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【偽三次創作】どこかの誰かの話 その2【のんびり、まったり】
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207 :
俯瞰者
◆e/6HR7WSTU
[sage saga]:2020/04/27(月) 17:31:37.53 ID:GolHU85g0
導入その2。短いです。
さて、大馬鹿者達をぶん殴ろうにも何がどうなっているかを知らないとどうにもならない。
南皮に戻れば情報のあてはあるのだが、そのために筋を通す場所と上司がいるのでまずは宮殿へ。
(政務を掌握されているのは、確か執金吾様だったな)
で、足を執金吾様の執務室へと向けたのだが、
「お会いできない。と?」
「はい、執金吾様はことのほか御多忙にて決裁が必要な用件については我々より御渡し致しますゆえ」
「いやいや、左民曹尚書直々に取次を願っているのだぞ」
「ですから、『どのような身分の者であっても』我々から執金吾様へ用件を取り次ぎますゆえ」
何故か宦官共に面会を止められた。官職で押してみたが結果は同じ。
まさかとは思うが、
「おい、皇帝陛下が呼び出しても拒絶するのか?」
「流石にそこまでは。ですが、たとえ三公九卿の方々がおん自ら面会に参られましても我々が用件を取り次ぎましてお帰りを願う状況でございまして」
「そうか、なら執金吾様にはこうお伝え願いたい。『左民曹尚書、横超過。一身上の用件につき休暇をいただく。左民曹尚書不在中は序列に従いて下命くだされますよう』とな」
そうとだけ言うとあっさり踵を返す。
左民曹尚書の執務室に戻ると、部下に、
「おい、何でもいいから各州から上がってきている報告の一番新しい奴を持ってこい」
「は、はい」
しばらくして本当に種々雑多な報告書が俺の前へ積み上げられる。共通点は極力日付が新しい。これだけ。
気が利く奴がいるのか州別で分けられているのがありがたい。
それらをひたすら黙々と精査する。
とりたてておかしい所はない。体裁は整えられている。それが余計に違和感を覚えさせる。
第一、左民曹という部局は地方豪族からしたら軽んじられている部局でもある。それが今回の洛陽での騒動以来妙に丁寧に扱われている。
一通り精査すると、厳重に人払いをさせ違和感の正体について思考する。
(袁はまぁあの若いのが仕切っているからこんな物でもちゃんとしているのだろうが、曹、公孫、ここらがこのような対応を取ること自体何かある。
第一、場所も状況もなしに『井戸が壊れたから直しに来なさい。あんたならすぐでしょ(意訳)』なんて文書を平気で送りつけてくる曹がだぞ。
おそらくは軍閥共が糾合してなにかやらかす。として俺に介入されたくない?まさかな)
いくらなんでも個人が万の大軍を相手に暴れられるわけがない。妻相手に息巻いたのもせいぜい将相手に一喧嘩やらかすくらいのつもりなのだが、
相手方が俺を過大評価して縛り付けようと慌てているとしたら?雑な報告書が急に丁寧になったことといい、便利に呼び出していた曹家が急に沈黙したことといい、俺とその周辺を過大評価している?
それともうひとつ、執金吾様だ。確か董卓とか言ったな。彼女が本当に洛陽の全権を掌握したなら何かの形で表へ出る事態もあるはずだ。
それがあんなに執拗に面会を拒絶される。つまり。
(中常侍以下の宦官共が邪魔をしている。それか……)
どいつもこいつも。そう思うとますます頭が痛くなってきた。
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