恋と宇宙と運送業

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1 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 07:50:46.47 ID:bd8T8IYt0
-火星 ネオロンドン-

-ヒースロー宇宙空港 貨物積込ドック-


ヒュゥゥン…キキッ

男「ふぅ、到着」ポチッ

[荷積ミ作業ニ入リマス]ピコ-ン

男「さっそく積み込みますか」

ガチャ バタン

作業員「おー男!早いじゃねぇか!」シュゥゥン

男「おはようございます」

作業員「積み込みか?」

男「はい、ステーション行きの食料品を積みに来ました」ペラッ

作業員「どれどれ…しかしステーションの連中は気楽でいいよな」

作業員「こっちはこうして地に足付けて仕事に追われてんのによ」

男「まぁ向こうも向こうで大変だと思いますよ?」

男「自給能力が無いから、こうして何から何まで地上(こっち)から取り寄せなきゃならないんですし」

作業員「まぁ…そのお陰で俺やお前さんの食い扶持があるって訳か、モノは考え様だな」フム

男「そういう事です」

作業員「じゃーちょっと待ってろ、今積荷を準備すっからよ!」シュゥゥン

男「お願いします」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1530399045
2 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 07:52:30.20 ID:bd8T8IYt0
-休憩室-


男「お疲れさま」ガチャ

同僚「よーwwお疲れちゃんww」

男「今日は?」

同僚「これから積み込みwwわざわざ地球まで行ってよwww」

男「地球?一体何を積むんだ?」

同僚「そりゃお前、諸々の"訳あり品"に決まってんだろwww」

男「あぁ…あまり詳しくは知りたくない感じだな」

同僚「詮索しないのがジャスティスwwまぁその分運賃が良いからよwww」

男「あんまり無茶するなよ?心配掛けたら元も子もないんだから」

同僚「わーってるよんwww」

ピンポ-ン

<ステーション行きの荷物が揃いました

男「お、準備出来たみたいだな」

同僚「今日はステーション行きかww」

男「そうだよ」

同僚「それじゃ伝えといてくれwwまだ11月なのに暑過ぎだってwww」パタパタ

男「確かに…春だってのに最近暑いな」

同僚「あいつらの気候制御テキトーだかんなwww自然の営みをそんな形で再現しないでいいわwww」

男「あぁ、言っとくよ」クスッ

3 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 07:53:20.06 ID:bd8T8IYt0
-貨物積み込みドック-


作業員「待たせたな!」

男「いえいえ、ハッチ開けますね」ポチッ ウィ-ン

<フォークリフトガ動キマス… ピピ-ッピピ-ッ

作業員「…しかしよぉ」ガチャン シュィィン

男「?」

作業員「お前いつまでソロで仕事続けるつもりなんだよ?」

男「あはは…なかなか良い出会いがなくてですね」

作業員「出会いだぁ!?んなモン若いんだからいくらだってあんだろ!」ガハハ

男「まぁ艇乗りっていったら相棒とコンビを組むのが一般的ですからね」

男「実際俺の艇(ふね)も複座式だし」

作業員「だろ!?同僚の奴でさえコンビ組んでるんだからよ!」

男「あいつの場合は組んでるっていうか…あれ?」

男「そういえばあいつさっき一人だったな」

作業員「まぁオッサンの老婆心だと思って聞いてくれや」

男「オッサンなのか老婆なのか」

作業員「お前、仕事はバッチリだけど時々アホだよな」

4 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 07:53:50.17 ID:bd8T8IYt0
作業員「おし!終わったぞ」

男「ありがとうございます、ハッチ閉めます」ポチッ ウィ-ン

作業員「デッキに連絡すっからちょっと待ってな」ピピッ

作業員「物流協会の艇が1隻出るぞ!あぁそうだ、ステーション行きの」

作業員「了解!じゃ頼むぞ」ピピッ

作業員「32番のデッキが空いてる、300秒で支度出来るそうだ」

男「分かりました、それじゃ向かいますね」

作業員「気をつけてな!」フリフリ

ガチャ バタンッ

5 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 07:54:46.35 ID:bd8T8IYt0
-32番出航デッキ-


ピピ-ッ ピピ-ッ

誘導員「オーライ!オーライ!」

シュゥゥン…キキッ

ピコ-ン

[グリーン 発進出来マス]

男「了解。さて、行きますか」グッ

バシュゥゥ…!!

6 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 07:55:50.08 ID:bd8T8IYt0
-男の艇 操縦席-


ヒュゥゥン…

男「さて、離昇してしまえばあとはオートクルーズみたいなモンだ」ピコピコ

[ステーションヘノ軌道ヲ修正シマス…現在ノ周回速度ハ…]

男「誘導電波を辿って行くだけだからあんまり実感湧かないけど」

男「サッカー場ほどもあるステーションが秒速8kmで火星の周りを飛び回ってるなんて…」

男「今更ながら信じられないな」

男「…二人とも元気にしてるかな?」チラッ

写真「」ヒラヒラ

バシュゥゥ…

7 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 07:56:40.49 ID:bd8T8IYt0
-ステーション 到着デッキ-


ピピ-ッ ピピ-ッ

<物流協会の運搬艇が到着します

スィィィ…キキッ

男「到着っと」


<ハッチ閉まるぞー

<重力制御問題なし、現在1.02G


ガチャ バタンッ

ステーション作業員「やぁ、食料品の搬入かい?」

男「はい、これが伝票です」ペラッ

ステーション作業員「確かに。荷下ろしはこっちでやっとくから」

男「ありがとうございます」ポチッ ウィィ-ン

ステーション作業員「到着したら顔出せって言ってたぞー?」

男「あぁ…了解です、じゃあお願いしますね」

ステーション作業員「はいよー」シュィィン

ピピ-ッ ピピ-ッ

[フォークリフトガ動キマス…]

8 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 07:57:28.29 ID:bd8T8IYt0
-ステーション内 通路-


テクテク

男「ホントに広い施設だな、地図がなくちゃ絶対迷子になるよ」

カツカツ

女「そう思って迎えに来たわ」

男「久し振りだな、女!」

女「ステーション便は運賃が安いから、みんなあまりやりたがらないものね」

男「いや別に避けてたわけじゃ」

女「ふふっ冗談よ、元気そうで何よりだわ」ニコッ

男「女もな」

男「あ、同僚の奴から最近暑過ぎるって苦情が来てたぞ?」クスッ

女「あら、それは失礼」

女「気温の制御もなかなか難しいのよ、良かったら見学していく?」

男「いいのか?」

女「男くんなら構わないわ、実際見てもらえば分かる事もあるもの」

9 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 07:58:11.73 ID:bd8T8IYt0
-ステーション内 "ソレッタ"制御室-


ピコ-ン ピコ-ン

女「お疲れ様」ガチャ

男「お邪魔しまーす」

研究員「お、噂の弟くんですか」クルッ

男「いつも姉がお世話になってます」ペコッ

女「ここは"ソレッタ"…太陽光を反射させて火星の大気温度を管理するシステムの制御室よ」

男「太陽光を反射…あの巨大な鏡みたいな奴でか?」ノゾキ

研究員「そうです。発想としては原始的ではありますが」

女「火星の公転周期に合わせて照射角度を微調整しているのだけれど…」

女「どうしても照射量にバラつきが出てしまうのよ」

男「コンピュータ制御でもか?」

研究員「ご存知の通り、ステーションは火星の周囲を絶えず飛び回っています」

研究員「それに合わせてソレッタも火星の公転軌道を移動し続けているのですが」

女「照射する面や太陽との位置関係によって、どうしても温度のバラつきが出てしまうのよ」

男「それで暑くなったり寒くなったりするってわけか」

女「そういう事。一年の…地球でいう24ヶ月の間でね」

男「そういえば地球の一年って12ヶ月しかないんだっけ」

女「今更何言ってるのよ、男くんも航行で地球に行く事あるんじゃないの?」クスッ

男「いや…俺の艇じゃ地球までは行けないんだ」

女「…そうだったわね」

女「まぁそういう訳だから、多少の気温のバラつきはご愛嬌だと思って欲しいのよ」

10 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 07:59:14.37 ID:bd8T8IYt0
研究員「はじめましてって感じがあまりしませんね」

男「?」

研究員「女さんから、男さんの話はよく聞いてるものですから」

男「そうなんですか?」

研究員「というか、弟くんの自慢話を聞かない日はないというか」クスクス

女「ち、ちょっと何言ってるのよ」アセッ

男「なんだか照れ臭いな」

研究員「愛されてますねー」

女「もうっ」プイッ
11 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:00:26.92 ID:bd8T8IYt0
-ステーション 到着デッキ-


ステーション作業員「荷下ろし終わってますよ」

男「ありがとうございます」

女「帰り荷はないのかしら?」

ステーション作業員「えぇ、廃棄物関連はもう少し溜まってからにします」

女「そう、それじゃ男くん気をつけてね」

男「あ、そういえば先ぱ…義兄さんは?」

女「言ってなかったかしら、地熱関連のラボへ異動になったのよ」

男「えっそうなのか、それじゃオリンポス山に?」

女「えぇ、山の麓にあるラボへ行けば会えると思うけれど」

男「全然知らなかった…顔出してみるかな」

男「それじゃ出発します。女、またね」

女「えぇ」


バシュュゥン…!!

12 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:01:35.45 ID:bd8T8IYt0
-地球 イタリア南部-

-カポディキーノ宇宙空港 第2到着デッキ-


ピピ-ッ ピピ-ッ

<物流協会の艇が入るぞー!

ヒュゥゥン…キキッ

同僚「ほい到着wwwんぁー長かったwww」ノビ-ッ

同僚「ビーコン辿ってのオートクルーズとは言えほぼ丸一日だからなwww」コキコキ

同僚「コンビで来りゃーその分楽なんだが…地球じゃな」

ガチャ バタンッ

同僚「まいどー物流協会でっすwww」

空港職員「いつも悪いな」

同僚「いえいぇwwwその分ギャランティーを頂戴してますからwww」

空港職員「人は裏切るが金はそうじゃない」

空港職員「仕事に見合った報酬を支払い、報酬に見合った仕事をこなす」

空港職員「それが信頼関係ってモンだろう?」

同僚「仰る通りでwww」ヘ-コラ

空港職員「いつも通り荷物はこっちで積んでおく」

空港職員「お前は何も見ない、触らないし詮索しない」

同僚「www」コクコク

空港職員「お前に荷物を運ぶ以外の責任は発生しない、それがお前の為だ」

空港職員「いいな?」

同僚「畏まりましたwww」

空港職員「積み込みが終わったら呼ぶ、食事でもして待っていろ」

同僚「よろしくお願いしますwww」ビシッ

13 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:02:15.78 ID:bd8T8IYt0
-空港内 ロビー-


ワイワイ ガヤガヤ

同僚「おーこわwww毎度の事ながら慣れねぇわwww」ブルッ

同僚「まぁ艇のローンや改造費もバカにならんしwwアイツに苦労させたくねぇしwww」

同僚「とりあえずパパッと済ませて火星に帰ろうそうしようwww」


<お願いしまーす

<間も無く開演でーす


同僚「おっなんだイベントかww地下アイドルのライブか何かかwww?」

スタッフ「巫女様による祈歌の公演でーす」

スタッフ「観覧無料でーす」

同僚「巫女様ーwww?何だか胡散臭ぇなwww」

同僚「まぁタダならいっかwwヒマだし見てこーっとwww」

スタッフ「こちらパンフレットでーす」スッ

同僚「なになに…"母なる太陽"?ますます胡散臭ぇなwww」ケラケラ

14 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:03:01.42 ID:bd8T8IYt0
オルガン奏者「」チャララ-♪

同僚「おっ始まるかwどっこいしょとww」スワリ

テクテクテク…

巫女「…。」スクッ

同僚「おーあれが巫女様かww結構可愛いじゃんかww」

同僚「そしてあのたゆんたゆんwww悪くないw悪くないぞwww」

巫女「」スゥ




巫女「No one can steal the sun♪」




同僚「!!」ゾクッ

同僚「なんだこの歌声…腹の底に響いてきやがる」ビリビリ




巫女「ー♪」




巫女「…。」ペコリ


<ワァァァ…!パチパチパチパチ…!!


同僚「すげぇモノを見た…」ポカ-ン

15 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:05:07.53 ID:bd8T8IYt0
-火星 ネオロンドン-

-物流協会 倉庫-


ヒュゥゥン…キキッ

男「ふぅ、到着」ポチッ

[航行データヲ記録シテイマス…]

男「さて、明日は何の仕事かな?」ガチャ


16 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:05:52.24 ID:bd8T8IYt0
-物流協会 事務所-


男「お疲れ様でーす」ガチャ

配車係「男さん、お疲れ様です」

男「明日の仕事決まってますか?」カチャ

[航行データヲ印字シテイマス…]

配車係「えぇ、明日はラボへ燃料の搬入です」

男「って事は倉庫(ここ)積みか、ラッキーだな」ペリッ

男「ん?ラボってオリンポス山の麓ですよね?」

配車係「そうですよ」

男「今日ステーションに行った時に聞いたんですよ、先輩そっちに異動になったって」

配車係「そうなんですか?じゃあ顔を合わせるのにちょうど良かったですね」

男「ですね」

配車係「先輩さんが物流協会(うち)を辞めてもう3年ですか…」

男「…。」

配車係「よろしくお伝え下さい」

男「了解です」


17 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:06:21.87 ID:bd8T8IYt0
-カポディキーノ宇宙空港 積み込みヤード-


ガラガラ…ゴトッ

空港職員「さっさと積み込むんだ」

作業員「…。」セッセ

空港職員「星を結ぶ運送屋か、まったく便利な存在だ」

空港職員「こんなモノここらに置いておくわけにいかないからな」

作業員「…。」セッセ




???「…。」ササッ コソコソ

18 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:07:06.41 ID:bd8T8IYt0
-火星 陸運専用道路-


ブロロロ…

男「今日は陸送便だから気が楽だな」

ガタッ ゴトッ

男「しかしこのカーゴって奴は揺れるなぁ」

男「だけど何でだろう…カーゴの運転席ってすごく落ち着くんだよな」



ブロロロ…

19 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:07:41.23 ID:bd8T8IYt0
-オリンポス山麓 地熱制御ラボ正門-



ブロロロ…キキッ

男「さて、ここがラボか」

男「しかし、いつ見てもデカイな」ミアゲ

男「オリンポス山…火星だけじゃなく、太陽系でも最大の活火山」

男「その標高26000m…デカ過ぎて壁にしか見えないな」

テクテク

先輩「お!男じゃないか!」フリフリ

男「先輩!じゃなかった…義兄さん」

先輩「お互い慣れないな、その呼び方は」クスッ

男「ですね」

先輩「今まで通りでいいんだぞ?呼び名なんて大した問題じゃない」

先輩「大切なのは俺達の関係性だ、そうだろ?」バシッ

男「いてて…はい、先輩は俺にとっていつまでも頼れる先輩ですから」

先輩「俺だって一緒さ、お前も同僚も俺にとっちゃ大事な後輩達だ」

先輩「今日は燃料の搬入だったな?」

男「そうです、どこに下ろしましょうか?」

先輩「ラボの裏手に倉庫がある、誘導するからそっちにカーゴを着けてくれ」

男「了解です」


ブォン!ブロロロ…

<バックシマス… ピピ-ッピピ-ッ

20 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:08:29.20 ID:bd8T8IYt0
-地熱制御ラボ 休憩室-



先輩「…異動になった事、てっきり連絡したモンだと思ってたよ」

男「昨日ステーションで女に聞きました」

男「でも職場が離れちゃって寂しいですね、せっかく新婚なのに」

先輩「なぁに、今は通信手段も発達してるからな」

先輩「火星圏内ならテレビ電話も使えるし、ステーションなんてすぐそこさ」

先輩「それよりあいつと話してても話題と言えばお前の事ばっかりだぞ?」クスッ

男「え、そうなんですか?」

先輩「ちーっとばかし妬けちまうよな」ワハハ

男「なんだかその…すみません」

先輩「お姉ちゃんはいつまで経っても弟の事が気がかりなんだろうよ」

先輩「愛されてんな」

男「…。」

21 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:09:08.54 ID:bd8T8IYt0
男「先輩はここでどんな仕事をしてるんですか?」

先輩「そうだな、ステーションが大気の温度を制御してるように」

先輩「ここでは地面の中から星の温度を制御しているんだ」

男「地面の中から?」

先輩「そうだ、火星は元々火山活動が活発なんだが…」ズズッ

先輩「そいつを上手いこと制御して地面を暖め、ついでに熱エネルギーを取り出しているってわけだ」

男「へー凄いな、じゃああのオリンポス山も?」

先輩「知っての通り、あいつは太陽系最大の活火山だ」

先輩「噴火でもしようモンなら火星丸ごと吹っ飛んじまう」

先輩「大地の加熱も熱エネルギーも、あいつを制御する為の副産物ってわけだ」

男「なるほど」


22 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:09:50.33 ID:bd8T8IYt0
-地熱制御ラボ正門-


ゴゥンゴゥン…

男「それじゃそろそろ出発します」

先輩「同僚によろしくな、配車係の奴にも」

男「了解です」

先輩「近い内に女と3人で食事でも行くか、ネオロンドンならいい店もあるだろう」

男「リサーチしておきますよ」ニコッ

先輩「それじゃあな」フリフリ


ブォン!ブロロロ…


男「3人で、か」

23 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:10:38.79 ID:bd8T8IYt0
-カポディキーノ宇宙空港 出航デッキ-



空港職員「待たせたな」

同僚「いえいえww空き時間ですんげぇ歌も聴けましたしwww」

空港職員「あぁ、巫女か」

同僚「ご存知なんすかww?」

空港職員「最近ここらじゃ名前を聞かない日がない、歌による布教活動とは考えたもんだ」

同僚「あ、割とウェルカムな感じなんすねwww」

空港職員「古来より我々イタリア人は芸術には寛容だ、それがどんな形であれな」

空港職員「宗教についてはともかく、あの歌は芸術と言っていいだろう」

同僚「ホントっすねwww鳥肌立ちまくりでしたもんwww」

同僚「それじゃそろそろ出発しますねwww」

空港職員「荷下ろしはいつもの場所で、いつもの通りにな」

同僚「畏まりましたwww」ビシッ


バシュゥゥ…!!

24 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:12:07.40 ID:bd8T8IYt0
-小惑星帯 廃棄物の星-


ヒュゥゥン…キキッ

同僚「ほい到着www」

ピピッ…ザザッ

無線『物流協会だな?』

同僚「毎度wwカポディキーノからですwww」

無線『連絡は来ている、ハッチを開けろ』

同僚「あいあいさーwww」ポチッ

ウィィィン…

無線『荷下ろしはこっちでやる。いつも通りエンジンを止めて視界グラスもオフにしろ』

同僚「了解っすwww」カチャ

[エンジン停止…視界グラスダウン]

フッ…

同僚「そして真っ暗になったwww」


ゴソゴソ…ゴトンッ

ピピ-ッ ピピ-ッ


同僚「何を運んでいるのやら…いや考えない考えないwww」ビクビク




???「…。」ササッ コソコソ


25 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:12:41.70 ID:bd8T8IYt0
<コンコンッ

同僚「お、終わったかwww」カチャ

ヒュゥゥン…!

[エンジンスタートシマス…機関良好]

[視界グラスガ作動シマス]

フッ…パァァァ

同僚「満点の星空www復活www」

無線『作業終了だ、ご苦労さん』

同僚「毎度ありーwww」ポチッ ウィィィン…

ゴゥンゴゥン…

同僚「さて帰るべwww大至急帰るべwww」ピコピコ

[SSS起動…]

同僚「燃費なんざ知るかwww全速前進www」

同僚「飛びます飛びますwww」ググッ

パァァァ…ヒュンッ




ー♪




???「…歌?」コソコソ

26 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:13:49.22 ID:bd8T8IYt0
-火星 陸運専用道路-


ガタゴト ブロロロ…

ピピッ ピピッ

男「ん?無線?」カチャ

配車係『男さんお疲れ様です』

男「お疲れ様です、何かありましたか?」

配車係『実は急な集荷依頼がありまして、ちょうど男さんの帰り道なんですが』

男「そうですか、大丈夫ですよ」

配車係『すみませんね、位置情報は送っときますので』

男「了解です、それじゃ向かいますね」カチャ

男「まぁ空荷で帰るよりはマシだな」

ピコ-ン

[新シイ位置情報ヲ取得シマシタ、行先ヲ変更シマスカ?]

男「なんだすぐ近くじゃないか」ピコピコ

[行先ヲ設定シマシタ]

男「それじゃ行きますか」


ブォン! ブロロロ…

27 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:14:37.86 ID:bd8T8IYt0
-農園地帯-


ブロロロ…キキッ

[目的地ニ到着シマシタ]

男「凄い…見渡す限り赤茶けた玄武岩の広がるこの辺りで」

ガチャ バタンッ

男「この一帯だけ緑がいっぱいだ」キョロキョロ

テクテク

男「畑はもちろん、大きな広葉樹が繁っていて気持ちがいいな」

男「木陰に咲いてるこの花は…ラッパスイセンかな?」

プシャァァ…クルクル

男「スプリンクラーが水撒きしてる、地下水でも使ってるのか?」

農園主「その通りさ」テクテク

男「あ、こんにちは物流協会です」ペコッ

農園主「この辺りはマグマの影響で地下の永久凍土が溶けたおかけで」

農園主「こうして色々な作物を栽培出来るようになったんだよ」

男「なんだかこの一帯はオアシスって感じがしますねー」キョロキョロ

農園主「ははっ確かにな」

農園主「予定よりも作物が豊作でな、頼んでいたカーゴだけじゃ積みきれなくなった」

農園主「急な依頼で悪いな」

男「大丈夫ですよ、ちょうどオリンポス山からの帰りだったので」

農園主「そうかい、そしたら早速頼むよ」

28 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:15:06.64 ID:bd8T8IYt0
男「これで…最後っと!」ゴトッ

男「ふぅ、終わった」

農園主「助かったよ、これだけの量を一人で手積みじゃ大変だからな」

男「たまには身体を動かさないと…いい運動になりましたよ」

農園主「それじゃこれが伝票だから」ペラッ

男「はい、それじゃお預かりします」

ガチャ バタンッ

農園主「よろしくなー」フリフリ


ブォン!ブロロロ…

29 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:15:48.82 ID:bd8T8IYt0
-火星 物流協会倉庫-


ヒュゥゥン…キキッ

同僚「かーやっと帰ってきたwwwんーwww」ノビ-ッ

[航行データヲ記録シテイマス…]ピピッ

同僚「艇を仕舞っちまう前に点検だけしとくかwww」ガチャ バタンッ

同僚「全開でかっ飛ばしたからなwww今日もごくろーさんwww」

<冷却装置ガ作動シマス…

プシャァァ…ジュワァァ!!

同僚「冷却装置って言っても水掛けてるだけだけどなwwwまぁボディを冷やすのには手っ取り早いんだけどwww」

同僚「さて工具はっとwww」ゴソゴソ



???「…!」サッ タタタッ

30 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:16:46.53 ID:bd8T8IYt0
-物流協会倉庫 通路-


男「お、同僚の奴ちょうど帰ってきたか」ノゾキ

男「やっぱり一人…あいつまさか地球までソロで行ってんのか?」

男「身体壊さなきゃいいけど」




タッタッタッ…




男「ちょうど良いから溜まった洗濯物を片付けちまおう」ヨイショ

男「家でやれば良いんだけど、仕事から帰ったら何もする気がなくなるんだよなー」

男「独身男あるあるだよな」




タッタッタッ…




31 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:18:03.91 ID:bd8T8IYt0
-ランドリー室-


男「よし着いた」ヨイショ

男「洗濯機空いてるかなー」ガチャ




タッタッタッ…

キキ-ッ!




男「ん?」




ドンガラガッシャ-ン!!




男「いてて…な、何だ!?」キョロキョロ

???「うぅ…」バタンキュ-

男「だ、大丈夫ですか!?」

???「あてて…。っ!!」バッ

???「!!?」キョロキョロ

男「走ってきて俺の開けた扉にぶつかったのか…怪我はありませんか?」チョイチョイ

???「あ!あの!!」

男「な、何でしょう?」

32 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:18:29.93 ID:bd8T8IYt0
少女「か、匿ってくれへん!?」

33 : ◆o/5nn0YDew [saga]:2018/07/01(日) 08:20:23.93 ID:bd8T8IYt0
短いですが本日ここまでとします
ありがとうございました
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/01(日) 10:16:39.30 ID:kUZwXO0Po
いろんな星をまわってるってことなのか?これは
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