【安価】異能戦【オリジナル?】

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157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/27(日) 13:56:19.19 ID:cMUtgolR0
>>156
「ガスを出す際に能力者本人にはガスの影響はない」も説明の追加でお願いします。
158 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/27(日) 17:54:41.67 ID:LcCubbSJO
【ガス操作】
空気やガスを操ることができ、自身の体もガスに変えることができ、その場合は物理攻撃が効かない。
ガスを出す際に能力者本人にはガスの影響はない。


和田「……なるほど」

祐介「助かったぁぁ!!」

美知子「どのみち助からない……」


和田の一太刀を、体を気体に変えて交わし地面に足を下ろした。


美知子「嘘……?! でも、それなら何故助けを求めたの……?」

祐介「訳ありでね。しかし、この状況はまずいよなぁ」

和田「君のその異能、見逃せませんねぇ。かと言って持ち帰るのも難しそうです」


──ならば、ここで殺すのみ。
159 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/27(日) 20:23:55.25 ID:LcCubbSJO
目がさめた。柔らかい感触があり、布団の上に寝かされていることがわかった。そして、肩と左腕に痛みがあった。

御堂 恭弥は公民館から遠くない住宅にいた。


恭弥「痛ぇぇ……」


【ハート共鳴】に反応がある。近くに人がいるのだ。それも、すぐ横に。


いた人>>160->>161
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/27(日) 20:26:53.31 ID:joRbQIe70
皆本恭子
紫髪のツインテールのお嬢様な感じが漂う女の子。スタイルもよく巨乳

既存でしか無理なら風子で
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/27(日) 20:40:14.73 ID:TQAxzn4g0
間宮優一(まみや ゆういち)
気弱そうな中学生男子
162 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/27(日) 21:03:04.67 ID:LcCubbSJO
皆本 恭子(みなもと きょうこ)
紫髪ツインテールのお嬢様な感じが漂う女の子。スタイルがよい。


恭弥「……そうか、爆発したんだ」

恭子「よかった、気がつきましたね!」

恭弥「君は? 助けてくれたのか?」

恭子「はい。横の家の屋根に降ってきたんですよ?」

恭弥「そうか。ありがとう! 俺は御堂 恭弥。異能は……君も異能を?」

恭子「異能ですか。……はい、持ってます。恭弥さんもなのですね」

恭弥「……」

恭子「わ、私は! 皆本 恭子ですっ! えと、名前が似てますね! 漢字はこう書くのですが……」

恭弥「お、この字一緒だ」

恭子「本当ですか?! えへへ、何かの縁を感じますね」


皆本 恭子の異能>>163->>165
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/27(日) 21:12:53.92 ID:joRbQIe70
>>130(+武器も変わる)
例えば、ナース服なら武器は大きいお注射で回復系の技が使えるようになる
チャイナ服なら身体能力が全体的に上がり拳法を技を使えるスタイルに
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/27(日) 21:29:33.66 ID:FOyPdGMJ0
花咲令嬢〈ブルーメンフロイライン〉
自分の体液をかけた所から美しい花々を咲かせ、またツタを伸ばして対象を拘束
血を元にした場合は生物に襲いかかる凶悪な吸血植物を生やせる
165 :Falsemanの人 [saga]:2018/05/27(日) 21:57:21.51 ID:a/Gt0Uv70
【マッドメディック】
あらゆる医療関係の道具(レントゲンや、救護車両、集中医療室などの大型機も含む)を召還&属性付与&武器にできる。効果は確かだが、攻撃も治療も激痛を与える。麻酔は一応ある。

原動力は誰かを助けたい気持ちなので、ハート共鳴と愛称がとても良いと思う
166 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/27(日) 22:35:42.75 ID:LcCubbSJO
【マッドメディック】
あらゆる医療関係の道具(レントゲンや、救護車両、集中医療室などの大型機も含む)を召還&属性付与&武器にできる。効果は確かだが、攻撃も治療も激痛を与える。麻酔は一応ある。


恭弥と恭子は互いのことや、異能についての情報を共有した。


恭弥「それで恭子の異能を使って治してくれたのか?」

恭子「はい。せんぱ……恭弥君の【ハート共鳴】って飛べるわけじゃないですよね?」


恭弥君、という呼び方は一つ年下だと知った二人が五分間に渡る議論の結果折り合った形だった。


恭弥「飛ぶ? そうだ。祐介を探さないといけない。どこかに飛んでいくのを見たんだ」

恭子「いけません、恭弥君はまだ怪我人です!」

恭弥「……なあ、救急車とか出せないのか?」

恭子「だ、出せますけど……」
167 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/27(日) 23:05:34.67 ID:LcCubbSJO
ジャックと秋斗は【動物シール】で大鷲を出して無事に着地していた。


ジャック「秋斗の象がなかったら死んでいたね」

秋斗「兄ちゃん達大丈夫かな?」

ジャック「あの人達ならどうにかしてそう」

秋斗「たしかに! あははは」

ジャック「……今、車が走って行った? そんな音がしたんだけど」

秋斗「ん? わからなかったなぁ」

ジャック「しばらく近くに身を潜めよう。疲れたしね」
168 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/27(日) 23:14:22.22 ID:LcCubbSJO
彩「あそこに誰かいるね」

いろは「……二人かなー?」

うらら「いろは目いいね!」

いろは「どうかなー。ギリギリ見えるだけだよ」

奈々「二人ね。よく見えるわ」

奈々は【電撃銃】で狙撃銃を出し、スコープを覗いていた。

剛也「あひゃひゃひゃ、それはずるいぜ」

彩「大きいお姉さん、その人達は友好的に見える?」

奈々「あー。……戦うしかないわね。たぶん」

いた人の
名前
容姿>>169->>170
異能>>171
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/27(日) 23:17:02.94 ID:cMUtgolR0
照喜名 光(てるきな ひかり)女
服装が派手で、ギャルの格好をしてる。
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/27(日) 23:22:28.19 ID:a/Gt0Uv70
波魔 圧郎(ハマ アツロウ)男

口が少なくギョロ目。総司令官のような軍服を着た男。常に堂々としている
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/27(日) 23:25:24.47 ID:joRbQIe70
朝比奈(あさひな)くるみ
ツインドリルの茶髪。スマホをいじっている今時の女の子な感じ
能力なら安価下
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/27(日) 23:33:26.42 ID:cMUtgolR0
>>169訂正
派手な服装で、ギャルっぽい。
安価下
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/28(月) 00:00:09.31 ID:/ZYQqXmI0
>>149
174 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/28(月) 00:27:41.83 ID:ijyNz1mpO
波魔 圧郎(はま あつろう)
口が少なくギョロ目。総司令官のような軍服を着た男で、常に堂々としている。

圧郎の異能【剛腕〈パワード〉】
自分の身体能力を自由に上げる 。
ただし、能力前に使う身体の能力が基準でそこから落とすことができない。


照喜名 光(てるきな ひかり)
派手な服装でギャルっぽい。

光の異能>>175
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/28(月) 01:01:05.78 ID:pQ578WD80
【妖精姫(フェアリープリンセス)】
妖精に変身する能力。背中に妖精の羽が生えていることで飛ぶことが可能。さらに特殊な鱗粉出すことができ、それを受けた相手は一時的に麻痺したり眠ってしまう。
妖精なので自身の体を小さくする事ができる。
176 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/28(月) 21:17:53.95 ID:ijyNz1mpO
奈々「おかしいわね。片方が消えた……?」


【豪腕】を持つ圧郎は自由自在に身体能力を強化できる。それは、徐々に加速していく純粋な力だった。


光「いってらっしゃーい、おじさん! ……って聞こえてないな」

光「スマホあればキャスできたのにもったいないなー」


圧郎は思い切り助走をつけ、竜也の顔面めがけ真っ直ぐに跳躍。剛弓より放たれた矢の如く打ち出す蹴りは、空駆ける竜を射落とした。


圧郎「容易いな」

彩「うぅ、何なの?! 制御できない……!」

うらら「え、ええ?!」

いろは「みんな、捕まって! 」

剛也「あひゃひゃひゃ! 彩ちゃーん」

彩「やめろ! 触るな!」


一同、墜落。
177 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/28(月) 21:34:17.19 ID:ijyNz1mpO
竜と化した竜也がクッションになりほぼ全員が無事だった。しかし、本人には【偽・竜化】が解けるほどのダメージがあった。


うらら「赤石さん……!!」


竜也の腹部にはぽっかり穴が開いていた。


いろは「大丈夫だよ! まだ生きてるから!」

彩「いろはさん、任せて大丈夫?」

いろは「うん!」


竜也が虹に包まれる。しかし、傷の程度から時間を要することは免れない。


圧郎「女子供ばかりか。さて、どうする。誰が来る? そこの貴様か」

剛也「あひゃひゃ、俺はおっさん嫌いなんだよ!」

光「来ちゃった」

圧郎「勝手にしろ」

剛也「そうそう、おっさんより時代はフェアリーだろ!」

彩「相手は二人、こっちは四人だよ! 分散させて戦おう!」

奈々「ええ。そこの妖精さん、撃ち落としてあげるわ」

うらら「ええと、私は……」

圧郎「行くぞ。まずは20%といったところか」

彩「……【使用窃盗】ッ!!」


指定安価は>>179
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/28(月) 21:39:12.93 ID:oalhppF50
【絶対殺傷(ダメージイコール)】
自分が受けたダメージを蓄積させてそのダメージを2〜3倍のパワーに変えて一気に放出する
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/28(月) 22:47:01.88 ID:9rzhRMqeO
思い付かないので安価↓
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/28(月) 23:26:54.39 ID:Tduz4ivl0
【マッドメディック】
効果は>>165

シナリオに矛盾生じるなら>>178
181 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/29(火) 00:02:23.00 ID:M4aJm31nO
彩「【マッドメディック】ッ! とりあえずメスを。すごく切れるやつ!」

圧郎「刃物を持ったところで貴様は勝てない。私の力はまだ止まらない」


拳を彩に向けて構える。冷静を装っているつもりの彩だが、先ほどの蹴りの威力を見た故に怯えていた。


うらら「彩ちゃん……!」

彩「あの人は純粋なパワー型っぽいから、うららさんは下がってて! こっちも危ないことしないと勝てないから……!」


うららは目に涙を浮かべていた。小学生の女の子が、怯えながらも勇気を振り絞って大男に立ち向かわんとしているのに、自分は何もできない。武器はストックしていなかったのだ。


圧郎「ふんッ!!」


まさに豪腕。その一振りで周辺の瓦礫やチリが吹き飛んだ。本能的に威嚇をしていたようだ。圧郎は徐々に高ぶる力を感じつつ笑みを浮かべていた。


彩「属性付与……? そうだ!」


彩は医療用のアームを魔改造し、巨大かつ全ての指先からレーザーを射出可能な兵器を五機作り出した。


圧郎「他愛ない。本体を潰せば済む」

彩「うぅ……レーザー、一斉射出っ!!」


圧郎は駆け出す。地面には深く足跡を残しながら。
182 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/29(火) 00:22:39.98 ID:M4aJm31nO
圧郎「死ね、子供」

彩「そのまま殴るの、おじさん? このメスすごく切れるんだけど」

圧郎「試してみるか?」


思い切り拳を振るう。彩は刃先を向け、目を閉じた。圧郎の右ストレートは軽々とメスを粉砕し、彩の眼前で止まった。


圧郎「生意気な子供だな。少しいたぶってやろうか?」

彩「お……おじさん趣味悪いねー。それに何だか臭いし?」


これは彩なりの作戦だった。この一瞬の間で熱線が圧郎に照射された。しかし、圧郎は動じなかった。


圧郎「無駄だ。既に私の力が上回っている」

彩「うそ……?!」


助けを求めようと辺りを見渡す彩。しかし剛也と奈々は近くにいなかった。うららは後方で立ち尽くしている。目を凝らしてみると口元を押さえて目を閉じていた。

圧郎「……悔やめ。そして訂正しろ」

圧郎は片手で彩の両手首を押さえ、足を外側から添える形で身動きを封じた。目は血走っていた。


圧郎「見てみろ。この指、どうするかわかるか?」

彩「い、いやっ……」


指がへその上あたりにめり込んでいく。肌を破り幼く柔らかい肉を押しつぶす。
183 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/29(火) 00:46:26.76 ID:M4aJm31nO

四肢を封じられているため、もがくことすら許されない。
痛みが明確になるにつれて更なる恐怖、喪失感、そして痛みが彩を襲う。


彩「いやっ……やめろっ……いだぃぃ」

圧郎「思い上がるなよ子供。逆らわず死んでおけば楽だったろうに」


レーザーもメスも、そしてドリルも効かない。


うらら「私は……」


この異能戦が始まってから、うららは自身を戦えもしないゴミクズだと思っていた。異能は実際攻撃的なものではない。
赤石が竜化した時に逃げることしか出来ず、そして今現在も呆然と立ち尽くすのみである。
葛藤の中でうららは壊れる寸前だった。彩が死ねば、次は自分だ。それ以上にこの状況で無力なことに吐き気がする。


うらら「私は……。私は死んでもいい? そう、無能だから?」


しかし、奈々が助かったのは紛れもなくうららの功績だった。そのことを考慮できないほどのパニックに陥っているのだ。
184 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/29(火) 21:05:35.19 ID:M4aJm31nO

私の異能は全てを収納する。考えたことは無かったけど、向こう側はどうなっているのだろう。
このまま彼女が殺されるのを見過ごす? 何か行動を起こす? 次に間違えれば確実に無能だ。生きる価値無し。いや、どちらにしろ確実に殺される。


彩「う……うららさんっ! ぐぅっ……たすけて……ッ!!」

圧郎「 興ざめだな」

うらら「彩ちゃん……?!」


思いがけない叫びにうららの葛藤が吹き飛ぶ。
胸に手を当てる。今は、今だけは不必要な感情を仕舞い込むことにした。
185 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/29(火) 21:35:18.39 ID:M4aJm31nO
うらら「彩ちゃんを話せえぇぇぇ!!」


圧郎めがけて全力で走り出す。圧郎はうららの方を見ながら彩に突き刺さった指を弄る。


圧郎「ほう、向かってくるか。蛮勇だな」


近くに落ちている小石を次々と投げる。その全てが並みの銃弾を上回る威力を持っていた。


うらら(致命傷以外は気にするな……! 触れれば勝ちなんだっ)


身体中に切り傷が出来た。前に進めなくなり得る石は全て【コレクター】で予め持っていた金属でいなした。異能を用いて収納することは、できない。左肩に石がめり込んだが、足は止めなかった。


186 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/29(火) 22:02:06.27 ID:M4aJm31nO
残り十歩。嫌な予感がした。


うらら「うおおおぉぉぉッ!!」

圧郎「救おうとした子供を目の前で殺されるのはどんな気分だ?」


指を抜き拳を振り上げた。彩の腹部から血が溢れる。


圧郎「挽肉の出来上がりだ」


──爆発。一瞬で二ヶ所、その異能が行使された。


圧郎「む……」


そのうちの一つは圧郎の顔面。そしてもう一つは


うらら「届けぇぇぇ!!」


うららの背中だった。脳を揺らす衝撃も、熱さもその精神の前には害を為さない。圧郎が意識をうららに向ける。
しかし、確実に触れることのできる距離だ。誤算があるならば、圧郎の身体能力が加速していることだった。


丸太のような腕が、うららの腹を貫いていた。
187 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/29(火) 22:40:48.43 ID:M4aJm31nO

うららは勝った。圧郎は収納され、異次元空間に固定されたのだ。うらら自身、自分がもし死んだ場合にどうなるのかはわからなかった。彩が異能で医療用具を出現させていたのを見て、そこに希望を持っていた。


彩「やったね……。でも、【マッドメディック】返されちゃった」

うらら「……そっか。いろは……。いろはに治して……もらおう……」


彩が辺りを見渡すが、いろはや赤石の姿はなかった。


彩「……うららさん」

うらら「うん、なんとなく……嫌な予感はしてたんだ」

彩「うららさん、ありがとう。強いよ。異能なんて関係ない。心であいつに勝ったんだ」


気を失う前に見たのは、微笑むうららの顔だった。そこに後悔はなく、でももう少し生きたかったと名残惜しさがあった。
188 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/29(火) 23:23:34.41 ID:M4aJm31nO
奈々と剛也は、光を圧郎から分断すべく【雷撃銃】と【狂気の爆炎】で応戦していた。

光は【妖精姫】の飛行能力を駆使して超速で躱していく。
しかし、圧郎が威嚇のために放った空振りで光は遠くまで吹き飛ばされ、二人はそれを追った。


光「最悪なんだけどー。あのおじさん何考えてるの?」

剛也「あひゃひゃひゃ! 見つけたぜ、フェアリー!」

光「気持ち悪いのもついてくるしー。おじさんと早く合流してやっつけてもらうから」

奈々「そうはさせないわ。あなたはこの【雷撃銃】が撃ち落とす!」

剛也「そうだな、向こうでロリが頑張ってるんだよ殺すぞ」

光「なに?お兄さんヘンタイじゃん! えー、動画撮って拡散しなきゃ!」

剛也「チッ……お前らが小学生の頃はそんなのじゃなかっただろうが!! 腐れフェアリーがよぉぉぉ!!」


変態の遠吠えだった。


光「元気だなぁ。そろそろ効いてくるはずだけど」


その言葉の意味を勘ぐり始めた剛也と奈々は己の体が麻痺していることに気がついた。

剛也「動けねぇ……」

奈々「くっ……!! 【電撃銃】!!」


二発の電撃が空飛ぶ妖精の近くを通り過ぎる。


光「ざんねーん! さあて、すぐに眠たくなるはずだよー! その後はおじさんに殺されるのみ、だね〜」

【狂気の爆炎】の標準が狂う。まぶたが重く、視界も保たなかった。【電撃銃】は狙うことはできたものの、全く命中する気配がなかった。
189 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/30(水) 00:03:34.58 ID:Hs7XB6M8O
剛也「あ、やばい。目開かないわ」

奈々「寝たら死ぬわよ……!」

光「寝なくても死ぬよー」


落ちていく意識の中、考えたのは彩のことだった。


剛也「まだ名前呼ばれてねえよ」

奈々「はぁ……?」

光「じゃあたし行くねー。ばいばーい!」

剛也「俺の目を撃て。片方だけだ」

奈々「何を……」

光「もー、寝言は寝ていいなよ? 目覚めることはないから安心して何でもほざいてなー」

奈々「本気なのよね? 狂ってるけど……」

剛也「早くしろ。覚悟は出来てる」


奈々は霞む視界を凝らして【電撃銃】を構える。すでに起き上がることすら不可能で、地面に寝そべったまま標準を合わせる。

バチッ

まぶたを突き抜けて眼球を焼かれる痛み。まさに、狂気だった。その衝撃は剛也を冷静に狂わせる。


剛也「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃぁぁぁ!! 痛ぇぇ!! 目ぇ開いたぜぇぇ!!」


潰れた左目など意に介さず【狂気の爆炎】を発動。剛也の覚悟に共鳴するように増長したパワーは、目に見える範囲全てを爆破させた。
190 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/30(水) 00:16:02.42 ID:Hs7XB6M8O
肉の一欠片も残すことなく焼き払った。ついでに周囲の鱗粉も払っていた。


剛也「そう、覚悟なんざロリコンになった時にもう出来ていた。チッ……痛えな。それより彩ちゃんだ。おいライダー、スコープ出せよ」

奈々「うぅ……すぅぅ……」

剛也「おいゴルァ!!」

奈々「う、ええ? 寝てた?」

剛也「あひゃひゃ、そんなことどうでもいいんだよ。早くスコープ出せや」

奈々「わ、わかったわ。はい、【雷撃銃】」


銃本来の構え方ではなかったが、遠方を伺えるのならそれでよかった。見えたのは、立ち向かううららと、愛しき少女を愚弄する男だった。
そこからは早かった。今一番、可能性のある方法を考え実行するのみ。全ては彩のために。

191 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/30(水) 00:53:51.61 ID:Hs7XB6M8O
時を少し遡り運動公園。祐介は【ガス操作】、美知子は【温度変化】で和田と交戦していた。


祐介「瞬間移動できるのかよ!!」

和田「空も歩けますよ」

美知子「なんで攻撃を読めるの?!」

和田「美知子君、甘いですねぇ。そして君も甘ったるいことこの上ない」


その時、運動公園に救急車が来る。恭弥と恭子が降りる。

恭弥「祐介ぇぇ! 探したぞ!」

祐介「恭弥! 無事だったか! だが来るなよ、このおっさん強いぞ」

和田「ほう、親友ですか。この戦いにも飽きてきたところです」


和田は恭弥のすぐ後ろに転移、胸をひと刺し。目を見開く祐介を見てほくそ笑んだ。


祐介「恭弥ぁぁぁ!!」

恭子「きゃぁぁああああ?!!」


鮮血が和田の太刀を伝う。祐介の顔つきが変わった。周囲に力の渦ができ、両手が火炎のごとく輝く。

祐介「────【強欲な借り主〈レンタル〉】ッ!!」

祐介「更なる力を……貸してくれッ!!」

指定安価は>>192->>193
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/30(水) 01:15:25.04 ID:l1ODKVst0
【吞み喰い〈グラトニー〉】
自らの周囲に泥の様に濁った穴を展開させる。
穴は使用者の任意で物質や能力による力を吸い込み、吸収する。
吸収した力の数程穴の展開出来る個数を増やす事が出来るが、一定量の力や物質を喰らうと穴は閉じてしまう。

193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/30(水) 07:01:09.85 ID:U3zpFzXl0
【修正時間〈リバースタイム〉】
人やモノの時間を自分が触れることで自分の好きな時まで直す(戻す)能力
傷ついたり、壊されたでもなくても自分が前の形や原材料などを知っていればその時まで元に直せる
また自分に使うことも可能でまた直すときに途中介入して最終的に形などを変化させることも可能


簡単に言えば自分にも使えるようになったけど、スタンドがないジョジョのクレイジー・ダイヤモンド
194 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/30(水) 23:21:00.27 ID:Hs7XB6M8O
祐介「ありがとよ……!」

和田「なるほど。何でも吸い込む穴と直す力ですか。しかし期待に応えてくれて嬉しいですよ。これで殺し甲斐もあるってものです」

祐介「安心しろ。……お前は俺が殺すッ!!」

美知子(駄目。きっと和田さんの異能を解明しないと勝機はない……!)

恭子「私の【マッドメディック】で……!」


恭子はその異能を攻撃に使おうとはしない。それは現状況で和田を殺め得る可能性が最も高いことを考慮した上での結果だった。
祐介が展開した泥穴を和田が切っていく。和田の持つ太刀は異能の副産物なので泥穴を潰した後再び出現させることができる。


祐介「しかし手強いな、おっさん」

和田「まだまだ若いものに負けてられませんからねぇ」


和田の異能は【六神通〈ヴィパッサナー〉】。
神足通、天耳通、他心通、宿命通、天眼通、漏尽通の六つの力からなる能力だった。和田の太刀は宿命通によるものだ。

神足通で転移や空中浮遊をし、他心通で心を読んでいた。


祐介(あの子、救急車を出していただけあって治療ができるのか……?)

和田「そのようですねぇ。優しいお嬢さんだ。しかしよそ見をされるとは、心外ですねぇ」

祐介「うるせぇ、心読むな! どういう異能なんだよそれ!」
195 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/30(水) 23:44:23.97 ID:Hs7XB6M8O
祐介「待てよ、今俺何を……」

和田「ただの暴言だと思いますが」

祐介「うるせぇ。何だこの違和感は……」


和田の異能を解明すべく、美知子は観察していた。しかし答えにはたどり着けなかった。


祐介「決め手にならねぇか……?」

和田「いえ、君の引き当てた能力はどちらも協力ですよ。強いて言うならつかいこなせていない君に問題がありますねぇ」

祐介「クソが……!」

和田「異能を使いこなすというのは、こういうことですよ」


和田が露の構えをとる。そこからは一振りのみ。しかしそれは、緩急と転移を組み合わせて発揮する斬撃と突きの六撃。最初に目の当たりにした若見 奈恵はそれを【仏の斬〈ヴィパッサナー〉】と呼んだ。
196 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/31(木) 00:44:59.68 ID:5Dv4uoSwO
脳や心臓を狙った二撃は【呑み喰い】で防いだ。しかし、祐介は残りの【仏の斬】を受けてしまう。

祐介の左腕が切り落とされ、血が吹き出る。


祐介「なッ……?! 【修正時間】……!」


右腕もほぼ切断されていた。ただ肉として繋がっているだけで、動くことはなかった。


和田「さあ、終わらせましょうか」

祐介「……やめろ」

和田「それは無理な相談です」


もう一度、露の構えをとる。和田は【仏の斬】を使うことはできなかった。


和田「おや……」


目の眩む閃光。その後、和田の右肘から先が焼け落ちた。
和田が首切りを中断し振り向くと


恭弥「テメェ人のダチの腕千切ってんじゃねぇよォォォッ!!!」


恭弥は今こそ、高鳴る命の鼓動を破壊のエネルギーに変える時だと確信していた。

刻むのは怒りのビートだ。
197 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/31(木) 21:28:12.85 ID:FaY8w82KO
【修正時間】は体のどこかで触れなければ発動しない。それは自身に対して発動する場合も同様で、現時点で祐介が体を直す可能性はほぼない。

美知子は未だ思考を巡らせている。和田が恭弥の攻撃を避けなかった、読めなかったのには理由があるはずだと。


祐介「恭弥! 助かったぜ……!」

恭弥「おう。ざまあみろ!」

和田「……」

美知子(心を読めるとして、何か条件があるのはわかる。でもそれを確かめないと手は出せない……!)


恭弥の傷は完全に塞がっていたが、【ハート共鳴】のエネルギー弾を打ち出した反動は大きい。息を切らせている。
すぐ後ろにいる恭子は、和田の落ちた腕を視界に入れないように目を伏せていた。

和田はにっこりと笑みを浮かべながらもこれまでにない感情を胸に秘めていた。その先がなくなった腕からは定期的に血が吹き出る。焼け焦げた人間の肉の匂いが鼻の奥を突く。

198 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/31(木) 22:27:29.57 ID:FaY8w82KO
泉のように湧き出る感情が何を表すのかはわからなかったが、見出せるものがあると判断し、逃げた。追ってくるものなどおらず、容易だった。


祐介「行ったか……」


祐介は腕が切断され痛みも酷いはずなのに冷静になっている自分に気がついた。腕ばかり切れてるなぁ、と思った。


恭弥「恭子、頼む」

恭子「……はい。この布を噛んでください」


【マッドメディック】の激痛。痛みがさらに強い痛みを上書きしていく。慣れることも痺れることもなくのたうち回る。


恭弥「そうそう、痛えよな。でもすぐ済むぜ」

恭子「左腕は繋がりました。……右腕の断面の損傷が激しいです」

恭弥「繋がらないのか?」

恭子「できます。ただし……」


恭子の提案に対して恭弥は涙を流しながら頷いた。
199 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/05/31(木) 22:49:52.95 ID:FaY8w82KO
矢吹 奏司と四十万 力の交戦中。
それを見守る風子の背後には【暗殺者】の異能を持つ浅野 真也がいた。


真也「声を上げるな。そちらに刃物を向けている」


多くを殺すために強いものの下についた真也ではあったが、任せられたことといえば偵察や護衛だけだった。彼の気配遮断能力や、ナイフ術は異能に頼るものではなく殺すために考えた独自のものだ。


風子「……!」



【暗殺者】の詳細>>200

能力や読みなど
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/31(木) 22:55:01.56 ID:7CpMpnRy0
【暗殺者(キラーキラー)】
暗殺するターゲットを選んでその相手に合う武器を出現させる
安価下
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/31(木) 23:40:42.22 ID:N8fyTtoE0
↑+相手に合う武器を相手に向かって投げると相手が当たるまで追尾してくる。武器は軽ければ軽いほど追尾するスピードが速い。もちろん投げないでそのまま使うことも可能。
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/01(金) 17:56:44.60 ID:a11xZk+PO
>>201を書いた者です
「投げた武器は弾いたり防いでも追尾し続ける。止めるには能力を解除するか武器を壊さないと止まらない。」も追加でお願いします。
203 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/02(土) 02:11:14.53 ID:hxVHFXB2O
【暗殺者〈キラーキラー〉】
暗殺するターゲットを選んでその相手に合う武器を出現させる 。投擲すると対象を自動追尾し、それを回避するには武器自体を破壊するか異能を解除する他はない。


真っ向勝負に向いていないが、暗殺対象の意識外から最適の武器で仕留めることのできる異能だ。しかし、出てくる武器が必ずしも使いこなせるわけではないのでナイフを携帯している。


力「しかしわからねぇ。なぜ裏切る? そのガキにそれほどの価値があるとは思えねえよ」

奏司「もののついでだ。というのでは不満か?」


力の異能が加速していく。もはや、止まることなどできない。


奏司「そろそろ本気出す」
204 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/02(土) 02:55:47.29 ID:hxVHFXB2O
瀬型 櫂と糸色 凶は和田を探していた。


櫂「……」

凶「……」


凶は櫂の右肩に抱えられている。不思議だという表情を浮かべていたが、なぜか安心したのでそのままでいた。
二人の前に立ちはだかる者がいた。



名前
特徴>>205->>206から
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 03:01:51.98 ID:3joQldaZ0
名前:雨音 奏(ウネ カナデ)
特徴:水色ジャージの高校女子。運動抜群で、爽やか元気。意外と手先が器用であることに驚かれてる。

(自分の異脳を何故か相棒のように慕っている)
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/02(土) 03:04:51.39 ID:Jq9kI2XX0
名前:口無 玄互(くちなし げんご)
特徴:ロングコートを着ていて、目付きが悪い。口元にガスマスクをつけている。
207 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/02(土) 09:40:07.20 ID:hxVHFXB2O
雨音 奏 (うね かなで)
水色ジャージの高校女子。運動神経抜群で、爽やか元気。周囲には意外と手先が器用であることに驚かれてる。


奏「やあ、こんにちは!」

櫂「……」

凶「……」

奏「あのぉ〜」

櫂「知り合い?」

凶「……知らない人です」

櫂「そっか」


有無を言わず奏に【炎真】を放つ。しかし奏は反射的に交わしていた。異能ではなく、自らの身体能力で。


雨音 奏の異能>>208->>209から
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/02(土) 09:52:49.33 ID:C0orWIk+0
【雨の日の友達(レインロイド)】
水色の液体型異能モンスター(スライムに近い感じ)。意思があり、まるで生き物用に自分で考えて行動できる。
主に水を自由自在に操ることができ、こいつ自身は液体で基本的に物理攻撃が効かないのが特徴(例外はあり)
雨の日や水の中だとさらにパワーアップできる。また、その使い手によって関係が変わる。

奏とは友達のような感じで
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 09:59:15.26 ID:MTPYxe2F0
水族空間(ウォーターエリア)
自分を中心に水球を展開する
最大直径は50メートルくらい
自分の息が続く限り展開可能
外から中に入ることは可能だが中から外へは出られない
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/02(土) 10:02:44.20 ID:Jq9kI2XX0
【雲の天気(クラウド ウェザー)】
雲を操ることができる能力。体から雲を出して、そこから雨、雷、嵐、雹を降らすことができる。さらに体を雲に変えることができてその時はどんな攻撃も効かない。能力発動する際、雲のように体が浮くことができる。それを応用して西遊記に出てくる筋斗雲を作って空を自由に飛行が可能。
211 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/02(土) 21:58:48.24 ID:hxVHFXB2O
【雨の日の友達〈レインロイド〉】
水色の半固半液体の異能。自律型で、液体になることもできる。雨天や水中ではさらに強力になる。


凶「……はぁ。【亡者共鳴】」


臨戦態勢に入り異能【亡者共鳴〈アズラエル〉】を発動させる。大鎌と鎖で繋がれた鉄球が出現する。
この戦いの最序盤に殺された者の異能で、卓越した力こそないものの使いこなせる技量が付与されるため汎用性は高く、凶との相性も良い。


奏「無視は辛いなぁ。……と思ったら急に火を出してくるなんてねー」

櫂「用が無いなら去れ」

奏「うーん。用が無いと言えば無いんだけどなー。ボクの異能って水みたいなものなんだけど、キミは火だったし」

櫂「……?」

奏「これは熱いライバル展開じゃないかなーって思うんだよ!」

凶「……時間の無駄です。それに、きょうはこの人苦手です」

櫂「そうだね」


二人は再び歩き出す。奏は熱心に【雨の日の友達】について語り、せめて仲間にしてくれと懇願したが、やはり無視されるのだった。

212 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/02(土) 22:31:37.03 ID:hxVHFXB2O
思考が回らない。視界がぼやけ、耳鳴りもする。桃月 いろはは飛んできた瓦礫から竜也を庇い下敷きになっていた。


付近に竜也の姿はなく、戦いの気配もなかった。


いろは「動けない……!」


焦燥感。汗がにじむ。
その時、いろはを圧迫する瓦礫が吹き飛んだ。


剛也「お前の力を貸せ。仲間が一大事だ」


いろはは剛也のその姿に唖然とした。片目から血を流し身体中が煤にまみれていた。
213 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/02(土) 23:00:25.56 ID:hxVHFXB2O
微笑んで死んでいったうららと涙を流し気絶した彩。
剛也と奈々がうららの死を確認し、それを聞いたいろはは彩の治療を始めた。

何が起きたのかはわからない。でも、満足したような、でも何かを諦めたような微笑みはその場の皆の涙を誘った。
奈々、いろは、そして剛也でさえ残された片目で涙を流していた。

【施命〈アイリス〉】が完了するのに時間はかからなかった。意識が戻った後の彩はそこで起きたことを大まかに説明し、やはり泣いた。


剛也「……【施命】だったか? それでも死んだやつを生き返らせるのは無理なのか?」

いろは「やったとしても元の命がなければ無駄……だと思う。きっと別の生き物になるから……」

彩「……このままでいいよ。でも、傷は治して弔おう。大切な仲間だから」
214 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/02(土) 23:18:27.85 ID:hxVHFXB2O
しかし、死人を想う暇もなく彩たちに近づく者がいた。
それは【聖槍・魔槍】の岩崎ともう一人。

その者が持つ異能は【神の寵愛〈レンタル〉】。
異能を一時的に借りる異能。


名前
特徴>>215->>217から
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 23:24:25.84 ID:MTPYxe2F0
逆瀬川 逆巻(さかせがわ さかまき)
逆巻いた髪型をした細マッチョ男
下克上や逆転を好み、弱い者の味方につく
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 23:27:12.32 ID:vvjJ6o3O0
蘇芳 得〈スオウ エル〉
網膜に十字架が刻まれたていて普段は包帯で両目を隠してる。
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 23:27:32.99 ID:3joQldaZ0
名前:山畑 ヤエ (ヤマハタ ヤエ)
特徴:電動車椅子の老婆。日記帳を大事に抱えている。目は閉じて見えるるが、視力はある
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/02(土) 23:28:40.93 ID:C0orWIk+0
愛園(あいぞの)ゆかな
金髪のツインドリルのお嬢様。赤いドレスを着ている
219 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/03(日) 00:05:46.38 ID:mR1IKV86O
逆瀬川 逆巻(さかせがわ さかまき)
逆巻いた髪型をした細マッチョ男 。
下克上や逆転を好み、弱い者の味方につく。


逆巻「二対四か。オレの大好きなシチュエーションだぜ!」


その言葉で一同が応戦の構えを見せる。明らかに戦うことを前提とした接近だと察したからだ。


逆巻「やはり部が悪いか……? ここからひっくり返すのが面白いんだが」

岩崎「どっこいどっこいですね、どっこいどっこい」


彩は先の戦いのように犠牲が出るのを恐れていた。


彩「いろはさん達三人でグラサンお願い!」

逆巻「あえて一人になるか。よほど自信があるようだが……?」

彩「さあね……!」

逆巻「普段は弱き者に力を貸すことを信条としているが、此度ばかりはそうも言えないらしい。いや、目前の少女を弱者ではない」


彩「……【使用窃盗〈フシアナクグリ〉】」
220 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/03(日) 00:08:53.46 ID:mR1IKV86O
逆巻「【神の寵愛〈レンタル〉】ッ!!」


──戦いが始まる。


【神の寵愛】の指定安価>>212
【使用窃盗】の指定安価>>213
221 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/03(日) 00:10:04.55 ID:mR1IKV86O
逆巻「【神の寵愛〈レンタル〉】ッ!!」


──戦いが始まる。


【神の寵愛】の指定安価>>223
【使用窃盗】の指定安価>>224





訂正
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/03(日) 00:33:08.99 ID:JsI0hWyE0
天気(ノーブルウェザー)
効果は>>210
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/03(日) 00:34:17.02 ID:OFqUMkdO0
影人形劇場〈シャドウロール〉
視認した人の影を実体化させて操作
身体能力は元の人と同じ
また自分の影人形を他人の影人形と融合させることで身体能力がプラスされ、元の人の能力をその影人形が行使できる
ただし融合させている間は、自分はその場から動けなくなる
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/03(日) 00:34:31.44 ID:WUxS+Shw0
>>210
225 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/03(日) 20:58:43.61 ID:z1DIjI63O
逆巻「【影人形劇場〈シャドウロール〉】ッ!」

彩「【雲の天気〈クラウド ウェザー〉】!!」


「──これなら勝てるッ!!」


彩「……って、えええ?!」

逆巻「ええ……ったく、真似するなよー。オレの異能とモロ被りしてるんじゃねーよ!!」


どこかから異能を一時的に持ってくる。ほぼ同一の異能を持ち合わせた二人はその本質を一瞬で看破した。


彩は逆巻の異能を警戒して雲化する。まずは上空から様子を見る。
逆巻は辺りを見渡した後、人型の影を六体生み出した。曖昧な輪郭だったが、確かに元の人間に対応したカタチをしていた。


彩「影の異能……? お兄さん、それ何なの?」

逆巻「そっちこそ。それはオレの知らない異能だが」

226 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/03(日) 22:20:18.60 ID:z1DIjI63O
逆巻「悪いけど油断できねーからな。さっさと決着だ!」


六つの影が混ざり合う。混沌の巨人が出来上がる。


逆巻「オレの全霊を持って墜させてもらうッ!!」

彩「何あれ……! 油断したら死ぬかも……ッ」

影人形「【影・雷撃銃】」


曖昧な人影が取り出したそれは奈々の【雷撃銃】。彩は自身から落雷を発生させ撃ち合う。
二度、三度としのぐと影の動きが止まる。


影人形「【影・狂気の爆炎】」

彩「みんなの異能を真似してるんだ。チートすぎるっ」


マーカーをかわしつつ作戦を練る。


彩(さっきの影の数だけ異能があるなら……。狙うのは本体に限る!)


特大の雷を逆巻に向けて落とした。
227 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/03(日) 23:03:16.86 ID:z1DIjI63O
それは生物でも有機物でもなく、そもそも存在の識別すら危ういようなものである。

逆巻「あっぶねぇ。余力を使い切ってもいい! 【影人形劇場】こういう敗色濃い敵に挑むのがいいんだよなァッ!!」


女性型の影を二つ盾がわりにした。雷は防げたが、【影人形劇場】で融合させた本体は小さくなっていた。


彩「やっぱり無理か。次は……!」


雨雲を次々と生み出し大雨と雹を降らせる。一帯が悪天候に見舞われた。


逆巻「ゾクゾクするねぇェェッ!! 絶対に勝ってやるよォォォ!」


そして、逆巻の咆哮に応えるように影の色が濃くなっていく。光すら吸い込む黒になる。


影人形「【影・魔槍】!!」


それは逆巻のエネルギーの大半をつぎ込むことによって放たれる絶死の暗黒光線。降り注ぐ雨や氷を消し去り雲を貫いた。その先には青空が広がっている。

228 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/04(月) 00:02:01.72 ID:LZpT9xZEO
荒れる空の下で【電撃銃】と【聖槍】の力が衝突していた。


岩崎「突然の豪雨! それから雹!」

剛也「あひゃひゃひゃ! 視界が悪すぎんだろー! 【狂気の爆炎】!!」

岩崎「いかが……どうでしたか?!」


爆発を容易くかわし、二槍を振り回す。


岩崎「しまいには骨が砕けるぞ!」

剛也「あっぶねえええ! あひゃひゃひゃ!!」

いろは「大丈夫っ! 私がみんな治すから」

奈々「怪我はしないに越したことはないわよ!!」


電撃を放つ狙撃銃が岩崎の胸を穿つ。しかし岩崎は倒れることすらなく、即時的な蘇生を果たした。


奈々「えぇ……」


この一瞬、誰よりも剛也は冷静だった。


剛也「今度こそ爆散しな!」


岩崎の体を覆うようにマーカーが出現し


岩崎「ビャァオゥッ!!」


抵抗の余地なくその全てを消し炭にした。
229 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/04(月) 00:12:55.05 ID:LZpT9xZEO
地面には【聖槍・魔槍】が突き刺さっていた。大人しく、眠るように。


剛也「チッ……君の悪い奴だったな」

奈々(ブーメラン……)

いろは「ねえ、あれ! 彩ちゃんのいる方だよ!」


それは【影・魔槍】を用いた力の放出だった。


剛也「ロリが危険に晒されているッ!! 行くぜ、お前ら!」
230 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/04(月) 00:28:27.61 ID:LZpT9xZEO
晴天。地面の雑草には露がついていた。


逆巻「この達成感、だからやめられねぇよ」

剛也「テメェ!! ロリッ娘をどこにやった?!」

逆巻「ああ、今片付けたよ」

奈々「……?!」

いろは「嘘……?」

剛也「死にさらせやァァッ!!【狂気の爆炎】!!」

逆巻「今日のオレは運がいいな! いいだろう、【神の寵愛】ッ!」



指定安価は>>232
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/04(月) 14:48:06.44 ID:5Q6kI+eE0
ksk
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/04(月) 14:51:30.96 ID:WPTea/vA0
【知らざれる者(アンノウン)】
能力発動時に自分以外の人間に感知されずに認識もされない能力。
一言で言えば完全なステルス能力
ただし、自分からモノや人から触れるとこの能力は解除される

安価下
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/04(月) 16:17:35.53 ID:XsAssQXOO
【光の御子〈ライトロード〉】
周囲の光を操る
光を屈折させて人や物の位置を誤認させたり、姿を隠したり、レーザーを放つ
234 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/04(月) 22:34:58.75 ID:cYiQMtrtO
逆巻「【光の御子〈ライトロード〉】! 真っ黒に焼け焦げな!」

剛也「あひゃひゃひゃ!! それはこっちのセリフだボケがァッ!」


爆裂。その瞬間だけ視界に大きなズレが生まれ違和感を覚えた。


逆巻「どこを狙ってるんだよ! ほらほら、オレはここだ爆弾野郎ッ!」

剛也「命中しただろ今の……!」



その頃奈々といろはは彩の捜索をしていた。しかし、発見には至らなかった。
235 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/04(月) 23:40:33.95 ID:cYiQMtrtO
遥か遠方から轟音とともに生まれる、この異能戦を象徴したランドマーク。それを視認した時、各々の脳内に声が響く。


「「間引きは終わった。塔の上で待つ」」


剛也「あひゃ?!」

逆巻「予想より早いな……! しかし……」


急に聞こえた声に意識を向けた刹那、剛也は油断していた。
閃光、そして腹の底に響く爆音。


剛也「うぐあああ!! ……は?」

逆巻「あ……」


雷に打たれたのは逆巻だった。彩は【影・魔槍】の攻撃を受ける寸前に雨と雹を降らせ視界を悪くし、細かい粒になって地面に潜伏していたのだ。そして、声により逆巻の正確な位置を把握した上での攻撃である。


彩「【神の寵愛】とやらの対象を変えた時点で負けなんだよ、お兄さん」

剛也「ロリ……ロ……ロリロッ娘……」

彩「えぇ……めちゃくちゃ泣いてるじゃん」

剛也「ばかやろー!嬉し泣きだ!」

彩「そんなの知らない。いろはさん達は? ていうか何あれ」

いろは「おーい! 彩ちゃん!」

奈々「……やっぱりその異能はズルいわね」

彩「えへへ。ところであの塔って」

剛也「変な声が聞こえたけどよぉ」

いろは「間引きは終わったって?」

奈々「そのままの意味じゃない? とにかく行ってみるしかないと思うけど」


四人は街の中央部にそびえる塔に向かった。
236 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/05(火) 21:55:30.01 ID:y3DMB4yzO
四十万 力の蹴りを【絶えぬ世界の接続曲】で防御する。力の脚力は本調子に近づき熾烈さが増す。
その際の衝撃を和らげるために体を逸らした。目に入ったのは何者かに刃物を向けられる風子だった。


奏司「……ならば【気狂い歌姫の狂騒曲〈クレイジーディーヴァ・レクイエム〉】 」


包帯で巻かれた顔で絢爛な衣装。三日月のように口を開いた歌姫が奏でる狂気。それを聴いている以上、行動が制限され動くことができない。
その場にいる奏司以外の動きが止まる。元々は攻撃向けの異能ではなかったが、その歌声は精神攻撃になり得る。


奏司「俺のお気に入りだ。耳が幸せだろう?」

力「ッ……!!!!」


殺してやる、そう言わんとしているのが見てとれた。しかし構わず固まっている風子を抱えて走った。
237 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/05(火) 22:30:03.72 ID:y3DMB4yzO
色々な材料を寄せ集めて出来た塔。それは明らかに人間の技術力では不可能な大きさ、高さだった。
彩は昔どこかで見た神を目指して作られた塔の話を思い出していた。


彩「……どうする?」

奈々「すでに戦いの跡があるわね。でも、行くしかないんじゃない?」

いろは「危ない……よね。ううん、今更引き返すなんて出来ない」

奈々「そうよ!ラスボス倒して願い叶えてもらうしかないわよ!」

彩「ねえ、いろはさん。探したい人いるって言ってたよね」

いろは「……え?」

剛也「あひゃひゃひゃ! 何の話だ?」

彩「この二人連れて行きなよ。私はこの先で探す。もちろん抜け駆けとかじゃなく、命の恩人として友達として言ってるんだよ」

いろは「でも……」

奈々「はぁ……。ったく、ゲームでもこっちでもヒーラーにペコペコするのねぇ。いいわ、眼だけは良いし手伝ってあげる」

剛也「JKは俺の趣味じゃねえんだけど……。彩ちゃんなら一人でも大丈夫だろうしな」

彩「まあねー」

いろは「……ありがとう!」


一人一人が強力な異能を携える中でも友情や信頼は生まれるものである。
238 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/05(火) 22:43:56.94 ID:y3DMB4yzO
彩「梶原 祐介、目つきが悪い以外は普通の男の人。それだけで探せるかい!」

彩「でもまあ、いろはさんのために見つけるしかない!」

数度の命のやり取りの中積んだ経験から、彩には近づいてくる気配をすぐに察知できた。


彩「……いろはさん達じゃないよね。気合い入れよう」


来た人(既存でも可)
名前
容姿>>240
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/05(火) 22:53:19.21 ID:e5lcr86Y0
名前はどこで安価?
安価なら梶原祐介
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/05(火) 22:53:57.60 ID:gTyd+/Z60
名前:火野 神威(ひの かむい)
容姿:オレンジ色の髪で、天然パーマ、額にゴーグルをつけている。身長が高くレザージャケットを着ている男子高校生。
241 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/05(火) 23:34:25.10 ID:y3DMB4yzO
神威「我が名は火野 神威ッ!! 趣味はドライブ異能は【功夫〈クンフー〉】、流派は蟷螂。後は拳で語り合おう!」


神威は衣服にそぐわない独特な構えをとった。高身長ゆえの長い手足も相まって迫力があった。


彩「後はって言われてもね。割としっかり自己紹介してくれてるよ、それ! 【使用窃盗】!!」



指定安価は>>243
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/05(火) 23:51:37.75 ID:e5lcr86Y0
【破壊者<デストロイヤー>】
自分の手に触れたものを原理、理由、耐性など関係なく完全に破壊する
防御不可能の一撃必殺技
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/05(火) 23:59:10.33 ID:gTyd+/Z60
>>150
244 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/06(水) 22:39:01.55 ID:78npzEHWO
彩「えー、肉弾戦なの? 女の子なのにー。【脚力〈フットパワー〉】!!」

神威「よくわからんが、御誂え向きの異能と見た。推して参るッ!!」

彩「探してるお兄さんじゃないし、手加減はしないよっ」


脚力に任せ思い切り回し蹴りをする。並みの人間ならその圧だけで脳震盪を起こすほどの威力だった。


神威「良い蹴りだッ!」


神威は独特の低い姿勢から上半身のみを捻りかわした。


神威「しかし単純な技だけで倒せると思うなよ? 隙あらばその首、刈り取らせてもらう!!」


蟷螂の絶技は滑らかな動きから緩急をつけて放たれる拳での連撃だった。

彩「スピードは互角……!」

神威「パワーはそちらが上ッ!!」

彩「でも……技量じゃ到底かなわないっ!」

245 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/06(水) 23:17:50.35 ID:78npzEHWO
【功夫】という異能にまで昇華された蟷螂拳は【脚力】の破滅的蹴りをかわしつつ、既に数度の技を彩に食らわせていた。


彩「やるね、お兄さん」

神威「そっちこそ。そろそろ仕留めさせてもらう!」

彩「その構え……!」


彩は蟷螂拳の低い姿勢に目をつけた。その馬鹿力をもってして片足をアスファルトの地面に突き刺した。


神威「フッ、まぬけ。それじゃあ動けないだろ!」


わかっていた。この好機を逃がさないように神威が攻めてくることも。


彩「迂闊だよっ!」


脚を思い切り突き上げる。その勢いを持ったままアスファルト片が神威を襲う。


神威「グッ……ウオオオォォォッ!!」


その拳は神速。彩の攻撃を難なく撃ち払う。舞う土煙の中、神威は全ての破片を刈り取った。


彩「だから迂闊なんだよっ!!!」


足元に集中したせいでガラ空きになった上部から振り下ろされる鉄槌。それはかかと落としだった。
246 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/06(水) 23:30:42.70 ID:78npzEHWO
彩「【脚力】が返された。うん、倒せたってことだよね」


砂煙で悪くなった視界の端、瓦礫の陰から誰かが出てきた。


和田「こんにちは、お嬢さん」


血塗れの白衣を纏う和田だった。
白衣の右腕部分は破られ、欠損した部分には包帯が巻かれていた。


彩「祐介さんじゃないよね。ううん、絶対違う」

和田「祐介……? ほう。彼を探しているのですか」

彩「知ってるの?」

和田「それはもう。でももう関係ありませんよ」


にっこりと笑う。左手にはどこからか出した太刀があった。


彩「……?」

和田「お嬢さんはここで死ぬのですからねぇ」

彩「なるほどね、わかりやすいよ。【使用窃盗】ッ!!」



指定安価は>>248
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/06(水) 23:33:25.42 ID:ZmxshjFC0
【異能殺し(キャンセラー)】
自分から半径1cmから徐々に範囲を広げてその範囲の異能力を無効にする能力
弱点は目(発動時に目に紋章が出る)。発動知友に目を閉じる能力が一度無効になってう
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/07(木) 00:30:41.76 ID:VdkcY/EB0
【黒い交渉人・ブラックネゴシエーター】


交渉のテーブルをその場に召喚し、交渉相手にイーブン以上の利益を確実に成立させる。例えば見逃すついでに相手の異能を一時的に強化させるなど。
ただし、交渉に応じない及び交渉人に危害を加えようとすれば黒鉄の巨人が現れて主をコックピットに収納、マナー違反の交渉相手に鉄槌を下す。

なお、出されたテーブルが破壊された時点で黒鉄の巨人が主を守るので、実質巨人の方がメイン。
元ネタはビッグ●ー

もしくは↑1で
249 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/07(木) 01:12:06.24 ID:kWW3NjLFO
彩「【黒い交渉人〈ブラックネゴシエイター〉】」


その異能は交渉が成立することを前提に前に結果を保証されている。たとえ決裂したとしても異能所持者の身を守ることが可能なため実質的に武力による脅しは意味をなさない。

交渉の際に提示した条件もまた【黒い交渉人】が確実に成就させる。


和田「なるほど。交渉しようというのですか」

彩「おじさん、優しそうだし?」


もちろん和田は彩の思考を他心通で読んでいた。


彩「おじさんの異能が何かは知らないけど、それを強化する。そのかわり私には攻撃できない」

彩「ってのは?」

和田「ふむ……。面白いですねぇ、【使用窃盗】に【黒い交渉人】ですか。似た戦い方を、いえ、異能を使うものを知っていますよ」

彩「へえ、それで答えは?」

和田「ではこちらからも。僕の異能は【六神通〈ヴィパッサナー〉】。その中には他心通といって人の心を読む力があります」

彩「うんうん。……え?」

和田「お嬢さんの考えはわかりました。その上で僕は、腕の完全な治癒と異能の強化を要求します」

彩「そんなことできるわけ……!」

和田「そのかわり、桃月いろは、浅田剛也、白川奈々には手を出しません」

彩「……! 本当に心を読めるらしいね。いいよ。でも、私にも今後危害を加えてはいけないってのも追加で」

和田「よろしい、では」

彩「うん。……交渉成立」


紛れも無い死の回避。和田は黒鉄の巨人を斬りふせるだけの余力があり、異能がそれを察知していたための結果だった。
250 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/07(木) 01:20:31.09 ID:kWW3NjLFO
和田の腕が少しずつ再生している。満足げな顔をして和田は塔の方へ歩いていった。

【黒い交渉人】は【使用窃盗】の戦闘終了と共に効果を失うという特性を受け付けないため、和田の異能強化と治癒、その他の条件は以後続くことになる。


彩「はぁ……。何なのあの人」


しかし、休むもなく新たな気配に気がつく。明らかに邪悪。


岩崎「どーもでぇす」

彩「えぇ……。死んだって聞いたんだけど」

岩崎「目の前におるじゃん」

彩「……?」


岩崎の持つ一対の槍が振るわれる。すでに戦いは始まっている。


彩「そろそろ負担が大きいんだけど。……【使用窃盗】」



指定安価は>>251
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/07(木) 08:46:11.06 ID:1RoQfeJ+0
【限界不死鳥(リミットフェニックス)】
不死鳥に変身する能力。炎を操ることができる。他にも羽を飛ばしたり、足の爪で攻撃することもできる。しかし長く不死鳥の状態でいると能力者の体が暑くなり、最後には体が燃えるおそれがある。能力を解除すればそれが回避でき、能力を解除したまま5分でまた能力が使える。(5分になる前でも使えるがその場合、体温が下がりきってないので能力を使う時間が減る。)
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/07(木) 09:03:54.82 ID:VLsVCpeaO
253 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/07(木) 22:25:33.34 ID:Y7oJTjUWO
彩「【限界不死鳥〈リミットフェニックス〉】!!」

彩「あっつ!!!」


朱い煌びやかな羽を広げた。体全体が高温の炎に包まれる。


岩崎「ほほ〜」


強烈な熱風に身をのけぞらせる岩崎。


彩「すぐに燃やし尽くしてあげるっ!」

岩崎「こっちも容赦はしないけどな!」


矛先が炎の中心部に向けられる。
254 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/07(木) 22:53:19.65 ID:Y7oJTjUWO
三度頭を潰し五度胸を抉ってもなお立ち向かってくる岩崎に彩は恐怖していた。


彩「ゴキブリよりしぶといよ。そろそろ炭になってほしいな」

岩崎「ほらほらほらほらほらほら!!」


槍と不死鳥の爪が弾き合う。火花が散ることはなく、轟音のみがこだましていた。
火炎も爪も効いてはいるが、殺す都度に蘇る岩崎への対策があるわけでもなくひたすら攻防を繰り返している。

岩崎が突然、【聖槍・魔槍】の刃を握りしめた。切れた手のひらからは血が滴る。


彩「不気味すぎるっての」


彩はその異常な行いを停止させるべく、全力の炎を放った。それも共に【限界不死鳥】の発動限界に至る。

炎が命中する瞬間。


岩崎「祭りはまだまだこれからだ!」


岩崎の全身が烈火に包まれる。


岩崎「パーティタイムッ!!」


そのまま自らの心臓を穿った。
255 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/07(木) 23:01:13.82 ID:Y7oJTjUWO
二本の槍は岩崎を穿ったまま吸収されていく。死と蘇生を延々と繰り返す中で起きる膨大なエネルギーの爆発。
無理矢理にそれを利用し、岩崎と槍の存在が同一になっていく。肉体的にも、本質的にも等しくなる。


彩「なにそれ……! チートでしょ」


異形の存在に警戒して無意識に【限界不死鳥】を起動する彩。すでに加護を失い諸刃の剣と化してはいたが、そうせざるを得ないと確信していた。

聖なるものと邪なるもの。そして死と蘇生。世界の全てを体現するそれは正に……


────【神槍】だった。


【神槍】の詳細>>257
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/07(木) 23:05:11.46 ID:/YInUJGF0
生と死をつかさどる槍。これに刺された生きたものには死を。死人には生を与える。
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/07(木) 23:15:38.73 ID:LJSMgAJD0
光のビームを撃てる、威力は宇宙戦艦ヤマトの波動砲クラス
小さな街なら一瞬で灰に出来る
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/07(木) 23:17:44.71 ID:VdkcY/EB0
↑1だだし使用過多でカウントが溜まると、神槍の効果により動くものは神槍に心身共に乗っ取られてしまい、12体の異形と化して暴れまわる。
(12体を越える、または12体より少ない場合は対象全てが1つに集まって12分割される)

この災厄を鎮圧するためには全ての異形を処分、または12番目の"裏切者"を神槍で一突きすること。後者の方が圧倒的に楽
259 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/08(金) 00:49:16.95 ID:eu0uZnf1O
それは有象無象を焼き払う神代の光。その初撃は激しい輝きをもってして天を貫いた。


彩「あっぶな!! このまま戦って勝てるの……?」


不死鳥はその未だ尽きぬ命をメラメラと燃やし超高速で回避していた。空を飛んでいたことが幸いし周辺や街に破壊はなかった。
しかし、すでに限界を超えて燃やし続けた彩の肉体は悲鳴をあげていた。

【限界不死鳥】を解除して地面に座り込む。

彩「これ以上は……」


──これ以上はどうしようもない。


彩に向けて【神槍】から光線が放たれた。
260 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/08(金) 01:20:54.09 ID:eu0uZnf1O
恐怖はあった。うららのように笑って逝くことなど到底無理だった。頬を伝う冷たい感覚。【限界不死鳥】で熱くなった表皮は涙を冷たく感じていた。

彩「そっか……」

年端もいかぬ少女にはそもそも負担が大きすぎたのだ。これまで押し込んだいろんな感情が渦巻き始めた。

寂しい。怖い。悲しい、でも楽しい時もあった。

まだまだ生きたかった。

迫り来る光がゆっくりに見えた。走馬灯は見えないが仏を見た気がした。いや、彩の目はそれを確実に捉えていた。


祐介「【我が借り物の仏〈サマーディ〉】」


和田の右腕を接合したことにより部分的にその異能を借り、擬似神足通を用いた太刀の三連撃。

神の咆哮が払い除けられた。その他の四肢とは違う色形をした右腕が少し膨張する。


彩「うわぁぁぁぁ!!」


ひとまず助かった安堵感から緊張の糸が切れて泣き出す彩。
しかし【神槍】は容赦なくこちらに矛先を向けている。

祐介「……まだ本調子じゃないが、仕方ない。【強欲な借り主〈レンタル〉】ッ!!」


指定安価は>>261->>262
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/08(金) 01:26:49.85 ID:wpoTgm9V0
【深淵(ダークネス)】
闇を操る能力。黒くモヤのようなものが闇であり、それにはどんな物理攻撃も効かず取り込まれたものは闇の世界(音も届かずに一寸の光もない暗闇に閉ざされた空間)に送られる
モヤの形を変えることもでき、武器にして使用できる。こちらもあらゆる攻撃も効かずに触れたものは闇に侵食される。完全にされたものは闇の世界に取り込まれる
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/08(金) 01:34:45.35 ID:Q9yU8cIb0
【黒渦の衝撃(ブラックホールインパクト)】
ブラックホールを発生させる能力。使用者の意思で能力や相手を吸い込むことができる。吸い込んだ後、戻すこともできるがこれも使用者の意思で戻す時に爆発のような衝撃を相手に与える。それを応用して遠距離系の技などの軌道を変えることもできる。ブラックホールは何個もつくることが可能。
263 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/08(金) 23:05:45.09 ID:79Jpvef6O
祐介「……ありがとな。【黒渦の衝撃〈ブラックホールインパクト〉】ッ!!」


【神槍】の光をすべて呑み込む暗黒。異能の特性として対象を指定できるそれは【神槍】およびそこから放出される光線のみを吸い込む。


祐介「【深淵(ダークネス〉】、永久の闇夜をその槍に。……悪いな。自分が果てたとも気づけない世界に送らせてもらう」


【黒渦の衝撃】の同時展開によって生み出した影と【深淵】が相まって容易く侵食していく。

唯一無二の神装は世界の裏側に引きずり込まれた。
264 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/08(金) 23:24:02.60 ID:79Jpvef6O
祐介「思った以上に呆気なかったな。いや、異能の相性が良かったからか?」

彩「うぅぅぅぁぁぁん!!」

祐介「よしよし、泣き止んでくれ。えっと……?」


彩は祐介の服の端をつまんで泣き続ける。


彩「ありがとう、お兄さん……」

祐介「梶原 祐介。まあお兄さんって呼んでくれてもいいけどな」


祐介は笑顔を作ったつもりだった。元から悪かった目つきだが、度重なる戦いに精神が摩耗しさらに鋭いものになっていた。


彩「え?! ふっ……あはははは! お兄さん天才だよー」

祐介「何かおかしいこと言ったか、俺。泣いたり笑ったり忙しいな」


それは違った。彩は泣きながら笑っていた。もちろんその涙は嬉し泣きによるものだ。
265 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/08(金) 23:43:09.28 ID:79Jpvef6O
彩は名乗った後にこれまでの事情を説明した。


彩「あっちにいろはさん達がいるはずだよ」

祐介「そうか。それなら、伝言を頼みたい」

彩「なんで?! いろはさんすごく会いたいって……!」

祐介「危険な目に合わせたくない。もちろん君もだ」

彩「平気だよ。もう何回も戦ってるんだ」

祐介「ちょうど同じ方向に俺の親友もいるはずだ。合流して待っててくれ。鳥になれるならすぐ行けるだろう?」

彩「違うの。私の異能は……」


【使用窃盗〈フシアナクグリ〉】はその戦闘の間、無断で異能を借りる能力。
【レンタル】は一時的に異能を借りる。どちらもほぼ同じ。

二人はこう思っていた。



自分はどこから異能を借りているのだろうか、と。
266 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/09(土) 00:08:17.84 ID:E9s/BZGxO
祐介と彩の会話はもはや水掛け論と化していた。ラチがあかないと踏んだ祐介が折れかかった時、それは訪れた。


和田「こんにちは」


表面上は笑顔のカタチをしているが、その実、内心に燃え上がるなにかを飼っていた。

祐介の表情に似ていると一瞬だけ感じたが、それが間違いであるとすぐに理解する。


彩「おじさん、何の用……?」

和田「見てください。腕がもうここまで再生していますねぇ。これはあと10分も費やせば元どおりになりそうです」


しかし問答の余地はなく、太刀を強く握りしめて祐介に切っ先を向ける。


祐介「こっちだって恨みはあるんだ。今のうちに念仏でも唱えとけ」

和田「いいでしょう。今度こそ引導を渡してあげますよッ!!」

祐介「【レンタル】」

彩「今はまずいって。強くなってるんだよ! ……ああもう! 【使用窃盗】!」


【レンタル】>>267
【使用窃盗】>>268
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 00:18:10.82 ID:ewhuUHNI0
【禁断の果実〈エデンノリンゴ〉】
この能力を他人に伝えることはできない。
この能力をなんらかの方法で知ってしまった者は全異能が封印される
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 00:21:45.01 ID:Ojw/DqHU0
【1発達人体験(イッパツタツジンタイケン)】

どんな武術・超能力・曲芸でも達人のごとくこなすことができる。その上、体験した内容は異能発動終了後も僅かに残り、自力で達人になる方法が理解できるようになる。

ただし1つの事に関して10秒しか持たない。他の事に手を出しすぎると、方法(メモリー)が欠落してすくなってしまう。

が、武術関連やスポーツ関連など関連付けて発動し直せば、達人になる方法(メモリー)が欠落しにくくなる
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 00:26:21.03 ID:ESi7GJc90
>>267つまり…どういうことだってばよ?
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 00:43:16.88 ID:Ojw/DqHU0
>>269
多分、【レンタル】や【使用窃盗】みたいな異能剥奪系に異能を使わせなくするトラップだと思う。

この場合、レンタルで知ってしまった祐介と読心術で知ってしまった和田は異能が封印されてしまう。

解除する方法はありそうだけど、祐介次第かなぁ。少なくとも【禁断の果実】を返すまではずっと2人の全異能が封印されてそうだし
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 00:49:14.65 ID:ESi7GJc90
>>270なるほどなぁ読心術を逆に利用して道連れにしたってことか。丁寧な解説サンクス。
272 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/09(土) 00:58:40.74 ID:E9s/BZGxO
祐介「なるほどな。ったく、神がいるなら礼を言いたいな。仏? そんなものは知らん」

彩「へえ、祐介さん当たりだったんだ? まあ私もなんだけどね」


【禁断の果実〈エデンノリンゴ〉】。所持者本人はその詳細を口にすることは出来ない。並みの相手なら無意味なものに他ならない。
しかし、他心通を持つ和田に対してだけは。特に【黒い交渉人】で強化された他心通を使う和田にのみで言うならば、最強の鎖となる。


この時点で和田は【六神通】を封じ込められた。祐介の右腕に残った微かな力すら消え去った。二人の持っていた太刀も消え去る。


和田「これは失敗しましたねぇ。僕の負けです。出来れば見逃していただきたいのですが」

祐介「何……?」


あっさりと負けを認める和田に戸惑う祐介。


彩「祐介さん! 何があったのかは知らないけど、頷くと異能が消えるんじゃないの?!」

祐介「あ、ああ。そうだ」


たった数秒の気の緩みの先にあるのは紛れもなく死だった。


祐介「俺なんかよりしっかりしてるんだな。頼りになる」

彩「どーも。それじゃ私も行くよっ!【一発達人体験】!」


現状で和田と祐介に異能で戦うすべはない。
蟷螂の構えから前進、容量一杯十秒間の乱撃をすべて和田は弾いた。


彩「嘘……!」

和田「まったく、浅く広くとは言えど多趣味で良かったと思いますよ」

273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 01:02:24.95 ID:/9hvYkRr0
無駄に和田に色々盛りすぎじゃないか?なろうの主人公じゃあるまいし
274 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/09(土) 02:33:36.23 ID:E9s/BZGxO
思い当たる武術をいくつか食らわせる。達人の域に達したそれらは、おおよそ正確に防御する和田へじわじわと鈍い痛みを与えていた。


和田「動きが読めないというのは辛いものですねぇ。転移もできません」

彩「それじゃあさっさと倒れて欲しいなッ!!」


和田の消耗が限界に達した。右腕は治癒しながらも変形し歪みきっている。全身からメキメキと悲鳴が上がっていた。


彩「秘門蟷螂……!」


最後にその命を刈り取ろうとした。和田はとうに立っていることすら出来ないはずの足で祐介の元へ走った。


彩「え……?!」

祐介「ッ!! 来るか……?」


和田の顔は未だ笑顔。しかしその眼には澄んだ悪意がある。
終わらせたのは、かつて自らの肘先についていた腕だった。祐介の右ストレートが和田の微笑みを終わらせた。

ぐちゃっとしたその感触はたとえ借り物の腕であろうと消えることがなく、一生忘れることもない。
275 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/09(土) 02:51:52.53 ID:E9s/BZGxO
【禁断の果実】が解除される。念のため和田の息を確認したが、確実に死亡していた。


祐介「さあ、伝言頼んだぞ」

彩「祐介さん……!」


いち早く強者の気配を感じた。


祐介「……誰だ!」



並みの異能所持者ではない。これまでにその異能で何人も殺してきたのか、死の匂いが染み付いていた。



きた人
名前
特徴>>276->>277から
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/09(土) 03:53:18.12 ID:sb1kDiZD0
名前:R−](アールクロス)
容姿:見た目では普通の人間だと思ってしまうほど精巧に作られたアンドロイドの女性(話す時は普通に話せる)。銀髪で肌が白い。メイド服を着てる。
異能とはまた別に相手の分析や自己修復機能、飛行など様々な機能がついている。
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 06:35:06.63 ID:sgss1Mnm0
観月 沙夜(みづき さや)
黒髪でオドオドした感じの女の子
いじめられっ子だったが、異能に目覚めたことで自分も人を傷つけることを楽しむようになってしまった
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/09(土) 08:58:40.27 ID:sb1kDiZD0
>>276を書いた者です。容姿だけ訂正で
「〜アンドロイドの女性」→「〜殺戮型アンドロイドの女性」に直してください。
279 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/09(土) 13:56:42.89 ID:3jSN8OGkO
観月 沙夜(みづき さや)
黒髪でおどおどした女の子。

彩は彼女と面識があった。


彩「沙夜さん……?」

沙夜「新沼……さん……?」


祐介は見た。いかにも大人しそうな少女が獲物を捕らえた肉食獣のように舌なめずりするところを。


祐介「友達か。……それなら」

彩「と、友達っていうか……うーん。あんまり話したことないんだけどね」

沙夜「ごめんね……ごめんね……」


感情の高ぶりの表れを見せないために顔を手で覆う。


彩「どうしたの……? 祐介さん、何か妙だよ」

祐介「そうだな。【使用窃盗】、まだいけそうか?」

彩「それって……!」

沙夜「じゃあ、殺すね」


沙夜の異能>>281
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 13:59:45.13 ID:BdahVg0EO
【遺恨<ダークキュアス>】
自分や他人、または場所に存在する恨みエネルギーを具現化してモンスターを生み出す
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 14:21:24.29 ID:tqYN99FIO
金属変身(メタルメタモルフォーゼ)
身体の全てまたは一部を鉄に変える
また元の体積の範囲内で形状を変えて変身可能
液体金属になり行動することも可能
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 14:23:49.94 ID:tqYN99FIO
>身体の全てまたは一部を鉄に変える
身体の全てまたは一部を金属に変える
に修正お願いします
283 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/09(土) 19:50:19.10 ID:3jSN8OGkO
【金属変身〈メタモルフォーゼ〉】
身体を自由に金属に変える。
また元の体積の範囲内で形状を変えたり、液体金属の状態で動くことも可能。


沙夜は右腕をモーニングスターに変形させる。
体積を変えられないという性質上、リーチを長くする代わりに片腕を無くす。細い鎖の先に棘付きの鉄球という形状はやはり都合が良かった。


祐介「いやな、少し無茶をし過ぎたようだ。少し時間を稼いで欲しいかも……」

彩「こっちも連戦でヘトヘトなのに! ううん、まだいける。沙夜さん、今更やめるって言っても聞かないからねっ。【使用窃盗】ッ!!」

沙夜「痛めつけてあげる……!」



指定安価は>>285
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/09(土) 19:52:15.31 ID:NNdCO2vj0
>>56の炎真<フレイムアドミニスター>
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/09(土) 20:22:00.62 ID:3WE5i0nzO
【狂気の爆炎〈ヴァレッテーゼフレア〉】
286 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/09(土) 23:00:57.76 ID:3jSN8OGkO
彩「ううっ……なんだか寒気が。でも【狂気の爆炎】ッ!!」


それは視爆の狂宴。視界内でありマーカーを設置してしまえば、強力な爆発を起こすことのできる異能。
以前は自らを殺すために行使されたものである。


彩「まあ、強いのはわかってるし……!」

祐介「来るぞッ!!」


力強く振るわれる無慈悲の打撃。それを【狂気の爆炎】でずらす。


沙夜「……チッ」


第二撃。前より爆破までの感覚が短くなった。視界内でマーカーを固定した座標まで鉄球が到達するのが早くなっていた。
ここからあと八度、同様の攻防を続けた。
287 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/09(土) 23:29:33.93 ID:3jSN8OGkO
このままではジリ貧で、五度ほど続ければ避けきれなくなる。祐介も察していた。
しかし沙夜もそれは同じで、【狂気の爆炎】を受け続けている鉄球部分に疲労が蓄積されつつあった。


沙夜「なんで抵抗するの……? 新沼さんも、利賀さんみたいに殺してあげるのに」

彩「利賀さんって……真希のこと?」


利賀真希。彼女らの同級生の名前だった。真希と沙夜は幼馴染で、学校やそれ以外の時間ほとんどを二人で過ごすほどだった。
しかし裏では沙夜に対して酷い扱いをしている、所謂いじめっ子だった。
世間からはオドオドしている沙夜のそばにいてあげる優しい子として見られていたが、その実は陰険で沙夜をしたいがままに虐げていた。


沙夜「最後にお腹を引き裂いた時に、腸が出てきたの。理科の教科書に載ってるのとはちょっと違ったけど……」


満足げな表情で言う。それは彩に対する殺害方法の予告でもあった。


彩「腸って……。トラウマなんだけどなぁ!!」


かつて【狂気の爆炎】によって負わされた怪我を思い出していた。
288 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/10(日) 00:00:14.45 ID:U1ObVrwMO
祐介「彩、目を閉じろ!」

彩「え?」


残り二回。弾いたタイミングで言った。何か策があっての発言と信じて目を閉じる。ちょうど目が乾いていたので、助かった。

祐介は沙夜に向かって駆け出した。


沙夜「あなたより新沼さんを殺したい……のですが……」

祐介「そういう訳にもいかなくてな! ここでケリをつけさせてもらうぜ!」


──宿命通、仮装展開。この一振りは右腕の前世を映し出すもの。すでに刃こぼれをおこしているが問題はない。


沙夜「ううん、いいんです。……あなたからでも」


距離が短くなった分、より大きくなり凶暴さを増した鉄槌。ただ機械的に祐介を狙う。


祐介「これが最後かもな。【我が借り物の仏〈サマーディ〉】ッ!」


欠けても折れても止まらない三連撃。それは沙夜の攻撃を防ぐまではいかずとも勢いを押し留めることができた。しかし反動として祐介は弾き飛ばされる。


祐介「ああ……やっぱりな。反動はあると思っていたさ」

沙夜「迂闊……!」


しかし、概ね計算通り。


祐介「彩ァァァッ!!」

それは爆撃開始の合図。照準は沙夜、たった一人。今、狂気が爆ぜる。
289 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/10(日) 00:23:54.89 ID:U1ObVrwMO
水銀、ダイヤモンド、タングステン。思い当たる金属に変化するがどれも無駄だった。その熱、爆破の威力は否応なく沙夜を破壊する。


沙夜「まだ……人を嬲りたい。傷つけ……たい……」

彩「それは間違ってる。沙夜さんは狂ってる。何がそうさせたのかはわからないけど……ううん、わかりたいとも思わない」


悪意に錆びついた命が粉々に割れた。


彩「……ふぅ。沙夜さん、ごめんね」

祐介「おーい、終わったみたいだな」

彩「うん。祐介さ……祐介、どうしてもいろはさんのところには行かないの?」

祐介「それがそうもいかなくなった。腕が死に始めている。どうにかしないとまずいな」
290 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/10(日) 01:26:58.59 ID:U1ObVrwMO
合流までは早かった。そして結論から言うと、初めて見る泣き顔に戸惑った。桃月 いろはは、祐介の顔を見るなり涙を流し始めたのだ。

いろは「ううぅ……よかったぁ。梶原くんっ」

祐介「お、おい」

剛也「あひゃひゃひゃ!! 感動の再会ってやつか?」

奈々「ちょっと。茶々入れない方がいいと思うわよ」

恭弥「おい! それより腕治すぞ。できるか、恭子」

恭子「はい。……でもこの腕、もっと根本的なところから崩れ始めてます。再び接合し直しても……」

いろは「私が治すよ!」

彩(賑やかだなぁ……)
291 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/10(日) 02:03:28.27 ID:U1ObVrwMO
街の中心にそびえる塔の中層。若見 奈恵は四十万 力と浅野 真也。そしてもう一人の仲間を従えていた。

名前
特徴>>293
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/10(日) 03:11:59.80 ID:xCZKVtZB0
西条院 剣裁(サイジョウイン ケンサイ)♂


資産家生まれの中学生であり、インテリクール気取りな坊っちゃん特有のお調子者セリフはあっても全くのハッタリではない。過去に敵対してた熱血キャラと共に難事件を解決したことがあり、熱血キャラと遭遇すると熱くなる。

今まで通り大金とコネと英才教育に、
根性気合い熱血を足して、今回の難事件も解決する予定だったとか。

つまり、脳と筋肉のハイブリット。脳筋インテリ。暴れる大図書館。

なお、弱点は幽霊。

(異能戦を事前に把握できていた貴重な存在にするかはイッチ次第)
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/10(日) 07:37:34.19 ID:3hK1jAi60
若見春奈(わかみ はるな)♀
若見奈恵の実の娘。黒髪のロングの着物姿でお嬢様のオーラが滲み出ている。
自分を育ててくれた母親を尊敬して慕っており、母の命令ならそれに従う基本的にはお人形タイプ。
ただ、本人は善意がある方なので母親の行動には疑問を思ったりする(状況によっては決別する可能性はあり)
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/10(日) 07:47:47.20 ID:3hK1jAi60
>>293に追加で
お嬢様の口調でふるまいからも育ちの良さが出ている(例えば若菜に対しては「お母様」男の人を「殿方」など丁寧語が普通の口調)
295 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/10(日) 16:47:32.43 ID:U1ObVrwMO
奈恵「春奈……。お前を頼ることになる」

春奈「お母様。この身は全てお母様のモノ。存分に使ってください」

力「俺も行くぜ」

奈恵「その必要はない。春奈が全て終わらせる」

力「そうかい。じゃあ下層の方で昼寝でもするか」


春奈は奈恵の実娘。今時の少女にしては珍しく和服を着ている。奈恵は春奈を世界の何よりも信頼し、春奈も同様に敬意を示し、言うことを全て聞いてきた。それは異能を得てからも変わらない。


春奈「それでは、行ってきます」


一礼し、春奈は下層への大階段を下っていく。


力「ったくよぉ、過保護すぎやしねえか? いや、一人で行かせるあたり少し違うのか」

奈恵「あれは私の子。そうするのが一番いい」

力「そうかよ。まあ俺には関係ねぇけど」
296 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/10(日) 18:34:55.03 ID:U1ObVrwMO
祐介達が合流してから一時間が経過した。奈々と恭子がそれぞれの異能を駆使して偵察をしていた。

二人の報告では他の異能所持者達も塔へ入ることはなく様子を伺っているのだという。


祐介「ここから先、ただ進むだけじゃ勝てない。むしろいい的になるのが関の山だろう」

彩「でも私と祐介の異能は複数人相手に向いてないよね。一人で行動するのも危険だよ」

いろは(祐介?! いつのまに……!)

剛也「あひゃひゃひゃ!! 誰か目薬持ってないか? 乾いて仕方ねえよ!」

恭子「【マッドメディック】。……これをどうぞ」

彩「その異能……!」

剛也「痛えええええェェェッ?!!」

恭弥「おいおい。効き目は確かなんだ。耐えるんだ!」

奈々「水、持ってきた方がいい?」

いろは「な、治せるのか? そもそも怪我じゃないんだし……」

祐介(賑やかだな、おい)




若見 春奈の異能>>297->>298から
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/10(日) 19:22:30.97 ID:JXFks9iM0
【食異鬼〈スキルイーター〉】
自身の半径1メートル以内に侵入してきた異能の力を喰らい無効化し、さらに喰らった異能を使用することができる
異能を喰らわれるたびに、その者の異能は弱体化していく
喰らった異能を使用している間は、異能を喰らう力は発動できない
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/10(日) 19:29:11.44 ID:xCZKVtZB0
【分身小隊(アバター小隊)】


武装した分身を数十体生産し、その指揮を執ることができる。偵察に向かわせることも可能。
応用して小隊の武器や車両、無線、防具の使用も可能。

中には近未来兵器を取り出せることもあり、そのうちの1つにジェットパックがある
299 :Falsemanの人 [saga]:2018/06/10(日) 20:08:43.01 ID:xCZKVtZB0
幼馴染「てなわけで買い物に行くよ!」

男「あの、僕今お金ない……」

幼馴染「いいから。お前に死なれたら親父さんにクビにされちまう。頼むからちゃんと食っとけよ」

男「はいはい……」



昼前

男「(ついでに鵺神や他の神々がどうなっているかを確認するか……)」


【選択安価】↓1&↓2&↓3

a)鵺神
1〜5:天界に向かい、暴飲暴食を繰り返す
96〜100:男のボロアパートに住み着く
7〜95(奇):懐く
6〜94(偶):甘噛みしてくる
b)他の神々
1〜5:炊き出しに満足してこの地域を祝福
96〜100:些細なトラブルで神同士の喧嘩開始
7〜49(奇):男を不審に思う
6〜50(偶):男に興味なし
51〜95(奇):満足しておとなしくなる
52〜94(偶):男に話しかける
c)他の神々・男に話しかけるver.
安価神「」


【ab記号のみ。
cその他枠
ダブリaだった場合、十の桁奇偶判定です。
aナシだった場合、鵺神を見失います】
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/10(日) 20:09:24.23 ID:xCZKVtZB0
間違えました。ごめんなさい。
301 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/10(日) 21:42:32.98 ID:U1ObVrwMO
祐介「そろそろ出発する。死にたくない者、戦いたくない者はここに残ることだ」

祐介「いつぞやのアナウンスでは『生き残った者』の願望を叶えると言っていた。ここからは俺の予想だが、この塔を誰かが攻略した時点で生存していれば認められる」


祐介は一同の顔を見た。誰一人として迷いは無かった。


祐介「……ったく。ここまで来ただけのことはあるな」

彩「祐介、でも皆一緒には行けないんだよね?」

祐介「ああ。チームでわける。色々と思うところはあるが、これに関しては力量バランスだけじゃ一概に言えない」

奈々「それで、ほぼ初対面のあなた達と連携が取れるのかしら?」

恭弥「行くのは決めたんだけどな、戦力として数えられねえよ俺」

祐介「俺は一度命を救われているんだがな。それに俺と彩の異能もピンキリだ」

剛也「あひゃひゃ! どうすんだよ」

恭子「私はっ! 私は、恭弥君と一緒に……!」

祐介「……この先何があるかわからない。後悔はないようにな」



祐介は誰と行く?>>303
302 :!ken:6 [saga]:2018/06/10(日) 21:44:50.54 ID:mvyBcMpGO
ヒロインのいろはと彩
むりなら彩
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/10(日) 22:05:48.72 ID:JXFks9iM0
いろは、彩
304 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/10(日) 22:37:46.76 ID:U1ObVrwMO
三つのチームに分かれた。
一つ目は彩、いろは、祐介。
二つ目は恭弥、恭子。
そして最後は剛也、奈々。


剛也「チッ……」

奈々(えぇ……。そんなに嫌われてるの私?)

恭弥「行こう」

恭子「はいっ……!」

彩「いろはさん、祐介」

いろは「うん!」

祐介「出発だ」
305 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/10(日) 22:52:27.54 ID:U1ObVrwMO
皆、別のルートから塔を目指す。祐介達は先ほどまで戦っていた道を選んだ。


和田の遺体そばには既に数名の痕跡があり、敵の予感もしていた。

しかし祐介らの前に現れたのはどの痕跡にも当てはまらない何者かだった。
恐る恐る近づくと首から白い何かをぶら下げているジャック・サトウチがいた。


ジャック「お兄さん、生きてたんだ!」

祐介「よう。秋斗は?」

ジャック「すぐ近くにいるよ」


かなり異常な様子だった。ジャックは【鬼化面〈ラーヴァナ〉】を装着しており両腕が少し湾曲していた。


いろは「怪我してるの……治してあげるよ!」

祐介「ま、待て。ジャック、その首にぶら下げてるのは……!」


彩はそれが何か気がつくと酷い嫌悪感に苛まれた。


ジャック「これ? 秋斗だよ、お兄さん。秋斗の背中の骨」

祐介「そうかよ。テメェ、本物の鬼になったか」


祐介の形相が変わる。


ジャック「……僕の異能は【鬼化面】。堕ちた鬼に情けは無用だ」


無言で短刀を構えた。


祐介「【レンタル】ッ!!」


指定安価は>>307
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/10(日) 23:11:33.10 ID:JXFks9iM0
>>209
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/10(日) 23:44:22.26 ID:vJ2efjThO
【鉄棒蹴法〈トンファーキック〉】
トンファーを装備し使いこなせる達人となる
またキック力も上昇する
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/11(月) 07:28:58.17 ID:14QXOiqHO
荒らしぼいかろねんのため>>306
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/11(月) 12:18:36.23 ID:5B6d4NeFO
>>308
祐介が手加減してるんじゃないのか?
ジャックがまだ鬼に堕ちきってないと信じて。
310 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/11(月) 22:08:44.89 ID:qYRwdzjVO
祐介「【鉄棒蹴法〈トンファーキック〉】」


二本のトンファーがジャックの短刀を弾いた。ジャックの首にかかった骨が落ちる。


ジャック「……へえ」


しかし、すぐに祐介の懐に入り込む。


彩「祐介、そいつ強くない?! 私も……!」

いろは「……!」


いろはは初めて見る祐介の異能に驚いていた。
祐介はトンファー術に蹴りを組み合わせ、一定の間合いを維持しつつ打撃を叩き込む。

祐介「なぜ、秋斗を殺したッ?」

ジャック「僕はね、お兄さん。いつか槍の人と戦った時から……ううん、実際には」


短刀の間合いからはるか遠く、鬼は飛翔する。


ジャック「──その前から、人斬りを楽しんでいたんだ」


鬼の腕は人の身体ではあり得ない角度で振りかぶられた。それこそが自身の腕を湾曲させた原因。異能の補正を受けてなお反動を受ける大技だ。


祐介「蹴りは……間に合わないか」


両腕で防御の姿勢をとり、後方へ蹴りだす。まともに受ければどうなるかわからない。
311 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/11(月) 22:28:57.54 ID:qYRwdzjVO
祐介含めその場の全員が察した。その攻撃は防ぎきれない。


ジャック「……!」


トンファーごと祐介の両腕が切断された。跳躍と防御が無ければ確実に首に命中していた。


祐介「クソがッ!」


血しぶき舞う中、斬撃の反動を生かして全力の後ろ回し蹴りを食らわせる。
それでもジャックは受け身をとり、立て直す。


彩「いろはさん、治療! 自傷しながらの攻撃は好きじゃないよ。【使用窃盗】!!」



指定安価は>>313
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/11(月) 22:35:20.22 ID:Qn7qMvu/0
【吸血鬼<ディープブルー>】
触れた生物の生力を吸う魔剣
持ち主だけ軽くなるようになっており、一度生力を吸った相手に自動的に追う自動攻撃能力も持っている
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/11(月) 22:36:36.71 ID:P4svBunV0
【黄色い声援〈チアリズム〉】
チアガールの衣装へと変わりポンポンを持ち
応援する相手の異能・身体能力・士気を向上させる
314 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/11(月) 23:18:41.06 ID:qYRwdzjVO
いろは「【施命〈アイリス〉】! すぐ治すから、耐えてね梶原君っ!」


虹色の光が祐介を包み込む。


彩「うぅ……。【黄色い声援〈チアリズム〉】」


顔を赤らめた少女が着ているのはチアガールの衣装。そしてその異能は応援することで発動する。


彩「……ばれ」


発動の実感はない。


祐介「ジャック……!」

ジャック「再生するなら、次は頭を貰うよ」


祐介の両腕が完全に治癒された。


いろは「彩ちゃん、チアリーダーになってる?!」

彩「こ、こんな時に?! ううぅっ、祐介! 頑張れーー!」


恥ずかしさを紛らわすようにポンポンを振り回しながら叫ぶ。やけくそ気味の応援だが、祐介に力がみなぎる。


祐介「さあ、第二ラウンドだ」


トンファーを半回転させ鎌のようにして振るう。どちらかの手で斬撃さえ防げば残った方でジャックの腕を狙うことができるためだ。【黄色い声援】を受けた祐介にはそれが可能だった。
315 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/11(月) 23:49:13.51 ID:qYRwdzjVO
ジャック「また……腕ッ?!」

祐介「俺だって何度か腕切られてるんだ」


メキメキと硬いものにヒビが入る音がする。確実に蓄積されていくダメージ。


彩「がんばれーー! フレフレ祐介ーっ!」

いろは「梶原君……!」


ジャックの腕は限界を超え、骨を粉砕されても止まらない。人を斬るという欲求のたかが外れているのだ。
再び間合いを開き、飛びかかる体勢に移る。


祐介「なあジャック。仲間殺しを悔いる気持ちはあるか?」

ジャック「フッ……無いよ。今だってほら、一人殺すところだ」


理解していた。【黄色い声援】で強化された現在のトンファーでさえ先ほどの斬撃は防ぎきれない。それはジャックの腕の損傷を加味しても変わらない。


ジャック「次は頭だ」


飛翔。腕は思い切り後ろへ。退路は無く、防御も叶わない。なので祐介はトンファーを……


祐介「いっそ地獄まで堕ちるんだな、鬼」


思い切り投擲した。


316 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/11(月) 23:56:14.98 ID:qYRwdzjVO
ジャックに避けるすべはなく、顔面と胸部にトンファーが命中。視界が塞がり肋骨および肺にも打撃。


祐介「……秋斗、ジャック。救えなかったな。すまない」


力なきその体は勢いそのままに瓦礫へ突進。見る影もなくなっていた。


彩「……終わった? ゆ、祐介! 大丈夫?!」

いろは「かじ……祐介君!」

祐介「本当は救いたかった。いいや、俺には荷が重すぎるか? それとも根本的なところから……」


祐介は思考を止め、二人に笑顔を見せる。彼女たちがいなければ勝てなかった。まずは礼を言うことにした。

317 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/12(火) 00:07:59.74 ID:JrFNk/8MO
祐介「さっきの服はチアガール?」

彩「それは思い出したくない」

いろは「似合ってたと思うけどなぁ」

彩「そういう問題じゃないの、いろはさん。私はそんなガラじゃないから」

いろは「えー。てっきり趣味だと思ったけど? ね、祐介君?!」

祐介「そうだな。……ってアレは何だ!!」


塔の周りには何台もの戦車や装甲車、そして戦闘服に身を包んだ兵士達が隊列を組んでいた。


祐介「これも異能なのか……?」

彩「チートだね」
318 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/12(火) 00:20:02.19 ID:JrFNk/8MO
見つかれば集中砲火を食らうであろうその状況下、突如現れた彼は声を張り上げる。

逆巻「下克上、最高にいいじゃねえか!! オレの大好きな戦場だ!」

祐介「誰これ」

いろは「……うーん。どこかで見たような?」

彩「何だっけかなぁ。この人についてすごく大事なことあったんだけど、忘れた」

逆巻「忘れんなモロ被り! 今回は味方してやるけどすぐに決着つけるかんな!」

彩「それ! 異能がモロ被りなんだ!」


ならば、と駆け出す。少し遅れていろはも走る。そして三人はその異能を発動する。

「【レンタル】ッ!!」
「【使用窃盗〈フシアナクグリ〉】!」
「【神の寵愛〈レンタル〉】ッ! ってお前もモロ被りかよぉぉ!!」


指定安価は順に>>319->>321
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/12(火) 00:49:53.77 ID:FlqMhHEY0
逆巻生きとったんかワレェ!

【英雄変身〈ヒーローチェンジ〉】
変身ポーズを決めながら「変身」と叫ぶことでヒーローコスチュームを身にまとい身体能力と五感が強化される
また必殺技名を叫んだ直後の攻撃は必殺の威力となるが変身が解除されてしまうため再度変身する必要がある
(裏技として「必殺パンチ」を宣言しつつ「必殺キック」を放ってもよい)
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 01:18:40.79 ID:4yBLtAEz0
【女傑転身<ヒロインフォーゼ>】
「変身」と叫ぶことでヒロインコスチュームを身に纏う(解除のONとOFFは可能)
こちらは自分の主人公と定めた(基準は好意は思いのある)相手と同調して身体能力や能力などを得る
また主人公の力を増幅させて、一心同体のように心を通わせたりもできる
ただ完全にシンクロしているのでお互いにダメージなど精神的な動揺などもろに伝わってしまう。
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/12(火) 01:23:46.37 ID:AdTyAkB10
【溶岩の身体(マグマボディ)】
身体をマグマにかえる能力。能力発動する時に切断、木っ端微塵などなっても再生が可能。もちろんマグマを飛ばしたり、身体をマグマのような液体化する事ができる。ただし水などの液体をかけると身体が乾くまで能力が使えなくなる。身体の一部を武器のようにかえたり、身体全体をかえることができる。
(他の二人みたいにヒーローの衣装にもかえることができる。)
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/12(火) 01:37:00.39 ID:AdTyAkB10
>>321一部説明の変更
身体の一部を武器にかえたり、身体全体をかえることができる。(他の二人みたいにヒーローの衣装にもかえることができる。)

身体の一部を武器にかえることができる。能力発動するとマグマでできたヒーローのコスチュームを身に纏う。
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 01:40:07.83 ID:FlqMhHEY0
ヒーロー、ヒロイン、怪人がそろったか
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 08:03:51.00 ID:4yBLtAEz0
>>320はヒロインぽくないかと思ったら、wikiで調べたら主人公のバディのヒロインもあるみたいだからありか
見守り系や守られ系ヒロインは時代が古いか
325 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/12(火) 22:17:17.70 ID:O5v4HgxPO
祐介「【英雄変身〈ヒーローチェンジ〉】ッ!」

彩「【女傑転身〈ヒロインフォーゼ〉】。……また衣装変わるのかぁ」

逆巻「【溶岩の身体〈マグマボディ〉】!! オレだけ戦隊モノじゃないのかよ!」


異能を発動後、坂巻以外の二人には変化は見られない。


祐介「彩も似た異能か? それとお前、戦隊モノじゃなくてライダーの方だ! 変身ッ!!」


素早くポーズを決めた祐介は漆黒に染まる、洗練されたデザインのヒーローになった。


彩「くそぉ、変身!」


こちらは少女らしいピンクの派手なデザインだ。祐介と違って顔部分が露出しておらず、やはり赤く染まった顔を手で覆っていた。


いろは「何だかすごいことになったなー。待ってよ祐介君ー!」

326 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/12(火) 22:39:48.56 ID:O5v4HgxPO
全身に力がみなぎる。そして彩と感覚を共有する実感があった。

祐介「恥ずかしいいのか……」

彩「……。悪くないね」


誰かと心を通じあわせる、というのは気持ちが良いものだ。

坂巻「いや、待てよ。溶岩の放出と凝固を応用したら……!」

坂巻「よし、ヒーロー! オレをあいつらの上空に投げてくれッ!!」

祐介「いいのか?」


確認をしたが坂巻の返事が来る前に投げ飛ばしていた。思考の回転と身体能力が高まり、先取りしすぎたのだ。


坂巻「うおおおお?! 容赦ねえなおい! だがまあ、変身!!ッてねぇ!!」


坂巻は祐介のポーズを真似て身体の周囲に溶岩を纏う。祐介のそれに似たデザインで、細部は赤く輝いていた。


坂巻「行くぜぇぇッ!!」


落下する坂巻に兵士達が気づく。容赦なくためらいなく一斉に射撃が始まる。
327 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/12(火) 23:10:45.44 ID:O5v4HgxPO
坂巻が地面に衝突、周囲へ溶岩を炸裂させたと同時に遠方でも爆発、銃声や炎が上がった。

三人のヒーローは銃弾を物ともせず集団に突進。最新鋭の装備に身を包む兵士をなぎ払う。
激しい戦闘の最中、祐介達は気がついていなかった。


真也「動くな。お前に刃を向けている」

いろは「……!?」


流れ弾に当たらぬよう、身を隠していたいろはの元に現れた暗殺者。
328 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/12(火) 23:28:55.19 ID:O5v4HgxPO
彩「祐介、後ろ!」


戦車砲が祐介の側頭部をかすめる。しかし今の彼らに戦車を潰すことなどそう難しくはなかった。


祐介「必殺キック!!」

彩「……ひ、必殺パンチ!」


祐介と彩はその身体能力で。


坂巻「オレのマグマで溶け落ちろッ!!


坂巻はその煮えたぎるマグマで。


偶然にも、【分身小隊】は複数の異能所持者に対して分散し戦力を落として戦闘を開始したために隊一つあたりの人数が減っていた。
329 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/12(火) 23:39:17.12 ID:O5v4HgxPO
タワー上層部。正確には最上層と中層の間だが、そこには塔の主直属の手下が揃いつつあった。


名前
特徴
>>330->>332から2名
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/12(火) 23:50:34.85 ID:4yBLtAEz0
桃月恵(ももつき めぐみ)
ピンク髪のショートヘアの赤い服を着ている女性。ナイスバディで服は胸あたりが開いている
いろはの実の姉であり、どちらかと女性的ないろはとは対照的で大雑把で細かいことを気にしない男勝り。姉御気質で頼れるお姉さん系。喧嘩も強い
シスコンでいろはをベタベタ。彼女のことを大切に思っており、彼女のためにはなんだってする(一応、ヤバイ性癖持ちではなく、これでもノンケ)
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/13(水) 00:14:36.99 ID:t3bgLpzO0
千堂院 カルマ(ちどういん かるま)
黒髪で天然パーマ、ロングコートを着ている男性。顔の上半分仮面をつけている。身長が高く筋肉質。
クールでほとんど無口な為、何を考えているかわからない。人前で仮面を外したことは一度もない。相手を分析するのが得意。柔道、空手等の武術をやっていたので戦闘も得意。
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/13(水) 00:14:47.90 ID:Qc21U2ZAO
名前 シロク・ハイグレー
特徴 シルクハットとステッキを身につけたマジシャンの中年男性
よく相手を褒め称える性格だが皮肉の場合もある
333 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/13(水) 21:40:17.58 ID:s4pi2jVcO
>>326->>328
逆巻でした
334 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/13(水) 22:00:40.91 ID:s4pi2jVcO
階層の中心に桃月 恵と千堂院 カルマがいた。カルマは顔の上半分が隠れる形の仮面をつけており、無口で口元に感情を出さないためその思考を読むことは難しい。


カルマ「……」

恵「何か喋れよ!!」

カルマ「……」


恵はいろはの実姉だが、性格が真逆である。無視をするカルマの仮面を取ろうと手を伸ばすが全てひょいひょいと避けられる。
335 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/13(水) 22:41:11.69 ID:s4pi2jVcO
祐介達と交戦中の兵士達が退いていく。


祐介「そろそろ終わりのようだな」

彩「まだ油断は駄目だよっ!」


祐介から伝わる安堵を感じとる。しかしそれは彩も同じだった。彼らはまだいろはの状況を察知しておらず、どこかに隠れているものと思っていた。


そして、兵士の後退には理由があった。電動 博士(でんどう はかせ)。かなりの筋肉質で身体から機械音を出している。塔の主直属の部下たる彼がちょうど現れたのだ。



博士の異能>>337
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/13(水) 22:44:59.68 ID:+XUVqziBO
電動機械(メタルボーグ)
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 22:45:40.38 ID:DcDazsEj0
【零と一(マトリクス)】
物質を創造する。

338 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/13(水) 23:13:42.81 ID:s4pi2jVcO
【零と一〈マトリクス〉】。それはただ、生み出すもの。それ故に──


祐介「な……何だアレは?!」


すぐに彩にも伝わる。


彩「え……?」

逆巻「お、大きいなおいッ!!」


賊を潰さんと落下する超巨大な岩石。かろうじて逆巻の【溶岩の身体】で通路を開けて回避に成功する。しかしこの時点で三人の異能が解けた。


博士「我らが主人の首を狙う者共だな? あのお方は既に間引きは済んだと申されたが……」

博士「今一度、篩にかけさせてもらう」


二人を残し、博士の前に立つ祐介。その意図を汲んだ逆巻は彩に目配せする。


祐介「節約だとか温存とは言ってられないらしい。それに、あのお方とやらの話も聞かせてもらいたい」

博士「ここまで生き残るだけのことはある。もとより初撃で仕留めるつもりもない」

祐介「そうかよ。じゃあ早速【強欲な借り主〈レンタル〉】ッ!!」



指定安価は>>339->>340
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 23:19:50.58 ID:kzrk2G8m0
【破壊者<デストロイヤー>】
自分が触れたものは問答用で破壊する
原理や理屈関係なく完全に破壊される。例外はない
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 23:33:00.13 ID:9aFLLRs90
【模型人体〈マネキンマン〉】
自分の身体を服ごと分離し宙に飛ばして操作できる
またバラバラにした各部位に目や耳などの感覚器官を生やせる
341 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/14(木) 23:26:28.67 ID:5x47cKtEO
祐介「【破壊者〈デストロイヤー〉】と【模型人体〈マネキンマン〉】。悪いがその篩、壊させてもらう」

博士「【零と一】。……ならば何度でも創り出すのみ」


祐介の両腕が身体から離れる。


逆巻「あんな感じのロボットっているよな」

彩「……腕が切れてる」


博士はそれに対して再び巨大な岩石を複数出した。しかしものの道理や摂理を顧みずに破壊する。


博士「……」


彼の思考が追いつく前に、生み出すもの【零と一〈マトリクス〉】とその器さえも破壊し尽くされた。


祐介「運が悪かったと思え。こっちは借り物の力。何が出るかはわからないんだ」
342 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/15(金) 23:51:53.17 ID:Y+l7HyZYO
その頃、中央塔内部。


力「やるじゃねえか」

いろは「何……?! 誰なの?」

真也「……」

春奈「戦況が芳しくありません。全勢力の二割程が削られました。敵は想定以上に強力です」

春奈「……?!」


突如、春奈の顔つきが険しくなる。


力「どうしたんだよ」

春奈「……ッ。【分身小隊】、五割が消滅しました……!」


塔の外では影すら飲み込むほどの閃光が走っていた。
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 19:55:59.67 ID:C26SIKd60
続きマダー
344 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/17(日) 21:02:27.34 ID:lgY0aG9MO
それは全ての暗闇を、影を、混沌を飲み込んだ神の槍。【深淵『ダークネス〉】の暗黒異空間を克服した【神槍】は破壊の光を放ちながら、こちらの世界に再臨した。


祐介「……! 彩、無事か?!」

彩「はーい、なんとかね」

逆巻「一体何だってんだ」

彩「いろはさんはどこ?」

祐介「探そう。だが、今の光は……」

逆巻「あの槍だ。上を見ろ!!」


【神槍】は遥か上空に佇んでいた。
超威力を誇る破光。祐介達は既にボロボロだったが、その被害を大きく被っていたのは浅野 剛也と矢吹 奏司だった。


祐介「ケリをつけに行く。【レンタル】ッ!」

彩「いろはさん、無事でいてね。【使用窃盗】」

逆巻「相手にとって不足なしッ!! 【神の寵愛〈レンタル〉】!!」



指定安価は上から順に>>345->>347
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/17(日) 21:17:26.00 ID:Gfui/8/i0
【食異鬼〈スキルイーター〉】
触れた異能の力を喰らい無効化し、さらに喰らった異能を使用することができる
異能を喰らわれるたびに、その者の異能は弱体化していく
喰らった異能を使用している間は、異能を喰らう力は発動できない
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 21:31:20.06 ID:l1AY3Xek0
【調律師(チューナー)】

運営本部と常に同期可能で、各異能者のパワーバランスを随時確認できる。随時運営本部に連絡が取れる、異能の使用を強化・抑制・禁止させる等の監理NPCみたいな能力。
【禁断の果実>>267】等の認識トラップによる影響は運営本部との同期により無効果できる。


弱点は電気系や認識妨害の攻撃。計算が狂い、運営本部もその影響を受ける。
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/17(日) 21:33:03.65 ID:BhTorqLg0
>>312
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 21:34:52.72 ID:C26SIKd60
【祈る巫女〈プリンティア〉】
使用者の服装が巫女衣装(といっても異国製でどちらかと踊り子に近い)に変わる
この能力を発動後に祈ることで対象者の全体的な力(異能も含む)を上げる能力
祈っている時間が長いほど対象者の力も上がっていく。
なお、祈っている間はバリアが張られて使用者にダメージがこないが、祈っている間は集中力が必要である

今後のために先に書いておく。彩用
349 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/18(月) 22:03:17.92 ID:h5zuDLAOO
祐介「【食異鬼〈スキルイーター〉】!」

彩「なにこれ……?! 【調律師〈チューナー〉】」

逆巻「上等だッ! 【吸血鬼〈ディープブルー〉】」


彩の周囲にはホログラムが身を囲うように展開され、それぞれには異能所持者の名前が連ねてあった。


逆巻「来るぞッ!!」


【神槍】の先が狙いを定める。放たれた光線は距離感がわからなくなるほど広がっていた。


彩「【レンタル】及び【食異鬼】を強化する。……あれ?」

彩(【神の寵愛】が無い。ううん、あの槍っぽいのもリストにない。何でだろう……?)

祐介「喰らい尽くすッ!!」


祐介が手をかざし、エネルギーを奪っていく。あまりの眩しさに目を開けることが出来なかったため、三人はまだ気がつかない。【神槍】は祐介を穿たんとして超速で進んでいた。

350 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/18(月) 22:45:44.44 ID:h5zuDLAOO
それは逆巻や彩が目を覆っていた腕を下げ、明らかに近づいている槍を視認した瞬間。無意味と理解しつつ彩は強引に【食異鬼】を解除、祐介の手から奪取していた力を解放する。
片や逆巻は禍々しい魔剣を構えた。しかし間合いは遠くどうあがいても間に合わない。

光線を二つに割りながらなお止まらない【神槍】。しかし、側方から様々な色が混ざり合う麗しい音色。



──それは有無を言わさず対象を焼き払う魂の演奏。



刃が欠け、その内に蓄えられたエネルギーが溢れ出す。完全なる撃破とはいかずとも、本来なら既に武器として使用できないほどに追い込んだ。
351 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/18(月) 23:30:43.47 ID:h5zuDLAOO
合流後、塔の付近を探索し和田の遺体を発見した神崎 風子達は【分身小隊】を避けつつ塔の入り口を偵察していた。
拡散する閃光、暗転する視界。そして衝撃。雨音 奏は異能【雨の日の友達〈レインロイド〉】を身にまとい光を屈折させる。熱は異能の特性でなんとか防ぐことが出来た。


凶「……痛いです」

風子「何……? って瀬型君?!」


小さな少女二人を大きな体躯の瀬型 櫂が覆いかぶさるように庇った。しかし……


奏「キミ達、いいや、風子っ!! 今すぐ【キャンセラー】を使うんだ!」

櫂「……!!」


【連なる堅甲の遁走曲〈フィルムシェル・フーガ〉】で硬化した矢吹 奏司が自身を犠牲にして櫂達を守っていた。その四肢は千切れかけ、顔や胴の半分は焼けている。異能の媒体としていたヘッドホンは消え去っていた。
352 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/19(火) 21:01:39.34 ID:bKL6J10AO
風子の異能は損傷の程度によって、それなりの時間やエネルギーを必要とする。つまり、間に合わない。


風子「【キャンセラー】……! 絶対に大丈夫なんだからっ!!」

櫂「諦めるな……!」

奏司「よせ。もういい」


普段は気だるげな表情で冷淡な性格の奏司が満たされた笑顔を見せた。そもそも【奏でる者〈シンフォニア〉】は自身が聴いた音楽を具現化する能力。媒体無しに発動するはずがなかった。


奏司「出会ったばかりだと言うのに、そこまで気にかけるとはな」

櫂「……何を」

奏司「いや充分だ。奴らから逃げた結果がこれなら、間違いではなかった」

凶「だめです……!」

風子「嫌っ……」


しかし、ヘッドホンが無くとも聴こえる音色。命の鼓動が奏でる一曲。


奏司「観客〈おまえたち〉に捧げる」

奏司「【燃ゆる生命、我が終曲〈グランド・フィナーレ〉】」



──それは、奏者の最後。
353 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/19(火) 21:21:22.12 ID:bKL6J10AO
【絶えぬ世界の接続曲】
【気狂い歌姫の狂騒曲】
【赧い想いの小夜曲】
【輝く黄金の装飾曲】
【連なる堅甲の遁走曲】

全てが一度に出現し混ざり合い、遠方の何かに向かって飛ぶ槍めがけて放たれる。


奏司「ああ……ありがとう」
354 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/19(火) 22:06:21.65 ID:bKL6J10AO
逆巻「今だーーッ!!」


魔剣が槍と撃ち合い火花を散らす。漏れ出る【神槍】のエネルギーを【吸血鬼】が吸い取っていく。


神装は本来の威容を失い、力なく浮遊していた。


祐介「トドメだ」

逆巻「行くぜ!!」


祐介は喰った残りを、逆巻は魔剣が吸った力を同時に放つ。今度こそ、【神槍】は消え去った。
355 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/19(火) 22:23:56.23 ID:bKL6J10AO
死者の亡骸を弔う四人の周りには【分身小隊】が集結しつつあった。


奏「……まったく。ボクは頭悪いけど、これだけは言えるよ」

奏「キミ達は馬鹿だ」


余韻に浸る間も無く迫る敵意に、怒りを露骨に示す奏。そこには太陽のような笑顔はなかった。


櫂「進もう」

風子「……うん」

凶「【亡者共鳴〈アズラエル〉】。きょうも行きます」


奏に続いて各自がその異能で近代装備に身を包む兵隊を散らしていく。
356 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/19(火) 22:59:55.94 ID:bKL6J10AO
中央塔中層。そこには若見 奈恵と浅野 真也がいた。

真也「……」

奈恵「何か用? 戦況が芳しくないから嫌味でも言い来たの?」

真也「【暗殺者〈キラーキラー〉】」

奈恵「……そう」




若見 奈恵の異能>>358
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/19(火) 23:03:01.91 ID:UMcy1s03O
【扇状・風神<おうぎ ふうじん>】
振るうことで風を起こし自由自在に操ることができる
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/19(火) 23:04:35.91 ID:NrHGBX4a0
花咲令嬢〈ブルーメンフロイライン〉
自分の体液をかけた所から美しい花々を咲かせ、またツタを伸ばして対象を拘束
血を元にした場合は生物に襲いかかる凶悪な吸血植物を生やせる
359 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/19(火) 23:35:21.07 ID:bKL6J10AO
奈恵「【花咲令嬢〈ブルーメンフロイライン〉】」


指の先を袖に忍ばせていたナイフで切った。鮮血は床に落ち、そこからは異形の吸血植物が生まれる。


真也「無駄だ」


【暗殺者】は常に対する敵に最適な武器を出現させる。それは暗殺という概念に関係なく、状況によって選ばれる。

そして、今回は火炎放射器だった。
360 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/19(火) 23:53:00.25 ID:bKL6J10AO
民家の残骸に身を隠す二人。眉間にしわを寄せ、目を瞑る剛也に奈々はそっと抱擁する。


剛也「……何のつもりだ?」

奈々「私がついてるから、心配するなってことよ」

剛也「チッ。ロリッ娘ならともかくお前なんかに気をつかわれるほど落ちぶれていねぇよ」

奈々「でも見えていないんでしょ?」

剛也「ああ。使い物にならねぇ。置いていけ」

奈々「それはできない。仲間は見捨てないと決めたから」


【神槍】の閃光を、その異能が目で見た場所に限定されることもあり長時間直視した影響で視力が著しく低下していた。空間や相手を視認することができないほどだった。
361 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/20(水) 01:03:58.64 ID:wJFyzR+WO
カルマ「……」

恵「むぅ……。何だか煙いな」

「電動が死んだ」


二人はその声を聞くと同時に頭を垂れた。


「楽にしてくれ。今回もまたイレギュラーが紛れている」

カルマ「……」

恵「……岩崎と女の子?」

「逆瀬川 逆巻。いずれ登ってくるだろう」

恵「──。うちの妹はどこにいる?」

「その名は棄てた。……まあいい。ちょうどこの下にいる。行くか?」

恵「……」

「許す」

恵「そりゃどうも」
362 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/20(水) 23:13:23.50 ID:dJ9Re7qqO
祐介「いろはー!」

彩「いろはさーん!」

逆巻「ピンクー、どこだー!!」


祐介達はいろはを探していた。返事は無かったが、彩があるものを発見した。


彩「祐介、モロ被りお兄さん、あれ見て!」

逆巻「逆瀬川 逆巻だ。覚えておけ」

祐介「んなことより、あの虹。ったく、いつのまに置いていかれたんだかな」


塔から横に七色の光が伸びていた。それは明らかに【施命〈アイリス〉】のものだ。三人は改めて名乗りあった。そして、再び塔へ歩みを進める。


363 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/20(水) 23:32:30.11 ID:dJ9Re7qqO
そこからは早かった。既に【分身小隊】は分散し祐介らの周囲にはおらず、まるで誘い込むように塔の入り口までが開いていた。


祐介「罠だろうな。人質までとって」

彩「人質?」

逆巻「オレはよく知らねーけど、あれがピンクの異能なら緊急事態なんだろうぜ」


入り口をくぐった三人の前には四十万 力と若見 春奈が立ちはだかる。


逆巻「なるほどな。それらしくなってきた!! オレは先に行かせてもらうぜッ!!」


逆巻は力の蹴りをたやすく避け、上層へ駆け上っていった。


祐介「お、おい!」

彩「はぁ……」

祐介「仕方がない。それじゃあまずは」

彩「うん。囚われのお姫様を助けるのは」

祐介「こいつらを蹴散らしてからだ。【レンタル】ッ!!」

彩「【使用窃盗〈フシアナクグリ〉】!」



指定安価は上から順に>>365->>366
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/20(水) 23:47:44.29 ID:fpJWVX3e0
【幻の霧<シャドウミスト>】
霧を発生して、その霧に包まれた自分以外の人間に幻術を見せる
その幻術はさまざまだが、霧に包まれた相手のトラウマになることや精神ダメージを与える幻術が主
霧に包まれても使用者が触れば能力が解除される
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/20(水) 23:50:47.88 ID:0T2U3GBI0
【念磁力〈マグネティックフォース〉】
対象物(複数可)に念じた強さに応じて強力な磁力を付与させる
磁力を保つには常に念じ続けている必要がある
S極かN極かを選択可能
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/21(木) 00:02:41.15 ID:5boL8Ee3O
【愛の重力<ラブリーテーション>】
好意(恋愛感情)がある相手が近ければ重力を重くする能力になり、逆に遠ければ重力を軽くする能力が使える
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/21(木) 00:05:46.23 ID:5boL8Ee3O
変えられるなら>>163
368 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/21(木) 21:20:19.61 ID:PDNeDGJ9O
力「お前の親は気に食わねぇけど、子は親を選べねぇからな」

春奈「貴方は母を侮辱するのですか……?」

力「さあな。親はともかく子の方は数ミリだけマシってもんだ」

春奈「……?」

力「共闘してやるって言ってるんだ。あの傲慢な奴の命令などもう聞かねぇ」

春奈「後でその言葉、撤回してください……!」

力「そっちこそ、いい加減乳離れするんだな。行くぞッ!!」
369 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/21(木) 21:50:33.16 ID:PDNeDGJ9O
力は勢いをつけて飛び出した。しかし、すぐにその足は止まる。


祐介「【念磁力〈マグネティックフォース〉】! お前の足と床に磁力を発生させた!」

力「それは……どうかな……!」


爆発のような音を立てながら一歩ずつ前進する力。足の筋肉は膨張し血管が浮き出ている。


祐介「向かって来るかッ……!」

力「俺も負けてらんねぇえからなッ!!」
370 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/21(木) 23:49:04.91 ID:PDNeDGJ9O
彩「お姉さんは私が倒す!」

春奈「小さな子でもここを通すわけにはいきません」

彩「【衣装替え〈インフォース〉】」


彩の服が光を放ち形を変えた。同時に春奈も戦闘服に換装していた。


彩「やっぱりお姉さん、外の兵隊の親玉だね」


彩は近未来的な外骨格に身を包んだ。手には刀を持っている。
春奈が銃を掃射した。彩は最低限の数発を弾いて走りだす。
371 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/22(金) 00:41:23.88 ID:ZWvXyTPeO
逆巻が階段を駆け上がる。途中でいろはらしき者を見かけたが、ここで自分が助けるのも野暮だと思い、あえて無視した。

そして、先程見たものとそっくりな桃色の髪の女と出くわす。


恵「……誰? 」

逆巻「オレの名は逆瀬川 逆巻!! 悪いが通させてもらうッ!!」

恵「だったら尚更……!」


恵はその体格に合わない大きさの戦斧を振るう。


逆巻「っぶねぇ! まあ一筋縄にはいかねぇか。【神の寵愛〈レンタル〉】ッ!!」



指定安価は>>373
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/22(金) 00:45:52.12 ID:OjDBvD5V0
【女誑し〈ラッキースケベ〉】
能力発動後に女性に対してのラッキースケベが起こりだす
この能力の発動中は死ぬほどのダメージや致命傷などを受けることはない(ダメージは受ける)
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/22(金) 01:00:19.25 ID:VekS4WSL0
【雨樋う彫刻〈ガーゴイル〉】


朝昼は石の装甲を纏って、石のツメを武器にする。また雨や水属性に耐性を持ち、雷を呼び寄せる。石の装甲は発動者に重く感じさせない。流動物のマグマにも耐性あり。

夜になると覚醒して化け物としてのガーゴイルになり、翼が生えて飛ぶことができる。また火球を吐くこともできるようになる。

弱点は、化け物のまま朝を迎えると石像になって動けなくなり眠ってしまう。その代わり、次の夜まで命の保証あり。



豆知識:ガーゴイルは元々、雨樋の機能をもつ彫刻のことを指す
374 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/22(金) 23:03:02.86 ID:ZWvXyTPeO
逆巻「【雨樋う彫刻〈ガーゴイル〉】 ッ!」


逆巻は瞬時に石の怪物と化した。その長い爪は研がれた刃物のようであり、力強くもあった。


恵「たしかにその異能、イレギュラーたる存在だ!」


一瞬にして戦斧が槍になっていた。恵は軽々と回転させ構える。それに対して逆巻は怯むことなく前方へ進んだ。


逆巻「何がイレギュラーだ。この異能だってその辺に似たのがいたぞ」

恵「そんなの私が知るわけねぇだろうがッ!!」


先ほどの斧と同様に槍も使いこなすその絶技。恵の異能は【一発達人体験】。それは借り物の術理。
375 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/23(土) 01:26:33.11 ID:+FslJ/j5O
彩の持つ刀には超振動装置が組み込まれている。そのため従来の刀よりもはるかに高い切れ味を誇っていた。
これは現実的には実用段階に至っておらず、【衣装替え】による産物に他ならない。

しかし、春奈も負けじとジェットパックを装着、飛翔。その手には擲弾銃と高周波刀があった。【分身小隊】においてもジェットパック同様に未だ世に出ぬ装備も含まれていた。


彩「へえ、進んでるね。その装備」

春奈「そちらこそ」


春奈が擲弾を撃ち出す。彩は難なく躱し、爆風を利用する。


彩「どうせ変身するなら……!」

春奈「飛んだ……?! 来るッ……!」

彩「もっと可愛い服が良かったぁぁ!!」


そこから一太刀、切っ先を振り下ろす。肩から胴まで、その刃をもってして切断した。
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/23(土) 01:32:58.91 ID:x5YFektIO
愛梨「さあ行こう、空の果 てへ!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1519427437/
久美子「永遠のレイ」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1520033314/
伊織「誰が魔王サーの姫 よ!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1520637298/
エミリー「修正…悪しき文 化ですね」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1521241832/
奈緒「何で関西弁=恐竜やねん!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1521850482/
常務「新制限を全て撤回。 白紙に戻す」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1522451692/
千夏「このTGはテックジーナスじゃないの?」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523058431/
礼子「大人の魅力で破滅さ せてあげる」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523661962/
フレデリカ「恋人は校庭のパラディオンだよー」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1524265978/
海美「竜騎士の結束を見せちゃうよ!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1524871125/
志保「茶運びといえばカラクリだよね!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1525475657/
茜「みんなで勝鬨を上げちゃおう!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1526133608/
桃子「この金の城いい踏み台だね!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1526686132/
美紗希「化学反応式も女子力よ!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1527292985/
小鳥「アリガトウワタシノデッキ」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1527896333/
柚「狩らせてもらうよ。キサマのぴにゃンバーズ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1528498815/
加奈「ダストンの掃除法をメモしておきますね!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1529105813/
377 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/23(土) 20:38:23.71 ID:lnPxApaMO
力「ウォォォオオオッ!!」

祐介「いい加減潰れろッ……!」


その巨体は確実に一歩ずつ、じわじわと近づいてくる。
全身全霊で念じる祐介の目の端に映る兵士の姿。刹那、気が他へ向いた。彩が切りかかっているのは【分身小隊】で、後方から狙撃銃の照準器を除いているのが春奈だった。
【念磁力】の緩みを力は見逃さなかった。


力「オラァッ!」

祐介「……!」


かなり甘く当たったその蹴りは、しかし祐介を行動不能にするには充分だった。
そして銃声がこだまする。
378 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/23(土) 22:31:41.58 ID:lnPxApaMO
腹部に嫌な感触があった。血が吹き出ていた。


彩「え……?」

春奈「……もう一度」


すでに慣れたつもりでいた怪我だが、やはり恐怖感や喪失感などがドロドロに混ざった心境になる。
再度銃声。銃弾は肉を捻じ曲げながら太腿に食い込む。


彩「いや……」


力なく床に落ちる。


春奈「さあ、終わらせます。苦しいのは嫌ですよね」


同じく力も祐介を終わらせるべく脚を振り上げていた。
目は虚ろに開き彩の方を見るが、そこに意思はない。
意識と無意識の間に干渉する波長。頭痛と震えを伴いながら、視えたそれは──。


「いつからか、それは蓄積されていった。いつからか、俺〈それ〉は排除の対象になっていた」


その強さ故にただ一人残ってしまった勝者。


「全てを持ち得て、しかし借り物のお前は何を願う」


その片鱗を垣間見た。受容は出来なかったが、少しだけ理解はできた。同じ末路を辿るわけにはいかない。
身体に力が湧いてくる。祐介の背中からは日輪のごとき光が溢れ出す。すでに限界を迎え、乗り越え、我が物とする。


力「何だ……?!」

祐介「……救えない。何も、誰も。だから、彩は……皆は……。……だから【全て救う神託の光〈レンタル〉】ッ!!」


光は三つに分かれて、やがて一つに収束する。


指定安価の>>379->>381を混成。
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/23(土) 22:42:26.55 ID:7injo4jt0
【再構築<アップデート>】
光の空間を作り、その空間に包まれたものは使用者により再構築される
再構築できるものは本来より状態が悪いもの生物、物である
再構築したものは全て本来が正常な状態より性能や状態が向上する
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/23(土) 22:46:59.77 ID:dMz8epub0
【星屑の王子様〈スターダストプリンス〉】
無数の光り輝く小さな星屑(☆)が周囲に出現し操作できる
一つ一つの力は弱いが密集させれば強靭な壁にも矛にもなる
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/23(土) 23:38:07.12 ID:sCEwnbtB0
>>312
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/23(土) 23:44:06.11 ID:7injo4jt0
どう一つにまとめか不明だな
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/24(日) 00:57:12.92 ID:Ant8gGsA0
3つの異能を同時に使い分けるのか、本当に混成するか…。

混成するなら、【再臨せし星屑の魔剣騎士〈リ・スターダストナイト〉】になるのだろうか
384 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/24(日) 19:41:56.49 ID:YAiH+C64O
祐介「なに、簡単なことだ。皆を救いたいだけなんだ。この想いに嘘はなく、ただ覚悟するならば」

祐介「そこにおまえは含まれていないってところかな」


日輪が輝きを増す。祐介の手には剣があった。
【再臨せし星屑の魔剣騎士〈リ・スターダストナイト〉】の一振りは無数の星屑であり、無数の魂喰らいでもあった。しかし、その真髄は【再構築〈アップデート〉】にある。


力「ハッ! 救いだと? この世界で殺して殺して殺して殺しまくって何を今更救うってんだッ!!」

祐介「たしかに俺は小学生の子供すら救えない。無力だよ。この異能だって借り物だ。……けれど、今残っているものを失いたくないッ!! 」


魔剣の柄を起点に出現する光の空間。そのフロア一帯が呑まれていく。


彩「う……祐介……」

春奈「これは……?! 【分身小隊】展開ッ!!」


中隊規模にまで増えた【分身小隊】だったが、次々と消滅していく。【星屑の王子様〈スターダストプリンス〉】の星屑が兵士達の脳や心臓をピンポイントで穿つ。たとえ耐え切れたとして、付与された【吸血鬼〈ディープブルー〉】の効果が息の根を止める。
385 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/24(日) 22:01:13.59 ID:YAiH+C64O
彩「祐介……?」


なぜだろう。その光はあの槍以上に純粋なものに見えるけど……。その顔や手は何故、暗くて血に濡れてるの?


【再構築】の聖空間により彩と祐介の損傷部が再構築されていく。しかし、新たな力を得て危機も乗り越えたはずの祐介の顔は晴れなかった。


力「ぐッ……お前、いい顔してるじゃねェか。地獄で……待ってるぜ! ハハハハハッ!!!」

祐介「……」


首を切り落とした。
386 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/24(日) 22:33:36.25 ID:YAiH+C64O
地を這う一人の少女。死を目前にして縋るのは。


春奈「お……かあ、さ……ま」


これまでの全てだった。一段ずつ満身創痍ながらも確かに這い進む春奈の背後には断頭せんと剣を構える祐介。


祐介「……」

春奈「嫌……」


死角からごく軽い衝撃。それは彩が抱きついていたのだ、


彩「もういいよ……。傷は治して、動けなくすれば良い」

祐介「……!」


祐介はひとまず感情の渦巻きを心の隅に追いやることにした。
387 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/24(日) 22:56:42.13 ID:YAiH+C64O
二人はそのまま階段を登る。どこに隠すでもなく、いろはは通路で拘束されていた。


いろは「ぷは。祐介君。助けに来てくれるって信じてたよ」

祐介「当たり前だ。怪我はないか?」

いろは「うん。大丈夫。えへへへ」


照れた風に笑ういろは。


いろは「嬉しい」

祐介「……そうか」

彩「ねえ! さ! か! ま! き! さんはどこかなー?」


あえて邪魔するように割り込む彩。少しだけ、寂しかったのだ。
388 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/24(日) 23:13:42.74 ID:YAiH+C64O
同刻。櫂、凶、風子、奏の四人は【亡者共鳴】により強化された【動物シール】の鷹で外側から塔の上層部を目指していた。

塔の頂上では千堂院 カルマが臨戦態勢で待ち構えていた。




カルマの異能>>389->>391から
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/24(日) 23:22:52.09 ID:5DBsx1Jm0
【悪食手〈ジャンクイーター〉】
手の周囲にある無機物をえぐり体内に取り込み再構築し再構築した物体を手の表面付近から吐き出せる
小さく分割してショットガン、ガトリングガンのように吐き出すこともできる
いくらでも体内に取り込むことができ、取り込んだ分だけ体重が増加する
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 23:28:24.40 ID:g4MBBgvU0
【死者の毒(デスポイズン)】
毒を操る能力。身体には毒が分泌してるため、身体に触れたり、毒に触れると相手は毒に犯される。毒を飛ばすことが可能。毒ガス、毒液や催涙ガスも出すことができる。毒はかなり強力なもので【アイリス】や【マッドメディック】などの回復系の異能でも治すことは不可能。
例えるならワンピースに登場したマゼランのドクドクの実の能力のような感じ(ただしお腹は壊さない)
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/24(日) 23:28:47.03 ID:JojmDMOR0
<拡張時間【ワン・オン・テンタイム】>
能力発動後に自分の以外の人間が1秒で動くとしたら自分は10秒の時間を動くことができる能力
つまり、相手より10倍の時間を持つことができる能力
基本的に攻撃などが当たらなくなるが、身体能力がアップするわけではないのでそこに注意


392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/25(月) 00:01:11.25 ID:eeWbjZEH0
>>390名前だけ変更
【死の毒(デスポイズン)】でお願いします。
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/25(月) 00:07:05.72 ID:AjpfIIIN0
>>391の名前だけ変更【拡張時間<ワン・オン・テンタイム>】で
394 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/25(月) 22:55:32.61 ID:y2GPF88JO
カルマ「その業は計り知れない。【死の毒〈デス・ポイズン〉】」

カルマ「──【身業〈カーヤ〉】」


身体の全てが猛毒となる。周囲の空気、血液、その肉の余すところなく害悪。


そして櫂達が着地。最初に飛び出したのは凶だった。


凶「【亡者共鳴】。いきます!」

395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/26(火) 22:58:16.38 ID:hUYkpFt20
死者の記憶から相手の能力を看破できてるから飛び出したのかな?
だとしたら、カルマにやられた異能者は…
396 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/29(金) 22:35:11.85 ID:iCrjdIkCO


「上ではカルマと櫂達が戦っているな。風子と凶の異能は強いぞ」

「下は……。まあいい」

「そろそろ俺も動くか。では──」


行き先
塔 屋上、上層、中層、外部から>>398
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/29(金) 22:44:57.11 ID:/nTNtO+t0
外部
398 :5 [sage ]:2018/06/29(金) 22:54:35.47 ID:CKYP62z20
399 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/29(金) 23:36:23.35 ID:iCrjdIkCO
【分身小隊】が退いた。奈々は剛也と肩を組み塔を目指す。剛也は介助無しに動くことは叶わず、奈々は自身の異能に戦力的な限界を感じていた。


剛也「あひゃひゃひゃ! 勝手に仲間にしてんじゃねえよ」

奈々「うるさい! 何と言おうと少しだけ我儘に付き合ってもらうからね」

「──駄目だ」

奈々「梶原 祐介……じゃないわね。誰?」

「【電撃銃】の白川 奈々。そして【狂気の爆炎】の浅野 剛也だな」

剛也「何だ? どうしたんだよ」


容姿は祐介に瓜二つだったが、全身に無数の傷跡がある。


「此度のお前達はどんな末路を辿るか、見せてもらおう」


400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/30(土) 00:16:01.92 ID:ph/G6PUS0
剛也はマッドメディックの目薬効果で目の治りが早くなってたりしないかな?
401 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/06/30(土) 00:28:45.76 ID:YVFZ/rOYO
まずはじめに仲間を失った。取り戻そうとした。
次に異能を失った。構わなかった。
最後に己を失った。……。


「前回の俺は、俺を見てこう言ったな」

「──梶原 祐介の末路と」

「故にこの異能もまた【末路〈テイカー〉】」
402 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/07/01(日) 23:02:26.80 ID:62zC2Sq6O
再び屋上。カルマの【身業】は戻されていた。


風子「【キャンセラー】!!」

カルマ「ならば」


回し蹴りで牽制する構えを見せたカルマの間合いに入った凶は、あえて真上に飛び上がった。


凶「【妖精姫〈フェアリープリンセス〉】。……え? きょうは携帯電話持ってないです」


死後の魂が干渉してくるのは珍しく、死して尚も情報の共有手段として端末からの生配信を要求するものなど他にいるだろうか。

そもそも【亡者共鳴】で異能のみを使役してしまえば、型落ちはするが、使い捨てのように発動させることができる。この場合と魂ごと共感を得て使役した時の威力とは段違いになる。


櫂「【炎真】」

奏「【雨の日の友達】、行けぇっ!!」


火炎と激流を一度に放出、その着弾点で混ざり合い爆発。
迷いなく己が異能を叩き込む。櫂は爆風から風子を庇い、奏はスライム状の【雨の日の友達】で身を守った。
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 00:18:43.86 ID:3ZKdDv8f0
凶ちゃんかわいい
404 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/07/04(水) 22:21:41.05 ID:0Gdry7AkO
櫂「やったか……?」

奏「なんでそんな事言うのかなー。倒せてない感出ちゃうのわからないかなー」

風子「瀬型君……」

櫂「ごめん」


カルマは足場を腐食させ、櫂達の攻撃から逃れていた。


凶「外れたようです。追うのです」

奏「異能を戻せるってバレたから、こっちも気をつけていかないとね」


一同は塔内部へ。
405 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/07/23(月) 19:44:38.97 ID:rfEkfl7hO
エタりました
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/23(月) 20:03:23.35 ID:6znrDprw0
そーなのかー
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/23(月) 20:36:19.87 ID:M4UsouBeO
悲しいなぁ
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/23(月) 23:07:34.69 ID:ODg193Jz0
続き見たかったのに悲しい……
409 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/07/24(火) 21:02:35.75 ID:9Wv8ny7qO
まだ続く予定でしたが、とりあえずこの異能戦が終わるところまでは書かせていただきます

すみません
410 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/07/24(火) 21:15:48.79 ID:9Wv8ny7qO
逆巻「オレ達の異能も似てるよな!」

石の爪と鉄の刃が火花を散らした。

恵「何言ってるんだよ……!」

逆巻「その強気な性格は嫌いじゃねえぜ! できれば退いて欲しいところだ」

恵「それは無理だ! お前を倒して妹に会う!」

逆巻「妹……? あのピンクのことか?! たしかに容姿だけは似てるような」

恵の形相が一瞬変わる。あらゆるところで人が死ぬこの世界で大切なものの安否というのは元の世界のそれよりも重要なことなのだ。

恵「私の妹はどこにいる──」

逆巻「お、おい! 待てよ! あいつはオレの仲間だ。すぐ下にいる。無事だ」
411 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/07/24(火) 21:41:14.18 ID:9Wv8ny7qO
まるでタイミングを見計らったかのように祐介やいろは達が逆巻のいる階層に到着した。

いろは「嘘……。お姉ちゃん?!」

恵「いろは!!」

その交戦の雰囲気から祐介は身構えるが、反応の許容を超える速度で恵が接近していた。
その背後から逆巻。

逆巻「ほらな、無事だって言ってんだろ」

恵「うぅ……」

途端に顔を赤らめる。そして一言だけ、先程まで刃を交えた相手を指差して

恵「……私この人のこと」

いろは「……?」

恵「好きかも」

驚愕する祐介といろはを尻目に逆巻はひどく悲しい顔をしていた。
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 21:52:49.10 ID:9Wv8ny7qO
勢いに任せて打ち明けた恵だったが、その後はいろはにべったりついていた。
上層階へと続く階段から一行の元にナイフが飛んできたが、恵の異能による大楯で防ぎきる。

彩「ぼーっとしてる場合じゃなかった!」

真也「ィィィ──」

とても人とは思えぬ顔つきに成り果てた真也は言葉にならない掠れた歓喜の声を上げた。

逆巻「下がってろ。お前ら消耗してるだろうからな。オレがいく」

逆巻「【神の寵愛〈レンタル〉】」


指定安価は>>413
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/24(火) 21:58:37.13 ID:ayXUOoyB0
【悪食手〈ジャンクイーター〉】
手の周囲にある無機物をえぐり体内に取り込み再構築し再構築した物体を手の表面付近から吐き出せる
小さく分割してショットガン、ガトリングガンのように吐き出すこともできる
いくらでも体内に取り込むことができ、取り込んだ分だけ体重が増加する
414 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/07/25(水) 22:47:07.61 ID:I0CABmc5O
いざという時の準備は整っている。投擲術を使うと知っている祐介は尚更のことである。

真也「ゥェェ──」

逆巻「弾丸防ぐなんてな。大した奴だぜ」

真也の両手には小型の超振動刀が握られていた。その一振りは【悪食手】を弾くことができる。
次々と手に出現する刀を投げナイフの要領で飛ばす。

彩「逆巻さん! なんで撃たないの?!」

恵「ッ……!」

いろは「嫌……」

逆巻は防御の姿勢もとらずに座り込む。刀を掠めた肩や太もも、腹からは血が吹き出す。
トドメと言わんばかりに真也が飛びかかる。首をはねる姿勢をとった。

逆巻「動けないんじゃない。動かねぇだけだ」

真也「──殺ス」

殺戮の狂気を愛した者へ両手をふりかざす。

逆巻「負けそうじゃなくて、ここから逆転するんだよッ!!」

悪には罰を。その者は剣山、身体を貫く針の群れ。
逆巻の掌からは無数の針が吐き出されていた。

逆巻「なにも出せるのは弾だけじゃねえんだよな。オレの勝ちだ」
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/25(水) 23:18:15.65 ID:I0CABmc5O
「よう」

それはどこからともなく現れた。まるで今までずっと有ったように。
祐介と彩、いろはが驚愕。恵はばつの悪そうな顔をする。逆巻は……。


逆巻「……やっとたどり着いた。オレの逆転劇はお前を倒して終わりだ」


ただ一人、敵意を燃やしていた。


恵「……私はただ、見届ける」

彩「どういうこと?」

祐介「何か知っているのか?」

逆巻「あれがラスボスだ。自ら出てくるとはな」

「イレギュラー。そしてお前達は力をつけすぎた。それは危険だ」


己が使命を全うするため。役割〈ロール〉は知らされていた。真髄を晒しだす絶好の機会。


逆巻「今こそ名乗らせてもらおう。逆瀬川 逆巻! この異能戦を、神と他の人類の窮地を覆す男だ!」

逆巻「最後の異能ッ!! 【神の威光〈セラフィム〉】」


翼が一対。燃え盛る炎は決意の情熱。

指定安価>>417を神威級まで強化
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/25(水) 23:21:52.37 ID:yinuHnEU0
【消滅させる者〈デリーター〉】
自分が消したいと思ったものを消滅させる
消滅させるのは一瞬。跡形もなく消える
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/26(木) 02:01:13.01 ID:M/srdo8a0
【Ω〈最後ノ手段〉】


あらゆる異能に対抗する為の疑似異能。

異能に満ちた空間にハッキングし、各システムの数値をランダムに書き換え、暴走させる。ハッキング完了までには時間かかるが、制圧しきった部分までならランダムに数値を書き換えできる



(本来は異能バトルに対抗するための手段だったが、ラスボスの手に渡ってしまう瀬戸際展開とか大好きです。)
418 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/07/26(木) 22:39:03.60 ID:IUjn27HRO
「何を言いだすかと思えば。それは自業自得……いや、身から出た錆だろうに」

いろは「祐介君……?」

祐介「あれは……。あれは俺じゃあない。安心してくれ」

彩「【神の寵愛】に【神の威光】。逆巻さん……」

逆巻「全てはこの時の為に。【Ω〈最後ノ手段〉】」


サーバアクセス──上書き開始。


「【異能殺し〈キャンセラー〉】」


不発。しかし口元には微笑。


「だろうな。これ程のイレギュラーともなると効く訳がない」

逆巻「……ッ。思った以上に情報量が多い!」

「面白い。時間をやろう。そこの2人を嬲り殺すまでだ」

祐介「来る、か……ッ!」


ひどく歪な鏡合わせを見ている、祐介はそう思った。対峙して殺意を向けられ始めて気がつく。


────怖い。


彩「祐介……?! 【使用窃盗〈フシアナクグリ〉】ッ! 」


指定安価は>>420
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/26(木) 22:41:18.71 ID:SxnQL2Nk0
【逆転するもの<ヒーロー>】
自分が不利なほど自分の強さがあがる
逆に自分が有利程弱くなる
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/26(木) 22:56:06.92 ID:08SrKUss0
【爆弾女体〈ダイナマイトボディ〉】
爆弾柄のビキニを着た巨乳美女に変身
自分の身体を自由に爆発させることができ、また5秒間触れ続けたものを爆弾に変えることもできる
爆発や熱によるダメージを受けない身体となるが反動で乳は揺れるため連続で爆発しすぎるとポロリする
421 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/07/26(木) 23:43:27.76 ID:IUjn27HRO
圧倒的な存在の前で一体どう抗えというのだろう。もはや逃れようのない末路。それはすぐ目の前だ。


祐介「……ッ」

いろは「回復だけは任せて!!」

彩「【爆弾女体〈ダイナマイトボディ〉】。うわっ、無慈悲にもシリコンが……? じゃなくて」

彩(ここはきっと私じゃなくて……)

彩「いろはさん。私はいいから、祐介お願いっ……!」


身体の末端部分に起こした小爆発で浮き上がる。異能の補正によって大きさが変わっても四肢が馴染む。


「いいだろう。少し戯れるとするか、彩」

「【戦神鉄槌〈ミョルニル〉】」
422 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/07/27(金) 23:14:15.96 ID:GcJpXjnQO
これまで沢山の異能を使ってきたからわかる。アレに触れてしまうと私は潰される。

これまで何度も致命傷を乗り越えてきたからわかる。アレは私を魂ごと潰す。

祐介が怯えている。幾度も私を救ってくれたあの祐介が、だ。
だからこそ私は戦う。

ああ、この爆発を見るとあいつの顔が頭に浮かぶ。……嫌だけど。

生きてるかな。
423 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/07/28(土) 22:57:12.71 ID:4KYn+0+yO
櫂達とカルマは再び対峙していた。【身業】による毒は目視が可能であり、カルマはそれを漂わせているために近づき難くなっていた。

カルマが場を屋内に移したのはその異能を最大限に発揮するための策といえる。相手が複数であり、遠距離攻撃が可能であっても無闇に攻めてこないとの確信を持てたのは経験と洞察力の高さからである。

事実、櫂も奏も警戒してすぐには手を出さなかった。
しばらくの沈黙の後、カルマが口を開いた。


カルマ「惜しい。それほど強力なれど愛されぬと言うのか」

奏「何を言っているのかサッパリだね」

櫂「こいつは善くないものだ。倒す」

風子「……うん」

凶「【亡者共鳴】。……【動物シール】」


四匹の闘牛。我先にとカルマへ突進した。


カルマ「度し難き。ならば、【口業〈ヴァーク〉】」
424 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/07/29(日) 00:32:10.79 ID:P0zIW+L7O
視界は澄んでいた。体調も良いはずだ。だが、身体も心も動かない。


いろは「祐介君……! ねえ、どうしたの?!」

恵「……」


今ここで飛び出さなければ……いや、前に出たとしても間に合わない。また、仲間を失う。


剛也「【狂気の爆炎】!! あひゃひゃひゃ!! 来たぜクソ共! 祭りの会場にな!」

奈々「はぁ。空気読めてるのか読めてないのかわからないわね」


救われた。簡単なことだった。


「……まだ歯向かうと言うのか。俺の詰めの甘さは悪い癖だ」

彩「うおお、ナイス! 死ぬかと思ったぁぁぁ!!」


彩はすぐに距離をとった。剛也は【戦神鉄槌】の一撃を爆破で防いでみせたのだ。


祐介「ふははははは……ははははは!!!」

いろは「っ……?!」

剛也「いいねえ、狂ってやがる」

祐介「ふぅ。それはお前だ。……負けたよ、皆には。それでも、俺個人としてあいつにだけは……自分自身にだけは負けられない」

「来るか? そこらの雑魚共を間引くのも一興だが、その前に相手をしてやらんでもないぞ?」

祐介「いろは、彩。もう大丈夫だ。俺が行く。……【全て救う信託の光】!!」

「所詮は借り物の理。すぐに綻びる」

祐介「それでも、お前と同じ道だけは辿らないッ!!」


二人の力が激突する。

指定安価は>>425->>426を混成
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/29(日) 00:39:08.65 ID:/qAcVjLA0
【無限再生<リバースサイクル>】
この能力が発動しているとどんなに破壊されようが消滅されようが魂を消されようが完全に正常の状態に戻す
自分にも他人も可能な実質、不死身になれる能力と言えよう
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/29(日) 03:31:23.35 ID:hV51r8Qe0
【産地直送<サンチチョクソウ>】
自分も対象も気違いになる
427 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/07/29(日) 14:22:09.30 ID:P0zIW+L7O
【無限再生】と【産地直送】が混ざり合う。


祐介「チッ……出力が低いか……!」

逆巻「……!」

祐介「逆巻! 時間を稼げばいいんだろう?」

逆巻「ああ、そうだ」

祐介「【無限狂賽〈エンドレス・サニティロール〉】」


それは狂乱、そして再生。不死身、不滅故の終わりなき崩壊。


「何を……した?」


初めて奴の顔が曇る。脳内に邪念が入り込む。振動が染み込み視界が揺らぐ。歪みが更に歪む。


祐介「根気比べしようぜって言ってんだよッ!」

「……!」

428 : ◆RamR0TT8ew [saga]:2018/07/31(火) 22:54:08.96 ID:mugh4nLPO
感覚的に表すとそれは何時間も何日も続く地獄であったが、現実の時間にして約3分。悲鳴を上げ始めたのは祐介でも末路でもなく、異能【全て救う信託の光】だった。


彩「光が消えていく……!」

「ふう。やはりお前は梶原 祐介だよ」

祐介「なぜだ……ッ! 何をしたッ?!」

「梶原 祐介の異能は何らかの条件を満たした場合に消失する」


それは紛れもなく事実だった。今回で三度目にあたる異能戦の梶原 祐介も例外ではない。
しかし、この時点で末路への一番の脅威となり得るのは逆巻ではなく祐介だった。というのも、これまで二度の経験から末路が確信していることがあったのだ。


「こうなった以上は速やかに消えろ。【幻想腕肢〈アナヴォイダブル〉】」


目視も回避も不可能な重圧が両側部からかかる。飛び出そうとした逆巻が寸前で止まる。いろはからの目配せで察することができたのだ。


いろは(大丈夫。ずっと治し続けるから……!)


【施命】を持ってしても祐介の身体に鈍い痛みは蓄積されていく。腕がメキメキと鳴り始めた。


祐介「まだだ! 何だっていい、力を貸してくれ……。【レンタル】ッ!!」


指定安価>>430を極小展開
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/31(火) 23:01:47.58 ID:s0WfTgrM0
【死弾<デス・バレット>】
小型で弾丸を装填することで、狙った相手に必ず弾丸が当たり相手を完全に死に至らせる魔の銃
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/01(水) 00:02:04.95 ID:79aj05dv0
【星勇者の聖剣〈エクスターカリバー〉】
引力により物体、概念問わずあらゆるものを自身に引き寄せ、断ち切る聖剣を装備する
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/09/01(土) 23:49:17.82 ID:Ykxy2cVl0
祐介「使わせてもらうぜ。……星の力は此処に成る。悪化の醜腕を引き寄せ断ち切らん」

「ったくよぉ、ベラベラと無駄なことばかり出てくるなぁおい」


しかし、その一振りは【幻想腕肢】をその概念ごと斬り伏せた。


「ここで足掻けばそれは悪手だろ。【戦神鉄槌】」


二人がこのまま競り合えば祐介は負ける。その場のほぼ全員が瞬時に判断できた。現在の【星勇者の聖剣】を持ってしても明らかに重要な何かが不足していた。それ故【戦神鉄槌】に敵うことはない。末路にその刃は届かない。

そこですぐに行動に移ったのは剛也だった。【狂気の爆炎】の標準を末路に合わせた。しかし、それでも止められないと思えた。祐介の聖剣にすら劣る。
見ているしかなかった。

奈々と彩もコンマ数秒後、思考が追いつく。


逆巻「間に合え……!【異能無効〈キャンセラー〉】」

「【逆理〈カウンター・キャンセラー〉】。それは罷り通らねえよ」
432 : ◆RamR0TT8ew [saga sage]:2018/12/17(月) 00:13:49.88 ID:++kcSQqG0
もう人少ないと思うので安価少なめにして更新していきます
よろしくおねがいします
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