天龍「龍田改二に違法改造で対抗する」

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1 : ◆pysihcVNJQ [sage saga]:2018/07/11(水) 23:18:33.88 ID:yYEEuHzm0

天龍改二記念SSという訳でもない、というか発表前に書き始めたので天龍改二が未定扱いになっているのは仕様です。






―工廠―


天龍「そういう訳だ、協力してくれ」

明石「いや協力って……」

夕張「しかも違法改造って! そんなの手伝える訳ないでしょ!」

天龍「俺が欲しいのは少しの設備と技術のある人手と部品、あとはそれを使ってるのを黙ってもらう事だけだ。他は自分でやる」

夕張「じ、自分でって……」

明石「龍田さんに先に改二が実装されて焦っているのはわかりますが、あまり無茶な改造はどんな悪影響が出るか……」

天龍「焦っている……だと……? 俺が、焦っている様に見えるのか?」

明石「ち、違うんですか?」

天龍「俺は別に焦っちゃいない。先に言っておくが龍田に嫉妬してる訳でもねぇ。寧ろ逆だ」

夕張「逆……?」

天龍「良いか、俺が前線を離れて随分経った。それからずっと遠征の引率……いや最近はそれすら少なくなった。大発が積めねぇってな」

天龍「する事と言えばたまに鎮守府周辺の哨戒程度……だがそんな日々も、改二さえ来れば変わると思っていたんだ」

天龍「そこへ龍田の改二が発表された……嬉しかったよ、姉として誇らしかった」

天龍「龍田やチビ共が思ってたのと、あと青葉のバカが期待した反応とは違ったみたいだがな。丁度今のお前らみたいな顔をしていた」

夕張「……」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1531318713
2 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/11(水) 23:30:26.95 ID:yYEEuHzm0

天龍「同型艦に改二が実装されれば、大抵もう一隻にも遠からず実装される」

天龍「だから俺は……俺か龍田かのどちらかに改二が実施されるなら、どっちが先でも良いと思ってたんだ。早いか遅いかの違いだってな……」

天龍「……俺らは所詮旧式の軽巡、ハナから戦艦みたいな立ち回りができるとなんざ思っちゃねぇよ」

天龍「それでもだ。改二さえ……改二さえ来れば、せめて後発の軽巡に追い付くくらいの性能を得られるかもと期待していたんだ」

天龍「南西海域、特別海域の前半、他の軽巡が戦ってる前線に行けると……!」ワナワナ

天龍「……だがしかしだ!!」

天龍「待ちに待った改二! それで龍田は何を得た!?」

天龍「大発の搭載能力、対空火力と対潜能力の向上、それでいて燃費は据え置き……」

天龍「素晴らしい! これまで以上に輸送任務に使える様になったじゃねぇか!」

天龍「……では何を引き換えにした? 大幅な火力低下だ! 副砲も大型電探も水偵も積めなくなった!!」

天龍「改二で……待ちに待った改二で! 龍田は支援向けの艦娘になったんだよ分かるかァ!!!」ダンッ!!

明・夕「「!!」」ビクッ!

天龍「姉妹艦の少ない艦の改二は概ね性質が似る。俺も龍田と似た性能になるんだろう」

天龍「俺は! 改二に期待できなくなったんだよ!!」

天龍「このまま放っておいたら、俺は改二になって尚俺は戦場には立てねえんだよ!!」
3 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/11(水) 23:36:50.41 ID:yYEEuHzm0

天龍「良いか! この先俺が敵と撃ち合う為には! もう自力でどうにかするしかねぇんだ!!!」

明石「い、いやでも……良いじゃないですか、対潜・対空特化! 軽巡としてはそういう戦い方も……」

天龍「俺はそんなのは望んじゃいない!! 俺は後ろでコソコソする為の艦じゃねぇ!」

天龍「…………だから頼む……」

天龍「……少しで良い……協力してくれ……」

明石「う……」

夕張「で、でも……」

天龍「……もちろんタダでとは言わねぇ」ゴソゴソ

明石「な、何を……」

天龍「……間宮券だ、20枚ずつある。協力してくれるなら、前金代わりにやろう」

夕張「……っ!」

天龍「……どうだ?」

明石「う……うぐぐ……」


――――

―――

――
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/11(水) 23:37:39.43 ID:eWh8R83DO
カスタムロボかな
5 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/11(水) 23:46:13.14 ID:yYEEuHzm0

――
―――


天龍「じゃあこの辺は俺の資材置場兼作業場として使わせてもらうぜ」

天龍「傍目には物の配置が換わっただけ……いや元々ゴチャゴチャしてるからそれすら気付くまい」

明石「は、はぁ……」

*

ガチャガチャガチャ

夕張「へぇ、意外と整備の方も手慣てるのね」

天龍「艤装はもうあちこち自分でいじってるからな。もうあちこち改造してんだぜ」

明石「それで天龍さんの艤装、変なクセが付いてたんですね……」

*

赤城「タ級のマントを、ですか?」

天龍「あぁ。余裕があれば何枚か持ち帰ってほしい」

加賀「わざわざ赤城さんの手間を取らせてまで何をしようと言うの? ヒーローごっこがしたいならゴミ袋でも使いなさい」

天龍「アホぬかせ。明石が検体に欲しがってるってのを伝えに来ただけだ」
6 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/11(水) 23:53:17.01 ID:yYEEuHzm0

明石「――で、このマントどうするんですか?」

天龍「…………はぁっ!」ズバァッ!

マント「……」ピカピカ

夕張「うーん、全然効いてないわね」

天龍「まぁ旧式軽巡対大戦艦じゃあ仕方ねぇか。これでも相当研いだんだがな」

明石「お陰で整備し辛いんですよ、危なくて……」

*

夕張「元の軽巡天龍の事を考えると、防空型になるのを避けるのは難しいかも……」

天龍「ふむ……つまりは対空と火力両方とも、あわよくば耐久と装甲も上がるようにすれば良い訳か」

夕張「そんな贅沢な仕様にするのは流石に厳しいと思うけど……」

天龍「なら俺が第一号になるまでだ」

夕張「簡単に言うわね」ハァ

*

明石「改めて天龍さんの艤装をチェックしましたが、やはりもう上限一杯です」

天龍「普通に強化する余地はもう無いって事か」

明石「そうですね」

天龍「じゃあいよいよ普通じゃないやり方をするしかねぇな」
7 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/12(木) 00:01:58.25 ID:lE9yEb4a0

天龍「……」

吊り下げられたタ級マント『……』

天龍「……」ジーッ

タ級マント『……』

明石「……あれは?」

夕張「目を鍛えるとかなんとか……」

*

明石「じゃあ改めて、改良の方向性は……」

天龍「第一に火力と雷装の向上。昼でもリ級eliteと渡り合えるくらいは欲しい」

天龍「対空と対潜は放っておいても上がるだろうからこっちから何かする必要はねぇだろう」

夕張「大発は?」

天龍「それもそのうち勝手に積める様になりそうだからどうもしなくて良い」

天龍「防御面も欲しい所だが、足が遅くなるのはちと困るな……まぁそっちもおいおい対処するとして……」

天龍「総じて、目指すは軽巡版摩耶改二、もしくは高火力版五十鈴改二ってところか」

天龍「そうそう上手くは行かねぇだろうが、まぁあくまで目標だ。一先ずはやってみる事だな」

*

天龍「……」

タ級マント『……』

天龍「……はぁっ!」

ズバッ!!

タ級マント『……』バサッ

天龍「違ったか……」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/12(木) 00:08:03.23 ID:v2TQjxFR0
龍田の改二に感じた物寂しさをズバリ言ってくれた天龍を応援せずにはいられない

9 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/12(木) 00:12:32.52 ID:lE9yEb4a0

明石「それにしても難儀な性格ですねぇ……」

明石「古い軽巡としての能力の限界と、その性能なりの適切な運用法を理解しつつ、それでもあくまで砲雷戦で戦いたいなんて」

夕張「まぁ一言で表せば『ワガママ』で済む話だけどね」

天龍「やめろ。挑戦的と言え」

*

●REC

天龍「第一回射撃試験。脚の艤装を少し調整した。速力が多少落ちたが衝撃吸収性能は3%程増してるはずだ」

天龍「20.3cm連装砲2基4門の一斉発射。今まではどうしても照準がブレたが……」

……ドドォォォン!!

天龍「うぉ……っ! やっぱり3%じゃ大して変わんねぇな……!」ビリビリ

*

天龍「そうだ、装甲が要らなくなれば装甲を強化する必要は無くなるんじゃねえか?」

夕張「随分思い切った発想の転換だけど……どういう事?」

天龍「当たらなきゃ良い」

夕張「いやシャアじゃないんだから。まぁ究極はそうだろうけど無理でしょそんなの、どう考えても」

天龍「いや……」
10 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/12(木) 00:23:34.44 ID:lE9yEb4a0

天龍(目隠し)「……よし、来い!」

夕張「……」ドドォン!!

天龍「よっ……おぁっ!」ドガッ!

天龍「チッ! いきなり当たっちまった……」

明石「無茶ですよそんな。目隠しして音と気配だけで弾を避けるなんて……」

天龍「赤城と……あと長門ならできる」

明石「あの人らは色々おかしいので……」

*

明石「技術者として『リミッター解除』をパワーアップみたいに扱うのは忍びないですけど、艤装の安全装置を少しずつ切って行くのが一番手っ取り早いかもですね」

天龍「あぁ、それはもうやった」

明石「……はい?」

天龍「安全装置らしきものはもう取った状態で使ってる」

夕張(「らしき」……?)

明石「えっ、身体は大丈夫なんですか?」

天龍「初めは事故りそうになったが、もう加減には慣れた。まぁ結局大した性能向上にはならなかったがな」

明石「でも定期検査の時は何も……」

天龍「そん時だけちゃんと付け直してるんだよ」

明石「そんな暴走族の改造車みたいな……」

*

夕張「ねぇ、やっぱり防空や対潜特化も悪くないんじゃないの? この上に輸送能力も高かったらそれはそれで割と活躍できそうだけど……」

天龍「何べんも言わすな、俺がしたいのはあくまで水上艦との殴り合いだ。爆雷投げるだとか飛行機を撃ち落とすとか、ンな事は柄じゃねぇ」

夕張「あなたも大概に強情ね……」
11 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/12(木) 00:35:42.30 ID:lE9yEb4a0

明石「こうなったら……ある意味一番手っ取り早い方法で行きますか」

天龍「なんだそりゃ?」

明石「他の艦娘の艤装を使うんです。単純にカタログスペック上の性能は上がります」

天龍「後付けの装備はともかく本体の艤装も他の艦娘の艤装なんか積めたのか?」

明石「普通は拒絶反応を起こすので無理ですよ。ゆっくり時間をかけて慣らせばマシになる程度です」

天龍「よし、それで行こう。どうせなら――」

*

●REC

天龍「第三回……航行しけ……主機を……あ゛ー、流石に重巡のをそのまま積むのは、キツい……!」

天龍「パワーが上がってる感じはする……だが……この状態で戦闘は……無理だな……」

……ザァーッ……

天龍「駄目だ気持ち悪い……二日酔いが3つ同時に襲ってきたみてぇだ……うぶっ、ぉぇっ……」

*

明石「やはり流石に拒絶反応が激しいですね。重さもありますし」

天龍「摩耶改二のなら親和性高いと思ったんだがな。防空繋がりで」

明石「いや関係ないですって。普通は上級艦種の艤装を積んで歩くだけでもかなり無理があるんです」

明石「アレルギーの幼稚園児に10kgの小麦粉を運ばせる様なものですよ」

天龍「まともにやって強くなんかなれるか。ただでさえ旧式だってのに」

*

天龍「……」

タ級マント『……』

天龍「……ふっ!」

ズバッ!!

タ級マント『……』

天龍「……ここでもないか」
12 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/12(木) 00:44:26.01 ID:lE9yEb4a0

天龍「そうだ、装備を四つ積める様にするにはどうすれば良い?」

夕張「こればかりはどうにも……」

天龍「排水量ならお前と大して変わらねぇじゃねぇか」

夕張「軽巡夕張は元からそういう設計だからねー。あなたより2倍以上重い5500t級の川内とかだって三つが限界なのよ?」

天龍「むぅ……」

*

●REC

天龍「もう二十日目か。第一三回航行試験……」

天龍「川内型、阿賀野型のパーツを今度は部分的に組み込んだ。これなら負荷もまだマシだ。ずっと風邪みたいなボケた感じがするがな」

ザァーッ……

天龍「おぉっ、これなら……ここからちょっとずつ慣らすか」

*

夕張「……」……ドドドォン!!

……シャッ!

天龍(目隠し)「……よっ……ぅおあっ!?」ドガァン!!

明石「おぉー……1ヶ月目にして初めて躱せましたね」

天龍「一発だけ躱せてもしょうがねぇ。よし来い! もう一回だ!」
13 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/12(木) 00:52:46.04 ID:lE9yEb4a0

天龍「……」

タ級マント『……』

天龍「……はっ!」

ズバッ!!

タ級マント『……』ピリッ

天龍「……ほぅ?」

*

―食堂―

天龍「あぐあぐ……」ムシャムシャガツガツ

電「天龍さん、最近ご飯の量が増えたのです?」

Bep「豚角煮、焼肉、豚カツ、牛ステーキ、極太ヴルスト……肉料理ばっかりだ」

暁「それも重いのばかり……見てるだけで胸焼けしそう……」

雷「ちゃんと野菜も食べないとダメよ?」

天龍「うるせぇな、分かってらい」

*

●REC

天龍「第二十七回射撃試験。そろそろ動きながら的に向けて撃ってみる」

シャーッ……ドドォン!! バシャァァン……バシャァァン……ガキィィン!!

天龍「っし! 命中だ。他人の艤装にも段々慣れて来たな。つっても15p砲だからまだ目標には程遠いが」
14 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/12(木) 01:04:21.72 ID:lE9yEb4a0

――ドォンドォンドォン!!

天龍(目隠し)「……よっ……はっ……はっ……!」

――バシャァァン! バシャァァン! バシャァァン!

夕張「おぉ! やったわね! 3発連続回避成功よ!」

天龍「はぁ……はぁ…………4ヶ月かけて、やっとか……」ゼェゼェ

明石「十分早過ぎる位だと思いますけど……」

*

―執務室―

提督「最近天龍が何かやってるらしいな」

鳳翔「えぇ。自主トレーニングしている様子自体は前から見られていましたが、最近は多くなったとか」

提督「ダイエットかな」ハハハ

鳳翔「噂ではボディビルを始めたとか夏に向けて身体づくりをしているとか……」

提督「はぁ!? ボディビル!?」

*

―執務室のドア前―

<ボディビル!?

天龍「……よし、バレてねぇな」

夕張「この辺適当な提督で助かったわね」
15 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/12(木) 01:13:52.14 ID:lE9yEb4a0

●REC

天龍「第四十六回射撃試験。全身あちこちに古鷹型の部品を組み込んだ」

天龍「今の俺は2割方重巡だ。キツいが初めの頃よりはマシになった」

天龍「20.3cm2基4門の一斉発射……前は駄目だったが、今なら安定して撃てる筈だ」

シャーッ……ドドォン!! バシャァァン……ドガァン!……バシャァァン!

天龍「ふぅ! 手応えありだ! 今の俺なら20pもフィット砲として扱える!」

天龍「……だがまだ実戦は無理だな……これじゃあ二戦もしたらもうヘバっちまいそうだ」

*

天龍「ここと……ここの部分はもう大丈夫だ。普段通りに戦える」

天龍「後は主機とここと……。やっぱり高雄型は流石に背伸びし過ぎか。古鷹辺りだな」

夕張「どんどん天龍だった部分が減っていくわね……」

明石「最終的に出来上がる『天龍違法改』は果たして天龍と呼んで良いんでしょうかね」

天龍「まるでテセウスの船だな。まぁどうだって良い、俺の自我がある限りは俺だ」

*

●REC

天龍「第六九回航行試験。ひとまず艤装が形になったからその試験航海だ」

スィーッ!! ザザザーッ!! ドォンドォン!! ススーッ!!

天龍「おぉっ! 行けるぞ! 身体の負荷も気にならない位になってる!」
16 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/12(木) 01:22:13.56 ID:lE9yEb4a0

天龍「……」

夕張・明石「「……」」

タ級マント『……』

天龍「……!」カッ!

ズバッ!!

タ級マ/ント『……!!』スッパリ

天龍「……ふぅ」

夕張「おぉぉぉ!」

明石「前は全然歯が立たなかったのに……」

天龍「何だか、切れそうな所が見えた……つっても信じねぇだろうな」

*

――ドォンドォンドォンドォン!!

天龍(目隠し)「……」

シャッ! シャッ! シャッ! ガキィン! 
シャッ! ガキィン! ガキィン! シャッ!

――バシャァァン!!

明石「成功です! 視覚以外の感覚だけでランダムな砲撃の連続回避成功です!」

天龍「8ヶ月がかりか……時間かかったな」

明石「いや普通8年がかりでも無理ですよこんなの」

夕張「こればっかりは天龍の元々持ってたセンスの賜物と見て間違いないわね」
17 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/12(木) 01:28:54.83 ID:lE9yEb4a0

――
―――

夕張「さて……」

明石「諸々の調整も済んで、いよいよお披露目ですね」

<ガチャッ

天龍(違法改造)「へへっ、どうだ?」バーン!

夕張「わーお……これはまた、ケレン味のある感じに……」

明石「よく見たらいろんな艦娘の艤装がミキシングさせてあるのがわかりますけど――」

明石「天龍さんの艤装の色に統一させたら案外気にならないですね」

夕張「さて、改めて性能を確認すると……」

夕張「装甲と耐久は微増に留まってるけど、代わりに火力、雷装は大幅に向上して神通改二にも匹敵するぐらいになってるわね」

夕張「対空も五十鈴に準じるくらいまで上がってるし、正に当初の想定通りのライト版摩耶ね」

夕張「後は天龍本人の眼力と直感回避が合わされば、スペック以上の強さが出るかも」

夕張「ただし代わりに対潜は据え置き、大発も搭載不可、燃費は大幅悪化……」

夕張(これ提督的には逆に使い辛いんじゃ……)

明石「今、体調は大丈夫ですか?」

天龍「軽ーい頭痛と眩暈はするが問題になる程じゃねぇ。これなら無視できる」

天龍「よし。じゃあ早速行くか」

夕張「えっ? どこに?」

天龍「執務室」
18 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/12(木) 01:30:04.40 ID:lE9yEb4a0
今夜は一旦ここまで
続きは夜が明けてから投稿します

今更となりますが、独自設定を多く含むのでご注意ください
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/12(木) 07:16:23.76 ID:A3mmCO91o
おつ
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/12(木) 12:18:35.01 ID:5xJX7GTRo
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/12(木) 16:36:01.49 ID:Xd/VoIg1O
どうせ違法改造ならよそから引っ張ってきてもよかったのでは?
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/12(木) 18:35:13.22 ID:MmJTuMsCO
クリーブランド級とブルックリン級とアトランタ級の装備をまぜまぜしよう
23 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/12(木) 18:50:22.76 ID:VETLBL5S0

―執務室―


ドアバーン!!

天龍「提督ー!」

提督「うわぁっ!? 誰だノックもせずに……誰!?」

天龍「俺だ俺。改造して生まれ変わった天龍様だ」

提督「はぁ!? ……確かに人の部分は天龍だけど……どうしたんだその艤装?」

天龍「半年ちょっとかけて改造した。……って、それは良いんだよ。今日出撃があったな?」

提督「あ、あぁ。沖ノ島沖のな……まさか」

天龍「その通りだ。俺を組み込め」

提督「いやいやいや。士気が高いのは結構だが天龍では……」

天龍「俺では、何だ。不安か?」

提督「疑う訳じゃないぞ? でも、その、何だ……折角艤装を改造してまで来てくれた所悪いが……」

天龍「……分かった。そりゃそうだ、いきなり言われてもだしな」

提督「そ、そうだ。そうだとも。天龍じゃ無理とか、そういうんじゃないぞ?」

天龍「はいはい分かってるよ。んじゃ、邪魔したな」スタスタ


<バタン


天龍「……」

天龍「…………」
24 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/12(木) 19:01:37.22 ID:VETLBL5S0

――
―――

―沖ノ島沖―


リ級『――そんなバカな。何かの見間違いじゃないのか?』

チ級『いや、間違いないです! 確かにこっちに向かってます!』

ル級『どうした、何を騒いでいる?』

チ級『先頭の艦隊が、軽巡くらいの艦娘が1隻だけで攻め入って来たと……』

ル級『1隻? 偵察ではなく攻撃を? まぁいい。適当に始末しろと言え』

チ級『わかりま……えっ、嘘!? そんな馬鹿な!!』

リ級『どうした急に大声出して』

チ級『ぜ、前衛艦隊、全滅……全く勢いを落とす事無く、こちらに向かっています……!』

ル級『全滅!? たった1隻の軽巡にか!?』


<ザァァァァァァッ……


リ級『あ! もしかして、あれが例の……!?』


天龍「……へへへっ、さっきのは肩慣らしにもなりゃしなかったが……」

天龍「てめぇらなら、楽しませてくれるよな……?」


ル級『ニヤニヤして気色悪い奴め……迎撃体制! たかが軽巡1隻、目に物見せてやれ!!』

ガシャッガシャッガシャッ……

リ級『敵艦……射程内!』
25 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/12(木) 19:16:14.13 ID:VETLBL5S0

ル級『撃ぇ!!』

ドドドドドドォン!!!


天龍「へっ……」


シャッシャッシャッシャッ!! ガキィン!!

イ級『ギャァァァッ!!』ドガァン!!

チ級『う、"打ち"返した……!?』

リ級『ふざけた真似を……かかれ!』

ザァァァァァァッ!!


天龍「ひぃふぅみぃ……一隻はル級か」

天龍「……1分だ」


ドドォン!! ドドォン!! ズバァン!! ドドォン!!

ロ級『グァァァッ!!』<撃沈>

チ級『嘘……』<撃沈>

リ級『そん……な……』<撃沈>

天龍「っと、こんなもんか」

ブン!! ビシャッ

天龍「残りはお前だけか?」ニタァ

ル級『……!』ゾクッ

天龍「flagshipのル級……軽巡が1隻だけで相手にするにはちょっとしんどいな……」

天龍「ま、力試しには丁度良い!」

ザァァァァァァッ!!

ル級『(馬鹿な……私は……こいつを、恐れている……!?)』

ル級『(軽巡! たった1隻の軽巡相手に! 何故……!?)』

ガコォン……

ル級「ガァァァァァッ!!」

ル級『軽巡如き! 図に乗るなぁっ!!』

天龍「っへへへへ!! おらぁ!!」

バッ……!!!
26 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/12(木) 19:30:37.42 ID:VETLBL5S0

――
―――

ヲ級『全く情けない話ね……戦艦が軽巡にやられたなんて。居眠りでもしてたんじゃないかしら』

ヲ級『艦載機、行きなさい。調子に乗った事を後悔させてやるが良いわ』

深海艦載機群『……』ブゥゥン……

深海艦載機群『……!!!』ドガガガガガガッ!!!

ヲ級『……は?』

天龍「……やっぱり、対空能力は特に鍛えてもないのにいつの間にか上がってるな」

天龍「前は脅威だったヲ級改の艦載機が、今じゃまるで紙飛行機だぜ」

ヲ級『う、嘘……! こんなの嘘よ!! 艦載機! それから随伴艦! さっさと奴を沈めなさい!!』

リ級「グォォォォォッ!!」ドドォン!!

ト級「ガァァァァァッ!!」ドォンドォン!!

ニ級「グァァァッ!!」ダァンダァン!!

天龍「へっ……」

シャッシャッシャッ!! バシャァァン! ドドォン!! スッ! スッ! ガキィン!
ブゥゥゥゥン……ズドドドドド!!

深海艦載機『……』プスプスプス……

ト級「ガハッ……」<撃沈>

リ級『そん……な……』<撃沈>

天龍「遅ぇ……止まって見えるぜ!」

ヲ級『えっ、そ、そんな、嘘……』

シャァァァァッ!!

天龍「後はお前だけか……」チャキッ

ヲ級「ギィィィィィィッ!!(こ、来ないで!)」

天龍「うるせぇ、耳障りだ! そこをどけぇ!」

ズパァン……!

ヲ/級『あ……が……』<撃沈>
27 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/12(木) 19:46:00.70 ID:VETLBL5S0

――
―――

ル級1『どうしますか!? もうすぐにでも来ます!』

ル級2『逃げるなら今しか……!』

タ級『ふざけるんじゃないわよ! 戦艦が寄り集まってたった1匹の軽巡に追い払われたなんて良い笑い物だわ!』

タ級『全艦! 何が何でも沈めなさい!』

ル級1『えぇい、ままよ!!』ドォンドォンドォン!!

ル級2『沈めぇぇぇえっ!!』ドォンドォンドォン!!

ドドォン!! ドドォン!! ドドォン!!
バシャァァン! バシャァァン!


天龍「おぅおぅ、流石は主力艦隊。派手なお出迎えだな!」シャッシャッ!!

天龍「ほらよ! チップだ!」ドドォン!!


二級「ギャァァァッ!!」<撃沈>

ル級1『どうなってるんだあいつは!? 軽巡が戦艦の間合いから撃ち返して来たぞ!』

タ級『この、生意気な!!』ドドォン!!

シャッシャッ!! ガキィン! シャッ!!
ドドォン!!

ル級2『ぐぁぁっ……!! 目、目がぁっ……!』

天龍「あばよ」

ガコッ……!
シャァァァァッ……

ル級1『魚雷……! 下だ! 危ない!』

ル級2『う、うわぁぁぁぁあああ!!!』

ドガァァァァン!!

ル級2『プスプス』<撃沈>
28 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/12(木) 20:09:49.66 ID:VETLBL5S0

ル級1『くそぉっ!! あいつめ――どこへ消えた!?』

天龍「後ろだ」ドスッ

ル級『……ごふっ……(い、いつの間に……!?)』

ズバァッ!!

ル級1『……』<撃沈>

天龍「さて、と。後は……お前だけだな」ニヤッ

タ級『こ、この……!!』ドドドォン!!

ザァァァァァァッ……

天龍「情けない奴め。軽巡相手に戦艦が逃げながら砲撃たぁな」ガキィン! ガキィン!

タ級『(無理……! こんなの、私には! さっきあぁは言ったけど、こんなの無理!)』ドドドォン!!

天龍「……」ガキィン! ガキィン!

スーッ

タ級『何でこいつ私の砲撃をあんな刀なんかで弾けるのよぉ!!』

シャァァァァッ!!

天龍「じゃあな。丁度いい肩慣らしだったぜ」

スパァン!!

タ/級『や……やめ……て……』<撃沈>

―――
――
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/12(木) 20:17:11.99 ID:/0QfEiT20
演習なりで実力どころか安全性見ることすらせず門前払いか、監督不行き届き含め無能の極みだな
改二に失望というよりこの提督の下じゃ一生日の目見ないことに失望したのかフフ怖さん
30 : ◆pysihcVNJQ [saga]:2018/07/12(木) 20:22:46.29 ID:VETLBL5S0

――
―――

―鎮守府 桟橋―


提督「天龍……」

鳳翔「天龍さん……」

天龍「ほぉ、わざわざお出迎えしてくれるとは感激だな」

天龍「どうだ提督。一人で沖ノ島沖の深海棲艦共を掃除してやったぞ」

提督「……無断出撃だぞ、それは分かってるな?」

天龍「じゃあ俺一人だけで沖ノ島沖を制圧した事に免じて許してくれ。普通に攻略するより手間も資源も浮いたはずだ」

提督「まさか……本当にやったのか?」

天龍「案外呆気なかったぜ。ガンカメラの記録なら……ほれ」ポイッ

……スタスタ

提督「お、おい……」

天龍「風呂だよ風呂。覗くなよ」スタスタスタ……

提督「どうしちまったんだ、天龍は……血の気の多い奴とは思っていたが、まさかこんな事をしでかすとは……」

鳳翔「天龍さんの処遇は……どうしますか?」

提督「とりあえず記録を見てから決めよう。本当に一人で全部やってしまえるんなら、営倉入りさせるより前線に出した方が良いかもしれんし」
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