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【艦これ】提督「墓場島鎮守府?」如月「その2よ!」
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118 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/09(木) 22:06:07.65 ID:RShIxy3No
五月雨「私、やっぱり、みんなの敵を取りたいです」
五月雨「でも、今のままじゃ、駄目だって、気付きました……」
五月雨「みんな、それぞれに大切な人がいたり、大事なものがあったりするから……それを、無視しちゃ駄目だって」
提督「……」
五月雨「私、もっと強くなります」
五月雨「みんなと一緒に強くなって、協力してもらえるよう、頑張ります……!」
提督「……そうか。いいんじゃねえの」
提督「お前が時間に迫られてない限りは、焦ったっていいことなんかねえからな。ま、ゆっくりやりな」
五月雨「はいっ!」
提督「ああ、それとだ。金剛、お前にも礼を言っとくぜ。気を遣わせて悪かったな」
金剛「Oh, it's so easy operation デース!」stund up!
比叡「さすが金剛お姉様!」
金剛「私も頑張りマーシタ! と、いうわけでぇ……テートク、ご褒美が欲しいデース!」ジリジリッ
提督「」
暁「」
五月雨「?」クビカシゲ
比叡「ちょっ、金剛お姉様ー!?」ガビーン
119 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/09(木) 22:07:08.04 ID:RShIxy3No
扉<ガチャバーン!
大和「提督の御身に危険が!」
如月「司令官、大丈夫!?」
暁「なんでこのタイミングで現れるの!?」
比叡「どこに潜んでたんですか!?」
金剛「Shit ! 邪魔が入る前に、テートクの heart を掴むのは、この私デース!」バッ!
大和「抜け駆けするなんて!」ダッ
如月「許さないんだから!」ダッ
金剛「Burrrrrrrrrning !! Looooooooo」ガシッ
暁「あ」
提督「落 ち 着 け」アイアンクロー
金剛「Yaaaaaaaaaaaaa !?」メキメキメキメキ
大和「今だわ! 提督、今こそこの大和の愛」ガシッ
提督「お 前 も だ」ヒダリテアイアンクロー
大和「ひぎいいいいいいいい!?」メキメキメキメキ
120 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/09(木) 22:08:00.80 ID:RShIxy3No
如月「はっ! 両手の塞がってる今がチャンスだわ! しれいかーー」ガシッ
金剛「Oh, 助かりマシタ」ミギテハナシテ
提督「いい加減にしろ」ミギテアイアンクロー
如月「いやああああああああ!?」メキメキメキメキ
金剛「Okey ! やっぱり私の」ガシ
大和「あ、外れたわ……提督、やっぱり私が」ガシッ
如月「あっ、やっぱり私を」ガシ
提督「お前らしつけえぞくそがああ!!」ガシ パッ ガシ パッ
暁「なにやってるのよ……」アタマカカエ
比叡「……金剛お姉様……」アタマカカエ
五月雨「……あ、あの、何が起こってるんですか?」アセアセ
バヂン! バヂン! バヂン!
提督「落ち着けって言ってんだろが……!」ピキピキピキ
大和(仰向け倒れ)「はい……」シュウウウ…
如月(仰向け倒れ)「ごめんなさい……」シュウウウ…
金剛(仰向け倒れ)「こんなに痛いデコピンは初めてデース……」シュウウウ…
121 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/09(木) 22:08:54.22 ID:RShIxy3No
暁「……大和さんはもっとレディだと思ってたのに」ズーン
比叡「金剛お姉様……」ズーン
五月雨「な、なんですか!? 何が起こったんですか!?」オロオロワタワタ
不知火「みなさん司令が好きすぎて、襲い掛かったら返り討ちに合っただけです」ヌイッ
五月雨「!?」ギョッ
暁「不知火も出てくるタイミングが良すぎよ……」
不知火「いえ、単純にこの二人を追いかけただけですので」ペタペタ
五月雨「な、何をしてるんですか?」
不知火「デコピンされた3人の額に、冷やした熱冷ましシートを貼り付けているんです」ペタペタ
暁「それこそ準備良すぎよ!?」
比叡「あ、金剛お姉様には私が貼ります! 一枚ください!」
不知火「どうぞ」スッ
比叡「あれ? 何か書いてある。『煩悩退散』?」ペタペタ
金剛「Noo ! これはボンノーなんかじゃないデース!!」
不知火「ではこちらにしますか」っ『自主規制』
金剛「なんでそんな四字熟語を用意してるデース!?」
122 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/09(木) 22:11:14.34 ID:RShIxy3No
如月「ねえ不知火ちゃん? 恋愛成就はないのかしら?」←『安全第一』と書いてある
不知火「いえ、それは用意しておりませんでした」
大和「そうですか……残念です」←『商売繁盛』と書いてある
暁(……書いてある四字熟語のチョイスが微妙だわ)
比叡「ちなみにこれ、すっごい達筆でダイナミックなんだけど誰が書いたの? 長門さん?」
不知火「潮です」
比叡「マジで!?」
提督「潮か……不知火、無病息災か堅忍不抜あたり、ねえか?」
不知火「はい、どちらもあります。こちらに」
暁(あるんだ……)
提督「おう、ありがとな。五月雨、お前はこいつ貼っとけ」
五月雨「え……? わ、私ですか?」
提督「そうだ。今日のところは、お前は飯食ってこれ貼って寝ろ」
提督「自覚がねえと思うが、お前、相当疲れてんぞ。さっきだっていきなり眠っちまったこと、ちゃんと覚えてるか?」
五月雨「……い、いえ」
123 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/09(木) 22:12:38.70 ID:RShIxy3No
提督「恨んだり怒ったり、憎んだりし続けるってのは、意外と体力も精神力も使うもんだ」
提督「おまけにハイになるから、自分自身が疲弊してるのに気付けねえ。相談相手も失ったお前なら尚更だ」
提督「やりたいことは決まったんだから、いっぺん背負ったものを降ろせ。今だけ忘れろ。何も考えんな」
提督「本気を出すのは明日からにしておけ」
五月雨「准尉さん……」ウルッ
暁「……」
提督「? どうした暁」
暁「……その調子なら、司令官も心配ないみたいね」クスッ
提督「おかげさまでな」
五月雨「……私、そこまでおかしかったんでしょうか」
提督「ま、冷静じゃあなかったな。疲弊してたんだろうが、金剛に抱きしめられてすぐ寝ちまったのは俺も驚いた」
五月雨「あの、おぼろげながら思い出してきたんですけど」
提督「?」
五月雨「私、金剛さんにぎゅってされたとき、多分安心しちゃったんです」
124 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/09(木) 22:13:30.90 ID:RShIxy3No
五月雨「その、抱きしめられたのに、ふわーっとした感じで、とっても優しくて、とろーんってしちゃったんです」
五月雨「なんて言ったらわかりませんけど、こういう感じって、お母さんみたい、って言うんでしょうか……」
暁「お母さんかあ……」
提督「言われてみれば、俺に愛を教えるだの、世話焼きなところがあるな。お節介なかあちゃんってとこか」
金剛「Noooooooooooo !!」
五月雨「うひゃあ!?」
暁「きゃ!?」
提督「うお、びっくりした。どうした金剛」
金剛「私、かあちゃんじゃありまセン! そんな年齢じゃないデース!」プンスカ!
暁「そこなの!?」ガビーン
金剛「五月雨は駆逐艦デスから甘やかしマスけど、提督には甘えたいデース!」
提督「……いや、お前比叡の姉だろ?」
金剛「だったら今日から比叡の妹になりマース!!」
比叡「金剛お姉様!?」
125 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/09(木) 22:15:15.00 ID:RShIxy3No
金剛「Noooo !! 比叡、今日から私のことは金剛ちゃんと呼ぶデース!!」
比叡「ええええ!? ……ど、どうしよう、かなっ」ニラニラ
暁「比叡さん、満更でもないような顔してる!?」
比叡「し、しょうがないなあ! 甘えてくれてもいいんですよ?」
暁「比叡さんキャラが変わってるわ!?」
金剛「比叡も納得したことだし、これでテートクに甘えられマース!」ダキツキー
提督「うぼあ!?」ドボォ
如月「ちょっと金剛さん!?」ムクッ
大和「なにしてるんですか!」ムクッ
比叡「こっちに甘えてくれるんじゃなかったんですか金剛お姉様ー!?」
金剛「No ! 私は妹様デース!」
暁「妹様ってなに!?」
五月雨「っていうか、さっきちゃん付けで呼んでいいって言ってたんじゃ……」
金剛「Yes ! テートクに是非とも呼んで貰いたいデース!」
比叡「」シロメ
暁「ひ、比叡さんがたったまま失神してるわ!?」
不知火「これをどうぞ」っ「『絶対安静』と書かれた熱冷ましシート」
暁「……もうちょっとほかの四字熟語がなかったのかしら」ガックリ
126 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/09(木) 22:16:59.03 ID:RShIxy3No
如月「っていうか、どうしてそこまで司令官にくっつこうとするの!?」
金剛「素敵な殿方なら当然の反応デス! そうは思いまセンカ!?」
如月「そんなの否定する方がおかしいわ!?」
大和「事実ですけど、いくらなんでもがっつきすぎです!」
提督(お前が言うな)
金剛「そうは言いマスガ、私だって我慢の限界デス! 私だって Burning Love したいデース!!」
金剛「前の鎮守府でもQ中将にイチャイチャしたかったのに、既婚者だったから遠慮してたんデスヨー!?」
暁(……貞操観念が高いのか低いのかわかんないわ)タラリ
金剛「でもここのテートクは、反応を見る限りそんなことはありまセン! Is'nt it !?」
不知火「まあ、その通りと言えばその通りですが」
金剛「デスヨネ!?」
如月「ちょっと不知火ちゃん!?」
金剛「そういうことだからテートク! 私の Burning Love !」ダキツキッ
金剛「受け取ってくだサーイ!」カオチカヅケ
提督「……」ハァ
金剛「ン?」ガシ
提督「悪いが断る」
金剛「テ、テートク!? どうしてデスカ!?」ヒキハガサレ
127 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/09(木) 22:18:26.27 ID:RShIxy3No
提督「お前に返してやれる愛情がねえからな。つうか、愛とか俺はどんなもんか知らねえしピンと来ねえ」
金剛「ですから私がそれを教えてあげマース!」
提督「いらん」
金剛「Why !?」
提督「俺が何かさせられるのは御免だ。そんなことより、俺は艦娘がやりたいことをやらせてる」
提督「ちゃん付けで呼べというくらいなら、やらないこともないが?」
金剛「hmm ... じゃあ、 Hug して欲しいデス」
提督「ハグ?」
金剛「Yes , さっき私が五月雨にやったみたいに、優しく抱きしめて欲しいデス……」ポ
提督「……まあ、そのくらいならいいか」ギュ
金剛「!!」
如月「ああっ……!!」
大和「なんて羨ましい……!!」
比叡「……はっ、私はなにを!?」
暁「あっ! 比叡さん、気がついた!? 大丈夫!?」
(比叡の目の前で提督と金剛が抱き合っているのを目撃)
比叡「」チーーン
暁「比叡さん!? 比叡さんっ!!」
不知火「また気を失いましたか」
五月雨「!?!?」(←状況に追いつけていない)
128 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/09(木) 22:19:44.48 ID:RShIxy3No
金剛「テートク……私は……こういう situation に憧れてマシタ」
金剛「また、こうやって hug して欲しいデス……!」
提督「……ま、週に一回くらいなら付き合ってやっても……」
金剛「Really !? Thank you テートク! I'm so glad !!」カオチカヅケ
大和「そこまでです」ガシッ
如月「私たちも我慢の限界よ?」ガシッ
金剛「Oh ...」
大和「提督? 私たちも同じ条件で同じことをお願いしたいのですが」ニコー
如月「いいわよね? 司令官」ニコー
提督「……しょうがねえな」
如月「やったわ!」ハイタッチ
大和「やりました!」ハイタッチ
金剛「ふ、二人ともそろそろ放して欲しいデース」
大和「そうですね、提督から離れて戴きましょうか」ニコー
如月「そうよね、司令官に抱きついたりキスしたり、好き放題したものね」ニコー
大和「そういうわけですから、私たちとゆっくりお話ししませんか?」グイッ
如月「そうね、それがいいわ」グイッ
金剛「Oh ...」ナミダメ
129 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/09(木) 22:21:19.53 ID:RShIxy3No
提督「んじゃ、金剛のことは任せる。俺は気を失ってる比叡を部屋に連れて行くからよ」ヒエイダキカカエ
金剛「比叡!? お姫様だっこされるなんて羨ましいデース!」
大和「金剛さんはこっちですよー」グイグイ
如月「余所見しちゃだめよ?」グイグイ
金剛「Noooooooooooo !!」ズルズルー
暁「……」ズツウ
提督「なんだろうな、ありゃ。暁、とりあえず比叡の部屋まで付き合ってくれ」
暁「え、ええ、わかったわ……」
不知火「五月雨、私たちも一緒に行きましょう。あなたの部屋に案内します」
五月雨「あ、は、はい!」ハッ
提督「……それにしても。比叡のやつ、重たくなったな」
暁「もう、司令官! レディにそういうこと言うの、失礼よ?」
提督「馬鹿、最初来たときのこと考えろ。あん時の軽さは異常だろ?」
暁「……あのときと比べるのが失礼よ。でりかしーがないわ?」
提督「そうか。ま、ここまで回復できてなによりだ」
五月雨「……」
不知火「どうしました」
五月雨「私、すごいところに来ちゃったんですね」
不知火「はい。慣れるまで時間がかかるかもしれません」
五月雨「……大丈夫です。私、頑張っちゃいますから」
五月雨「P少将や、みんなに、いい報告ができるように……!」
不知火「……はい」コク
130 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/09(木) 22:23:35.54 ID:RShIxy3No
というわけで、五月雨と金剛編はここまで。
>>117
と
>>118
で重複書き込みしてしまったのはご容赦ください。
次回は予告通り番外編です。
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/11(土) 21:19:00.92 ID:gLmtGU0SO
やはり金剛はババア
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/15(水) 04:46:45.56 ID:SJfAwa9Y0
提督は表面上キツイだけでめっちゃ優しい。演習は有るだろうが
出撃は基本無く轟沈の可能性ほぼ無い。俗世のしがらみもほぼ無いと
良い所だけ書くと凄く良い鎮守府なんだよな
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/15(水) 10:44:34.84 ID:DZ93CiQA0
>>132
唯一、中佐というしがらみの塊が余計モノよねぇ…
134 :
◆EyREdFoqVQ
[saga]:2018/08/17(金) 22:55:47.68 ID:PvAq2ipeo
それでは番外編、
舞台はN中佐のいた鎮守府になります。
135 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/17(金) 22:56:52.69 ID:PvAq2ipeo
* N提督鎮守府 卯月たちの部屋 *
卯月「ただいまだっぴょーん!」ドアバーン
望月「んお、おかえりー」ネッコロガリ
弥生「……おかえり。遠征、お疲れ様」
卯月「おお!? みんな読書中だっぴょん?」
望月「卯月がいないと静かでさー。すっげー過ごしやすい。快適すぎ」
卯月「辛辣ぴょん!?」
弥生「……否定、できない。とても落ち着く」
卯月「こっちも辛辣ぴょん!?」
望月「実際卯月がいたら、こんなにごろごろできないしー? ふあぁ……」
卯月「うーちゃん放っておいてどんな本を読んでるぴょん?」
弥生「……これ。封神演義」スッ
卯月「弥生はまた小難しい本を読んでるぴょん……ついていけないぴょん」
卯月「で、望月はまたエロマンガ読んでるぴょん?」チラッ
望月「あ? よく見ろよー」
っ『食べ歩き観光スポット120選』
卯月「!?」ズガーン!
136 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/17(金) 22:58:08.64 ID:PvAq2ipeo
卯月「で、出不精の望月が……食べ歩きだとぉ……っ!?」ヨロッ
望月「……語尾が取れるくらい驚くとか、さすがにムカつくんだけど?」
卯月「望月、熱はない? なにか変なもの拾い食いした? 鳳翔さんのおっぱい揉む?」キリッ
望月「殴んぞ」イラッ
卯月「冗談はさておいて、どういう風の吹き回しぴょん?」
望月「あー、墓場島で食べた料理さ、めっちゃおいしかったじゃん?」
卯月「あー……確かにそうだったぴょん」ジュルリ
望月「鳳翔さんもあっちの比叡さんからいろいろ教えてもらったみたいだし」
望月「次は何を作ってもらおうか選んでたんだー」
卯月「出歩く気ゼロぴょん!?」
弥生「……もっちらしい」
望月「別にいいじゃん? 鳳翔さんの料理は確実においしいんだから、そういう意味でも絶対外れをひかないし」
卯月「はぁ……安心するくらい全然ブレてないぴょん。心配して損したぴょん」
望月「心配してたようには見えなかったんだけど?」
137 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/17(金) 22:58:57.96 ID:PvAq2ipeo
弥生「……それはそうと、卯月が帰ってきたんなら、次は私の番」スクッ
望月「ん? そっか、もうこんな時間かー」ムク
卯月「うん? 二人ともどこに行くぴょん?」
弥生「私は遠征」
望月「あたしは鳳翔さんに頼まれごとがあってさー」
卯月「せっかくうーちゃん帰ってきたのに、一人ぼっちぴょん!?」
望月「しょうがないよ、みんなの負荷を考えて回り番にしてるんだしさ」
弥生「ごめんね、卯月。すぐ戻るから、おとなしくお留守番してて」
望月「あたしもどーせ大したことない用事だと思うからさ。昼寝でもしてなよ」
パタン
卯月「……退屈だっぴょん」
卯月「弥生も、なんでこんな難しい本を読むのかわかんないぴょん……」ペラペラ
卯月「文字ばっかりで眠くなるぴょん……」
卯月「遠征で疲れたし、ちょっとだけ寝るぴょーん」ゴロン
卯月「……」
卯月「スヤァ……」
* * *
* *
*
138 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/17(金) 22:59:41.50 ID:PvAq2ipeo
ドタドタドタ
扉<バンッ!
弥生「卯月!」
卯月「……ぴょん? どうしたぴょん」ムニャムニャ
望月「良かった、無事だったんだ」
卯月「???」
望月「早く逃げるよ!」
卯月「な、なにがあったぴょん!?」
弥生「! 隠れて。静かにして」
憲兵?「おとなしくしろ!」
「は、放して!」
「私たちが何をしたっていうの!?」
憲兵?「連行しろ!」
卯月「……何が起こってるぴょん?」
弥生「わからない。でも、この鎮守府の艦娘を全員どこかに連れて行こうとしてるみたい」
139 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/17(金) 23:00:31.48 ID:PvAq2ipeo
卯月「でも、あれ、本当に憲兵ぴょん? 特警でもないぴょん?」
望月「だよねえ、全員顔隠してるし……どっかの特殊部隊みたい」
憲兵?「これで全員か?」
憲兵?「いや、まだだ! なんとしても探し出せ!」
弥生「こっちに来た!?」
望月「と、とりあえず逃げとかない!?」
卯月「それならこっちぴょん!」
* 鎮守府内のどこか *
卯月「みんなここに隠れるぴょん」
弥生「……ここは」
卯月「うーちゃんしか知らない、秘密の隠し通路ぴょん」
望月「なんでこんなとこ知ってるのさ……」
卯月「いたずらした後の逃亡用っぴょん」
弥生「……」
望月「……いや、いいけどさあ」
140 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/17(金) 23:03:17.42 ID:PvAq2ipeo
卯月「それよりこれからどうするぴょん?」
望月「いやもうマジどうしよーか? 展開がまるっきりパニック映画じゃんか」
卯月「まさかゾンビが出てきたりするぴょん?」
望月「あー、まあこの展開だと有り得そうかなー。いや、ないとは思うけどさあ」
卯月「出たとしても、どうしたらいいぴょん」
弥生「……待ってるしか、ないと思う」
望月「嵐が過ぎ去るまで、かあ」
* *
卯月「……まだ騒がしいぴょん」
望月「いつになったら帰るんだよぉ……いい加減ヒマすぎぃ……」フワァ
弥生「……」ソワソワ
卯月「弥生?」
望月「もしかして……」
弥生「……おトイレ、行きたい」モジモジ
卯月「い、今、外に出たら危ないぴょん!」
弥生「で、でも……」
141 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/17(金) 23:03:56.66 ID:PvAq2ipeo
望月「んなら、あたしも一緒に行く。卯月はここで待ってて」
卯月「だ、大丈夫ぴょん!?」
望月「スネークならよくやってるし」
卯月「ゲームの話ぴょん!」
弥生「……」プルプル
望月「弥生も我慢の限界だし、ちょっと行ってくるわー」タッ
弥生「ごめん」タッ
卯月「気を付けるぴょん!!」
卯月「……」
卯月「……」
卯月「無事に戻ってきてくれるといいぴょん……」
* * *
* *
*
142 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/17(金) 23:04:31.65 ID:PvAq2ipeo
卯月「……」ウツラウツラ
卯月「……はっ!」
卯月「い、今何時だぴょん!?」キョロキョロ
卯月「……」
卯月「結局、弥生も望月も戻ってこなかったぴょん」
卯月「うーちゃんもおとなしく捕まったほうが良かったぴょん……?」オソルオソル
卯月「……」
ギィ
卯月「……」
卯月「……めっちゃ静かだぴょん」
卯月「……」テクテク
卯月(人の気配がしないぴょん)
卯月「……」テクテク
143 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/17(金) 23:06:24.41 ID:PvAq2ipeo
* *
卯月「本当に誰もいないぴょん……」
卯月「執務室にも、食堂にも工廠にも……大淀さんも間宮さんも明石さんも、妖精さんもだーれもいないぴょん」
卯月「おまけに、みんなのお部屋の中も、何もなくなってるぴょん……」
卯月「書庫の本棚も、厨房の冷蔵庫もからっぽ……執務室には段ボールだけ」
卯月「うーちゃんの部屋の家具も、全部なくなってるって、どういうことだぴょん?」
卯月「……ここ、本当に鎮守府……? ここはいったいどこなんだぴょん……!?」
* 夜 *
卯月「……わけわかんないぴょん」
卯月「……あいてる部屋を全部見てみたけど、何もかもなくなってたぴょん」
卯月「うーちゃんは、何をすればいいぴょん?」ソラヲミアゲ
お月様「」
卯月「……うーちゃん、どこに行けばいいぴょん」グスッ
卯月「みんな、どこに……どこ行ったぴょん……!!」ポロポロポロ
144 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/17(金) 23:07:28.19 ID:PvAq2ipeo
* 翌朝 ロビーのソファ *
卯月「……」パチ
卯月「……」キョロキョロ
卯月「やっぱり誰もいないぴょん……夢じゃ、なかったぴょん」ガクッ
卯月「……」
卯月「弥生……」
卯月「望月ー……」
卯月「鳳翔さーーん……妙高さーーーーん!」
卯月「誰か……誰かいないぴょん……!?」
卯月「……誰かぁ……!」グスグス
卯月「うああああああん!」ボロボロボロ
145 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/17(金) 23:08:27.24 ID:PvAq2ipeo
* 鎮守府正面玄関 *
卯月「……」フラフラッ
卯月「そうだぴょん。外に出れば、誰かに会えるぴょん……」
卯月「外に出れば……」
「卯月?」
卯月「ぴょん!?」ビクッ
望月「卯月? なにしてんのさ!?」
弥生「なんか……泣いてるみたいだけど、どうしたの」
卯月「……やよい? もちづき……?」
望月「んあ? ああ、あたしは望月だけど……」
卯月「……ど、ど……どこに行ってたぴょぉおおおん!!」ウワーン
弥生「え!?」
望月「ちょっ、いきなり泣き出すとかなんなのさ!?」
146 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/17(金) 23:09:25.89 ID:PvAq2ipeo
鳳翔「どうしました?」
望月「あっ、鳳翔さん、なんか卯月が……」
卯月「うわああああん、鳳翔さぁぁぁん!!」
卯月「う、うーちゃん、もう、みんなに会えないかと思ったぴょおおおん!!」ビエーーン
鳳翔「もう、大袈裟ですね」ナデナデ
弥生「大丈夫。もう、大丈夫」
卯月「ぐすっ、ううう、良かった……良かったぴょん」エグエグ
望月「はぁ〜、初対面からこれじゃあ、先が思いやられるなあ……」
卯月「……え?」
147 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/17(金) 23:10:18.25 ID:PvAq2ipeo
鳳翔「そうですね。でも、これからはみんな一緒ですから」
弥生「うん。卯月、よろしくね」
卯月「…………」
望月「ん? どした?」
卯月「……いま、なんて」
卯月「なんて、言ったぴょん?」
鳳翔「どうか、しましたか?」
弥生「? さあ……」
卯月「……みんな、誰ぴょん?」ジリッ
弥生「え!?」
望月「だ、誰って、あたしは望月に決まってんじゃん? こっちは鳳翔さんで……」
卯月「……嘘ぴょん」ジリッ
卯月「だったらどうして、みんな、うーちゃんのことを覚えてないぴょん!?」
鳳翔「そ、そんなことを言われましても……」
望月「だからさっきから何言ってんだよぉ!?」
148 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/17(金) 23:12:07.23 ID:PvAq2ipeo
卯月「N中佐のことは!? N中佐について行った妙高さんのことは!? 墓場島の提督准尉のことは!?」
弥生「え……急に、そんなこと言われても」オロオロ
卯月「覚えて……ない、の?」
望月「っつーか、誰さ?」
卯月「あり得ない……全部忘れちゃうなんて、絶対……っ!!」プルプルプル
鳳翔「う、卯月さ……」
卯月「来ないでっ!!」バシッ
鳳翔「つ……っ!?」
弥生「卯月……!?」
望月「お、おい! いくらなんでも鳳翔さんに失礼じゃんか!?」
卯月「……みんな、うーちゃんのこと、覚えてないのは、失礼じゃないの?」
弥生「え? えっと……」
望月「お、覚えてるもなにも……」
鳳翔「初めまして、ですよね……?」
卯月「……」
149 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/17(金) 23:13:19.13 ID:PvAq2ipeo
卯月「わかったぴょん」
卯月「……うーちゃん、知らない鎮守府に来ちゃったみたいだぴょん」クルッ
卯月「……」トボトボ
弥生「う、卯月……どこへ行くの……!」
卯月「……っ」ダッ
望月「おい!?」
弥生「卯月!!」
鳳翔「卯月さん!?」
150 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/17(金) 23:14:46.30 ID:PvAq2ipeo
* 太平洋上 *
卯月「……」
ザザァ…
卯月「どこへ行くって……どこに行ったらいいぴょん」
卯月「妙高さんは、N中佐と一緒に、どっかの鎮守府に行ったって聞いたけど……」
卯月「行先、わかんないぴょん」
卯月「あとは……提督准尉のところくらいしか、行くところがないぴょん」
卯月「……提督准尉は、うーちゃんのこと、忘れてないよね……?」ウルッ
卯月「うーちゃんは……」
卯月「准尉にまで忘れられたら、どこに行ったらいいぴょん……」
ヒュウウウ
卯月「!?」
ドガァァン
卯月(中破)「あう!?」ヨロッ
151 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/17(金) 23:15:47.32 ID:PvAq2ipeo
ツ級「……」シュゥゥ…
卯月「……あ……」
リ級「……」ジャコッ ドォン
ドカドカァン
卯月(大破)「ぐ……ぅ……!」
卯月「回避……回避する、ぴょ……」
タ級「……」ガシャッ
卯月「!!」
ドガァァァァン
卯月「ぎゃ……!!」ズガァァン
卯月「……あ……」フラッ
卯月「……じゅ……い……」
ドポンッ
ザァァ…
ザザァ…
152 :
◆EyREdFoqVQ
[saga]:2018/08/17(金) 23:16:32.07 ID:PvAq2ipeo
今回は、これまで。
N中佐は「チートやツールを使った提督」として描いていたので、
その鎮守府のその後、というイメージで描いております。
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/18(土) 03:10:03.24 ID:D36plFK40
せめてここのうーちゃんアケ仕様だったら最初の中破以外
無傷で逃げれたのだが原作スタイルだったか(違
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/18(土) 09:58:53.61 ID:zLXYci6A0
おつ
BANされちゃったわけか…
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/18(土) 17:14:01.65 ID:XaN3Mr5JO
乙!
記憶をリセットですか、弥生が出て来ないから逃げれたのかな?
156 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/25(土) 17:15:47.94 ID:Q82r3i52o
続きです。
157 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/25(土) 17:16:40.10 ID:Q82r3i52o
* ??? *
ザッ…ザッ…
卯月(……何の音ぴょん?)
ザクッ…ザクッ…
卯月(ここはどこだぴょん? 体が動かないぴょん)
無言で穴を掘っている提督「……」ザクッザクッ
卯月(……提督、准尉……?)
卯月(もしかして……)
提督「……」チラッ
卯月(うーちゃん、沈んで島に流されてきたぴょん?)
卯月(……やっぱり、声が出ないぴょん……)
提督「……」
卯月(抱えられてるけど、全然感覚がないぴょん……うーちゃんはこのまま……)
提督「……」ザッ
卯月(やっぱり、うーちゃん埋められるぴょん……)
158 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/25(土) 17:18:53.22 ID:Q82r3i52o
卯月(……)
卯月(だんだん、真っ暗になってく……)
――……!
卯月(みんな、お別れだぴょん……!)
――き……!
――づき……!
卯月(なんだか、懐かしい声が聞こえるぴょん……)
――うづき!
卯月(弥生……うーちゃんは、弥生のこと、忘れないぴょん……!)
弥生「卯月!!」
159 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/25(土) 17:19:39.17 ID:Q82r3i52o
* N鎮守府 卯月たちの部屋 *
卯月「……ぴょん?」パチリ
弥生「な、なにがあったの!?」
卯月「」パチクリ
弥生「泣きながら寝てたから、なにがあったのかって……びっくりした」
卯月「夢ぴょん?」
弥生「夢?」
卯月「……」
弥生「……」
扉<ガチャバーン
望月「弥生! 鳳翔さん呼んできた!」
鳳翔「卯月さん大丈夫ですか!?」
卯月「……」
鳳翔「こんなに目元を腫らせて……怖い夢を見たんですね!」ガッシ
卯月「おうっ!?」ギュウ
160 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/25(土) 17:20:25.93 ID:Q82r3i52o
鳳翔「可哀想に……怖かったでしょう!」ナデナデギュウウ
卯月「もごー!?」ジタバタ
望月「鳳翔さん、卯月めっちゃ苦しんでんだけど」
鳳翔「はっ!? ご、ごめんなさい!」パッ
卯月「び、びっくりしたぴょん……!」ゼーゼー
弥生「……それで、いったいなにがあったの」
卯月「ぴょん……」
* *
望月「うへえ……なんて夢みてんだよぉ、ぞっとしねえし」
弥生「でも、確かに、今一番頼れる人って准尉さんになるかも」
卯月「今、艦隊に来てる人は本営からのつなぎの人ぴょん。ちゃんとした司令官はいつ来るぴょん?」
鳳翔「それでしたら、先程その本営から連絡がありましたよ。艦隊の指揮を引き継いでくれる方が決まったそうです」
卯月「本当!?」
鳳翔「はい。この鎮守府の体制もそのままで良いそうです、大淀さんから聞きました」
望月「マジで!? やったじゃん!」
161 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/25(土) 17:21:41.18 ID:Q82r3i52o
弥生「……どんなひとなの?」
鳳翔「さすがにそこまでは。噂では、自殺を図ったこともあるそうですが」
弥生「ええ……?」
望月「それはそれで超不安なんだけど」
鳳翔「それから、先日この鎮守府に監査に来た方の先輩だそうですので、それなりに実績がある方のようですよ」
望月「監査に来たってーと……あー、あの准尉と話してた士官の人?」
鳳翔「O少尉ですね」
望月「えー、准尉より階級上なんだ……」
鳳翔「准尉はどういうことか冷遇され続けていますね……」
弥生「L大尉が言ってたけど……やっぱり、中佐のせいじゃないかな」
望月「まー、そうなんだろうけどさあ……」
卯月「とにかく、どのくらい信用できるか、時間がたたないとわかんないぴょん」
162 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/25(土) 17:23:22.58 ID:Q82r3i52o
* それから一週間後 *
* N提督鎮守府 執務室へ向かう廊下 *
鳳翔「申し訳ありません、まさかカレーが苦手だとはつゆ知らず」
新提督「気にしないでくれ、これは私の我儘だ。海軍にいてカレーを嫌ってしまった私が悪い」
鳳翔「しかし、半ばトラウマなのでしょう?」
新提督「……私の未熟ゆえだ。それに、食べられないわけじゃない」
鳳翔「あの挨拶もみな一様に驚いています。あそこまで頭を低くされなくても……」
新提督「私はかつて、その部下の心を蔑ろにしたために轟沈させてしまっている」
新提督「勤め先が変わったからと言って、その愚行を忘れて繰り返す馬鹿者にはなりたくないんだ」
鳳翔「……然様でございますか」
新提督「むしろ、初日から気を遣わせてしまってすまないな。わざわざ執務室に夕餉を運んでくれるとは」
鳳翔「個室なら不快になる者もいないと思いまして。苦手なのでしたら、残してくださって構いません」
扉<チャッ
鳳翔「こちらへどうぞ」
新提督「……」スン
163 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/25(土) 17:24:02.22 ID:Q82r3i52o
新提督「……鳳翔?」
鳳翔「はい?」
新提督「このにおい……」
鳳翔「あの、どうかなさいましたか」
新提督「この、カレーは」
鳳翔「お、お気に召しませんでしたか」
新提督「いや、とんでもない。この食欲をそそられるこの香り……」
鳳翔「……」
新提督「鳳翔。このカレーは、あなたが作ったのか?」
鳳翔「え、ええ、そうですが」
新提督「……すまない、言い方が悪かった。このカレーのレシピは、あなたのオリジナルか?」
鳳翔「そういう意味でしたら……違います」
新提督「……誰に習ったかを聞いても?」
鳳翔「も、申し上げてよろしいのでしょうか……」
新提督「ああ、頼む」
164 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/25(土) 17:26:10.27 ID:Q82r3i52o
鳳翔「とある鎮守府の……比叡さんに教わりました」
新提督「! ……それは……いつ教わった?」
鳳翔「いつ……!? ほ、ほんの一か月前くらいです」
新提督「……そうか」
鳳翔「提督? 大丈夫ですか? お体が震えてるようですが」
新提督「ああ、大丈夫だ。すまないが、席を外してもらえるか? 食べ終わったら電話で呼ばせてもらいたい」
鳳翔「……承知致しました。失礼致します」ペコリ
パタン
新提督「……」
新提督「……」カチャ
新提督「……」モグ
新提督「……」
新提督「……」モグ
新提督「……」
新提督「……あの味だ」ポロ
新提督「懐かしい……あの味だ」
新提督「もう二度と、口にすることはないと思っていたのに」ポロポロ
新提督⇒V提督「生きて、いたんだな、比叡……!!」
V提督「良かった……! 本当に、良かった……!」
165 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/25(土) 17:27:30.88 ID:Q82r3i52o
* 太平洋上 海軍護衛艦艦内 *
O少尉「このたびは無茶なお願いを聞いていただいて、ありがとうございます」
O少尉「……ええ、無事に着任したと。はい……はい」
O少尉「とんでもありません、私こそ若輩の身で差し出がましいことを……」
O少尉「いえ、艦娘のみんなは、我々や国民のために身を粉にして戦っているんです」
O少尉「私がしなければならないのは、彼女たちを労い、一緒に笑える雰囲気を作ってやることです」
O少尉「今も、傷付いた彼女たちをどうにか癒してあげなければと、暗中模索しているところですから」チラッ
瞳に光の宿っていない伊168「……」
瞳に光の宿っていないU511「……」
O少尉「……はい。ありがとうございます。ご武運を」
ピッ
O少尉「……」
木曾(O少尉秘書艦)「O少尉。そろそろ港に着くぞ」
O少尉「そうか。木曾君、報告ありがとう」
木曾「……今、通信で話していたのは、W提督か?」
O少尉「ああ、そうだよ」
木曾「聞く限り、W提督ってのは、いろいろやり手らしいな?」
O少尉「戦況の見極めが上手、というべきかな? 本営にも一目置かれてるみたいだね」
166 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/25(土) 17:29:41.16 ID:Q82r3i52o
木曾「大将の甥っ子と同期ってだけで、ちやほやされてるわけじゃないんだな」
O少尉「だからこそ目を付けられてるところもあるけどね。それに、君の長姉ともよくやっているみたいだよ」
木曾「なるほど……球磨姉と仲がいいなら、悪い奴じゃあなさそうだな」
木曾「で? これから会うX提督ってのも信用できんのか? そいつこそ親の七光ってわけじゃあないだろうな?」
O少尉「この前の……艦娘八つ裂き事件で本営に集められた時に、X提督は潜水艦のゴーヤとイクを連れて行ったそうだ」
木曾「……変態じゃねえの?」
O少尉「ちゃんとセーラー服とスカートを着せて行ったそうだよ?」
木曾「変態だ!」
O少尉「なんでだよ!?」
木曾「そこまで気遣いできるなんて、絶対変態だ。間違いねえ」
O少尉「もしかして褒めてんのかい? よくわかんないね、木曾君も」
O少尉「まあ、そういうわけだから、君たちにも決して悪いようにはならないよ」
伊168「……」
U511「……」
O少尉「伊8君が沈んでしまったことは、本当に無念と言うほかなかった」
O少尉「だからと言って、君たちまで同じ目に合わせるわけにはいかない」
O少尉「どうか、君たちの未来のためにも、私たちに力を貸してほしい」
木曾「……フッ、どこまで甘ちゃんなんだか」
167 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/08/25(土) 17:32:47.95 ID:Q82r3i52o
というわけで今回はここまで。
かつて比叡の司令官で、ピストル自殺を図ったV提督がN中佐の後釜に。
そして、中佐の部下だったO少尉は、伊8がいたブラックな某鎮守府を
指揮することになりました。
当初、夢オチにせずに島に卯月が埋まってる設定にしようとも考えましたが、
他のキャラやいろんな救済を考えた結果、こんな形に収まりました。
近いうちに余所の鎮守府や関係者がどうなったかも
書いてみたいと思います。
168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/08/25(土) 19:05:40.31 ID:vwW4HyINO
乙
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/08/28(火) 02:57:55.62 ID:i82TJZyhO
卯月以外の艦娘は結局なんだったの?
170 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/15(月) 22:28:14.67 ID:ANe0enUYo
復活ktkr!
>>169
アカウントが消された場合、所属の艦娘はどうなるか……?
という前提の書き方をしたのでわかりづらいですが、
卯月以外はリセットしちゃったパターンです。
卯月のように放逐されて闇に葬られるパターンもあるかもしれませんし、
鎮守府ごとなかったことにされるとか、人によって捉え方は様々でしょうが、
そのうちの一説として書いた次第です。
結果として夢オチにしてしまいましたけど。
今回は日常編です。
171 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/15(月) 22:34:04.07 ID:ANe0enUYo
- きっかけは一冊の雑誌 -
* 休養室 *
朧(読書中)「……」
扉<チャッ
伊8「……」テクテク
伊8「……」ゴトン
伊8「……」ペラリ
朧「……伊8さん?」
伊8「ハチ、で、いいよ?」
朧「……ハチさん、その分厚い本、なんですか? 電話帳?」
伊8「これ? 通販のカタログ。この前の物資の、別の箱に入ってたから、持って来たの」
朧「通販?」
伊8「うん。通販」ペラリ
172 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/15(月) 22:34:41.42 ID:ANe0enUYo
朧「……」ノゾキコミ
伊8「……」ペラッ
朧「……あ」
伊8「?」
朧「いえ、なんでもないです」
伊8「なにか、欲しいものでもあった?」
朧「ま、まあ……」
伊8「ふぅん……あ」ペラリ
朧「ハチさんも何か見つけました?」
伊8「うん。これ」
173 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/15(月) 22:35:16.48 ID:ANe0enUYo
* それから数日後 食堂 *
長門「大淀。ちょっとこれを見て欲しいんだが」
大淀「なんでしょう? あら、これは……通販カタログですか」
長門「ああ。卯月たちが持ってきた古い本なんだが、一年前のものでな。これの最新刊が欲しいんだ」
長門「欲しいものがあっても買い物にも行けないし、どんな品物が売っているのか、世の中にどんなものが出回っているのか……」
長門「私たちがそれを調べるとなると、情報源はこれしかないんだ」
大淀「なるほど……折り目やら付箋やら、いっぱいついてますね」ペラリ
長門「みんなそれぞれに必要だと感じているものが多くてな」
大淀「……このお掃除セットは古鷹さんですか?」
長門「これのワックスの原液が欲しいんだそうだ」
大淀「鎮守府全体に使うとしたら、量が多すぎて市販品の価格では経費で落ちなさそうですね……別口で探しましょう」ペラッ
大淀「……こちらのホースとスプリンクラーは?」
長門「初雪の希望らしい。畑に使うんだと。スプリンクラーが駄目なら、ホースに取り付けるヘッドでもいいそうだ」
大淀「ホースとヘッドくらいなら良さそうですね」
大淀「わかりました。それではこちらのカタログの最新版を取り寄せましょう」
大淀「同じものでも、もっと良いものがでているかもしれませんからね」
長門「ああ、よろしく頼む」
大淀「……」ペラリ
174 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/15(月) 22:36:43.19 ID:ANe0enUYo
* さらにそれからしばらくして 執務室 *
不知火「……」
提督「……」ソロバンパチパチ
長門「……」
提督「……」カリカリ
大淀「……」
提督「……まあ、こんなとこか」ピラッ
長門「お、おお……!」パァッ
大淀「よろしいんですか!?」パァッ
提督「いいだろこのくらい。考えてみりゃあ、N中佐んときの艦娘制御ツールの存在を確認できたのは、うちの手柄だしな」
提督「このくらいのボーナス、要求したって罰は当たんねえだろ」
提督「さすがに古鷹のワックスみたいな消耗品とかは別口で上に依頼するが、それ以外は買っていいんじゃねえか?」
長門「そうか……ありがたい!!」
大淀「ありがとうございます! さっそく申請します!」ダッ
長門「頼むぞ!!」
175 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/15(月) 22:37:39.11 ID:ANe0enUYo
提督「……嬉しそうだな」フフッ
不知火「司令。よろしいんですか」
提督「大丈夫だろ。俺の給料、全然手を付けてなかったし……つうわけで不知火。これ持って本営に行け」
不知火「……これは、司令の通帳ですか」
提督「記帳もしてないし、ぶっちゃけ今いくら入ってるかわかんねえ。足りねえときはここからおろして使え」
不知火「……は、はい……」
* そして2週間後 埠頭 *
明石「届きましたね!」ワクワク
長門「おお、ついに……!」ワクワク
大淀「順番に配りますから、あわてないでくださいねー!」
提督「届いたのか。不知火、ご苦労さん」
不知火「はっ」ビシッ
176 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/15(月) 22:40:18.43 ID:ANe0enUYo
不知火「ときに司令、お預かりしていた通帳ですが」
提督「いいよ、お前が預かってろ」
不知火「内容だけでもご確認をお願いいたします」スッ
提督「……」ウケトリ
不知火「……」
提督「……なんだこりゃ」タラリ
不知火「休暇もなく、離島勤務ということもあって特別手当がついておりまして」
提督「……」
不知火「中将からのボーナスもその中に……司令? だ、大丈夫ですか? 顔色が優れないようですが」
提督「いや、ちょっと気分が悪くなった。不知火、こいつはお前が持っててくれ」
不知火「は……」
提督「ついでに適当に使って減らしておいてくれ。俺には分不相応の大金すぎて、眩暈がしてきた」
不知火「はぁ!?」
提督「手に余るような大金抱えても、使い方を知らなきゃ身を滅ぼすだけだ。そんなもんいきなり持たされても困る」ヨロッ
提督「そういうわけだから、不知火が適当に使ってくれ。俺は休んでくる」
不知火「……あの、不知火にどうしろと」タラリ
177 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/15(月) 22:41:39.94 ID:ANe0enUYo
* 提督の私室への廊下 *
妖精「どうして無駄遣いしろなんて言うのさ? 貧乏性にもほどがあるよ」
提督「そうかもしれねえが、なんで俺があんなに貰えてるんだ? 俺は都合の悪いことから逃げてるだけだぞ?」
提督「人間どものしがらみから逃げたくて好きでこの島に引き籠ってんのに、あんなに支払ってくるとか、海軍はなにを企んでやがんだ」
妖精(相変わらず自己評価が自虐的すぎるなあ……)
妖精「でも、お金なんてあって困ることはないんじゃない?」
提督「人間から遠ざかりたいのに、金なんか持ってたら欲深どもが寄ってくるじゃねえか。勘弁してほしいぜ……」
扉<チャッ
如月「あっ、司令官!」
大和「提督! お疲れ様です!」
提督「……なにやってんだお前ら」
妖精「その大きなベッドはどうしたの?」
如月「これは、司令官に日頃からお世話になってるお礼よ」ニコッ
提督「ああ、でかいベッドを買いたいってのはお前たちだったのか。てっきり大和が使うのかと思っていたが」
大和「ちゃんとしたベッドで休んでいただいたほうが疲れが取れると思いまして、こちらを是非提督にと!」
178 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/15(月) 22:42:40.83 ID:ANe0enUYo
提督「いくらなんでも、でかすぎだろ……正方形じゃねえか」
妖精「これ、キングサイズってやつかな?」
如月「どうせシャワーを浴びて寝るだけのお部屋だもの、スペースなんか有り余ってるでしょう?」
提督「確かにそうだが、別に俺なんかに気を遣わなくても……」
如月「私たちの指揮をしてくれている司令官だもの、健康でいて欲しいのよ?」
提督「んー……そういや古いベッドはどうした」
大和「老朽化がひどいので処分しました。寝返りを打つたびに軋む音がするベッドでは寝苦しいでしょうし」
提督(なんで軋みがひどいって知ってんだ)
如月「枕だけは残しておいてるわ。新しいほうも用意してるから、どちらかがいいかはお試ししてね?」ウフフー
提督「……」アタマガリガリ
妖精「提督、ちょうどいいから横になってみたら? 気分が優れないんでしょ?」
如月「えっ!? 司令官、大丈夫なの!?」
大和「そういうことでしたらすぐ横になられたほうが! 上着をお預かりします!」ササッ
提督「あー、わかったわかった……試しにちょっと横になる……」ノソノソ
179 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/15(月) 22:43:16.69 ID:ANe0enUYo
提督「……」モフ
大和「提督、いかがですか?」
提督「……あー、確かにこれは……」
提督(やべえな、すっげえ楽だ……意識が沈んでく……)
提督「……」
如月「司令官?」
提督「……」スヤー
妖精「……寝てるね」ツンツン
大和「ほ、本当ですか」
妖精「こんなにすぐ落ちるように寝ちゃったのを見たのは初めてだよ」
如月「やっぱり普段から疲れてたのかしら……」
大和「提督……」
如月「……ねえ、大和さん? 今なら試せるんじゃないかしら」
大和「! で、でも、提督が起きたりしたら……」
妖精「いや、大丈夫じゃないかな」
大和「そ、そうでしょうか……」
180 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/15(月) 22:44:28.31 ID:ANe0enUYo
如月「それじゃ、私はこっちね」コロン
大和「私はこちらから……」ゴロン
(提督を挟んで川の字になる3人)
如月「……」
大和「……寝心地、いいですね」ヒソヒソ
如月「ええ……とっても」ヒソヒソ
大和「それにこれなら、3人でも寝られそうですね……!」
如月「ベッドから落ちずに済みそう……!」
大和「夜が楽しみ……」ニコー
如月「うふふふ……」ニコー
妖精「……やれやれ」
提督「」スヤスヤ…
181 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/15(月) 22:46:25.80 ID:ANe0enUYo
* 一方その頃、工廠 *
明石「おお……おおおおお!」ガサゴソ
明石「いいですね、これ! すっごくいい!」キラキラキラッ
朝潮「明石さん、それはなんですか?」
明石「ふふふ……これはねえ、このアタッチメントを付けると……」キュイーン
朝潮「それはドリルですか!?」
明石「これだけじゃないわ。こっちのアタッチメントを見て!」
朝潮「ドライバーにもなるんですか!?」
明石「そう! で、こっちはグラインダーでしょ? これがサンダーで、こっちが丸鋸で……!」
朝潮「なんでもできるんですか!? これはすごいですね!」
明石「欲しかったのよ、こういうの! この鎮守府っていろんなものが不足してるでしょ?」
明石「だからいろいろDIYで自作したいなーって思ってて! こういうのが一つあると、すっごく便利よね!」ウキウキ
利根「ふむ、これが説明書か。朝潮、読んでみるか?」ペラリ
朝潮「はい! マルチインパクトツール……こんな便利なものが世の中にはあるんですね!」ペラペラ
182 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/15(月) 22:47:17.24 ID:ANe0enUYo
利根「それにしても、新しいおもちゃを手に入れた子供のようじゃな」
明石「そういう利根さんだって面白そうなもの買ってるじゃないですか!」
利根「うむ。カタパルトの調整がしたくての」
朝潮「小さくて綺麗な工具箱ですね……!」
利根「中身も綺麗だぞ」ガパッ
朝潮「うわぁ……」
明石「汚れのついていない新品の工具セット! いいですねえ!」
利根「奮発させてもらったが、このように立派な道具だと、使うのがもったいないのう」
明石「駄目ですよー、せっかくの道具なんですから使わなきゃ! 飾るつもりなら私が有効活用しますよ!?」
利根「うむ、使ってもらって構わんよ。むしろ、明石に正しい使い方を教えてもらわねばならんかな?」
明石「えっ、い、いいんですか!?」キラキラキラ
利根「うむ。それがこれからの吾輩や、朝潮たちの力になるのなら、買った甲斐があるというものじゃ」
朝潮「え!? わ、私もですか!?」
明石「あ、物の貸し借りはちゃんと本人に断ってからにしてくださいね? その辺は提督がうるさいですから」
朝潮「はいっ! 了解しました!!」ビシッ
利根「それにしても、自分のために買い物をすると言うのは、なんとも心が躍るものだな」フフッ
183 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/15(月) 22:48:41.10 ID:ANe0enUYo
* 一方その頃、長門の部屋 *
ダカダカダカダカ…
暁「ミシンって、意外とうるさいのね……」
潮「それに、すごく速いし……ちょっと怖いかも」
長門「……」
暁「でも、長門さん楽しそう」
潮「……うん」
ダカダカダカダカ…
チョキッ
長門「よし。できた」ガタッ
暁「わぁ……!」
長門「どうだろう? 暁、試着してみてくれ」
暁「はーい!」シュルシュルッ
潮「いいなあ……新しいエプロン」
184 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/15(月) 22:50:07.58 ID:ANe0enUYo
暁「じゃーん! 着てみたわ! どう? 似合う?」
長門「うん、いいな! サイズもぴったりだ!」
潮「ピンク色でかわいい……!」
長門「やはり手縫いとは違うな、縫い目が綺麗だ」ウンウン
長門「よし、それじゃ次は潮の分を作ろうか。こっちの水色の水玉模様の生地を使おう」シャッ
暁「長門さん、みんなの分を作るの?」
長門「ああ。人によって背丈も違うし、体つきも違う。それに、貸し借りするよりは各々で持っていたほうがいいだろう?」
潮「そう言われれば、そうですね……!」
長門「もっともそれ以上に、作るのが楽しいというのもある」ニッ
長門「潮の分を作ったら、次は比叡の割烹着だ。フフ、腕が鳴るな」チョキチョキ
暁「……暁も長門さんにお裁縫を教えてもらおうかなあ」
潮(私は暁ちゃんにお料理教えてもらいたいんだけど……)
185 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/15(月) 22:51:12.35 ID:ANe0enUYo
今回はここまで。
186 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/10/15(月) 23:25:54.83 ID:YiDVKpzlo
久しぶりの更新超乙。また読めて嬉しい…
187 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/10/16(火) 10:42:12.30 ID:tX2M4eXa0
同感すぎる
188 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/10/16(火) 12:15:37.08 ID:oc5mTjDp0
復活乙!
長門がすごく可愛い、利根のツールはTONE製のいい奴に違いない
189 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/10/19(金) 23:55:23.91 ID:dCLEpJ5GO
あかん、明石見てたらオレも欲しくなってきたわ……
190 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/20(土) 01:26:56.52 ID:Qb90QjBLo
私はトルクレンチが欲しいです。
では続きです。
191 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/20(土) 01:27:49.81 ID:Qb90QjBLo
* 厨房 *
電「長門さん、スキップしながら新しいミシンをお部屋に持っていってたのです」
朝雲「大事そうに抱えていったわねー。生地まで買っちゃって、エプロンくらいなら普通に買ったほうが安くないの?」
電「わたしたち駆逐艦向けのエプロンは、そのちょうどいいサイズが少ないのです」
朝雲「……まあ、微妙なサイズよね」
電「手縫いでも良かったのですが、どうせなら綺麗に作りたくってミシンを探していたのです」
電「倉庫で見つけた足踏み式のミシンは錆だらけで動かなかったから、あの最新型のミシンはなおのこと嬉しいはずなのです」チラッ
朝雲「そうね……」チラッ
比叡「うふ、うふふふ……」
比叡「新しい包丁とフライパン、とっても綺麗……!」
比叡「さーーあ、何を作ろうっかなーーー!」ルンルン
朝雲「うん、比叡さんも嬉しいのはわかるけど、刃物眺めて笑うのはやめてほしいわ……」
電「なのです……」
五月雨「あ、こっちにいたんですね! 比叡さーん!」ヒョコッ
比叡「はい?」
五月雨「やかんを貸してください!」
比叡「??」
192 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/20(土) 01:29:31.65 ID:Qb90QjBLo
* 執務室 *
大淀「まあまあ、でしょうか」フゥ
不知火「いえ、十分かと」
吹雪「いい感じのソファですね!」
不知火「大淀さん、配置の確認のためにも座ってみましょう」
吹雪「座りましょう座りましょう!」ポスン
大淀「ええ」ストン
不知火「……」ストン
不知火「……いいですね。固いところもなく、背もたれもしっかりしています」
吹雪「前のソファは、中のスポンジが破けたり潰れてたりしてぺったんこだったからね!」ポヨンポヨン
不知火「大淀さんから進言していただかないと、こういった調度品は新調できませんから」ウンウン
大淀「いえいえ、そんなことは」
大淀(以前、提督に膝枕をされて耳かきしていただいたとき、ソファが痛くて肩や腰が痛かったんですよね……)
大淀「安物ではありますが、この座り心地なら体を痛めることもないでしょう……」
吹雪「大淀さんは優しいんですね!」
不知火「見習わないといけませんね」
大淀「えっ!? あ、いえいえ……」
大淀(わ、私、どこから口に出してたんだろ……)ハラハラ
193 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/20(土) 01:30:46.38 ID:Qb90QjBLo
* 大浴場 脱衣所 *
初春「うむうむ、これで良い。由良殿、助かりましたぞ」
由良「これで洗面台の鏡の貼り換えもおしまいね。うん、いいんじゃない?」
初春「腐食してくすんだ鏡では、身だしなみも整えられん。備品として申請できてなによりじゃ」
由良「でも、取り付けはこっちでやれ、だなんて、どこまで由良たちと関わろうとしないのかしらね」
初春「いやまったく。もしやとは思うが、工賃もケチっておるのかもしれんな」
由良「あ、そうそう。これもおいていかないと」
初春「む? それは……」
由良「新しいドライヤー。ほら、スイッチ入れても動かなかったり、風が弱かったりしてたでしょう?」
由良「提督に新しいのを買えないか、聞いてみたの」
初春「これはありがたい! わらわの髪も乾かすのが大変でのう……!」
ガラガラッ
古鷹「お風呂の鏡の取り付けも終わりました!」
霞「ついでにお風呂も綺麗になったわよ」
初春「おお、戻ったか……って、確かに綺麗になったのう……」
由良「あの大きなお風呂を……すごいわね」
194 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/20(土) 01:31:40.94 ID:Qb90QjBLo
霞「古鷹さん、新しいお掃除道具が来て張り切っちゃってるんだもの。手が付けられないわ」
古鷹「汚れが落ちるのって、とっても楽しいですよね!」
霞「……まあ、否定はしないけど」
古鷹「あれ? ドライヤーも取り替えるんですか?」
初春「うむ! これで湯上りに髪の毛を絞ったりせずに済みそうじゃ!」
由良「じゃあ、ドライヤーの空き箱、捨ててくるわね」
霞「それなら、私も一緒に行くわ」
由良「え? だ、大丈夫。ひとりで行けるわ、大した荷物じゃないし」
古鷹「そうですか?」
由良「ええ。それじゃ!」ピャッ
三人「「「?」」」
由良「……」タタタッ
由良「由良の分だけ、最新型のドライヤー買ってもらっちゃったの、ばれてないわよね? ね?」キョロキョロ
由良「早く部屋においてこようっと」コソコソッ
195 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/20(土) 01:32:50.34 ID:Qb90QjBLo
* 休憩室 *
扉<ガチャ
朧「ふんふん〜♪」
伊8「……珍しい」
朧「はい?」
伊8「朧ちゃんが鼻歌歌ってるとこ、初めて見た」
朧「い、いいじゃないですか、別に」
伊8「うん。いいよ? すごくいいことだと思う」
朧「……か、からかわないでください」カァ
伊8「それで、お目当ての本は買ってもらえたの?」
朧「はいっ! ハードカバーの新書です!」ニコー
伊8「それなら良かった」ニコー
朧「ハチさんも、あの本を買ったんですか?」
伊8「うん」ペラリ
朧「……それ、医学書ですよね? ハチさん、お医者さんになるんですか?」
伊8「うん、臨時のね。私たちの修理は明石ができるけど、提督を治療できる人っていないでしょ?」
朧「……!」
196 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/20(土) 01:34:25.93 ID:Qb90QjBLo
伊8「はっちゃん、あまり出撃する気はないから、こっち方面で役に立とうかと思って」
朧「そうだったんですか……朧も、そういう本にすれば良かったのかな」
伊8「朧ちゃんは、ちゃんと出撃して戦果を挙げてるんだから、趣味を大事にしたほうがいいよ?」
伊8「はっちゃんの本も、気になることがあるから買ったんだし」
朧「……それ、提督がなにかの病気だってことですか?」
伊8「病気っていうか……精神的なものかも。多分それほど深刻じゃないから、大丈夫」
朧「???」
伊8「あと、病気じゃないけど……提督のあの性格は、もう少し良いほうに治ったらいいなって思う」
朧「朧もそう思います」
* 提督の私室 *
提督「……くしゅん! ……んあ?」
妖精「あ、目が覚めた」
如月「し、司令官!? 風邪ですか!?」
大和「寒いんでしたら、大和がお傍に!」
提督「……つうかなにやってんだよお前ら」タラリ
197 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/20(土) 01:36:15.82 ID:Qb90QjBLo
* 食堂 *
金剛「Oh, テートク! 良いところにおいでになりマーシタ!」
提督「よう。いい匂いがするな」
大和「これは紅茶の香りですね」
金剛「Yes ! ティーセットと紅茶の茶葉を買わせていただきまシタ!」
如月「良かったんですか?」
提督「いいんじゃねえの? 今まで鎮守府にはなかったんだし、欲しいなら欲しいで構わねえさ」
金剛「これで急な来客にも、品の良い紅茶でお出迎えできマース!」
提督「とってつけたような建前だがな」
如月「一番喜んでるのは金剛さんですよね」
金剛「Of course ! さあさあ、テートクも一緒にティータイムを楽しみまショウ!」
提督「……まあ、眠気覚ましにいただくか」
金剛「みなさんも please sit down !」
大和「よろしいんですか?」
金剛「勿論デース! ティータイムは争いの場ではありまセン!」
如月「それじゃ、お言葉に甘えさせていただくわ」
「金剛さーん!」
金剛「五月雨? どうしまシター?」
198 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/20(土) 01:37:06.86 ID:Qb90QjBLo
五月雨「厨房からケーキをお持ちしましたーー!」タタタッ
朝雲「ちょっと五月雨! 走ったら危な……」
コケッ☆
全員「「「あ」」」
バターーーン!
大和「五月雨さん!?」ガタッ
朝雲「だから言ったじゃない!」
如月「ちょっと、大丈夫!?」ガタッ
五月雨「いたたた……あ、はい、ケーキは無事でした」ヒリヒリ
金剛「Cake より、あなたの体のほうが心配デス!」
提督「ケーキかばって、まともに受け身とってなかったからな。ほれ、腕と顔、見せてみろ」ダキカカエ
五月雨「あっ」
提督「ケーキは朝雲、ちょっと預かっててくれ」
朝雲「ええ」
提督「ひじと、顎か? 膝も打ってるな、痣になってるぞ」ヒョイッ
五月雨「きゃ!?」オヒメサマダッコ
如月「!?」
大和「!?」
199 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/20(土) 01:37:52.10 ID:Qb90QjBLo
提督「明石に診てもらうか。悪いがお茶会は先に始めててくれ」
金剛「い、いえーす……」
五月雨「お、降ろしてください! 一人で歩けます!」
提督「暴れんな。じっとしてろ」スタスタスタ…
全員「「「……」」」
比叡「ごめんなさい、ケーキナイフ渡し忘れてまし……あれ? 司令と五月雨ちゃんは?」
朝雲「あー、五月雨が転んで怪我したから、司令官が連れて行ったわ」
電「みんなはどうしたのですか?」
如月「……羨ましいわ」
電「えっ」
大和「五月雨さんが提督にお姫様抱っこされていきました……」
電「ああ……そういうことですか」
金剛「経験済みの比叡が羨ましいデース!!」バーン!
比叡「ひえええ!? 私ですか!?」
大和「大丈夫。戦艦の比叡さんも抱っこされたんだから、私にもチャンスはあります……!」
如月「そうよ、まだあわてるような時間じゃないわ……!」
200 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/20(土) 01:38:45.69 ID:Qb90QjBLo
朧「……飲み物を探しに来たんだけど」
伊8「なにこのカオス」
電「電もなにがなんだかわからないのです……」
金剛「But !! 私は諦めまセーン! テートクの heart は必ず掴んで見せマース!」
暁「それはいいけど、静かにしてないとまた司令官に顔を掴まれるわよ?」スッ
金剛「!?」ビクッ
電「暁ちゃん!? そのエプロンはどうしたのですか!?」
暁「長門さんに作ってもらったわ! 似合うでしょ? いいのよ、もっと褒めても!」ドヤァ!
朝雲「サイズぴったりね。買ってきたみたい」
朧「へーえ、さすが長門さんだね」
潮「あ、あの、私も作ってもらいました……!」
比叡「わぁ、二人ともかわいい!」
朧「うん、潮も似合ってる」
電「……」
朝雲「……」
201 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/20(土) 01:40:04.59 ID:Qb90QjBLo
比叡「? どうしたの二人とも」
電(エプロンだけ見ると、潮ちゃんの胸の大きさが際立ってるのです……)ペタ
朝雲(潮のエプロン、ちゃんと胸のサイズも考慮されてるのよね……)ペタ
如月(あの二人、私とは違う意味で暗黒面に堕ちそうな顔をしてるわ……)
金剛(……もしかして私、潮に負けてマスカ?)ガクガク
大和(金剛さんもどうしたんでしょう)
伊8「金剛さん、顔色悪いけど大丈夫……?」
金剛「ヒィィィ!! もっと勝ち目のない相手がいマース!!」
伊8「???」
暁「みんなどうして怖い顔してるのかしら……あ、比叡さん、これ、長門さんから預かってきた割烹着よ!」
比叡「私にもあるんですか!? やったぁ! さっそく着てみます!」バサッ イソイソ
比叡「うわぁ……サイズもぴったり!」キラキラキラ
潮「良かったですね、比叡さん」
比叡「気合い十分! 力が湧いてくるようです!」フンス!
朧「比叡さんたちはこんなにキラキラしてるのに、どうして金剛さんたちは戦々恐々としてるんだろう……」
伊8「カオスすぎ」
202 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/20(土) 01:41:17.64 ID:Qb90QjBLo
* 工廠 *
五月雨(こ、こんな恰好のまま、工廠まで連れてこられちゃった……)カァァ
提督「おーい、明石いるかー?」
ヂュィイイイイン!!
提督「なんだこの音?」
明石「ああ、この丸鋸の切れ味……イイ……」ウットリ
朝潮「あ、あの、明石さん、試し切りはその辺にしたほうが良いかと……」
五月雨「」
提督「……」
明石「あ、提督? どうかしまし」
五月雨「ヒィィィ!!」ヒシッ ギュゥ
提督「ぐえっ」クビシマリ
朝潮「あっ」
明石「さ、五月雨ちゃんどうしたのその怪我!」
五月雨「いやあああああ!!」ビクビクビクーーッ
提督「」ギリギリギリ
利根「お、落ち着け五月雨! 提督の首が絞まっておるぞ!?」
明石「ちょっ、五月雨ちゃん手を離して! 提督の顔色がやばいことになってる!」
朝潮「司令官お気を確かに!!」
203 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/20(土) 01:42:14.04 ID:Qb90QjBLo
* 外 ビニールハウス *
シャワーーー
初雪「……」
初雪「……」
初雪「……ふふ」ニヤニヤ
神通(初雪さん、すごくキラキラしてますね……)←新品の園芸道具を抱えながら
敷波「ねえねえ神通さん、そっちの移植べらは新しいのに、このスコップは結構古い感じしない?」
神通「そちらの大きな道具は、陸軍が払い下げた品物だそうですよ。提督が格安で買い取ったそうです」
敷波「ふーん」
神通「見た目は無骨ですが、軍用品だけあってしっかりした造りで使いやすいですよ」
敷波「これで塹壕掘ってたりしたのかなー」
204 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/20(土) 01:43:01.21 ID:Qb90QjBLo
今回はここまで。
205 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/10/20(土) 11:43:11.00 ID:WfS6Z1+n0
更新乙です
スコップは穴もほれれば首も飛ばせる万能武器
マルチツール系は本体の方が故障すると他も全部使えなくなるから
めんどくさくてもバラバラにそろえちゃう派です
206 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/10/20(土) 13:59:47.92 ID:VceEvdB1O
スコップと言ったら中国の超多用途スコップを思い出すな
サンダーとかもいいがやっぱり高圧洗浄機が欲しいかも……
墓場島をケルヒャーで掃除したら気ん持ちいぃーだろうなぁ
207 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/10/21(日) 12:15:13.56 ID:7zcz8jTco
よし!スコップがあれば抜刀術が使えるな!
208 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/21(日) 16:38:11.95 ID:knK5K9iqo
思いついてしまったので追加で一コマだけ投下。
209 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/21(日) 16:40:39.86 ID:knK5K9iqo
敷波「うわー、なんか物騒な刃物もある! なにこれ、鉈?」
神通「それは斧ですね。柄が短くて片手で使えるものが鉈です。ちなみに、柄が長くて刃物の幅が広いと鉞と呼ばれます」
敷波「ふーん……」
神通「提督が薪割りに使うつもりで取り寄せたみたいですよ」
敷波「……」
敷波「あ、この斧、なんかしっくりくる……これ欲しいかも」
神通「え?」
210 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/21(日) 16:41:43.45 ID:knK5K9iqo
とりあえず日常編はここまで。
ツイッターは謎が多すぎる。
211 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/27(土) 18:23:08.17 ID:dU/gqv+wo
続きです。
212 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/27(土) 18:24:35.79 ID:dU/gqv+wo
* 北東の砂浜 *
五月雨「本当にすみませんでした!」ペコペコ
提督「もういい、っつってんだろ……」
五月雨「ですが、私のせいでお茶会だって参加できなかったんですし……!」
提督「構やしねえよ。俺はそういう風流な趣味、持ち合わせてねえしな」
五月雨「それはよくありませんよ! コミュニケーションは大事です!」
提督「俺のことは放っておいても構わねえんだがなあ……」
五月雨「そういうさみしいことを言わないでください!」
提督(こいつも吹雪と同じ世話焼き系か? 面倒臭えな……)
提督「わかったわかった。それはそうと、膝とかは大丈夫なのか?」
五月雨「はい! 艦娘ですから、あのくらいなら修復剤で綺麗に治ります!」
提督「……どういうカラクリなのか、いまいちよくわかんねえな」
五月雨「確かに原理はわかりませんけれど、深く考えないほうがいいですよ?」
提督「なんでだよ」
五月雨「私、考え事をしながら歩くと、よく躓いて転んじゃうので……えへへ」ポリポリ
提督「……」
213 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/27(土) 18:26:12.98 ID:dU/gqv+wo
五月雨「あ、でも、転んだ時に持ってたお茶をこぼしたり、書類を散らかしたりしたことはないんですよ!」エッヘン!
提督「いや、転ぶなよ普通……」ズツウ
五月雨「ところで、どうして提督がわざわざ巡視なさってるんですか?」
提督「日課だよ。外に出ないと体がなまるし……まあ、気晴らしにぶらぶらしたいってのもあるか」
五月雨「そうなんですか……あれ?」
提督「どうした」
五月雨「なんだか、誰かの声が聞こえませんか?」
提督「……?」
「……さま……そう……ま……!」
提督「女の声……また誰か流れ着いてきたのか?」スタスタ
五月雨「また、って……えええ!?」
山城(大破)「扶桑お姉様……扶桑お姉様はどこなの!? ああ、なんてこと……!」
山城「ここはいったいどこなの……扶桑お姉様は!?」
ジャリッ
山城「だ、誰!? 扶桑お姉様!?」
提督「いや、誰だよ扶桑って」ヌッ
214 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/27(土) 18:28:06.39 ID:dU/gqv+wo
山城「!? あ、あなたこそ誰よ!?」
提督「俺は……」
五月雨「危ないっ!!」バッ
提督「!?」
山城「え」
??「!」ブンッ!
ガキィン!
五月雨「きゃあっ!?」ドシャッ
提督「五月雨!? てめえ……なにしやがる!」
山城「なに!? なによ!? なにがどうしたの!?」オロオロ
五月雨「あ、あいたたた……」
提督「おい五月雨、大丈夫か」
五月雨「は、はい! で、でも、どうして……どうして提督にいきなり襲いかかってきたんですか!?」
五月雨「那珂さん!!」
??→那珂(大破)「……」
提督「なか?」
那珂「……」
215 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/27(土) 18:29:37.64 ID:dU/gqv+wo
山城「……ちょっと、どういうことか説明しなさいよ。あなたは何者なの!? ここはどこよ!?」
提督「俺はこの××島鎮守府の責任者、提督准尉だ。こっちは部下の五月雨」
山城「提督……あなたが!? というか、この島に鎮守府があるの!?」
提督「まあ、まともな鎮守府じゃねえがな。それでだ……那珂、っつったな」
那珂「……!」
提督「お前、さっきから目を丸くしたり冷や汗かいたりしてるみたいだが、どうかしたか?」
那珂「……」ダラダラ
山城「それは無理もないわよ。いくら准尉とはいえ、艦娘を率いてる人間にいきなり襲いかかったんだもの」
山城「普通だったら解体もやむなしの不祥事よ? ご愁傷様、としか言い様がないわ」
提督「ふーん……」チラッ
那珂「!」ビクッ
提督「まあいい。おい、那珂。お前、なんでいきなり襲ってきた」
那珂「え、えっと、それはぁ……」
提督「……」
那珂「……ご、ごめんなさい!!」バッ
提督「あぁ?」
216 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/27(土) 18:31:15.97 ID:dU/gqv+wo
那珂「その、敵だと……思っちゃったんです!」
提督「……勘違いした、と?」
那珂「は、はい……!」ビクビク
提督「ふん。だったら頭下げる相手が違うぞ」
那珂「え?」
提督「ちゃんと吹っ飛ばした五月雨に謝っとけ。五月雨、さっきは助かった、庇ってくれてありがとうな」
五月雨「!? は、はい! 護衛はお任せください!」
那珂「……」ポカーン
提督「……おい」
那珂「えっ!? あ、ごめんなさい! さ、五月雨ちゃん、ごめんなさい!」ペコッ
五月雨「い、いえ、間違いは誰にでもありますから!」
那珂「でも、思いっきり殴り掛かっちゃったし……怪我してない?」
五月雨「はい! これくらい、大丈夫です!」
那珂「よ、良かったぁ……」ヘナヘナ
山城「あの……准尉? ここはいったい、なんなのよ」
提督「ん?」
山城「私はともかく、どうして那珂まで大破してるの? それに……」チラッ
提督「……」
217 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2018/10/27(土) 18:32:36.16 ID:dU/gqv+wo
山城「この砂浜、艦娘の艤装の残骸が其処此処に散らばってるわ。私たち、本当に生きてるんでしょうね……!?」
提督「残念だが夢じゃねえぞ。この砂浜には、しょっちゅう沈んだ艦娘が流れ着いてきてる」
提督「お前らみたいに生きて流れ着く奴もいれば、そうでない奴らもいる。それだけの話だ」
山城「……それじゃ、扶桑お姉様は……」マッサオ
提督「もしかしたらこの浜のどこかに流れ着いてるかもな。どうなったかは知らねえが」
山城「そんな……! 扶桑お姉様……ああ、不幸だわ……!」
五月雨「あの、那珂さんもそうなんですか?」
那珂「……え? あっ、ご、ごめんなさい、聞いてなかった……」
提督「……お前、顔色悪いな。損傷はそれほどじゃねえが、目の下にクマができてんぞ」
那珂「!」
提督「ほほも少しこけてるし、過労か栄養失調ってとこか。比叡や伊8がこんな感じだったしな」
山城「そうね……徹夜明けって感じの顔をしてるわね」
提督「だな。それで? お前は誰だ?」クルリ
山城「! わ、私は、扶桑型戦艦姉妹、妹のほう、山城よ……!」
提督「ふぅん。何しに来た」
山城「何しに!? 別に私はここに来たくて来たわけじゃないわ! 私は……私たちは……!」
提督「……」
山城「……私たちは、沈められたのよ。敵艦隊に……」ウツムキ
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