北沢志保「名前と嫉妬と独占欲」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/11(水) 22:37:51.10 ID:Hx0WAh3I0


・百合

・地の文あり

・タイトルは志保だけど視点は七尾百合子


 それでも良ければお付き合いください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1531316270
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/11(水) 22:40:14.68 ID:Hx0WAh3I0

 ページをめくる音が聞こえる。私が読んでいる本のものでは
ない。私の隣に座って絵本を読む少女のもの。厚手の紙が擦れる
音は、小説のページをめくる音よりも重く、それだけ手繰る人の
心にも届く。

 私は自分が読んでいる小説のページをめくった。左隣の志保に
肘が触れそうになる。ほんのりと彼女の暖かさを感じた。今の
私は本に集中できていない。けれども、窓を叩く叩く雨音でさえ、
今の私には心地良い。

 ガチャリと扉が開く。続けて私の前の椅子が引かれる音がした。
本に栞を挟んで閉じ、顔をあげて目の前に座った人物の姿を確認
する。

「ねえ、百合子。ちょっと時間いいかしら」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [ saga]:2018/07/11(水) 22:41:54.43 ID:Hx0WAh3I0

 最上静香は弾むように私へ訊ねた。手には二枚の画用紙が
握られていた。

 「いいよ」と私が答えると、なぜか志保が本をパタンと音を
立てて閉じた。心底嫌そうな顔をして静香ちゃんを睨んでいる。
志保に不快を示されることに慣れているのか、静香ちゃんは
全く気にしていない。

「で、なにかな。相談?」

「次の公演のチラシのイラストをロコに頼まれたのよ」

 ロコちゃん、何考えてんの?

 困って視線を横に流すと、隣の少女も頭を抱えていた。
当たり前だ。

「……志保、何か不服なの?」

「……私に人事権があるわけじゃないもの。口出しはしないわ」
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