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アイアンマン「この魔法の世界に鉄人を!」【このすば×アイアンマン】
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140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/04(水) 17:04:26.73 ID:59CSXpKkO
それ本人大興奮するんじゃね?
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/04(水) 19:46:21.64 ID:CZpPIzc20
>>139
マーク1以外のスーツは多分自動稼働するからそれはないんじゃないか?
例として挙げるならアイアンマン3でペッパーがマーク42装着させられてた後にスーツの機能を全く使いこなせてなかったけど移動は問題なく出来てたし
ただしリアクターが無かったら話は変わるが
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/06(金) 18:58:15.46 ID:VNlirudO0
どうせ全員分のスーツ作るんだろうけど
143 :
◆Ua1M3q7gGI
[sage saga]:2018/07/06(金) 20:09:41.08 ID:JsGZuQym0
だいぶ日が空いてしまいましたが、更新は明日の9時頃を予定しています!
144 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/07(土) 21:10:59.73 ID:jvkR61f+0
......
....
..
.
カズマ「というわけで、これから邪神がこの世界を侵略に来る。トニー、あんたの力が必要になる」
トニー「邪神ねぇ・・・まぁ、前にも倒したし魔王討伐の前座にしてやってもいいか」
アクア「私も協力してあげるわよ?美しき水の女神アクア様が悪しき邪神からこの世界を救ってあげるの!」
ダクネス「・・・?さっき屋敷ではあんなに巻き込まれることを嫌がっていたのに、どうして急にやる気になったんだ?」
アクア「だって私に挨拶もなく神を名乗ってる訳でしょ?だったら、アクシズ教の御神体として力の差ってもんを分からせてやるわ!」
カズマ「縄張りを荒らされたチンピラかお前は」
アクア「それでそれで?一体どんな名前の神な訳?きっと一度も聞いたことが無いようなマイナーな神様に違いないわ!どうイビってやろうかしら!」
カズマ「・・・ロキって名前だ」
145 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/07(土) 21:12:00.87 ID:jvkR61f+0
トニー「」
アクア「・・・」クルッ…
ダッ!
カズマ「あっ!おい逃げんな!!」ガシッ
アクア「いやーっ!離して!!嫌よ!!なんでそんな奴がこんな所までくるのよ!!」
カズマ「お前少しは女神らしいところを見せてみろよ!!死ぬほど不本意だけど邪神なんかの相手ができそうなのってお前くらいなんだよ!!」
バニル「フハハハハハ!!水の女神を名乗っておいて何とみっともない姿よ!所詮は宴会芸の神であったか!!フハハハハハッ!!」
アクア「なんですってこのクソ悪魔!!女神を馬鹿にした罪であんたは今から消されるのでした!!欠片も残さず浄化してあげるわ!『セイクリッド・エクソシズム』!!」
バニル「店主障壁!!」サッ
ウィズ「きゃああああああああっ!!」シュゥゥ…
カズマ「ウィズーッ!!!お前らなんですぐ喧嘩するんだよ!!話が進まねぇからやめろ!」
146 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/07(土) 21:14:42.31 ID:jvkR61f+0
バニル「フン・・・あとで塩を撒いておくとしよう。ところで、そこでアンデッドのような目をして固まっている鋼の鎧にスライムメンタルを持つ男よ」
トニー「・・・それひょっとして僕の事か?」
バニル「他にいるまいて。貴様には、あらゆるものを作る技術がある。もっと攻撃力があり、モンスター相手に使える武器などを作るが吉と出た。一緒に一儲けといかないか?貴様の作る武器によって冒険者の危険も減って一挙両得である」
トニー「・・・引き受けてもいいが・・・必ず守ってほしい条件がある。それは---」
バニル「それは、“自分の作る武器で人を死なせるな”・・・か?安心するが良い、汝の売る武器で人間が死ぬことは絶対に無いと約束しよう。我輩は悪魔である、約束事や契約は絶対に破らん」
バニル「それに、人間は我輩にとって美味しいご飯製造機である。そんな人間達の殺し合いを助長させるようなことなんて我輩がするはずあるまい」
トニー「後半の言葉のほとんどが理解できなかったが・・・約束を守る限りは君に協力する」
バニル「商談成立であるな!では、今後ともウィズ魔道具店をよろしく頼む!フワハハハハハハ!!」
カズマ「平和に商談してる場合じゃないんだけどなぁ・・・」
めぐみん「安心してくださいカズマ。心配いりませんよ、邪神なんて我が爆裂魔法をもって一撃で葬ってあげます」
カズマ「お前本気で心配いりませんとか言ってんの?今までの戦いで心配がいらないような状況が一度でもあったか?勝手に爆発する花火みたいな存在のお前が心配かけない自信があるのか?言ってみ・・・おい!こっち向けコラ!!」
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/07(土) 21:15:40.45 ID:98lHtK3B0
トニーのミサイルの方が攻撃翌力あるぞ
148 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/07(土) 21:16:07.37 ID:jvkR61f+0
バニル「これはただの商談ではない、我輩は先を読んでいるのだ。この鉄男が商売に協力することによって、この先起こるであろう戦いがきっと楽になる」
ダクネス「“きっと”?見通す悪魔を名乗る割に、そんな確信の無いような言い方なんて珍しいな」
バニル「今回は相手が相手だ。我輩とて、すべて見通すことは難しい。だから備えるのだ」
アクア「つっかえないわねぇ!・・・せっかくあんたみたいな木っ端悪魔に出番をくれてやろうと思ったのに、あんたのたった一つの取り柄すら活かせないなんて、存在意義が無いじゃない!プークスクス!私が今ここで消してあげてもいいわよ?」
バニル「おっと、そもそも存在価値がないどころか、いるだけで周囲に迷惑をかけまくっている呪いのアイテムみたいな駄女神にそんなことを言われるとは!貴様こそさっさと消えて周囲の為になるが吉」
アクア「わああああーっ!!今駄女神って言った!!もう本当に消し飛ばしてやるからね!!」
バニル「今日こそ有史以来の決着をつける時!!貴様諸共アクシズ教なんて迷惑集団を解散させてくれるわ!」
トニー「ここは魔法の世界かと思っていたが、ひょっとしたらコントの世界なのか?自称悪魔と自称女神の決着とか言っているが、僕に飛び火するような戦いを始めるなら考えがある」
149 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/07(土) 21:18:54.74 ID:jvkR61f+0
ピキッ…
バニル「・・・貴様は商売相手となったわけだが、それ以外となると別の話である。そして、我輩は人を傷つけないことに定評があるが・・・我輩を自称悪魔と愚弄する男を懲らしめる事に関してなら、それもまた別の話である」
アクア「まだ冒険者にすらなっていない上に、ここに来て早速引きこもった男に自称女神なんて言われたくないわよ!このヒゲニート!!」
トニー「・・・カズマ、そこのドアを開けてくれ」スッ…
カズマ「マジでこの二人の戦いに混じる気は無いよな?人類史上最高クラスの知能を持ってるんだし、さすがにそんな馬鹿な真似はしないよな?」
トニー「いいから、開けろ」
カズマ「はい・・・」ガチャッ…
キィィィィイイン…
カズマ「なんだ?なんか飛ん・・・」
ヒュンッ ヒュヒュンッ
カズマ「おわっ!?」サッ
ジャキッ ヴィーッ カシャカシャカシャ… カシンッ ガッコン カンッ!
ヴゥン… ピピピッ
トニー「さて、馬鹿な真似をするとしようか」キュィィィイ…
150 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/07(土) 21:20:44.52 ID:jvkR61f+0
めぐみん「飛んでくるんですか!?その鎧、飛んでくるんですね!?」キラキラ…
トニー「触ってもいいが、指を挟まれるなよ?」
カズマ「ダクネス、めぐみん、ここから出るぞ。もう付き合いきれねーよ」
ダクネス「あの三人の戦いに巻き込まれたら・・・一体私はどうなってしまうのだろうか・・・/// ハァハァ・・・私は・・・私はここにいりゅ!///」
めぐみん「この私を差し置いて有史以来の決着を名乗るとは片腹痛い!我が爆裂魔法で歴史に新たな一ページを刻んでやるのです!カズマ!見といてくださいね!!」
カズマ「・・・」
カズマ「・・・『潜伏』」フッ…
151 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/07(土) 21:21:39.43 ID:jvkR61f+0
......
....
..
.
カズマの屋敷
ガチャッ…
アクア「ただまー・・・」
カズマ「おっ、早かったじゃないか。有史以来の決着とやらはもう終わったのか?」
アクア「このクソニート!あんた自分だけそそくさと逃げるなんてあんまりじゃないの!?何考えてるのよ!」
カズマ「それはこっちのセリフだ!てめーこそ何考えてやがんだ!!お前の頭の中の脳細胞は常に宴会でもしてんのか!?」
アクア「宴会しか考えていないみたいに言わないでよ!!私だってちゃんと色々考えているんだからね!」
ダクネス「落ち着けアクア。まぁ・・・と言っても、今回は私もいい思いはできなかったが・・・」
152 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/07(土) 21:23:02.01 ID:jvkR61f+0
めぐみん「皆が私を止めるからですよ。止めなければ、新たな歴史が始まったと言うのに」
アクア「爆裂魔法から始まる歴史なんてあってたまる訳ないでしょ!私たちが止めなきゃまとめて吹き飛んでいたのよ!?」
トニー「僕はちょっと見て見たかったから止めるつもりは無かったんだけどな」
カズマ(あー・・・大体わかった。こいつら、大喧嘩しようとしたけどめぐみんが本気で爆裂魔法唱えようとしてたからみんなで慌てて止めたのか)
アクア「・・・で、なんであんたまでいるのよ?」
トニー「そんな目で睨むな。悪かったよ、自称女神呼ばわりして。さっき店の中で見せた光を放つアレ・・・そうだな・・・クリスマスツリーみたいでかっこよかったぞ?」
アクア「私をほめるのに別の神様を祀るものを例えに出すあたり、あんたのねじ曲がった性格が見て取れるわぁ・・・カズマとはまた違ったウザさを感じるわね」
めぐみん「でも確かに、どうしてトニーまで付いてきたのですか?」
カズマ「まぁ・・・同じパーティーになったわけだし、ここに住みたいっていうなら構わないけど・・・」
アクア「えぇー・・・トニーはエリスやソーの悪口で盛り上がった気の合う人だけど、なんだかこの人からはあらゆる女を手籠めにするプレイボーイ的な何かを持っていそうで、身の危険を感じるんですけど」
153 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/07(土) 21:24:12.80 ID:jvkR61f+0
トニー「確かに僕は綺麗な女性は好きだ。でも、中身を際限なく無視できるほど僕は寛容じゃない。ほら、美味しそうな生クリームが乗ったケーキがあったとしても、中身のスポンジも果物も全部腐ってるって分かったら手を付けないだろ?」
アクア「・・・ねぇ、それどういう意味?」
トニー「それに、僕にはすでに心に決めた人がいる。あと、有難い申し出だが僕には自分の家がある、遠慮しておくよ」クルッ…
スタスタ…
ガチャッ
トニー「それじゃ、僕はそろそろ失礼するが・・・ここには何度か来ることになるだろう、パーティーメンバーになったわけだしな、また話を聞かせてくれ。君たちも僕のラボに自由に遊びに来て良い、おもちゃがいっぱいあるぞ?遠慮はするな、パーティーメンバーだからな?」カンッ!
トニー「それじゃ諸君、良い一日を」シュゴゴゴ…
ドシュゥゥゥウッ!!
「「「「・・・」」」」
めぐみん「カッコイイ・・・あの帰り側に兜を閉じるっていうのと、空を飛んで帰っていくってのは良い去り方ですね。トニーは分かっています」
ダクネス「それにしても・・・空を飛べる鎧なんて・・・一体どこで手に入れたのだろうか・・・というか・・・あれ?私たちは何をしにウィズの店まで・・・あっ!」
アクア「どうしたの?ダクネス。変な声上げて」
ダクネス「私の父の呪いの事・・・聞き忘れた・・・」
カズマ・アクア・めぐみん「「「あっ」」」
154 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/07(土) 21:26:35.36 ID:jvkR61f+0
今回はここまでです。次回はもう少し早く書ければいいかな・・・
このすばSSもっと増えろ・・・
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/07(土) 21:52:11.74 ID:VrqDg84So
乙
人類史上最高峰の頭脳を持ちながらこんな人類史上最低クラスに下らないケンカに混ざっていくトニーさんマジ大人気ない
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/11(水) 16:39:48.00 ID:5hiomm9U0
ドクターストレンジは強かったな
157 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/12(木) 22:38:00.03 ID:RxGV+N8D0
......
....
..
.
一週間後 トニーのラボ
トニー「なぁ・・・自由に遊びに来て良いとは言ったが・・・」
アクア「ねぇー!お酒にもっと種類ないのー!?ブランデーもシャンパンも飽きたんですけどー?チューハイとかビールはないんですかー?ねぇ持ってきて!!早く違う種類のお酒持ってき・・・モロロロロ・・・」ビチャビチャ…
トニー「・・・」ハァ…
フライデー『申し訳ありませんが、それらのお酒は置いていません。それと、バケツと雑巾を手配しておきます』
トニー「君が次に飲むべきは水じゃないか?ここのお酒だって限りがあるんだ、毎日通って僕の分の酒まで飲むんじゃない。吐いたものは自分で掃除しとけよ?」
アクア「うぅう・・・ぎもぢわるいよぉ・・・うえぇ・・・」グスッ…
トニー「泣きながら吐く位なら初めから飲むな。水をつかさどる女神を自称する君が、たかがアルコールの入った水に泣かされてたら、君の言う全国二千万だかのアクシズ教徒はきっと失望するぞ?」
アクア「うぅっ・・・言ってくれたわね!もっと飲んで・・・モロロロロ・・・」ビチャビチャ…
トニー「もういい、寝てろ・・・おっと、寝るならうつ伏せにな?おいダミー、そこのゲロ女神に毛布を掛けてやれ。ついでに床の掃除もやっとけ」
ダミー「」キュィッ
アクア「ゲロ女神って・・・ゲロ女神って・・・グスッ・・」
ファサッ…
アクア「毛布・・・?ありがとうダミー・・・私の味方はあなただけよ・・・」
ダミー「」キュイ…
158 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/12(木) 22:39:32.88 ID:RxGV+N8D0
トニー! トニー! コッチニキテクレー!
トニー「あぁ・・・嫌な予感しかしない・・・」スタスタ…
ダクネス「トニー!これ!このデストロイヤーの腕みたいで、せわしなく、かつ強そうに動く金属でできた触手みたいな魔道具について説明してくれ!!」ハァハァ…
トニー「・・・それは工業用アームってやつだ。何に使うかは簡単、見ての通り自動であらゆる装置の作成、分解、点検をやってくれる。バニルに売る便利な装備なんかを今作っているところだ。いいか?間違っても君の性欲を満た・・・」
ダクネス「こ、このあーむとやらをヌメヌメにして、私の鎧と服をはぎ取るように命令することは・・・」
トニー「絶対やらないからな?・・・そんな欲しそうな顔をしても駄目だ!これはあんたの性玩具じゃないんだぞ!どうしてあんたは黙っていれば一番マトモなのにその全てを台無しにして余りあるバカみたいな性癖を持っているんだ!!」
ダクネス「はぅうっ・・・!/// ほ・・・ほめてから落とす・・・だと・・・?悪くない・・・悪くないぞトニー!お前もいいものを持っているな!!」ハァハァ…
トニー「・・・帰ってくれ」
ダクネス「くぅっ・・・/// ・・・うん?トニー、あれはお前の鎧の一部か?」
トニー「あぁ、あれか?その通り、スーツの腕部だ。リパルサーをより効率的に射出できないかどうかを研究している」
159 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/12(木) 22:40:23.96 ID:RxGV+N8D0
ダクネス「私は鎧に関しては一家言あるんだ。ちょっと触らせてくれ」ガチャッ…
トニー「ッ!?おい待て!!」
ダクネス「えっ---」キュィイイインッ
ヴァゥゥゥウンッッ!!
ダクネス「ゴハッ!?」ズガンッ!
ガシャァアアンッ!
トニー「ダクネス!!」ダッ!
トニー(マズイ・・・!ダクネスの吹っ飛び具合から見て間違いなく最高威力のリパルサー・・・!鎧も付けていない状態の今なら、運がよくて内臓破裂・・・悪くて・・・!)
トニー「おい!ダクネス!しっかりしろ!こっちを見るんだ!大丈・・・」
トニー「・・・」
ダクネス「ハァ・・・ハァ・・・い、今のはなんだ・・・?まるで内臓をすべて同時に揺さぶられたかのような・・・!し、新感覚だ・・・!これはすごいぞ・・・!た・・・立てにゃい・・・///」ハァハァ…
トニー「・・・」クルッ…
スタスタ…
ダクネス「ま、待ってくれトニー!今の奴、もう一回やってもいいか!?なぁっ、いいだろう!?」
トニー「・・・好きにしてくれ」スタスタ…
160 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/12(木) 22:41:41.16 ID:RxGV+N8D0
キュィィィン…
ヴァゥゥウンッ!
アァアッ!///
トニー「フライデー・・・頭痛薬あるか?」
『・・・・・』
トニー「・・・フライデー?」
「〜〜〜〜、〜〜〜!!」
「〜〜〜!!〜〜!!」
トニー「・・・またか」スタスタ…
めぐみん「この国の言語や文化についてまだ勉強中のあなたに、親切な魔法使いである私が正しい言葉遣いを教えてあげましょう!」
フライデー『感謝いたします。ですが、あなた方の会話等から既に八十パーセント程の情報収集が・・・』
めぐみん「あんなのはあくまでも日常会話。いざというときの大事な言葉は、日常会話の中には出てきません・・・お分かりでしょうか?」
フライデー『なるほど・・・確かに、あなたの言う通りです』
めぐみん「それでは、まずはちゃんとした自己紹介からです!!あなたの自己紹介を聞かせてください!」
161 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/12(木) 22:42:43.46 ID:RxGV+N8D0
フライデー『はい。私はF.R.I.D.A.Y.と申し・・・』
めぐみん「ちっがいます!!誰がそんなつまらない自己紹介をしろといったのですか!私のような自己紹介が本来の自己紹介なのです!」
トニー「・・・」
めぐみん「ほら!私があなたに自己紹介した時と同じように!ほら!」
フライデー『・・・我が名はF.R.I.D.A.Y. この世界随一の人工知能にして・・・』
トニー「フライデーに変な事を教えるな」
めぐみん「何故止めるんですか!これほどカッコイイ名乗りなんて他にないでしょう!」
トニー(今までの経験から言って、ここで全否定したら彼女はキレるだろう・・・ここは子供に諭すように・・・)
トニー「ハッキリ言って、君の演出は嫌いじゃない。でもな?その名乗りは冷静さが売りなフライデーには合わない。賢い君なら分かるだろ?」
162 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/12(木) 22:43:40.57 ID:RxGV+N8D0
めぐみん「一理ありますね。ならば、冷静さを前に出すカッコイイセリフを私がフライデーに教えてあげようじゃないですか!!」
トニー「だから変な事を教えるな!あんたの頭に影響されてフライデーがおかしくなったらどうしてくれるんだ!!」
めぐみん「それは遠回しに私の頭がおかしいって言いたいんですね!?喧嘩売ってるなら買いますよ!!」
トニー「あぁ、面倒だ・・・!カズマ!この獰猛なモンスターは何とかならないのか!」
「・・・」
トニー「カズマ?」
カズマ「フライデー、世界随一の人工知能を名乗るなら・・・この質問に答えてくれ・・・」
フライデー『はい、なんでしょう?』
カズマ「俺の良いところを十個あげろ」
フライデー『エラーが発生しました』
カズマ「ざけんな!!」ダンッ!
163 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/12(木) 22:44:56.19 ID:RxGV+N8D0
トニー「それはこっちのセリフだ!!フライデーをおもちゃにするな!」
トニー(魔王軍相手に最も打撃を与えた優秀なパーティーだと思っていたら・・・選択を誤ったか?)
ピンポーン
トニー「・・・ピンポーンってなんだ。ここに来客なんて普通あり得ないだろ。フライデー、モニターに映せ」
ヴンッ
クリス『えーっと、は・・・初めまして。カズマって名前の人にここを集合場所に指定されて来たんだけど・・・誰かいる?』
トニー「うん?この子は・・・商談の時にいきなり店に入ってきた・・・」
カズマ「お、クリスだ。トニー、その子は俺が呼んだんだ。入れてやってくれ」
トニー「勝手に決めるな。次からは僕に事前に言え」
カズマ「次からはそうする」
トニー「フライデー、通せ」
164 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/12(木) 22:46:39.86 ID:RxGV+N8D0
......
....
..
.
クリス「おっじゃましまーす・・・うわぁ、すごいなぁここ・・・」キョロキョロ
トニー「お菓子の家だ、自由に見てってくれ。だが一つ警告、手当たり次第に触るのはよせよ?」
クリス「うん・・・それよりも、後ろで青い顔して倒れてるアクアさんと、ひたすら光線みたいなのに吹き飛ばされては恍惚とした顔してるダクネスは・・・」
トニー「それは無視してくれ」
カズマ「トニー、いったん二人きりにしてくれないか?・・・ていうか、なんで急にメガネ付けだしたんだ?」
トニー「ちょっと気になることがあってな・・・さて、顔認証の結果はと・・・」
クリス「えっ」
カズマ「おい、トニーお前まさか・・・」
【顔認証:エリスとの一致度99.9998%】
トニー「・・・」
クリス「・・・」ダラダラ…
トニー「なんでそんな格好してこんなところにいるんだ?エリ---」
クリス「わああああああああああああああ!!!あああああああ!!」ガバッ
165 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/12(木) 22:48:38.95 ID:RxGV+N8D0
......
....
..
.
トニーのラボ 実験室
トニー「ここなら防音だ。何の話をしてもばれないぞ」
クリス「うぅ・・・こうもあっさり見破られてしまうなんて・・・」
カズマ「顔認証って女神相手にも効くんだ・・・」
エリス「なんだか悔しいっ!」
カズマ「まぁまぁ落ち着いてくれ・・・それで、ロキの件でなんか進展があったんだって?」
クリス「・・・うん。あのね、ロキの居場所はまったくつかめなかったから、対抗できそうな神器を見つけてきたんだ」
クリス「ただ、神器は基本封印するか、相応しい人に与えているから・・・使えそうな神器は限られてて・・・」ポリポリ…
トニー「あっ、よく見たらその頬を掻く癖でも判別できるな」
クリス「もうやめてよぉ!!」ワッ
166 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/12(木) 22:49:48.52 ID:RxGV+N8D0
カズマ「トニー、お頭をからかったときの反応が可愛いのは俺もよくわかっているけど、さすがに今はやめてやれよ。真面目な話してんだから」
トニー「悪かったよ、ついうっかり。君はからかい甲斐があってね」
クリス「も、もう!話続けるからね!それで、一つキミに渡せそうな神器があったから今度持ってきてあげる」
カズマ「マジか!あんな駄女神じゃなくてちゃんとした本物の神器が使えるのか!テンション上がってきた!」
クリス「それとね、ダクネスに渡せそうな神器が二つあって、片方はもう手に入ってるんだけど・・・もう一つは場所がわかっているだけで、悪徳貴族の手の中のままなんだ」
カズマ「ってことは・・・」
クリス「うん、アレだよ助手君」
167 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/12(木) 22:51:32.48 ID:RxGV+N8D0
トニー「僕にも分かるように言ってくれないか?場合によっては協力する」
クリス「うーん・・・確かに、トニーがいると色々便利そうかも・・・」
トニー「話から察するに、君達でロキと戦えそうな装備を悪徳貴族が持っているから、それを何とかして手に入れるってことで合っているかな?」
クリス「その通り!」
トニー「で、どうやって手に入れるつもりなんだ?」
カズマ「俺達、仮面盗賊団が華麗に盗むのさ」
クリス「銀髪盗賊団だってば!」
トニー「悪徳貴族から正義のために武器を盗み出す・・・か、良いじゃないか。協力するよ」
クリス「よかった!まぁ、武器というか鎧なんだけどね。ほら、助手君覚えてる?前言ってた聖鎧アイギス。明日の夜にあれを取りに行くよ!」
カズマ「了解ですお頭。トニー、さっそく下っ端となったトニーに作ってもらいたいものがある」
トニー「フッ、下っ端ねぇ・・・明日で僕が昇進して一気にリーダーになるさ。それで?そんな下っ端君に何を作ってほしいって?」
168 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/12(木) 22:52:43.00 ID:RxGV+N8D0
今回はここまでとなります。次回、アイギス VS 銀髪盗賊団
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/13(金) 07:22:37.16 ID:ZxpSnBAVo
アクア達フリーダムすぎて笑う
もう少しで堪忍袋の緒が切れてたなこれ
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/13(金) 08:28:05.32 ID:PAGkyzJ40
ロキ並みに頑丈だなダクネス
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/13(金) 17:23:29.48 ID:PAGkyzJ40
カズマ「俺の良いところを十個あげろ」
フライデー『エラーが発生しました』
面白すぎる
172 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/13(金) 18:06:54.22 ID:66r1+x1yo
濡れ場展開はマダ〜〜
貧乳ならトニーの守備範囲だと思うが?
173 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/16(月) 21:18:30.98 ID:9QvXAFMa0
......
....
..
.
翌日 深夜
クリス「おっ、来たね。助手君その二」
トニー「他の呼び方は無いのか?」
カズマ「下っ端でどうだ?」
トニー「・・・地球を二度も救った僕が今じゃ盗賊団の下っ端呼ばわりか・・・まぁ・・・皮肉とはいえ、自分でそう名乗った手前それで妥協するか・・・」
カズマ「少なくとも、今のあんたの見た目は下っ端そのものだぞ。なんだよ、パーカーにサングラスにスカーフ・・・下は・・・ジーンズ?」
トニー「服が無くてね。それに、スーツを着て動き回ろうものなら自分の名前を叫びながら回るのと大して変わらないだろ?」
カズマ「確かにそうだけど・・・いいのか?スーツ脱いだトニーって一体何の役に・・・ご、ごめんなさい!そんな顔しないでくれ!!」
クリス「もー、駄目だよ?人が気にしてることを言ったら。キミはそういう所を何とかするべきだよ」
トニー「別に気にしてないさ。幸運と小賢しさを取ったら何も残らないどこかの子供同じく、僕もスーツを脱いだら天才、金持ち、プレイボーイで博愛主義者程度しか残らない」
174 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/16(月) 21:19:59.34 ID:9QvXAFMa0
クリス「うわぁ・・・トニーもカズマ君に負けず劣らず凄い口してるねぇ・・・」
カズマ「おい!俺は謝ったってのに嫌味を言いやがって、どっちが子供だ!!またあんたのスーツからリアクターだけ引っこ抜いてやってもいいんだからな!次はトイレに捨ててやろうか!!」
カズマ(誰も思いつかないような発明品を作ったり、バニルとの取引で既に俺以上の財を築き始めたりするこいつの嫌味は・・・最高に腹立つ!!)
トニー「いいのか?そんな口利いて。予備電源を作るか、スーツから外れた瞬間にリアクターが爆発するように改造すれば解決だ」
カズマ「前者はともかく後者は俺死ぬだろ!?はぁ・・・喧嘩してちゃ話が進まない。お頭、ターゲットの神器はアンダインっていう貴族が持ってるんだろ?だったら、ダクネスに頼んで融通利かせてもらうってのはどうなんだ?」
クリス「それは無理だよ。非合法な手を使っても欲しいものを手に入れるって有名な貴族なんだから、はぐらかされてお終いだね」
トニー「ったく、貴族なんてものは歴史的に見てもロクなもんじゃない」
カズマ「ほんとだよ」
175 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/16(月) 21:21:06.51 ID:9QvXAFMa0
クリス「まぁまぁ・・・愚痴を言っても始まらないし、トニーが作ってくれた発明品を見せてもらおうよ」
トニー「そういうことなら・・・ほら、まずは暗視ゴーグルだ」ゴトッ…
クリス「えぇ・・・予想してたものより遥かにド凄いものが出てきたんだけど・・・なんというかこう・・・世界観を壊さない程度にハイテクなものが出てくるかと思ったのに・・・フックショットとか・・・」
カズマ「さっそくファンタジーをぶっ壊してきたな・・・まぁ、千里眼の暗視が使える魔道具だと思えば・・・」
トニー「お次はコレ、変声機。直前に録音した人間の声を真似する」
カズマ「おぉっ!それはとてもいいものだ!アクアの支援がいらなくなるな!」
クリス「す、すごいけどちょっと待って。これ一日で作ってきたの!?」
トニー「正確には五時間」
クリス「ひぇぇ〜・・・」
176 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/16(月) 21:22:02.00 ID:9QvXAFMa0
トニー「もともとあった使えそうなパーツを組み合わせて作っただけだ。そんな大したことじゃない。まだまだあるぞ、麻酔銃にスタンガン、スモーク・スタングレネード、オートガラスサークルカッター・・・こんなものかな?一日しかなかったから大して用意できなかったが・・・」
クリス「良いじゃん良いじゃん!すごく盗賊団っぽいよ!」
カズマ「強盗団用のアイテムなんじゃ・・・」
クリス「よし、アイテムもそろったことだしさっそく行こ---」
ザッ…
「行かせないよ」
「「「!?」」」
カズマ「お頭!敵感知に反応です!くそっ、これでも食らえ!」シュルッ…
カズマ「『バインド』ッッ!!」ヒュンッ
177 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/16(月) 21:22:54.18 ID:9QvXAFMa0
ズバンッ!
カズマ「・・・は?」
カズマ(俺のワイヤーを切った・・・?嘘だろ!?特注の鋼鉄製ワイヤーだぞ!?そんな簡単に切れるわけが・・・!)
カズマ「・・・って、そうだよな。その剣だったら・・・鋼鉄製でも切れるに決まってる」
?「やっぱり、君はあの時王都であった賊みたいだね。僕の事は覚えてくれているかな?」
カズマ「・・・俺に瞬殺された、魔剣のカツラギ」
ミツルギ「ミツルギだ!!誰だカツラギって!戦った相手の名前くらい覚えておいてくれ!」
カズマ「でも瞬殺だったしなぁ・・・瞬殺だったから記憶に残ってないわ」
ミツルギ「し、瞬殺瞬殺とうるさいよ・・・」
カズマ「わざわざ王都から追ってきたのか?」
178 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/16(月) 21:24:03.67 ID:9QvXAFMa0
ミツルギ「アクセルで人類最高クラスの知力を持った人が現れたと聞いてね。それほどの知力、おそらく紅魔族以上の魔法職に違いないだろう。僕のパーティーはソードマスターの僕に、ランサーとアーチャーが一人ずつ。もう一人後衛職が欲しいと思い始めて、ここまで誘いに来たんだ」
トニー「・・・」
カズマ「・・・プッ」
ミツルギ「でも、一日中探しても見つからなくってね・・・宿に帰る途中、茂みの中から気配を感じて、探ってみれば・・・」
カズマ「お、お頭!潜伏スキルを使っていたはずなんじゃ・・・?」ヒソヒソ…
クリス「使っていたよ!でもどうして・・・」ヒソヒソ…
トニー「・・・?」
クリス「・・・助手君、キミは下っ端君に触れて潜伏してたんじゃないの?」ヒソヒソ…
カズマ「え?お頭が下っ端に潜伏スキルを使ってたんじゃ・・・?」ヒソヒソ…
179 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/16(月) 21:25:02.39 ID:9QvXAFMa0
クリス・カズマ「「・・・」」
クリス・カズマ「「しまった!!」」
ミツルギ「何が“しまった”なのかは知らないが、盗賊なのに気配を悟らせるとは不用心だな。油断してたのかい?それとも僕を罠にハメるつもりだったのかな?」
カズマ「ゆ、油断?何のことだ?これは・・・余裕というもんだ」キリッ
クリス「有名なセリフを言ってる場合じゃないよ!!あぁ・・・アイテムの確認に夢中になりすぎた・・・!」
ミツルギ「なんだかよくわからないが・・・王都のリベンジをさせてもらうよ・・・!」チャキッ…
カズマ(や、やべぇ・・・どうしよう。勝てるヴィジョンが浮かばない・・・)
クリス「どうする?助手君。逃げるだけならできると思うけど」
カズマ「下っ端がいるからちょっとキツいと思います。何とか隙を付いて逃げることができれば・・・」
180 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/16(月) 21:26:23.90 ID:9QvXAFMa0
ミツルギ「・・・」ジリッ…
クリス「そんな隙、見せてくれそうもないけど・・・」
トニー「・・・」スッ…
クリス「し、下っ端君!?危ないよ!?」
トニー「こういうのはまず下っ端から戦うのが定石じゃないのか?」
クリス「一体どう戦うつもりなのさ!?危ないから下がってて!」
トニー「大丈夫、ちゃんと策は考えてある」ジャキッ…
ミツルギ「君は見たことがないな・・・新人か?というか、君の着ている服はパーカーにジーンズ・・・?」
トニー「そうだな・・・剣士同士の決闘風に言うんだとしたら・・・其方が纏いし鎧は、コスプレショップで揃えたものか?」
ミツルギ「これはコスプレじゃない!ふざけた男だ・・・!」
181 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/16(月) 21:28:06.28 ID:9QvXAFMa0
トニー「まずは小手調べ」プシュッ プシュプシュッ
ミツルギ「っ!」キンッ キキンッ
トニー「へぇ、この闇夜の中で飛んでくる弾を弾くか・・・」
ミツルギ(なんだ今のは・・・?銃か?)
トニー(麻酔銃は当てられない。だったら・・・)ピンッ
ポイッ
コロコロ…
ミツルギ「・・・?これは・・・?」
ボシュゥゥウウッ!
ミツルギ「ッ!?」
ミツルギ(煙幕!?彼が持っている魔道具は一体何なんだ?)
182 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/16(月) 21:29:44.38 ID:9QvXAFMa0
トニー「フライデー、サングラスモードからサーマルスコープモードに切り替えろ」ピピピッ
シュゥゥゥゥ…
ミツルギ「・・・何も見えない・・・逃げたか?」
トニー(丸見えだ・・・)チャキッ
プシュッ
ミツルギ「うっ!?」プスッ
ミツルギ「ま、麻酔銃・・・?この煙越しに・・・?」
ミツルギ(本当になんなんだ!あの男の魔道具は!?やけに近代的だ!)
トニー「・・・おかしいな。人間相手ならすぐさま倒れるはずだが・・・」
クリス「多分、高レベルの冒険者だからある程度耐性があるんだと思う」
トニー「状態異常耐性ってやつか・・・本に載ってたな・・・面倒だ。プランBにしよう」
183 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/16(月) 21:30:41.70 ID:9QvXAFMa0
クリス「プランBって?」
トニー「もうすぐ“来る”」
カズマ「・・・?なんでもいいけど、早くしてくれ!もう煙幕も晴れてるぞ!」
ミツルギ「油断はしてなかったけど・・・下っ端だと甘く見ていたようだ・・・」ユラッ…
ミツルギ「一撃で決めさせてもらうよ。安心してくれ、命までは取らない」ブンッ
キィィィィィィイン…
ミツルギ「・・・?何の音だ?」
ヒュンッ ガキンッ!
ミツルギ「うぐっ!?な、なんだこれは!?取れない・・・!」グググ…
184 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/16(月) 21:31:23.90 ID:9QvXAFMa0
カズマ「お、おい・・・ミツルギの頭についてるあれって・・・!」
トニー「あぁ、僕のスーツの頭部だ」
ミツルギ「ま、前が見えない・・・!」
カズマ「えっと・・・どうするんだ?これ?この隙にボコボコに・・・」
クリス「いやいや!あたしのバインドで縛ればいいだけでしょ!そこまでしなくても・・・」
トニー「君達は貴族の城で使う分の魔力を残しておけ、コイツは僕一人で無力化する。ほら、下っ端に任せてくれよ?」
クリス「そ、そういうことなら・・・でも、本当にどうするの?」
トニー「こうする。フライデー、ミュージックスタート」
185 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/16(月) 21:32:14.84 ID:9QvXAFMa0
https://youtu.be/Sp3yO7jVzn4
186 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/16(月) 21:33:47.94 ID:9QvXAFMa0
「「「!?」」」
ミツルギ「あぐッ!?ぐああああああ!!耳があああああ!!!」ゴロゴロ…
カズマ「うわぁ・・・あれはキツい。なぁ、音楽がここまで聞こえてくるんだけど、あれって兜の中はどうなってるんだ?」
ミツルギ「あああああああっ!!!鼓膜がぁぁあああ!!!」
トニー「うーん、多分ライブ会場をそのままあの中に閉じ込めたって感じだろうか。まぁ、鼓膜はギリギリ破れないだろ」
ミツルギ「頭がくだけるううううう!!止めてくれええええ!!!」
クリス「さすがにドン引きだよ・・・ねぇ、早く楽にしてあげて・・・」
トニー「そうだな。これ以上苦しめる意味もないか」
カズマ「へいへーい!魔剣使いさんよー!とうとうあんたは下っ端にも瞬殺されちまったなぁ!!ねぇ、今どんな気持ち?下っ端にすら手も足も出せずにどんな気持ち?」ゲシッ
ミツルギ「あふっ」ビクンッ
187 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/16(月) 21:34:21.29 ID:9QvXAFMa0
クリス「助手君!!君にはもっとドン引きだよ!!!」
トニー「さすがにそれは・・・僕も引く・・・ほら、さっさと楽にしてやろう」チャキッ
プシュッ プシュッ プシュプシュプシュッ
ミツルギ「うぅ・・・」ガクッ…
トニー「これだけ打ち込んだらさすがに眠るか・・・この世界に合わせて麻酔液の濃度を変える必要がありそうだな」
カズマ「マツラギはどうする?気絶してるうちに頭だけ残して地面に埋めようぜ」
トニー「縛るものもないし、それがいいな」
クリス「なんだろう・・・あたしたちは義賊のはずなのに・・・すごい悪党になった気分」
188 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/16(月) 21:39:04.97 ID:9QvXAFMa0
中途半端ですが今回はここまで
アベンジャーズ・インフィニティウォーのDVDが9月5日に発売されますね!待ちきれません
189 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/17(火) 00:48:32.14 ID:uZg6wjGn0
乙
トニーが加わって性質悪くなりすぎで草
190 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/17(火) 08:42:20.33 ID:J4eP9e8LO
乙
お互いがお互いの凶悪さにドン引きしてるの本当笑う
お前ら性質の悪さは五十歩百歩だからね?
191 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/17(火) 20:05:06.43 ID:JfI9+3s60
耐性あっても麻酔銃撃ちこまれまくったら中毒になりそう
192 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/17(火) 22:17:38.25 ID:Hm/IZJUmO
まあ金さえ積めば解毒できるでしょこの世界なら
193 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/17(火) 23:19:38.12 ID:uZg6wjGn0
金なんて積むまでもない、アクアに治してもらえば一発よ
死んでも蘇生出来るしな
194 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/17(火) 23:48:31.80 ID:JfI9+3s60
アクアはすげぇよ、マーベルでも死者蘇生が可能なキャラなんて
195 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/19(木) 21:18:09.35 ID:r4DJ5Xvc0
http://youtu.be/Sp3yO7jVzn4
196 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/22(日) 21:14:31.48 ID:9XRFWNmQ0
......
....
..
.
トニー「よし、こんなものか」パンパン
クリス「本当に埋めるとは思ってなかったよ」
トニー「大丈夫だ。街道に近いところまで引っ張って来たし、このマツリギとかいう男が助けを呼んだら誰かが気が付くだろう」
クリス「そういう問題じゃないからね!?」
カズマ「用心に越したことはありませんよ、お頭。石橋は渡らずに叩き壊し、隣に新しい橋を建設するくらいでないと」
トニー「僕なら橋の上を飛んで、下にある橋を爆撃してふっとばす」
クリス「キミたちの野良猫並みの用心深さはよくわかったから・・・それより、これからどうするの?もう数時間もしたら朝になっちゃうけど」
カズマ「むしろ今から行くのがちょうどいい位ですよ。人間、この時間帯の方が深く眠ってて起きにくいもんです。俺が日本で家族と暮らしてた時は、このくらいの時間に飯を取りに下りるのがベストでした」
トニー「だな。僕もペッパーが起きないようにこのくらいの時間にスーツを作ってたもんだ」
クリス「き、気が合うんだね・・・あのさ、最後に聞くんだけど、この人に何の恨みもないんだよね?えげつない方法で倒したり、蹴ったり埋めたりしたけど・・・」
トニー・カズマ「「あの白い歯にパンチしたかった」」
クリス「もう・・・なにも言わないよ・・・」
197 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/22(日) 21:15:10.37 ID:9XRFWNmQ0
......
....
..
.
アンダイン邸
カズマ「さて、どこから侵入しようか」
トニー「どこからでも大丈夫そうだ。この屋敷に見回りはいない」
カズマ「ふっ、俺達はプロだぞ?いきなり屋敷内に人がいないと決めつけて見つかったらどうするんだ?ここはプロである俺たちの意見を聞くべきだ」
クリス「そうだよ下っ端君。君は確かに世界を救ったヒーローだけど、こういうことは慣れてないでしょ?」
トニー「その一、スーツをここから上空千メートルに待機させてこの屋敷を赤外線スキャンしたから屋敷内に見回りがいないのは分かっている。その二、僕はスーツ無しで敵の屋敷に侵入したことがある」
クリス「・・・ほ、ほら・・・あんまり機械に頼りすぎるのも良くないでしょ?」
カズマ「そうだよ・・・プロの直感とか大事だろ?で、でも・・・便利になるのは良い事だし、下っ端の顔を立てる為にもその言葉を信じて屋敷に突入し・・・その胡散臭いものを見る顔はなんだよ!!」
トニー「・・・入るぞ?窓は僕が開ける」キキキ…
キンッ
トニー「ほら、開いたぞ。ささっと盗ってしまおう」
クリス「そのガラスサークルカッターなんだけどさ・・・」
トニー「わかってる。君にあげるよ」
クリス「やった!」
198 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/22(日) 21:17:32.57 ID:9XRFWNmQ0
......
....
..
.
アンダイン邸 内部
カズマ「お頭、いちいちお宝の前で止まらないでくださいよ。目的は神器ですよ」
クリス「それは良くわかってるんだけど・・・目の前にお宝があるとついつい・・・これ一つで貧しい子供たちがどれだけ助かるんだろうって・・・」
トニー「その姿でも君は女神様って訳か」
クリス「お、おぉ・・・///そういきなり褒められると反応に困るよ・・・でも、下っ端君も元の世界では寄付とかしてたでしょ?」
トニー「・・・破壊兵器を売ったお金でな」
クリス「っ!ご、ごめん!」
199 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/22(日) 21:18:26.08 ID:9XRFWNmQ0
トニー「気にしてないさ。もう武器商人じゃないしな・・・いや、人同士の争いに使われないようにする事を条件にしているとはいえ、また武器を売ってるし、僕は同じことを繰り返しているのか・・・?」
クリス「そ、そんなことないよ。ちゃんと罪悪感の元、もう同じことが起こらないように努力しているんでしょ?」
クリス「確かに、たくさんの破壊兵器を作ったのかもしれない。でも、戦争はあなたが作った物ではないのですよ」ニコッ
トニー「・・・神に懺悔したつもりじゃなかったんだが・・・ありがとう、気が楽になったよ」
クリス「んもー、一言余計だなぁ」
カズマ「お頭、俺って今はまだしゃべるべきではないですよね?」
クリス「うん。台無しだよ助手君」
トニー「湿っぽいのは君達には合わないだろ、それでいい。さて、そうこうしてるうちに宝物庫についたわけだが・・・」
クリス「ちょっと待ってね・・・うん、やっぱり罠がある。解除するからちょっとまってね」カチャカチャ…
カズマ(・・・?宝物庫から妙な気配がする・・・人でもモンスターでもない・・・)
200 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/22(日) 21:19:46.61 ID:9XRFWNmQ0
カチッ
クリス「よし、開いた!さぁ入ろう!」
カズマ「待ってくださいお頭、この中に・・・」
ガチャッ
クリス「・・・どうしたの助手君?」
カズマ「あれっ?」
トニー「Wow・・・これはすごいな、宝の山だ。カズマ、なんかあったのか?」
カズマ「いや・・・なんか妙な反応を感じたんだけど・・・うーん、勘違いかな?」
クリス「おぉっ、助手君見て見て!これとかすごい値打ちものだよ!」
カズマ「ひゅーっ!こいつぁすげぇ!!たんまりありますぜ!!」
トニー「・・・なぁ、鎧はどこにあるんだ?」
201 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/22(日) 21:21:06.96 ID:9XRFWNmQ0
クリス「えっ!?本当だ!鎧が無い!でも、神器級のお宝の気配はするんだけどなぁ・・・」
トニー「スーツのスキャンによると、ここに隣接した部屋がもう一つあるはずだが・・・」
カズマ「なるほど・・・隠し扉出てこい、隠し扉出てこい・・・」ペタペタ
ボコッ…
ズズズ…
カズマ「イェーイ」
トニー「へぇ、やるなカズマ」
カズマ「カズマ先輩と呼べ」
クリス「アホな事やってないで、アイギスを回収するよ」
トニー「・・・これが伝説の鎧ってやつか。鎖でがんじがらめにされていかにもって感じだ」
クリス「うん。これこそが聖鎧アイギス。この世で最も頑強で、身に着ける者に勝利をもたらす神器だよ。どんな戦いにも負けなかった無敵の鎧・・・ご主人様が病で亡くなる最期まで、よく頑張ったね・・・」スッ…
カズマ(本物の女神様だ・・・)
《おい坊主、気安く触ってんじゃねぇよ》
202 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/22(日) 21:22:07.57 ID:9XRFWNmQ0
クリス「えっ・・・坊主・・・?それってあたしの事!?というか、アイギスって喋れるの!?」
カズマ「鎧が・・・喋った・・・?」
トニー(驚くべき光景なんだろうが、なんでだろう。見慣れてる気がする)
アイギス《なんだよ?坊主じゃねぇのか?ならもうちょっとだけ触っていいぞ。俺の名はアイギス。三人共初めましてかな?喋って歌えるハイブリッドなアイギスさんとは俺の事よ!!チョリース》
トニー「こんなのが・・・伝説の防具?」
クリス「正直喋るだなんて思っていなかったから・・・驚いたけど・・・とりあえず話があるんだ、アイギス」
アイギス《アイギスさんって呼べよ小僧》
クリス「小僧じゃないよ!なんなのこの神器!?なんでそんな態度がデカいのさ!?」
トニー「おい無機物、あんたはただの鎧だろ?つべこべ言わず、僕たちについてきて役目を果たせ」
アイギス《なんだこのおっさん?無敵の鎧の俺に向かってずいぶんな態度じゃねぇか?ん?俺は神器オブ神器だよ?お前が普段着ている鎧なんて鉄屑と思えるほどのな!》
トニー「僕はあんたよりもっと価値があって使える鎧を持っているし、作れもする。黙って付いてくるか、ここでスクラップにされて向こうで修理してもらうか選べ、ブリキ野郎」
203 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/22(日) 21:23:06.91 ID:9XRFWNmQ0
アイギス《ぷっちーん、アイギス切れちゃった。上等だよクソジジイ!年寄りだからって容赦しねぇからな!!》
アイギス《いいか!?俺は神器だ!喋るだけの防具じゃないんだぜ!?俺は自分の意思で動ける!この全身鎧の俺がお前みたいなおっさんに殴り掛かったらどうなるだろうなぁ!?》
クリス「ちょっと落ち着いて!ねぇ、アイギスも頼むから話を聞いて!キミの力が必要なの!」
アイギス《うるせぇド貧乳!顔が良いからってなんでも頼み事聞いてもらえるなんて思い上がってたの?自惚れもいいところですなぁ!常識と魅力的な巨乳を付けてから再挑戦してね!!というわけで引っ込んでな!その胸のようによぉ!!》
クリス「なにおおおおお!!」ガンガン
アイギス《おーっと、胸は出てなくても手はでるんですね?でもそんなパンチじゃマイボデーには傷も付きませーん!》
クリス「きーっ!」
アイギス《そんなヘナチョコパンチは効きもしないが、黙って殴られる俺じゃねぇ。おい、そこの変な仮面した小僧、俺の鎖を解け。いまからこの二人に神器ってもんを見せてやるからよ》
204 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/22(日) 21:23:57.24 ID:9XRFWNmQ0
カズマ「え、やだよ。なんでお前の有利になりそうな状況を作ってやらなきゃならないの?お前無機物のくせにガタガタうるせぇんだよ!下っ端、こいつの体に刃物かなんかで口じゃ言えないような絵を彫ってやろうぜ」
トニー「良いアイディアだな、先輩。宝物庫の中に切れ味が良さそうなダガーがあったはずだ。表面を削って絵を描く位ならできるだろう」
アイギス《お、おい!動けない相手に何をする気なんだよ!?》
カズマ「お前の胴体部分に卑猥なものをいっぱい彫ってやる。大人のジョークグッズみたいな見た目にしてやるよ」
トニー「僕は四肢と頭部に世界各国の言葉で“ガラクタです”って文字を掘ってやる。これであんたは今後どこへ行っても一目でガラクタって分かるわけだ。良かったな?自己紹介する手間が省けるぞ?」
アイギス《いやあああ!いやだあああああ!!やめてくれええええ!!》
クリス「ねぇ・・・今回の目的分かってる?さっきまで喧嘩してたあたしが言うことじゃないけど、さっきからキミ達にはドン引きしてばかりだよ・・・」
トニー・カズマ「「こいつよりはマシ」」
205 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/22(日) 21:26:28.05 ID:9XRFWNmQ0
クリス「どっちも最低だよ!?神器に何てことしようとしてるのさ!?」
アイギス《お前ら一体何なんだよ!?何が目的なんだ!?というか、どうしてこれだけ騒いでも誰も来ねぇんだよ!助けてーっ!人さらいー!!》
カズマ「バカッ!デカい声出すんじゃねぇ!・・・って、あれ?確かに警報もならなければ警備の声も聞こえない・・・どうなってるんだ?」
アイギス《者ども出会え出会えーっ!!》
「・・・」
アイギス《本当にどうなってやがんだ!!おい、何しやがった!》
トニー「ハッ、見た目通り頭の中はからっぽみたいだな。僕はこの世界随一の知力持つと言われている男だぞ。あんたが喋り始めた時点でこうなることを予測して、上空で待機してた僕のスーツが煙突を通してこの屋敷内部に催眠ガスを充満させてある」
カズマ「おい!脱出するときどうするんだよ!この部屋にもガスが来るんじゃねぇのか!?」
トニー「出るときに息を止め、その間に窓から抜け出せば問題ない。そしてこの部屋は宝物庫だ、分厚い扉にこの隠し扉、ここまでガスは来ない」
206 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/22(日) 21:27:20.52 ID:9XRFWNmQ0
カズマ「だってさアイギス。今のお前にできることは誰にも届かない叫び声を上げ続ける程度だよ!ふははははは!!!神器が聞いてあきれるぜぇー!」
アイギス《いやああああああ!!誰かたすけてええええ!!》
クリス「二人共ちょっと静かにしてて!あたしが話をつけるから!」
アイギス《お嬢ちゃん!さっきは貧乳とか言って悪かった!!助けてくれ!あいつらイカれてる!》
クリス「あ、あのねアイギス・・・あたしたちはキミの力を借りに来たんだ」
アイギス《俺の力を・・・?えっとさ、つまりそれってあんさんが俺の中に入って一つになりたいってこと?》
クリス「言い方がなんか変だし、そういう意味でもないよ。あなたに相応しい人に着てもらう。今この世界には恐ろしい敵が来ていて、キミのような強力な力を持った神器が必要なんだ!」
クリス「今こうしている間にも、世界滅亡にまた一歩と近付いているかもしれない。そしてアイギスは、それを止めるために存在する唯一無二の存在。ねぇ、アイギスお願い。あたしの言うことを聞いてくれない?」
アイギス《えー・・・なんだかそれっぽい事言ってるけど、要するに鎧として持ち主を守れってことだろ?嫌だよそんなん。鎧だって叩かれたら痛いし、このピカピカボディは傷つけたくない》
アイギス《大体、その持ち主って言うのは俺のお眼鏡にかなうようなヤツなのか?》
クリス「うん。正義感と勇気のあるヒーローみたいな人に・・・」
207 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/22(日) 21:28:19.59 ID:9XRFWNmQ0
アイギス《ちっげーよ、中身なんてどーでもいい。見た目だ見た目!巨乳で可愛い系がいいなぁ。スレンダー系も嫌いじゃないよ!もちろんガキはNG、鎧の中は薄着で頼むわ。あ、職は剣士ね。前のご主人も剣士だったし》
トニー「なぁ・・・こいつは海の底にでも沈めておかないか?鎧ならこんな奴よりもっといいのを僕がつくってやるよ」
クリス「気持ちは分かるけど、これでも神器だから・・・我慢しなくちゃいけないんだ」
カズマ「お前は鎧だろうが。選り好みしてないで働けよ」
アイギス《鎧にも選ぶ権利はあるとおもうんだ》
トニー「美人・・・か」
カズマ「そんなに考えなくてもいいだろ。もう問答無用で連れていっちまおうぜ?」
アイギス《なぁ、頼むよ・・・俺の元ご主人が病で死んじまって、俺なんだかんだで寂しいんだぜ?心の穴を埋めさせてくれよ・・・》
クリス「アイギス・・・」
カズマ「な、なんだか少しかわいそうになってきた。お頭、なんか手は無いんですか?」
クリス「う、うーん・・・」ポリポリ…
208 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/22(日) 21:29:05.97 ID:9XRFWNmQ0
トニー「・・・」ゴソゴソ…
カズマ「・・・?おい、トニー何やってるんだ?」ヒソヒソ…
トニー「実はアクアに小さくされたホログラム発生装置を持ってきてたんだ。万が一見つかったときの対策としてな」ヒソヒソ…
カズマ「まさか・・・」
トニー「そういうこと」
クリス「何が“そういうこと”なの?」
トニー「アイギス、君にとっておきの美人を紹介しよう」ピッ ピピッ
アイギス《・・・?》
トニー「力を貸してくれ、ペッパー」カチャッ
ヴンッ…
209 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/22(日) 21:31:35.82 ID:9XRFWNmQ0
ペッパー『初めまして、アイギス。私はヴァージニア・ポッツ。ペッパーでも構わないわよ?』
アイギス《へいへーい、ドチャクソ美人さんじゃないですかぁ!》
クリス「トニー、一体どうやってるの?」ヒソヒソ…
トニー「彼女はペッパー、僕の恋人兼社長をしている。そして、僕のラボのデータバンクにはペッパーの映像記録が山ほどある。それを利用してペッパーの姿をホログラムで、声は変声機を応用してフライデーに喋らせている」ヒソヒソ…
カズマ「なんという科学の力技・・・」
アイギス《どういった魔法かは知らないけど、キミとは話せるんだね?ペッパー》
ペッパー『もちろんよ。なにから話す?』
アイギス《じゃぁスリーサイズから・・・》
トニー「おい」
210 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/22(日) 21:43:43.35 ID:9XRFWNmQ0
>>209
ペッパー
本名:ヴァージニア・ポッツ
ペッパーというあだ名の由来は顔のそばかすが胡椒(ペッパー)みたいとトニーが言ったことから
元々はトニーの秘書だったがアイアンマン2でトニーの跡を継いで社長に就任
頭脳明晰で美貌もあり、行動力も持っている。トニーとは交際しており、トニーにとってなくてはならない存在となっている
しかし、シビルウォーではその仲はあることが理由ですっかり冷え切ってしまっていた
そして、スパイダーマン・ホームカミングでは・・・
ちなみに、ペッパーを演じているグウィネス・パルトロウさんは2013年にアメリカで最も美しい人ランキング1位を取っている
https://imgur.com/a/BapRLoe
美っっ人
211 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/22(日) 21:45:10.39 ID:9XRFWNmQ0
ペッパー『それはもっと親密になったから教えてあげるわ?』
アイギス《アイギス、ペッパーと親密になりたいなぁ!!実際の君に会いたいよ!!》
カズマ「キャラがブレまくってんぞコイツ」
クリス「しっ!」
ペッパー『もちろん、私も会いたいわ。来てくれる?』
アイギス《よろこんで!おい、お前ら!案内してくれ!ぼく、ペッパーに会う約束取り付けちゃったからさ!》
カズマ「さっきの同情を本当に返して欲しい」
トニー「うまく行ったみたいだが・・・なんだかとても複雑な心境だ・・・」
212 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/22(日) 21:48:38.74 ID:9XRFWNmQ0
今回はここまです
出番が少ないですが、個人的にアイギスは好きなキャラです
14巻出てきてくれて嬉しかった・・・
ちなみに私が一番好きなヒロインはガモーラです
213 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/22(日) 21:52:42.39 ID:RVVx6WaAo
乙
この鎧本当に役に立つんだろうか……
というかカズマと行動レベルが同じってそれでいいのか世界最高の頭脳
214 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/22(日) 21:54:35.73 ID:KodspuSs0
アイアンマン3でテロリストに自宅の住所教えちゃうぐらいだし
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/22(日) 22:21:11.97 ID:KodspuSs0
マーク48がアイアンスパイダーで
マーク49がハルクバスターマーク2
マーク50がサノスに傷を付けたやつ
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/25(水) 22:11:32.33 ID:PZ2JyzDP0
乙
217 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/28(土) 00:46:29.29 ID:GJxyzRgg0
更新は来週の月曜日になります
もう少しお待ちください
218 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/29(日) 17:30:13.02 ID:uAn3O7cs0
http://livedoor.blogimg.jp/ak1127-masked/imgs/f/4/f40c349e.jpg
http://livedoor.blogimg.jp/ak1127-masked/imgs/e/9/e9b3e8bc.jpg
219 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/30(月) 20:10:14.69 ID:wKngUHfn0
今日続きを投稿予定でしたが矛盾点等のミスが見つかり、書き直しをこ行う為続きの投稿は明日になります...
申し訳ないです
220 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/31(火) 01:17:30.94 ID:f5y2/lA1o
エタらなければありがてぇ
221 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/31(火) 22:28:44.34 ID:kbTsVBAn0
......
....
..
.
アイギス入手から二週間後
めぐみん「滲み出す混濁の紋章、不遜なる狂気の器」
めぐみん「湧き上がり、否定し、痺れ、瞬き、眠りを妨げる」
めぐみん「爬行する鉄の王女、絶えず自壊する泥の人形」ズズズ…
ゴゴゴゴ…
めぐみん「結合せよ!反発せよ!地に満ち、己の無力を知れ!」バッ
めぐみん「砕け!『エクスプロージョン』ッッ!!」
カッ
ドォオオオオォォォンッ!!
めぐみん「あうっ・・・」ドサッ…
222 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/31(火) 22:29:45.20 ID:kbTsVBAn0
トニー「お疲れさん」シュゴゴゴゴ…
スタッ
めぐみん「どうでしたか?私の今日の爆裂魔法は・・・?」
トニー「六八点って所だな」フーッ…
めぐみん「ぐぬぬ・・・トニーはカズマより厳しいですね・・・そこまで下がった理由は何ですか?」
トニー「空から見ててわかったが、君は今回威力をかなり重視しただろ?おかげで爆炎の形が歪だ、美しくない。クレーターも同様だ」
トニー「そして、同じ理由で木々や岩の破片が跡形もなく消し飛んでいるのも減点の理由。大きな爆発を魅せるときは、大小様々な破片があるとより効果的だ。爆発した後に破片が降り注ぐことで余韻ができる。さっきまで形を留めていたものが粉々になって空から降ってくることによって、恐怖の演出となるんだ」
めぐみん「うむむむ・・・確かに・・・思い当たる節が・・・」
トニー「だが、悪いところだらけじゃないぞ?爆発の衝撃波が僕のスーツ越しにも響いてきたし、音圧は最高。まぁ、つまり・・・」
めぐみん「つまり・・・?」
トニー「・・・ナイス爆裂だ。なぁ、これ言わなきゃ駄目?」
めぐみん「ナイス爆裂!もちろん、これだけ的を射た評価ができるのであれば、ぜひとも言ってください!というわけで、次はトニーの番です」
223 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/31(火) 22:30:52.21 ID:kbTsVBAn0
トニー「ようし・・・今からあの山の一角を消し飛ばしてやろう」スッ…
ガシュンッ…
〔エネルギー充填開始…〕
キュィィィィ…
トニー「フライデー、パワーを一気に胸に集めろ」
〔エネルギー充填率60%〕
ギュンギュンギュン…
めぐみん「おぉおお・・・」
〔エネルギー充填率100%〕
ヴゥンッ…
トニー「しっかり見ておけよ!」
ボッ!
ヴァゥウウウウウゥゥゥンッ
ズガァアアアアアアッッ!!
パラパラ…
224 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/31(火) 22:31:32.23 ID:kbTsVBAn0
トニー「・・・」シュゥゥ…
ガシュンッ…
トニー「どうだ?」
めぐみん「ぐっ・・・山を吹き飛ばした破片がここまで・・・!私は人類最強の一撃を持っていると自負してましたが・・・まだトニーの一撃を超えられませんか・・・無念・・・ただひたすらに無念です・・・」
トニー「科学の力は侮れないだろ?探求心が枯れない限り、僕はどこまでも強くなる」
めぐみん「ぐぅぅうっ・・・悔しいです・・・死ぬほど悔しい・・・!次こそは・・・次こそは必ず・・・!」ギリギリ…
トニー「そんなに歯ぎしりしてたら歯が爆裂するぞ?君は僕より若いんだ、まだまだ伸びしろがあるさ。なっ?焦るなよ」
めぐみん「そういうカッコいい勝者のセリフを言われると余計悔しいですよ!・・・まぁ、今の私は第一形態で本来の実力の四分の一も出せていないので、これも仕方ありませんが・・・それじゃ、おんぶお願います」
トニー「はいはい、ここ最近僕にばっかり頼むのはどうしてなんだ?」グイッ
225 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/31(火) 22:32:00.30 ID:kbTsVBAn0
めぐみん「トニーなら屋敷かラボまでひとっ飛びじゃないですか、便利なんですよ。しかも、空から見る景色は綺麗で気持ちが良いですし。おまけにこのカッコイイ鎧は見ていて飽きません。それに、近頃は行方不明事件が増えていますしね」
めぐみん「爆裂魔法を撃つ前ならまだしも、撃った後じゃ不安ですから・・・空を飛ぶなら安心です」
トニー「褒めてくれるのは嬉しいが、僕を便利な足か何かと思ってないか?」
めぐみん「そ、そんなことはないです・・・よ?」
トニー「・・・」
トニー「そうだ、めぐみん。カズマの背中より安心するか?」
めぐみん「いえ、私はやっぱりカズマの背中が一番安心します。なにせ、私の好きな男の背中ですから」
トニー「・・・からかうつもりで聞いたんだが・・・君は妙に男らしいな」
226 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/31(火) 22:33:35.71 ID:kbTsVBAn0
めぐみん「好きなものを好きと言っているだけですよ。というか、知っていたんですね?」
トニー「あれだけ常日頃から目で追ってたら嫌でも分かるさ」
めぐみん「そ、そうでしたか・・・最近カズマが妙にモテだして気になるんですよ、そのうちかっさらわれてしまうんじゃないかって・・・」
トニー「君はアタックしないのか?」
めぐみん「してますが、あの男いざって時になるとヘタれるんですよ・・・」
トニー「あぁ・・・カズマの気持ちが分からなくもない・・・僕も本命には奥手だったしな」
めぐみん「本命には・・・?そ、それはどういう意味ですか!?教えていただけませんか!?」
トニー「その辺はラボでフライデーにでも聞くといい、きっといい相談相手になってくれるはずだ。恋愛面のアドバイスについてアップグレードしておこう」
めぐみん「フライデーは本当に優秀ですね」
トニー「当然だ、僕が作ったんだからな。さ、そろそろ帰るから掴まれ」スッ…
めぐみん「あっ、帰ったらまた私とボードゲームしてくださいね。まだトニーには一回しか勝てていないので」
トニー「勿論いいとも。だが・・・最初の一回以外の勝ちを君に譲る気はないからな?」
めぐみん「ふふふ、今の内に勝利を味わっておくがいいですよ・・・」
トニー「それじゃ屋敷に向けて出発」シュゴゴゴ…
ドシュゥゥゥウッ…
227 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/31(火) 22:34:19.32 ID:kbTsVBAn0
......
....
..
.
アクセル上空
キィィイイイイン…
めぐみん「あの、トニー?」
トニー「トニーだ」
めぐみん「今思い出したのですが・・・結局職は何にしたのですか?賢者ですか?」
トニー「冒険者」
めぐみん「えっ」
トニー「冒険者」
めぐみん「カズマの真似ですか?やめておいた方が・・・」
トニー「違う!僕は科学で戦う、魔法は使えない。だから役立つスキルを覚えるために冒険者にした。鍛冶スキルに速読スキル・・・後は知力向上につながるスキルをいくつか・・・」
めぐみん「・・・それだけのスキルを一体どこで手に入れてきたんですか?教えてくれる人がいないと覚えられないでしょう?それにレベルだって・・・」
ピピピッ
トニー「?」
〔ギルドで緊急クエスト発令〕
トニー「・・・!めぐみん、話はあとだ。ギルドで何か騒ぎがあったみたいだぞ」
228 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/31(火) 22:35:06.39 ID:kbTsVBAn0
......
....
..
.
アクセル ギルド
アクア「ふわああああ!ぶあああああ!うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!」ボロボロ
トニー「・・・どういう状況なんだ?」
めぐみん「ギルドで騒ぎがあると聞いて来てみれば・・・やっぱりカズマとダクネスがいましたか。というか、どうしてアクアが号泣しているのですか?カズマがまた泣かせたのですか?」
カズマ「俺がいつも騒ぎの中心にいるみたいに言ってんじゃねぇよ!俺は何もしてないからな!」
ダクネス「それが、この街のアクシズ教徒の一人が行方不明らしくてだな・・・最近急に増えだした行方不明事件に巻き込まれたのではないかと案じているのだ」
アクア「ねぇ、聞いてめぐみん!!久しぶりにウチのかわいい信者達の顔が見たくなったから、アクシズ教会に行ったの!でも誰も居なくて・・・きっとエリス教会に石を投げてるか、エリス教の炊き出しを根こそぎ貰いにでも行っているんだと思ってずっと教会で待っていたの!!でも・・・でもっ・・・!」グスッ…
229 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/31(火) 22:36:15.06 ID:kbTsVBAn0
めぐみん「誰も帰ってこなかったと・・・この街のアクシズ教徒といえば、私にも心当たりがあります。しかし・・・アクシズ教徒が行方不明なんて・・・」
カズマ「うん、正直なんの緊張感も沸いてこないな。その辺の路地裏とかで酔いつぶれて寝てるんじゃないか?大丈夫だって、ギルドとかレストラン裏のゴミ捨て場とか見張ってたらそのうち漁りに来るって」
アクア「はっ倒すわよクソニート!ゴミ捨て場も路地裏も探してきたわよ!!」
カズマ「えぇ・・・」
アクア「ねぇ!めぐみんも何とか言ってやってよ!!」
めぐみん「正直・・・私もそんな気がします・・・そのうち何事もなかったかのようにふらっと現れそうな・・・」
アクア「クソニートはまだしも、めぐみんまでそんなこと言うの!?受付の人にもアクシズ教徒の一人が行方不明なんですって聞いたら“どこかへ遊びに行っているだけじゃないか”ってまともに取り合ってくれなかったのよぉぉおお!」
カズマ「で、緊急クエストが発令されたから俺たちも来たわけだけど、クエストの内容はなんだ?」
トニー「僕も気になっていたところだ。だがその前にカズマ、めぐみんに体力を分け与えるか、代わりに背負ってくれないか?スーツをまとった僕がめぐみんを背負ってるこの光景はシュールすぎる」
カズマ「確かに・・・んじゃ、俺が預かるよ」グイッ
230 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/31(火) 22:37:07.07 ID:kbTsVBAn0
ルナ「冒険者の皆さんがお集まりいただけたようなので、今よりクエストの説明を行います」
ルナ「今回のクエストの内容は討伐でも、街の防衛でもありません」
ルナ「・・・行方不明者の捜索となります」
ザワッ…
ルナ「はい、皆さんが何をおっしゃりたいかは分かります。こういうのは本来警察の仕事です。ですが・・・警察では対処できないだろうと断定されたのには大きな理由がありまして・・・」
ルナ「まず、被害はアクセルだけではなく、王都を含めた他のあらゆる街でも確認されています」
カズマ「王っ・・・!?」
ルナ「特筆するのは、その行方不明者が発生する頻度と範囲、そして行方不明となった方々の素性です。二人の高レベル冒険者が、距離の離れた別々の街でほぼ同時に行方不明になったそうです。しかも、こういった例が既に数件起きています・・・」
ルナ「この事態を重く見たギルドは、これをモンスターによる被害ではなく、魔王軍による誘拐と見て、ベルゼルグ国内に存在するすべてのギルドに緊急クエストを発令しました」
ルナ「なので、正確なクエスト内容は行方不明者の捜索と、これらの事態に関わっていると思わしき魔王軍の兵士の捕縛です」
「・・・」
ルナ「さ、最後に・・・このクエストには期限が存在しません。冒険者の皆さんに各々で捜索してもらうことになります・・・もちろん、このクエストには特別報酬が出ます!それでは、どうかご健闘を祈っています!以上です!解散してください!」
231 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/31(火) 22:37:51.76 ID:kbTsVBAn0
ザワザワ…
ゾロゾロ…
めぐみん「・・・カズマ、どう思いますか?」
カズマ「え、俺!?いや・・・まださっぱりって感じだな・・・目的も方法もよくわからない。人質にして交渉するつもりなら、冒険者より貴族とか攫うだろ?普通は」
カズマ「貴族は警備が厳しくて攫えないのかとも考えたけど、高レベル冒険者を攫えるんだとしたら、貴族を攫うことも難しくないはずだ」
ダクネス「私も同意見だ。国へ人質を取ってるなら、貴族を攫うべきだろう。何故だ・・・貴族でもあり、冒険者でもある私を何故攫わない・・・!私を攫って檻に入れ、動物のように扱えばいいだろうに・・・!そして言うのだ!“オイオイ、こいつぁ上玉だぜ!人質としてここにいる間、オレ達が可愛がってやるよ!なぁに、安心しろ・・・命は取らねぇよ、命はな!”などと言って、私の服を引き裂いて・・・!んくぅっ・・・///」
トニー「カズマ」
カズマ「帰ったらバインドで縛って玄関にでも転がしておいてやるから今は発情するな、この変態」
ダクネス「ほ、本当だな!?/// 約束だからな!?」ハァハァ…
トニー「さすが」
232 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/31(火) 22:38:44.61 ID:kbTsVBAn0
めぐみん「誘拐の方法についてですが・・・人を攫うんだとしたら、やっぱりテレポートあたりでしょうか?」
カズマ「俺もそれは考えた。でも、テレポートには登録が必要だろ?街の前にテレポートしてきたら大騒ぎだし、かといって魔王軍が街の中に紛れこむのは難しいと思うんだよ」
めぐみん「でも、これだけの短期間で存在を悟らせず大勢の人間を誘拐できる魔法なんて他に知りませんよ?」
カズマ「それなんだよなぁ・・・」
トニー「いや、カズマの言う通りだ。テレポートじゃない」
めぐみん「・・・何故分かるのですか?」
トニー「僕のラボに来てくれ、説明しやすい。それじゃ後でな」スタスタ…
カズマ「あ、ちょ・・・せめて俺だけでも連れてって・・・」
ドシュゥゥゥウッ
キィィィィン…
カズマ「・・・」
ダクネス「・・・さっ、ラボまで歩くか」
カズマ「ったく・・・ほら、アクア。いつまでもメソメソしてないで・・・」
アクア「・・・すかー・・・」
カズマ「・・・」
233 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/31(火) 22:40:34.16 ID:kbTsVBAn0
......
....
..
.
トニーのラボ
トニー「さて諸君、さっきの話の続きだが・・・」
アクア「ねぇねぇ、その前に孵卵器にいるゼル帝の様子を見てもいいかしら?女神の勘によると、そろそろ生まれると思うの」
トニー「向こうにいるが、コンピューターの計算によるともう少し先だぞ」
アクア「よかった!私がいないところで生まれるのはかわいそうだもの!」
トニー「なぁ、非常に言い難いんだが・・・DNA検査、レントゲンとあらゆる手を試してみたが・・・あの卵の中身はどう考えても鶏だ」
カズマ「お前そんなことまで頼んでいたのかよ・・・そんなことしなくても鶏だって分か・・・おいコラ、聞こえないフリしてんじゃねぇ!!」
トニー「話進めていいか?」
ダクネス「ほら、お前ら・・・話を聞く姿勢をとれ」
カズマ「お前が言うなと言いたい。で、テレポートじゃない理由だったか?」
234 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/31(火) 22:41:13.18 ID:kbTsVBAn0
トニー「そう。モニターにご注目、カズマなら・・・これが何か分かるはずだ」ピッ ピピッ
ヴンッ
カズマ「これは・・・心電図?」
トニー「グラフと答えてほしかったが・・・まぁ、半分正解だ。トニーポイント二十点あげよう」
カズマ「・・・なにそれ、集めたら何があんの?」
トニー「特に何も」
カズマ「舐めんな」
235 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/31(火) 22:41:52.61 ID:kbTsVBAn0
トニー「冗談はさておき、これはとあるエネルギーの流れを可視化したやつだ。なんだと思う?」
めぐみん「この波の形・・・もしかして・・・魔力を可視化したのですか?」
トニー「大正解。さすがは僕に次ぐ知力の持ち主だ」
めぐみん「ぐっ・・・“次ぐ”というのがなんとも・・・」
カズマ「いや、サラッと言ってるけど魔力を可視化ってなんだよ」
トニー「魔力を科学的に解明しようと思ってね。完全に解ったとは言えないが・・・魔力は生体電気に酷似している。そして、今画面に映っているこの波はテレポートを使った後に空間に残るものだ」
トニー「行方不明事件が発生したと聞いたときにテレポートでの誘拐の線を疑って街中のあちこちをドローンで調査したが・・・これと同じグラフに当てはまる反応は見受けられなかった」
めぐみん「それがテレポートではないと決めた理由ですか?」
トニー「そういうこと。まぁ、他にもある」
236 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/31(火) 22:42:40.46 ID:kbTsVBAn0
トニー「テレポートは魔法防御力が高ければ抵抗することができる。高レベル冒険者相手でも不意を突ければテレポートで飛ばせるかもしれない。だが、王都では誘拐事件が既に何度か発生していた。それなら街中で注意喚起されているはずだろ?でも行方不明者は後を絶たなかった」
トニー「警戒している高レベル冒険者を、詠唱時間が長く、発動させるには対象の近くに接近しなくちゃならないテレポートで飛ばすのは至難の業だ」
トニー「結論、テレポートじゃない」
めぐみん「・・・一体いつから魔道学者になったんですか?」
トニー「昨夜から。王都や紅魔の里からかき集めた魔導書や論文をすべて読んだ」
ダクネス「王都に行ってきたのか!?しかも、魔導書を貸してもらった!?いや、というか・・・すべて読んだ!?」
トニー「おちつけ。王都の図書館では、僕の冒険者カードを見せるだけでいくらでも貸してくれた。紅魔の里は大変だったが・・・」ハァ…
カズマ「一体何をさせられたんだ・・・」
237 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/31(火) 22:44:26.99 ID:kbTsVBAn0
トニー「スーツの見た目が気に入ったらしくてな・・・魔導書を貸す代わりに五十回くらいカッコイイポーズ取らされたり、子供を背中に乗せて飛んだり、魔王軍遊撃部隊を名乗る奴等と一緒に戦わされたり・・・」
めぐみん「鎧が傷だらけなのはそういうことだったのですか・・・」
トニー「いや、これは変な男に絡まれてね」
めぐみん「チンピラに付けられた傷ですか!?」
トニー「里で魔導書を読んでいたときに、魔道具職人を名乗る男に声を掛けられたんだ。なんでも、僕の作っている発明品を知っているらしくてな。アイディアの交換でもしたいのかと思って話を聞いてみれば・・・」
トニー「“お前の作る魔道具は便利すぎて面白くない、そんなお前の魔道具が売れまくるせいでこっちは商売あがったりだ”なんていきなり絡まれた。まぁ、対魔法使いの良いテストバトルにはなったが」
カズマ「おい、それって・・・」
めぐみん「・・・まだ決まった訳じゃないですから・・・」
トニー「確かひょいざぶろーとか名乗っ」
めぐみん「すいませんでした」
238 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/31(火) 22:45:44.17 ID:kbTsVBAn0
トニー「なにを謝っているんだ?」
めぐみん「いえ・・・」
トニー「・・・?まぁいい、僕の知力自慢はここまでだ。本題に入・・・おいアクア、君には難しい話かもしれないが寝るんじゃない」
アクア「ほえっ・・・?」パチッ
ダクネス「うむ。テレポートでないのだとしたら一体どうやって人を攫っているのだ?」
トニー「既存の魔法とは全く違ったエネルギーを検知した。そして、そのエネルギーとは・・・」
ヴンッ...
トニー「・・・これだ」
239 :
◆Ua1M3q7gGI
[saga]:2018/07/31(火) 22:46:24.26 ID:kbTsVBAn0
カズマ「なんだこれ・・・?」
めぐみん「光る・・・箱?」
アクア「うそでしょ・・・?これってまさか・・・!」
トニー「アクアは知っていたか」
ダクネス「これは一体何なのだ?見た目は美しいが・・・」
めぐみん「アクアがこんな真面目な顔になるほどの物なのですか?」
アクア「これは四次元キューブよ!!なんでそんなとんでもない物の反応が見つかるのよ!?」
カズマ「えっ、四次元キューブ?なんだそれ?青いタヌキのお腹についてる・・・」
アクア「ちっがうわよ!!これは神器よ!それも、魔剣だとか聖鎧なんかとは比べ物にならないくらいの究極の神器よ!・・・私だってお目にかかったことは無いわ」
カズマ「えっ・・・あのアクアがこんな真面目な顔で凄いこと言ってるんだけど・・・マジでヤバいやつなの?」
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