梨子「終活ノート?」

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29 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:36:11.41 ID:JrPefhnmO
三月💮日(火)
 
想定D 対国木田花丸
 
梨子「今度は花丸ちゃんね」
 
実現レベル:☆☆
(可能性は極めて低いが、万が一が起こった場合いつでも対応できるよう、心の片隅に留意しておくべし)
 
梨子「さほど脅威と思われてないのね。そりゃ花丸ちゃんとはほとんど話したことなかったけどさぁ」ペラッ
30 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:36:42.45 ID:JrPefhnmO
三月💮日(火)
 
想定D 対国木田花丸
 
梨子「今度は花丸ちゃんね」
 
実現レベル:☆☆
(可能性は極めて低いが、万が一が起こった場合いつでも対応できるよう、心の片隅に留意しておくべし)
 
梨子「さほど脅威と思われてないのね。そりゃ花丸ちゃんとはほとんど話したことなかったけどさぁ」ペラッ
31 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:37:24.76 ID:JrPefhnmO
図書室
 
花丸「あれ、梨子さんだけ?」キョトン
 
梨子(妄想)「うん。よっちゃんは今日、千歌ちゃんと二人で話したいことがあるんだって」
 
花丸「そうなんだ、だったらまた今度に──」
 
梨子「待って、花丸ちゃん」ガシッ
 
花丸「って梨子さん!?」
 
梨子「せっかくだから、今日は私達も二人でお喋りしない?」
 
花丸「……わかったずら」
32 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:38:09.53 ID:JrPefhnmO
梨子「へぇ〜、花丸ちゃんって聖歌隊に入ってたんだね」
 
花丸「うん、幼稚園の頃から続けているんだぁ」ニコッ
 
梨子「だからあんなに力強い歌声が出せるんだね」
 
花丸「ありがとうございます」ペコッ
 
梨子「ところで花丸ちゃんは、私のことどう思ってる?」
 
花丸「梨子さんのこと、ですか?」
 
梨子「うん、私のこと」
 
花丸「どうって言われましても……優しくて面倒見のいい先輩としか」
 
梨子「本当にそれだけ?」
 
花丸「どういう意味ですか?」


>>29
>>30
二重投稿になってしまいました、すみません
33 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:38:51.62 ID:JrPefhnmO
梨子「へぇ〜、花丸ちゃんって聖歌隊に入ってたんだね」
 
花丸「うん、幼稚園の頃から続けているんだぁ」ニコッ
 
梨子「だからあんなに力強い歌声が出せるんだね」
 
花丸「ありがとうございます」ペコッ
 
梨子「ところで花丸ちゃんは、私のことどう思ってる?」
 
花丸「梨子さんのこと、ですか?」
 
梨子「うん、私のこと」
 
花丸「どうって言われましても……優しくて面倒見のいい先輩としか」
 
梨子「本当にそれだけ?」
 
花丸「どういう意味ですか?」
34 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:39:33.23 ID:JrPefhnmO
梨子「いや、私が去年の末くらいからよっちゃんといきなり距離を縮めたことこととか、内心どう思ってるのかな? って」
 
花丸「そ、それは……」ギリッ
 
梨子「やっぱり、嫉妬してたのね」
 
花丸「う、うん//」
 
梨子「そうだよね。今までずっとよっちゃんのこと色々と気に掛けてきたのは自分なのに、後から割り込んできて『なに恋人面してるんだ』って思いたくもなるよね?」
 
花丸「うっ……自覚があるのなら、もう必要以上に善子ちゃんに色目を──」
 
梨子「そうね、そうする」
 
花丸「えっ!?」キョトン
35 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:40:15.34 ID:JrPefhnmO
梨子「『何をそんなにあっさり』って顔ね」
 
花丸「何がしたいんですか? 梨子さんは」
 
梨子「何がって?」
 
花丸「マル達の人間関係を引っ掻き回して、ってことずら」ムスッ
 
梨子「ああ、そういうことね」
 
花丸「千歌ちゃんを弄んだだけでは飽き足らず、善子ちゃんまでたぶらかして」
 
梨子「ふふっ、そうね。私は熱しやすくて、冷めやすい女なの♪」ニヤリ
 
花丸「最低な女ですね、梨子さんって」
 
梨子「ええ、誉め言葉と受け取っておくわ。花丸ちゃん♡」アゴクイッ
 
花丸「なっ// 梨子、さんっ!?」カァーッ
36 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:40:57.09 ID:JrPefhnmO
梨子「そしてもう一つ言っておくなら、私は他人が持っているモノほど自分のモノにしたくなっちゃう性分なの♪」
 
花丸「だから千歌ちゃんには曜さんや果南さんが、善子ちゃんにはマルがいるとわかっておきながら手を出したんですね?」
 
梨子「うん、そういうこと♪ だから今は──」
 
花丸「善子ちゃんからマルを奪う? もう支離滅裂ずら」
 
梨子「そうね。花丸ちゃん、そんな私を温めてくれない?」
 
花丸「お断りするずら。人を使い捨てカイロのようにしか見ていない梨子さんなんて」
 
梨子「本当に? じゃあどうしてこんなに頬が真っ赤に染まってるの?」
 
花丸「別にそんなこと──」
 
梨子「そうは言うけど、身体は正直なものなのよ」ホッペプニッ
 
花丸「ふにゃんっ!?」
 
梨子「可愛い声ね。私がもっといい声で泣かせてあ・げ・る♡」
 
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37 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:41:50.11 ID:JrPefhnmO
梨子(現実)「いや、誰この魔性の女? もうどこから突っ込んだらいいかわからないんだけど」
 
梨子「っていうか千歌ちゃんから見てもわたしと花丸ちゃんって『よっちゃんを挟んだ友達の友達』にしか見えてないのね」
 
未来を回避する方法:わたしも乙女の花園に加わる!
(問題はきっかけ作りである)
 
梨子「やっぱり寂しい思いさせちゃってたんだね、千歌ちゃんに」ハァ
38 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:42:31.93 ID:JrPefhnmO
三月󾭠日(金)
 
想定E 対小原鞠莉
 
梨子「とうとう鞠莉さんのターンデースかぁ!」ノリノリ
 
実現レベル:☆☆☆☆☆☆
 
梨子「☆6つってよっちゃんより多いしー! なんでなんで!?」
 
(鞠莉ちゃんがその気になった場合、いかなる手段を講じようとも勝算はない)
 
梨子「『その気に』ってことは、じゃあ実質的な脅威度はもっと低いのかな?」
 
(もはや天災であると諦めざるを得ないだろう)
 
梨子「千歌ちゃんが諦めを抱くほどとは……鞠莉さんにどんな秘められた力が」ワクワク
39 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:43:13.40 ID:JrPefhnmO
淡島ホテル、鞠莉の私室
 
梨子(妄想)「よっちゃんが前に教えてくれたとおり、鞠莉さんの家って本当に色んなものがあるんですね」
 
鞠莉「でしょ。……ホントにね」ハァ
 
梨子「そんなに嬉しそうじゃないですね」
 
鞠莉「そりゃ世界に名だたるオハラグループの後取りとして、色々仕込まれてきたからね」
 
梨子「やっぱり……実際そういう英才教育ってあるんですね」
 
鞠莉「ええ。そうでなくちゃ海外留学の話だって出てこなかったわよ」
 
梨子「どうでしたか、向こうに居た時」
40 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:43:54.79 ID:JrPefhnmO
鞠莉「果南やダイヤに勧められてだから不満はあったけど、普通にエンジョイしてたわよ。向こうでもフレンドがいっぱいできたしね」ニコッ
 
梨子「そうなんですね。今でもメールとかやり取りするんですか?」
 
鞠莉「イエース☆ 彼女達も私の大切なフレンドだもの♪」ニコッ
 
梨子「へぇー、安心しました。二年間ずっと不満を抱えてた訳じゃないってわかって」
 
鞠莉「そう、センキュー。……そりゃ時々日本を思い出してホームシックになったりもしたけどね」
 
梨子「別にそれくらいは誰にでもありますよね」
 
鞠莉「リリーも東京のフレンドを思い出したりするの?」
 
梨子「ううん、私は元々そんなに誰かと深く関わることがなかったので」
 
鞠莉「あらー、なかなかクールな娘だったって訳ね」
 
梨子「そうですね、いつも周りに壁を作ってました」
41 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:44:36.46 ID:JrPefhnmO
鞠莉「それをデストローイ! したのが千歌っちだったのかしら? リリーにとっては超大型巨人の襲来みたいなインパクトを与えた感じで」
 
梨子「まぁ……そんなところです。鞠莉さんにとっては果南さんがそれに当たる感じですか?」
 
鞠莉「そうね、あのハグ魔がね」フフッ
 
梨子「ふふっ、ハグ魔ですか。結婚とかって考えてたりするんですか?」
 
鞠莉「さすがにそこまではナッシングよ。ただ、結婚っていうと別の問題があるのよね」つ写真
 
梨子「なんですか、この写真」
 
鞠莉「向こうでさせられたお見合い、そのお相手達よ」
 
梨子「みんな凛々しい顔立ちですね」
 
鞠莉「そりゃみんな大企業のご子息、エリートオブエリートなんだからね」
 
梨子「でも全部断ったんですよね?」
 
鞠莉「もちろん。勿体ないって思う?」
 
梨子「全然。自分の気持ちに素直であるべきですから」
42 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:45:18.06 ID:JrPefhnmO
鞠莉「そうよね。ところでそのフレーズ、千歌っちからの受け売り?」
 
梨子「ま、まあ、はい」
 
鞠莉「そっか、リリーの中に千歌っちが息づいているって訳ね……はぁ」
 
梨子「どうしたんですか、鞠莉さん? 具合が悪いならもう──」
 
鞠莉「いやね、曜に嫉妬ファイヤーがどうたらってアドバイスしときながら、私も偉そうに言える筋合いはなかったなぁ……ってね」
 
梨子「それってどういうことです?」
 
鞠莉「私、千歌っちにジェラシー感じちゃってる」
 
梨子「鞠莉さんが千歌ちゃんに嫉妬してる? どうしてですか?」
 
鞠莉「リリーの一番になれない、ってことに」
 
梨子「鞠莉さん……」
43 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:46:00.38 ID:JrPefhnmO
鞠莉「でもマリーは千歌っちに負けるつもりはないから」
 
梨子「いや、そう宣言されましても」
 
鞠莉「ってな訳でリリー、マリーをここから連れ出しなさい!」
 
梨子「は、はい?」キョトン
 
鞠莉「マリーも自分の気持ちに素直になるって決めたのデース!」
 
梨子「は、はぁ」
 
鞠莉「ちょっと、なに『やれやれ、まーた鞠莉さんの悪ふざけが始まったのか』みたいな呆れ顔は!?」
 
梨子「だって鞠莉さん、冗談と本気の区別が付きにくいんですもの」
 
鞠莉「マリーは本気だよ、これに関しては。そんな私のこと、リリーは嫌い?」
 
梨子「別に嫌いってことはないですけど──」
 
鞠莉「じゃあ決定! マリーとリリーで愛の逃避行デース!」
 
梨子「だからなんでそうなるんですかっ!」
 
鞠莉「嫌、なの?」
44 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:46:41.57 ID:JrPefhnmO
梨子「いや、常識的に考えて──」
 
ポヨンッ♡
 
梨子「おうっふ//」
 
梨子(や、柔らかい//)カァーッ
 
鞠莉「マリーの胸、こんなにドキドキしてるの。リリーのことを想うだけで弾け飛んじゃいそう//」
 
梨子「……はい、伝わってきます//」ドキドキ
 
梨子(保って、私の理性!)
 
梨子「だけど、家のことは──」
 
鞠莉「いいのよ、気にしなくて」
 
梨子「でもそしたら鞠莉さんが──」
45 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:47:23.41 ID:JrPefhnmO
鞠莉「マリーは全てを投げ出してでも、リリーを私のモノにしたいの。わかる?」
 
梨子「……わかりました。鞠莉さんがそこまでの覚悟を見せたなら、私も応えなければ女が廃ります」キリッ
 
鞠莉「リリーーっ♡」ガバッ
 
梨子「ちょっと鞠莉さんっ!? まだ昼間ですって!」
 
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46 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:48:05.33 ID:JrPefhnmO
梨子(現実)「は? これからが本番でしょうに!」クワッ
 
未来を回避する方法:天に祈るしかない
 
梨子「まあ気持ちはわからなくもないけど。確かにこういう風に『全てを投げうってでも君を愛してみせる』みたいなのって憧れちゃうし♡」
47 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:48:47.57 ID:JrPefhnmO
三月◎日(日)
 
想定F 対黒澤ルビィ
 
梨子「ルビィちゃんでaqours全員ね」
 
実現レベル:☆
(全く脅威に非ず、今後10年以内に地球に巨大隕石が落下する方がまだあり得る)
 
梨子「ルビィちゃんェ……というより隕石が落ちたら私も千歌ちゃんもみんな死んじゃうよね!」ペラッ
 
(そして何よりルビィちゃんは「みんなの妹」なのだから! 妹を彼女にするとかあり得ない、世間の目とか両親を説得するとか課題も多いし)
 
梨子「地味子ェ……だけど完全に千歌ちゃんの主観だよね、それ」
48 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:49:29.43 ID:JrPefhnmO
桜内家玄関
 
ルビィ「お邪魔しまーす」
 
梨子(妄想)「あれ、ルビィちゃんだけ? よっちゃんと花丸ちゃんは?」
 
ルビィ「今日は二人でホラー映画観てくるんだって」
 
梨子「そうなんだ、ルビィちゃんは怖いの苦手だったもんね」
 
ルビィ「うんっ、どうしてもダメなものはダメなんで」
 
梨子「別にそれくらい、克服できなくてもいいと思うよ。私だってそういうの苦手だもん」
 
ルビィ「梨子さんも?」
 
梨子「うん。とにかく上がって。私の部屋で話しましょ」
 
ルビィ「うんっ」ニコッ
49 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:50:11.81 ID:JrPefhnmO
梨子ちゃんルーム
 
梨子「じゃあ、今日は何しよっか?」
 
ルビィ「いえ、今日は遊ぶとかじゃなくて、お願いがあって来たんです」
 
梨子「お願い?」
 
ルビィ「うゆっ。梨子さん、どうかルビィの……おねえちゃんになって、くださいっ」ペコッ
 
梨子「お姉ちゃん? ダイヤさんが東京に行って寂しいのはわかるけど、ちょっと」
 
ルビィ「……そうですよね、言い方が悪かったですよね?」
 
梨子「言い方? 何の?」
 
ルビィ「だって梨子さんはルビィの……もとい″林檎″の実のおねえちゃんなんですから」
 
梨子「あのー、ルビィちゃん? ″林檎″だとか実の姉だとか言われても、さっぱりついていけないんだけど」
 
ルビィ「ああ……そうですよね。まずはこれを見てください」つ紙
50 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:50:53.58 ID:JrPefhnmO
梨子「これって……戸籍謄本?」
 
ルビィ「はいっ。で、ここを見てください」ユビサシ
 
梨子「私に、私のママに……第二子″桜内林檎″?」
 
ルビィ「うんっ、その″林檎″っていうのがルビィ……もとい林檎のことなんです」
 
梨子「ルビィちゃん……」
 
ルビィ「ルビィ……じゃなくて林檎もつい最近知ったばかりで、いきなりこんなの見せられても信じられませんよね?」
 
梨子「そ、それはまあ」
 
ルビィ「でもっ、でもっ──」
51 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:51:35.23 ID:JrPefhnmO
ダキッ
 
ルビィ「えっ!?」
 
梨子「私も逢いたかったよ、″林檎″」
 
ルビィ「どう……して……」
 
梨子「私が内浦に引っ越して来た本当の理由、分かる?」
 
ルビィ「『周囲からのプレッシャーに耐えられなくなって、ピアノが弾けなくなったから』って千歌ちゃんが教えてくれました」
 
梨子「うん、確かにそれもある。でももう一つはね『生き別れになった妹に逢いたかった』からなんだ」
 
ルビィ「知ってたんですか、ルビィ……林檎がその妹なんだって」
 
梨子「うん、初見で気付いたよ。私と同じ赤髪の可愛い娘なんだもの♡」ニコッ
 
ルビィ「梨子さんっ//」カァーッ
 
梨子「ママが『やっぱり私、林檎を手放すべきじゃなかった』って泣いてるのを見ちゃって、それで『引っ越し先は内浦がいい』ってお願いしたの」
 
ルビィ「そうだったんですか。だったら……」
 
梨子「だったら?」
52 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:52:16.87 ID:JrPefhnmO
ルビィ「だったらどうして今までずっとルビィ……じゃなくて林檎に構ってくれなかったんですかっ!」グスッ
 
梨子「林檎……ごめんね」ナデナデ
 
ルビィ「千歌ちゃんや善子ちゃんみたいに、林檎だって優しくしてもらいたかったのに……この一年間、辛かったですっ」グスッ
 
梨子「仕方なかったのよ、ダイヤさんの目が光ってたから」
 
ルビィ「ダイヤおねえちゃんの?」
 
梨子「うん、警告されてたの。『梨子さんのご家族が一度借金の肩に手離したのです、もうルビィは貴女の妹ではありませんわ』ってね」
 
ルビィ「そんな……そんなの一言も」
 
梨子「そしてこうも言われたの」
 
ダイヤ『何よりルビィも梨子さんも、小さ過ぎてお互いのことなんて覚えていないのでしょう? 対してわたくしは十数年もの間、「姉妹として」積み重ねてきた日々と絆があります。』
 
梨子「否定できなかった、だって事実なんだから」
 
ルビィ「だけど、だけどっ」グスッ
53 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:52:58.19 ID:JrPefhnmO
梨子「だからね、私は決めたの」
 
ルビィ「決めたって、何をですか?」
 
梨子「『姉妹として』″林檎″と愛し合うのが許されないのなら、『一人の女として』″ルビィちゃん″を愛するって」キリッ
 
ルビィ「梨子さんっ……屁理屈ですよね!?」
 
梨子「うん、屁理屈だよ。でも『恋人として』の付き合いなら、黒澤家とて承服せざるを得ないと思うんだ。違う?」
 
ルビィ「ま、まあたぶん」
 
梨子「でしょ。という訳だから、改めて今日からよろしくね、ルビィちゃん♡」ニコッ
 
ルビィ「……そういうことなら、ルビィも梨子さんを全力で幸せにしてみせます!」キリッ
 
梨子「うんっ、ルビィちゃん格好いいよ♡」ナデナデ
 
ルビィ「うゆぅ// 少しくらい背伸びさせてくださいよぅー」
 
メイ*^ _ ^リ ♡ ⌒°( ^ω^)°⌒ やっぱり″りこルビ″なんだ変な人ピギなぁ!
 
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54 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:53:40.10 ID:JrPefhnmO
梨子(現実)「いや、そもそも入校の手続きで戸籍謄本出したけど、どこにも″林檎″なんて書いてなかったからね」
 
梨子「でも、私とルビィちゃんが似てるとこがあるのは認めるけど」
 
未来を回避する方法:ハッカーの技術を身に付け、国のデータベースを書き換える
 
梨子「それ、とんでもない重罪行為だからね」
 
(ついでにわたしが梨子ちゃんの妹になるように修正しておく。″桜内蜜柑″って名前で)
 
梨子「私と同い年、しかも八月産まれって時点で色々無理があるからね」
55 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:54:21.42 ID:JrPefhnmO
三月▽日(水)
 
想定G 対高海しいたけ
 
梨子「とうとう人間ですらなくなったし」
 
実現レベル:☆☆
 
梨子「しかもルビィちゃんより☆多いし」
 
梨子「まあここまで来たら読むけどね」ペラッ
56 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:55:03.21 ID:JrPefhnmO
十千万外
 
千歌「えっ、しいたけとお散歩に行きたいって?」
 
梨子(妄想)「うん。私ももう犬が平気になったから、一度はね」
 
千歌「いいよ、わかった。しいたけもいいよね?」
 
しいたけ「わふっ」尻尾フリフリ
 
千歌「よしよし。じゃあリード着けるね」ナデナデ
 
梨子「今日はよろしくね、しいたけちゃん」ニコッ
 
しいたけ「わふっわふっ」
57 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:55:47.49 ID:JrPefhnmO
遊歩道
 
梨子「ごめんね、しいたけちゃん」
 
しいたけ「わおんっ?」(何がよ?)
 
梨子「今までずっと、貴女を遠ざけていたこと」
 
しいたけ「わっふ」(ああ、そのことね)
 
梨子「嫌だったよね? 好意を持った相手から無下にされてさ」
 
しいたけ「わふっふ」(少しはね)
 
しいたけ「わふわっふ」(だけど私こそ、梨子さんが犬が苦手なのを知らなくて迫ったのだから……)
 
梨子「しいたけちゃん……気にしてたんだね、私のこと」
 
しいたけ「くぅーん」(私の方こそ、ごめんなさい)
 
梨子「そう、ありがとね。改めてこれからはよろしくね♪」ニコッ
 
しいたけ「わふっ♪」(こちらこそ♪)
58 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:56:29.01 ID:JrPefhnmO
梨子「それじゃあお近づきの印に」グイッ
 
しいたけ「きゃうっ!?」(ってそっちは歩道じゃないけど!?)
 
梨子「いいのよ、こっちで。人目に付いたら困るもの、色々とね」
 
しいたけ「くぅーん?」(どうして困るのよ?)
 
梨子「決まってるでしょ。これからしいたけちゃんを──」
 
しいたけ「わふっ?」(私を?)
 
梨子「余すところなくもふもふ(意味深)するんだからっ!」キリッ
 
しいたけ「くぅーん、わふわふ!」(そんな、やめてっ! 私には愛を誓い合った旦那も、しめじとえのきもいるってのにっ!)
 
梨子「それでも私、しいたけちゃんが好きで好きで仕方ないのよっ!」
 
しいたけ「わふわふっ!」(貴女にだってご主人という恋人がいるでしょうに!)
59 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:57:10.60 ID:JrPefhnmO
梨子「しいたけちゃんには関係ないでしょ、私と千歌ちゃんのことは」
 
しいたけ「くぅーん」(それはそうだけど)
 
梨子「もちろん千歌ちゃんとは、これからも仲良くするよ。しいたけちゃんとこうやって密会するために、ねっ♡」
 
しいたけ「ばうっばうっ!」(最低ね、自分のエゴを満たすためにご主人の気持ちを弄ぶなんて!)
 
梨子「どうとでも吠えなさい。わしゃわしゃ〜♪」
 
しいたけ「くぅーん//」(ちょっとやめてっ// くすぐったいからっ//)
 
梨子「ふふっ、身体は正直ね♪ すぐ私に忠実な雌犬として調教してあ・げ・る♡」
 
∪´ω`∪ ♡ メイ*^ _ ^リ やっぱり″しいりこ″なんだ変な人ワンなぁ!
 
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60 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:57:52.02 ID:JrPefhnmO
梨子(現実)「なんか花丸ちゃんのと色々被ってない? さすがにネタ切れたのかな?」
 
梨子「というかごく自然に犬語理解してるよね? この私」
 
未来を回避する方法:さすがにあり得ない
 
梨子「だよね、書いてるうちに冷静になってきたのかな?」
61 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:58:33.31 ID:JrPefhnmO
ガラッ
 
千歌「ごめん梨子ちゃん、遅く──」
 
梨子「あっ、千歌ちゃん」
 
梨子(しまった!)
 
千歌「──そ、それって……」
 
梨子「ごめんっ」
 
千歌「……ぐっ」シュタッ
 
梨子「待って!」シュタッ
62 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:59:15.35 ID:JrPefhnmO
十千万外
 
千歌「うっ……ううっ……」シュタッ
 
梨子「速いっ!? こうなったら……」
 
梨子「しいたけちゃんっ!」
 
しいたけ「わおぉーん!」シュタッ
 
千歌「ちょっとしいたけっ!? 邪魔しないでよっ!」
 
ピョンッ!
 
しいたけ「わふっ!?」
 
梨子「飛び越えたっ!?」
63 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 19:59:57.17 ID:JrPefhnmO
桟橋
 
梨子(まだ四月……まさかっ!)
 
千歌「さようなら、梨子ちゃんっ!」ピョンッ
 
梨子「早まっちゃダメーっ!!」ガシッ
 
千歌「んなっ!?」
 
梨子「んんーっ、どりゃあぁーっ!!」グイッ
 
千歌「うわぁっ!?」
 
ドスーン☆
 
千歌「うっ、あいたたた……って梨子ちゃんっ!?」
 
梨子「はぁ、はぁ……良かった、間に合って」フゥ
 
千歌「どうして──」
64 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:00:38.75 ID:JrPefhnmO
パシーン!
 
千歌「痛っ!?」ヒリヒリ
 
梨子「千歌ちゃんっ!」ダキッ
 
千歌「梨子、ちゃんっ!?」
 
梨子「千歌ちゃんがいなくなったら、悲しむ人がここにいるんだよ。だから……だからっ……ううっ」グスッ
 
千歌「……ごめんっ、梨子ちゃんっ……ううっ」グスッ
65 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:01:20.99 ID:JrPefhnmO
砂浜
 
梨子「それで、千歌ちゃんはどうしてあんなノートを?」
 
千歌「梨子ちゃん、もしかしなくても怒ってる?」
 
梨子「怒ってるよ。私が『千歌ちゃんを好き』って気持ちを信じてもらえなくて」ムッスー
 
千歌「ごめんっ。でもね、すっごく不安だったんだよ。あの日からずっと」
 
梨子「あの日って、やっぱり閉校祭の二日目から?」
 
千歌「うん。梨子ちゃんはいつでもわたしの隣に居てくれて、どんな時でもわたしを選んでくれるのが当たり前なんだって思い込んでたから」
 
梨子「ずっと引きずっていたんだね? 私がよっちゃんの手伝いに行ったこと」
 
千歌「うん、最低だよね。梨子ちゃんには梨子ちゃんの意志があるってのに……善子ちゃんも他のみんなも、梨子ちゃんにとって大切な友達なのに……」
 
梨子「千歌ちゃん……」
66 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:02:10.19 ID:JrPefhnmO
千歌「たかだか一回わたしじゃなくて他の娘を優先しただけで、それをずーっと根に持ってるなんて……面倒な女だよね?」
 
梨子「うん、確かに面倒」
 
千歌「うっ……だったらやっぱり──」
 
梨子「だけど私も千歌ちゃんと同じくらい面倒な女だから」
 
千歌「それってどういうこと?」
 
梨子「さっき『千歌ちゃんに怒ってる』って言ったけど、私は今同じくらい私自身に怒ってるの」
 
千歌「どうして? 梨子ちゃんには何の落ち度もないのに」
 
梨子「あるよ、ありまくりだよ!」
 
千歌「そうなの?」
 
梨子「そうだよ。例えばあの時だってちゃんと理由を説明して、わかってもらおうとしなかったこととか」
 
千歌「えーっと、つまり?」
67 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:02:55.10 ID:JrPefhnmO
梨子「そうね……もしあの時、私が閉校祭を一緒に回るのOKしてたら嬉しいよね?」
 
千歌「それはもちろん。でも──」
 
梨子「でも?」
 
千歌「──先に約束してた善子ちゃんが困ったと思う」
 
梨子「だよね、千歌ちゃん優しいから。そういうの後から知って後悔しちゃうよね」ナデナデ
 
千歌「梨子ちゃんっ// ありがとね」ニコッ
 
梨子「正直なこと言うとね、昨日よっちゃんに指摘されるまで千歌ちゃんがおかしくなってた理由に気付かなかったの」
 
千歌「善子ちゃんがっ!?」
 
梨子「そうだよ。長々とお説教された上、『鬼! 悪魔! 人でなし!!』ってもうボロクソに罵られたんだからねっ!」
 
千歌「うわぁ……ご愁傷様です」
 
梨子「だから私も今は自信喪失気味なの。『私が誰よりも千歌ちゃんを理解できてる』って思い込んでたんだから」
 
千歌「そう、だったんだね// 実を言うならわたしも先週、善子ちゃんと二人きりで話したんだ」
 
梨子「千歌ちゃんとよっちゃんが?」
 
千歌「うん」
68 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:03:36.88 ID:JrPefhnmO
回想、空き教室
 
善子「千歌さん、まずはこれを受け取って」つ小箱
 
千歌「これってチョコレート? だけどバレンタインはもう──」
 
善子「お詫びよ、閉校祭の時の」
 
千歌「閉校祭? ちょっと心当たりがないんだけど」
 
善子「嘘でしょ?」
 
千歌「それは……まあ」
 
善子「やっぱりね。リリーが私を優先したこと、気にしてたのね」
 
千歌「善子ちゃんが気を回す必要はないのに」
 
善子「ヨハネよ。私が見てて苛つくからよ」
 
千歌「苛つくって……でもわたしがワガママ言う資格なんてないよ、梨子ちゃんの行動一つ一つに対して」
 
善子「でも辛かったんでしょ?」
69 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:04:19.12 ID:JrPefhnmO
千歌「そんな訳ないってば」ニコッ
 
善子「嘘が下手ね。リリー含めて、誰の目から見ても明らかだったのよ。『週明けから千歌さんがおかしくなった』って」
 
千歌「それは……おかしかったの?」
 
善子「おかしいわよ。おおかた『梨子ちゃんに愛想尽かされたから、もう一度振り向いてもらうにはどうすればいいのかな?』って試行錯誤してたんでしょ?」
 
千歌「テレパスっ!? ドンピシャなんだけど」
 
善子「私もリリーに聞いたのよ。『千歌さんに説明したの?』ってね。そしたら『ううん、してないけど』って」
 
千歌「そんなやり取りがあったんだね」
 
善子「まあその時は特に追及しなかったけど、相当堪えてたのね」
 
千歌「わたし……梨子ちゃんに嫌われちゃったのかな?」シュン
70 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:05:00.53 ID:JrPefhnmO
善子「よく見たらすっごい隈ね、疲れてる?」
 
千歌「ここ一月くらい、あんまり眠れてないから。ふわーぁ」
 
善子「でしょうね、最近あくびも多くなってたし」
 
千歌「ううっ……善子ちゃんって案外周りをよく見てるんだね」
 
善子「ヨハネっ。私が特別ってことはないわよ」
 
千歌「そうかな?」
 
善子「そうよ。あと言っとくけど、リリーが千歌さんを嫌う訳ないでしょ」
 
千歌「……その根拠は?」
71 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:05:42.54 ID:JrPefhnmO
善子「リリーってば隙あらばおノロケかますんだから。『千歌ちゃんがー、千歌ちゃんってばー』ってね」ハァ
 
千歌「梨子ちゃんっ//」カァーッ
 
善子「まあリリーなりに気にはしてたっぽいわね。『千歌ちゃん、何がなんでもラブライブ優勝するために肩肘張り過ぎてるように見える』ってね」
 
千歌「梨子ちゃん、ちょっと勘違いしてたんだね……まあわたしも『今は余計なこと考えないようにしよう!』ってある程度自分に言い聞かせてたのは事実だけど」
 
善子「やれやれ、気持ちのすれ違いって訳ね」
 
千歌「面目ないです」
 
善子「ともかく、今度時間がある時にでもリリーと二人でゆっくり話し合いなさい。いいわね?」
 
千歌「うん。ありがとね、善子ちゃんっ」ニコッ
 
善子「だからヨハネだってば。それともう少しお小言いいかしら?」
 
千歌「お小言? いいけどなあに?」
72 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:06:23.89 ID:JrPefhnmO
善子「千歌さんは『パラレルワールド』って聞いたことある?」
 
千歌「『パラソルワールド』? なんかずーっと雨が降ってそうだね」
 
善子「傘じゃないわよ、『平行世界』って呼んだ方が分かりやすかったかしら?」
 
千歌「ああ、それならなんとなく分かるよ」
 
善子「そう。んで、もし仮にそういう世界が実在するとしたら、その中には千歌さんの言うとおり『千歌さんに愛想尽かして私と付き合うのを選んだリリー』もいるかもしれないわね。あるいは『曜さんやずら丸を選んだリリー』なんかもね」
 
千歌「なんかギャルゲーの個別ルートみたいだね、梨子ちゃんが主人公の」
 
善子「なにゆえギャルゲー!? ともかく、少なくとも『この世界のリリー』に関しては、千歌さんが一番好きに見えるけど?」
 
千歌「そう、かな?」
 
善子「そうよ。それともなに、千歌さんは『ありとあらゆる平行世界のリリー』が全員千歌さんラブでなくちゃ不満なの?」
73 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:07:25.94 ID:JrPefhnmO
千歌「いやー、さすがにそこまでは。っていうか、その『平行世界』とやらにまで干渉しようがないんじゃない?」
 
善子「そうでしょ。なら信じてあげなさい、『この一年間ずっと共に頑張ってきたリリー』のことを」
 
千歌「善子ちゃん……だよね、うん」
 
善子「ヨハネよ。というか私だって『こんだけリリーが好きな千歌さん』を捨てて、私にあっさり靡くような薄情者ならこっちから願い下げってものよ!」
 
千歌「うわぁ、きっつい物言いだねぇ。でもどうして?」
 
善子「だって他の娘とフラグ立ったら、またすぐに乗り換えそうじゃない?」
 
千歌「ああー、なるほどー」コクコク
 
 
千歌「色々とありがとね、よっちゃん」ペコッ
 
善子「どういたしまして。っていうか私だって、友達には幸せでいてほしい気持ちはあるんだからねっ!」
 
千歌「どうしよう……なんかわたし、よっちゃんに惚れちゃいそう//」ポッ
 
善子「なんでそうなる訳よ!?」
74 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:08:08.82 ID:JrPefhnmO
回想終わり
 
千歌「それでますます涙が出ちゃった。『よっちゃんに女の器で負けたー』ってね」
 
梨子「あはは……ところであのノートにあった血痕は?」
 
千歌「だからそれは前話したとおりだってば。洋梨の皮剥いてたら、ちょっと手が滑っただけだから」
 
梨子「本当に?」
 
千歌「ほんとだっての」
 
梨子「そう、なら信じるね。でも紛らわしくて心配したんだからね」
 
千歌「紛らわしいって、どんな想像してたのさっ!」
 
梨子「いや、千歌ちゃんが『私に見放された』と思い込んでリストカットでも──」
 
千歌「しないからっ! ……って言う資格なかったよね?」
 
梨子「まあ、たった今入水自殺しようとしてたしね」
 
千歌「う、うん」
75 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:08:52.14 ID:JrPefhnmO
梨子「お願いだから『もう二度と自分の命を粗末にしない』って約束して、私と」
 
千歌「うん、わかった」
 
ちかりこ「「指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます。指切った!」」
 
梨子「約束したからね!」
 
千歌「うんっ!」
 
梨子「あと、この際だから千歌ちゃんが思い込んでることを一つ訂正しておくけど」
 
千歌「思い込み? 何かな?」
76 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:09:34.09 ID:JrPefhnmO
梨子「『私が嫉妬心なんて一切持ち合わせてない』ってこと。私だって、千歌ちゃんが他の娘と仲良くしててモヤッとしたりするんだからね!」
 
千歌「そうなの? ほんとに?」
 
梨子「本当だって。例えば千歌ちゃんと曜ちゃんが私の知らない昔の話で盛り上がったりすると、話についていけなくて『いい加減切り上げてくれないかなー』って内心イライラだったりするもの!」プンスコ
 
千歌「へぇー、梨子ちゃんでもそういうのってあるんだね」
 
梨子「あるからね、そういう気持ち。だから最近よく思うのがね」
 
千歌「何を思うの?」
 
梨子「いっそ『曜ちゃんになりたいなぁ』って」
 
千歌「うん、分かるよその気持ち。運動も出来てスタイルも良くてコミュ力も抜群で──」
77 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:10:16.13 ID:JrPefhnmO
梨子「そういうのもあるけど、一番は『千歌ちゃんと幼なじみだから』なの!」
 
千歌「ええーっ、わからなくはないけどさぁ」
 
梨子「曜ちゃんってば、二人で千歌ちゃんの話してても時々ドヤ顔することあるし」
 
千歌「曜ちゃんェ……」
 
梨子「だけどね、『これからも私と千歌ちゃんは一緒なんだから』って考えたら、そんなに気にならなくなったの」
 
千歌「どうして? 悔しくないの?」
 
梨子「悔しいけど、こればっかりはどうしようもないんだから。だけど思い出ならこれから作っていけばいい、でしょっ♡」ニコッ
 
千歌「うんっ、だよねっ♡」ニコッ
78 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:10:57.33 ID:JrPefhnmO
梨子「ところで、千歌ちゃんは今日が何の日か憶えてる?」
 
千歌「もちろん! 戻ろっ!」
 
梨子「何かあるの?」
 
千歌「うんっ、ちょっとしたサプライズをねっ♪」
 
梨子「本人いる前で宣言したら、もうサプライズでも何でもないよね?」
79 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:11:41.41 ID:JrPefhnmO
十千万台所
 
梨子「うわぁ、美味しそうなケーキ♪ もしかして『手伝いがある』ってのは嘘?」
 
千歌「うん、ごめんね。これ作ってたんだ」
 
梨子「もしかして洋梨の皮剥き練習してたのって……」
 
千歌「うん、このケーキ、みかんと洋梨入りなんだ」
 
梨子「私と千歌ちゃんの好きな果物を入れたんだね。じゃあ上に載ってる私と千歌ちゃんのメレンゲドールも?」
 
千歌「ううん、それは美渡ねえの知り合いに職人さんがいるって聞いたから、頼んでもらったんだ」
 
梨子「そっか。そりゃ一朝一夕で出来るようにはならないもんね」
 
千歌「だけどいつかは自分で作れるようになりたい、って考えてる」
 
梨子「そうなんだ、じゃあ練習あるのみだね」
 
千歌「うんっ」
80 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:12:23.46 ID:JrPefhnmO
梨子「そうだ、私からもプレゼント」つチケット×2
 
千歌「これって……遊園地の?」
 
梨子「うん、よっちゃんから『これで埋め合わせしなさい』って貰ったの」
 
千歌「そうなの? さすがにこれは受け取れないよ」
 
梨子「いいの。よっちゃん、高い所がトラウマになっちゃったみたいだから」
 
千歌「木の上は平気なのに?」
 
梨子「夏休みに花丸ちゃんと観覧車に乗ったら、てっぺんで止まっちゃって『天に召されるかと思った』ってさ」
 
千歌「あはは……それは運が悪かったとしか言えないね」
 
梨子「じゃあ来週の休みに二人で行くってことで。予定空いてるよね?」
 
千歌「うんっ!」
 
梨子「わかったよ。その時は千歌ちゃんの好きなもの、いっぱい作って来るからね♪」
 
千歌「うん、いつもありがとねっ♪」
81 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:13:05.12 ID:JrPefhnmO
梨子「じゃあさっそくケーキ入刀しよっか、二人で」
 
千歌「うんっ! なんか結婚式みたいだねっ//」
 
梨子「なら将来の予行演習も兼ねて、ってことで」
 
千歌「なんか気が早くない?」
 
梨子「いいの♡」
82 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:13:46.69 ID:JrPefhnmO
千歌「今日はわたしと梨子ちゃんが、あの桟橋で初めて出逢った記念日です」
 
梨子「いや、誰に向かって言ってるの?」
 
千歌「ビデオカメラに」
 
梨子「っていつの間に撮ってたの!?」
 
千歌「だって大事な日なんだから、目に見える形で残しておきたいじゃない?」
 
梨子「まあ気持ちはわかるけどね」
 
千歌「でしょ。それで来年の同じ日にも見返して、お互いの成長を確かめ合うんだ」
 
梨子「ふふっ、それは素敵な目標ね。お互い頑張りましょ、私達の関係がいつまでも続くように♡」
 
千歌「うんっ! これからもよろしくねっ、梨子ちゃん♡」
 
梨子「こちらこそよろしくね、千歌ちゃん♡」
 
从c*^ヮ^§ ♡ メイ*^ _ ^リ やっぱり″ちかりこ″なんだ奇跡だ変な人なぁ!
 
http://q2.upup.be/f/r/e4LAlItb2b.jpg
83 :梨子 [sage]:2018/07/02(月) 20:14:29.97 ID:JrPefhnmO
メイ*^ _ ^リ 終わりです
 
本日7月2日は二年前にサンシャインの1期1話「輝きたい!!」が放映された日になります
 
「メレンゲの気持ち」という番組にて、長嶋一茂さんが「毎朝自分が死ぬ瞬間をイメージし、晩にそうならずに生きていられたことに感謝する習慣がある」という話から発想を得て、こんな話にしてみました
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/02(月) 20:19:17.03 ID:bgnFu79+O
いちおつ
梨子ちゃんカプの幕の内弁当とは恐れ入る
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/02(月) 21:06:08.22 ID:PBUswWAgO

二次創作=平行世界に例えるとはなるほどね
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 17:58:18.79 ID:Qe+sX2q3O
|c||^.- ^||
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/10(火) 19:34:06.06 ID:L562kSKkO

コラ画像まで用意するとはね
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/13(金) 19:30:27.35 ID:iuoK75xSO
ゴミだった
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