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【偽三次創作】どこかの誰かの話 その2【のんびり、まったり】
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俯瞰者
◆e/6HR7WSTU
[sage saga]:2018/08/12(日) 17:53:28.14 ID:wCxRYpft0
本来ならば馬を潰す勢いで如南に向かいたいのだが、生憎替え馬を準備できていないので馬を休ませながらもひたすら如南へ向かう。
だが、それでも比較的早く如南近郊に到着したのは連中が近道を熟知していて的確に案内したからだ。
「なぁ。お前達何者だ?」
如南近郊まで来たので駆ける勢いを落として慎重に馬を進める最中……なんかな、こう嫌な気配がするんだわ……単刀直入に連中に訊いてみた。
「わっしらは、知っての通りの無頼でさ」
こいつらの上下はよくわからんが、兄貴分と思しき奴が代表して返事する。
「ほう。無頼というのは馬も操れなければならんのか、それなら親分をいわして俺の手勢に加えれば戦力が厚くなるな」
「はは……止めて下せえや、わっしらはそういうのが嫌で無頼になっているんで。将軍様がそう出られるなら、わっしらは全力で抵抗しますしましてや陳留の裏が荒れちまいまさぁ。それなら将軍様が陳留の元締になればよろしいのに」
「それは魅力的な誘いだが、生憎お前さん達の親分みたいに地を隠し通す自信が無い。それにな」
言葉を切った次の瞬間。
「横着さんっ!」悲鳴じみた許楮殿の叫びと私が片腕を振るうのがほぼ同時、袖に何かが弾かれるのを感じながら下半身だけで馬上の姿勢を維持しながらもう片手を懐に突っ込むと、抜く手も見せずに暗器を放つ。
さすがにアタリも付けずに投げたので倒せはしないが、それでも最前からの嫌な気配の元を引きずり出す事はできた。
……おーおーおー、なんだなんだこの異形共は。
どこから湧いた?と普通は慌てるだろう。だが、こうなる前から既に許楮殿は馬を私の身近に寄せていたし、連中もまるで陣を組むように並走していた。
つまり、この全員が異形共の気配を既に感じていた。つう事で。
「横着さん横着さんっ!髑髏の化け物がっ!」
「よく見ろ。あら人間だ。春蘭が見たら一喝されるぞ」
こういうのにはさすがに慣れていないのか、許楮殿は驚いているが恐慌状態にはなっていない。その証拠に馬は悠然としている。
が。
「てめごらぁ!」
突然に殺気を吹き付けられ同時に至近で突き出された剣を回避できたのは、あのくそ忌々しい戦のおかげ。としか言いようがない。
回避しつつも沓の先に入れている鉄の塊を蹴りで当てれたのもそうなのだろうか。
だが、通ってはいなかったようで馬を飛び越えるように反対側に着地する、何者か。どうやら、人間。とだけは分かった。
「ごらぁ!この一行を陳留太守曹操が部下、許楮殿の一行と知っての襲撃かぁっ!」
許楮殿には申し訳無いがあえて陣営の名を出して相手の思惑を探る。
「では、その陳留の一員が何故如南に向かう?それに……」
先程俺を真っ直ぐに狙ってきた奴が悠然と立ちながら俺を見据えて話し始める。次に放たれた言葉はこいつが何処の手勢か俺に教えてくれる。
「如南に一体何用で?南皮横家先代、『英雄の守り人』横着超過殿」
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