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【艦これ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 五隻目【安価・コンマ】

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639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/03(月) 10:02:53.41 ID:WrOmGYtEo
最新レス読んで思ったんだけど、赤城の味覚かなり鈍くなってるんかな
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/03(月) 14:48:18.92 ID:E6weOek+0
味覚が鈍いではなく、味覚に興味が無い様に俺は感じるな
ストイック的な感じ
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/03(月) 16:02:51.23 ID:zK3bxYM3O
味覚を楽しむフリが面倒臭くなってそう
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/03(月) 20:05:50.45 ID:3FGcMYle0
>>1
ちなみに次の艦娘安価とるタイミングって言ってたっけ?
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/03(月) 20:08:27.56 ID:/9BmK22+O
言ってないけどまだまだ先
佐渡の前くらいじゃない
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/04(火) 07:25:24.43 ID:E3yGZo+mO

なんかよく分からんけど新しい提督は艦娘が自分を嗤ったから[ピーーー]ことにしたわってことか……?
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/19(水) 09:06:43.67 ID:RnMjQo3Mo
>1
好きなことをして、ゆっくり休んで下さい
646 :空谷の跫音U ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/06/29(土) 01:40:11.89 ID:vgEpN7BH0


 ――14:35――

 京〇閣競輪場


?「おま【ピー!】!! させぇ!! つっこむめ! 足がもげても行けぇ!! 踏ん張らんと46p砲をてめぇの家にぶち込むぞ!!」

南方陸奥「はぁ……」

提督「閣下、失礼します」

南方海域司令官(以下、南方)「うるせぇ! 今いいところ――あああああー!! ふざけんじゃねぇよ! 三万がパーじゃねぇか!! おま【ピー!】!! 陸奥、ぶっぱなせぇ!!」

陸奥「はい、はい。それよりも自分で呼んだんだから提督さんのお話をきいてあげたら?」

南方「あぁぁ!?」

提督「おひさしぶりです」

南方「おう! よく来たな坊主! 財布出せ!」

提督「……はっ。どうぞ」

南方「ひぃ、ふぅ、みぃ……結構、もってるじゃねぇか」

提督「閣下がここに私をお呼びになられたので準備はしてまいりました」

南方「へっへっへ……ものわかりのいいのは好きだぜ? そんじゃあ10万かりとくわ」

提督「ご随意に」

鈴谷「うえっ!?」

南方「あん? うるせぇぞ、ねーちゃん! ちゃんと利子付けてかえしてんだよ、外野がうだうだいうんじゃねぇ!」

鈴谷「ご、ごめんなさい……」

南方「ふん! で、なんだいこのねーちゃん。お前のこれか?」コユビ、タテ

提督「……いえ、ここにわたしが呼ばれた原因の代表です」

南方「ああ、なんだ、艦娘かよ。そりゃあだめだ。艦娘つーのは筋肉ばっかりついて抱き心地がわるくてな」

南方陸奥「悪かったわね!」

南方「はっはっは……! よっしゃ、次のレースはでかいからな、お前も賭けろ! 勝ったら一緒に風呂屋いくぞ!」

提督「……レースだけはお付き合いします」

南方「よっし! さて何番にすっかな。あれがこうきて、これがこうで……」ブツブツ

提督「はぁ……」

南方陸奥「ごめんなさいね? 嫌ならちゃんと私からいってやめさせるわよ?」

提督「余計なお世話だ。鈴谷、ついてこい」

鈴谷「う、うん」
647 :空谷の跫音U ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/06/29(土) 01:48:46.87 ID:vgEpN7BH0


――――――

 
 京〇閣競輪場 売店


提督「これで」

おばちゃん「あいよー」

提督「ちっ。なんで新聞まで買ってこんなことをせねばならんのだ……」ブツブツ

ワー、ワー! ……ワー!

鈴谷「……」キョロキョロ

提督「なにをしている! おいていくぞ!」

鈴谷「ご、ごめんなさい」

提督「まったく……。お前、好きな数字はあるか?」

鈴谷「え? 数字?」

提督「そうだ。つきあわんと閣下のご機嫌を損ねるからな、適当に買うぞ」

鈴谷「……お金、賭けるんですよね? そんなのもったいないと思いま――」

提督「全くだ! 馬鹿馬鹿しいことこの上ない!」

鈴谷「え? それならかわなくていいじゃn――いいんじゃないですか?」

提督「閣下のご機嫌を損ねるといっているだろ! 見た目通り、頭は空っぽか!」

鈴谷「そんな風に言わなくても……」

提督「はぁ……宮仕えのつらさというものだな。ほら数字を言え」

鈴谷「じゃあ、7で」

提督「ななぁ? ……三番人気か。まぁ、いい。あとは2と……二車単は流石にな……二車複で5000円……いや、閣下が納得せんか。一万円っと」

鈴谷(うわぁ……一万円もつかっちゃうんだ。もったいなぁ……)

提督「……なんだその眼は?」

鈴谷「!? な、なんでもないです!」

提督「……一応は公営だ。ドブに捨てるわけではない。お国のためにもなるはずだ」

鈴谷「へ?」

提督「なんだ?」

鈴谷「なんでもないです!」

鈴谷(?? なんか話してて思ったけどこの人、ちょっと考え方がズレてるのかも)

提督「それでは発券機によって帰るぞ」

鈴谷「はぁ」

提督「気のない返事をするなとなんどいわせる! はっきりとしろ!」

鈴谷「は、はい!」

提督「ふん!」

鈴谷(やっぱり普通に嫌な人だ……)
648 :空谷の跫音U ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/06/29(土) 01:54:49.71 ID:vgEpN7BH0


――――――


南方「おう! ……って、もう買ってきたのかよ」

提督「はい。帝國軍人たるもの即断即決が旨ですので」

南方「はっはっは……なるほどな! いいこというじゃねぇか。よっし、それならワシもそうするか。陸奥、これで買ってこい」

陸奥「……またこんな買い方するの?」

南方「おう! 勝負だ、勝負! 三連複と三連連で10万よ!!」

陸奥「はぁ……」

南方「で、お前さんは何を買ったんだよ?」

提督「2−7の二車複を一万円分です」

南方「へぇ、わかってんじゃねぇか。わっはっは……けどまぁ、小僧じゃあそんなもんだわな」

提督「恐縮です」

南方「はっはっは……で、おまえさんはどうしたい? 一応、艦娘のねーちゃんにもきいとくけどどうなんだよ?」

鈴谷「? ええっと、そのどういうこと――」

提督「……艦娘の意見など考慮する必要はないかと」

南方「はぁ……けどよ、相手が艦娘だって言っても自分たちの処遇に対しての要望ぐらいは聞いてやっても罰は当てらねぇと思うぜ?」

提督「個人の希望よりも戦局を優先すべきと愚考いたします。艦娘の希望などいちいちお耳に入れる必要はないかと」

南方「そんなんじゃ、いつまでたっても艦娘と強い絆は結べそうにねぇな」

鈴谷(うん、絶対に無理そう)マガオ

提督「……失礼いたしました」
649 :空谷の跫音U ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/06/29(土) 02:06:49.39 ID:vgEpN7BH0

南方「小僧も納得したようだから聞くけど、ねーちゃんはどうしたいんだ?」

鈴谷「その、話の流れが……」

南方「ああん? 話しのわかんねぇ奴だな。今後、お前さんたちはどうしたいかってことだよ」

鈴谷「どうしたいのかといわれても……あのどんな選択肢があるんでしょうか?」

南方「あ? 面倒だな。おい、小僧」

提督「はっ。一度しか言わんので心して聞くように」

鈴谷「はい」コクッ

提督「まずお前たちのもとの指揮官は北方海域司令部の所属であったので北方に行くというのが一つだ。次に閣下の南方海域司令部の直属になるという選択肢がある。最後になったが私の鎮守府にとどまるということも勿論、可能だ」

鈴谷(そういわれても――)

鈴谷「す、すみません。私にはどうするのがいいかわからないです……」

提督「やはりこいつらの頭ではそこまでのことは考えられんようですな」

鈴谷「……むぅ」

南方「なぁ、小僧、お前さんわしの話はきいてたよな?」

提督「勿論です。しかし、すぐにでてこない希望など聞く意味もないでしょう」

南方「はぁ……もういい。で、小僧の意見はどうなんだ?」

提督「はっ! このまま鎮守府の戦力として正式にすべての艦娘を配置していただければ幸いです」

南方「……そりゃあそうだわな。しかし、最新鋭の戦艦1隻に軽巡洋艦1隻。これだけでもありえないほどの増強だぜ? そこに重巡洋艦と潜水艦なんてちょっとよくばりすぎってもんじゃねぇか?」

提督「私にお預けいただいている鎮守府は最南方の要と自負しております。ブルネイ、マニラ、サーモン諸島に建設された基地の全てを援護するためには戦力はいくらあっても過剰とは言えないと思います」

南方「まぁ、西方もこっちに援軍要請するときは小僧を必ず指名するしな。二方面に展開することを前提とすれば過剰ともいえんか」

提督「ご理解いただければ幸いです」

南方「まぁ、その辺は元帥の野郎にはよくよく伝えておいてやるよ」

提督「ありがとうございます」

南方「なぁ、あんなクソ爺だってお前が戦死するのを望んでるわけじゃ――」

提督「閣下、お言葉を遮るようですが私はそのようなことは一切考えておりません」

南方「……そうか」

鈴谷「?」

鈴谷(どうしたんだろ? なんか雰囲気が変わったような――)

南方「はぁ……陸奥の奴、おせぇなぁ。なぁ、ねぇちゃんもそうおもわねぇか?」

鈴谷「!? え、ええっと」

南方「きっと屋台でなんか買い食いしてやがるんだな。腹の出る格好してるくせに馬鹿な奴だよな?」

鈴谷「そ、そんなことはないと思いますけど……」

南方「はぁ? ねぇちゃんには聞いてねぇよ。いきなりどうした?」

提督「申し訳ありません。こいつは察するということができないようでして……」

南方「そうか、そうか。それよりも小僧の車券だけど当たると思うぜ? なんたって俺の読み通りだ」

提督「ありがとうございます」

鈴谷「えぇ……」

南方「それより本当におせぇなどっかで若いの捕まえてしっぱりと――ポカッ!――あ、いてぇ!?」

南方陸奥「なんてこといってんのよ!」

南方「てめぇがおせぇのが悪いんだろ! へっ、俺ならこんだけ時間あれば女の一人二人捕まえてきてんぜ? ガハハ……!!」

南方陸奥「はぁ……はい、はい。それより買ってきたわよ」
650 :空谷の跫音U ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/06/29(土) 02:10:11.13 ID:vgEpN7BH0

南方「おう! へっへっへ……ここで当てて逆転よ! おま【ピー!】!!」

鈴谷「……」ゼック

南方「レース前の景気づけだ! お前らも叫べ! おま【ピー!】!!!」

提督「……」

南方「おま【ピー!】!! ……んだよ、ノリがわりぃいな」

提督「申し訳ありません。閣下のご命令とあれば何であっても努力はいたします。しかし、帝国海軍の品位を貶めるようなことはいたしかねます」

南方「ちっ! つまんねぇな。おい、陸奥、ビール買ってこい!!」

南方陸奥「……おつまみはどうするの?」

南方「唐揚げ」

南方陸奥「わかったわ。さ、あなたも一緒にいきましょう?」

鈴谷「え? 私もですか?」

南方陸奥「いくらあなたのところの提督さんがいてもこんな人と一緒にいたらセクハラされるわよ?」

鈴谷「えぇええ!?」

南方「おうよ! よけりゃあその乳、揉ませてくれや!! ガハハ……!!」

鈴谷「陸奥さんと一緒に行ってきます!」

南方「んだよ、つまんねぇ」

提督「……おい、鈴谷」

鈴谷「は、はい! な、なんですか?」

提督「これでなにか好きなものでも食べてこい」

鈴谷「え……いいの?」

提督「好きにしろ」

鈴谷「あ、はい」

陸奥「ふふ、よかったわね。それじゃあいきしょう」

鈴谷「……はい」
651 :空谷の跫音U ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/06/29(土) 02:18:10.14 ID:vgEpN7BH0


――――――


南方陸奥「さぁ、鈴谷ちゃんはなにがたべたいの?」

鈴谷「それよりもビール買ってすぐに帰らないと怒られるんじゃないですか?」

南方陸奥「ああ、あの人は外でお酒飲まないから買う必要ないわよ」

鈴谷「えぇぇ!? それならどうして――」

南方陸奥「あなたの提督さんと二人でお話がしたいってこと。ふふ……人払いぐらいは海軍らしくスマートにしたいらしいわよ?」

鈴谷「は、はぁ……」

鈴谷(だから、あの人もお金くれたんだ……)

南方陸奥「ふふ……あの人たちといるの大変だったでしょ?」

鈴谷「そ、そんなことないですよ……あはは……」

南方陸奥「笑顔、ひきつってるわよ」

鈴谷「うっ。ちょっと大変でした……」

南方陸奥「ふふ、正直な子ねぇ。なにか買ってから私たちもお話しして時間つぶしましょう?」

鈴谷「は、はい」
652 :空谷の跫音U ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/06/29(土) 02:20:42.95 ID:vgEpN7BH0


――――――


鈴谷「……」ハムハム

南方陸奥「このドーナッツ、美味しいわね」

鈴谷「は、はい」

鈴谷「……」

陸奥「……」

鈴谷(き、気まずい。海域司令部の秘書艦さんとなには話せばいいのかなんてわかんないし……)

南方陸奥「……ああ、そうだ。金剛は元気にしてる?」

鈴谷「え? 金剛さんとお知り合いなんですか?」

南方陸奥「ええ、建造されたのがほぼ同期なのよ。そろそろあのテンションもおちついたのかしら?」

鈴谷「あ、ははは……金剛さんはいつも元気いっぱいですね」

南方陸奥「ふふ、それは良かったわ。あの子も……」ボソッ

鈴谷「? ごめんなさい。最後のほう、聞こえませんでした……」

南方陸奥「ううん、なんでもないわ。気にしないで」

鈴谷「は、はぁ」
653 :空谷の跫音U ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/06/29(土) 02:24:00.77 ID:vgEpN7BH0

南方陸奥「ふふ……それよりもあなたのところの提督さんって可愛いわよね」

鈴谷「は、はぁ――ん? えぇぇ!?」

南方陸奥「うふ、冗談よ、冗談」

鈴谷「そ、そうですよね。ちょーびっくりしたぁ……」

南方陸奥「そんなに驚くことかしら。子供のときなんかは本当にかわいかったのよ? いっつも――」

鈴谷「子供の時のことなんて知らないですけど、今はこれっぽちも可愛くないです! いっつも私のことも馬鹿にするし……」

南方陸奥「男の子っていうのは素直じゃないのよ? 案外、あなたのことが気になってるだけだったりして」

鈴谷「いや、そういう次元じゃないですって……」

南方陸奥「あらあら」
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 06:13:08.63 ID:1IxxoptbO
え、こんな話題が出るってことは子供の頃からの知り合いなのかこの人達……
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 12:52:34.88 ID:YaqiMbfMo
南方陸奥さん一つ上の代から現役なのか
656 :空谷の跫音U ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/06/30(日) 00:59:21.56 ID:k/baBHcO0


――――――


 一方、そのころ


ワー!ワー! ソコダー!

南方「そこだ! そのまま! そのまま! 余計な事すんじゃねぇぞ、おま【ピー!】野郎ども!! おま【ピー!】!!!!」

提督「……そのままだ、そのままいけ」ボソッ

 ワー! ワー! ワー!

南方「おっしゃあ!!!」

提督「……馬鹿な」

 ワー! ヤッター! フザンケンナー! ワー!! ワー!!

南方「ざまぁみやがれぇ!! こん畜生!! おま【ピー!】!!!!! ガハハ……!!!」

提督「当たった……?」

南方「んだよ、小僧もあたったんだろ? 喜べよ!」

提督「は、はい」

南方「嬉しいならなんでもいいから叫べぇ!」

提督「は、はい! う、うおー!」

南方「ちいせぇ!!」

提督「うわぉー!!!」

南方「ガハハ……!!」
657 :空谷の跫音U ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/06/30(日) 03:25:20.10 ID:k/baBHcO0


――――――


南方陸奥「そろそろレースも終わっただろうしかえりましょうか。ほうっておくとあの人、なにするかわからないし、ね」

鈴谷「えっと、大変ですね」

南方陸奥「ええ。本当に大変なのよ」

鈴谷「あ、はは……」

南方陸奥「……まぁ、でもあんな人でもいいところもあるのよ?」

鈴谷「! そ、そうですよね。ごめんなさい、調子にのっちゃって……」

南方陸奥「ううん、私こそ責めるようなことをいってごめんなさい。そういうつもりでいったんじゃないのよ?」

鈴谷「は、はい」

陸奥「……私が建造されたときっていうのは艦娘の運用についてまったく確立されてなかったの。だから、全部が手探り」

南方陸奥「いきなり人類の前に現れた妖精さんが作った兵器」

南方陸奥「それも今までの兵器を無効化してしまう深海棲艦という敵に対して唯一、有効打を与えられる感情を持った兵器」

南方陸奥「そんな私たちがどんなふうに扱われたと思う?」

鈴谷「うっ……そ、それは――」
658 :空谷の跫音U ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/06/30(日) 03:47:59.48 ID:k/baBHcO0

南方陸奥「ふふ……ごめんなさい。意地悪しちゃったわね」

鈴谷「――え?」

南方陸奥「あなたがきっと想像したようなひどい目には私たちは合わなかったのよ」

鈴谷「ほっ……よかったです……。昔は艦娘をつかった実験があったなんて話きいてたから、つい」

南方提督「ええ、そういう事実もあったかもしれないわね。でも私と同じころに作られた子たちは今の元帥さんやうちの人がいろいろと頑張ってくれたから沈むにしても満足して笑顔で散っていったわ」

鈴谷「満足して沈む、ですか?」

南方陸奥「ええ、刀折れ矢尽きても剣林弾雨を掻い潜って最後まで国民だったり好きな人のために戦えたから」

鈴谷「……」

南方陸奥「うふふ……納得いかなそうな顔してるわね?」

鈴谷「ごめんなさい……。でも、またあのくらい海の底に帰るのに笑顔でなんて想像できなかったから……」

南方陸奥「そうでしょうね。私もずっとあの人と馬鹿やっていられるのならきっとそれが一番、幸せだと思うわ」

南方陸奥「でもね、わたしもあの人を守るためならきっと迷いなくこの身を投げ出せるわ」

南方陸奥「……あんな人だからどんなふうにいい人なのか説明しづらかったから私の気持ちを話しちゃったけれど、あの人が少しは『いい人』なのかとなのか少しわかったかしら?」

鈴谷「……はい。陸奥さんみたいにすごい艦娘でもそんなふうにおもえるような人なんだってわかりました」

南方陸奥「ふふ……それはよかったわ」

鈴谷「……」ポー

南方陸奥「あら? 私の顔に何かついているかしら?」

鈴谷「いえ、きれ――」

南方「お! 居やがった! おい、探したぞ! 陸奥! 大当たりだ! かえって酒飲むぞ!」

南方陸奥「はぁ……ごめんなさいね。また後でお話ししましょう」

鈴谷「は、はい」

南方「当分は豪遊だな! 豪遊! 好きなもん買っててやるぞ!」

南方陸奥「はい、はい。どうせすぐに溶けちゃうと思うから期待しないで待ってるわね」

南方「ガハハ……!!」

鈴谷「……」
659 :空谷の跫音U ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/06/30(日) 04:36:45.25 ID:k/baBHcO0

提督「……どうした?」

鈴谷「きゃ!?」

提督「上官に声をかけられてその対応というのはどうかと思うがな」

鈴谷「ご、ごめんなさい!」

提督「それで閣下のほうをじっと見ていたがどうした?」

鈴谷「え? その、いいなって思って……」

提督「……異動したいということか?」

鈴谷「そういう意味じゃないし……」

提督「は? では、どういうことだ」

鈴谷「陸奥さん、楽しそうだなって思っただけだs――です」

提督「慣れん言葉遣いはやめろ。私ははきっりと喋れば艦娘の言葉遣いなど気にせん」

鈴谷「え? おこらない?」

提督「くどい。龍驤のおかげで慣れん敬語を使われても気分が悪くなるだけだと分かったからな」

鈴谷「は、はぁ」

提督「言葉遣いはどうでもいいといったが、そのようなあいまいな返事はやめろとなんどもいっているだろ!」

鈴谷「うっ……ご、ごめんなさい」

提督「この程度で委縮するな。面倒な奴だ」

鈴谷「ぶー……そういうふうにいうのがわるいんじゃん……」ボソッ

提督「で、先ほどの言葉だがどういう意味でいったのだ」

鈴谷「いや、あの二人がとっても仲良さそうだから……いいなって――思ったんです」

提督「だから、そのとりつくったようないいかたを止めろといっているだろ! ちっ、まぁいい。しかしそういうことか」

鈴谷「さっきも陸奥さんすっごい綺麗だったんで――だよ……」

鈴谷(私もあんなふうに誰かのために頑張れるようになれるのかな……?)

提督「私はあれは好かんがな」ボソッ

鈴谷「え? どうしてです――」

提督「……」ギロッ

鈴谷「――どうして?」

提督「……忘れろ。余計なことをいった」

鈴谷「う、うん」
660 :空谷の跫音U ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/06/30(日) 04:42:40.73 ID:k/baBHcO0

提督「はぁ、帰るぞ。説明は終えた」

鈴谷「あの、それなら私たちってどうなるの?」

提督「ご納得いただけたようなので残念ながらお前たちは私の鎮守府に残留することになるだろうな」

鈴谷「そうなんだ」

提督「今更、嫌だなどというなよ」

鈴谷「別にそういうわけじゃないし……」

提督「なら黙って――」

南方「小僧!」

提督「――はい。いかがいたしましたか?」

南方「雀荘いくぞ! 雀荘!」

提督「……畏まりました」

南方「ワシの豪運を見せつけてやるから楽しみにしてろよ! ガハハ……!!」

提督「閣下のご武運をおもいますとお手柔らかにお願いします」

南方「おうとも! しかし、こうも大きく勝った日は普通に金を賭けるのはおもしろくねぇな」

提督「?」

南方「さて、どうすっかな……よし決めた!」

提督「私に出せるものは限られております――」

南方「お前、この艦娘賭けろ」

提督「は?」

鈴谷「え?」

提督「し、失礼しました! か、閣下、しかし、先ほどのお話では――」

南方「お前は中将。俺は大将。しかも直属の部下だ」

提督「そ、それはそうですが……賭け事で戦力の分配を決めるなどあってはならないかと」

南方「馬鹿言うなよ。それをきめんのは俺だ」

提督「うぐっ……ぐぐぐ……」

南方「……おい、返事は一つしかねぇだろ? 違うか?」

提督「か、かしこまりました……」

鈴谷「ちょっ!?」


 空谷の跫音U 艦
661 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/06/30(日) 05:00:03.11 ID:k/baBHcO0
空谷の跫音U 艦です。

正直、麻雀編まで突っ込むか迷ったけど文字数も文字数だし切りました。
申し訳ありません……。

遅くなって大変、恐縮ですがいただいたレスに返事させていただきます。

>>635
ご意見、ありがとうございます。少しだけ残しました。
【ピー!】こんな多用するキャラはもう増えないはず……

>>637
赤城見てると3スレ目のIF編が本編にっ……!

>>638
(かわ)いい

>>639-641
味覚は赤城編で掘り下げていきます。

>>642
ツイッターで呟きましたが日向編の前に安価やります。

>>644
轟沈関係するブラック鎮守府はアレな描写なのでできるだけぼやかしてますが、そういうことです。

>>645
ありがとうございます! 八月からのこと思うといろいろと胸が躍ります!

>>654
そういうことです。
金剛編で詳しくやる予定。

>>655
鈴谷からすると20年近く前に建造されてるのでだいぶ上の世代ですね。
662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 07:45:28.92 ID:6QBBwbPXo
乙でした
運も実力の内ってやつか
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 17:36:45.81 ID:XdPgIwAEO

上司と麻雀とか勝っても負けても面倒くさそう過ぎて心底ご遠慮したいわ……私的なつながりがある分提督はまだマシなんだろうけど
664 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/06/30(日) 21:01:52.91 ID:k/baBHcO0
>>1です。
本日の更新ですが、22時からをよていしています。
投下前に阿賀野のコンマとりますのでご協力いただければ幸いです。

>>662
?「運を引き込むのは力。力を引き出すのは運。力と運ってのは 言わばコインの表と裏さ」

>>663
うちの場合は案外、上司と卓をかこむのも楽しかったです。……レートはいいなりになるけど。
本編では私的なつながりがあるからこそってなる予定。
665 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/06/30(日) 21:59:39.00 ID:k/baBHcO0
それでは更新していきます。

提督から阿賀野への感情度↓コンマ以下
阿賀野から提督への感情度↓↓コンマ以下
666 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 22:00:13.13 ID:ZGcTykKn0
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 22:00:15.15 ID:F9Oj6A3uo
目玉
668 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/06/30(日) 22:02:56.72 ID:k/baBHcO0
うーん、揃って低調。挽回なるか。
感情度が20以下です。好感度コンマに移行いたします。

提督から阿賀野への好感度↓コンマ以下
阿賀野から提督への好感度↓↓コンマ以下
669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 22:04:56.19 ID:DsErCaCDO
はい
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 22:04:59.31 ID:ZGcTykKn0
671 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 22:04:59.70 ID:uqgij9EH0
へい
672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 22:08:04.92 ID:O/lWfFZgo
鈴谷とは対極
673 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/06/30(日) 22:08:17.64 ID:k/baBHcO0
ご協力ありがとうございました。。
これは……スレタイ通りの関係になりましたね。

阿賀野にこの数値出されるってなにしたんや……。


提督から阿賀野への感情度:13
提督から阿賀野への好感度:19

阿賀野から提督への感情度:15
阿賀野から提督への好感度:31
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 22:19:18.56 ID:F9Oj6A3uo
散々だらしない腹と罵られたに違いない
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 22:21:03.54 ID:rFQT4mOao
なお微増
676 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/07/03(水) 02:38:46.00 ID:6elkmXIp0
五十鈴編書いててこの世界の海軍の組織図がいるのかなと思ったので作りました。
本編はちゃんと書いてるのでこっちが手抜きなのは許してください!
()がSS内で登場した際の名前表記、【】がその組織の簡単な担当説明です。

ttps://kennakuteitoku.imgur.com/all/?third_party=1
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 07:48:19.31 ID:+TXqnFbbo
リンク間違ってませんか?
678 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/07/04(木) 04:02:39.55 ID:XumQRJoM0
組織図のリンクを間違えていました。
大変申し訳ありません。

正しくはこちらになります↓
ttps://i.imgur.com/iZCgAdU.jpg


>>677
ご指摘ありがとうございます!
679 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/04(木) 04:21:10.94 ID:HVTyUHke0
>>1は個人的に加賀さんが好きって話は前に見たけど、この作品の登場する艦娘で一番気に入ってる娘はどの娘ですか?
680 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/07/04(木) 04:42:10.74 ID:XumQRJoM0
>>679
皆、色々と思いれもありますので好きですので一番といわれるとちょっと難しいかもです。
ただあえて挙げるなら現状では陽炎ですね。そのせいでちょこちょこ無理くりねじ込んでます。

余談ですがまだ書けてないところまで含めるなら金剛、神通、間宮さんあたりです。
コンマ取ってないけど設定は作ってる子までいれると青葉とか扶桑姉さまです。
681 :五十鈴のなく頃にW ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/07/07(日) 03:19:20.06 ID:ONjQyyRo0

 XX11年 5月

 ――19:15――

 日本 軍令部 提督執務室


提督「……」ウロウロ

五十鈴「……」

提督「あ」

五十鈴「……こんどはなに?」

提督「お茶請けを用意し忘れていた。間宮のところに行ってなにかもらってくるので待っていてくれ」

五十鈴「はい、はい」

提督「うむ。すまないな」

五十鈴「……嬉しそうにしちゃってバカみたい」ボソッ

提督「? なにかいったか?」

五十鈴「何にもいってないわよ! それよりも早くお茶菓子持ってこないと鹿島が来ちゃうよ!」

提督「う、うむ。しかし、君があの鹿島と知り合いだったとは驚いた」

五十鈴「別に。向こうが一方的に話しかけてくるだけだっていってるじゃない」

提督「はは……そうか、そうか」

五十鈴「何がおかしいのよ。それよりも約束の時間まであと10分だけど?」

提督「ああ、そうだな。私のことは気にせず二人で談笑でもして待っていてくれ」

五十鈴「……」

提督「ああ、お茶の場所は――」

五十鈴「わかってるわよ! 早くいきなさいって!」

提督「はっはっは……すまん、すまん」

 バタン

五十鈴「……こんなことになるなら来てもいいなんて言わなきゃよかった」
682 :五十鈴のなく頃にW ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/07/07(日) 03:44:21.20 ID:ONjQyyRo0


 ――――――



 同日

 ――12:15――

 日本 軍令部 艦娘用食堂


五十鈴「……」モグモグ

鹿島「今日もお隣いいですか?」

五十鈴「……好きにして」

鹿島「はい!」ニコニコ

五十鈴「それにしてもあなたも物好きよね。五十鈴と一緒にご飯食べても面白いことなんて一つもないでしょうに」

鹿島「そんなことないですよ? いっつもためになるお話聞かせてもらってますし」

五十鈴「そう」

鹿島「はい!」

五十鈴「……」モグモグ

鹿島「あ、そういえば今日、五十鈴さんの訓練見てたのって――」

五十鈴「! あの人が五十鈴の提督よ」

鹿島「――え? それならいつも五十鈴さんがお話ししてたのってあの人なんですか?」

五十鈴「そうよ。色々と五十鈴のために考えてくれてるの、すごいでしょ?」

鹿島「は、はぁ」

五十鈴「なによ、その期のない返事」

鹿島「いえ、その……」

五十鈴「はっきりいいなさいよ」

鹿島「……わたしも昔、あの人の指揮下にいたことがあったので」

五十鈴「そうなの?」

鹿島「ええ、その時はまだ少佐でしたけど」

五十鈴「ふーん……。ねぇ、それならあなたからみたあの人ってどんな風なの?」

鹿島「どんな風っていわれても……」

五十鈴「あの人のことだからきっと色々とあったんでしょ? 教えなさ――」

鹿島「やめてください!!」

五十鈴「え……」

 ざわ、ざわ……ざわ……

鹿島「ご、ごめんなさい! あの、その、私、その――」

五十鈴「べ、別に構わないけれど……」

鹿島「うぅ……」
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 21:40:54.66 ID:KXtJ3bDNo
愛想のある提督とか天変地異の前触れか!?と思ったが名前欄見て納得した
684 :五十鈴のなく頃にW ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/07/09(火) 02:03:13.18 ID:Msk7BzqU0
>>683
本編から7年前の出来事ですのでまだ提督もまともなころです
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/09(火) 20:09:05.63 ID:P9s16RTFo
今はまともで無いと>1に明言される主人公
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/09(火) 20:14:56.27 ID:FLzF57Jso
残当
687 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/20(土) 20:54:26.12 ID:tI7z63/m0
陽炎を描いてみました
イメージを損なう可能性があるので、閲覧にはお気をつけ下さい

ttps://dotup.org/uploda/dotup.org1901562.jpg

めっちゃ簡易な差分
ttps://dotup.org/uploda/dotup.org1901563.jpg


提督を語ってる時の陽炎めっちゃ可愛い
688 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/20(土) 21:01:34.47 ID:tI7z63/m0
あ、今までにスレに貼った画像は>>1さんなら好きに使ってもらって大丈夫ですよ
わざわざアイコンにして頂いて嬉しかったです
これからも更新楽しみにしてます!
689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 21:55:17.37 ID:X27bQjuW0
お前この線のクオリティは相当書いてるやつだな?
シブあったらいいんさい
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 23:49:24.98 ID:CG33xPwzo
支援乙
2枚目が特にいい
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 06:33:19.21 ID:cnQ+G+cOO

いつの間にか更新増えてて嬉しい
やっぱこのSSは俺にとって癒しなんやな、って再確認
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/26(金) 03:49:57.55 ID:Um5cr4zw0
支援乙
俺も提督語録翻訳精度向上会議の話めっちゃ好き
693 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/01(木) 03:07:42.99 ID:6idBCLA+0
結構な期間開けてしまい申し訳ありませんでした。
今の会社辞めることになりましてその引継ぎとかでバタバタしていました……
10月までは無職になりますので8月3日からは日曜以外は日曜以外は毎日更新できればと思っています。

>>687>>688
ありがとうございます……ありがとうございます……!
感謝の言葉が大変、遅れてしまい申し訳ありませんでした。
……その上、図々しいお願いではあるのですが拝見出来なかったのでもう一度上げていただければ本当にありがたいです。
冗談でもなく私にできることであればなんでもしますから!

アイコンのご許可ありがとうございます! 本当にいただきましたものは家宝です。

>>691
そんなふうにおっしゃっていただけると……本当にありがたいです。
癒し要素薄い作品ですがこれからものぞいていただければ幸いです。
694 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/01(木) 03:39:20.39 ID:6idBCLA+0


 ――13:00――


  日本 軍令部 艦娘用食堂前


鹿島「五十鈴さん、さっきはごめんなさい……」

五十鈴「別にいいわよ。気にしてないわ」

鹿島「……」ジーッ

五十鈴「な、なによ?」

鹿島「あの――ですか?」ボソッ

五十鈴「? 小さくて聞こえなかったんだけれど」

鹿島「あ、いえ、その――」

五十鈴「はっきりいいなさいよ」

鹿島「うっ……そ、それじゃあ――あの、五十鈴さんって提督さんになにか弱みでも握られてるんですか?」

五十鈴「はぁ!?」

鹿島「だっておかしいじゃないですか! あの提督さんですよね!?」

五十鈴「そ、そうだけど……」

鹿島「だったらなんであなたみたいにまじめで優しい人があんな人を褒めえうんですか? おかしいですよ……」

五十鈴「むっ……! あなたのいってることのほうがよっぽどおかしいわよ! あの人は五十鈴のためにいろいろとしてくれて本当に感謝しているんだから!」

鹿島「……そんなはずありません」

五十鈴「決めつけないで! あなたに私とあの人の何が分かるのよ!」

鹿島「……」

五十鈴「……」

?「邪魔です」

鹿島「え……ひぃ……」

加賀「どきなさい。そこにたっていられると食堂に入れな――」

赤城「……もういいです。やっぱり面倒です」

加賀「し、しかし……お食事ぐらいはしっかりととった方が……」

赤城「いりません。戦場だけあれば結構」

五十鈴「はぁ?」

赤城「……なんですか?」

五十鈴「ちゃんと食べないと戦闘なんてできないでしょ。なにいってるのよ」

赤城「くふ……あなたのご武運をお祈りしてますよ」スタスタ

加賀「あ、赤城さん、まってください! あ、あなたたち、赤城さんをここに連れてくるまでどれだけ苦労したか――」

赤城「行きますよ」

加賀「は、はい……」

五十鈴「……なによあれ」

鹿島「い、一航戦のお二人ですよ。本当にびっくりしたぁ……」

五十鈴「ふーん」

鹿島「ふーんって……」

五十鈴「空母ってあの人が運用について色々と功績あったのしってる?」

鹿島「え、ええ」
695 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/01(木) 03:52:24.98 ID:6idBCLA+0

五十鈴「だからかなんか親近感あるのよね。私の対潜技術もそんなもんだし」

鹿島「……」

五十鈴「なによ、その顔」

鹿島「……やっぱりなんであんな人にそこまで肩入れするのが分からないんです」

五十鈴「あー、もう! なんどおなじやりとりするのよ! それなら今日の任務が終わった後にでも本人に会ってみればいいじゃない!」

鹿島「え?」

五十鈴「あってみればわかるわよ! 強面だけどいい人――うっ、あ、あなたが思ってるよりもいい人だって!」

鹿島「……分かりました」

五十鈴「へ?」

鹿島「今日の夜でしたら私も時間があります。ぜひ、もう一度だけお会いさせてください」

五十鈴「さ、さっきのは言葉の綾というか――」ゴニョゴニョ

鹿島「やっぱりなにかひどいことされたりしてるんですか?」

五十鈴「どうしてそうなるのよ!」

鹿島「だって私をあわせたくないんですよね?」

五十鈴「そ、そういうわけじゃないわよ。ただあの人の夜の予定を知らなかったから……」

鹿島「でしたら、確認して艦娘寮の364号室まで内線をください。ヒトハチマルマル以降でしたらお部屋にいますから」

五十鈴「……急に押しがおしがつよくなったじゃない」

鹿島「私は心配なんです。あなたがあの子みたいになるんじゃないかって」

五十鈴「わけわかんないわよ」

鹿島「わかっていただけなくても結構です」

五十鈴「うっ……わ、わかったわよ……」

鹿島「約束ですよ? お友達として」

五十鈴「……ええ」
696 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/01(木) 04:08:16.51 ID:6idBCLA+0


 ――15:30――

 日本 軍令部 提督執務室


提督「今日の夜の予定?」

五十鈴「そうよ。空いてる?」

提督「少し待ってくれ。ふむ……どうしてそんなことを聞く?」

五十鈴「理由なんてどうでもいいじゃない」

提督「そういわれてもな。友人と飲みにいくことになっている」

五十鈴「ほっ……それならあなたに会いたいって子がいるんだけど断っておくわね」

提督「私に? 龍驤ならこの間、飯を食いに行ったばかりだし――」

五十鈴「ちょっと」

提督「なんだね?」

五十鈴「ねぇ、龍驤ってだれ?」

提督「あ、ああ、昔、指揮を執っていた艦娘で――」

五十鈴「ふーん。今度からその娘に会うときは私をつれていくこと」

提督「? なぜ?」

五十鈴「い・い・か・ら!」

提督「う、うむ……。それで私に会いたいというのは誰なんだ? すまないが心当たりがない」

五十鈴「鹿島ってしってる? その子よ」

提督「……鹿島」

五十鈴「?」

提督「わかった。予定を空けておく」

五十鈴「!? ちょ、ちょっといいわよ、無理しないで」

提督「いや、あれ以来、会っていないからな。私から話をしておきたいこともある」

五十鈴「……」

提督「よければわたしのほうで返事をしておこう」

五十鈴「いいわよ! 私がする!」

提督「そ、そうか。すまないな」

五十鈴「ふん!」
697 :五十鈴のなく頃にW ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/01(木) 04:20:25.48 ID:6idBCLA+0


 ――――――


 ――19:25――

 日本 軍令部 艦娘用食堂


提督「すまない。間宮はいるか?」

間宮「はーい――って、提督さんじゃないですか! どうかしたんですか? ひょっとして私に会いに来てくれたんですか?」ニコニコ

提督「あ、いや、その、艦娘の舌に会うような茶菓子はないかと……」

間宮「ああ、それでしたらいくつもありますよ。なにがいいですか?」

提督「かんたんなものでいい」

間宮「そうですか? せっかくご一緒に食べるんですから豪華なもののほうがいいかなぁって思ったんですけれど」

提督「は?」

間宮「ああ、こっちのお話ですのでお気になさらず」

提督「う、うむ」

間宮「それなら間宮特性の羊羹があります! どうぞ」

提督「すまないな」

間宮「いえいえ」ニコニコ

提督「……それでは失礼する」

 バタン

間宮「ああ、私と提督のお茶会に誰が来るのかしら? 龍驤さんですか? それとも北号組の皆さん? あ、鹿島さんだったりします?」

間宮「楽しみだなぁ」

伊良湖「お皿片付けおわりま――? 間宮さん、嬉しそうですけれどどうかしたんですか?」

間宮「んー? 内緒」

伊良湖「??」
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/01(木) 07:45:41.21 ID:UJ/TlNEHo
おつです
提督が(比較的)まともだった頃か……すでにやべーのやべーみたいだが
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/01(木) 08:22:06.83 ID:B6CTbs4go

地雷原でタップダンスしてたらそら色々と歪むわな……
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/08/01(木) 14:41:42.70 ID:SQ31MH8e0
あらら、時間切れでしたか...申し訳ない;

ttps://dotup.org/uploda/dotup.org1910877.jpg

ttps://dotup.org/uploda/dotup.org1910878.jpg


勝手に描かせて頂いているので見返りだなんてとんでもない!
これからも楽しみにしていますねー!
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/08/02(金) 01:27:22.60 ID:wqc5RzOi0
乙です
その、これからが大変だから頑張れ……提督にしろ、イッチにしろ
702 :五十鈴のなく頃にW ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/08/03(土) 00:38:25.30 ID:ccNbJwr80
再開します。

>>698
赤城さんと加賀さんは今とは別ベクトルですが、間宮さんはこのころから間宮さんです。
さすがは無線検知艦だぜ!

>>699
現在進行形で同じようなことしてるから毎回、IFで死んでしまうという……

>>700
本当にありがとうございます!
可愛い! 今後ともこんな焦った顔をどんどんして欲しいです。(ゲス顔)

>>701
ありがとうございます。とりあえず次の職場行くようになるまでは全力で更新します!
提督は……うん、そうねぇ……
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/03(土) 00:46:27.64 ID:FQFZFapio
ふと思ったけど
間宮さんの盗聴器がフル活動出来てると言う事は
この鎮守府は防諜対策が皆無なのかも
704 :五十鈴のなく頃にW ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/03(土) 00:56:21.20 ID:ccNbJwr80


 ――19:30――

 日本 軍令部 提督執務室


 コン、コン

五十鈴「! どうぞ」

鹿島「失礼しま――あれ?」

五十鈴「あの人ならお茶菓子とりにいってるわよ」

鹿島「そうですか……」

五十鈴「え、ええ……」

鹿島「……」

五十鈴「……座ったら?」

鹿島「あ、はい。ありがとうございます」

五十鈴「別に。立って居られても落ち着かないでしょ」

鹿島「あはは……」

 ガチャ

提督「戻っ――もう来ていたか……」

五十鈴「遅いのよ、もう!」

提督「う、うむ」

五十鈴「? どうかしたの?」

提督「い、いや、そうだ、あれだ、うん……ひ、久しぶりだな」

鹿島「ー……はい、お久しぶりです提督さん」ニコ

提督「……うむ」

五十鈴「??」

提督「お茶を入れるので羊羹をくばっておいてくれ」

五十鈴「ええ、わかったわ」

提督「うむ」

提督「……」スタスタ

鹿島「……」ジーッ

五十鈴「……ねぇ」ヒソヒソ

鹿島「え!? は、はい!」

五十鈴「ちょっ!?」

提督「! ど、どうした!?」

五十鈴「な、なんでもないわ!」

提督「なんでもないという感じの声でも――」

五十鈴「いいから! ね!?」

鹿島「は、はい。なんでもないです」

提督「あ、ああ、そうか……」

五十鈴「なんて声出してんのよ!」ヒソヒソ

鹿島「ご、ごめんなさい」ヒソヒソ
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/03(土) 01:19:25.25 ID:wrL2Rhqfo
あんまり無理しないでね
706 :五十鈴のなく頃にW ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/03(土) 01:34:40.79 ID:ccNbJwr80

五十鈴「……まったく。でも、わかったでしょ? ちょっと挙動不審だけど普通の人よ、普通の人」ヒソヒソ

鹿島「……」

五十鈴「あなたが疑うみたいに私を脅したりしないわよ」

鹿島「……」

五十鈴「……あなたねぇ! いい加減にーー」

提督「ど、どうした!? さきほどから様子がおかしいがなにかあったのか?」

五十鈴「様子がおかしいのはあなたでしょ! なにをそんなに動揺してるのよ!」

提督「ど、動揺など――」

五十鈴「してるじゃない!」

提督「うぐっ……先ほど言ったように鹿島に伝えたいことがあるだけだ……」

五十鈴「なら、さっさっといえばいいじゃない」

提督「……そういうがな」

五十鈴「……なによ? それともわたしがいるまえじゃ言えないようなことなの?」

提督「そ、そういうわけではない」

五十鈴「なら、はっきりという!」

提督「う、うむ……」

鹿島「……」

提督「……あの、ときは酷な命令を出した。すまなかった」

五十鈴「??」

提督「つらいものはあったと思うが私も苦渋の――」

鹿島「今更……」ボソッ

提督「! い、いや、違う――!」
707 :五十鈴のなく頃にW ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/03(土) 01:37:39.67 ID:ccNbJwr80
>>703
そこらへんについては本営時代は間宮編の提督との出会いあたりでやる予定です。
鎮守府は防諜対策してる艦娘が間宮さんなので……救いはないね……!

>>705
ありがとうございます。
無理のない範囲でやっていきます!
708 :五十鈴のなく頃にW ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/03(土) 04:06:31.34 ID:ccNbJwr80

鹿島「今更、そんな言い訳なんてしなくて結構です!」

提督「そういうつもりでは――」

鹿島「沈んだ子を悼むこともしなかったのに! 薄っぺらな言葉はやめてください!」

五十鈴「ちょ、ちょっと!」

鹿島「五十鈴さんは口を挟まないでください!」

五十鈴「うっ……」

鹿島「あなたが謝らないといけないのは私ですか!? 提督さん、もう一度私の目をみて同じことがいえますか!?」

提督「……すまない。あの子にも君にもそう思っている」

鹿島「本当に、本当にそうおもってるんですか?」

提督「ああ」

鹿島「……それなら優しいふりをするのをやめてください。私たちに期待をさせないでください……」

鹿島「きっと、この人ならなんとかしてくれるって思ったのに……約束信じてたんですよ……?」

提督「!」

鹿島「裏切らないでください……私たちを……」

鹿島「優しくなんてしてくれなければよかったのに……!!」

提督「……」

五十鈴「……ちょっといいかしら?」

提督「ど、どうした?」

五十鈴「鹿島が言ってるのはただの甘えよ」

鹿島「な!?」

五十鈴「いい? 被害を少なくできるならなんでもしなくちゃいけないの。それで少数を助けられなかったとしても、ね」

提督「い、五十鈴、そこまでに……」

五十鈴「私が見てきた人たちは悩みながらもそうしてきたわ。だってそれこそが名将の条件じゃない」

鹿島「……それでまだ新兵だったあの子が沈んだんですよ?」

五十鈴「そう」

鹿島「そ、そうって……」

五十鈴「うだうだというぐらいならその場で命令に従わなければよかったのよ。私はそうするわ」

鹿島「……」

提督「五十鈴、そこまでだ。命令違反を教唆するような発言は看過できない」
709 :五十鈴のなく頃にW ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/03(土) 04:36:23.60 ID:ccNbJwr80

鹿島「……私、帰ります」

提督「あ、ああ」

鹿島「五十鈴さん、きっとあなたもその人に裏切られますよ?」

五十鈴「その時は力づくでも裏切れないようにするし、私はそうならないように努力するだけよ」

鹿島「……」

 バタン

提督「五十鈴」

五十鈴「なによ」

提督「あのような言い方はどうかと思う」

五十鈴「いい? 私は今まで名提督を輩出したって前世の誇りがあるわ。あなたもきっとそうなる」

提督「……」

五十鈴「そんな苦り切った顔しないの! どんな偉大な戦術家でも全部を救えるなんてありえないよ」

提督「そんなことは――いや、そうなのかもしれない、な」

五十鈴「だから、その、あれよ――そんなに引きずるべきじゃないのよ!」

提督「しかしだな、あれは私の――」

五十鈴「しかしもかかしもないの! 何があったかは詳しくはわからないけれどあなたは正解を選べてるの」

五十鈴「すくなくても五十鈴はあなたの出した命令は苦渋の決断だったんだって――」

五十鈴「――そしてそれが正しかったって信じてあげる」

提督「いや、私の指示など――」

五十鈴「絶対にその先を言わないで。戦争の中で命を懸けてあなたを信じているのよ? だからせめては五十鈴のまえではどんなことがあっても胸を張ってなさい」

提督「……そうだな。失言ばかりだな、今日は」

五十鈴「わかればよろしい」
710 :五十鈴のなく頃にW ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/03(土) 04:47:11.10 ID:ccNbJwr80

提督「……せっかく淹れたがすっかり茶も冷めてしまったな」

五十鈴「そうね。残念だけどその羊羹は明日、二人で食べましょう。お茶淹れなおして」

提督「ああ、そうしよう」

五十鈴「それじゃあ五十鈴も部屋に戻るわね。なんか疲れちゃった」

提督「そうしてくれ。わたしと鹿島の問題に巻き込んでしまったな、すまない」

五十鈴「別にいいわよ。なんたってあなたは五十鈴の自慢の提督だもの」

提督「……なにか気恥ずかしいな」

五十鈴「ここまでいってあげたんだから素直に喜べばいいのに」

提督「そういう性分ではないんだよ」

五十鈴「ふふ……おやすみなさい」

提督「ああ、おやすみ」

五十鈴「……ああ、そうだ」

提督「なんだね」

五十鈴「この前、これからもよろしくね。それだけ」

提督「ああ」

 バタン
711 :五十鈴のなく頃にW ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/03(土) 04:49:26.12 ID:ccNbJwr80

提督「……いったか」

提督「しかし、『優しくしないで』か――」

提督「ままならんものだな。私も、艦娘も」


五十鈴のなく頃にW 艦
712 :五十鈴のなく頃にW ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/03(土) 04:57:23.00 ID:ccNbJwr80
五十鈴のなく頃にW 艦です。
なんというかこの先まで行く予定でしたが作中の時間が飛ぶので今回はここまで。次回の五十鈴編は過去での強敵〇驤さん襲来予定です。
全4回とはなんだったのか……多分、あと2回で五十鈴のなく頃にも終わると思います。今回のは鹿島の安価でほぼ生えた内容だからね、仕方ないね。
詐欺ばっかりはたらいてるけど許して!

次回の更新は阿賀野編。
他の登場キャラは球磨姉と神通あたりを予定しています。

それでは寝ます。おやすみなさい。
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/03(土) 05:11:59.53 ID:X1i/DZhGO
龍驤すき
714 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/03(土) 11:15:14.63 ID:wrL2Rhqfo
落ちしてた乙
715 :阿賀野編 ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/08/04(日) 01:05:38.34 ID:t953tFyk0


 XX18年 1月

 ――12:30――

 ルソン島 軍港


神通「私はこれから提督にご報告をしてきますので駆逐艦の子たちの指揮をお願いします」

阿賀野「はーい……」

神通「不満そうですがなにか異論がありますか?」

阿賀野「別にそんなことないです」

神通「はぁ……球磨さん、あとのことはお願いします」

球磨「あ、あはは……了解クマー」

神通「不知火、陽炎はついてきなさい」スタスタ

陽炎「はい!」

不知火「はい!」

716 :阿賀野編 ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/08/04(日) 01:08:09.39 ID:t953tFyk0

阿賀野「むー……」

球磨「そんなに不満気にされると球磨も困っちゃうクマ」

阿賀野「ご、ごめんなさい。でも、不満そうになんてしてないよ?」

球磨「そうクマ?」

阿賀野「うん」

球磨「……それじゃあそれでいいクマ。おーい、ちびっ子たちは球磨ちゃんに注目するクマー」

雪風「はい!」

球磨「おお、雪風は素直でいい子クマ」

雪風「えへへ……」

球磨「それじゃあこの軍港の中なら好きにしてていいクマ。ただ2時間後には怖い神通が戻ってくるからそれまでにはここに戻ってくるようにするクマー」

駆逐艦一同「はーい」

長波「あー、疲れた。雪風、どうすんの?」

雪風「加賀さんからお小遣いをもらったのでお菓子を買いに行きます!」

長波「あー、じゃあ、あたしもついてくわ」

時津風「あたしも、あたしも!」

 ワー、ワー、キャッキャ……
717 :阿賀野編 ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/08/04(日) 01:08:50.42 ID:t953tFyk0

阿賀野「……」

球磨「はぁ……駆逐艦は元気でいい――ん? 阿賀野、元気ないクマ?」

阿賀野「えっと……つかれちゃっただけだから大丈夫、大丈夫!」

球磨「本当クマ? 球磨でよければ相談ぐらいは聞けるクマ」

阿賀野「きらりーん! へーき、へーき」

球磨「……それなら球磨から阿賀野へお悩み相談したいクマ」

阿賀野「もっちろん大丈――へ?」

球磨「ふっふっふ……よかった、よかったクマ。それじゃあこっちにくるクマ」

阿賀野「え!? ちょ、ちょっと待ってー!」
718 :阿賀野編 ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/08/04(日) 01:11:38.52 ID:t953tFyk0


――――――


 ――12:50――

 ルソン島 海軍病院 提督病室


提督「……」ペラペラ

神通「……」

潮「え、えっと、お茶いれてきました。どうぞ」

鈴谷「ふーん、ふーん♪ リンゴももうすぐ皮むきおわるからね」

神通「ありがとうございます」

潮「は、はい。あ、陽炎さんたちもどうぞ」

陽炎「うん、ありがとう」

不知火「……」ズズズー
719 :阿賀野編 ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/08/04(日) 01:17:34.30 ID:t953tFyk0

提督「……ふむ」

神通「なにかお気になる点がありましたか?」

提督「軽巡の出撃だが阿賀野型が多すぎる。具体的なことはこちらで指示を出すが、減らすように女提督へ伝えておけ。わずかといえども燃費も悪いものを無理に使う必要はない」

神通「畏まりました」

鈴谷「はーい! 出来た! ほら、提督のは特別にうさぎさんにしてみました!」

提督「……」

鈴谷「ちょっ!? 無言で耳おろうとしないでよ! せっかく可愛くできたのに!」

提督「ふん……しかし、阿賀野型か……」シャリシャリ

神通「ご懸念が?」

提督「お前が気にすることではない」

神通「……失礼しました」

提督「ふん。今回だが阿賀野もこちらへ来ているとあったがま間違いないか?」

神通「? はい、私の補佐として球磨さんといっしょにこちらへきています」

提督「そうか。帰り道はアレのことをくれぐれも注意してみておけ」

陽炎「阿賀野さんをですか?」

提督「そうだ。あれほどのぬけさくを運用するというならそれなりに対処をしておかなければならん」

不知火「なるほど、了解しました。しっかりと見張っておきます」

陽炎「あ、あはは……りょ、了解しました」

陽炎(この子、よくこんなに自信満々に言えるわよね……)
720 :阿賀野編 ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/08/04(日) 01:18:49.73 ID:t953tFyk0

神通「……お言葉ですが一つ意見具申させていただきたいことがあります」

提督「ん? いってみろ」

神通「提督のご懸念も尤もかと思いますが阿賀野型にもそろそろ経験を積ませていくべきかと思います。経験が足りないからこそ甘さが抜けないように思います」

提督「……今、鎮守府を預けている女提督にそこまでさせるのは無理がある。私が戻り次第、お前の提案も考えてみよう」

神通「ありがとうございます」
721 :阿賀野編 ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/08/04(日) 01:21:22.48 ID:t953tFyk0


――――――


 ――14:00――

 ルソン島 軍港内食堂


球磨「――というわけで実は大井と北上があんまり仲良くなさそうなんだクマ」

阿賀野「へぇー、全然、そんなふうに思わなかったなぁ」

球磨「球磨がお願いしてるから表では仲良さそうにしてくれてるけどどこかぎくしゃくしてるみたいクマ」

阿賀野「うーん、姉妹仲かぁ……。色々とお話しきいたけど難しいなぁ」

球磨「せっかく会えたのに川内のところみたいになるのは嫌なんだクマ……」

阿賀野「……」

球磨「どうしたクマ?」

阿賀野「あ、いや……」

球磨「ふむ、やっぱり川内型が気に食わないみたいクマね」

阿賀野「そ、そこまでおもってないよ!」
722 :阿賀野編 ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/08/04(日) 01:26:30.85 ID:t953tFyk0

球磨「まぁうちの鎮守府は軽巡っていえば実戦は川内型か阿武隈がほとんどだから球磨も阿賀野の気持ちはよくわかるクマ」

阿賀野「……」

球磨「提督はアレだし、妹たちがいなかったら球磨も別の鎮守府に行きたいぐらいクマ」

阿賀野「ううぅ……阿賀野はそんなこと思ってないもん!」

球磨「そうクマ? まぁ、球磨も他の鎮守府に行きたいってのは冗談クマ」

阿賀野「ただ最新鋭軽巡なのにやっぱり出撃ぜんぜんさせてもらえないし、提督さんはいっつも意地悪言うから嫌いなだけ!」

球磨「それなら川内型のことは別に嫌いじゃないクマ?」

阿賀野「へ? う、うん、ちょっと厳しいとは思うけど別に嫌いじゃないよ」

球磨「それならなんで神通にあんな態度なんだクマ?」

阿賀野「あんな提督さんのこと尊敬してるのが不思議だなぁって考えてただけなの! 別に不満とかそういうのは関係ないの!」

球磨「なんだ、そういうことクマ。それなら球磨ちゃんからはとくにいうことはないクマ」

阿賀野「えぇ……?」

球磨「球磨は艦娘はみんな仲良くするべきだとおもうけど提督のことはどうでもいいクマ」

阿賀野「な、なるほど」

?「ゴホン……」

阿賀野「!?」
723 :阿賀野編 ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/08/04(日) 01:28:12.94 ID:t953tFyk0

神通「なにが『なるほど』ですか。それにあなたたちには駆逐艦のことを頼んだと思うのですが?」

球磨「幼稚園児じゃあるまいし、すこしぐらいは好きにさせてあげるべきクマ」

神通「はぁ……もういいです」

球磨「ぬぅはっはっは……!」

神通「阿賀野さん」

阿賀野「え、えっと、はい」

神通「提督にあなたのことをもう少し用いるように進言してきました。だからあなたも努力はするように」

阿賀野「へ?」

球磨「阿賀野の出撃が増えたら神通の出番が減るかもしれないけどいいの?」

神通「いいのです。軽巡洋艦の層も厚くしていかなければこの先、深海棲艦に不覚をとることになるかもしれません」

球磨「ご立派クマ。そんな神通には球磨からコーヒーをおごってあげるクマ」

神通「それはありがとうございます」

球磨「ふっふっふ……ちょっとまってるクマ」
724 :阿賀野編 ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/08/04(日) 01:29:42.91 ID:t953tFyk0

神通「……阿賀野さん」

阿賀野「え!? は、はい!」

神通「私はあなたに期待してるんです。これからも努力を怠らないように」

阿賀野「? は、はい、わかりました」

神通「……少しお花をつんできますので球磨さんには待っているように伝えておいてください」

阿賀野「わ、わかりました」

阿賀野(努力ってなんのこと言ってるのかな……?)

阿賀野「でも、これからもいつもみたいにしてればいいってことだよね? うん、がんばろ」

 阿賀野編 艦
725 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/04(日) 01:33:44.93 ID:t953tFyk0
書き溜め作ってたら遅れてしまいました。申し訳ありません。
阿賀野編については一応の伏線は張れた感じ。
やっぱり阿賀野はアホの子になっても元気でいて欲しいです……

次回の羽黒と加賀ですが明後日を予定してます。
明日はべつに立ててあるSS完成までやっちゃいたい感じです。
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/08/04(日) 01:52:56.69 ID:m7uFTbj30
乙です
何て言うか、この提督は信頼と信用と期待が全く別だから面d……大変なんだな
そして阿賀野の場合はさほど期待されてない
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/04(日) 04:09:26.56 ID:F8+GeWUSo

もうこの提督は両手両足をへし折って五十鈴と二人きりの鎮守府でも作って閉じ込めとけばいいんじゃないかな
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/04(日) 08:34:35.61 ID:hmwdEOflo

轟沈だけは辞めて下さい
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/04(日) 08:36:14.65 ID:lP5P2+2aO
鈴谷かわいい
これは嫁ですわ
730 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/07(水) 03:29:14.30 ID:m53AsBWZ0
更新していきます。
……また詐欺を働いて申し訳ありませんでした。全然、落ちないセイバーモニュメントが悪いんや!


>>726
本人は公平にしようとしてるんだろうけど、ただひたすらに面倒なだけになっているという……。
全部そろってるのは曙とか龍驤、蒼龍あたりですね。赤城さんとか信頼はクッソ薄いだろうし……

>>727
なんか邪悪なものを封印してるみたいで草

>>728
艦娘は全員、大切に扱っていく所存です

>>729
鈴谷は素材通りにかわいくなれ、かわいくなれと念じながら書いています。
本当にこのSSで希少なキャラだと思う。
731 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/07(水) 03:47:57.06 ID:m53AsBWZ0


 XX14年 5月

 ――18:50――

 鎮守府周辺の町 商店街


曙「ふう……ごちそうさまでした」

漣「ごちになりました!」

羽黒「え、えっと……その……ごちそうさまでした」

加賀「ええ、それじゃあいきましょうか」

羽黒「あの! やっぱり私の分くらいは……」

加賀「結構です。それよりも早く銭湯に――あ」

羽黒「せ、戦闘ですか!?」

加賀「ええ、腹ごなしにちょうどいいのよ。それに今日は菖蒲なので」

羽黒「……」(絶句)

加賀「本当は内緒にしておいて驚かせたかったんだけれど……。(菖蒲湯は)初めてでしょ?」

羽黒「い、いえ、この前、ご一緒しましたよ……」

加賀「?? おかしいわね」

羽黒「そ、それよりも提督には許可をいただいているんですよね? この時間から加賀さんが銭湯なんて……」

加賀「許可がいるの
732 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/07(水) 03:48:44.46 ID:m53AsBWZ0
>>731
すみません。途中で送信しました……
申し訳ありませんでした。
733 :羽黒と加賀V ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/07(水) 03:53:31.42 ID:m53AsBWZ0


 XX14年 5月

 ――18:50――

 鎮守府周辺の町 商店街


曙「ふう……ごちそうさまでした」

漣「ごちになりました!」

羽黒「え、えっと……その……ごちそうさまでした」

加賀「ええ、それじゃあいきましょうか」

羽黒「あの! やっぱり私の分くらいは……」

加賀「結構です。それよりも早く銭湯に――あ」

羽黒「せ、戦闘ですか!?」

加賀「ええ、腹ごなしにちょうどいいのよ。それに今日は菖蒲なので」

羽黒「……」(絶句)

加賀「本当は内緒にしておいて驚かせたかったんだけれど……。あなた(菖蒲湯は)初めてでしょ?」

羽黒「い、いえ、この前、ご一緒しましたよ……」

加賀「?? おかしいわね。この前は漣たちしか連れてきてないわよね?」

漣「う、うーん、そのはずです」

加賀「そうよね」

羽黒「そ、それよりも提督には許可をいただいているんですよね? この時間から加賀さんが出るのは……」

加賀「許可がいるの?」

羽黒「ないと大問題ですよ!?」

加賀「そ、そうなの?」

羽黒「はい!」
734 :羽黒と加賀V ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/07(水) 04:05:13.96 ID:m53AsBWZ0

加賀「おかしいわね……」

羽黒「まさか今まで許可いただかないで出撃してたんですか!?」

加賀「しゅ、出撃……? 銭湯に行くのよ?」

羽黒「え……? ですから、戦闘ですよね?」

加賀「??」

羽黒「??」

曙「あの……多分、羽黒さん、勘違いしてますよ」

漣「……ああ、そういうことかー」

羽黒「え? どういうこと?」

曙「お風呂屋さんにいくんですよ。ほら、銭湯ってこっちの漢字――」カキカキ

漣「ぼのたん、相変わらずごっつい手帳つかってるぅ!」

曙「う、うっさい! 別にいいでしょ!」

漣「ご主人様とおそろいだもんねー。いいなぁ、今度は漣も一緒に連れて行ってよー」

曙「な、なんでしってるのよ!」

 ギャー、ギャー

加賀「この子たちのことは置いておくとして……ごめんなさい。紛らわしい言い方をしてしまったわね」

羽黒「い、いえ、こちらこそ変な勘違いをしてしまって……あう……」

加賀「……行きましょうか」

羽黒「……はい」

735 :羽黒と加賀V ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/07(水) 04:42:31.37 ID:m53AsBWZ0


――――――


 XX14年 5月

 ――19:10――

 鎮守府周辺の町 商店街 銭湯


 カポーン

加賀「ふぅ……」

漣「生き返るぅ……」

曙「本当にねー……」

羽倉「はぅう……」

加賀「クンクン……やっぱり菖蒲湯はいいですね……。こう、落ち着きます……」ポケー

羽黒「本当にそうですよね……」ポケー

漣「ねぇねぇ、ぼのたん」

曙「……なによ」

漣「ねぇねぇ、サウナでいこうよー。我慢比べ」

曙「嫌よ」

漣「えー?」

曙「こういうときぐらい落ち着きなさいよ……」

漣「ちぇー。それじゃあ、漣はジャグジー行っちゃうもんねー」

曙「はい、はい」

漣「むぅ……加賀さんもジャグジーいきましょうよ」

加賀「私はもうちょっとこっちでゆっくりするわ」

漣「えー」

曙「えー、じゃないわよ! 加賀さんにまたそうやってめいわくかけるんだから!」

漣「そんなことないし!」

 キャー、キャー
736 :羽黒と加賀V ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/08/07(水) 04:44:20.67 ID:m53AsBWZ0

羽黒「……加賀さんって駆逐艦の子にとっても慕われているんですね。知りませんでした」

加賀「……」

羽黒「す、すみません。つい失礼なことをいってしまって――」

加賀「いえ。いいんです」

羽黒「あう……」

加賀「……あの、本当にそう見えたの?」

羽黒「え? あ、はい。お姉さんと妹みたいだなぁって」

加賀「ふふ、うふふ……そう。そうね、私がお姉さん……」

羽黒「?」

加賀「――キリッ。二人とも静かにしないとほかのお客さんに迷惑になってしまうわ。帰りにコーヒー牛乳を買ってあげますから大人しくなさい」

曙「ご、ごめんなさい……」

漣「コーヒー牛乳! キタコレ!」

曙「漣」

漣「……ごめんなさい」

加賀「わかればいいんです。なんといっても私はお姉さんなんですから。ね?」ムフー

羽黒「は、はい」

曙「? どういうことか分かる?」

漣「さっぱりでござる」
737 :羽黒と加賀V ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/08/07(水) 06:09:23.53 ID:m53AsBWZ0


 ――20:10――

 銭湯 脱衣場


加賀「ふぅ……いいお湯だったわ……」

羽黒「本当に……」

漣「うー、やっぱりお風呂入ったあとに同じ服はべとべとする……」

加賀「……着替えを持ってくるべきでしたね。ステーキを食べたら臭いが付くと思ったけれど、失敗だったわ」

漣「あー、なるほど、なるほど」

曙「スン、スン……うん、加賀さんのいうとおりね」

羽黒「そ、そうだね。色々と気を使っていただいてありがとうございます」

加賀「そ、そう? それならいいのだけど……」

?「あっれー!? 加賀さんにはぐはぐだ! こんばんわー」
738 :羽黒と加賀V ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/08/07(水) 06:10:30.88 ID:m53AsBWZ0

羽黒「な、那珂ちゃん……」

加賀「どうも」

那珂「奇遇だねー。あ、駆逐艦の子もいる! みんなでお買い物に行った帰りとか?」

漣「ご飯の帰りなのであった」

那珂「へぇー、そうなんだ。いいなぁ」

羽黒「あの、那珂ちゃんはどうして……?」

那珂「うん、近くの孤児院でライブしてその帰り」

曙「鎮守府でライブしてないと思ったらそんなことしてたんですか……」

那珂「うん。みんな笑顔になれるし、最高の舞台なんだー」

加賀「それは……なんというか、立派なことですね」

那珂「えへへ……加賀さんも今度一緒にやってみる? 楽しーいよー、みんなで踊って歌って!」

加賀「わ、私は演歌専門なので……」

那珂「そっかー。残念」

加賀「ホッ……」
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