【ガヴドロSS】天真=ゼルエル=ホワイトの憂鬱

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/01(金) 21:43:47.49 ID:FQ/yScew0
ガヴリールドロップアウトのゼルエルが主役の話です








一つ下の妹は、一見おとなしそうみえるが、無鉄砲で突拍子のない行動をとることが多々あった。



それは、姉である私にとって、悩みの種であった。



数年前、天界。


ガヴリールの家



ゼルエル「ガヴリール!どういうことだ、そんな服がびしょびしょの状態で家に帰って来て!お前は一体、外で何をしていた!」


ガヴ「あ、いえ…ゼルエル姉さん…違うんです、こ、これは…その!
…そう、よそ見をしていたら誤って川に落っこちてしまって…」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1527857027
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/01(金) 21:46:04.98 ID:FQ/yScew0
ガヴ「知ってるでしょ、姉さん、私ったらドジだから、あいたあ!」


ゼルエル「嘘をつけ!知っているぞ!小さな子が川で溺れていたのをみて、助けるために川に飛び込んだんだろう!
さっきお前が助けた子の親御さんがお礼にうちにやってきたからなっ」


ガヴ「んな…し、知っていたんですか姉さん!それなのに知らないフリをしてっ、私を試すような真似をして…、ひ、人が悪いです!
…って、いたあ!また…!」


ゼルエル「馬鹿者!そうでなくても、お前がそんな目をきょろきょろしていたら、少なくともウソをついているくらいわかる!
まったくお前というやつは!運動神経0のくせに後先考えずそんな真似をして!一歩間違えば、お前まで危険な目にあっていたぞ!」


ガヴ「け、けど…ゼルエル姉さん…、目の前でおぼれている人がいるのに助けないわけには…」


ゼルエル「見てみぬふりしろと言っているわけじゃない。そういう時は回りのオトナに助けを求めればいいだろう!
ちょっと考えればわかることだ、少しは頭を使え、まったく!」


ガヴ「……、ご、ごめんなさぃ…」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 21:47:20.47 ID:FQ/yScew0
ゼルエル「……、もういい。わかればいいんだ、だが、もう二度とするなよ」


ガヴ「ええ、ゼルエル姉さん…次からは気を付けますから…」


ゼルエル「ああ」





そして、その数日後


ゼルエル「…ガヴリール…なんで体中、傷だらけで腕に大きなあざをつくって家に帰ってきてるんだお前は?」ぷるぷる…


ガヴ「え、…い、いや…!あのあのね姉さん…!!こ、これはその…ち、違うんです!よそ見して歩いていたら、崖から落っこちちゃって…あいたあ!!」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 21:48:18.91 ID:FQ/yScew0
ゼルエル「うそつけ!知ってるぞ!木から降りられなくなった子猫を助けようとして落っこちたんだろう!」


ガヴ「み、見てたんですね千里眼で!い、いくら姉さんでもそういうのよくないですよ、その…、プライバシーの侵害ですっ!
それって下界でいうところのストーカーとかシスコ…、…あいたた!!!!ほ、ほっぺたをつねらないでください、あいたた………!!」


ゼルエル「まだ、まともに自分の翼で空すら飛べない半人前のくせに!なんでそういう無茶をするんだ!
そーーいうときは!ちゃんと空を飛べる周りのオトナを呼べばいいんだ!!!」


ガヴ「だ、だって…だってええ…!!こ、子猫があ…」


…………
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 21:49:38.04 ID:FQ/yScew0
…こんな感じのことが何度あったことか。


「ガヴリール」の無鉄砲な行動の数々は、姉のわたしにとっては大きな悩みの種だった。




ハニエル「ゼルお姉ちゃん…、ガヴお姉ちゃんがさっき半ベソかいて部屋に閉じこもってから、全然でてこないけど…」


ゼルエル「ああ…まあ、確かに今日は結構きつく言い過ぎたかもしれないが…いいんだ。しばらく放っておけ」


ハニエル「ゼルお姉ちゃん…あんまりガヴお姉ちゃんを怒らないであげて…ガヴお姉ちゃん、悪いことはしてないよ」


ゼルエル「それは……、…まあ、分かってるさ」


ゼルエル「…にしてもハニエル、お前は小さいのに本当に利口でいい子だな…、お前は大きくなってもガヴリールのように
この姉を困らせないでくれよ…よしよし」


ハニエル「わ、頭をわしゃわしゃしないでよゼルお姉ちゃん!」


………
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 21:51:15.23 ID:FQ/yScew0
ゼルエル「(………)」


もちろん、分かっている。


ガヴリールの危険を顧みない突拍子のない行動は、すべて他のだれかを助けるためだ。


困っている人をみると放っておけない。


ガヴリールのそういう性格は美徳だと思っている。


身を呈して人助けするアイツを、本来なら姉として褒めてあげるべきかもしれない。



………


ゼルエル「(いや、けど…それにしたって後先を考えない行動が多すぎる…危なかしくってとても見てられない…)」


ゼルエル「(いつかアイツのそんな行動が命取りになるのではないかと思うと、私は…、…、姉として、不安でしょうがない)」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 21:52:55.02 ID:FQ/yScew0
もう一人の妹、ガヴリールよりもはるか年下であるハニエルよりも……、ガヴリールはどこか不安定で、危なっかしい。


一人にして放っておくと何をしでかすか怖くて見てられない。


姉として、放っておけない。


………

ゼルエル「(ガヴリールのやつが一人前の天使になるまで、もっと私が傍にいて守ってやらなければなるまい)」


ゼルエル「(そうだ…、アイツがもう、傷つかないように…、
私が妹を守ることができるくらい強い天使にならなければ…!)」


…………


力をつけなければならない。危なっかしい妹を守るため。


そう誓ったわたしは、日々の天使力を身に着けるための鍛錬に一層励むようになった。

8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 21:54:13.66 ID:FQ/yScew0
それから数年後…


鍛錬を腐るほど積んできた私は、いつの間にか同世代の天使に比べて力をつけすぎてしまったらしい。


図らずも、わたしは、天使学校で注目をあびる存在となってしまった。




【天使学校】


『おい、聞いたかよ…今回のテストもぶっちぎりだったらしいぜ…ゼルエルさん』


『ああ…数多くいる名家の家柄の天使を差し置いて…信じられない。彼女は名家の出ではないのに…』


『こんなすごい成績は前代未聞らしいわよ…こんな優秀な人は初めてだ、って先生が…』


『名家の中でも…歴代優秀な天使を多く輩出してきたあの『白羽家』の一族すら敵わない優秀さとかなんとか…』




ゼルエル『……』
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 21:55:40.21 ID:FQ/yScew0
目立つのは好きではない。


ただ、別に悪い噂を立てられていたわけではなかったので、放っておいた。


それが、まずかった。


………

『なんでも優秀なゼルエルさんだけれど…、なかでも天使力はものすごいらしいわ…ものすごい破壊力で……、噂じゃあもう学校の先生でもかなわないって…』


『オトナの天使が束になってもかなわないらしいわ…』


『徒党を組んだ大悪魔を一瞬で返り討ちにしたって…』


『ドラゴンを一撃で倒したとかなんとか…』


………


いやいやいや。さすがに天界にドラゴンはいないだろう。


そう。私の噂はいつの間にやら、あることないこと、どんどん大きく膨らんでしまったのだ。
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 21:56:57.77 ID:FQ/yScew0
それで、とうとう…。



『すごいわ…ゼルエルさん…かっこよすぎ…なんかもう、アレね。天使というより、力や戦の神様みたい…』


『そうね、その手に、神様と同等の絶大な力をもった天使……、なんて形容すればいいのかしら』




『さしずめ…、そう…”神の腕”、ね』







なんか変なあだ名がついてしまった。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 21:57:50.81 ID:FQ/yScew0
それから、さらに月日は流れ…現在。


【天界のとある大学】


「エルさん…ゼルエルさん」


ゼルエル「え…あ、ああ」


クラスメイト「どうしたの、珍しく上の空だったけど」


ゼルエル「え、ああ、いや…ちょっと…昔のことを思い出していて…、それで、どうした」


クラスメイト「ええ、教授がゼルエルさんを呼んでたよ。話があるから時間が空いた時に部屋に来てほしいって…」


ゼルエル「教授が…?わかったすぐいく」

12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 21:58:46.66 ID:FQ/yScew0

教授の部屋に向かうため、廊下を歩くゼルエル


ひそひそ…


「あ、みてみてゼルエルさんよ、いつ見ても凛々しいわね、声をかけてみようかしら」


「だめよ…私達なんか相手にされないわ…同じ大学にかよっていられるだけでも幸せものよわたしたちは」


「ゼルエルさん…すげえオーラだな…この間は、大悪魔サタンを瞬殺したって話だし…」


「上級悪魔を全員整列させてケツバットかましたって話は本当なのかな」


「私はオトナのサラマンダー相手に馬乗りになってタコなぐりにしたって聞いたわ…」


「すごいわ…まさに神の腕ね!」



………


ゼルエル「(はあ…)」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 22:00:03.88 ID:FQ/yScew0

ゼルエル「(なんだその噂は…もはや一つも身に覚えがないんだが…一人歩きしすぎだろう、私の噂)…んっ?」どんっ


天使A「いった…、この僕の肩にぶつかってくるなんて…、良い度胸してるね…この僕を誰だかわかって…」


ゼルエル「あ、ああすまない…考え事をしていて。大丈夫か?」


天使A「って、ひやああわあああああああ!!ぜ、ゼゼルエルしゃああんん!???ひっ、す、すみま、すみません…、
ぼ、僕のようなレベルの低い天使がゼルエルさんにぶつかってしまって…!」がくがくがく


ゼルエル「え、い、いや…だから、今のが私がぶつかって…って、大丈夫か…なんか体ガクガクしてるが…」



天使A「す、すみません、すみません…だ、大丈夫ですから…そ、そのごめんなさいっ、失礼しますっ!!」


ゼルエル「え、あ、おい…!」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 22:01:28.22 ID:FQ/yScew0

ひそひそ…

「すごいわ…いつも傲慢でいばってばっかりいた名家の天使が、ゼルエルさんにびびりまくって逃げていったわ!」


「くう…爽快だぜ…さすがゼルエルだ…さすが、神の腕、だな」


「ああ、すげえわ…"神の腕"の名は、半端ないな」


……


ゼルエル「………」


長年一人歩きし続けた私の噂は、今や取返しのつかないレベルまで達していた。


大学内での私は、顔なじみの一部の天使を除くと、何か超常的な存在のように扱われる始末。


人間界でいうところの仏とか菩薩とかだろうか…、なんかこう…、そういう感じの、畏怖の対象みたいになっていた。





………


ゼルエル「(ああもう…)」


ゼルエル「(…なんでこんなことになってしまったのか)」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 22:02:57.55 ID:FQ/yScew0


少し憂鬱な気分になりながら長い廊下を歩いていると、教授の部屋前にたどり着いた。


…部屋に入ると、教授がさらに憂鬱になるような相談を持ち掛けてきた。







【教授の部屋】


ゼルエル「不良天使?」


教授「ああ、近頃、このあたりで迷惑行為を行う若い天使達が問題となっていてな…彼らをそういう名で呼んでいるんだ…」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 22:04:16.11 ID:FQ/yScew0
教授「夜中、町中をわざとうるさく音が鳴るようにブンブン翼を羽ばたかせて飛んだり、道のど真ん中でたむろしたり…とても天使の風上
にもおけないような行為を繰り返していて…、人によっては暴走天使、とかチーマー天使とか呼んだ方が的を射ているのでは、という声もあがっていたりして…
ほかにも候補があってだな」


ゼルエル「あの…その不良連中の呼称の話はどうでもいいのですが…その話が一体…」


教授「ああ、まあ…実はその不良天使が最近、とうとう、この大学の校門付近をたむろするようになってな…
大学の生徒たちも怖がってしまって困っているんだ…このまま彼らを野放しにしていると、学業にも支障がでてしまうだろう」


ゼルエル「はあ…」


教授「そこでゼルエル君…その……、君の力でなんとか追い払ってもらえないかな?」


ゼルエル「………、は?」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 22:05:23.59 ID:FQ/yScew0
教授「”神の腕”、とまで評されるほどの君の力なら…流石の彼らも」


ゼルエル「い、いやいやいや…もしかして私の力を使って、その不良天使たちを追い払えっていうんですか!?私はそんな野蛮なことをするつもりは…!」


教授「いや、そうは言っていない。君は、それほどの力をもっておきながらとても謙虚でまじめで…周りからも非常に尊敬されている。
君ほどの天使の言葉であれば、連中も聞く耳をもってくれるかもしれないとおもって」


ゼルエル「買いかぶりすぎです!今ある周りの評価は、勝手に噂が広がったもので、もともと、
神の腕だなんて呼ばれるほどの大それた実力は私にはありませんし…!」


ゼルエル「それに…、確かに長年、強い天使になるために研鑽を積んできたと自負してますが…、それは、その………、わたしは……、ただ…」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 22:06:17.93 ID:FQ/yScew0
教授「ああ、ああ、いたずらに力を見せびらかしたりしたくない君の性格はよくわかっている。だが、もう君しかいないんだ…、
外部のオトナの天使や、私のような大学の職員がいくら説得しても彼らはちっとも聞く耳をもってくれない…迷惑行為をやめようとはしないんだ」


ゼルエル「しかし…」


教授「ゼルエル君…、人助けとおもって…優秀な君の力をかしてくれないか…このとおりだ」


ゼルエル「……」


………
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 22:09:39.31 ID:FQ/yScew0
【大学の中庭】



ゼルエル「はあ…」


了承してしまった。


自分の妹を守るため。


そう誓って長年、研鑽を積んで得た私の力は、ちょっとばかし、イキったキッズもロクに追い払えないようなオトナの天使に利用されようとしている。




ゼルエル「まあ…わたしとて天使だ。なんにせよその連中を追い払うことが周りのみんなのためになるのなら、やぶさかではないがな…」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 22:11:10.11 ID:FQ/yScew0
ところで、そもそも私に研鑽を積むきっかけをあたえた当の妹「ガヴリール」は今、どうしているのか。


気になる方もいるかもしれない。一応、話しておくと。


アイツは今、下界で暮らしている。


下界に紛れて暮らすことで下界の人々を学び、正しい道へと導くため。そして、その経験を踏んで、一人前の天使として天界に再び戻ってくるためだ。


かつて私が通ってきた道でもある。
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 22:17:43.27 ID:FQ/yScew0
「すべての方を幸せにするのがわたしの夢なんです」


下界に降り立つまえのガヴリールは、だいたいこんな感じのことを言っていた。


このとき、アイツは、天使学校を首席で卒業するほどの優秀な天使にまで成長していた。


幼少のころはどんくさくて危なっかしいところがあったアイツが…


…それはもう、目を見張るほどの成長っぷりであった。


もう、私が守ってやる必要もないのかもしれない。


アイツなら下界での暮らしを通し、さらなる成長をとげ、私を超えるほどの優秀な天使となって帰ってくるだろう。そんなふうに思っていた。






……想っていた、の、だが…
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 22:20:02.51 ID:FQ/yScew0
…………



ゼルエル「(いや、よそう………、今、アイツのことを考えるのは…)」



ゼルエル「……ん?」



ゼルエル「なんだ、ハニエルから電話か…、もしもし?…


…なに!?」

23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 22:22:41.95 ID:FQ/yScew0
ゼルエル「ガヴリールが下界から家に戻ってきてる!?」


ハニエル『うん、ガヴお姉ちゃん、今日の朝ね、突然、家に帰ってきたの。今は部屋にいるけど…』


ハニエル『それにしても、事前の連絡がなかったしびっくりしたよ。…突然、一体どうしたんだろうね
帰ってきた理由を尋ねても話してくれないし…』


ゼルエル「………」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 22:26:55.62 ID:FQ/yScew0

ハニエル『…けど、私が思うに、ガヴお姉ちゃん、きっとホームシックだったんだよっ、急に私達に会いたくなったんじゃないかなあ
…ふふ、可愛いよねガヴお姉ちゃん♪だからさ、ゼルお姉ちゃんも今日はガヴお姉ちゃんのためにも早く家に帰ってきて…』


ゼルエル「ふっ」


ハニエル「えっ、なにゼルお姉ちゃん!?今なんかわたしのこと鼻で笑わなかった!?」


ゼルエル「ああすまないハニエル…お前はホント純粋でいい子だな…だが、あのバカに限ってそんな可愛いメンタルを持ち合わせていると考えないほうがいい」


ゼルエル「下界で堕落しきったダメダメな生活を送ってるアイツのことだ!
下界に来たこの姉に向かって、イヌをあてがわせて追い払った時の恨み…忘れていないからな!!」イライラ




………


そう。なにがどうしてこうなったのか。


ガヴリールは今や、駄天使。下界の娯楽に触れたアイツは、あろうことか堕落しきった生活を送る駄目天使に成り下がってしまったのだ。


そんなアイツが盆や正月ならいざしらず…アイツにとって窮屈なこの天界に…私がいる実家に自発的に戻ってくることがあるだろうか…?


否である。
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 22:40:09.69 ID:FQ/yScew0
ゼルエル「アイツがわざわざ下界から天界に戻ってきた理由として考えられる理由は1つ…何かまたよからぬことを企んでいるに違いない!」


ハニエル「え、そ、そうなのかな…けどガヴお姉ちゃん、そんなことは一言も…」


ゼルエル「何も言わないやつなんだ昔からなっ!まあいい!事情はわかった!今日は用事をすませたら、すぐに家に帰るから!
ガヴリールに久しぶりに教育的指導をしてやる!」


ハニエル「え、あ、あの…ゼルお姉ちゃん」



ゼルエル「ハニエル!私が帰るまでガヴリールの動向にくれぐれも注意しろよ!そして…もし、ガヴリールのやつが、私が帰るより前に
不穏な動きを見せたら、遠慮はいらない。……折れ!」


ハニエル「いや何を!?」







…………

ゼルエル「はあ…」



ゼルエル「教授から妙な頼まれごとをされたと思ったら…、我が家の問題児がひさしぶりに帰省…か。悩みが増えて、憂鬱なことこの上ないな…」



ゼルエル「…まあいい。ガヴリールの話はあとだ。まずは教授のいう、その不良天使、とかいう連中をあたってみるか…」





………

26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/01(金) 22:40:52.56 ID:FQ/yScew0
前半はここまで
後半はまた暇なときにおとします
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 05:43:47.94 ID:ZSzY8zxro
まっとりますわ
おもしろい
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/02(土) 13:04:47.96 ID:qrdlyNiyO
期待
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