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【艦これ】提督「墓場島鎮守府?」如月「その2よ!」

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950 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:13:52.03 ID:fEUe6tqmo

利根「おぬし……意外と人のことは見ておるんじゃな」

比叡「? どういう意味ですか!?」クビカシゲ

利根「まあともかく、たまには込み入った話も良いではないか。吾輩にも気分というものがある」

利根「そもそも、金剛の言う通りコミュニケーションは大事である。それはおぬしたちに限った話ではない」

利根「鎮守府全体の円滑な人間関係を築くためにも、新しく入ってきた者たちに機会を与えるのも必要ではないか?」

大和「そ、それはそうですが……」

利根「というわけで、最上や三隈も提督の前に座らせたほうが良いと思ってな」

三隈「そう仰いますから呼ばれてきたんですけど……」

最上「確かに僕は提督とお話しするの、初めてなんだけどね?」チラッ

如月「あの状況だと、ちょっと……ねぇ?」チラッ

利根「ぬ?」


金剛「Hey, テートクゥ、アーンしてくだサーイ!」ミギカラグイグイ

榛名「提督! 榛名が食べさせてあげますね! あーん!」ヒダリカラグイグイ

提督「……」


利根「……提督の顔が能面のようじゃの」
951 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:14:36.97 ID:fEUe6tqmo

如月「あんまり押しが強すぎると司令官には苦痛にしかならないから、ほどほどにして欲しいんですけど」フゥ

大和(大和も同じことをして叱られそう……危ないところでした)

三隈「こちらの提督は、女性が苦手なんですか?」

大和「苦手というより、色欲がないと言いますか……恋愛事を拒絶していると言ったほうが正しいですね」

最上「女性にくっつかれて仏頂面する男の人なんて初めて見たよ。みんなでれでれになると思ってたんだけど」

三隈「部提督はとくに好色家でしたから」ハァ

如月「それより、そろそろ止めたほうがいいかも。あまり調子に乗ってべたべたすると……」

 ガシッ ガシッ

大和「……あっ」

提督「……」タブルアイアンクロー

金剛「Nooooooooooooo !!!」メキメキメキ

榛名「あひぃぃぃぃぃ!!」メキメキメキ

比叡「ひえええ! し、司令! お姉様たちから手を放してくださいー!」

霧島「」シロメ

如月「やっぱり……」
952 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:15:21.18 ID:fEUe6tqmo

三隈「……私たち、近づいて大丈夫なんですか?」

利根「金剛たちが引っ付きすぎておるだけじゃ。いきなり取って食うような真似はせん、心配せんで良い」

最上「……なんだか他人の気がしないなあ」ウーン

三隈「最上さん……」


 * 席替えしました *


提督「悪いな、見苦しいもん見せた」

霧島「い、いえ……金剛お姉様たちは、いつもこのような調子なんですか?」

提督「普段はもうちょっと大人しいんだがな。お前が来てはしゃいだのかもな」

霧島「も、申し訳ありません」

提督「お前が謝るなよ。破目を外した姉が悪い」

摩耶「そーだよ霧島さん、霧島さんがこんな奴にぺこぺこする必要なんかないって」

霧島「摩耶!? こんな奴って……!」

提督「気にすんな。俺は気にしねえ、っつかいちいち相手にしねーよ」ンベー

摩耶「……!」ムカッ
953 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:16:06.16 ID:fEUe6tqmo

三隈「売り言葉に買い言葉ですわ……」ボソ

最上「いちいち相手にしてるよねー」

三隈「最上さん声が大きいですよ!?」ギョッ

提督「まあ、それはさておいてだ。ある程度のことは不知火を通して三日月から話を聞いたが……」

霧島「!」

提督「戦況報告書と三日月の言い分の両方を見る限り、お前らはできることをやった、って評価するほかねえな」

提督「お前らの艦隊があれ以上の戦果を挙げるのは難しそうだ。お前らが気に病んでもしょうがねえ」

霧島「で、ですが……」

提督「……ですが?」イラッ

最上「うわあ、露骨に嫌な顔してる」

三隈「最上さん!? 思いっきり口に出てますよ!?」

提督「別に嫌な顔してもいいだろが。もういい加減『自分が悪いんです』とか『でも……』って言うのやめろっつーんだよ、ったくよー……」

霧島「……」シュン

最上「ふぅん……なるほどー」

提督「……?」
954 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:16:51.39 ID:fEUe6tqmo

最上「ねえ三隈、この提督はそんなに悪い人じゃないみたいだよ?」

摩耶「!?」

霧島「!?」

三隈「んななな、何を言い出すんですの、もがみんは!?」ヒィィ!

三隈「も、申し訳ございません提督! 最上さんが失礼なことを……!」ペコペコ

提督「別に気にしねえから、そんなにペコペコすんな。俺もそんなに偉くねえよ」

三隈「……ご、ご容赦いただけるんですか?」

提督「容赦って、大袈裟だな」

 ツカツカツカ

山城「ちょっと」ペチーン

提督「あてっ」

大和「や、山城さん!? 提督になにをなさるんですか!」

山城「提督があまりに寝惚けたことを言うから、思わず手が出ただけよ」ハァ

大和「だからと言って提督の頭をはたくとか……!」
955 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:17:36.36 ID:fEUe6tqmo

山城「仮にも、いち鎮守府を預かる身分の人間が、自分で自分を偉くないとか言わないでくださいます?」

山城「偉くもない人の部下になってる私たちが悲しくなりますから」プイ

大和「山城さん!?」

山城「この程度のことで怒る人でもないでしょ。情けないんだか寛大なんだかわからないですけど」

大和「山城さんっ!?」ガタッ

提督「大和落ち着け、山城の偉い偉くないの言い分ももっともだ。それから扶桑もいちいち頭下げに出てこなくていいぞ、座ってろ」チラッ

扶桑「あら、お気付きでしたか」

提督「偉くはないと言ったが、これでもいち鎮守府の責任者だ。この鎮守府のために俺の力を利用しないつもりはない」

提督「やりたいことがあるんなら好きにやらせるから、言いに来い。俺ができる範囲で動いてやる」

若葉「では、提督。あなたに質問がある」スッ

提督「なんだ?」

若葉「駆逐艦、若葉だ。この鎮守府での禁止事項を教えて欲しい」

提督「禁止事項ねえ……仲間割れすんな、ってことくらいか?」

提督「あとは工廠で火遊びすんなとか、飯ん時に騒ぐなとか、ごくごく常識的なルールくらいしかねえぞ」
956 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:18:21.32 ID:fEUe6tqmo

川内「ねえねえ、夜戦は!? 夜戦はしていいの!?」バッ

提督「やせん?」

川内「そう、夜戦だよ、夜戦! 夜の戦い! やーせーん!」

提督「そんなことか、好きにしろ」

川内「ほんと!? やったああああ! 待ちに待った夜戦だあ! 夜戦ができるよーーーー!!」ウワーイ!

神通「ね、姉さん、食堂で騒いでは駄目ですよ」

那珂「川内ちゃんは相変わらずだねー」アハハ

山城「まったくもう、少しは静かにできないのかしら、あの夜戦馬鹿」ハァ

若葉「いや、無理もないんだ。前の鎮守府の止提督は、夜戦を禁じていたからな」

山城「はぁ?」

若葉「止提督は、とにかく慎重で無理を嫌う人だった……臆病と言っても差し支えない」

若葉「夜戦はしない、中破艦が一隻でも出たら撤退、弱い敵艦隊しか出てこない海域ばかりひたすら巡回……」

若葉「強くなりたかった若葉には、あまりに苦痛だった」フゥ

提督「だから命令違反した、って話か」
957 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:19:06.21 ID:fEUe6tqmo

若葉「その通りだ。ある日、敵の輸送艦隊を見つけて邀撃しようとした」

若葉「昼のうちに敵艦を残り一隻、輸送ワ級を残すのみとしたんだが、止提督からはその追撃を制止された」

若葉「敵の輸送艦をそのまま見過ごすことが彼の正義だというのなら、若葉は賛同しかねる」

若葉「旗艦だった若葉は川内さんと一緒に夜戦に突入し、ワ級を沈めて敵艦隊を撃破した報告を止提督にして……」

若葉「そして若葉と川内さんは、激高した止提督に、この鎮守府へ飛ばされた、というわけだ」

山城「ろくでもないわね……」

摩耶「そいつ、馬鹿じゃねえの?」

霧島「ま、摩耶!?」

提督「俺も馬鹿だと思うがな」

若葉「!」

提督「若葉はそん時、夜戦で確実に仕留められるって自信か確信があったんだろ?」

若葉「周囲の敵影なし、練度の高い敵でもない。若葉たちは無傷で、敵の偵察機もなかった。悪い条件はなかったと認識している」

提督「ふぅん……俺は現場のことはわかんねーから、お前らの感覚を信じるしかねえが」

提督「安全か危険かはさておいても、敵輸送艦を見逃すのは、確かに海軍としちゃあよろしくねえよな。悪い判断じゃねえ」
958 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:19:51.48 ID:fEUe6tqmo

若葉「? 提督は違うと思っているのか?」

提督「俺個人としてなら、どうでもいいかねえ」

摩耶「おい!?」

若葉「提督は、深海棲艦の邀撃を第一に考えていないのか?」

提督「それは第一じゃねえな。俺は、うちの艦娘がやりたいことを第一に考えてる」

提督「だから、もし若葉がすべての深海棲艦を倒したいんなら、それはそれでいい。ただ、うちと親交のあるル級を巻き込まない方法を考えるさ」

ル級「アラ、私ノ話?」ヒョコッ

若葉「!」ジリッ

提督「おう。でだ、俺はル級個人とは仲良くする気でいるが、ル級以外の深海の連中とは関わりがねえ」

提督「だから、ル級がこいつは巻き込むな、ってやつがいない限りは好きにしろ、って感じだな」

若葉「あくまで個人的な付き合いだと?」

提督「そうだな」

若葉「ル級……さん、も、そうなのか?」

ル級「エエ。私モ、人間相手ナラ、彼以外ト接触スル気ハナイワ」
959 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:20:36.39 ID:fEUe6tqmo

摩耶「なあ、この話、本営には話してないのか?」

提督「話してねえし、これからも話す気はねえ。話したってろくでもねえことになることは目に見えてる」

若葉「ろくでもない……?」

霧島「そうでしょうか……むしろ、彼女を通して深海の大物と交渉し、友好関係を結ぶようにしたほうが……」

提督「そこまでやってらんねえよ、面倒臭え」

摩耶「はああ!?」

霧島「めん……っ!?」

三隈「あの……ちょっと本音がひどすぎませんか?」

最上「うん、びっくり……」

若葉「……言うに事欠いて、面倒とは」クラッ

提督「面倒だろうがよ。ル級は、深海棲艦を代表してここに来てるわけじゃねえんだぞ?」

提督「俺は、ル級とはお互いに迷惑をかけない範囲で付き合う、って話をしたんだ。それ以上のこと頼む気はねえ」

霧島「し、しかし、休戦協定などが結べれば、そこから……」

提督「知らねえよ。そもそも俺は人間の平和のために働く気はねえぞ」

摩耶「おい!? そりゃ聞き捨てならねーぞ!? 人のために働かねえって……!」ガタッ
960 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:21:21.64 ID:fEUe6tqmo

提督「その人間どもの私利私欲と我儘に突き合わされて、この島に異動させられたのはどこの誰だ?」

摩耶「ぐ……!」

霧島「……」ウツムキ

若葉「なるほど。さては提督も人間に嫌われてこの島に流された口か」

提督「そういうこった。ちょっと仲良くなったル級に、いきなり人間のために働け、なんて言いたかねえな」

ル級「提督ガコウイウ立場ダカラ、私モ気楽デイラレルノヨネ」フフッ

最上「それじゃあ、提督はなんのために戦ってるのさ?」

提督「俺は、お前らも含めて艦娘が人間の手を借りずに生活できるようになればいいと思ってる。それが俺の望みだ」

全員「「……!」」

提督「お前らこそ望みはなんだよ? なんで戦ってる」

全員「「……」」

若葉「若葉は、若葉自身の復讐のためだ」

提督「!」
961 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:22:07.10 ID:fEUe6tqmo

若葉「若葉は止提督のところへ来る前に、また別の提督のところに所属していた」

若葉「そこで若葉は、ある深海棲艦に打ちのめされた」

若葉「若葉はかつての提督に、何度もその深海棲艦への攻撃を進言した。しかしその進言は認められず、止提督の鎮守府へと異動になった」

提督「なるほど、お前はそいつを倒したいってわけか」

若葉「そのために、若葉は強くなりたかった。川内さんも強くなりたいと言っていたが、止提督のもとでは望むべくもなく……」ガクッ

若葉「だから聞きたい。提督。あなたは、若葉が強くなりたいという希望を、叶えてくれるのか?」

提督「……叶えてやりたいところだが、資材不足がネックだな」

若葉「それなら、若葉が遠征でもなんでもやろう。自己研鑽のためにも、いくらでもこき使ってくれて構わない」

提督「そうか。それならまあ、適当に頑張りな」

若葉「……」コク

提督「ほかの連中はどうなんだ?」

三隈「あの、提督? 三隈は、最上さんに変な真似さえしなければ構わないのですが……」

提督「ああ、セクハラか。俺もそういうのは嫌いだから安心しろ」

三隈「ええ、先程の金剛さんたちのやりとりを見てても、女性に囲まれることが全然嬉しくなさそうでしたものね」

三隈「良くも悪くも、安心しました」
962 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:23:06.30 ID:fEUe6tqmo

最上「……えーっと、僕からは特にないかな。みんなの役に立てれば嬉しいよ」ニコ

提督「……」

最上「どうしたの?」

提督「なあ三隈、最上は前の鎮守府でセクハラ受けてたんだよな?」

三隈「え、ええ……」

提督「そういうやつって、もっと男に対して露骨に拒否してくるかと思ったんだが……」

最上「僕、スキンシップそのものは嫌いじゃないんだ。ただ、部提督は調子に乗りすぎててさ……がっつきすぎ、っていうか」

提督「嫌じゃなかったのか?」

最上「嫌だったけど、部提督にそこまで悪い感情はなかったんだ。むしろ僕が我慢したせいで気を持たせちゃったのが悪いんだって思ってるよ」

最上「僕がなあなあにしないでしっかり拒絶して、ちゃんと部提督に怒らなかったから、三隈にあんなことをさせちゃったんだ……」シュン

三隈「み、三隈は迷惑だなんて思ってません!」

最上「でも、結果的に三隈が怒って部提督に砲撃して、怪我をさせたわけだからね。僕が悪いっていうのは間違ってないと思うよ?」

最上「どっちにしても、僕は部提督から離れたほうが良かったとは思ってるし……」

最上「さっきも言ったけど、提督は悪い人じゃなさそうだし。僕はこの鎮守府に来て、良かったと思ってる」

三隈「もがみん……!」ウルッ
963 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:23:51.36 ID:fEUe6tqmo

最上「提督、改めて、僕と三隈をよろしくね!」ニコ

提督「ああ、よろし……」

三隈「もがみーーーん!!」ダキツキー!

最上「うわああ!?」ドガラシャーン

提督「……」

三隈「もう大丈夫ですわ! 最上さんに触っていいのは私だけになりましたから!」ギュウ スリスリスリ

若葉「三隈さん、三隈さん」チョイチョイ

三隈「は、はい?」

若葉「三隈さんが押し倒したせいで最上さんが気絶してるぞ」

最上「」キュウ…

三隈「くまりんこーーーーー!?」

提督「何やってんだ……」アタマカカエ

摩耶「えーっと、なんか話がぐだぐだでわかんねーけどさ、とにかくあたしたちも好きにしていいんだな?」

提督「ん? ああ、つってもできる範囲でだけどな。出撃したいんなら、書類揃えて俺に寄越せ。ハンコは押してやる」
964 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:24:36.37 ID:fEUe6tqmo

提督「ただし。言い忘れてたが、死にたい奴は見捨てるからな。手前で生きる意志のないやつは、俺の知ったこっちゃねえ」

提督「誰かを巻き込んで特攻すんのもなしだ。死にたきゃ一人で勝手に死んでくれ」

摩耶「いやまあ、そうかもしんねえけど、もうちょっと言い方ってもんがねえのかよ……」

提督「あん? お前だって似たようなもんだろうが」

摩耶「ああ!? お前なんかと一緒にすんじゃねえよ、くそが!」

 ゴォッ

摩耶「!?」ゾクッ

大和「摩耶さん……先程から聞いていれば、提督に対してその言葉遣い、どういうおつもりですか?」ゴゴゴゴゴゴ

摩耶「ちょっ……大和、さん……!?」タジッ

提督「おい、やま……」

 ズォッ

霧島「うちの摩耶が、なにか……?」ゴゴゴゴゴゴ

比叡「ヒエッ!?」
965 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:25:21.45 ID:fEUe6tqmo

大和「いいえ? 少々、躾がなっていない艦娘が見受けられたようですので」ズゴゴゴゴゴ

霧島「おや、摩耶は優秀な艦娘です。なにか勘違いをなさっておいででは?」ズゴゴゴゴゴ

敷波「ちょっ、なになに!? なにが始まんのさ!」ブルブル

初雪「に、逃げなきゃ……」ガタガタ

大和「……」ドドドド

霧島「……」ドドドド

陸奥「これ、止めに行かないと……」

長門「大丈夫だ、提督に任せておけ」

提督「はぁ……まあ、俺の出番だろうな。おい大和」ズイッ

大和「ふえっ!? て、提督!」

提督「仲間割れはすんなって、説明したばっかなんだがなあ?」ジロリ

大和「は……も、申し訳ありません!!」ペコッ

提督「この程度のことで殺気撒き散らしてんじゃねえぞ、ったく……! ちょっと大人しくしてろ」

大和「は、はいっ! 本当に、申し訳ありませんでした!」ペコペコ

霧島「……」
966 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:26:06.09 ID:fEUe6tqmo

提督「悪いな霧島、うちの大和はなんでか知らねえが俺のこととなるとムキになるんだ」

陸奥「なんでか……って、ちょっと、わかってないの?」ヒキッ

長門「まあ、あえて知らないふりをしてるのか知らないが、そういう男なんだ、提督は」

陸奥「……私が言うのもなんだけど、それはそれで大和が気の毒ね」

提督「摩耶もビビらせて悪かったな」

摩耶「び、ビビッてなんかねえし!」

霧島「私こそ出過ぎた真似を……」

提督「出過ぎてねえよ。仲間思いでいいことじゃねえか」

霧島「……」

摩耶「と、とにかく、霧島さんは悪くねえよ!」

提督「ああ、そうだな。そもそも、霧島の、何が悪くてここに寄越されたのかがわからねえ」

霧島「……?」
967 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:26:51.23 ID:fEUe6tqmo

提督「あの海域での戦闘履歴も不知火に調べてもらった」

提督「赤城が空母棲姫にとどめを刺した、艦載機の一斉爆撃の直前に、霧島の一撃が空母棲姫の艤装を直撃してる」

提督「爆撃直前に空母棲姫が大きくぐらついて、防御できなかったそうじゃねえか。こいつは霧島の手柄だろう?」

摩耶「それ、マジか!?」

提督「映像を不知火と一緒に見てた中将が分析したそうだ」

霧島「……」

提督「まあ、そうであってもなくても、お前らに空母棲姫を撃つなと命じたC提督が無能なだけで……」

提督「お前があの時命令を無視しなきゃ、もっと空母棲姫に艦娘を沈められてたかもしれねえよな?」

提督「霧島が頭を下げる必要はねえよ。背中まるめてねえで、胸を張れ。お前は間違っちゃいねえんだ」

霧島「本当……ですか……?」

摩耶「そうだぜ、霧島さん!」

提督「お前、さっきからずっとそんな調子だな。どうしてそんなに自信なさげなんだ?」

霧島「……私は……」

霧島「私はこれまで、C提督に認めてもらったことがありませんでした。いつも、作戦の邪魔をするなと……」

提督「邪魔?」
968 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:27:36.28 ID:fEUe6tqmo

摩耶「霧島さんのすごいところは、相手のバイタルパートを正確に射貫く砲撃の正確さなんだ」

摩耶「C提督はいっつもラッキーヒットって言ってたけど、あたしはそれを何度も見てるから、あれは絶対狙ってやってるってわかるんだよ」

摩耶「それで、霧島さんはいつも主要な敵艦への援護攻撃をC提督から指示されるんだけど、だいたい霧島さんの攻撃で敵艦が沈んじまうんだよな」

提督「そりゃすごいことじゃねえか」

摩耶「それが、予定とは違うとか言って、C提督は霧島さんにいっつも八つ当たりしてたんだよ!」

提督「は? 本っ当にバカじゃねえか、そいつ」

摩耶「だよなあ!」

霧島「……」

提督「損害なく速攻で片付けられるんならいいじゃねえか、別に誰が沈めようが関係ねえ。なんで褒めてやんねーんだ?」

摩耶「だよなあ!! 本っ当、そう思うぜ!」

霧島「……!」ウル

摩耶「霧島さんがあたしと一緒にこの島に送られたのも、あたしの不始末の監督責任だって、言いがかりつけてだぜ!?」

提督「それなら、霧島も一緒にC提督殴っときゃ良かったんじゃねえか?」

摩耶「いや、さすがにそれはまずくねえか!?」

提督「変なとこ控え目だな?」
969 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:29:08.90 ID:fEUe6tqmo

摩耶「あたしだけならいいって思ってたからさ。霧島さんまで殴ってたらさすがに解体されてたかもしんねーし……加減だってしたんだぜ?」

提督「……まあ、しゃあねえな」

摩耶「あたし的には、霧島さんまでこの島に送られるのも心外だったんだけどさ。まあ、あいつから離れられるなら、悪くねーかな……」

提督「ああ、それ自体は悪くねえな。駆逐艦連中も余所の鎮守府に送られるって聞いてる。少しは精神的にマシじゃねえかな」

摩耶「そっか……三日月たちの行く先の鎮守府もまともだといいんだけどな」

提督「……そうだな」

摩耶「ところでさ、おまえ、さっきあたしたちに好きにしろって言ってたよな?」

大和(おまえ!?)ピクッ

如月(ああ、大和さんも反応してるわ……)キキミミ

提督「ああ」

摩耶「じゃあさ、もしあたしたちが出撃するとき、霧島さんに一度艦隊の指揮をとらせてくれねーか?」

提督「旗艦にしろってか?」

摩耶「そうそう。あたしは霧島さんが指揮取ったらいい感じになると思ってんだけど……駄目か?」

提督「いや、全然構わねえぞ。試しに何回かやってみて、問題ねえなら任せていいだろ。後で長門に相談してみな」

摩耶「いいのか!? ……霧島さん!」
970 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:29:50.68 ID:fEUe6tqmo

霧島「ま……任せて、いただけるのですか」

提督「いいんじゃねえの。やってみな」

霧島「……は、はいっ! 艦隊の頭脳と呼ばれるよう、頑張ります!」ビシッ

提督「あんまり気張るな。適当でいいぞ」

霧島「はいっ!!」ゴォッ

大和(気合入りまくりなんですけど……)

霧島「霧島! 気合! 入れて! 行きます!!」ゴオオオ!

比叡「それ私の台詞ー!?」

提督「ただ、戦艦が増えると資材の減りも早くなっちまうんだよなあ……」

若葉「それは大丈夫だ。若葉に任せろ」キラリ

提督(あんまりやる気出さなくていいんだがな……)



金剛(それより早くほどいて欲しいデース)モガモガ ←懲罰中

榛名(榛名は提督になら縛られてても大丈夫です!)ウットリ ←懲罰中

雲龍「ねえ……なんだか嬉しそうにしてない?」ユビサシ

龍驤「しっ! 見たらあかんで!」ユビオサエ
971 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/08(日) 22:30:36.33 ID:fEUe6tqmo

 * *

摩耶「それにしてもよぉ……なんでこの鎮守府に出入りするようになったんだ?」

ル級「ソウネエ……毎日毎日、潜水艦ニ小突カレルダケデ反撃デキナイ戦闘ヲ一日数十回、三カ月クライ続ケレバ理解デキルカモネ?」ニタリ

金剛「Oh... もしかして、オリョールにいたんデスカ……」

摩耶「そりゃ最悪だな……」ウヘェ

霧島「想像したくありませんね」アオザメ

榛名「?」←わかってない
972 : ◆EyREdFoqVQ [saga]:2020/03/08(日) 22:31:36.53 ID:fEUe6tqmo
今回はここまで。

次回か次々回でスレも埋まりそうなので、スレ立てはそのときに行います。
973 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/09(月) 01:26:08.06 ID:QwwuMQWdo
続きキター
乙でした
974 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/09(月) 20:56:57.54 ID:+V2fzapEO
某動画投稿サイトから探してきました!
続きお待ちしてます!
975 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2020/03/12(木) 00:50:53.79 ID:Wdzf2wR1o

予定より残りレスが少なくなりそうなので、次スレを用意しました。

【艦これ】提督「墓場島鎮守府?」不知火「その3です」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1583941702/

このスレはhtml化の申請をしてきますので、移動をお願いいたします。

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