【艦これ】高雄「大規模作戦を越えて」

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1 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/09(月) 21:24:50.66 ID:1gryqoJN0
とある鎮守府の高雄さんのお話。

※下のスレッドの続きとなっています。前スレッドを踏まえた内容もありますので、こちらを先に読んでいただければ幸いです。

高雄「賑やかな執務室」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1527074369/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1531139090
2 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/09(月) 21:28:16.96 ID:1gryqoJN0

七月某日 執務室

バタバタ

大淀「提督!」

提督「どうした?」

大淀「先ほど、作戦本部からこのような連絡が」

提督「なになに?」



提督「『先日提出された報告書の内容を鑑み、貴鎮守府の艦隊の前線投入命令は撤回する』」

高雄「撤回、ですか」

提督「撤回らしいね。ただ、続きがある」

提督「『代わって貴鎮守府には前線への輸送船団護衛任務を命ずる。詳細は別添の資料を参照せよ』」

大淀「こちらがその資料です」

提督「ありがとう」

提督「それから?『貴官の報告は遺憾ではあるが、その率直さは大いに評価するところである。今後もその率直さをもって麾下の艦娘を統率されたし』だと」

高雄「顔は立てていただけたようですね」

提督「みたいだね。前線参加を辞退してこの回答なら上々だ」
3 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/09(月) 21:29:27.99 ID:1gryqoJN0

提督「ふむふむ……そうか、民間船もいるのか……」

高雄「行動計画を決めますか?」

提督「うん。すぐに来られるのは……霧島だな。霧島を呼んでくれるかい?」

高雄「了解しました」



……
霧島「状況は理解しました。では行動計画と艦隊編成を検討しましょうか」

提督「頼めるか?」

霧島「頼まれましょう。何名かお借りしても?」

提督「もちろん。この部屋でやるかい?」

霧島「ええ。お許しが出ればすぐにでも」

提督「じゃあすぐに頼む」

霧島「了解です」

4 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/09(月) 21:30:41.26 ID:1gryqoJN0

翌日

霧島「いかがでしょう?」

提督「うーん……」

高雄(あら?いつになく険しい表情ね)

霧島(いつもならこんなに悩むことはないと思うのだけど)

提督「図上演習はやったかい?」

霧島「いえ。取り急ぎ計画を立てただけですので、図上演習はまだ」

提督「そうか」

霧島「今お時間をいただければすぐにいたしますが」

提督「執務は少し止めても大丈夫かな」

高雄「ええ。問題ありませんよ」

提督「じゃあやろう。名取ー、この間の作戦会議で使った海図出してもらえるー?」

名取「は、はい、すぐお持ちしますね」パタパタ
5 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/09(月) 21:33:07.32 ID:1gryqoJN0

高雄「準備完了しました」

提督「よーし。順を追って戦力の推移をみていこうか」

高雄「はい」


五十鈴「まず第一段階、敵の潜水艦隊を掃討」スッ

霧島「第二段階で前衛の機動部隊基幹の艦隊を撃破」スッ

龍驤「この時点で前線に泊地に最初の船団を送るんやな」

霧島「命令ではそうなっているわね」

摩耶「じゃあ出すぜ」スッ

提督「……」


赤城「……なるほど」

霧島「ああー……ごめん、やっぱり考え直すわ」

摩耶「ん?何で?」

赤城「この機動部隊が進出してきたら、船団は海の藻屑ですね」コツコツ

摩耶「げえっ!」

比叡「ほんとだ!何で事前の索敵に引っかかってるのに放置してるの!?」
6 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/09(月) 21:35:14.94 ID:1gryqoJN0

霧島「この機動部隊は確か、動きが鈍く練度も低いため、脅威度が低いと判定されていたのよね」

赤城「そうです。空母と重巡各四隻が基幹の部隊で、敵主力を撃破する上では比較的重要度が低いと判断された部隊です」

五十鈴「でも水雷戦隊基幹の護衛艦隊からしたら脅威なんてもんじゃないわよこれ」

高雄「敵艦隊が動かない、と希望的観測で作戦を決めるわけにはいきませんよね」

霧島「参考までに聞くけど、赤城がこの艦隊にいたらどうする?」

赤城「かの艦隊の索敵能力が未知数ではありますが、捕捉できればみすみす見逃す理由はありませんね。全力を持って船団を叩きます」

霧島「そうよね。そう言うと思ったわ」
7 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/09(月) 21:36:24.20 ID:1gryqoJN0

摩耶「相手の練度が低いならどうにかならねーかな?」

長良「私たちだけならどうにかできるかもね。でも足が遅くて戦場にも慣れてない輸送船守って逃げ切れる?」

摩耶「あー……それはさすがにきついな」

霧島「この機動部隊に対抗するために必要な戦力は?赤城だけでは厳しい?」

赤城「敵の練度が低いとはいえ、四対一では数に差がありすぎますね。少なくともあと一隻は必要です。私抜きの場合なら三隻、あるいは飛鷹型の二隻で組むべきですね」

龍驤「それでも船団守り切るのが限界やろなあ。二隻で行くなら艦戦かなり多めにしとかなあかんやろうし」

8 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/09(月) 21:38:10.90 ID:1gryqoJN0

赤城「更に、もしこの機動部隊を撃破するなら空母だけで四隻は投入したいところです」

霧島「そこまでやるなら三個艦隊ぐらい投入しないといけないわね」

五十鈴「三個艦隊同時投入なんてできるの?」

大淀「二個艦隊は同時投入可能ですが、それ以上は私たち自身の指揮能力の関係で避けるべきとされています。三個艦隊以上の同時投入は、前例も多くありません」


摩耶「じゃあどうする?」

霧島「二個艦隊の中に無理矢理機動部隊組み込む?」

五十鈴「でもこれ以上駆逐艦減らすのはまずくない?」

赤城「護衛を行う二個艦隊に機動部隊一個艦隊が同行するという形式ならどう?指揮系統を分けてしまえば指揮能力の問題は解決すると思いますが」

比叡「ああー」

霧島「それなら何とかなります……かね」

長良「明日明後日の訓練内容を変更して試してみますか?」

霧島「今からでも変更できる?」

長良「はい。訓練対象艦と内容を伝えていただければすぐにでも」

霧島「それじゃ、すぐに新しい案の詳細を決めるわね」
9 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/09(月) 21:40:35.86 ID:1gryqoJN0

赤城「編成は護衛部隊二個艦隊と機動部隊一個艦隊で決まり?」

霧島「司令、それでよろしいですか?」

提督「うん。そうしてくれ」

霧島「了解しました。すぐ行動計画策定にかかります」

提督「頼んだ。長良も負担をかけるけど、よろしくな」

長良「大丈夫です!お任せください!」



提督「さて、どこで執務が止まってたんだっけな」

高雄「工廠関係の決裁ですね」

提督「そうだった。じゃあそれからやろう」

高雄「はい」
10 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/09(月) 21:42:47.14 ID:1gryqoJN0

霧島「お待たせしました。船団護衛の修正案です」

提督「ありがとう」

提督「ふんふん……やっぱり燃料弾薬はかなり使うな」

霧島「よろしいですか?あまり使いこむと、鎮守府の継戦能力低下が心配ですが」

提督「懸念はあるが、ここは下手に使い惜しむ局面でもないだろうと思うよ」

霧島「もっともです」

提督「それに、念のため本部に資源の追加を要請しておいた。まだ通るかは分からないけどね」

霧島「敵主力撃破のためならともかく、船団護衛のための資源追加要請が通るでしょうか?」

提督「分からんね。大淀には想定される脅威を強調して伝えるように頼んでおいたけど、どうなることやら」
11 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/09(月) 21:43:48.00 ID:1gryqoJN0

大淀「その甲斐はあったようですよ。本部から『要請を受諾する』と回答がありました」コツコツ

提督「よし。その感じだと八割ぐらいは通ったかな?」

大淀「それが、まさかの満額回答でした」

提督「素晴らしい」グッ

高雄「良かったですね」

霧島「えらく気前がいいのね」

提督「で、条件は?」

大淀「あくまで今後補充される資源の先渡しという形ですので、作戦後しばらくの間は、資源の補充ペースが低下することになります」

提督「そういうことね。大規模作戦後は遠征を中心に艦隊を運用するようにして対応しようか。後で神通にも伝えておこう」

高雄「早く第四艦隊も運用したいところですね」

提督「そうだな。こればっかりは金剛の着任を待つしかないか」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/10(火) 09:17:36.42 ID:nNlJdFbQO
続編まってた
13 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:05:09.11 ID:C8lH0rZ70

二週間後

神通「第一艦隊、出撃準備完了しました」

足柄「第二艦隊、出撃準備完了よ」

赤城「第三艦隊も準備完了。いつでも出られます」

提督「了解。時間になったら所定の行動計画に従って出撃してくれ」

神通「了解しました」

比叡「司令。訓示とかは言わないんですか?」

提督「特に考えてなかったんだが、言ったほうがいいかな」

比叡「はい」

霧島「大規模作戦にふさわしい訓示をお願いします」

提督「そうか。それじゃ……」

14 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:08:12.49 ID:C8lH0rZ70

提督「まずは全員に向けて」

提督「背伸びをする必要はない。訓練でやったこと、今の自分にできることを確実にこなしてくれ」

提督「それから各艦隊旗艦は、艦隊間及び鎮守府との連絡を密にすること。万が一不測の事態が生じたときは執務室に私がいるから……」

高雄(ゴクリ)



提督「判断を押し付けて責任回避を図るよーに」

高雄(あらっ)

比叡「ぷっ」

霧島「らしいわよ赤城」

赤城「これは良いことを聞きましたね」

高雄(実際良いことをおっしゃっているのに、わざわざかっこよくない言い回しをなさるのね)クスッ

足柄「そういうことなら、私も面倒な判断全部提督に投げようかしら」

満潮「あのねえ……」

霞「作戦当日に気の抜ける訓示なんて、バカじゃないの?」

黒潮「でもこのほうがうちらしくて面白いやん」

15 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:09:53.18 ID:C8lH0rZ70

提督「それと確認だが」

提督「今作戦で護衛する船団には、その全てに民間船が含まれている」

高雄(!)

提督「補給線を維持する重要性は私から言うまでもないが、万が一、任務と人命の二者択一を迫られるような局面になったら、その時は人命を優先して行動してくれ」

高雄(これが、提督が一番伝えたかったことなのね)

足柄「分かったわよ」

神通「了解しました。提督にご迷惑をおかけしないよう、任務に全力を尽くします」

足柄「相変わらず真面目ね〜。提督の訓示聞いてたでしょ?」

赤城「要するに船団に手出しをさせなければよい。そういうことですね」

提督「そういうことだ。よろしく頼むよ」

神通「お任せください」

16 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:11:10.01 ID:C8lH0rZ70

……

高雄「全艦隊、予定通り出撃しました」

提督「了解。以後艦隊からの連絡と情報の整理は臨時の窓口に任せる」

暁「任せて!」

天龍「各機器とも動作に問題なし。通信状態は良好だぜ」

高雄(これで不測の事態にならない限り提督も執務に集中できるわね。ちょっとギリギリになったけど、提督に提案して良かったわ)

高雄(人員配置も問題なし。ちゃんと引継ぎできるよう、私もちゃんと監督しておかないとね)

17 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:13:01.92 ID:C8lH0rZ70

赤城「索敵機が船団を発見しました。位置は事前の情報通り。以後、本艦の戦闘機隊第一中隊第二小隊が船団の上空直掩にあたります」

神通「了解しました。各艦、針路速力このままで合流予定海域に向かいます」



……
暁「船団との合流完了、と」

響「第一艦隊、第二艦隊で船団外周を固めて、第三艦隊は少し距離を取って後続。予定通りだね」

天龍「ここまではな。問題はこっからだ」
18 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:14:50.43 ID:C8lH0rZ70

筑摩「……見つけました。例の機動部隊です」

赤城「艦隊の位置は?」

筑摩「事前の情報通りです。特に動く様子はありませんし、こちらの索敵機にも攻撃してくる様子もありません」

赤城「そう……しばらくはそのまま触接を維持しなさい」

筑摩「了解です」

19 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:15:48.49 ID:C8lH0rZ70

……
白露「船団は無事前線泊地に到着、だね」

那珂「結局今回は全然攻撃なかったねー」

時雨「とりあえずは一安心かな」

高雄「まだ帰り道もあるわ。油断は禁物よ」

高雄(とは言っても帰途は空荷だし、行きよりは安心かしらね)
20 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:17:02.95 ID:C8lH0rZ70

……
利根「……んん?」

赤城「どうしました?」

利根「まずいぞ。往路で筑摩が捕捉した海域に例の機動部隊がおらぬようじゃ」

霧島「なんですって!?」

赤城「索敵機を増やしましょう。鳳翔さん、出せますか?」

鳳翔「出せますよ。待機中の第二小隊を上げますね」

赤城「お願いします」

21 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:18:38.15 ID:C8lH0rZ70

荒潮「あら?あんなところに味方機なんて居たかしら〜?」

足柄「どこどこ?」

荒潮「二時の方向、仰角三十度ってとこかしら」

赤城「利根、筑摩、帰還中の機体はありますか?」

利根「いや、ないぞ」

筑摩「私の機体でもありません」

霞「ということは……」

陽炎「見えた!深海棲艦艦載機です!友軍にあらず!」

神通「全艦、対空戦闘用意!」

龍驤「直掩隊、急行!打電される前に叩き落せ!」

赤城「一戦交える必要がありそうね。戦闘機隊、全機発艦!」

22 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:20:01.35 ID:C8lH0rZ70

……
五月雨「直掩隊、敵艦載機部隊と戦闘に突入しました!」

涼風「行きじゃなくて帰りに攻撃って、奴ら一体何考えてんだ」

由良「偶然かもしれないけど、行きより帰りのほうが油断しがちだからそこを狙ったのかもしれないわね」

23 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:21:27.96 ID:C8lH0rZ70

……
龍驤「ちっ。艦戦は全部落としたけど、他がすり抜けよったな」

赤城「私たちで第一段の防御線を構築します。第三艦隊は単横陣へ」

霧島「了解!」

満潮「あ、赤城さんもそっちなの??」

赤城「私がそっちにいても護衛対象が増えるだけですからね」

龍驤「出来るだけ落とすけど、そっちも覚悟はしときや」

霞「分かってるわよ」

神通「みなさん、お気をつけて」

比叡「大丈夫。任せて」

24 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:23:48.35 ID:C8lH0rZ70

……
五月雨「敵艦載機、撤退します。筑摩さんと霧島さんが小破、赤城さんと龍驤さんも至近弾で損傷はありますが、全艦戦闘に支障なし。船団には被害ありません」

涼風「赤城さんと龍驤さんで誘引するのが成功したからいいけど、危険な賭けだよなあ」

由良「何とか耐えた……のかしら」

高雄「そう思いたいけれど……まだ次があってもおかしくはないわよね」

25 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:25:14.01 ID:C8lH0rZ70

……
鳳翔「敵機動部隊、発見しました!我が艦隊から距離約八〇海里、一時の方向、徐々に接近してきます!」

赤城「龍驤!攻撃隊発艦用意!送り狼で敵機動部隊に打撃を与えます!」

龍驤「そう言うと思たわ!攻撃隊全機発艦用意!準備でき次第小隊ごとに発艦や!」

26 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:26:08.29 ID:C8lH0rZ70

……
由良「ええ!?船団守り切るのが精いっぱいって言ってなかったの?」

五月雨「提督、どうします?」

提督「現場に任せる。それに、このまま接近して砲撃戦にもつれ込む危険性を考えると」

高雄「航空攻撃で少しでも敵の戦力を削いでおくほうが望ましいですね」

涼風「確かに」

27 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:27:28.42 ID:C8lH0rZ70

……
筑摩「敵空母二隻撃沈、二隻は損傷して遁走中。重巡も一隻は撃沈。しかし、重巡三隻を基幹とする部隊が船団に接近中です」

赤城「砲撃戦に持ち込むつもりですね。私はともかく、龍驤は艦載機収容のため離脱しなさい」

龍驤「いや、赤城も艦載機収容せなあかんやろ」

比叡「一時的に指揮権預かってもいいなら、私たちだけで追い返してくるわよ」

足柄「そういうことなら第二艦隊も出るわ。黒潮と大潮で赤城と龍驤の直衛をして、残り四隻と第三艦隊から四隻で迎撃に向かう。これでどう?」

赤城「ではそれでいきましょう。第三艦隊の指揮権は比叡に預けます」

比叡「預かります。迎撃部隊は私に続いて!」

神通「第一艦隊各艦は、第二艦隊の穴を埋めるため配置を変更します。急いで!」

28 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:29:19.17 ID:C8lH0rZ70

……
大淀「うーん……大規模作戦だとやっぱりこうなるんですねえ」

高雄「他の鎮守府でもあるのですか?」

大淀「あるみたいです。特に、司令官が作戦行動に介入することが少ない鎮守府はこのように柔軟な対応を取ることが多いようで」

涼風「提督はそこんとこどう思ってんの?」

提督「現場がやりやすいのが一番だと思ってるよ」

涼風「だろうと思ったよ」

29 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:30:41.65 ID:C8lH0rZ70

……
霧島「主力の重巡は撃沈ないし撃破。他の艦は全艦撃沈または撤退」

比叡「これで完了、かな」

利根「待て待て。どうやら艤装が浮かんでおるようじゃぞ」

足柄「艤装?艦娘の?」

利根「そのようじゃな」

比叡「じゃあ艤装を回収したら船団に戻って赤城や龍驤とも合流しよっか」

足柄「そうね。そうしましょう」
30 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:31:26.23 ID:C8lH0rZ70

……
五月雨「戦闘の結果、空母と重巡の艤装をひとつずつ回収したそうです」

由良「訓練計画も見直しが必要そうね。後で長良姉さんにも伝えておきます」

提督「うん。頼むよ」

提督「空母……空母か……」

高雄「あの……何か?」

提督「いや、何でもないよ。ちょっと気になったけど、これは作戦の後で良いんだ」

高雄「そうですか」

31 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:33:10.15 ID:C8lH0rZ70

……
提督「おかえり。みんなよく帰ってきた。任務も完遂したし、成功と言ってよさそうだな」

神通「提督のおかげです」

霧島「本当に。提督が最初の案を却下していなければ大変なことになっていました」

提督「そうか?却下した覚えはないがなあ」

比叡「またまた〜」

提督「ともかく、お疲れさま。しばらくはゆっくり休んでくれ」

提督「瑞鶴と鳥海は着任おめでとう。歓迎するよ」ニコッ

鳥海「ありがとうございます」ペコリ

瑞鶴「よろしくね」

32 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:34:23.47 ID:C8lH0rZ70

提督「それから赤城、相談というのは何かな?」

赤城「単刀直入に言えば、第三次の船団護衛に瑞鶴を参加させられないかということですね」

提督「なるほどな。確かに瑞鶴には船団護衛に出てもらえないかとは思っていた」

高雄(提督がお考えだったのはこのことだったのね)

高雄(ということは長良さんがここに呼ばれたのは……)

提督「でも通常のペースで訓練していては間に合わないな」

赤城「訓練のペースを最大限まで引き上げれば間に合いませんか?」

提督「間に合うと思うが、確証がないのでそこは長良に聞こう」

高雄(やっぱり)

33 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/10(火) 21:35:47.08 ID:C8lH0rZ70

提督「どうかな。訓練のペースを上げれば第三回の船団護衛に瑞鶴を参加させられそう?」

長良「他の艦の訓練を延期しても構わないのなら、船団護衛用の艦隊運動訓練まで何とか詰め込めますね」

提督「分かった。それなら他の娘たちには申し訳ないが、瑞鶴の訓練を最優先してくれ」

長良「了解です!鳥海さんはどうします?」

提督「瑞鶴の次に優先してくれるかな」

長良「分かりました!すぐ計画用意しますね!」

提督「頼むぞ」

赤城「無理言って悪いわね」

長良「いえいえ。今回の作戦に私は出撃しませんし、ちょっとでも力になれるなら何でもしますよ!」

赤城「頼りにしてるわ」

瑞鶴「着任早々迷惑かけます」ペコリ

長良「大丈夫。任せて」グッ

34 : ◆bcQPzU7u4E [saga]:2018/07/12(木) 23:25:16.33 ID:Yt/5Q8gb0

数日後

初春「全艦隊、船団と合流。配置完了じゃな」

子日「今回は無事に行けるかな〜」

北上「行きもだけど帰りも問題だよね〜」

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