【安価】異世界に来たので、折角だから何かする【オリジナル】

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275 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/10(火) 21:13:26.39 ID:kKzArGMpo

>>273
「理由はそれこそ色々ね。だけどパターンは概ね二つね」

「一つは導師が未熟で契約が不完全だったパターン。契約そのものが正しく結ばれてなかったり、導師の適応力不足で異世界から契約者を呼んだ時点で導師が死亡してしまうケースもあるわ」

「もう一つは、契約者が導師を殺してしまうというパターン。これはそのままね。同志との不仲が原因だったり、不服な契約だった場合に起こる」

「貴方達『はぐれ』の契約者は、一人で生きていくのは難しいな。導師とは契約者を縛る枷であると同時に、契約者を守る檻でもあるの。枷も檻も無い未知の力を持つ生き物なんて、どう思われるかは分かるわよね?」


>>274
「ああ〜……そうね。貴方を連れてきたマスクも、さっき紹介したキョウジも、さっきから興味津々で貴方を見てるエマも、さっき火を起こしてくれてたロアも、皆導師を失った契約者『はぐれ』よ」

「他にもたくさんいるんだけど、まともに動ける奴らってなるとこの数名」

「私?私は……まあいいじゃない。此処に居るスラムの住人のリーダー兼保護者って感じね」




ちょっと短かったかなと思ったので、質問延長します。
安価↓2まで(この投下から8分で締切り)
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/10(火) 21:17:44.81 ID:RPET8sF00
「はぐれ」が経験を積むには
277 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/10(火) 21:25:10.51 ID:kKzArGMpo

>>276
「経験を積む?ってイマイチ何が言いたいのか分からないわね」

「人を集めて、モノを集めて、情報を集めて、やることはいくらでもあるから、それが経験になるっていうならそうなのかしらね」

「は?RPG的な?敵を倒す?言ってる意味がよく分からないわ。そりゃあ何とかしてほしい敵はいくらでも居るけど、貴方…荒事とか出来るの?全然そうは見えなかったわ」


278 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/10(火) 21:37:44.46 ID:kKzArGMpo

料理ができたようで、綺麗に手入れされたテーブルの上に食事が並ぶ。
その卓を、貴方を含めて6人で囲む。

「それじゃあ、いただきましょうか。新しい仲間を祝して今日は豪華に…って言いたかったけど、物資にも限りがあってね。大したもてなしも出来なくてごめんなさい」

やはり、自然と仲間として扱われていることに、貴方は異を唱える。
まだここにずっといると決めたわけではない、と。

「……貴方、そうは言っても、ここ以上に安全な場所なんてそうないわよ?この町に居るのは、何も知らない馬鹿な市民と、私腹を肥やすことしか頭にない貴族と、知識欲に狂った研究者共だけよ」

「悪いこと言わないから、此処に居た方が良いわよ。………まあ、どうしてもっていうなら好きにすればいいけど」

怪訝な顔でそう言われたが、貴方は気にせずそうさせてもらう。と返事を返した。


「ああそうだった。まだ自己紹介してもらってなかったわね。」

貴方は『アスラ』と名乗り、それ以外に紹介できることが無いと語った。

「アスラね、改めてよろしく。私はメイ、貴方を連れてきたのがマスク。ちょっと無口だけど、ただ口下手なだけだから許してあげて」

貴方はマスクを一瞥すると、マスクは何も言わずに黙々と食事をとっている。

279 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/10(火) 21:55:38.93 ID:kKzArGMpo

「それで一度紹介したけど、あの大した特徴も無い男がキョウジ」

「ちょ、その言い方は酷くないか?ああ……改めて、俺はコウラ・キョウジ。アンタと同じ記憶をなくしたはぐれだよ。お互い、仲良くしようぜ」

友好的な態度の少年に、貴方はこちらこそ。と当たり障りのない返事を返す。


「で、そこで顔隠してるお嬢様はエマ」

「あ、その……エマです。えと……こんな時、何て言えばいいのかしら……ごめんなさい…」

「エマはちょっと会話が苦手だけど、とってもいい子よ。程々に優しくしてあげて」

貴方はエマに顔を向けると、エマはサッと手で顔を隠し、下を向く。
貴方は首を傾げながらも、よろしく、と一言だけ返した。


「最後に、そこでむっつりした顔で座ってるのがロア」

「…ロアだ。言いたいことは何となく分かる。だが、あまり気にしないでくれ。俺も、好き好んでこんな姿なわけではない」

ロアと呼ばれた青年は、確かにとても特異な姿をしている。顔は人に見えるが、体は鳥のような羽毛に覆われ、鉄でできた翼をその背中に携えている。
よくよく見て見ると、その体の至る所に、鉄でできたような機械的な部分が見え隠れしている。
先程から食事を取っていないことにも関係しているのだろうか?

「ロアはちょっと気難しいところもあるけど、エマと同じくらいいい子よ。程々の距離感で接してあげて」

貴方は、軽く頭を下げる。
すると、ロアも軽く頭を下げ返してくれた。
なるほど、どうやらメイの言っていたことは本当なようだ、と感心する。


「気のせいか、俺だけいい子だって言われてないような…?」

「だってキョウジはいい子じゃ無いもの」

「ひでぇや……」

何となく、キョウジの役割も伝わってきた。
貴方は和やかな空気の中、有難く朝食を頂いた。
280 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/10(火) 21:59:30.66 ID:kKzArGMpo


「じゃあ、私はちょっと行って来るわね。」

食事を終えてすぐ、メイは何処かに行ってしまった。

会話を回す役目が居なくなり、途端に静かな空間になってしまう。
特に親しい人が居るわけでもない貴方は、何処となく居心地の悪さを感じる。

これも何かの縁だろう、誰かと話してみようか?


貴方は―――



1、マスクに話しかけた
2、キョウジに話しかけた
3、エマに話しかけた
4、ロアに話しかけた
5、メイの後を追いかけた

安価↓
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/10(火) 21:59:48.61 ID:RPET8sF00
282 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/10(火) 22:09:04.60 ID:kKzArGMpo

選択:3


視線の感じる方向に顔を向けると、エマがサッと顔を隠して視線を下げる。
背を向けると、再び視線を感じる。
もう一度顔を向けると、顔を背けられる。その繰り返し。

貴方はエマに近づく。

「あ、えっと…その………」

エマは困ったように言葉を詰まらせている。
貴方はどうしても気になり、彼女の顔を隠すヴェールをめくる。
ヴェールをめくると、彼女の両手が顔を覆っていた。どうにも、人に顔を見せるのが嫌らしいと貴方は悟る。

貴方はヴェールを戻してあげた。


「あの…エマに何かご用向きでしょうか?」

エマが、おどおどとした声色で貴方に話しかける。


会話安価
安価↓1
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/10(火) 22:10:36.52 ID:EMK2HtgZ0
どうしてこのスラムにいるのか
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/10(火) 22:12:21.32 ID:kuvGllnDO
ひょっとして怖がらせてしまったのだろうか
285 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/10(火) 22:27:10.86 ID:kKzArGMpo

>>283選択


エマという少女は、このスラムにおおよそ相応しくない格好に思う。
どちらかといえば上流階級、貴族を連想させるような服装と佇まい。
そのような少女が、何故こんな場所に居るのだろう?

「え、エマは…導師様に呼ばれた契約者でした」

「契約も正しく行われたのですが、エマの力を見せて欲しいと仰られたのでお見せした所、加減を誤って導師様を『解いて(ほどいて)』しまったのです……」

「本来なら導師が死んだ時点でエマは元の世界に送還されるはずだったんですが、契約も『解いて(といて)』しまったみたいで……帰れなくなってしまいまして…」

「途方に暮れていたところを、メイちゃんに拾って頂きました」

「で、ですのでこうして眼を隠しているのは、決して無礼ではなく、皆さまを見ないようにするためなのです!ど、どうか…変に思わないで下さい」

なるほど、と納得する。
奇妙に思っていた行動にも、意味はあったようだ。

貴方自身、自分が何をできるのか分かっていない。
どんな能力なのか分からないが、同じ異世界の住人、彼女の能力というのに少し興味が湧いた。


1、ちょっと見せてくれないかと提案する
2、どんな能力なのか聞く

安価↓1
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/10(火) 22:28:59.44 ID:kuvGllnDO
287 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/10(火) 22:45:59.20 ID:kKzArGMpo

選択:2


その能力とは、どんな能力なのだろうか?
貴方は気になって、エマに聞いてみる。

「エマの眼……『解放の魔眼』はその名の通り、見つめたモノを解放することができます」

「閉じた扉を開き、絡み合う糸を解き、繋がり合った手を放す。そのような力です」

「えと…上手く説明するのが難しいですが……『自由』に帰す力、といった方が伝わるかもしれません」

貴方の常識では測れない力であることは確かだが、何となくのイメージは湧いた。
かなり用途の広い能力なのだろうと、貴方は解釈する。

「た、確かアスラ様は…記憶が思い出せないとお聞きしました」

貴方は頷く。

「えと、差し出がましいかもしれませんが、私の魔眼で記憶を思い出すお手伝いができるかもしれません」

どういう事だろうか?

「アスラ様の記憶が、例えば…魔法であったり何らかの外的要因で閉じられていたり、何らかの力で蓋をされているのだとすれば、その蓋を強引に開けるかもしれません」

「……ちょっと危険かもしれませんが、如何でしょう?」


それは、思わぬ提案だった。
今まで解決の糸口すら見えない問題だったが、彼女の力があれば解決するかもしれないという。
危険かもしれないが、これは千載一遇のチャンスなのかもしれない。

貴方は―――


1、お願いした。
2、遠慮することにした

安価↓3まででコンマの最大値採用
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/10(火) 22:47:57.22 ID:eN6ocatdo
1
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/10(火) 22:48:11.97 ID:EMK2HtgZ0
1
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/10(火) 22:51:40.53 ID:gXS+jQOyO
1
291 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/10(火) 23:01:49.74 ID:kKzArGMpo

選択:1


貴方はお願いしてみることにした。

「分かりました。では、肩の力を抜いて深呼吸してください」

貴方は言われた通りにリラックスし、深呼吸を繰り返す。

「では、落ち着いて…エマの目を見てくださいね。決して、眼を背けないでください。加減を誤るかもしれませんので」

意を決し、貴方は目を開く。
目線の先には、ヴェールをとったエマの顔が露わになっていた。
陶磁器のように白く美しい肌、西洋人形のように整った鼻立ち、そして宝石のようなエメラルドグリーンの瞳。

目が合った瞬間、貴方は何かがこみ上げてくるような奇妙な感覚に襲われる。
まるで何かが自分の体の中で暴れ回っているような、自分の中で何かが膨らんでいるような、体の中で風船が弾けるような………


コンマ判定
5以上で蓋が開く
ゾロ目で???
1で………

直下コンマ

292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/10(火) 23:07:15.23 ID:kuvGllnDO
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/10(火) 23:07:28.21 ID:EMK2HtgZ0
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/10(火) 23:19:13.57 ID:wnJzUfNqO
はよ
295 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/10(火) 23:20:21.05 ID:kKzArGMpo

コンマ判定:3 失敗


暫くして、奇妙な感覚が治まる。
エマがいそいそとヴェールを被り直しているのを見るあたり、どうやら終わったようだと察する。

貴方は自分の事を思い出そうとしてみるが、やはり何も思い出せない。
どういう事だろうと首を捻っていると、エマが困ったような口調で言う。

「あ、あの…試してみたのですが……どうにもおかしいのです」

おかしい、とは?

「……このようなことを聞くのは不躾かもしれません。ですが、決して無礼が目的ではなく、純粋な疑問とお受け取り下さい」


「アスラ様は、本当に記憶を失っていらっしゃるのですか?」


瞬間、空気がピシリと軋むような感覚があった。


296 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/10(火) 23:30:26.84 ID:kKzArGMpo

貴方は動揺しながらも、どういう意味か、改めてエマに問う。

「えと…ですね、端的に申しますとアスラ様に魔法による呪縛や、何らかの要因で記憶に蓋がされているような事実はありませんでした」

「ですので、可能性が二つあるのです」

「一つは、記憶喪失というのが嘘の可能性です。ですがこれは…その、アスラ様を信じて違うと…思いたいです」

「もう一つというのが、『記憶そのものが無い』という可能性です」

記憶そのものが無い?

「はい。つまり…ですね、赤子に近い状態といいますか……本当にまっさらなのです。まるで『何も無い』のです」

「これは、確実な結果です。アスラ様は、記憶を思い出せないのではなく、『思い出す記憶がない』。そんな状態でした」

貴方は、ただでさえ曖昧だった自分が、更に希薄なものになっていくような感覚に陥る。
今エマに言われたことを、上手く現実として飲み込めない。

思い出す記憶がない。

それはつまり、どういう意味を差すのだろう?
自分に過去は無いということだろうか?
自分に生まれは無く、過去は無く、家族も無い。そういうことなのだろうか?

では何故?
何故、自分には異世界の常識があるのだろう?
何故、こんな姿なのだろう?
何故、サイコロを持っている?

何故、何故、なぜ…………
297 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/10(火) 23:39:37.55 ID:kKzArGMpo

「おい。おーい!」

自問自答に飲み込まれそうになっていた時、誰かに肩を揺さぶられ現実に呼び戻される。

「大丈夫かアスラ?」

貴方を現実に呼び戻したのは、同じ記憶喪失の少年…キョウジだった。

「そう考えすぎんなよ。俺も同じだ。俺も……エマに同じことを言われた」

「そう、なのですか?」

「ああ、だから…よくあるバグなのかもしれないだろ?あんまり悪く考え過ぎるなよ」

「そういうモノなのでしょうか?私は……」

上手く消化できていない。
そんな簡単な言葉で、この心の靄を納得していいとは思えなかった。
298 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/10(火) 23:52:16.00 ID:kKzArGMpo


「…俺はさ、この結果に一つの希望を持ってるんだ。……いや、ある種の確信だ」

「確信…ですか?」

「ああ。俺の記憶…アスラの記憶、或いは他の記憶を無くしたはぐれ達。そんな俺たちの、記憶を持ってる奴が居るんじゃないかって事さ」

「俺から、アンタから…記憶を奪った奴が居るっていう確信。俺にはそれがあるぜ」

そう言い切ったキョウジは、決して慰めや励ましでそう言ったのではないと、確かな意思が伝わってきた。

「不意に心がざわつくことがあるんだ。『此処に何かがある』ってさ。アスラさんは無かったか?」

貴方は力なく首を振る。
思い出す限り、そんな事は無かったように思う。

「じゃあまだ出会ってないだけかもな。多分、出会えると思うぜ。そしたらすぐに分かる。『コイツが何か知っている』そんな感覚がさ」

「そういうもの……なのでしょうか?」

「ああ、そういうもんさ。俺も初めてそう言われたときは怖かったよ。自分が何者か分からなくなって、頭がおかしくなりそうだった。だから、今のアスラの気持ちすっげーよく分かる」

キョウジは貴方に同情してくれているのだろう。
まだ、貴方自身納得できないことも多かったが、キョウジと話して多少は冷静になれた。
……同じ境遇の人が居るというのは、とても心強いことなのかもしれない。

貴方はキョウジに感謝を述べる。
キョウジは『いいってことよ』と爽やかな笑みを見せた。

貴方は初めて、ここに来たのは運命だったのかもしれない。そんな事を少しだけ思った。
299 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/11(水) 00:01:15.90 ID:ogTN9gDoo


そうこうしている内に、メイが此方に帰ってくる。
変わらぬ溌剌とした笑顔だったが、髪の毛は掻き毟られたように乱れ、服は皺になり汚れが増えているように見える。

「それじゃ、今日の仕事をみんなに伝えるけど……その前にアスラ。貴方これからどうするの?」

「別に何もしなくても此処に居ていいけど、ただ飯喰らいはちょっと困るから、仕事を探してもらうことになるわよ」

「それとも、私に言ったみたいに、ここに定住するつもりはない?」

「好きにしなさいと言いたいけど……こっちにも事情があってね、もしここを離れてどこかに行くことがあったとして、ここに帰ってくるのなら『必ず夜に来ること』それだけは絶対お願いね」

「それを破るようなら、此方も相応の考えがあるわ。いいわね?」

まるで幼い子供に言いつけるように、しっかりした口調でそう伝えられた。

貴方は―――



1、ここを離れて、まだ行っていない場所に行ってみる
2、ここで仕事を探す
3、自由安価

安価↓3まででコンマの最大値採用


300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/11(水) 00:07:32.60 ID:XRmOk5sL0
2
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/11(水) 00:10:49.45 ID:rlRukEJgO
2
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/11(水) 00:11:36.98 ID:pfWjt7P60
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/11(水) 00:12:00.84 ID:sf3NnG3DO
304 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/11(水) 00:22:54.62 ID:ogTN9gDoo

選択:2


貴方はここで仕事を探すことにした。
此処にたどり着いたのはただの成り行きだったが、だからこそ運命的な出会いではないだろうかと思ったからだ。

『はぐれ』ではなく漂流者だが、似たような存在であることには変わりない。
それに、キョウジのような同じ境遇の仲間がいることが、貴方にとって励みになるような気がしたから。

「新参者で、何ができるか分かりませんが……どうか、よろしくお願いします」

「うん!働き手はいくらいても足りないくらいよ。とっても助かるわ!此方こそよろしくね、アスラ」

メイは嬉しそうな笑顔で、貴方の背中をバシバシと叩く。
その気安いスキンシップも、貴方にとっては新鮮で、悪い気持ではなかった。

305 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/11(水) 00:33:38.86 ID:ogTN9gDoo

「さて、それじゃあ仕事の話だけど……」

「あの、一つ聞きたいことがあるのですがいいでしょうか?」

「なにかしら?」

貴方はそこで、なんとなく聞いていなかった疑問を投げかける。

「メイさんは私たちのような『はぐれ』を集めているのには、理由があるんですか?」

メイは度々言っていた、人を集めている。人手が必要だ、と。
それはつまり、何かをするという目的があってのことだ。
その目的を訊ねていないことに、ふと気づいたのだ。

「そっか、まだ私たちが何者なのか説明してなかったわね」


「私たちは―――反社会主義『レジスタンス』よ」


「力と知識、あらゆる権力を欲しいがままにする上流階級、貴族階級に刃向かう牙」

「私たちは、『自由に生きる』権利の為に戦っているのよ」


メイは、ニヒルに笑いながら、ハッキリとそう言った。
社会に背く…秩序に背く存在である、と。

貴方はその頬に冷や汗をかく、もしかして自分は、軽はずみな決断を下してしまったのではないだろうかということに。
306 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/11(水) 00:38:33.73 ID:ogTN9gDoo

と言う所で、キリが良いので今回の更新はここまでです。
相変わらず書く速度が遅くて進みが悪いです。ごめんなさい。


しかし、どうしてこう記憶に繋がるコンマでことごとく失敗するのか。コンマ神に問い詰めてやりたいです。


ではでは、お付き合いいただきありがとうございました。
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/11(水) 00:40:04.57 ID:pfWjt7P60
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/11(水) 00:56:34.91 ID:sf3NnG3DO
乙でした
ゾロ目だったらどうなっていたか
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/11(水) 01:06:55.78 ID:nFrXaSCUo
おつつ
それぞれのスレのコンマ神っているんだけどここのやつはぜってーダウナー系の子だわ(確信)
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/11(水) 02:52:05.75 ID:GeNQkK300
ここにモッサリしたジト目で慎ましやかな体型のダウナー系神様がいるって言った?
311 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/12(木) 21:00:35.17 ID:vvm/Vrooo

更新再開します!
ちょっと短いかもしれません。
312 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/12(木) 21:18:46.29 ID:vvm/Vrooo

各人に仕事の説明をしているとき、マスクが突然こめかみを押さえて目を閉じた。
そしてすぐに、普段の平坦な声色と違い、焦ったような声で話し始める。

「今、監視から連絡が入った。蛇を連れた図書館騎士が真っ直ぐこっちに向かってるって…!」

その言葉を聞いた瞬間、明らかに空気が変わる。

「ど、どういうこと?何で今図書館騎士がこんなスラムに!?」

「分からない。でも、まるでこの拠点が分かってるみたいに真っ直ぐこっちに向かって来てる」

「いつどこで情報が……いえ、その事は後にしましょう。一先ず、人命最優先。私はガキ共を連れて地下に身を隠すわ。ロア、貴方も手伝って」

「了解だ」

「マスクとキョウジは出来るだけ時間を稼いで。でも、絶対に正面から戦っちゃ駄目よ。あくまで時間稼ぎ、危なくなったら直ぐに逃げなさい」

「分かった。マスク、準備するぞ。お前の能力を借りる」

マスクは軽く頷き、キョウジと共に何処かへと行ってしまった。

「エマ、貴女は…最後の砦よ。万が一図書館騎士をどうにかできる可能性があるとしたら、貴女しかいないわ。……辛いことを押し付けることになるわね」

「エマは大丈夫です。ですので、皆さんは早く非難を」

313 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/12(木) 21:28:00.11 ID:vvm/Vrooo

緊迫した状況ながら、貴方はその光景に感心してしまう。
唯一異質な力を感じさせていなかったメイが、テキパキと皆に指示を出している。
彼女がリーダーというのは、やはりそれ相応の理由があるらしい。

しかし、図書館騎士というのはそれほど恐ろしい者なのだろうか?
蛇を連れた図書館騎士と聞いて、貴方はあのリメロンの姿が頭に浮かぶ。
あの人懐っこい笑みを浮かべる心優しい騎士と、この周りの緊迫感とどうにも結びつかない。

此処に居る者たちも、決して善人ではないのだろうけど、悪人ではないように思う。
話し合えば、意外と何とかなりそうな気もするが……。


「アスラは……貴方、どんなことができるの?」

貴方は、分からない。と正直に答える。

「そうよね…貴方も私と来なさい。一緒に避難するわよ」

メイは貴方に背を向け、ついて来いと手振りをする。

貴方は―――


1、素直についていく
2、図書館騎士に会いに行く
3、自由安価

安価↓1

314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/12(木) 21:29:03.19 ID:HxpYulz00
2
315 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/12(木) 21:37:49.82 ID:vvm/Vrooo

選択:2


「私は、少し考えがありますので、避難していてください」

「貴方、何言ってるの?図書館騎士なのよ!?」

「ええ、図書館騎士だからです。安心してください、何とかなると思いますから」

貴方はそう言い切ると、メイに背中を向ける。

「ちょっアスラ!?……ああ…もう!マスク!もしもの時はお願い!!」

「分かった。四肢を?いででも連れ帰る」

貴方の後ろで交わされた恐ろしい約束に、貴方は内心恐怖を覚えるが、それでもその歩みを止めることは無かった。
相手は図書館騎士、それがどんな人物か知っているからこそ、危険はないと確信していたからだ。
316 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/12(木) 21:53:49.30 ID:vvm/Vrooo

拠点の酒場から離れた場所で、貴方は図書館騎士を待ち構える。
近くの建物の屋上では、マスクが貴方の動向を見守っている。

程なくして、貴方の想像していた通りの図書館騎士、リメロンがその姿を見せた。

「ん?あ、居た!おーいアスラさーん!!」

貴方に向かって手を振るリメロンは、見間違いようも無く、貴方の知るリメロンであった。
貴方もリメロンに向かって手を振り返す。

「もう何してるんだよアスラさん!司書様が心配してたよ!」

その言葉で、貴方は図書館を抜け出して帰れなくなってしまったので此処で一晩過ごすことになったことを思い出す。

「キアさんが居なかったらどうなってたことか……」

なるほど、キアの『案内』の能力のおかげで貴方が何処に居るか判明したらしい。
そしてその口振りから、リメロンの目的は『レジスタンス』ではなく、貴方の捜索であることを確信する。

「まあとにかく、無事でよかったよ。早いとここんな所おさらばしよう。ここは、アスラさんが一人で居ていい場所じゃない」

リメロンは貴方に手を差し伸べる。
恐らく図書館に連れ帰るつもりだろう。

貴方は思考する。
レジスタンスに協力すると言った以上、あまりここで事を荒げるような事はしたくない。素直についていくのが最善であろうと考える。
しかしそうなると、夜までここに帰ってきてはいけないと釘を刺されているが……


1、リメロンについ行く。
2、事情を説明する。

安価↓1
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/12(木) 21:54:59.29 ID:+Miej1pD0
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/12(木) 21:56:41.59 ID:5TSxojLDO
319 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/12(木) 22:06:21.26 ID:vvm/Vrooo

選択:2


見ず知らずの、自分の事を説明すらできないような怪しい人物であろうと、最大限保護しようとしてくれていたリメロン。
そんな、弱者の味方をしてくれる彼女なら、此処の事を話してみてもいいかもしれない。
そう思った貴方は、事情を説明することにした。

「あの、リメロンさん」

「ん、なに?ああ立ち止まらないで、歩きながら聞くよ。どうやら大分見られてるみたいだしね」

「いえ、その見ている人たちの事なんですけど」

「え?知ってるの?」

「はい。彼女たちは―――」

そう口にした瞬間だった。
貴方は凄まじい力に引っ張られ、前のめりに倒れる。

キンッ

背後から、鉄と鉄がぶつかり合う音が響いた。
一拍のラグがあって、何かが地面に突き刺さる。
それは、ナイフだった。

「……大丈夫アスラさん?怪我はない?」

いつの間にか、リメロンは剣を抜いていた。
そこで貴方は漸く理解する。貴方はリメロンに守られたということに。
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/12(木) 22:06:33.14 ID:Ja6XsGQWo
上手く説明しねーもやばそう、ヤバい(確信)
321 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/12(木) 22:15:17.33 ID:vvm/Vrooo

「やっぱり見られてた。ナキ、どうする?」

「誘い込まれたようだな。囲まれてるぞ」

「……アスラさん、走れる?」

貴方はリメロンから懐中時計を投げ渡される。

「それ、分かるよね?帰り道はキアさんが案内してくれるから。出来るだけ全速力で駆け抜けて…っ!」

再び、金属音が鳴る。
再び、ナイフが地面に突き刺さる。
貴方は感じた、そのナイフは貴方に向けられていたことに。

貴方は予想外の出来事に面食らってしまう。
何故ならそのナイフは、『マスク』が持っていたナイフと全く同じものだったからだ。

「私も出来るだけ引き付けるから、急いでっ!」

おっとりとした普段の雰囲気とは違い、緊迫した面持ちでリメロンは叫ぶ。

貴方は――――


1、逃げる。
2、皆を説得する。

安価↓1
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/12(木) 22:17:46.73 ID:Ja6XsGQWo
2
323 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/12(木) 22:19:53.35 ID:vvm/Vrooo

選択:2


かなり短いですが、今回の更新はここまでです。
明日も、更新できない可能性が高いです。
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/12(木) 22:23:57.22 ID:Ja6XsGQWo
おつおつ
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/12(木) 22:25:17.21 ID:jZo/Zx/b0
326 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/21(土) 20:09:24.09 ID:EOrfUQ7uo

一週間以上も音沙汰無くて本当にごめんなさい!!
纏まった時間が取れなくて、本当に申し訳なかったです…


お詫びとして貴方に一つスキルを贈呈したいと思います

1、【勝負師】   貴方は不利であればあるほどその闘志を燃やす。分の悪い勝負ほど有利な補正がつく。
2、【可能性】   貴方はあらゆる可能性に満ちている。初めて挑戦することに+2の補正を付与する。
3、【擬態】     貴方は何者でもないが故に。何かになりきるのが得意になります。 演じるだけであって、別のナニカになれるわけではない。
4、【看破】     貴方は洞察に優れ、人の真実を見抜く。他人が嘘をついているとき、それを察することができます。

安価↓1
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 20:14:30.52 ID:QIWmudK4o
看破
328 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/21(土) 20:16:46.39 ID:EOrfUQ7uo

選択:4、【看破】貴方は洞察に優れ、人の真実を見抜く。他人が嘘をついているとき、それを察することができます。


では、お久しぶりですが更新再開です!
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 20:19:15.21 ID:yMnl+Kzxo
おかえり
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 20:25:37.11 ID:uOZAqlUW0
待ってました
331 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/21(土) 20:28:30.50 ID:EOrfUQ7uo

貴方は立ち上がり、待ってくれと叫ぶ。

「ちょっ…何やってるの!?早く逃げてってば!!」

困惑するリメロンに、貴方は毅然とした態度で伝える。
自分に任せてくれ、と。

剣を構えるリメロンの手を下げさせ、貴方はナイフが飛んできたであろう方向に目を向ける。

「今すぐ攻撃をやめてください!彼女は図書館騎士ですが、皆さんに害成す人ではありません。一先ず話し合いませんか!」

すると、何者かが貴方の前に降り立つ。
黒い外套の厳しい表情の少女、マスクだった。
彼女の貴方に向ける目は、今までの冷たいだけの視線とは違い、明らかな敵意と殺意を孕んでいた。

「図書館騎士の犬が何を言っているの。最初からこの居場所を探るためにここに来たんでしょう?」

貴方はその発言に冷や汗をかく。
貴方がリメロンに事情を説明しようとしていたことを、そんな風に捉えられてしまったらしい。

貴方は―――


1、彼女は敵ではないとマスクを説得する。
2、そんなつもりはなかったと誤解を解く。
3、必ずしも争い合う必要があるのか?と話し合いを重要性を示す。
4、自由安価

安価↓1
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 20:29:03.23 ID:4DkPLRdo0
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 20:29:07.58 ID:uOZAqlUW0
2
334 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/21(土) 20:41:21.21 ID:EOrfUQ7uo

選択:2


「それは誤解です。私もこんなつもりはなかったんです」

「じゃあ図書館騎士とはどういう関係?ただのはぐれが、図書館騎士と友達とでも?」

「……っ…そうです」

貴方は迷いながらも、肯定を口にした。
マスクは呆れたように首を振る。

「そんな戯言、信じられる?」

「…信じてもらう他ありません。私は一時的に彼女に保護して頂いて、その間にこの世界の事を少し学んだんです」

「図書館騎士が、どうしてはぐれを放っておくの?理に合っていない」

「それは……!」

貴方は口ごもる。
たった一つだけ語ることができる自分の事を。
自分ははぐれではなく、『漂流者』であるという話を。

この話をすれば、彼女を説得できる可能性があるかもしれないが、アルフォードに警告されたことでもある。
自身を漂流者であると明かすのはとても危険な行為だ、と。


貴方は―――


1、漂流者であることを明かす。
2、口を噤む。
3、誤魔化す。

安価↓1
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 20:43:46.15 ID:uOZAqlUW0
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 20:44:05.53 ID:1D/mJ1CDO
337 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/21(土) 20:57:35.79 ID:EOrfUQ7uo

選択:1


「…………実は、私は漂流者なんです」

「……!」

貴方の告白に、マスクは大きく目を開く。

「私はつい昨日、この世界に流れ着いたばかりなんです。その間に図書館騎士である彼女に保護され、図書館に案内されました」
「私は昨日の夜、偶然仮面をかぶった人に襲われ、偶然このスラムで一夜を明かすことにしたんです。だから、図書館騎士である彼女は、心配して私を探しに来てくれました」
「私は、何も知らなかったんです。貴方たちの事も、このスラムの実情も、この状況がどれだけ皆さんに不利益になるかも、何も知らなかったんです」

「これが私の全てです。これで、信じて頂けますか?」

意を決し、貴方は全てを告白した。
もうこれ以上、語る事のない自分の全てを吐き出した。


交渉判定
5以上で成功
交渉内容 +1
???  −2

直下コンマ
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 20:58:42.34 ID:1D/mJ1CDO
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 20:59:21.82 ID:3b2aBDrJ0
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 21:04:30.46 ID:yMnl+Kzxo
起きろ!コンマ神!
341 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/21(土) 21:11:34.02 ID:EOrfUQ7uo

コンマ判定:4−1 失敗


沈黙。
何も言わず、マスクは貴方を真っ直ぐに見つめている。

貴方はその視線を真正面から受け止める。
嘘偽りなどない、自分の全てを曝け出した。
だからだろうか?毅然としたその態度に反し、貴方の体は震えていた。

もうこれ以上の手札は貴方には無かった。
これを信じて貰わなければ、貴方はもう何もないのだ。

マスクはゆっくりとした足取りで貴方に近づく。
そして、遂にその沈黙を解く。

「私は貴方を信じる」

貴方はその言葉に、深い安堵の息を吐く。

「貴方は嘘をついてない。私には分かる。その確信が持てた」

『良かった』貴方の口から、そんな言葉が漏れようとしていた。

「――――だから、殺しておかないと」

その言葉を遮るように、無慈悲の刃が貴方に振り下ろされる。


コンマ判定
4以下で……

直下コンマ
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 21:12:50.65 ID:yMnl+Kzxo
お願いします
お願いします
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 21:12:56.87 ID:4DkPLRdo0
たあっ
344 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/21(土) 21:30:18.38 ID:EOrfUQ7uo

コンマ判定:5 正義の刃


完全に貴方の不意を打った無慈悲の刃は、間違いなく貴方の首に向けられて振り抜かれていた。
そして、間違いようも無く、振り抜かれたのだ。

血が噴き出る。
熱い命の体液が、貴方の体を濡らす。

しかし、その血は―――貴方のモノではなかった。

「間一髪、かな?」

貴方の眼前には、赤いマントを翻す正義の騎士がその剣を構えていた。

「ごめんね、私手加減とか苦手で。でも、人を殺そうって言うんだから、これくらい許してよね」

マスクは大きく後ろに飛びのき、リメロンから距離をとる。
ナイフが握られていたはずのその右手の付け根からは、真っ赤な血を噴出させていた。

下に目を向けると、ナイフの握られた少女の手が転がっている。

貴方は理解する。
目の前の二人の少女は、伊達や酔狂で刃を握っているわけではない。命を奪うためにその刃を握っているのだ、と。
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 21:39:09.59 ID:rk6pZ/tJO
まずいですよ
346 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/21(土) 21:48:14.67 ID:EOrfUQ7uo


「今、此処から立ち去れば貴方達を一先ず見逃してあげてもいいわ。これは図書館騎士としての、最後の慈悲。いえ……貴方“達”への、最後の警告よ」
「他にも見てる奴が居ることくらい分かってるから。お仲間の命を無駄に散らしたくないのなら、サッサと立ち去りなさい」

リメロンは数での不利を理解しておきながら、あくまで支配者としての立場を取る。
それは、圧倒的強者としての余裕の表れなのだろう。
彼女は恐らく、何人が相手であろうと勝利する自信が、負けないという自負があるのだ。

一方のマスクは、手首を切り落とされていながら、その表情を変えることは無い。
彼女が右腕を揺すると、『ずるり』と滑るように右腕が抜け落ちる。
そして、その腕が抜け落ちた肩から、新たな腕が生えてきたのだ。

「…そう、貴女も『はぐれ』って訳ね。それで、答えを聞かせて頂ける?」

返答は沈黙。
二人の少女は睨み合う。

一触即発の空気が、そこには出来上がっていた。



347 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/21(土) 21:59:16.96 ID:EOrfUQ7uo

交渉は失敗だった。
説得に成功するどころか、状況をさらに悪化させてしまった。

理由は明瞭ではないが、マスクは貴方に対して殺意を向けている。
しかし、『貴方を信じる』と言っていたマスクの言葉に、嘘は混ざっていなかったように感じる。
ともすれば、貴方の語った言葉に、彼女にとって…ひいてはレジスタンスにとって不都合なことがあったのだろうと推察する。

リメロンは貴方を守ることを最優先に考えているようだ。
だからこそ、甘い条件でこの場を見逃すとマスク達に言った。
最も安全に、貴方をこの場所から遠ざけるために。


貴方は思考する。
この事態を招いてしまった自分はどうするべきなのか、を。

二人を止める?
どちらかに加勢する?
それとも、何もしないか?

いずれにせよ、貴方にどうにかできる範疇を、もうとっくに超えているかもしれない。

貴方は―――


1、行動安価
2、何もしない

安価↓1
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 22:01:02.15 ID:3b2aBDrJ0
1二人を止める
349 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/21(土) 22:22:09.81 ID:EOrfUQ7uo

選択:1


貴方は2人の間に割って入る。
剣を収めてください、と二人に伝える。

「……アスラさん、貴方状況を分かってる?その人たちとどんな関係なのか知らないけど、貴方を殺そうとしてるのよ?」

「分かってます。でも、それでもです。私はどちらにも戦いあって欲しくない。必ずしも、皆さんとリメロンさんは敵ではないと思うからです」

「そうは言っても、あっちがヤル気なわけだし……」

リメロンはマスクに目を向ける。
マスクから貴方に向けられた殺意は、一向に変わる様子はない。
これ以上一歩でもマスクに近づけば、間違いなくその殺意は形となって襲い掛かってくるだろう。

リメロンとマスクが戦えば、間違いなくリメロンが勝利するだろう。
そして、マスクは命を落とす事になるかもしれない。
だからこそ、貴方は2人が戦うことを止めさせたかったのだ。

例え殺意を向けられようと、貴方はマスクを仲間だと思っていた。



交渉判定
5以上で成功
時間稼ぎ +2

直下コンマ
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 22:23:35.07 ID:QIWmudK4o
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 22:23:42.09 ID:rk6pZ/tJO
どうだ
352 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/21(土) 22:39:54.12 ID:EOrfUQ7uo

コンマ判定:7+2 成功


「そちらの要求を飲むわ」

張り詰めていた空気に、凛とした声が通り抜ける。
強い意志を感じさせるその声の主は、メイだった。

メイはマスクの肩に手を置き、下がらせる。
然しもの彼女も、メイには逆らえないようで、素直にナイフを懐に収める。

「私達はこの場を立ち去る。貴女を見てる部下も下がらせるわ。貴女を追ったりしないと約束する。だから貴女も、私達を無傷で見逃すと約束して」

「……ええ、分かったわ。図書館騎士の名に誓って」

そうして、リメロンも剣を収める。

正に、鶴の一声といった光景だった。
彼女の言葉で、一触即発の空気を払しょくし、事を治めたのだ。
貴方は思わず感心してしまう。メイ、彼女からは一種のカリスマ性を感じられた。まるで、支配者然としたカリスマ性を。

メイは去る前に貴方にそっと近寄り、耳元に口を寄せ

「また夜に」

と貴方だけに聞こえるような小さな声でそう囁き、去って行った。
353 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/21(土) 23:04:04.38 ID:EOrfUQ7uo

「ナキ、視線感じる?」

「……どうやら本当に退かせたようだぞ」

「そう。……はぁ…一先ずここを離れよっか。アスラさん、行くよ。私の傍を離れないでね」


貴方は、疲れた様子のリメロンを先頭に歩く。
その間に、貴方は説明しそびれたレジスタンスの事について説明をした。

「……ふぅん…レジスタンスねぇ。アスラさん、そんな危険な奴らの味方をするなんて言っちゃったの?」

貴方は頷く。
確かに、反社会主義というと聞こえは悪いが、貴方にはどうしても彼女たちが悪人だとは思えなかった。

「…まあ確かに、はぐれの扱いについては私も疑問に思う事はあったよ。彼らはあまりにも社会的に弱い立場だからね」
「はぐれはね、殆どの場合この国の宮殿に連行されるんだ。宮殿って言えば聞こえはいいけど、そこは王様お抱えの魔術師が集まった研究所。つまり、最先端の技術が集まった実験場。そこで行われることなんて…いくらでも想像がつく」
「そこに関してはね、私達貴族も賛否両論。こっちも一枚岩じゃないってワケ」

そう、リメロンはため息交じりにいう。
どうやら、一口に貴族階級といっても、複雑な事情があるらしい。

こういう話をする機会はそう滅多にないだろう、これを機に色々聞いてみてもいいかもしれない。


質問安価
1、リメロン個人として、レジスタンスをどう思うか
2、貴族階級について
3、リメロン個人として、現状の社会制度をどう思うか
4、自由安価

安価↓4まで
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 23:06:10.11 ID:FIznIPPy0
1
355 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/21(土) 23:21:47.89 ID:EOrfUQ7uo
※大分時間たったので質問打ち切り



>>354
「そうだねぇ……貴族として、ちょっと責任感じるなー」

「弱者を守る存在であるはずの騎士なのに、本当の社会的弱者には剣を向けないといけないなんてね」

「なんとか救済の処置を…とは思うけど、私は貧乏貴族だし…政治的影響力は大したことないんだよね……」

「いくら私に力があっても、それを嵩に懸かるのは秩序に反する行為だし、難しいところ」

「……助けてあげたいとは思う。でも、この国の秩序を乱すつもりなら、相応の手段を取るつもりだよ」
356 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/21(土) 23:36:35.77 ID:EOrfUQ7uo

スラム街を抜け、中心街に出る。

「うん。ここまでくれば安心かな。じゃあ私は図書館に戻るけど、アスラさんはどうするの?」

貴方はまだ決めていない、と答える。

「そっか。それじゃあ、教会に行ってみるといいと思うよ。まだ行ったことないんじゃない?」

貴方は頷く。

「アスラさんは、成り行きであの場所に身を置くことになったんだよね?だったら、知っておくべきだと思うよ」
「アスラさんはまだ世の中を知らなさすぎるからね。あの場所に行って、あの人達に会ってくれば、きっと今の考えも少しは変わると思う」

どういう意味だろうか?
貴方は首を傾げる。

「まあそれは…行けば分かると思うから。ってゆーか私図書館開けっぱにしてるから、そろそろ本当に帰らないと!じゃあね!!」

そう言い残すと、慌ただしくリメロンは去って行った。


貴方は考える。これからどうしようか、と。
リメロンに言われた通り、教会に向かってもいいかもしれない。


行動安価

1、教会に向かう
2、イベント判定
3、行動安価

安価↓1
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 23:43:23.64 ID:FIznIPPy0
358 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2018/07/21(土) 23:46:31.59 ID:EOrfUQ7uo

選択:1、教会に向かう


今日の更新はここまでです。
お付き合いいただきありがとうございました。
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 23:46:57.88 ID:udOXsUYlO
おつかれ
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 23:48:58.79 ID:FIznIPPy0
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 23:51:31.20 ID:yMnl+Kzxo
おつ
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/22(日) 07:53:48.40 ID:b6REC3R60
またデッドエンドになるかと思った
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/13(月) 22:43:38.80 ID:uV1GfRFV0
保守
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