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【ミリマス】765学園物語HED √BMC A
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1 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/06(金) 22:47:51.08 ID:l2kpElB3o
俺が伊吹翼と恋人になってから、長い時間が過ぎた
時には喧嘩して、時にはすれ違って、だけど最後にはお互いに謝って、仲直りして、一緒に笑って
そうやってずっと一緒に過ごしてきた
これはそんな俺と翼の、ある日の話だ
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1530884870
2 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/06(金) 22:49:34.96 ID:l2kpElB3o
翼と恋人になって1年が過ぎた頃、俺は一人町にいた
理由は簡単、今日は翼とデートをする日だからだ
…しかし
P「翼、遅いな…」
約束の時間を一時間以上過ぎているのに翼は一向に現れない
P「連絡すら無いのは気になるな」
普段なら遅刻するとしても必ず連絡はあった
しかし今日は一切の連絡は無く、こちらから送ったLINNEにも既読がついてない
…何か、あったのか…?
3 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/06(金) 22:50:53.51 ID:l2kpElB3o
不安に駆られた俺は翼に電話をかける
しかし、しばらくコールをするも翼は電話に出ない
不安が大きくなり、通話を終了しようとしたその時だった
翼『もしもし…』
ようやく翼と電話が繋がる
P「翼!大丈夫か!?何かあったのか!?」
翼『んう…先輩…大声出さないで…頭痛いです…』
4 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/06(金) 22:52:11.99 ID:l2kpElB3o
P「す、すまん…頭痛か?酷いのか?」
翼『はい…ちょっと熱、出ちゃいました…』
P「大丈夫なのか?」
翼『うーん…多分…それよりも、デートいけなくてごめんなさい』
P「そんなこと気にするなって、デートなんていつだって行けるんだから」
P「それよりも翼の体の方が大事だ」
翼『ありがとう先輩』
P「あんまり電話してても辛いだろうからそろそろ切るよ、翼、お大事に」
翼『はぁい』
5 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/06(金) 22:53:02.31 ID:l2kpElB3o
翼との通話を終え、息を吐く
まさか熱を出していたとは
これならデートに来られないのも当然だし、連絡も出来ないだろう
P「…よし」
翼とデートが出来ないのは残念だが、新たにやることが出来た
なので俺は、薬局に向けて歩き出すのだった
6 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/06(金) 22:53:57.12 ID:l2kpElB3o
P「お邪魔します」
翼から預かった鍵を使って、伊吹家に入る
熱を出した妹をほったらかして出掛けている薄情者の伊吹野郎から今日は家に誰もいないから好きに使っていいと言われている
なので俺はその言葉通り、好きに使わせて貰う事にした
翼の部屋をノックする
…反応は無い、どうやら寝ているようだ
7 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/06(金) 22:55:18.24 ID:l2kpElB3o
P「入るぞ」
そっと扉を開け、部屋に入る
翼は…
翼「んん…」
…いた
ベッドで眠っているものの、熱のせいか苦しそうだ
体調が悪いのを家族には隠していたのか、誰かが看病した後も無い
なのでなんの処置もされていない、かなり苦しいはずだ
…可愛い妹の体調が悪いのを見抜けないなんて、やっぱり伊吹野郎は駄目だな
8 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/06(金) 22:57:02.28 ID:l2kpElB3o
P「…」
翼の額に手を当て、熱を計る
P「…ん、結構高いな」
かなり高熱のようで、額がかなり熱い
早速買ってきた熱さまシートを、翼の額に貼る
翼「んっ…」
シートを貼ると冷たさからか、微かに翼が反応した
本来なら薬を飲ませた方が良いんだろうが…流石に寝ているのを起こすのは気が引ける
熱さまシートのおかげか気持ち表情が和らいだ翼の状態を見れば尚更だ
9 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/06(金) 22:58:07.10 ID:l2kpElB3o
心細げに掛け布団の上に置かれた翼の手を握る
いつもはひんやりとしている手が、熱で熱くなっていた
翼「ん…」
手を握ると同時に、翼の目が僅かに開く
…しまった、起こしたか
目を覚ました翼が、ゆっくりと俺の方を向いた
10 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/06(金) 22:59:07.00 ID:l2kpElB3o
そしていつもとは違う、弱った笑顔で
翼「あ…やっぱり先輩だぁ」
そう言った
P「やっぱり?」
翼「うん…だって暖かい手を感じたから…すぐに先輩だってわかっちゃいました」
P「そっか…」
翼「お見舞い、来てくれたんですね」
P「ああ、翼が熱を出したなんて聞いたらいても立ってもいられなくなってな」
11 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/06(金) 23:02:02.23 ID:l2kpElB3o
翼「えへへ…嬉しいなぁ」
はにかむ翼
とびきり可愛い
P「翼、1度薬を飲んだ方が良い、食欲はあるか?」
翼「ん…良くわかんないです」
P「何か食べたいものとかは?」
翼「ステーキ…」
P「本当に食えるなら作ってきてやるぞ」
翼「うん…無理です…あんまり食欲無いかも」
12 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/06(金) 23:10:23.07 ID:l2kpElB3o
P「簡単にお粥でも作ろうか、台所借りるぞ」
翼「はぁい」
翼の許可を得て台所に降りる
作るとは言ったものの、手元にあるのは所詮はレトルト
大した時間もかからず完成したお粥を手に、俺は翼の元に戻る
P「お待たせ、翼、レトルトで悪いな」
翼「例えレトルトでも、先輩が作ってくれたから絶対美味しいです」
P「翼…」
可愛いことを言ってくれる
13 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/06(金) 23:33:37.72 ID:l2kpElB3o
P「体、起こせるか?手伝うぞ」
翼の背中に手を回して体を起こせるように支える
翼「ありがとう先輩」
P「食べられそうか?」
翼「えっと…あーんしてくれたら食べられるかも」
P「わかった」
スプーンの一口分に息を吹き、冷ます
P「ほら、あーん」
翼「あーん」
14 :
◆p7PT31uvn8zf
[saga]:2018/07/06(金) 23:49:39.70 ID:l2kpElB3o
翼「あふい…あふあふ」
P「大丈夫か?」
翼「ん…でも、美味しいです」
P「美味しいって感じられるなら大丈夫だ、すぐに良くなるぞ!ほら、あーん」
翼「あーん」
ゆっくりと時間をかけながら翼にお粥を食べさせていく
そして
翼「ご馳走様でした」
P「お粗末さま、全部食べられたな」
翼「先輩が、あーんしてくれたおかげですね♪」
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