紬「……メンドクサイフェアリー、ですか?」

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1 : ◆0NR3cF8wDM [saga]:2018/05/22(火) 23:28:11.79 ID:camMbKJx0
前の話
【ミリマス】千早「メンドクサイフェアリー?」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1508416446/

未来の話
志保「千早さんの誕生日を祝いたい?」静香「ええ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1519485680/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1526999291
2 : ◆0NR3cF8wDM [saga]:2018/05/22(火) 23:29:07.16 ID:camMbKJx0

・紬と静香


静香「あ、紬さん。おはようございます。早いんですね」

紬「おはようございます、最上さん。今日は、何だか早く目が覚めてしまいましたので」

静香「ふふ、奇遇ですね。私も、たまたま早く起きちゃって。何もせず家にいるのもちょっと嫌で、こんな時間に来ちゃいました」

紬「そうなのですか……? 不思議な偶然もあるものです」

静香「あの、紬さんは、レッスンの時間まで何か予定ありますか?」

紬「いえ、特には。こうしてお茶でもいただこうかと考えておりました。最上さんも、お飲みになりますか?」

静香「ええ、私も貰おうかな……って、ちょっと、自分でやりますから! 紬さん!」

紬「? あ……申し訳ありません、私の淹れたお茶なんて……」
3 : ◆0NR3cF8wDM [saga]:2018/05/22(火) 23:30:07.57 ID:camMbKJx0

静香「違います違います! 年上の方にわざわざ席を立ってお茶を淹れてもらうなんて、そんなことできないですよ」

紬「そ、そうですか……? 最上さんがそうおっしゃるのでしたら……」

静香「…………よいしょ、と。あの、隣、座ってもいいですか?」

紬「はい、どうぞお座りください」

静香「……あの、前から思ってたんですけど、紬さんって、年下の私や志保、桃子にも敬語ですよね」

紬「はい。それが何か……?」

静香「その、紬さんは年上ですし、そんなに丁寧に話してもらわなくても大丈夫ですよ?」

紬「……私の話し方、失礼でしたか……?」

静香「そんなことないです! 年下の私たちにも気を使ってもらって、嬉しくはあるんですけど……せっかくこうやってユニットとして一緒に活動しているわけですし、もっと気楽に話して欲しいな、って」

紬「そう、ですか……」

静香「はい。その、私も、もっと紬さんと仲良くなりたいので!」
4 : ◆0NR3cF8wDM [saga]:2018/05/22(火) 23:32:22.88 ID:camMbKJx0

紬「も、最上さん……そんな、うちなんかと……」

静香「それです! その、うち、っていうのすごくいいと思います」

紬「も、もう! からかわないでください……」

静香「ふふ、からかってなんかないですよ。本当にいいなって思ってますし、もちろん、仲良くなりたいっていうのも本当です」

紬「……あ、ありがとうございます…………そ、その、最上さん」

静香「はい?」

紬「……最上さんがそうおっしゃるので白状しますが……私、方言で喋るのが、その、少し恥ずかしくて……」

静香「そうなんですか?」

紬「はい。向こうにいた頃は考えたこともなかったのですが、こちらに来てから、どうしても気になってしまって。……敬語で話していれば、向こうの言葉も出ませんので……」

静香「そうだったんですね……」
5 : ◆0NR3cF8wDM [saga]:2018/05/22(火) 23:33:50.74 ID:camMbKJx0

紬「ご自分の話し方を曲げない横山さんや木下さんが、羨ましくもあります。でも、私は周りの方の目が気になってしまうので……」

静香「……なるほど。ごめんなさい、そうとも知らず、無理を言ってしまったみたいで」

紬「いえ! その、最上さんから、仲良くしたいとおっしゃって頂いて、私も嬉しかったので……」

静香「……紬さんは、方言を出したくないから、敬語で喋っているんですよね?」

紬「? はい」

静香「だったら、名前で呼んでもらうのは、平気ですよね?」

紬「?」
6 : ◆0NR3cF8wDM [saga]:2018/05/22(火) 23:35:05.91 ID:camMbKJx0

静香「静香、って呼んでください」

紬「ふぇ?」

静香「静香」

紬「も、最上さん?」

静香「静香」

紬「あぅ、そ、その……」

静香「静香」

紬「……し、し、静香……さん」

静香「はい、紬さん。……本当は、さん、もいらないですけど」

紬「そ、それは堪忍してください。もが……静香さん」

静香「ふふ、そうですね、堪忍ですね。ふふ」

紬「?」
7 : ◆0NR3cF8wDM [saga]:2018/05/22(火) 23:36:30.49 ID:camMbKJx0

・紬と志保


志保「おはようございます……静香に、紬さん? 早いんですね」

静香「おはよう、志保。たまたま早く来ちゃってね。紬さんと一緒にお茶を飲んでたの」

紬「おはようございます、北沢さん。もが……静香さんが、お話相手になってくださって」

志保「!? そ、そうですか。静香と紬さんが……」

紬「? 北沢さん、どうかなさいましたか?」

志保「いえ、別に……」
8 : ◆0NR3cF8wDM [saga]:2018/05/22(火) 23:37:37.39 ID:camMbKJx0

静香「志保ー、あなたもお茶飲むでしょ?」

志保「……ええ」

静香「ほら、おかわりのついでにあなたの分も……って、どうしてわざわざそんなに離れて座るのよ」

志保「……別に、いいでしょ」

紬「……北沢さん?」

静香「はぁ……志保、また出てるわよ。いつもの癖」

志保「っ!」

紬「?」
9 : ◆0NR3cF8wDM [saga]:2018/05/22(火) 23:40:42.20 ID:camMbKJx0

静香「ふふ。紬さん、覚えておいてください。この子の『別に』って、何か悩んでいたり、言いたいことがあるけど言えなかったり、嘘をついていたりのサインなんですよ」

紬「そうなのですか……?」

志保「ちょっと、静香! 紬さんも、真に受けないで下さいよ!」

静香「くす」

志保(いらっ)

静香「もう。志保のことだから、どうせ、自分は会話の邪魔になる、とか考えてたんでしょ?」

志保「べ、別に、そんなこと……」

静香「ほらまた」

志保「くっ……」
10 : ◆0NR3cF8wDM [saga]:2018/05/22(火) 23:43:52.37 ID:camMbKJx0

静香「だいたい、志保は――」

志保「でも、静香、あなただって――」

紬「……」

紬「……お二人は、本当に仲がよろしいのですね」

静香志保「「え?」」

紬「お二人の会話からは遠慮が感じられませんし、お互いを理解しているようにも心配しているようにも聞こえます」

静香志保「「べ、別に、そんなこと……」」

紬「くす。とても素敵なことだと思います。……ちょっと、羨ましぃげん」

静香「……紬さん?」

志保「……」
11 : ◆0NR3cF8wDM [saga]:2018/05/22(火) 23:45:33.36 ID:camMbKJx0

紬「あ、いえ、その、すいません。気になさらないでくだ」

志保「……志保」

静香「!」

紬「?」

志保「志保。私の名前です」

紬「は、はい。勿論、存じております」

志保「呼んでください」

紬「ふぇ?」

静香「へぇ……」

志保「……静香ばっかり、ずるいじゃないですか」
12 : ◆0NR3cF8wDM [saga]:2018/05/22(火) 23:47:12.55 ID:camMbKJx0

紬「あ、え、その……」

志保「……やっぱり、私と仲良くするのは難しいですか?」

紬「そ、そんなことありません! 私は、北沢さんとも、是非もっと仲良くなりたいと思って……」

志保「志保」

紬「あぅ」

志保「志保」

紬「……し、志保、さん」

志保「くす。紬さんの方が年上なんですし、さん、もいらないと思うんですけど」

紬「…………ふ、ふふっ」

志保「? 何かおかしかったですか?」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/22(火) 23:47:26.13 ID:8jl2IX7aO
蘭子「混沌電波第169幕!(ちゃおラジ第169回)」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1526897877/
14 : ◆0NR3cF8wDM [saga]:2018/05/22(火) 23:48:24.96 ID:camMbKJx0

紬「ふふ……その、もが、静香さんと同じことをおっしゃるので、ふふ、やはりお二人はよく似ているのだな、と思いまして」

静香「……」

志保「……そうなの、静香?」

静香「……まぁ、似たようなことは言ったかもしれないわ」

志保「ふーん」

静香「……ふーん、って、それだけ?」

志保「……他に何を言えばいいのよ」

紬「ふふ、くすくす」
15 : ◆0NR3cF8wDM [saga]:2018/05/22(火) 23:50:18.12 ID:camMbKJx0

静香「……そ、そういえば、紬さんっ!」

紬「は、はい」

静香「千早さんのことは、最初から名前で呼んでましたよね?」

志保「……そういえば、そうね」

紬「はい。千早さんは……こちらに来る前からアイドルの方として存じ上げていまして、その、『如月さん』ではなく『千早さん』という認識でしたので」

紬「……初めてお会いした時に、失礼ながらついお名前が口から出てしまいまして。慌てて呼びなおそうとしたのですが、千早でいいですよ、とおっしゃって下さったのです」

静香「なるほど。でも、何だか分かる気がします。千早さんはアイドルの『千早さん』だったから、最初お会いした時は目の前にいることが信じられなくて」

志保「……私も、アイドルの先輩方の姿を間近で見て、本当に自分もアイドルになったんだ、とようやく認識した覚えがあるわね」
16 : ◆0NR3cF8wDM [saga]:2018/05/22(火) 23:52:00.45 ID:camMbKJx0

紬「ええ、ええ。分かります、きたざ……志保さん。本気だと言って人を誘っておいて、それなのにいざ私の姿を見ると驚いて、お気楽で、無神経で、本当にこの方がプロデューサーなのか、本当に私はアイドルになったのかと心配にもなりましたが……テレビで拝見していた千早さんや先輩方とお話をさせて頂いて、嘘ではなかった、夢ではなかった、と」

静香「そう! そうなんです! プロデューサーって、面接の時から何だか頼りなくて、そのくせ私のことも変に子ども扱いするし、本当にこの人についていって大丈夫なのかな、って」

志保「……もう少し、社長のような頼りがいと落ち着きが欲しいのは確かね」

紬「本当に、不躾で、無遠慮で、それにご自分の言葉に無責任な所も…………と、とはいえ、その、時には細やかな優しさを感じることもありますし、私をこの世界に導いて、お世話してくれていることに感謝はしていますが……」

静香「……ま、まぁ、まったく頼りにならないってわけじゃないですよね。たまには、ちゃんとプロデューサーっぽいことも言ってくれるし……」

志保「……そうね。最近は、見直すことも増えてきたかな」
17 : ◆0NR3cF8wDM [saga]:2018/05/22(火) 23:55:14.86 ID:camMbKJx0

紬「……」

静香「……」

志保「……」

紬「……ふふ」

静香「……くす」

志保「……ふふ」

紬「何だか、似ているのかもしれませんね、私たち」

静香「そうですね……紬さんはともかく、志保と似てるっていうのは、ちょっとあれですけど」

志保「……こっちの台詞よ、まったく」

紬「ふふ、くすくす」
18 : ◆0NR3cF8wDM [saga]:2018/05/22(火) 23:57:41.76 ID:camMbKJx0


・紬と桃子


桃子「おはようございまーっす。あれ、もうみんな来てたんだ。……って、何だか楽しそう?」

紬「おはようございます、桃子さん。ええ、静香さん、志保さんと、お話をしていました」

桃子「!」

静香「おはよう、桃子。私と紬さんで志保の相手をしてあげてたの」

志保「おはようございます。私と紬さんで志保に付き合ってあげてたのよ」

静香「へぇ……?」

志保「ほぅ……?」

紬「ふふ、静香さんも志保さんも、本当に仲がよろしくて」

桃子「ふ、ふーん? 紬さんも、随分楽しかったみたいだね?」
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