零羅「僕らの世界」【遊戯王ARC-V】

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1 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/06/24(日) 14:19:42.91 ID:smndEJtZO




零羅「………」スタスタ


零羅(僕の名前は赤馬零羅。どこにでもいる普通の女子高生だ)

零羅(もし、普通と違うところがあるとすればーーーーーー)



ズァーク『おい、メシはまだか』



零羅『………ちょっと、おボケな幽霊に取り憑かれてるってとこかな?』






SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1529817582
2 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/06/24(日) 14:27:10.57 ID:smndEJtZO




ズァーク『おい、誰がボケナスでナストラルだって?』

零羅『いや、ボケナスとまでは言ってないからね? というか、ナストラルって何?』

ズァーク『細かいことは気にするな。それよりもメシはまだか』

零羅『ご飯だったら、4時間くらい前に食べたでしょ?』

ズァーク『いや、あれも悪くは無かったが、今日のメシには、パンケーキが無かった! 俺はパンケーキが食いたいのだ!』

零羅『あのね、前にも話したと思うけど、今日からしばらくはダイエット期間中で………』

ズァーク『そんなこと知るか! 俺は、お前を通してでしか、食物を味わえないのだぞ?!』

零羅『別にパンケーキ食べなきゃ死ぬわけじゃないでしょ。そのくらい我慢してよ』

ズァーク『うるさい! 俺はパンケーキ、パンケーキを所望する!』



3 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/06/24(日) 14:29:14.34 ID:smndEJtZO





零羅(彼の名前は『ズァーク』、僕にしか見えない謎の幽霊だ)


零羅(彼は遊矢と同じ顔と声をしていて、物心ついた時には僕に取り憑いていた)


零羅(何で僕に取り憑いているのかは知らない。聞いてもはぐらかされる)


零羅(家族や友達にも何度か聞いてみたけど、同様にはぐらかされてしまった)



4 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/06/24(日) 14:31:36.23 ID:smndEJtZO





零羅(……みんなが答えてくれることは3つだけ)


零羅(一つ、『ズァークをむやみに傷つけるな』、二つ、『ズァークを戦いに駆り立てるな』、三つ、『ズァークのことを自分たち以外に話すな』)


零羅(……その3つだけ。それ以外は何も答えてくれなかった)


零羅(ネットでも彼の存在を調べてみたけど、情報はほとんど無い)

零羅(あっても、謎のドラゴンだの、遊矢のモンスターだの、遊矢の変身した姿だの、意味のわからないものしか無かった)

零羅(ただ、ズァークは基本的に無害だし、兄さまたちもズァークが無害なら取り立てて問題にする気は無いようだ)


零羅(………ほんとう、なんなんだろう? この幽霊は)



5 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/06/24(日) 14:34:00.29 ID:smndEJtZO





ズァーク『………おい! 聞いているのか! さっさとパンケーキをーーー』

零羅『うるさいなあ。僕だって必死に甘い物断ちしているんだから、ズァークも頑張ってよ』

ズァーク『なぜ、お前のダイエットに俺が付き合わねばならんのだ! パンケーk』

零羅『それに、今のズァークは、母親にチョコレートをねだる子供みたいだよ』

ズァーク『!?』

ズァーク『そ、そう見えるか………?』

零羅『うん、正直みっともないから、やめた方が良いよ』

ズァーク『ぬ、ぬううっ、』


零羅(これで、少しはおとなしくなるかな………)スタスタ



6 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/06/24(日) 14:36:22.40 ID:smndEJtZO





…………………………………………………………………………




零羅「……ふう、ようやく遊勝塾に到着だ……少し疲れたかな」

ズァーク『お前がダイエットのためとか行って、バス使わずに歩いているからだぞ』

零羅『それでも間に合ったんだ。だったら、問題ないよ』

ズァーク『……なあ、本当にダイエットなんて、必要なのか?』

零羅『普通に必要だけど?』



7 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/06/24(日) 14:37:56.08 ID:smndEJtZO





ズァーク『……今まで通りの生活でも、健康に大した異常は無かったはずだ』

零羅『うん、そうだね』

ズァーク『だったらーーー』

零羅『身体が重いとアクションデュエルに不利なんだよ。この前のデュエルで、それを思い知った。だから、ダイエットするだけの話さ』

ズァーク『身体が重くなるのは当たり前だ! 高校生というのは肉付きのよくなる時期なのだからな!』

零羅『それでも、アクションデュエルに不利になりたく無いんだよ』

ズァーク『……そもそも、アクションカードに頼らなければーーー』

零羅『それはそうと……』チラッ

ズァーク『……なんだ? 今は話の途中ーーー』

零羅『いや、今更だけど、大きい塾だなあって……』



8 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/06/24(日) 14:39:52.62 ID:smndEJtZO




デデーンッ!



ズァーク『………』

零羅『本当に大きい、ズァークもそう思わない?』

ズァーク『……ああ、まあ、確かにな。16年前とはえらい違いだ』

零羅『ズァークの話によれば、僕が産まれたばかりの頃は、今の百分の一にも満たない規模だったんでしょ?』

零羅『でもこれを見ると、とてもそうには思えないよ』

ズァーク『……それだけ、榊遊矢たちが頑張ったということだ』

零羅『遊矢かーー、しばらく会えてないけど、今度の帰国はいつになるやら』

ズァーク『今のあいつはプロデュエリストで、世界チャンピオンだ。そうホイホイ帰国できん』

零羅『わかってるよ。でも会えたら良いなーってだけの話』



9 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/06/24(日) 14:42:08.94 ID:smndEJtZO





ズァーク『ふん、ここにきて遊矢を求めるか。今日ここに来るあいつが不憫でならんな』

零羅『何言ってるの、叶うことなら彼にも会いたいと思ってるさ』

ズァーク『だったら、会えば良いではないか。今日はーーー』

零羅『前にも話したでしょ。会って話をするのは、プロデュエリストの過密スケジュールを考えれば難しい、って』

零羅『どうにか空き時間を作れたとしても、彼はプロデュエリスト兼遊勝塾の非常勤講師で、僕はそこの一生徒だ』

零羅『職場で堂々と懇意にしてもらうわけにはいかない。生徒を差別しているように見られかねないからね』

ズァーク『………』

零羅『残念だけど、今日彼と会って話をすることはできそうにない。迷惑をかけるわけにはーーー』



ピロリーンッ



零羅(……メール?)ピッ



零羅(あっ……)



10 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/06/24(日) 14:45:35.59 ID:smndEJtZO





…………………………………………………………………………




零羅「……失礼します」ガチャッ



素良「……久しぶりだね」

タツヤ「本当、久しぶり」



零羅「素…紫雲院先生! 山城マネージャー!」ガチャッ


素良「素良で良いよ」スタスタ


零羅「!?」


タツヤ「僕もタツヤで構わないよ」スタスタ



11 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/06/24(日) 14:57:09.04 ID:smndEJtZO





零羅「えっ、でもーーー」

素良「だいじだいじ、ここは防音設備があるし、中に誰かがいる状態で閉めれば自動でロックがかかる」

タツヤ「だから、誰かに聞き耳を立てられることも無ければ、無断で部屋に入られることは無いよ」

零羅「………」

素良「スケジュールと立場の関係上、こうでもしないと、普通に話すことができないからね。ゴメンね、いきなり呼び出しちゃって」

タツヤ「本当はもっと早くメールすべきだったんだろうけど、この空き時間は、さっき偶発的に作られたもので予定には無かったんだ。いきなりで、本当にごめん」

零羅「……謝る必要なんてないよ」

零羅「ありがとう、素良、タツヤ」ニコッ



12 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/06/24(日) 15:01:25.90 ID:smndEJtZO




ズァーク『ふん、気をつかっていたつもりが、逆に気をつかわれていたということか』

零羅『……うん、いろいろ気にしてたこっちが恥ずかしくなってきちゃった』

素良「ははっ、まあ、積もる話はあるけど、まずはおかs」



ブーッブーッ



タツヤ(ん、メール?)ピッ

タツヤ「…………!?」

タツヤ「素良、ちょっと!」

零羅&ズァーク「「?」」

素良「ん、どうかした?」

タツヤ「いや、それが、今回の公演で使うデッキの一つを【マジェスペクター】から【セフィラ】に差し替えてくれって、スポンサーから……!」



13 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/06/24(日) 15:03:24.16 ID:smndEJtZO





素良「……あー、そっか、じゃあ今すぐ柚子たちから【セフィラ】デッキ借りて、イメトレしないと」

タツヤ「だから、ごめん、二人とも! 結局、時間なくなっちゃった!」

零羅「あ、いや、それは誰のせいでもーーー」

素良「……スポンサーにも事情があるんだろうし、その意を汲むのもまたプロの仕事さ」


素良(それに、幸いなことに、【セフィラ】での新しい戦い方も考案済みだ)

素良(柚子たちから借りたデッキに、予備のデッキのカードを投入すれば何とかなるはず……いや、してみせる!)



14 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/06/24(日) 15:05:43.33 ID:smndEJtZO





ズァーク『………』

タツヤ「本当にごめん! 行くよ、素良!」

素良「はいはい! そういうわけで、ゴメンね、零羅! また今度話そう!」

零羅「そうだね、また今度ーーー」

素良「とりあえず、お菓子、ここ置いとくね!」スッ

零羅&ズァーク「「!?」」

素良「僕からのお土産だよ! それじゃ!」



ガチャッバタンッ



15 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/06/24(日) 15:07:48.62 ID:smndEJtZO





零羅(お、お菓子……!)ゴクッ

ズァーク『………』

零羅『ど、どうしよ、これ……』

ズァーク『……今すぐ食べよう、零羅』

零羅『な、なに言ってるの!?』

ズァーク『紫雲院素良の持ってきたお菓子に今までハズレは無かっただろう? 美味いに決まってる』

零羅『だ、ダメだよ! ダイエット中にそんなことしたら、太っちゃう、《リ・バウンド》しちゃうよ!』

ズァーク『良いではないか。そもそも甘い物断ちなんてしたら、ストレスがかかるだろうが。それで思考に悪影響を与えるかもしれない』



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