【二次創作】安価で進めるオリロンパ リミックス

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1 : ◆Wd9XQcLkjx0n [saga]:2018/07/20(金) 20:33:20.17 ID:1sh4MjUdO

【諸注意】
・何番煎じかもわからないオリロンパスレです
・エタらない事を重視するため、展開等が速いかもしれません
・キャラクターは以下のスレから拝借しましたが、一部に才能や氏名の変更があります
※エタロンパのキャラを書き留めるスレ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17143/1499596380/l30

・前作を見なくても大丈夫な様に作るつもりですが、若干のネタバレを含みます

『終了作品』
【二次創作】安価で進めるオリロンパ
 https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1480764539/

【二次創作】安価で進めるオリロンパ ニューステージ
 https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1501335812/



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1532086400
2 : ◆Wd9XQcLkjx0n [saga]:2018/07/20(金) 20:34:47.06 ID:MUdXCtmHO

……夢を見た

遠い、遠い、ずっと小さな頃の夢を



『ゆーびきーりげーんまーん、うそついたらはりせんぼんのーます!』



女の子が二人……一人は私。もう一人は、顔が見えない

小指を絡ませたおまじない。誰でも知ってるささやかな契約

……指切りげんまん。私は嘘をつきませんと宣言して、指を切るアレだ

もし、約束を破ったら……針を千本も呑む必要があるらしい

指を切り終わった二人は、えへへと嬉しそうな顔をしている

確か……私は何を約束したんだっけ?

私は……誰と指切りをしたんだっけ?

私は………私は…………

3 : ◆Wd9XQcLkjx0n [saga]:2018/07/20(金) 20:35:32.38 ID:MUdXCtmHO







私は―――どうして、こんな嘘つきになっちゃったんだろう…………?







4 : ◆Wd9XQcLkjx0n [saga]:2018/07/20(金) 20:36:21.48 ID:MUdXCtmHO









【PROLOGUE】
  再誕 −Re:Birth−








5 : ◆Wd9XQcLkjx0n [saga]:2018/07/20(金) 20:37:41.75 ID:1sh4MjUdO

この世は、無数の嘘とほんの少しの真実で構成されている

別に、どこかの偉い先生が言った訳でも無いし、凄い本に書かれてた訳でもない

ただ、何となく。そんな感じがするってだけの感想だ

それでも……ふとそう思ってしまうのだ。特に、私みたいな人間は



「こっちに目線お願いしまーす!」


「別のポーズ出来ますかー?」


「ちょっと決め台詞やってくださーい」



ぞろぞろ群がる無遠慮なカメラ。レンズの先が見据えているのは私

でも、このフラッシュの光は……真実ではなくて、虚構を撮すもの

それに、映っている私も虚構の存在



「はーい! 皆、ダイスキだよーっ!」



ついでに言うなら……この、今の言葉だって、実は真っ赤な嘘なのだ

6 : ◆Wd9XQcLkjx0n [saga]:2018/07/20(金) 20:41:38.99 ID:MUdXCtmHO

偽りの笑顔、偽りの言葉、偽りの姿

溢れんばかりの嘘の中、曇った眼で虚構を欲しがる

ここにいる誰もが、真実ではなく、嘘を求めているんだ

見るに堪えない現実も、嘘のヴェールで綺麗に輝いて……

「……私が言えた事じゃないけどね」

ぽそり、と呟いてみる。どうせこの声は誰にも届きはしないんだ

甘いリズムとユルい歌詞。聴くだけで頭が悪くなりそうな音楽に合わせて踊る

……踊る阿呆になんとやら。どうせ嘘なら派手に踊らなきゃね

私は精一杯の笑顔で、観客に嘘を与える

……本当に、私は嘘つきだなぁ

7 : ◆Wd9XQcLkjx0n [saga]:2018/07/20(金) 20:42:25.86 ID:MUdXCtmHO

「ふぃ〜……疲れた〜ぁ……」

夜の10時近く、ようやくお家に帰れた私

今日は朝から一日中、歌を歌って踊りを踊って握手をして回って……

要するに、物凄く疲れているのです

「……寝る前に写真上げとこ…………」

本音を言えば明日にしたいけど、流行の移り変わりはびっくりする位に早い

取り残されるのは致命傷。カワイイには鮮度があるからね

「え〜っと、《今日は『マジカル☆サイバーズ』のミライちゃんです!》っと」

「後は……まあ、適当でいっか」

このアニメ、私が幼稚園の時からやってるからあんまり話す事無いんだよね……

……そして、今日やったミライちゃんは、私の思い入れのあるキャラ

好きなキャラに変身出来る……これだけで私の世界は素晴らしいものの様に思える

SNSに画像を投稿してベッドへ倒れ込む。今日は評価を気にする元気も無い

眠気もそろそろ限界だし、もう今日は寝ちゃおうかな

寝る支度を軽く済ませて、私は夢の中へと沈んでいった

「……おやすみなさ〜い」

8 : ◆Wd9XQcLkjx0n [saga]:2018/07/20(金) 20:43:17.27 ID:MUdXCtmHO



……突然だけど、私は、『夢』って都合のいい嘘だと思う



現実ではあり得ない事も、夢の中でなら簡単に夢を作り出せるんだ



世界は嘘で溢れている/世界は夢を求めている



嘘は真実よりも素晴らしい/夢は現実よりも素晴らしい



嘘で世界は変わっていく/夢で視界は歪んでいく



そして、私は……/そして、私は……




9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/20(金) 20:43:49.79 ID:M8w9HDF8O
おっ、オリロンやん!
晒したろ!
10 : ◆Wd9XQcLkjx0n [saga]:2018/07/20(金) 20:43:56.87 ID:MUdXCtmHO

「……あれ?」

何か、ヘンな夢を見ていた気がする……

「そういえば、今何時……?」

寝惚け気味の頭を動かして、時計を確認しようとして……気づいた

「……あれ?」

ここ……私の家のベッドの上じゃない?

よーく見てみると、鉄線の巻かれた窓に雑草の生えている床。監視カメラ……?

ここは……異世界かな? だとしたら私は今流行りの異世界転生を?

「……な、訳ないかぁ」

それってどこのラノベ? まだ夢の中にいるのかな……

もう一回寝よっと……もう一度最初みたいに机に突っ伏して目を閉じて……

………………あれ?

「…………机?」

11 : ◆Wd9XQcLkjx0n [saga]:2018/07/20(金) 20:44:45.53 ID:MUdXCtmHO

「あっ、起きたんですね!」

「わきゃあぁああっっ!?」

どたっ

「……あ痛たたぁ」

いきなり声かけられたから、驚いて机から転けちゃった……

でも……これでわかった。このお尻の痛みは本物だ。つまり、ここは夢じゃない

「……………………え、えっと」

「大丈夫ですか? 立てますか?」

「あ、どうも……」

手を差し伸べてくれた人を観察してみる

男の子で……年は私より少し下かな? 

白くてサラサラの髪に、傷1つ無いもちもちのほっぺ……

「……あの、大丈夫ですか?」

「あっ、はい……」

……って、そんな事してる場合じゃない。まずは聞くべきことがあるよね

「……ねえ」

「は、はい! 何ですか?」

「……ここはどこ? 私は誰!?」

「え?」

「………………………………」

やっちゃったー……何言ってるの、私……


12 : ◆Wd9XQcLkjx0n [saga]:2018/07/20(金) 20:45:40.32 ID:MUdXCtmHO

「もしかして……貴女もですか?」

「え?」

「実は、僕にも記憶が無いんです……」

「え? え、ホントに?」

「はい。ですから、僕には……」

「ちょ、ちょっと待って! ゴメン!」

何か、私の変な事言ったせいで変な誤解をさせちゃった……!?

「実は私、自分の事は覚えてるって言うか、今のはほんの冗談って言うか……」

「冗談……ですか?」

「そうそう! だから気にしないで!」

「は、はあ……」

って、こんなアホな事やってる場合じゃないよね……

「君……自分の事がわからないの? なら名前も覚えてない?」

「あ……いいえ。一応、名前だけは覚えているんです」

「そっか……なら良かった」

流石に、ずっと何て呼べばいいのかわからないのは困るもんね

「それで……何て言う名前なの?」

「あ、はい! 僕は……」

スグル「神威 スグルといいます!」



【超高校級の???】
  神威 スグル(カムイ −−)


13 : ◆Wd9XQcLkjx0n [saga]:2018/07/20(金) 20:46:36.96 ID:MUdXCtmHO

「スグル君だね。よろしく!」

スグル「はい! ……スグル君?」

「え? 何かおかしかったかな?」

スグル「いや、別に……すみません」

スグル「そうだ……貴女の名前は?」

「あ、そっか。まだ言ってなかったね」

……記憶喪失だもんね。私、一応アイドルだけど

スグル「そうだ……貴女にもこれを渡しておきますね」

「これって……タブレット?」

スグル「はい。全員の分があったんです」

スグル「指紋認証機能があるみたいで、僕らには動かせなかったんですが……」

成る程……つまり、私専用って事ね

スグル「どうですか? 動きますか?」

言われるままに電源を入れて、指を画面に当てると……

そこには、確かに私の本名があった

14 : ◆Wd9XQcLkjx0n [saga]:2018/07/20(金) 20:47:21.14 ID:MUdXCtmHO

スグル「……どうでしたか?」

「え? うん……これ、私のみたい」

スグル「そうでしたか! 良かった……」

スグル「じゃあ、失礼して……」

「ちょ、ちょっと!? 何するの!?」

スグル「あ、すみません……貴女のお名前を見ておこうと思って……」

「人のモノを勝手に見るのはデリカシーが無いよ? 気をつけてね、スグル君」

スグル「すみません……」

全くもう、油断も隙も無いんだから……

でも、スグル君って何となく弟みたいで許せちゃうのよね……

スグル「えっと……それじゃあ、お願いしますね」

「うん……私は……」


15 : ◆Wd9XQcLkjx0n [saga]:2018/07/20(金) 20:48:06.58 ID:MUdXCtmHO



息を整えて、思考を楽にする



自己紹介は初めてじゃないけど、いつもこのタイミングはドキドキする



……今から、私は『私』になる。比喩でも嘘でもなんでもない、本当だよ?



「私の本名はね……」



瀬川「……瀬川 千早希。超高校級のコスプレイヤーだよ」



【超高校級のコスプレイヤー】
  瀬川 千早希(セガワ チサキ)



16 : ◆Wd9XQcLkjx0n [saga]:2018/07/20(金) 20:48:57.68 ID:MUdXCtmHO

瀬川「よろしくね。スグル君」

スグル「はい! 瀬川さん!」

スグル「……ところで、コスプレイヤーって何なんですか?」

あ、そこ聞いちゃうかー。まあ、如何にもアニメ見てませんって顔だもんなー

瀬川「えっとね、コスプレイヤーって言うのは簡単に言うと……」

瀬川「漫画やアニメ、ラノベとかの二次元。フィクションのキャラに成りきる事を目的とした人の事だよ」

スグル「は、はあ……?」

瀬川「他には、特定の職業の制服とか。判りやすいのはナース服とかセーラー服とかスクール水着とかだね」

瀬川「そんな感じで、普段なれない格好をして普段なれない自分になれるのが、コスプレの醍醐味なんだよ!」

瀬川「私はコスプレイヤー兼アイドルとしてコスプレをしているんだけど、そうしたら皆が私を見てくれるんだ」

瀬川「勘違いしないで欲しいんだけど、別に作品に愛が無い訳でも無いし売名のつもりもないんだけどさ……」

瀬川「でも、やっぱり嫉妬や偏見も酷いんだよね。私としてはコスプレしている時にとやかく言われるのは嫌だし……」

瀬川「あ! 因みにこの格好は今朝の時間に放送しているアニメ『マジカル☆サイバース』のミライってキャラクターなんだけどさ……」

瀬川「この子、本当に可愛いんだ! 普段はキャピキャピしてるんだけど、変身するとね……」

スグル「わ、わかりました! もうその話は充分ですから!」

17 : ◆Wd9XQcLkjx0n [saga]:2018/07/20(金) 20:50:35.67 ID:MUdXCtmHO

瀬川「……で、これからどうしよっか?」

瀬川「結局、私達を監禁?してる理由もわかんないし……」

スグル「そうなんですよね……」

瀬川「私達二人を拐って、何がしたいんだろうね……?」

スグル「……? 二人?」

瀬川「あれ? 二人だけだよね?」

霊視とかもう一人の僕とか言い出さない限り、どう見ても二人だけだけど

スグル「……実は、ここには僕達を含めて十六人の超高校級の方がいるんです」

瀬川「じゅ……十六人!?」

ちょっと待って!? そんなに超高校級の人がここにいるの!? ナンデ!?

瀬川「じゃあ、何でここにはスグル君しかいないの!?」

スグル「最初は皆さんここにいたんですけれど、瀬川さんが起きないから……」

スグル「何人か痺れを切らして、既に皆さんが各自に探索しているからです……」

瀬川「………………………………」


18 : ◆Wd9XQcLkjx0n [saga]:2018/07/20(金) 20:51:13.87 ID:MUdXCtmHO

瀬川「ご……ゴメン!」

スグル「あ、謝らないでください! 目覚めなかったのは仕方ない事ですし……」

スグル「そ、それに、皆さんもそろそろ探索が終わる頃じゃないでしょうか?」

スグル「僕達も行きましょう! さっきのタブレットに地図のデータが入っているので……」

スグル「早速、皆さんの様子を見に行きましょう!」

瀬川「あーうん、フォローありがとう」

年下っぽい子にここまで気を使わせるのは、なんとも情けない

……恥ずかしいし、さっさとその探索中の場所に行っちゃおう

私以外の超高校級の生徒も……気になるし

瀬川「……うん。それじゃ行こっか」

スグル「はい。そうだな……食堂、倉庫、体育館の順に回ってみましょう!」

これが旅立ちの一歩ってやつなら、これはチュートリアルかな

臆してなんていられない。新しい世界ってワクワクするものでしょう?

瀬川「……教えてよ。私達が行く所をさ」

19 : ◆Wd9XQcLkjx0n [saga]:2018/07/20(金) 20:52:20.85 ID:MUdXCtmHO

――『食堂』――



スグル「ここが食堂です。食材や調理用具は一通り揃っていました」

おお、立派な食堂だ。でも、ここにある食材って食べてもいいものなの?

瀬川「……大丈夫? 食べた瞬間ベトベタフードでしたはシャレにならないよ?」

スグル「あはは。一応、食材については何人かが毒味をしていたので平気かと」

スグル「それに、ここにある食材はどれも鮮度も品質も良い最高級品だとか……」

瀬川「何でそんな事が判るの?」

「俺達が調べたから……じゃ、不安かな」

「あは、スグルくぅん。その人が最後まで寝ていた人だよねぇ」

……私が当然の疑問を返したタイミング。丁度その時、誰かが奥から出てきた

スグル「あ……二人とも!」

「まあ疑う気持ちもわからなくは無いけれどな……今は信じてくれよ」

「よろしくねぇ。新米さん?」

断言した人……人当たりの良さそうな男子は、困った様な笑顔で頭を掻いている

第一印象なら……悪い人には見えないかな

隣にいる子は、ドレスの端をつまんで会釈する。あれカーテシーって挨拶だよね

でも……何だろう。なんか違和感が……

とにかく、話しかけないと進めないわねこれは……どうしよう?


【どちらに話しかけますか?】
 1:人当たりの良い男子生徒
 2:エプロンドレスを着た生徒
 ↓2

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