平成最後の夏、好きな人と一緒に殺した。

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19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/18(水) 18:05:08.30 ID:Qf5+xiMwO
>>18
3万時間でした。ご指摘ありがとうございます。
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/18(水) 19:16:19.61 ID:3Cm3aQej0



Q.どうすればいいんだろう。

A.どうしようもないんだろう。



諦めの自己完結。

とじる とじる。わづかにも見ず心も得ず心許なき今日も今日とて、無感動に涙を流す。

それは比翼の鳥の片想いかもしれないし、おしどり夫婦の家庭内暴力かもしれない。

もしかしたら不死鳥の自殺かもしれない。

何度も何度も書き損じた手紙を開いてみれば、愛と憎の文字列が。

期待を裏切られて殺し、希望が潰えて自殺するのなら。

諦めと、絶望こそ、生存のための絶えぬ糧だ。





「ズブリ」

「うわっ」

「うなされていましたよ。ひどい汗です」

女は心配そうに顔を覗き込んできた。

「エッチな夢でも見てたんですか?」

「……表情とセリフを一致させて」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/18(水) 19:17:08.78 ID:3Cm3aQej0
「危うく、サキュバスから精力を抜き取られるところでしたね。私が起こしたおかげです」

女が小指を突き立てながら言った。

指の先端がテカテカと光っていた。

「気のせいじゃなければ、鼻から凶器を刺されて殺されるところでもあったと思う」

「止むを得ずです。人工呼吸と一緒です」

「他に起こす方法は思い浮かばなかったのか」

「肩を叩く、声をかける、腕をつねる、身体を揺さぶる、他には、えーと…えーと…鼻の穴に小指を差し込む」

「それだけの選択肢からよく最後を選んだな」

「どうしましょう。異性とお付き合いをしたこともないのに、殿方の鼻の穴に指を入れてしまいました。将来私が昭和気質の大地主なんかと結婚することになったら、契りも結んでいない男の鼻に小指を入れた女として、破談になってしまうんでしょうか。大変です」

女はそう言って水道場まで走り、小指を洗い始めた。

「はぁー」

意味が不明だ。

だが。

こうやって、また、彼女に救われてしまう。

自分の身に纏う不可解や理不尽を、彼女の混沌や不条理が覆い尽くしてくれる。

それこそ、灰色を白で塗りつぶすかのように。

彼女に報いるためなら。

「大変です!早く来てください!蛇口をひねると水が流れ出しました!シャーシャーと、文明開化の音がします!!」

僕はきっと、この世界を黒で染めるのだろう。
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/18(水) 19:56:58.42 ID:XvfI7PG50
「あのー」

公園のベンチに再び座って休み始めた男に、女は言葉をかけようとしていた。

「ええーっと」

「心配しなくていいよ。君を待ってる間にちょっと寝ちゃってただけだから。熱射病とかでもないよ」

時刻は17時過ぎだった。

「待ち伏せ中に寝てしまったんですね。ストーカーなのに」

「待ち合わせ中の間違いではなくて?」

「マッチング中の間違いでした」

「それも違うような」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/18(水) 19:57:33.74 ID:XvfI7PG50
「男さんは女性と手を繋いだことがありますか?」

「ちゃんとしたのは無いと思う」

「ちゃんとしてないのは有るっていうんですか?」

「無いと思う」

「ふーんだ」

「そっちは?」

「ちゃんと勉強したことはないと思います」

「いきなり学生の勤めに対する怠慢について自白されても」

「でも、ちゃんとしてない勉強はちゃんとしましたよ」

「どんな?」

「男の子が地獄の青春を送る方法とか」

「全然ちゃんとしてない勉強じゃん。でも聞きたい」

「とても簡単で、次のいくつかのステップを踏めばいいだけです」

「はい」

「まず、中学生時代からタイプの異性には話しかけない」

「はい」

「次に、タイプの異性からふとした時にやさしくされる」

「はい」

「最後に、こんな僕にやさしくしてくれたこの人と結ばれるために自分は生まれてきたのだから、この人だけに自分を捧げようと誓う」

「はい」

「以上です」

「はい」

「以上です」

「はい」

「異常です」

「はい」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/18(水) 20:18:08.62 ID:XvfI7PG50
「ある冬の日、ひとりの女性は街中でとある占い師と出会いました」

「突然何の話?」

「ある冬の日ひとりの女性が街中でとある占い師と出会った話です」

「ごめん。うんざりした顔しないで。続けて」

「占い師の男性は、あなたにまつわることを全てあててみせようと言いました。女性はそんなことができるものかしらと思いながら、占い師の前に座りました」

「えっ、えっ、ちょっと待って。その座ったって言うのは、体育座りのこと?それとも正座かな?あるいは……」

「聞き下手ですか。椅子とかですよ。もう体育座りでもいいです」

「続けて」

「それで、男はいきなりこう言いました。あなたには年のあまり離れていない妹がいますね。それに、趣味は旅行で、北海道に行くのが好きだ。学生時代はテニス部に所属していた。趣味はカラオケで、興味の無いものはスポーツ観戦だ」

「当たったの?」

「全部当たっていました。興奮した女性がさらに質問をしようとすると、彼は言いました。実は、今日が占い師の力を使える最後の日だった。そして魔力は今の占いで使い果たしてしまった。もう普通の人間に戻ってしまった僕でよければ、今夜一緒にご飯にでも食べに行きませんか。女性はハイと答えました」

「そして?」

「2人は付き合うことになったとさ。おしまい」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/18(水) 20:21:31.50 ID:XvfI7PG50
「ふむふむ」

「男はどうして女性のことをあてられたと思います?」

「そんなのストーカーだからに決まってるでしょ」

「何を当たり前のことを、という表情で言わないでください。違います。2人は初対面です」

「不思議だよなぁ。広く解釈できる質問をしてるわけでも無いし。洞察眼があるって言ったってさすがにあて過ぎだし」

「ヒントを差し上げます。付き合ってデートをしていく過程で、女性は彼が占い師だったというのは嘘だったと気付きました」

「わかった!彼は記憶を作り変える力を持った超能力者だったんだ!!女性の記憶を捏造し、あたかも自分が占ったことが……」

「もう答えいいますね」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/18(水) 20:31:55.40 ID:XvfI7PG50
「彼は、毎日無数の女性に同じ内容で占い続けてきたんです」

「どういうこと?」

「100人、200人。あるいは1,000人、2,000人に同じ占いをし続けてきたのですよ」

「何のために?」

「彼は自分と似た女性とお近付きになり、交際したかったからです。年のあまり離れていない妹がいる。趣味は旅行で北海道が特に好き。学生時代はテニス部に所属してい趣味はカラオケで興味の無いものはスポーツ観戦」

「頑張り過ぎだろ」

「はい、彼は頑張りました。そして手に入れました」

「運命の出会いは確率論だって話がしたかったんだっけ?」

「あなたが私から逃れたいと思ったら、たくさん女性とお会いすればいいという話です」

「それは無理だよ」

「どうしてですか?」

「足が痺れてるから」

「あら、いつの間に正座してたんですか」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/27(金) 07:22:25.55 ID:+MJb82YwO
「運命の人っていると思いますか?」

「何十億という人間が住んでいるこの星のどこかにはいるんだろうな」じーーー

「私を凝視したまま地球規模の話をされても」

「ディスティニーの人かぁ」

「なぜ英訳したんですか」

「ディアゴスティーニの人」

「運命の人を組み立てたんですか」



『こちらは、……』

「夕方のチャイムの時間です。お開きにしましょうか」

「ああ、それではまた明日」

「はい、また明日」

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