このスレッドは950レスを超えています。そろそろ次スレを建てないと書き込みができなくなりますよ。

【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/27(日) 22:14:02.11 ID:Zu52MeK10


もしも私が黒森峰に行かなければ

もしも私が戦車道をしていなければ

もしも私が西住の家に生まれていなければ

もしも、私が生まれていなければ






貴女はまだ、いてくれたのだろうか







SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1527426841
2 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/27(日) 22:14:40.56 ID:Zu52MeK10






『みほ』





3 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/27(日) 22:15:21.96 ID:Zu52MeK10


必死に掴む手を繋ぎ留められなかった

大切な人を救えなかった

なのに、私だけが残ってしまった

在りし日はもう遠く、貴女の声の音色は、手のぬくもりは、笑いあった日々は、私の中から消え去っていく




それでも



4 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/27(日) 22:16:03.48 ID:Zu52MeK10





貴女の輝きだけは、忘れられない




5 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/27(日) 22:19:01.12 ID:Zu52MeK10





〜黒森峰女学園中等部1年 4月〜


―食堂―





みほ「……」




「あの人、また一人で食べてる……」

「いいんじゃない?天才副隊長は孤高が好きなんでしょ」

「かもねー」





もう何度聞いたかわからない言葉が耳に入ってくる

私の事を話しているのは明らかなのに、まるで私がいないかのように



6 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/27(日) 22:23:34.68 ID:Zu52MeK10



みほ「……なら、私と変わってくれればいいのに」



だから私も誰に向けているかわからない呟きをする



みほ「……あと、6年」



中等部を卒業してもそこからさらに高等部が3年。

あんまりにも長い道のりだ



7 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/27(日) 22:26:10.10 ID:Zu52MeK10


みほ「……本当に、黒森峰を卒業したら終わりにできるのかな」



戦車道をやめたい。その言葉を誰かに話したことは一度もない

それが許されるとも思ってないから

きっと黒森峰を卒業してもやめられないのだろう

進学するのか、あるいは実家での修行になるのかはわからないが、私はきっと戦車道から、西住流から逃げられない




みほ「仕方ないんだよね。私は……西住みほなんだから」


8 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/27(日) 22:29:14.21 ID:Zu52MeK10




「あら、一人でテーブルを使うだなんてさすが副隊長さんね?」



9 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/27(日) 22:30:44.36 ID:Zu52MeK10
みほ「……」

「……無視?意外といい度胸してるのね」

みほ「え……?」

「ふんっ……」

みほ「あ、あの……」

「……何?このテーブルは副隊長様じゃないと使えないとでも言うつもり?悪いけどごはん冷めるから移動するつもりは無いわよ」

みほ「それは……別に。私の場所じゃないから……」

「ならいちいち驚くんじゃないわよ」

みほ「そうじゃなくて、さっきのは無視とかじゃないんです。私に話しかけてるとは思わなくて……」

「……はぁ?あなたの事を言ってるのになんであなたに話しかけてないって思うのよ」

みほ「……そうですね」

「あとね、あなたさっきから何うつむいてるのよ。人と話すときはちゃんと目を見て話せって教わらなかった?」

みほ「あ、ごめんなさ――――」
10 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/27(日) 22:31:44.08 ID:Zu52MeK10




煌めくような銀髪、見つめると吸い込まれそうな碧眼

自分と同じ人間だと思えないほど整った容姿に私は思わず目を奪われてしまった



11 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/27(日) 22:34:31.08 ID:Zu52MeK10

みほ「…………」

「……何よさっきから」

みほ「え、あ……ごめんなさい。えっと、その……逸見、さん」

エリカ「あら、私みたいな下っ端の名前を憶えてくれているだなんて、さすが副隊長さんね。器が広いわ」

みほ「ち、違うよ。チームの同級生の名前はみんな覚えてるの。……友達に、なれるかなって」

エリカ「……はぁ?何甘い事言ってるのよ」

みほ「え……?」

エリカ「いい?他の子ならいざ知らず、私とあなたは敵同士よ」

みほ「え……な、なんで?同じチームなのに」

エリカ「はっ、さすが入学してすぐ副隊長になった人は言うことが違うわね?私なんて相手にならないって事?」

みほ「ち、違うよ……」

エリカ「私は、まほ隊長にあこがれてここに入ったのよ。なのに、副隊長の席は同じ一年のあなたが座っていた」

みほ「……」

エリカ「あなたがそれに足る人物なら何も言わないわ。だけどね、あなた練習が始まってからまともにメンバーをまとめられたことある?」

みほ「……ごめんなさい」

エリカ「多少は腕に覚えがあるみたいだけれど、強いだけで統率の取れない人間が上にいても軋轢を招くだけよ」

みほ「……」

エリカ「私はあなたを認めてない。まほ隊長を支えるのは私よ。たとえ妹だろうと情けないあなたが副隊長だなんて我慢できないわ」

みほ「……」

エリカ「……何も言い返さないの?」

みほ「逸見さんの言う通りだから……」

エリカ「……そう。本当に情けないのね」

みほ「……」
12 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/27(日) 22:42:59.27 ID:Zu52MeK10


彼女の言葉は正しく、しかしそれを理解した上でも面と向かって言われると辛いものがある。

結局、私は何も言葉を紡げないまま黙々と食事を続け、逸見さんもそんな私を無視するかのように学食のハンバーグを口元に運んでいった




エリカ「……ちょっとあなた」

みほ「……何?」

エリカ「口元、ついてるわよ」

みほ「えっ、あっ……」

エリカ「ちょ……もう、袖で拭おうとしないのっ!……ほら、ティッシュ。そのぐらい持ってなさいよ……」

みほ「ご、ごめんなさい……」

エリカ「……ふん、いい?あなたがコネで手に入れた副隊長の座なんて脆いものよ。私が実力ですぐに奪ってあげるから」



逸見さんはそう言い残すと食べ終わった食器を持ち席を立った



みほ「……」


今のやり取りだけで逸見さんがどんな人間かなんて偉そうな事を語ることはできないけれど、

少なくとも、普段練習で受けるとげとげしい印象とはまた違ったものを感じ取れた


みほ「……逸見さんって、案外優しい人なのかも。……それに」


13 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/27(日) 22:43:29.63 ID:Zu52MeK10




みほ「……初めてだったな。お姉ちゃん以外の人と学校でご飯食べるの」




14 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/27(日) 22:45:03.40 ID:Zu52MeK10



少しだけ、頬が緩んだ


15 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/05/27(日) 22:46:58.36 ID:Zu52MeK10
お待たせして申し訳ありません。

【ガルパン】エリカ「私は、あなたを救えなかったから」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1514554129/

↑の続きです。

当面は過去編となる予定ですが、しばらくお付き合いください。
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/27(日) 22:48:12.88 ID:hJMKVkwW0
乙乙
17 : ◆eltIyP8eDQ [sage]:2018/05/27(日) 22:50:23.60 ID:Zu52MeK10
すっげえ今さらですがキャラ崩壊等々ご留意お願いします
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/27(日) 22:52:07.75 ID:XCBKB1nwo
たて乙
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/27(日) 22:52:48.77 ID:L+ijkfT2o
待ってた
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/27(日) 23:19:18.50 ID:+SBHy2uVO
きたあああああああ!
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/27(日) 23:20:50.83 ID:SCE7f8+G0
きたきたきた!
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/27(日) 23:28:39.88 ID:YVSdAO+I0
待ってました
楽しみです
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/27(日) 23:52:50.62 ID:9AdofEtS0
立て&投下乙

来週って今さ!!!
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/28(月) 00:41:23.78 ID:VKD+7+9O0
乙 待ってた。過去編か・・・長くなりそうで楽しみだ
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/28(月) 09:18:44.58 ID:PlPy7wsr0
新スレ乙
これだ!こういうのを見たかった!
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/28(月) 16:02:20.83 ID:o7Lb4CYI0
まってた!
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/28(月) 21:31:54.03 ID:J0jr4y54O
楽しみに待ってた
最後まで書ききってくれ
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/29(火) 07:59:13.57 ID:gh6hGUVGO
わくわくドキドキ!
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/29(火) 22:35:21.10 ID:sQbe7R81O
ワイもまとめ民も完結までウッキウキやで
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/30(水) 01:17:36.68 ID:yqn3vnTG0
やったぜ
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/05/30(水) 12:02:11.95 ID:HFtwz6vpO
>>1乙作戦です!
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/30(水) 21:11:34.03 ID:FvKsgswg0
あとは荒らしがわかない事を祈る。俺が好きなssにはいつも湧くからな...
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/05/31(木) 23:23:57.36 ID:meJxt+i0O
大事なことだから今回も確認しておきたい
土曜? >>1ーシャ
34 : ◆eltIyP8eDQ [sage]:2018/06/01(金) 20:15:07.25 ID:LRiuij090
>>33

場合によっては変更がありますが、当面は土曜投稿の予定です
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 20:10:22.67 ID:/u9xQvuEo
ワクワクわに!
36 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/06/02(土) 22:52:28.74 ID:L15gxiVg0






初めて食事を共にして以来、逸見さんは事あるごとに私のいるテーブルに来るようになった




エリカ「今日もチームをまとめられなかったわね?いい加減にしたら?」

みほ「……ごめんなさい」

エリカ「…………あなた、もうちょっと声張れないの?後ろのほうまで指示が届いてないわよ。いくら真面目な人がいたって、あなたがそれじゃあ可哀そうよ」

みほ「え?う、うん。そうだね、気を付けるね」

エリカ「……次は言わないわよ」

37 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/06/02(土) 22:55:42.51 ID:L15gxiVg0




逸見さんとの会話は逸見さんから私に向けた嫌味で占められている

そして嫌味の後には必ず対策を上げてくる





みほ「逸見さん、今日もいるんだ」

エリカ「はぁー?私が先に座ってたんですけどー?何よ、ここはあなたの専用スペース?」

みほ「だから違うって……」

エリカ「ちょっ……あなた、何その手っ!?」

みほ「え?……あ、さっきちょっと戦車の調子見てたんだった」

エリカ「信じられない……そんな手で食事を摂ろうとしてんじゃないわよっ!!」

みほ「ご、ごめんなさい」

エリカ「ほらさっさと洗いに行ってきなさいっ!!」

みほ「は、はーい。……なんかお母さんみたい」

エリカ「なんか言ったっ!?」

みほ「な、なんでもないよ」

38 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/06/02(土) 22:57:46.05 ID:L15gxiVg0




たぶん、それは逸見さんなりの優しさなのだろう




エリカ「聞いたわよ?あなた、授業中に居眠りしてたんですって?」

みほ「う……」

エリカ「困るのよ、副隊長がそんなんだと機甲科の人間全員のレベルが低く思われるから」

みほ「……ごめんなさい」

エリカ「それで?」

みほ「え?」

エリカ「なんで寝不足だったのよ」

みほ「えっと……練習メニューの効率化ができないかなって遅くまで考えてて……」

エリカ「……そういうのは一人で考える物じゃないわ。せっかく副隊長だなんて不釣り合いな地位にいるのだから他からも意見を集めなさい」

みほ「私、そういうの苦手だから……」

エリカ「……はぁ。仕方ない、私からそれとなく他の人に聞いておくわよ」

みほ「ごめんなさい……」

エリカ「……ええ、あなたが悪いからね」

みほ「うん……」

エリカ「……」


39 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/06/02(土) 22:59:41.20 ID:L15gxiVg0



気が付くと私たちは毎日のように昼食を共にするようになっていた。

相変わらず逸見さんは開口一番私への嫌味じみた注意をしてくるけれども、

その指摘は間違っておらず、何よりも不満を隠さないまま指摘への対策をしてくれる逸見さんの事を私はとても親しく感じていた






だからだろう、私はあまりにも無思慮だった





40 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/06/02(土) 23:03:16.10 ID:L15gxiVg0




エリカ「あなたは相っ変わらずね。戦車から降りる程度の事でなんで転ぶのよ」

みほ「……ちょっとよそ見しちゃって」

エリカ「いい、戦車道も武道である以上怪我の危険は常に付きまとう。だけど、不慮の事故ならともかく不注意からくる怪我だなんて意識が低いとしか言いようがないわっ!」

みほ「……ごめんなさい」

エリカ「あなたがそんなんである限りあなたを認める人なんてでないわよ」

みほ「……うん」

エリカ「あなた、自分が上級生に舐められてるってわかってる?」

みほ「……うん。でもそれは仕方がない事だよ」

エリカ「はぁ?」

みほ「だって、1年生が2、3年生を押しのけて副隊長になったら誰だって良い気はしないって思うし……」

エリカ「……はっ、あなた本当に西住家の人?まほさんとは雲泥の差ね。戦車道やめてさっさと転科すれば?」

みほ「……そうだね」

エリカ「……少しぐらい言い返そうと思わないの?」

みほ「え……?」




逸見さんはじっと、私を見つめる

睨むのではなく、ただ、何かを図るかのように私を見つめていた




エリカ「私は今、あなたを馬鹿にしてるのよ?侮辱してるのよ?……悔しくないの?」

みほ「……逸見さんの言うことは間違ってないから」

エリカ「……もういい」

41 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/06/02(土) 23:04:22.47 ID:L15gxiVg0


そう言うと、逸見さんは席を立ち、残された私は彼女の問いの意味を考えた



みほ「……間違ってないよね」




逸見さんも、私も




42 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/06/02(土) 23:07:40.14 ID:L15gxiVg0




あくる日の逸見さんは、いつもの私を小ばかにするような表情ではなく、

無表情で、ただただ怖い顔をしていた。





エリカ「ねぇ、あなたこの間、練習の後チームの子と話してたでしょ」

みほ「え?うん、一緒の戦車に乗った人達だね」

エリカ「あの時のあなたのチーム、随分と動きが悪かったわね」

みほ「あはは……あれは、私が上手く指揮できなかったから……」

エリカ「足を引っ張るのがいて大変ね?」

みほ「……そんなことないよ」

エリカ「そう、お優しいのね?」

みほ「違うよ。最初から上手な人なんていないから……だから、練習して頑張ってるんだよ。ボコみたいに」

エリカ「でもあの子たちは今日も同じミスをしたわ」

みほ「……みんながみんなすぐにできるようになるわけじゃないから」

エリカ「いいえ、違うわ。あの子たちに足りないのは練習じゃない、覚悟よ」

みほ「……それだって、きっといつか」

エリカ「……」

みほ「それにねっ、その人たちと仲良くなれそうなのっ!なんか、副隊長だから近寄りがたかったらしくて。でも、これでみんなとも友達に――――」




エリカ「……舐めた事言ってんじゃないわよ」



43 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/06/02(土) 23:10:58.66 ID:L15gxiVg0

みほ「……え?」

エリカ「あなた自分が誰なのかわかってる?」

みほ「誰って……私は西住みほだよ」

エリカ「正しけれど満点ではないわ。あなたは、黒森峰の戦車道チームの副隊長である西住みほよ」

みほ「……」

エリカ「仲良くなるのは結構よ。でも、あなたはその前にやるべきことがあるの」

みほ「それは……」

エリカ「いい加減理解しなさい。あなたは自分の立場に責任を持たなきゃいけないの。中等部とはいえ、黒森峰の戦車道チームをあなたは背負っているのよ」

みほ「……私だって、好きで副隊長になったんじゃないもん」

エリカ「……そう、わかったわ。もうあなたに期待するのはやめる」

みほ「逸見さん……?」




エリカ「西住みほ、私と勝負しなさい」





突然の事だった。

その時の逸見さんは私に向けて、怒りとは違う感情―――失望をあらわにしていた。

彼女が私に対して良い感情を抱いていないという事は知っていたけど、

それでもどこか人の良さを隠しきれていない彼女に、私は安心感を覚えていた。

だけど、目の前の逸見さんからはそんな部分は消え去って、彼女の銀髪が、碧い瞳がそのまま彼女の心の温度を示しているように感じてしまう。

44 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/06/02(土) 23:12:08.00 ID:L15gxiVg0




逸見さんのどこか私を小馬鹿にするような表情が、遠く、懐かしく思えた



45 : ◆eltIyP8eDQ :2018/06/02(土) 23:12:39.78 ID:L15gxiVg0
ここまでー。また来週
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 23:40:05.84 ID:/u9xQvuEo
おつー
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 23:48:59.76 ID:v2Tcn5jKo
乙ー
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/03(日) 00:56:32.80 ID:q5X1z9wd0
次回も楽しみです
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/03(日) 01:11:25.42 ID:2RT3IW7/o
>>34
因みにこのペースで順調に週一更新したとして大体いつくらいの完結予定になるんだい?
50 : ◆eltIyP8eDQ [sage]:2018/06/03(日) 10:50:52.02 ID:VTWnZlE00
>>34
予定は未定ですが、一応年内完結は目指してます。
51 : ◆eltIyP8eDQ [sage]:2018/06/03(日) 10:51:59.54 ID:VTWnZlE00
>>49でした。

52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/03(日) 11:04:21.91 ID:J6Y+8glE0
なんだかんだで面倒見が良いなエリカさん
もしかしたらここからみほがママ爆弾を投げる世界線も有ったんだろうか
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/03(日) 13:22:30.03 ID:C/iEDb8PO
過去のストーリー必要なのか
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/03(日) 14:45:11.43 ID:bWnryd2+0
書いてる人間が必要だと思えば必要
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/03(日) 16:50:15.79 ID:rfEPHlBB0
必要に決まってんだろ!
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/03(日) 19:34:25.05 ID:8eOBCauOo
読みたいぞ
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/03(日) 22:38:51.03 ID:q5X1z9wd0
二人の間に何があったかは気になる
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/03(日) 22:58:11.97 ID:SgAwfJC40
sageられないksは黙ってろ
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/03(日) 23:09:13.52 ID:pZTKXmJ00
wwktk
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/04(月) 23:47:31.71 ID:dEPmjhKf0
本編見ただけじゃ、黒森峰時代だと一番マシな関係性だったぐらいまでしか推測できんし
このSSにおいてここまで依存してる理由を説明するとなるとむしろ避けて通れん(確信)

一大人気ペアとして成り立たせてるのはほぼ二次創作によるのを忘れちゃならん(戒め)
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/05(火) 00:49:10.36 ID:dNKgTIan0
なんだこいつキモチワルっ
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/06(水) 00:21:14.05 ID:QNG5JaskO
期待の裏返し 2回の投下でこのレスポンス
文量が増えたからとのことだが スレ二つ目で完結できるのか……
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/06(水) 20:12:28.38 ID:+898dR0Uo
待つ間読み返しているが最初読んだとき
>逸見エリカの実力は副隊長を超えていた
ってエリカが言ってるところで違和感感じなかった俺無能
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 05:38:16.92 ID:ZzM8iSRD0
スレなんざいくらでも使ってええ
むしろ長いほうが楽しみの期間が延びて嬉しい
65 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/06/09(土) 21:40:06.12 ID:SKxrM6UB0








『負けたら戦車道をやめる』




お姉ちゃんは、逸見さんにその言葉を言わせることで副隊長の座を賭けた模擬戦の許可を出した。

……お姉ちゃんはひどいと思う。あんなにも戦車道に一生懸命な逸見さんに、戦車道そのものを賭けさせるだなんて






まほ「みほ、明日の試合期待しているぞ」

みほ「……」

まほ「正直、逸見の言葉にも一理ある。今のお前は上級生はもちろん、同級生もまとめきれてるとは言い難い」

みほ「なら……」

まほ「だから、明日の試合で知らしめるんだ。お前の実力を、強さを、西住流を」

みほ「っ……」

まほ「お前がそういう事に向かない性格なのはわかっている。だが、それでも強くないといけないんだ」

みほ「……なんで」

まほ「みほ、私たちは……お前は、西住流の女なんだ。強くあることは私たちの義務なんだ」

みほ「……うん」

まほ「わかってくれたならいい。今日はしっかり休んで、明日に集中するといい」

みほ「……」


66 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/06/09(土) 21:41:27.76 ID:SKxrM6UB0


お姉ちゃんはつまりこう言いたかったのだろう。

逸見さんを踏み台にしろ。と

同学年で実力のある逸見さんを下すことで、私が副隊長である理由を示せと。

お姉ちゃんは間違っていない。弱い人間が上に立つことを納得できる人はいないだろうから。

逸見さんは間違っていない。チームを背負っている人間が、私のような情けない人間で良いはずがない。




だから




みほ「……嫌い」




戦車道も、西住流もそして―――――それしか無い自分も



67 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/06/09(土) 21:45:46.84 ID:SKxrM6UB0






模擬戦は逸見さん達の優位で始まった。教科書にのっとったお手本通りの動き。

だからこそ、初めて組むチームであってもしっかりとした連携を取ることができていた。

だけど、それでも、私によって1輌、また1輌と数を減らしていく。



『副隊長っ!!裏を取られましたっ!!』

みほ「わかりました。そのまま引き付けて時間稼ぎをしてください」

『みほさんっ!ごめんなさいっ、逸見さんの車両逃しましたっ!!』

みほ「大丈夫です。そのまま包囲を狭めていってください」

68 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/06/09(土) 21:47:55.91 ID:SKxrM6UB0


みほ「……」


ああ、なるほど。逸見さんはこれが嫌だったのだろう。

私の指揮は、みんなに届いていない

無視しているとかじゃなく、私の指揮についていけていない

それは、みんなが悪いんじゃなく、ただただ私が悪いんだ。

どうすればみんなに伝わるのだろう、どうすれば伝えられるのだろう

どうすれば―――――逸見さんのようになれるのだろう





気づけばお互い僚車は無く、一対一の戦い



みほ「……」

『みほさんごめんなさいっ……』

みほ「大丈夫です、気にしないでください」



私の視線の先には、同じようにキューボラから体を出している逸見さんがいる。

その視線はまっすぐ私を見据えていて、私は思わず目をそらしてしまう。

69 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/06/09(土) 21:50:00.36 ID:SKxrM6UB0



エリカ「……」


逸見さんは顔をしかめて、おそらく舌打ちでもしたのだろう。体を戦車の中に戻すと、逸見さんの乗った戦車は前進してきた。





みほ「……前進」


逸見さんの車両は迷いなくこちらに向かってくる。

逸見さんはきっと戦車道が好きなんだろう。だからこそ私が副隊長である事に怒ったんだ。

私なんかより情熱を持った逸見さんのほうが副隊長に相応しい。何よりも――――私が勝ったところでこの辛い日々が続くだけ。

ならいっそ






そこで、私は思考を止めた






70 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/06/09(土) 21:52:48.43 ID:SKxrM6UB0




夕焼けの差し込む更衣室。

私とエリカさんは無言で着替えていた。



みほ「……」

エリカ「……」

みほ「……逸見さん」

エリカ「……何?」


お互い、背中合わせで会話を続ける。


みほ「お姉ちゃ……隊長に私からもう一度言うよ。逸見さんが副隊長にふさわしいって」

エリカ「……」

みほ「逸見さんは私に勝ったんだから当たり前だよ。お姉ちゃんもお姉ちゃんだよ、逸見さんに戦車道をやめるだなんて言わせておいて……あんな風に引き下がらせて……」

エリカ「ねぇ、なんでわざと負けたの?」



私の声を遮るように投げかけられた問いに、私は一瞬言葉に詰まってしまう。



エリカ「気づかないと思った?だとしたら……馬鹿にするのも大概にして」

みほ「……違うよ。私はただ、逸見さんの言葉が正しいと思ったから」

エリカ「……」

みほ「逸見さんの言う通りだよ。私に副隊長だなんて荷が重いよ」
71 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/06/09(土) 21:57:30.02 ID:SKxrM6UB0


みほ「それに、逸見さん負けたら戦車道やめるって……そんなの、おかしいって――――」




瞬間、頬に衝撃が走る。

それに遅れて痛みが広がっていく。

何が起きたかわからず呆然とする私の前で、エリカさんは目を潤ませ、息を荒げながら私をにらみつけていた。




みほ「……逸見さん?」

エリカ「……なんでっ……なんでなのよっ!?あなたはホントは強いのにっ!!私を見下して楽しいっ!?」

みほ「ち、違っ……私、そんなつもりじゃ……」

エリカ「同じよっ!!あなたは仲間を軽んじて、私の覚悟を踏みにじったっ!!」

みほ「ねぇっ聞いて逸見さん私は……」

エリカ「私を哀れんだつもり……?私を救いたいとでも思ったのっ……?そんなのッあなたの自己満足じゃないッ!!」

みほ「そうじゃないの逸見さん、私は」

72 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/06/09(土) 22:00:59.11 ID:SKxrM6UB0


エリカ「いいわよね西住流の家に生まれた人はっ!?幼いころから戦車道を仕込まれて、充実した設備と環境で強くなることを定めてもらえるからっ!!」

みほ「っ!?」

エリカ「『持ってる』あなたからすれば、『持たない』私はさぞかし滑稽でしょうねっ!?」





何回も、何十回も、いやそれ以上に言われてきた言葉。

なのに、逸見さんから放たれたその言葉は、知っているはずなのに今まで聞いたどんな言葉よりも深く、私の何かに突き刺さった



708.34 KB Speed:0.4   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)