これから日記を書く 8冊目

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85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 05:34:52.73 ID:nokPjl760
いやー、ガチガチにお疲れ様です。
86 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/07/10(火) 01:52:25.47 ID:dGlahWYA0
「言葉通り。レジスタンスは今、誰も信じようとはしていない」

「へぇ…。じゃあ、あんたらのことを知ってるあたしらは、邪魔ってわけかい?」

互いにやり取りは対照的だった。キャバリアは、明らかに言葉を選んでいて、千護は単刀直入に問う。彼女のそのストレートさが、アイビスを筆頭に3人の緊張を高めていく。その事は千護も百も承知している、自分とそしてロバートの目的である、ゾンビ化の解明がどうなるかの瀬戸際。

いざとなれば、ホルスターの中にある拳銃を抜く準備は出来ている。この世界に馴染んだ彼女に、ただ人だからという理由は引き金を引けない理由にならない。

「報告の内容によっては、そう判断される」

「はぁ。悪かったな、単刀直入に聞こう。あんたは、あたしらにとって敵か味方か。それだけだ」

ゆっくりとホルスターに手を伸ばす。まだ射殺する気はない、これは千護なりの意思表示だ。野良の犬などではなく、噛みころすことができる力を持つ一匹狼であるという表明。

だがそれを、キャバリアは見ることはない。相変わらず目を閉じたままだった。
87 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/07/10(火) 03:00:49.15 ID:dGlahWYA0
「キャバリアにとっては、敵ではない。もちろん、仲間でもない」

こういったやり取りは、千護にとって苛立ちを覚えさせるものだが、その事で集中力が切れるといったことはない。あと一歩、キャバリアが不用意なことを発言すれば、拳銃を抜き出すことに躊躇はなかった。

「……。キャバリアを殺すことに意味はない。殺せば、レジスタンスは間違いなく敵とみなす」

「それならそれで、仕方ないことだと、こっちは考えてる」

「そうか。けれど、それはレジスタンスへの報告が都合の悪いものだと思っているからか」

あぁ、と短い肯定に対し、キャバリアの返答はまた時間のかかるものだと、誰しもが思い、そして即座にそれはないと答え。

「キャバリアの指令は、ここの援護と君達の監査。問題があればそう報告する、そうでなければ、そう報告する。虚偽の報告をする気はない」

「そうかい」

とりあえずの一段落になる回答ではある。それでもまだ、油断ならない状況であることには変わりないとしても、すぐさま何か悪化する訳ではなさそうだ。千護はゆっくりと、ホルスターから手を離した。

「眠る、戦いが必要なら起こしてくれればいい」

そのまま、目が開けられることはなく、キャバリアは眠りについた。
88 : ◆e6bTV9S.2E [saga sage]:2018/07/10(火) 03:02:51.47 ID:dGlahWYA0
>>85
もうちょっと休みたいでござる
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/10(火) 13:54:20.92 ID:bH58Fts5O
更新乙なの
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/12(木) 11:20:24.56 ID:WOFZS59H0
乙!
とりあえず、物事を性急に進ませようとする人でなくて良かったな
91 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/07/12(木) 18:50:25.00 ID:hWomIivW0
回収組からの連絡を受け、探索組はその場所へ急行していた。内容は養鶏場に関わる資材の発見。拠点の新たな食料供給の為に必要と考えられていたもの。

「(…やっぱ、放浪者さんってとこか?)」

井門は口に出さずそう思う。他のメンバーは移動中、無駄な会話はしないから意思疎通は取れないが、何人かは自分と同じ思いを抱いているはずとも、感じている。

そう感じるのもは、この状況について都合が良すぎること。回収組、平山からの報告は誰も疑っている訳ではない、だからこそ、やはり放浪者と結論するしかない。すでに何度かの奇跡を起こす彼の強運も、誰も疑えないのだから。

他の勢力でこんな都合良いことはあるのかと、考えてみて、少しして井門はそれを放棄した。正直なところ、略奪に身を堕とさざる得なかった頃でも、ここまで都合良いことはない。だから、これは例外的なことだ。

何者かに放浪者が愛されている。起きたこと、もちろんまだその眼で確認していない情報をうのみするのは危険、そう常に判断する井門でさえ、それに疑いがもたげようもなかった。
92 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/07/12(木) 19:17:36.16 ID:hWomIivW0
回収組が今活動している大通りエリア、そこの高速道路へ繋がる大型道路の通りに、報告のあったトラックはあった。トラックは恐らく移動中に惨劇に巻き込まれ、何かの理由でコントロールを失って、最終的に建物に衝突したように、井門には見えた。

お疲れ様ですと、冷静な声と共に平山が探索組を案内する。向かう先にはフェイがいつも通り、元気いっぱい両手を振ってこっちだと誘導していた。

「…しかし、なぜ資材があった?」

「中にあった書面を読む限り、鶏用の餌。及び、鶏を入れるケージの入れ替えの資材。これらを運搬中だったようです」

なるほどと、放浪者は納得する。疑うことに意味はないが、筋は通るなと、井門も周囲を警戒しながら、いろいろと納得した。

回収組が支援を要請することもあり、資材は量が多い。メインが餌で、ケージはそこそこと言ったぐらいか。それでも養鶏場の開発が大幅に進んだことには変わりない。

「うふふ、後は鶏を見つけるだけス!」

「見つかるといいねー」

フェイのやる気になっている姿を見て、一ノ瀬はにこやかに返す。だが、フェイの言うようにそれを入れる為のものは、まだ見つけられていない。そして、拠点のどの場所にそれを用意するかの検討も必要だ。

放浪者も、ありがたい発見だが、まだまだ頭を悩まさなければいけないことは続きそうだと思うのだった。
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/12(木) 20:00:59.13 ID:Ra29ZWXa0
でも餌も無限じゃないからな〜、例え鶏を見付けられたとしても、餌を使い切るまでに、新たに作れる様にしておく必要が……
あ、でも、そこを描写しなきゃいけなくなるまでに大形駅エリアを制圧させれば済む話か
94 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/07/12(木) 21:55:52.67 ID:hWomIivW0
六百二十五日目

大型駅エリアバリケード外の探索は、本日をもって終了した。合わせて、回収組が発見したもので養鶏場の資材、鶏の飼料を回収出来た。これで、畜産についてはまた目処がついてきている訳だが、今度はどこにそれを用意するかだな。

基本的にそういったものは街中にあるものではないが、惨劇後の今は管理などの問題を考えればバリケード内にするしかない。とはいえ、発電施設を敷設するエリアのような空き地は今のところない。それこそ、建っている戸建てを解体すればいいかもしれないが、それができる人材、道具、機材がない。それにそうすると騒音も起きるからな。

まぁ、優先されるのはあくまで発電施設だ。それが終わった後にやることが運よく早まったと考えるだけで今いいだろう。

あるいは、研究所で養鶏もやってもらった方が早いかもしれないな。あちらもあちらで忙しいのはわかっているが、こちらよりは敷設もしやすいだろう。検討してもいいかもしれない。

何にしても、バリケード外の任務は終わった。次は発電施設の為のソーラーパネル等の回収任務。気を引き締めていこう。
95 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/07/12(木) 22:42:24.61 ID:hWomIivW0
一ノ瀬DIARY May.8

今日で、大型駅エリアのバリケード外の任務は終わったよ。これで大型駅エリアの半分は終わったことになるのかな。でもまだまだ発電施設とかの任務があるみたいだから、まだまだゆっくりには程遠いかな。

都市の任務が終わったら、のんびり鶏さんとか畑の世話をしたりして過ごしたいな。あとは門日さんに医者としての技術と知識も教えて貰わないと。

それができるのは、まだ先かな。折角養鶏場のものとか見つかったけど、手が付けられる状況じゃないもんね。

でも、フェイちゃんも卵でデザートも作りたいって言ってたから、早く鶏さんがみつかるといいなぁ。
96 : ◆e6bTV9S.2E [saga sage]:2018/07/13(金) 03:24:25.09 ID:k00/8QJq0
>>89
ありなの

>>90
まぁ、判定結果というところではあるけどね。

>>93
もちろんそういう部分は出てくるね。そもそも鶏さんのお迎えしなければまだ不要な心配だけれど。



しかし、ようやっと時間採れたけど、日にち開いた分やっぱり速度落ちてるねぇ。精進せねば。
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/13(金) 16:14:55.94 ID:FE6Tpoe/0
見付かるとして、ヒヨコだとヤバいな。死にやすい
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/14(土) 01:21:30.97 ID:/GIi9m5j0
おつ〜
見付けた鶏がゼルダシリーズのコッコみたいだったら最強なのになー
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/14(土) 01:33:12.18 ID:IfNo5LkK0
惨劇初期なら鶏解体で一悶着ありそうだったけど、現状ならするっと首コキしてモツ抜きするんだろうな
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/14(土) 18:44:57.57 ID:YigsmFiG0
そしてヒヨコはオスだとカラーに……
101 :無線機の前に日誌がある  ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/07/17(火) 18:35:09.00 ID:q/40Fchb0
5/8 担当喜読 朝

大雨ではありませんが、今日も引き続き曇り模様のようです。

穏やかなものですね。


担当門日 昼

放浪者さんはそう思ってないみたいだけどね。

やるべきことはまだ山積みとはいっているけれど、もう少し休んでもいいんじゃないかね。


担当平山 夜

養鶏場の資材と資料を回収することが出来ました。

当初予定はなかったことではありましたが、これで拠点も大きく進展するでしょう。
102 :ブレイクタイム  ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/07/17(火) 18:48:46.83 ID:q/40Fchb0
【必然か、運命か、幸運か】
「ふん、養鶏場の準備も大まかに整ったらしいな」

「うん。そうみたいだね」

「……。自分はここで古い、これが普通か?」

「うーん。僕らとしてはそうだけどね」

「ふん…。こんな幸運が、自分の勢力でもあればな」

「あぁ、うん。佐田さんはそうだったね」

「世話にならなかった訳じゃない。気にもなる」

「…。冬は来られたといいね。うん」

「超えられた可能性は低い。別の場所に移動したなら、別だろうがな。何にしても、どうなろうとそれが運命という奴だ」」

「………」

「それとも必然か。まぁいい、今は目の前にやれることを優先するだけだ」

「うん、そうだね」
103 : ◆e6bTV9S.2E [saga sage]:2018/07/17(火) 18:51:29.29 ID:q/40Fchb0
>>97
生まれたばかっりはそうだろうねぇ

>>98
ラスボスよりつよい

>>99
まぁ、少しはあるだろうけど初期よりは抵抗ないだろうね。

>>100
あれってスプレー欠けて速攻で温風かけて定着させるみたいね。
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/18(水) 17:52:55.34 ID:DRuYx0LG0
乙!
>>1000の願いは彼らやストーリーにとって改造チートみたいなもんだからね。そりゃ必然的幸運にもなりますよね
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/21(土) 18:48:21.96 ID:U6p/OeY50
卵の時に色素を注入する方法もあるみたいだね。こっちの方が、孵った後のストレスは少なめらしい
106 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/07/22(日) 17:14:14.47 ID:f1KSze4g0
放浪者は研究所に訪れていた。大型駅エリアにおける任務は半分終了し、再開までに行う任務についての説明。及び、研究所に送られてくる情報を精査する為だ。

会議室にいるのはいつものメンバー、野木、アリス、エクス。野木はいつも通りぶっきらぼうで、アリスは妙に目を光らせている。エクスはいつも通りのはずなのだが、どこかズレを放浪者は感じらせた。言葉にできない程度の違和感は、指摘するに至れない。

「君がここに来てから1年半以上経ち、まさか本当に都市解放を目前に出来るとはな」

「…与えられたことをこなしたまでだ」

当たり前と放たれたその言葉を、他のメンバーは当然、そうとは受け止められるものではない。惨劇後の状況で、1年以上という歳月がかかったとして、ここまでの段階まで持ってこれる勢力を、研究(じぶんたち)を含めて想像できないからだ。

あえて挙げるなら、出来るとすれば、WWPや把握しきれていないレジスタンスぐらいなものかもしれない。だが、今のこの時点で復興に関する情報がないなら、そのどちらもまともな理由で動いていない。そう考えられた。
107 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/07/22(日) 17:15:01.99 ID:f1KSze4g0
放浪者は研究所に訪れていた。大型駅エリアにおける任務は半分終了し、再開までに行う任務についての説明。及び、研究所に送られてくる情報を精査する為だ。

会議室にいるのはいつものメンバー、野木、アリス、エクス。野木はいつも通りぶっきらぼうで、アリスは妙に目を光らせている。エクスはいつも通りのはずなのだが、どこかズレを放浪者は感じらせた。言葉にできない程度の違和感は、指摘するに至れない。

「君がここに来てから1年半以上経ち、まさか本当に都市解放を目前に出来るとはな」

「…与えられたことをこなしたまでだ」

当たり前と放たれたその言葉を、他のメンバーは当然、そうとは受け止められるものではない。惨劇後の状況で、1年以上という歳月がかかったとして、ここまでの段階まで持ってこれる勢力を、研究(じぶんたち)を含めて想像できないからだ。

あえて挙げるなら、出来るとすれば、WWPや把握しきれていないレジスタンスぐらいなものかもしれない。だが、今のこの時点で復興に関する情報がないなら、そのどちらもまともな理由で動いていない。そう考えられた。
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/22(日) 17:20:02.11 ID:jOgaLbkM0
二重投稿?これ日では珍しい事が起こったな
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/22(日) 17:32:42.51 ID:TCwfSNoI0
「…与えられたことをこなしたまでだ」
クールの極み!
110 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/07/22(日) 17:41:44.96 ID:f1KSze4g0
「新興都市にいる千護についてだけどよ、こういう連絡が来てる」

エクスが差し出した書面を、放浪者は受け取る。中に書かれていたのは、彼女が知る限りのレジスタンスに関する情報と、新しく接触しているキャバリアの大まかな情報。そして。

「…今後、連絡は控えるように、か」

「本格的にレジスタンスと接触しなきゃいけねぇが、そのレジスタンスが排他的みてぇだな。野良の2人って装ってた方が、安全って判断じゃねぇかな」

こちらも動き出している状態だが、新興都市もまたレジスタンス接触という、新たな局面を迎えている。2人がいる場所としては、援護に向かえなくもない。ただ、それはかなり限定的なことになる上、到着後の戻りが保証できるものではない。

結局、それぞれがそれぞれで頑張るしかない。レジスタンスの状況があまり良くないことは懸念材料だが、うまくいくことを祈るしかないだろう。その目的は、拠点にとっても重要なことに違いないのだから。
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/22(日) 18:02:19.20 ID:uDdJMUCM0
(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。) ウンウン重要重要
112 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/07/22(日) 18:13:07.06 ID:f1KSze4g0
会議が終わり、用意された自室に戻ることなく、放浪者はアリスの研究室に訪れていた。彼の予想通り、あの目の輝きは新たなファントムシリーズが出来たことによるものだったようだ。

「ふっふっふっフ。今回はファントムジャベリンの発展形だヨ。名称はジャベリンウィング、杭が1発ずつの装填になっちゃったけど、その代わり展開して大きく出来る盾をつけたノ」

「…なるほど」

基本的な原型はファントムジャベリンと違いはない。あるのは、2発目の杭が入っていた部分が無くなり、そこが駆動する盾の部分に置き換わっている。展開してみると左右へ、扇状に盾部分が開く、名称通り翼(ウィング)のように見える。

杭が1つ減った分、重量も従来より軽くなっている。強力な攻撃が1発分なくなることにはなるが、安全性、機動力は高まったと言える。

普段の武装は新しいバージョンで使い、攻撃が求められる場合は元々のファントムジャベリンを使う、そういう切り替えが可能になった。
113 : ◆e6bTV9S.2E [saga sage]:2018/07/22(日) 18:18:10.07 ID:f1KSze4g0
>>104
まぁ、データ書き換えみたいなものだからねぇ

>>105
なるへそ。まぁ、どっちもどっちだけれど・・・。

>>108
なんかエラったと思ったら投稿されたのよねぇ

>>109
いつも通りでもあるという恐ろしさ

>>111
重要で、もしこの世界で解決したら、残る人は大体超人と人外になってまうんかねぇ



もう少しで予定があるので、いったんここまで。
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/22(日) 23:10:25.73 ID:uaiSNrrV0
いやー、ほんにお疲れさん
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/23(月) 14:41:30.87 ID:4bHvm6lZ0
乙!
新装備良いね!どんどん作ってくれるとワクワク
選びどころを考えなくちゃいけないのはちょっと大変かもだけど
あ、でも、もしかするとそろそろ素材が不足気味だったりするのか?
116 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/07/24(火) 17:57:10.11 ID:Jtxaceav0
「そうそウ、杭まではいかないけど、威力のある武器も作ってみたよ」

その言葉の後にアリスが取り出したのは、小さな斧だった。ハチェットと呼ばれるものをベースにしており、ウェーブソードの技術を応用し、その斧にも高周波の振動により切れ味も向上している。

放浪者の剣技は、我流であるものの他の追随を許さないものに昇華されている。だからこそ、通常、ウェーブソードであったとしても切り払うのが難しい、硬質な物質を2つにわけることができる。しかしそれは、極度の集中力を要求され、繰り返し容易く行えるものではない。

その意味では、斧の持つ役割である叩き切る、それの役割をそれぞれに補佐できる補助武器になるのは確かだった。

「…考えていたより軽いな」

「ふっふっフ、投擲での使用することも考えたからネ。高周波装置があるから、重心のバランスだけ重視して軽量化してるヨ」

補助道具である以上、それはもっともだ。それでなくても放浪者はファントムシリーズで全身を固めている。重量がさらに増えるのは、彼の持ち味を損なわせかねない。

名称は、ファントム・スローアックス。新たに放浪者に追加された武器だ。
117 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/07/24(火) 18:13:39.65 ID:Jtxaceav0
六百二十六日目

大型駅エリアのバリケード外の任務を終え、研究所にその旨の報告と今後の拠点の活動を伝えた。養鶏場の準備が、鶏以外整ったとはいえ、それはあくまで後々の予定。このまま明日以降商業区北西エリアへ探索に向かい、発電施設の為に必要な物資収集の任務に当たる。

探索組だけで向かっても意味がないため、警備組から施設開発に従事している佐田さん、蒲谷さん。合わせて電子技師の浜村さんに同行してもらう。この三名が回収作業中のカバーを探索組で行う形だ。

3人が抜けることで起きる警備組の負担については、探索組から一時、藍と林道さんの二名が代行することにした。この方が、林道さんの授業や修行もしやすくなる考慮だ。

当初は回収組に代行を依頼するつもりだったが、商業区はここのところ、保守点検が行えていなかったエリアだ。戦いに不慣れな2人を抱えることや、道中何かしらのトラブルが発生する可能性を考慮すると、道中の確認をしてもらう人員も必要と判断し、回収組にその任務を依頼。承諾してもらっている。

ただ、今時点ですぐに北西エリアに向かう予定はない。探索組でも予定の移動経路の偵察と確保をしてからの予定になる。それが終わり次第、予定の人員を組んで北西エリアに向かう流れとなる。
118 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/07/24(火) 18:30:23.54 ID:Jtxaceav0
8月9日

大型駅エリアのバリケード外の任務は終わり、探索組と回収組は休日として拠点で過ごすことになった。相変わらず放浪者はそのまま真っ直ぐ研究所へと向かい、報告等を終わらせて戻ってきていた。

簡単な今後の指針については全体に周知があり、元々言っていた発電施設のための物資回収に任務はシフト。ただし、その該当物資を確認している商業区北西エリアへは、戦いが不慣れなメンバーを同行することを考え、安全性を確保してから向かうことになっている。

妥当な判断だろう。確かに、身近に迫った脅威はないが、油断はできない。それでなくてもパラノイアのことも含めて、商業区は大まかな確保をした後は、回収組も含めて保守点検を行えていない。何が起きているかわからないエリアと言ってもいい。

念を入れ、研究所のサポートセンターに異常はないかの、チェックの依頼はしているとのことだ。何もない事を祈ろう。

また、放浪者のファントムシリーズについて、新たな換装のものと新規の武器が開発されていた。本来ここまでの優遇があれば、不満もあるだろうが、そこまでの功労者に不満をいう者はいない。私も贔屓目無しに、それが妥当と判断できる。

まだ実際に使っていないこともあり、放浪者自身は未知数と答えている。換装のものはいいとしても、斧は今まで彼が使ってこなかった武器。慣れるまでの時間はかかるのは確かだ。


山中沙奈 記す
119 :無線機の前に日誌がある  ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/07/24(火) 18:44:43.01 ID:Jtxaceav0
5/9 担当蒲谷 朝

また放浪者君出掛けちゃったね。あの体力はどこから出てくるんだろう。

この間、山中君が無理やり休ませたぐらいだから、また何か考えなきゃダメかな。


担当勝 昼

あいつ人の話聞かないから無理だと思う。

そのたびに山ねぇすごく怒って怖いんだけどな。


担当フェイ 夜

山中さんまたリーダー怒ってたね。皆が休めっていうのに休まないから仕方ないね。(人が叱られてる絵)

でも、いろいろ武器とかもらってたみたい。その為に行ったのかな? (武器の絵)
120 :ブレイクタイム  ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/07/24(火) 18:51:30.02 ID:Jtxaceav0
【彼なりの休日】
「………」キィッ

「おう、佐田以外が来るのは久しぶりだな」キュッキュッ

「…よく来るらしいな」ストッ

「節度は守るがあれは酒好きだな」

「…いつもの」

「おうよ」

「…………」

「…………」トクトクトク

「…こっちはどうだ?」

「あの化け物の1件以来落ち着いたもんだ」コトッ

「…そうか」スッ

「そろそろ腰は落ち着けるのか?」

「…今はまだ下準備が完了間際に来ただけだ」コクッ

「やれやれ、無茶は本当に適度に頼むぜ」

「…あぁ、考えておく」
121 : ◆e6bTV9S.2E [saga sage]:2018/07/24(火) 18:55:24.55 ID:Jtxaceav0
>>114
最近こっちは落ち着いたよ。まぁ、それでも更新スピード遅いけど。

>>115
物資は裏側の判定で拠点で収集したものを研究所に送ってるので、今のところまだ大丈夫です。
まぁ、書ききれなくて追加武装あったんだけども
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/27(金) 10:06:22.62 ID:9Kz1oD3x0
手投げ斧……これでまた、意図せず武装の悪魔城率が上がったなぁw
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/27(金) 11:42:11.69 ID:5+K22j0g0
そういえば、研究所にはバーのお酒を届けたりしてるのかな?
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/27(金) 16:53:41.13 ID:1G/9T6US0
休日(なお、肝臓は休めないもよう)
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/28(土) 03:00:56.88 ID:ncJfkumF0
はたらくゾンビ細胞
どうなってるんだろうね?変異要因の謎物質も本当に謎だし
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/28(土) 08:30:56.62 ID:c12srDsN0
テロメア異常とかストッパーがぶっ壊れてる系なんじゃない
127 :ブレイクタイムでもなく本編に関わりは多分ないと思う幕間  ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/07/29(日) 20:05:39.59 ID:jH5E94240
『はっちゃけファントムシリーズ。多分、本編でなることはないです』

何かが飛んでいた。鳥ではなく、ましてや飛行機でもない、それはまさしく、人だった。人が単体で空を飛んでいる、非常識な状況。誰しもが目を疑う光景だろう。だが、それに対峙する軍隊は一切の油断もなかった。

「8時方向より、ファントム確認!」

「今日こそ撃墜するんだ!」

各々が戦闘準備を開始する。対空戦車の砲が動き出すと同時に、ファントムと呼ばれたそれは急上昇して、太陽を背にした。火砲が唸りを上げ、その火砲の陣の後ろ側から、戦闘ヘリも数機が次の攻撃の為に待機し始めた。

――だが、太陽の光に紛れたファントムを、わずかとはいえ全員どこにいるかの認識をロスとした。

前線にある戦闘車両の一台の砲が、崩れるように落ち、その間に発射された自身の弾でその部分は粉々になった。まだ、その以上に誰も反射できていない。次にその一台は左側面の車輪が全て2つに分かれて、ようやっと少しずつ周囲に異常が伝わり始めた。

落下までの猶予があったはずにも拘らず、ファントム(てき)がそこにいるという事実は、構えていたはずにも関わらず微弱な混乱として、伝播していく。

ファントムの主要な武器は、特殊な剣と斧。後は両腕に仕込まれている杭、攻撃は基本的に近接専用だが、拳銃なども所持している為、油断は出来ない。いや、油断はそれ以前の問題かもしれない。

剣が振るわれるたびに、戦闘車両群の部品が切り払われ、随行の兵士達もそれは同様だった。身に固める防具はあまりにも意味がない、ここまで見て負えない速度の相手に対して起きる、フレンドリーファイアを最小限にするのが、やっとだ。

あらためてみるファントムの装備は、フルフェイスのヘルメット、背中には長方形のパックパックの下に噴出孔をつけたような、それこそ白い小型エンジンを背負っているように見える。両腕には前腕までを覆う白い盾が装着され、その先端に射出出来る杭が少し飛び出している。上半身自体はただの革ジャンとTシャツを着ている様子。両足もブーツ上の機械的なものが太ももまで装着されていた。

対峙している軍隊は、これらの装備品を回収するに至れず、分析出来ているのはこれらの装備で人は単体で空を飛べ、気取られずに攻撃が出来る光学迷彩の一種。そう考えていた。だが、残念ながら、このファントムは光学迷彩などではなく、自力で空を飛び使用者の身体機能の補助を行うものに過ぎない。後者の分析は、着用者自身のスキルに他ならなかった。

瞬く間に地上の先陣部隊はなぎ倒されていくと、それに合わせたように戦闘ヘリが一斉に掃射を開始される。無残に切り払われた死体や戦闘車両ごと、銃弾と爆撃の嵐が清掃をするように地上へなだれ込む。そして、その清掃した地上へ、一機目の戦闘ヘリがメインのプロペラを失って降り立っていった。

『全員散開しろ! 奴はもうくうちゅ、があっ!!』

ヘリ部隊の隊長が何とか指示を出して、無残に落ちていく姿を近くにいたパイロットは見ていた。当たり前のように、ファントムが投げ放った斧が、強化ガラスを破りその隊長の身体に刺さる。ファントムはそれを確認することなくメインプロペラへ移動してその部分を切り離した。

散開を命じられたヘリ部隊だったが、ファントムの機動性は戦闘ヘリを大きく上回り、そうするまもなく飛ぶために必要な部分は本体から切り離されて落下していった。最後のヘリが爆音を上げた後、滞空しているファントムは左手をこめかみ部分に触れた。

「…残り部隊は撤退した。俺も帰還する」

180度振り返り、ファントムはどこかへと飛び去っていく。後に残ったのは、ただの正常の名残に群がるゾンビ達の群れだった。
128 : ◆e6bTV9S.2E [saga sage]:2018/07/29(日) 20:12:27.02 ID:jH5E94240
>>122
あとはクロスとかかねぇ

>>123
基本的にBARと研究所は直接関連はないのよね。
なので、必要と思われる物資は拠点経由で運ばれてきます

>>124
まぁ、深酒するタイプじゃないから多分大丈夫

>>125-126
一応決まってはいます。かなりぶっ飛んでますけども。
129 : ◆e6bTV9S.2E [saga sage]:2018/07/29(日) 20:17:49.56 ID:jH5E94240
いろいろ訂正

>>102
×「……。自分はここで古い、これが普通か?」
○「……。自分はここで古くない、これが普通か?」

×「…。冬は来られたといいね。うん」
○「…。冬は超えられたといいね。うん」

>>118
×8月9日
○5月9日

>>127
×後に残ったのは、ただの正常の名残に群がるゾンビ達の群れだった。
○後に残ったのは、ただの正常の戦場に群がるゾンビ達の群れだった。


今、商業区での内部判定作りに手間取ってるので、肩慣らしがてらの幕間です。
もうほぼ、放浪者型ガンダムみたいな状態。
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/29(日) 21:05:35.62 ID:MlZSkHmY0
”放浪者型”ガンダムとかいうパワーワードwww
面白乙w
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/29(日) 22:46:09.41 ID:xuinNT3N0
人間が背負う推進バックパックなぁ。古くはロケッティア、結構前にはストーム1氏
今パッと出てくるのはこれくらいかなぁ
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/30(月) 22:29:23.43 ID:VLpPjjmV0
いつかのシュワルツェネッガーもやってたっけな
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/01(水) 21:36:56.78 ID:/kg8fbT70
性能的にはストーム1より機動性が半端ないな
人間ネクスト(ACfa)だと思う
後はシールドアーマー着けて動力を放出出来たら完璧
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/02(木) 07:10:15.55 ID:TULd9tSX0
アルベルト氏(ガンハザ)も、上がるのは早めだけど、横移動は遅いしなぁ
135 :ブレイクタイムでもなく本編に関わりは多分ないと思う幕間  ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/08/06(月) 02:02:10.74 ID:KRsTJUiT0
『人工的超常現象発現能力』

「飛べないと?」

空中に逃げた放浪者は、眼前に迫る芸良の姿を見て――突撃した。彼女もそれを認識して一瞬目を開いてから、念動力(サイコキネシス)を発動させた瞬間、自身を浮かす力が、消えた。

驚愕と共に、地面に落下しながら気づく。そのからくりのものを、いともたやすく放浪者は破壊していた。恐らく、ビジョン経由で自分の力を知っていたから、いや、それでもこのシンプルな力だけに、そこまでの想定をする人間は。

「……ふん」

行動の枷になる思考を一時切り、そのからくりを再度使う為、手ごろな瓦礫を引き寄せて着地する。自身には影響はない、といった超能力に対する例外はあるものの、基本それ以外の外部には影響を与える。それがこの念動力。

――すでに影響を受けているものに、自身が触れることはそれに何ら関係はない。

浮かべた瓦礫に乗ってから反転し、放浪者に瓦礫の雨を降らせる。念動力で強化された気配の察知が、他に比べようもなく微弱なそれを掴み、回避されたことを認識する。

「(人間…?)」

芸良は少なくとも、自分達超能力を特別と考えていたことで、リーダーとして超能力者をまとめていた時に、人間とは別な存在であると説いてきた。それに影響を受けたメンバーも多く、それは良い事ではけしてなかったが、それでも超能力者として迫害された処世術なのも確かだった。

その彼女ですら、放浪者に対する評価はそれだった。そして彼にとって、いつも通りの反応でもある。

次に彼女が放り投げたのは、大小さまざまなナイフ。面を埋めるように、瞬く間に放浪者へと飛んでいく。受けきるにはそれはあまりに膨大で、先ほどと違い突き刺すという明確な死のダメージを想像させる。スパイダーウィップを使い、上空へと逃げるがナイフはそれに着いてくる。速度も上がり回避をするのは刻一刻と、難しくなってきた。

「……!」

あろうことか、放浪者はまた自分自身に突撃してくる。その背後には自分自身が巻いた大量の刃物。そしてそれは、自身がつけた加速によりもはや急速に止めるのも難しいのは、その超能力の効果で理解できる。

側にあった大きな瓦礫を浮かせ、盾とする。その向こう側で放浪者が瓦礫を蹴り、上へと飛ぶと、後を追っていた刃物が事故のように突き刺さるのを芸良は感じ。そして、歯噛みする。

特殊性は、それこそ超能力者の特権であるという考えが、彼女から柔軟な思考を失わせている。怒りのまま、感じられる放浪者がいるであろう方を向くと、電柱の上で彼は彼女を見下ろしていた。そこにあったのは、無機質な目。感情を伴わない眼差し。それと同じように気取れぬ存在感。

その感覚を忘れていたのは、いつからだったか。背筋をなぞる冷気、それを久しぶりに彼女は感じた。恐怖、それは確かに恐怖なのかもしれないが、正しく言うなら未知。

「(人…間…?)」

再び同じ問い。だが、そこに混ざるのは理解できないという未知がある。惨劇後における、彼女の経験は間違っても薄くない。敵の徹底排除を肯定し、好戦的である以上、他よりも濃いと言っていい。その上で、放浪者はそのどれにも当たらない、アンノウン。

ボソリと呟かれた、任務を続行する。その言葉さえも、今の彼女には理解が難しかった。
136 : ◆e6bTV9S.2E [saga sage]:2018/08/06(月) 02:11:54.35 ID:KRsTJUiT0
>>130
姿は見えるけど存在を認識しづらいってガンダムがあればよかったんだけどね

>>131 >>133-134
自分のイメージは、バーチャルコップっていう、古いがんシューの2面のボス。っていって何人わかるのやら。

ACとかになっちゃうと、もう放浪者っていうコアを使った何かになっちゃうね。

アルベルトさんも、弾かれることを除けば、FM最強やしねぇ

>>132
シュワちゃん出てるのある程度見てるけど、飛ぶところがあるのってなんだっけ・・・。
飛行機から飛び降りるのは何個かあった気がするけど・・・。


相変わらず暑さにうだっております。涼しくはなってきたけど、また猛暑とか勘弁。
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/06(月) 03:35:36.49 ID:eTJKOvWY0
乙!
空飛ぶシュワちゃんについては、映画:ジングル・オール・ザ・ウェイにて
ま、スタントマンかも知れないけどね
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/08/07(火) 00:07:47.64 ID:O4YH7++w0
そのホーミングナイフの凌ぎ方格好良いね。惚れ惚れするよ
しかし芸良さんと戦闘になるとすると、フェアリーを誘拐・洗脳でもしたと思われてるのか?
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/07(火) 13:22:21.88 ID:Aprp6G6OO
ifの話だから本編ではなさそうだけど人類と敵対してるとかじゃないか?それを自力でチートに達した放浪者が叩きにいったんだろう
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/12(日) 18:33:03.65 ID:MeNeBwgS0
ジングルといえば、その辺りの日付は>>1さんの……
141 :ブレイクタイムでもなく本編に関わりは多分ないと思う幕間  ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/08/22(水) 16:28:57.22 ID:aVuPWMDm0
『命の価値は』

「命に価値か。そもそも、お主の言う価値とはなんぞえ?」

「…。あってないもの、だな」

その言葉に、オリジンは少し驚いたような表情をしてから、嬉しそうに、それこそ大げさに頷いた。

「ほう。同じ意見じゃよ。お主、本当は私と同い年であろう?」

ないと、きっぱり言い切る放浪者に、オリジンは冗談のわからぬ奴と首を振る。表情自体は、悪だくみを含む笑みからして、それらの答えを悪くは取っていないようだ。

放浪者の価値に関する答え。それ自体を言える者は、恐らくは少ないだろう。そもそも、そんなことを問われることは命に関わる人間でなければ、その命を意識することもない。命を消費して、生き続けているにも関わらず、生き物(ひと)はいつしか、そうであることを当たり前だと思い込む。

今は死と隣り合わせの世界であるが故に、大なり小なり生存者達は命のことを意識はしているだろう。だが、結局安寧が戻れば、人々はいつしかその意識を忘れ去る。

「そうじゃな、価値とはあってないものじゃ。私が奪う命そのものに、何か違いはない。言うなら、私自身に優劣がある。それが価値の正体じゃ」

「…。俺の奪う命も、変わりはないということだな」

その通りと、今度は真顔でオリジンは答える。その答えを受けた放浪者は、相変わらず無表情のままだ。

「全てを守り切ること、全てを救いきること。伝聞でお主が今までやってきたことは、私にとっても奇跡じゃが…。今言ったことは、奇跡ですら到達できぬ領域じゃ。諦める必要などはないが…、そうであることを忘れんようにな」

「…肝に銘じておこう」

出来る次元が違う場所にいる人間だとしても、けして踏み込めない場所もある。確かに放浪者は、仲間を救い続けてきた。だが、そこにある結果は相対する敵を全て屠ってきたという事実がある。ならば、全ては救えてはいないのだ。

だからこそ、命の価値はと、自分に聞いてきたのだろう。オリジンはそう思い、邪魔をしたなと声をかけ、去っていく放浪者のおぼろげな後姿を見ながら思う。もう1つの答えを。

「……。だから同時に、価値とは相手に与えてもらうものなのじゃよ」

自分が決める自身の価値は、机上の空論。相手が決める自身の価値こそが、本物。そしてそれは、移りゆく季節のように、儚く変わり続ける。
142 : ◆e6bTV9S.2E [saga sage]:2018/08/22(水) 16:35:37.52 ID:aVuPWMDm0
>>137
ほほう、今度暇あったら見てみよう

>>138-139
ロックマンX+立体機動(だっけ?)張りの動きをする放浪者さんなので、これぐらいの動きは出来るかと

戦ってる理由は、まぁ、戦ったらどうなるかって深い意味はないよ

>>140
まだ先だと思ってるとあっというまにきちゃうねぇ。



さて、熱さもだいぶ収まってきてて、ちょっと余裕できたものの、まだ設定終わってない。筆が本気で進まないので相変わらずのリハビリです。
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/22(水) 18:03:09.16 ID:aFXYcZIT0
おっ、ご無沙汰で御座いますな!
蒸し器もかくやの日本で生きてて下さって何よりです!
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/08/24(金) 01:11:18.96 ID:ofy+SCym0
乙!
オリジンさん、助けてもらえたんだな。でも同行はしないのね
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/09/02(日) 07:28:34.58 ID:hQMjH/u70
乙!
流石に夜は寝苦しくなくなってきたか?
今来てる台風が明けても、まだ暑いかが問題かね
146 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/09/03(月) 02:08:08.54 ID:tLp1LC0J0
「…これからの任務について説明する」

大型駅エリアのバリケード外の任務が終了し、新たに開始される発電施設を敷設する為、その必要物資収集に向けた任務が本日より開始される。

この任務だが、正式な意味で拠点にある各組、探索組、回収組、警備組からメンバーが選出され、合同で行う任務となっている。放浪者としては、全メンバーを一カ所にまとめて説明したかったが、その人数を収容した上でゆったりと話し合いができるような場所は、拠点にはない。

その結果として、各組の代表者のみでの会議ということになった。メンバーは探索組より放浪者、回収組より平山、警備組より浜村が出ている。

「…基本的に今回の任務はフェイズが二つに分かれる。目標物資が確認されている商業区北西エリア、その道中の確保。それが完了次第、順次該当物資を収集。この二つだ」

最初の段階になる道中の確保のメインは、当然探索組が行うが、それに平行する形で周辺の状況確認や直接その道中には関係ないバリケードの点検は、回収組が行う。規模から考えると、回収組の人員では賄えないが、警備組からは佐田、探索組からは――。

「佐原殿を、ですか」

一度確保した部分を中心に通るとはいえ、しばらくは目が通っていなかったところ、何が起きても不思議ではない。今回は共同任務で比較的組同士が近くにいるとはいえ、瞬間的な戦闘力を持ちメンバーがいるといないとでは、事態が大幅に変わるのは言うまでもない。
147 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/09/03(月) 02:32:56.62 ID:tLp1LC0J0
「それで、任務はいつ目処に終わる訳? あんまり長いとどこにも負担出るわよ」

放浪者も長い期間を設ける予定はないと、そこは説明した。バリケード内の状況は、相変わらず余裕があるとは言えない、封鎖を完了したとはいえ、オーガのような上位種には有効だとは言えないだろう。破壊されて流出してしまう可能性も十分にある。

その意味では未定の期限付きの任務には変わりなかった。素早い行動が求められるものでもある。もちろん、安全性を無視するなら、物資回収に必要な浜村、佐田の2人を連れて今から目的地にいけばいい。だが、1%でも2人を失い、開発が止まる可能性を下げられるならそれはすべき事と、放浪者は考えている。

「…後は各自のメンバーに説明を頼む。それぞれがそれぞれの状況を把握していることが、今回の任務の成功率も上げる、やり取りは密に行うように」

各組への代表への説明を終わり、2人は室内から応接室から去っていった。発電施設、現代の文明に不可欠な電気の確保は、文明復活の観点から避けては通れないことだ。

ようやっとそういうことでの活動を開始できることに、放浪者はほんのわずかにだけ、胸をなで下ろした。
148 : ◆e6bTV9S.2E [saga sage]:2018/09/03(月) 02:37:53.78 ID:tLp1LC0J0
>>143
渦巻きが殴り込みばかりかける歳の日本やね・・・。

>>144
どうなんだろ。こればっかりはあくまでノリがすべての幕間だから。

>>145
まあ、過ごしやすくは間違いなくなったかな。


体調崩したり、いろいろあったり、思うところはありますが、とりあえず新たな任務のアナウンスということで、
少しだけ再開です。
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/09/03(月) 14:36:36.40 ID:8EDAoM+X0
乙!
今回は簡易ミーティングのみ、と
さぁ、ここからがまた大変になるな
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/16(火) 19:07:59.02 ID:B0sMBnRSo
復活してるっぽい
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/16(火) 20:10:01.06 ID:bMxI1nbt0
どれだけ書き溜めてもらえてるのかなー?
152 : ◆e6bTV9S.2E [sage saga]:2018/10/25(木) 02:47:10.73 ID:N/UpWkBT0
>>149
任務自体は大型駅エリアのバリケード外の任務に比べると、危険性自体はだいぶ減るかな。
突発的なトラブルは内包してるけれど

>>150
したねぇ

>>151
ほぼ出来てません。


さて、書きだそうしたら長期間サーバー落ちになり、その後某所への移動を考えて、
レイアウトとか考えたら復活してほとんど書き溜めはねーです。アナウンスでもあればね。労力をかえせい。

ではまぁ、引き続きこちらでやってきますのでよしなに。早めに交信できるといいな。
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/25(木) 23:42:37.73 ID:YDj/Rl6XO
待ってるよ!
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/26(金) 04:35:11.85 ID:W1CKpEPB0
おおー、戻って来られた!
ありがたや、ありがたや
155 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/10/30(火) 14:31:53.27 ID:j/FLgE2c0
六百二十七日目

発電施設の敷設の為、必要物資を収集する任務を開始した。この任務は二つの段階に分かれる。最初の段階は必要物資を確認している商業区北西エリアへの、経路の確保。その後、必要物資の搬入という流れだ。

経路確保の目的は二つある、非戦闘員が今回の任務に加わる。その安全の確保と、物資搬入路の確保だ。惨劇後の世界では物資を安全に運べる交通網は整備されていないからな。

任務自体は問題なく進んでいる。探索組でバリケードに使える物資と、回収組でも経路確保と一緒に幾らかの物資を手に入れることができたと報告が来ている。このまま順調に進めばいいのだがな。

以前、北西エリアにあるショッピングモールまで行く為、経路を一度確保していたものの、偵察をする限り別に倒壊した建物などもあり、再構築が必要になっている。合わせて、今回は大き目の物資の搬入をすることを考えると、その車両用が通れる比較的大きな道の確保も必要になってくる。

商業区全体はある程度活動できるよう、ゾンビを処理した場所だが全て制圧した訳ではない。油断すると予期しない変異体の襲撃を喰らう可能性も十分ある。気を引き締めなければな。
156 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/10/30(火) 16:51:47.68 ID:j/FLgE2c0
レポートNO.160

井門圭司


新たな任務の開始だな。今以上により安定した電気を確保するのが、目的になる。これでより電気が必要な設備を増やせる訳だから、安全にも使えるし娯楽にも使えるってとこか。

監視カメラと、後ロックとサーチみたいな防衛装置に回せる電力はまだ欲しいからな。門日の先生も言ってたが、治療に使う設備は結構電気使うみたいだし、そう考えると余計な事にはまだまだ使えないかもな。

とりあえず初日の任務は特に問題なし。通る道を確保して、ゾンビを処理するってだけだから危険性は高くはねぇ。ま、そんな考えてたら放浪者さんが怒るだろうけどな。

大型駅エリアにいた上位種が、商業区エリア内にいる可能性もある。気をつけねぇとな。
157 :無線機の前に日誌がある  ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/10/30(火) 17:19:29.28 ID:j/FLgE2c0
5/10 担当門日 朝

今日から新しい任務のようだね。

電気は医療機器にも使うから、これが達成されることを祈るよ。


担当三間 昼

予定では監視カメラとかにも使うみたいですね。

ロックとサーチが多少見分けてくれてるけど、人の目も必要だからなぁ。

多くなったら大変そうだ


担当平山 夜

今のところ新しい任務は滞りなく進んでいます。

これからの拠点に関わる任務でもあるので、引き続き緊張感をもって遂行したいと思います。
158 :ブレイクタイム  ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/10/30(火) 20:08:29.09 ID:j/FLgE2c0
【始動する『始まり』】
「ようやっと、拠点の為の任務が始まったって感じね」

「うんうん、これから忙しくなるのかな」

「放浪者が探索組をどうするかによるんじゃない? 遠征するとか普通に考えてそうだし」

「浜村君もそう思うかい。うん」

「そりゃそうよ。落ち着いている印象なんてないもの」

「うん。落ち着いて暮らしたいとはよく言ってはいるけどね」

「まぁ、始まってばっかりだし。ようやく、やりたかったことがね」

「それが終わったら、うん。その時は落ち着くかな?」

「どうかしらね」
159 : ◆e6bTV9S.2E [saga sage]:2018/10/30(火) 20:11:42.32 ID:j/FLgE2c0
>>153-154
乗ってる飛行機からいきなり落とされて、何となく戻れた心境です。



いやぁ、久しぶりに書きだすとやっぱり速度遅いね。
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/30(火) 22:52:43.25 ID:H/xA1AJNo
>>1
乙乙なのよな
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/31(水) 06:19:42.16 ID:14M5q3+h0
乙!!
162 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/11/02(金) 02:20:31.92 ID:ACE/wPds0
回収組はこの共同任務で担っている、バリケード再補強や設置を進めていた。今回の任務は、探索組が確保を行ってから進める為、普段の任務より安全性は高い。処理され、積み重なったゾンビを見て平山はそう考えていた。

「(…この短時間で、この数。探索組の力には、舌を巻くしかない)」

それだけに、もう少しで早1ヶ月が経とうとしているキングとの戦いも思い起こさせる。これだけの実力を持つ集団を苦戦させた相手、それが側にいたという事実。いなくなったということについてではなく、この場所にいたのなら、他の地域に同様の脅威が存在する可能性はゼロではない。

それに、フェイを殺しかけたオーガなどの上位種も考えると、ここまでやってまだ、安寧とは言い難い状況なのだ。拠点は自分が知る範囲で、どこよりも安全だと知っていても。

「(この発電施設を作るという一歩さえ、それを払しょくできるとは言い難い)」

また、難しい事を考えているなとフェイは、彼女だけが良く知る平山の考え込む仕草を見て思う。それで、周囲の集中が散漫にならないのは、なぜだろうとフェイついでに思った。
163 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/11/02(金) 02:48:52.92 ID:ACE/wPds0
一通りのバリケード設置を終えて、2人はガーデニングショップに立ち寄っていた。畑による自給自足は、拠点の生命線の1つ。ここで手に入れられる資材は、当然欠かすことはできないもの。

それは他の勢力も同じだろうが、惨劇初期にすぐ必要とされるものではないことが幸いし、回収されていることは少ない。ただ、何かしらの理由で無事ではなかったり、ものによっては長い時間の経過や、雨風に晒されたことで劣化しているものもある。

そんな状況で、回収できるものをより集めていく。拠点の分もあるが、研究所でも求められている物資でもある為、出来れば多くの回収をしておきたいものでもあるから、回収作業も念入りに行う。

「ふー、肥料とかは重くてやんなるス」

「生きる為だ。フェイもイモは食べたいだろう?」

そのおかげで幾らか回収を終えて、集めたものを平山は選り分けている。これだけあって、いくらの日数を凌げるのか。真面目な彼女が考えるのは、そんなところで、その考えを停止させるように、フェイが平山に呼びかけた。

「これって、必要ス?」

手にあったのは、透明な袋に入った種、そこに書かれていたのは。

「綿花、か」

それは、今後の拠点にとって必要な物なのは、容易に想像できた。
164 : ◆e6bTV9S.2E [saga sage]:2018/11/02(金) 02:50:16.86 ID:ACE/wPds0
>>160
ありなのよな

>>161
!!


という訳で、特殊アイテム綿花獲得の判定と相成りました。
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/02(金) 06:26:18.69 ID:ntYWbRgb0

ほう、特殊アイテムなのか。トロフィー1個増えたな
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/03(土) 06:30:39.61 ID:IviTW5pT0
↑ゲームじゃねんだぞ
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/03(土) 12:49:08.89 ID:sC1JMOORO
ダイス振ってるしゲームみたいなSSと言えなくもない
168 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/11/07(水) 22:28:58.48 ID:lLGgHy4Q0
六百二十八日目

商業区北西エリアへの、安全な経路の確保は好調に進んでいる。このまま進めば、予定よりも早く確保が終わりそうだな。もちろん、あくまで好調を維持できればだが。

大型駅エリアのバリケード内の状況を考えると、今回の任務は早いに越したことはない。上位種の存在は、無視できるものではないからな。

上位種についてだが、まだ他のエリアでその姿を確認していない。となると、なぜバリケード内で見つかっているかだが、恐らく、キングの影響だな。キングはアクスマンやソードマンを従えていた。それ以外のコマンダーゾンビも。

キングの支配は、ゾンビに何らかの影響を与えなかったとは考えづらい。もしかすると変異の方向性を、刷り込みによって操作していた可能性すらある。だから、あのエリアでしか確認できないという部分で、その仮説が証明できるかもしれない。

そこから、うまい処理の仕方も見つかるかもしれないが、キングがいない以上、仮説は仮設でしかないという状況だな。うまくいかないものだ。

まぁ、今日は好調に任務が進んだこと。そして回収組が綿花を手に入れたこと。発展の為に進んでいることを喜ぶとしよう。
169 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/11/07(水) 22:48:35.90 ID:lLGgHy4Q0
一ノ瀬DIARY May.11

今日の任務はかなり進んだよ。このまま進んだら、すぐに発電施設の物資も回収できそう。でも、前にソーラーパなるとか確認してから、かなりの時間が経っちゃった。無事に使える状態だといいんだけどな。

あそこのエリアはあんまり行きたくないかなぁ。捕まったショッピングモールが近くあるから、あんまりいい思い出じゃないよ。あそこの人達は、最終的にゾンビに襲われたり、助けに来てくれたメンバーが倒していなくなっちゃったけど。

全員、そうなっちゃったのかな。誰か実は生き残ってたりして。もしそうなら、私達のことすごく恨んでるだろうな。

生きることに、綺麗ない事ばかり言えないのは確かでも、人はやっぱり。食べちゃダメだよ。それはもう、ゾンビ達と、かわらないことになっちゃう。
170 :無線機の前に日誌がある  ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/11/07(水) 23:00:31.20 ID:lLGgHy4Q0
5/11 担当喜読 朝

今日は快晴ですね。探索するにはちょうどいい日です。

ただ、WWPのヘリは常に気を張らなければいけないですね。


担当浜村 昼

ヘリね。何回かこの付近きてるってのはあるものね。

ここが見つかってないのか、興味ないのかはわかんないけど。

とにかく関わりたくはないわね。


担当フェイ 夜

うーん、WWPは今なにしたいんだろう(考えてる人の絵)

千護さんとこの都市にはいるみたいだけど(都市の絵)
171 :ブレイクタイム  ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/11/07(水) 23:18:44.81 ID:lLGgHy4Q0
【新たな歩み】
「そんな訳で、あんたに渡しとくわよ。サンマ」

「綿花の種…」

「食料になる野菜の畑を作るのにあたしは手一杯だし、もし育てたいなら、一番必要なあんたがやってね」

「育てるっていっても、畑からですか?」

「プランターからでいいんじゃない? そもそも畑になる用地が拠点にはないわよ」

「あー、それもそうですね」

「生地は誰も取ってくやついないし、服自体もまだ無事なのはあるみたいだし」

「そう言われると意味あるのかなってなっちゃいますけど…」

「ずっとある訳じゃないんだから、そういうノウハウは必要でしょ」

「上げたいんですか落としたいんですか、姐さん…」
172 : ◆e6bTV9S.2E [saga sage]:2018/11/07(水) 23:20:09.43 ID:lLGgHy4Q0
>>165-167
まぁ、1人TRPGなのは確かである。
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/08(木) 16:29:09.11 ID:2WGyPGhK0
乙!
サンマ……じゃないミツマ君も乙
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/11/09(金) 19:43:57.29 ID:iUSdjGyS0
乙乙
久しぶりに来たら板復活&再開してた
ありがてぇありがてぇ
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/17(土) 06:28:24.92 ID:jWJ3wZhn0
上位種が見えない事への不安が拭えないな……
176 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/11/18(日) 01:38:41.35 ID:84V6Gror0
千護は、アイビスと共にレジスタンスの本部と連絡をやり取りする為にある、通信装置が設置された一画にいた。装置の駆動音が大きくはないものの、室内を満たしている。

「それで、話ってのは?」

以前よりは改善された二人の関係だが、それでも犬猿の仲という表現がしっくりとくるだろう。千護も両腕を組んで、その表情もどこかつっけんどんと言っていい。それを見て、アイビスもわざとらしいため息を吐く。つまりは、お互い様だ。

「…。レジスタンスはその発足から考えて、惨劇後の在り方が変わってきています」

「あんたの悪い癖だけどさ、あたしがそういう前置きいらないっての。いい加減わかってるだろ?」

しばらくの間、次にアイビスがついたため息は嫌味でもなんでもなく、これから話し出すことの重さを吐き出すようだった。

「キャバリアは言いましたね。レジスタンスは、今誰も信用していないと」

「そうだな」

それは、私自身も含まれる。という言葉を、千護はすぐに理解できなかった。
177 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/11/18(日) 02:01:48.42 ID:84V6Gror0
「どういう意味だよ。アイビス、あんたはレジスタンスの一員なんだろ?」

「……。この眼ですよ、忌まわしきこの眼が問題なんです」

アイビスがミュータントに変異したのは、そこまで古い話ではない。まだ、ストークの2人だけになる、今より人員がいた頃で、その人員が減ることになったきっかけになる襲撃の際、彼女は変異した。

そしてそのことが、彼女が言うレジスタンスは誰も信用しないという言葉に関わってくる。

「レジスタンスは、貴方が言うミュータントに対して、排他的です。理由はシンプルです、人間ではないから」

その言葉を聞いて、千護の頭をよぎったのは怒り。拠点での生活で、彼女はだいぶミュータントという存在に、よくも悪くも毒(なら)された。その感覚が、その怒りを感じさせている。

「レジスタンスの人員がミュータント化し、その後。その仲間達を殺す事件が起きた。生き延びた者はいません、報告と共にその映像が共有され、報告をした人間も確認にむかった者が見つけた時は、息絶えていました」

理由は全くの不明ではあるものの、その一件によりレジスタンスはミュータントという存在を、害悪であると判断することになった。
178 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/11/18(日) 02:27:08.16 ID:84V6Gror0
ただの一度、とも言えるかもしれない。しかし、惨劇後における結果は何事も重く響く。なぜなら、取り返しのつかないのだから。

惨劇前における、人が殺されるという事態は、今回のことと比べる必要はない。同じ重さそのものは持っている。しかし、人間が少なくなっているこの現状に置いて、仲間の死は、自身の死と直結するという、付加価値が惨劇後の世界にはあった。

「その為、私が変異した事実はレジスタンスには報告していません。すれば、殺されるでしょうから」

「つまり、キャバリアには知らせるなってことか」

えぇ、とアイビスは頷いた。言葉通り、それは彼女を死へと直結される事。同時に、これからはアイビスの力は頼れないことでもある。普段は事務作業が多い彼女なのが、この場合の幸いなのかもしれない。

「(そして、レジスタンスと拠点は、協力できそうにねぇな)」

ミュータントさえ受け入れる器があるあの場所を、レジスタンスが理解できるとは千護は思えなかった。
179 : ◆e6bTV9S.2E [saga sage]:2018/11/18(日) 02:30:27.99 ID:84V6Gror0
>>173
もうサンマでいいんじゃないかな

>>174
相変わらず鈍行ですがな(めそらし

>>175
普通に化け物だからねぇ・・・。
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/18(日) 04:59:36.00 ID:6f9sNZWW0
乙!
お願い、ダイスの神様!絶対に拠点とレジスタンスを接触させないで!
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/19(月) 23:34:25.92 ID:kV/ya+PBO
接触してしまったら放浪者が一戦交えでもすれば不可侵条約でも結ぶと思うけどね
ダプピって共通の敵がいるのに削りあうのはリスク高い
お互い痛み分けですまないのは本能的に理解できそう
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/20(火) 06:58:05.94 ID:xmy1aoze0
放浪者はまだいいとして、拠点の仲間達を狙われるのが困る……
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/24(土) 12:56:10.33 ID:qHWjhX080
あ、放浪者が戦う事になっても平気だろうって事であって、放浪者に倒れられても良いって言ってる訳じゃないですよ?
184 : ◆e6bTV9S.2E [saga]:2018/11/27(火) 17:02:12.65 ID:KAjvAKQR0
商業区北西エリアへの確保は順調に進み、何もなければ明日には終了する見込みとなっていた。拠点の各組が一丸となって行う今回の任務だからこそ、早急な行動が求められる。早さと安全性の両立、今のところそれを成すことに問題は起きていない。

「…どう思う?」

その中で、放浪者の顔つきはいつも通り険しく、無表情だった。相棒である山中は、その表情に彼が危機を覚えているのを理解していた。そして、想像が正しければ。

「上位種が大型駅エリアのみに確認できる、という事実は非常に不気味ではありますね」

「…この間戦った上位種は、キングの支配下にあり、そして今はそのくびきから外れている。そして、あの戦い方からして、上位種は…。知性を取り戻している可能性もある」

マッスルゾンビは、以前から移動等の障壁になる障害物をどかそうとし、結果それが攻撃となることも多い。しかし、オーガはその事とは別に瓦礫を投げつけるといった動作を、放浪者はちらほら見かけた。マッスルゾンビの系列でそうしてきた変異体がいない訳ではないが、その個体としてやってきている印象を放浪者は受ける。

それはつまり、人間が古来やってきたように、物を道具として認識している可能性が、高いということだ。
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