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【艦これ】提督「墓場島鎮守府?」如月「その2よ!」

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1 : ◆EyREdFoqVQ [saga]:2018/06/23(土) 21:51:34.17 ID:MNVBGKrxo

前スレはこちら

提督「墓場島鎮守府?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1476202236/

時系列的にはここがこのスレ。

【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」【×影牢】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1467129172/
【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」ニコ「その2だよ」【×影牢】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515056068/

上記スレッドの番外編です。

・舞台になっている鎮守府、通称『墓場島鎮守府』の過去の話になります。
 提督の着任から、各艦娘がこの島へ着任するに至った経緯を書いていきます。

・艦娘の殆どが不幸な目に遭っておりますので、そういう話が嫌な方は閉じてください。

・影牢のキャラは出てきません。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1529758293
2 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2018/06/23(土) 21:54:40.41 ID:MNVBGKrxo

舞台の「墓場島」について
 作中の表記は「××国××島」、通称「墓場島」。太平洋上にあるとある無人島、パラオ泊地が一番近いと思われる。
 島の北側には海底火山があり、潮流が強く流れが特殊なため、普通の船舶は近寄れない。
 そのためか深海棲艦も寄り付かず、轟沈した艦娘の亡骸がよく島の北東に流れ着いている。
 島の北部は火山活動によってできた岩場。西側は手つかずの林に包まれ、小さいながら切り立った崖がある。
 島の南から北東にかけては、なだらかな丘陵と砂浜が続いており、島の東側に鎮守府が建てられている。



艦娘以外の主要な登場人物

・提督
 階級は准尉。一般人には見ることすら出来ない妖精と話が出来たせいで
 親からも変人扱いされたため、人間嫌いをこじらせる。結構な不幸体質持ち。

・中佐(前スレ初登場時は少佐)
 戦争は金儲けの道具と考え、中将の威光を傘に暗躍。後に大佐にまで昇進する。
 妖精と会話できる提督の存在に危機感を覚え、離島の鎮守府に封じ込めた。

・中将
 中佐の父親。有能だったらしいが息子が絡むと駄目になるらしい。
 足を悪くしており、本営の自室でデスクワークが日常。

3 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2018/06/23(土) 21:55:49.93 ID:MNVBGKrxo


登場艦娘一覧


如月:試作の新兵器の実験台にされていたところを脱走し大破、島に漂着
不知火:もと少佐の部下。解体前提で如月捜索に駆り出されるが、提督の計らいで中将麾下に
朧、吹雪:捨て艦で轟沈後、島に流れ着く(二人とも別の鎮守府出身)
由良、電:大破進軍で轟沈し、島に流れ着く(同じ鎮守府出身)
神通:慕っていた司令官を謀殺され、その復讐の途中で左遷させられる
大淀:日々の解体任務に疑問を覚えて仕事が手につかなくなり異動してきた
敷波:由良と電の捜索を命じられそのままMIA
明石:提督に帳簿の不正を強いられ、そのまま首犯扱いで雷撃処分
朝潮、霞:提督の不正の内部告発を計画するも逆に犯人扱いされ雷撃処分
暁:信頼していた提督の変貌に錯乱して敵陣特攻し記憶喪失に
初春:捨て艦で轟沈後、暁に助けられ島に漂着
潮、長門:変態の上官に迫られ耐え切れなくなり家出、長門はその護衛
比叡:料理上手なのに認めてもらえずご飯を投げ捨てられて鬱に
古鷹:お人よし過ぎて自分の練度が上がらず観艦式において行かれる
朝雲:観艦式に向かう途中で艦隊を離脱して古鷹を追いかけてきた
利根:司令官の猟奇趣味に巻き込まれ死にかける
ル級:オリョールで毎日毎日潜水艦に小突かれる日々に嫌気がさし脱走
伊8:オリョールに行ったら逃げたル級の代わりの軽巡に轟沈させられる
大和:妖精が提督に内緒で大張り切りで大型建造したら作られた
初雪:艦娘管理ツール使いの提督に昼夜問わずこき使われ失神後漂着

注:ル級は島の北の離れ小島近辺に住んでいます。この鎮守府所属ではありません。
4 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2018/06/23(土) 21:56:40.63 ID:MNVBGKrxo

自分の覚え書きもかねてのテンプレ投下完了。

それでは、本編の続きです。
5 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2018/06/23(土) 21:57:55.73 ID:MNVBGKrxo

 * 鎮守府 艦娘寮 廊下 *

提督「……」

伊8「……」キョロキョロ

初雪「……」サッサッ(←『来てもOK』のハンドサイン)

提督「……」タタタッ

伊8「……」コソコソッ

初雪「ねえ、なんでこんなにコソコソするの」

提督「なんか、どいつもこいつも俺を探してたっぽいからな」

提督「捕まったら絶対ろくでもねえ目に遭って吹雪に謝るタイミングを逃しちまう」

提督「俺が今しなきゃいけねえのは、吹雪に頭を下げることだ。それ以外のことは後回しだ、後回し」

初雪「……そう」

提督「誰かに見つかる前に初雪を見つけられたのは幸運だ。助かったぜ」

初雪「ん……別にいいけど」サッサッ

提督「……」タタタッ
6 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2018/06/23(土) 21:58:33.33 ID:MNVBGKrxo

初雪「ここ。この部屋」ユビサシ

提督「……」

 コンコン

提督「……吹雪」

 シーン…

伊8「いないのかな……」

初雪「ううん、さっきまで部屋にいたし」

提督「ドアは開いてるな……吹雪。入るぞ?」

 シーン…

提督「……入るぞ」チャッ

(提督たちに背を向けて、部屋のベッドに横になっている吹雪)

提督「……」

吹雪「……」チラッ

提督「吹雪」

吹雪「……何をしに来たんですか」ジロリ

提督「謝りに来た。お前の話を聞こうとしなかった、その非礼を詫びたい」ペコリ
7 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2018/06/23(土) 21:59:57.43 ID:MNVBGKrxo

吹雪「……わかりません」ムクッ

吹雪「私には、司令官の考えが理解できません……!」

吹雪「あんなことを言えば、司令官は私たちがどう思うかわかってたんじゃないんですか!?」

吹雪「どうして、司令官は私たちを捨てて、ここを出て行こうとするんですか!」

提督「吹雪、それは違うぞ。俺が捨てたかったのはお前たちじゃない。俺自身だ」ヒザマズキ

吹雪初雪伊8「「!?」」

提督「俺はな。お前みたいに未来のことなんか、最初から考えてなかったんだよ」

吹雪「え……?」

提督「俺は、俺の身の回りの身勝手な人間に、ほとほと愛想が尽きてた」

提督「中佐みたいなくそ野郎の言われるがまま社会から追い出された時も、俺は奴を憎んだし……」

提督「大勢の艦娘が砂浜に流れ着いていたのを見た時や、島に如月が流れ着いてその境遇を知った時なんかは、俺はただただ悔しかった」

提督「艦娘が命を懸けて守ろうとしたのが、あのくそみたいな連中だと思うと……」

提督「俺がそいつらと同じ、人間だってことを思うと、腹立たしいやら嘆かわしいやら、気が狂いそうだった」

吹雪「……」
8 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2018/06/23(土) 22:00:50.20 ID:MNVBGKrxo

提督「俺はそいつらとは違うと思いたかった。そういう事実が恥ずかしくて、逃げたくてたまらなかった」

提督「だから、如月と不知火を助ける時も、最初は捨て身で刺し違えてもいいと思ってた」

提督「平気で誰かを陥れたりするような連中と、俺は違うってことを証明して、そのまま綺麗に終わらせたかったんだ」

吹雪「……それって、死にたかったってことですか」

提督「ああそうだ。殺されたかった、と言うべきか」

提督「身勝手な人間に振り回され、利用されるだけだったお前たちを助けたかったのは確かだ」

提督「俺がまさしくそうだったからな。だからこそ、俺の自己満足のためにお前たちを助けているような気がしてならなかった」

提督「これじゃあ俺が忌み嫌った連中と一緒だろ? 尚更、お前たちと一緒にいられねえ……そう、思わねえか」

吹雪「……如月ちゃんたちにあんなことを言ったのも、そういう考えがあったからですか」

提督「それもあるし、それよりも俺が自分の遺伝子を残したくないって思いもある。俺の親もくそムカつく存在だったからな……」

吹雪「……」

提督「以上が俺の本音だ。間違っても、俺はお前たちのことが嫌いなわけじゃない」

吹雪「……」

提督「とにかく、俺の言い草が吹雪を傷付けていたことに変わりはない。吹雪の望む通りの……」

吹雪「やっぱりバカですよ。司令官は大バカです」

提督「……!」
9 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2018/06/23(土) 22:02:22.13 ID:MNVBGKrxo

吹雪「この期に及んでなお自分を悪く言うんだから、本当に救いようがないです」スクッ

 ペシッ

吹雪「誰かを助けて、良かったと思うのが自己満足だったら、私たちはどうなるんですか」

吹雪「司令官と一緒に、海の平穏を取り戻すために戦ってる私たちの行いは、愚かだって言うんですか」

 ポコッ

吹雪「そんなの誰だって同じじゃないですか。誰だって幸せになりたいんです」ポコッ

提督「……」ポコッ

吹雪「私だって、自分の頑張りを認めて欲しいし、褒めてもらいたいし、可愛がってもらいたい!」

吹雪「みんなと一緒に、喜んで、笑いあいたいんです!」ポコポコ

吹雪「確かに、海に平和を取り戻すのが、私たちの本懐です。でも、そこはゴールじゃないんです!!」

吹雪「私は、平和になったあとの幸せな未来も、みんなと一緒に見たいんです!」

提督「……」

吹雪「誰かのために戦って、報われないことなんかたくさんあります。でも、そんなの、悲しいです。嫌じゃないですか!」グスッ

吹雪「誰かを幸せにしたいって思ってる人が、幸せになれない世界なんて、おかしいです!」

提督「……」
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