうなっていうのはわかりますよ!?」

第5戦隊司令官「ははは……いや、こちらこそすまない。私はね。ずっと人事畑だったから艦娘の指揮や作戦の立案という能力がまずいものだっていう自覚があるのだけれどね。こんなにも昏いとは思っていなかったんだ」

第5戦隊青葉「むむ……もしさっきの作戦も司令官が違うと思っているのなら愚策なんですよ。間違いありません! 戻って作戦を練り直させましょう」

第5戦隊司令官「うん、うん。けどね、提督君は絶対に私よりもそこらへんの能力はある男なんだよ。少将君の姿も最初は功に逸っていると思ったけれど、彼が言うならばあれも才気あふれる者の自信というものなかもしれないね」

第5戦隊青葉「いえ、司令官はこの艦隊の責任者なんですよ? あなたの意見が一番正しいんです。もっと自信をもってくださいよ:

第5戦隊司令官「いやいや、私は自分の身の程を知っているさ。提督君が肯定しているのに私みたいなのがずっと反対しているわけにはいかないだろ。すっかりと自信がなくなってしまった、これ以降は彼らに任せるべきなんだろうね。彼らなら本当に敵を撃破してしまうかもしれないよ?」

第五戦隊青葉「そんなわけ――」

第五戦隊司令官「いや、いい。私は少し寝るからあとは自由にしてくれ」

第五戦隊青葉「……はい」
944 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/15(金) 08:22:40.41 ID:N3QXuFNtO
久しぶりだというのに少将くんはさぁ……
945 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/15(金) 18:08:56.52 ID:4A6deNJNo
おお!
更新乙です
946 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/20(水) 20:57:09.85 ID:3pyswFb8o
更新乙
気付くのが遅れて悔しい
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/26(火) 10:40:20.74 ID:3+5z+9/F0
本当に、本当に嬉しい。こんなに嬉しいと思ったことはいつ振りだろうか
ゆっくりで良い、ほんの少しずつで良いから、イッチの想う世界を見せてくれないだろうか
本当に自分はイッチのこと大好きなんだって心の底から思ったよ
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/08/23(日) 20:56:24.44 ID:VUFHa0Ue0
[sage]

保守
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/30(金) 11:15:58.01 ID:lncw9u83O
先週このスレを見つけて仕事中にも読みふけってようやくここまでたどり着いたのですが、登場人物が生き生きとしている素晴らしい作品だなと感じました。僕も一読者として、あなたの更新を待っています。お体に気を付けて、またいつでも気が向いたら筆を握って、ここで待つ大勢の読者にあなたの世界をぜひまた見させてください。
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/06(水) 08:32:00.36 ID:zjt7mU+iO
待ってる
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/01/23(土) 16:12:41.13 ID:H3GSFasH0
読み返してたけど、やっぱりハイライトは
蒼龍の「一人で行かせると絶対に後悔しますよ」発言の後に鈴谷の奇跡的な安価が炸裂するところだな
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/03/17(水) 02:42:30.38 ID:fGZCUpds0
[sage]

まだ待ってる
953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/03/17(水) 03:03:28.61 ID:e1C6GO6e0
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954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 01:02:51.02 ID:eeIuhXbv0
Twitterも止まってしまったな
955 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/07(火) 21:20:52.57 ID:GEhsUc1u0
つい覗きに来てしまう。どうか息災であって欲しい
956 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/26(日) 20:00:57.30 ID:Iw1jr8Cq0
ハーメルンで  艦隊これくしょん 数字の底にあったもの
というタイトルで加筆修正したものを書いているようです。
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/09(土) 20:44:21.42 ID:cf45zAmr0
目出度いねえ
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/07/13(水) 17:57:41.93 ID:miC+eUpe0
うーん
959 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/14(木) 04:25:09.32 ID:MHPO0yq50
リメイク版では提督が既婚者ってマジ?
960 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/08/23(火) 15:54:51.63 ID:2QSJD/E70
>>956有難う御座います。本当に有難う御座います
また>>1の書く文字が見れて本当に、心の底から嬉しかった
これからもどうか息災であって欲しい
961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/25(木) 23:44:05.45 ID:hRgzLh1R0
ハーメルンの更新は停滞中ですが、Twitterでは数日おきにダイスを振って感情度を決めているようです。(最近ついに共依存(強)がでました。)本編での登場はかなり先でしょうが楽しみです。
962 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/08/21(水) 00:34:45.73 ID:4Fv6Z2poO
Twitter探してるけどどこにもない…
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