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17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/17(木) 17:17:30.46 ID:1P4L3zQO0
新スレ乙です
都市解放も近づいてきましたねぇ
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/18(金) 05:59:01.05 ID:Ar8b6PCC0
そもそも向こうへ渡れる程のパンなんて、マックスウェルの不思議なノートくらいでしか出せないだろ。巨大化属性も付けてな
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/05/21(月) 01:30:16.36 ID:g/2Jpjnv0
女の子とマックスウェルとライオンは死にましたが、スターは取れたので問題ありません。
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/05/21(月) 02:39:05.12 ID:b6ellk3Q0
「はい」
「はい。○○君」
「えー、パンという字を一文字変えさせて頂きまして……バン。車のですね、あのでっかい奴……に変えさせて頂きます」
「ほう、それで?」
「はい。こちら変えまして”バンを踏んだ娘”という事でしたら、水を挟んだ向こう岸であろうと……ワンチャンス!あるんじゃないか、渡れるんじゃないかな……!と。ま、そういう事です」
「ふーむ。まぁツッコミ所はいくつかあるけど、女の子がパンを踏めれば渡れるかも……!と思えるくらいだったんなら、そうかも知れませんね。じゃ、次の人」
「ありゃ」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/22(火) 11:09:02.47 ID:nUIgVDTN0
勢いに任せて、熱情の律動をリクエスト。 出来るなら Re:Birth II 版を
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/23(水) 18:40:20.81 ID:zuZ9NDQ+0
リクエストといえば、ファイナルリクエストって動画が終わりに差し掛かったぞ
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/05/23(水) 21:43:51.27 ID:lZXY4L3w0
島谷ひとみさんでペルセウス
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/05/23(水) 22:55:29.25 ID:BHoBXHsZ0
高野レン「乙女は強くなくっちゃね!」
25 :
◆e6bTV9S.2E
[sage saga]:2018/05/24(木) 02:36:33.00 ID:Lia+ObnW0
>>16
まぁ、それでなくても拠点のメンツは濃いからねぇ。
でも三間君、放浪者さんが大成果しても普通だと思ってる節あり
>>17
もうそろそろやねぇ、いろいろあったけど全てはこの始まりに向かう為
>>18-20
渡れると思っているなら、すでに行動は終わっている!(望む結果になるかは知らない)
>>21-24
ほむほむ。とりあえずいただくだけはいただきますかの。
さて、連勤やら風邪と、昨日そのぶり返しやら、更になぜか右目張れたりと、他の奴書いてこっちヤローと思ったらそんな感じで更新できておりません。
もちっとだけ戻ったら再開するので、今しばらくお待ちを。
26 :
ブレイクタイムでもなく本編に関わりは多分ないと思う幕間
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/05/30(水) 03:28:44.98 ID:RMaYnkXV0
『影からの声、影を追う者』
「後少し、後少しのはずだ」
端末を叩く男の目は狂気を宿す。それとも、この世界ではそれを宿しているのが正常なのか、それはわからない。だが、一つ言えるのは白衣というにはそれがどうに、血とそれが変色した斑点がもはやまだら模様と化しているところは、男が正常ではないという事実を突き詰めるものだろう。
「くそ、まだダメか」
端末から吐き出される文字は『NO ACCESS』、これは実験が失敗していることを意味している。睨む視界の先にあるのは、その文字が吐き出される機械的な内容とは別の、ある意味では陰惨な状態がある。
「ゾンビではない検体を集める方が大変だというのに…」
中央には六芒星、それは赤黒いもので描かれている。中に書かれているのは英語のようで違うところから、恐らくはラテン語か。ただ問題はその周囲だろう。
無残に転がる抜き出された内臓、四肢は当然として指もいくらか転がっている。部屋の隅に投げ捨てられるように置かれている頭は、死後の人間性すら否定してしまっているようだ。この世界においても、十分まともではない。
『お…………さ………』
ノイズのかかる何かが、男に直接降ってきた。挙動不審に周囲を見渡す男には、何も見えはしない。その陰惨な光景すらも。
「待っていろ…、絶対にお前を…」
『……と…………さ……』
その言葉の時に狂気さは薄まるようにも、濃くなるようにも見える。どちらにしろ、男はまともではない。その事実が変わることではない。
ただ、古ぼけたその書物に書かれていることが、男の目的なのだろう。『Different Dimension connect』、異界との接触。
27 :
◆e6bTV9S.2E
[sage saga]:2018/05/30(水) 03:31:52.49 ID:RMaYnkXV0
そこそこ体調も戻りつつあるので肩慣らしに。
正直これ日に本当に登場させるかは微妙なラインの設定ではあるけども。
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/30(水) 11:26:10.64 ID:NMfdGiBM0
ああー、蘇生の代償に結構な犠牲が必要なタイプのアレですかね?(汗
まぁ一時期使ってたダイスがそういう類のもの用だった(今も?)し、多少はね?
乙!
29 :
ブレイクタイムでもなく本編に関わりは多分ないと思う幕間
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/05/31(木) 02:59:46.23 ID:GTjWDyTU0
『軍属として』
「上村3等陸尉、いるか?」
「へぃへぃ、どうされましたか陸佐殿」
軍事キャンプに勇ましい様子で入ってきた中性の人物がそう呼び掛け、無精ひげを生やす男が面倒そうに返事をする。3等陸佐だという返しも、その男ははいはい本題へと促す。
「この地域で収集可能なものは完了した。更に南下し、引き続き東京へと向かう。部隊編成を進めてくれ」
「いやいや、それこそ陸…、3等陸佐殿がやられてはどうです?」
別働で動いている部隊への連絡、指揮及び民間人の説明があるときっぱり断ってきた。それに、面倒そうに頭を男はかく。
「別にこの場所に根付いてもいいんじゃないですかね? 無理に東京へ向かって弾やら油やらを消費するよりは現実的だと思いますよ?」
「ならん。今は完全な無政府状態だ。臨時政府を設けるのは必須、その為に国会議事堂は抑え、混乱に終止符を打つ」
そんな簡単な話なわけがないのにと、男は思うし、中性の男も本心はそう思っている。だが、このままでは混沌だけが続く、何かの歯止めのきっかけは絶対に必要だった。
それが偽善的であっても、この勢力として目的はその事による国家統一。
「しっかし、あの得体の知れない部隊はどうするんです?」
「破壊するのも任務だ。連中がこの状況を作り出したとみていい。それに限らず、阻む障害はすべて敵とみなせ」
通達は終わりだと、中性の人間はテントから出ていく。相変わらずの勝手さに、男は聞こえてほしいという願いを込めてため息をついた。
部隊の構成自体は悪くない。兵士について小隊規模の人数も維持できているし、物資の収集もあり戦える状態は続いている。だが、問題なのはその道中で保護した民間人だ。多いとは言えないが、少なくもない。防衛を手伝ってもらえる生存者もいるが、規律を大事にする先ほどの人間(あたまでっかち)には通じない。
東北からの南下してきたことを思えばゆっくりした行軍だが、それでもその道中がまともだったわけじゃない。戦争のような、多少規律のある戦いは惨劇の世界にはあまりなく、今の地点に1年以上経っている程度で終われている方が運がいいのかもしれない。
「やれやれ、移動編成を考えますかね」
それが一番重要なことだった。危険なのは、動くその時なのだから。名前や性質が変わろうと、根本は変わらない。守護をするための軍、防衛軍として犠牲者が出ない最高の任務(プラン)を練らなければならない。
30 :
◆e6bTV9S.2E
[sage saga]:2018/05/31(木) 03:04:25.27 ID:GTjWDyTU0
引き続き肩慣らし。まぁ、ほぼ絡まない位置にいる勢力の1つ。
これやぼを裏でやってた古い奴で詳しく何も決まってませんが、ちょっと味付け。
31 :
◆e6bTV9S.2E
[sage saga]:2018/05/31(木) 03:07:55.94 ID:GTjWDyTU0
>>28
大体それです。
今のダイスは、身内がラスベガスでお土産くれた奴ですねぇ。
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/01(金) 18:39:04.62 ID:Xj6gWJtp0
乙!
変に志の高い上司を持つと大変だねぇ
しかしベガスのダイスとは……良い意味でも悪い意味でも強力そう(汗
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/02(土) 05:00:36.10 ID:NVGCghpV0
その、おとうさんと呼ぶ声は、本当に貴方の息子さんによるものだろうか?
そちらにどうしても呼ばれたくて呼ばれたくて仕方ない、そう振る舞ってるだけの、おぞましいバケモノか何かだったりはしないだろうか?
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/02(土) 08:36:17.70 ID:dd0uZYBO0
最近Forestやったせいかイメージがだぶった
35 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/03(日) 17:57:57.19 ID:d3ETfGwe0
六百二十三日目
大型駅エリアバリケード外の探索は進んでいる。明日には破壊したバリケードの一ヶ所には到達の目処はたった。確保とバリケードを再設置、後は残った箇所の確保へと進む。破壊した間隔はそこまで長くないことを考えれば、この任務もそろそろ終了だな。
その後は発電施設の為のソーラーパネル回収を挟み、本格的な大型駅バリケード内の探索となる。その探索が終われば、探索組も本格的に拠点の為の活動に移行できるだろう。
都市の問題が解決すれば、次のすべきなのは拠点自体の強化だ。脅威となりえる相手が多数確認している以上、これもこれで急務だし、新たな食料確保にも動かなければいけない。
ただ、警備組の手が余っている訳ではないからな。畑の拡張をするにも、他に養鶏をやるにしても人員の確保も必要か。ハンター経由で来るのを待つのは現実的とは言い難い。探しに行くのも現実的とは言えないが、それでも待つよりは可能性はあるだろう。
都市解放も近づいてきているというのに、やるべきこと自体は次々と累積していく。やれやれだな。
36 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/03(日) 18:16:13.69 ID:d3ETfGwe0
5月6日
大型駅エリアのバリケード外の探索は問題はない。明日には最初に破壊したバリケードへ到着し、再度バリケードを敷設した後、残った箇所へと向かう手筈となっている。それらが完了次第、いったん大型駅エリアの任務は中断という状況だ。
その後は、まず優先となる発電施設の開発の為、商業区北西エリアへ浜村さん、蒲谷さん、佐田さんを同行して無事なソーラーパネル、蓄電装置などの回収に向かうことになる。警備組の人員が少なくなるので、一時的に回収組がその補充に当たってもらう予定だ。
あまり大人数で移動するのも良くはないかもしれないが、拠点の設備面で3人は欠かすことはできない。何かがあって、そして設備にも何かあれば、それっきりになってしまう。もちろん、研究所から一時的に支援を要求することも出来るとはいえ、解決は早いに越したことはない。
後はそれが終わり次第、残っている大型駅バリケード内の探索を進める。これが終わればついに、都市解放の最低限は成し遂げたことになる。
だが、油断はまだできない。終わる間際が最も長い、それが、彼の口癖だ。
山中沙奈 記す
37 :
無線機の前に日誌がある
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/03(日) 18:30:18.60 ID:d3ETfGwe0
5/6 担当蒲谷 朝
とりあえず、発電施設の周辺に設置する壁については大まかできたかな。
後は本格的にソーラーパネルが手にはいらないとだね。
担当勝 昼
放浪者とおっちゃん達が回収しに行くんだろ?
俺もついていっていいかなー。
担当平山 夜
放浪者さんに許可を取れれば同行できるでしょう。
大掛かりな危険はないでしょうから、許可は取れるとは思います。
38 :
ブレイクタイム
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/03(日) 18:40:20.79 ID:d3ETfGwe0
【閉鎖された環境】
「ふぅ…」
「ここにおられましたか。フレンド様」
「あぁ、ファイブキラー。何かあったかな?」
「定期報告でございます。新しい情報は今のところきておりません、新井様達から生存報告があったのみでございます」
「ありがとう」
「……。何か問題でもございましたか?」
「うん? いいやないさ」
「…………」
「…。この生活になって一年以上になった。この場所から情報を送り、生存者の手助けをする。情報の意味ではいろいろと変化がある生活だけど、いる場所自体は変わらないからね」
「気が、滅入っておられると?」
「かもしれないね。皆と違って自分が外に出ることはほぼほぼないのが悪いんだけれど。まぁ、わがままな悩みだよ」
「…いずれ、自由に出回れる日が来ることを祈りつつ、活動致しましょう」
「そうだね。そうしよう」
39 :
◆e6bTV9S.2E
[sage saga]:2018/06/03(日) 18:46:19.70 ID:d3ETfGwe0
>>32
志自体放浪者と同じようなものではあるけどね。まぁ、東京行こうとしてるのはなかなかだけど。
ダイスが普通のより大き目(多分見やすいようにしてるっぽい)だから使いやすいよ
>>33
まぁ、誰が言ってるかは謎ですよ
>>34
食人鬼のせいで食人鬼になるゲームだっけ
久しぶりにここまで間隔あけたのう。まぁ、書くにはだいぶ良くなりました。
40 :
◆e6bTV9S.2E
[sage saga]:2018/06/06(水) 02:52:13.36 ID:DXs2Nz690
病み上がりなのに、速攻で統合性とかの調整必要な判定がでて頭を悩ませる始末。もう少しお待ちを。
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/06(水) 08:33:20.05 ID:L6FuLgQp0
なん……だと……?
安かれ
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/06(水) 12:42:22.58 ID:mCP5Qdl90
乙!
波乱が波乱を呼んで、中々終わらせてもらえないねぇ
43 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/07(木) 18:07:26.77 ID:kWSWipOI0
「組織から、援軍に送るとの通達がきました」
「援軍? この状況で一体誰を…」
アイビスが端末を指さすのを見て、ストークは立ち上がりその画面をのぞき込むため、移動する。
「……。本当だ、でも。かなりまずいぞ」
「援軍を出すなんて気を回してもらえるとは、思いませんでしたからね」
まずいというのは、千護達のことだった。レジスタンスに対して、2人のことは報告していない。どんな内容であれば、正しい報告が求められる。もちろん、どう説明すべきであるかという部分に、問題があるから仕方なかったことではある。
ただ、レジスタンスから援軍が送られること自体が想定外であったのも事実。対応に後手が生じても、仕方ない側面はあった。
「おいおい、最終レポートがここからされてるってことは、ここまですぐ来れるんじゃ」
「でしょうね。お2人は偵察に行かれてなければすぐ手も打てるものを…。よりによってチームハウンドのメンバーですからね」
その名前に、アイビスはレポート報告で見覚えがあった。見た目とは裏腹の実力を持ち、対人において優位に運ぶに十分。WWPがうろつくこのエリアなら、確かにうってつけと、言えた。
44 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/07(木) 20:22:49.61 ID:kWSWipOI0
新興都市は相変わらず慌ただしかった。宿営地を設営してから、WWPのヘリが慌ただしく動き回ることはないが、発砲音は時折聞こえる状況が続いている。
WWPは隠密を考えて行動することはないのが、千護達の活動にとっては助かる部分だった。相手は自分の音に無頓着なのは、隠密で動かなければいけない者には好都合だ。
ここのところ続いている、ディープノアの出入り口部分。そこでのWWPの活動の観察と、物資収集が主な活動になってきている。その中には、WWPが活動しているからか、それとも防衛軍とゾンビとの戦いの名残からか、珍しいものが手に入ることも多い。
「こりゃあ、迫撃砲じゃないか。状態は…、悪くなさそうだね」
千護はその見つけた火器をチェックする。調べる限りはそのまま持って帰っても大丈夫な状態で、幸いなことに弾薬も側に転がっていた。
即時使える訳ではなく、設置と合わせて砲撃の位置を狙う為の調整など含めれば、有用な物とは言えないかもしれない。それでも、人員が集まった場合や、奇襲時の初手に使うことはできる。
どうせ相手するのはWWP。出来る手段は大いに越したことはない。
45 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/07(木) 20:39:06.31 ID:kWSWipOI0
そんな中で聞こえてきた銃声、千護と、そして側にいたロバートは素早く同じ瓦礫に身を小さくして隠れる。今いるのは2車線の道路。主要な国道とは繋がっておらず、民家や小さなお店が通りに並ぶところだ。
「せ、戦闘かな」
聞こえない、そして小さくいつものどもった声に対し、だろうねと千護は返しながら、迫撃砲と弾薬を手渡す。戦うには持っていては邪魔になる。
右胸のポケットに入れた四角い小さな鏡を取り出し、瓦礫越しからその鏡を使いその先の状況を伺う。そこから見えてきたのは、奥のT字路の右側から銃を撃ちながら後退してくるWWPの兵士の姿。
「(妙だな)」
ゾンビを処理をしているという感じではない。どちらかと言えば、危険な相手が迫ったような鬼気迫った反応。変異体の類が固まってきているとなると、それは2人にとっても危ない。そう考えを巡らせていた時だ。
兵士達がT字路の中央まで移動した辺りで、その右側から黒い影が一気に飛び出した。
46 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/07(木) 20:55:01.51 ID:kWSWipOI0
その影は何かを振り下ろすと、兵士の一人の頭が激しく揺さぶられ、そのまま崩れ落ちる。
ようやっとその正体をしっかり認識すると、その影は比較的小柄な人間。黒い外套を纏い、その手には持ち主より長い武器で、柄の先端には重りがついた。ハンマーだった。
それ以外の武器もあるのかもしれないが、それをメインに今まで戦ってきたのは、その動きを見れば分かる。柄の中央部を持ちながら、回転させて勢いをつけ叩きつける。シンプルだが、強力な一撃を与えていく。
流石に全てのWWPの兵士を撃退させるということはなかった、兵士達はいったんの退却を選んだようで、身を引いたからだ。その小柄な人間も、それ以上の追撃をする様子はなかったが、その代わり倒した兵士を確認し、止めを刺していった。
「(さて、と。関わるべきかどうかだね)」
WWPには敵対しているようだが、元々それが、WWPを知っているからか、それとも生存者なら襲う狂人かという問題が出てくる。それを見極めなければいけない、必要なら、自分が処理する必要も出てくるのだから。
47 :
◆e6bTV9S.2E
[sage saga]:2018/06/07(木) 20:57:02.87 ID:kWSWipOI0
>>41
なんでだろうねぇ
>>42
そしてよりによって動きがありそうな千護とのことで出るという。
48 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/09(土) 03:05:29.76 ID:uMI3RNcR0
その小柄な人間が、何かに気づいたようで右側を見る。敵、にしては警戒している様子はない。奇妙な状態。
だが、それもすぐに答えがある。その方から姿を現したのはストークだったからだ。何かのやり取りをしているようだが、敵対的な態度はない。ただ、位置が位置だからか、千護には2人が何を話しているかは。聞こえない。
「貴方がストークか?」
「そうです。思ったより、早い到着でしたね」
手が差し出され、それをストークは握り返す。情報としては聞いていた通り、黒い外套と長い柄のハンマーを持つ、小柄な男。だが、その華奢な体つきから想像できないほど、剛腕と言われる腕力と素早さを兼ね備えている。そういう報告で、確かに握り返す手は強かった。
レジスタンスという組織の中で、本当に戦闘を前提としたチーム名『ハウンド』に所属する1人。その実力は、この周囲の状況を見ればそれが答えだろう。
「合流ポイントにいて、排除したが問題は?」
「えぇ、とりあえずは。ただ、急ぎアジトに行きましょう。ここでは目立つ、いいですかキャバリアさん」
同意の頷きを見て、ストークは先導するよう先を歩き、キャバリアと呼ばれた彼は、それに続いた。
49 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/09(土) 03:20:34.14 ID:uMI3RNcR0
2人がT字路から見えなくなって、千護は鏡をしまう。会話はほとんど聞き取れなかったが、様子からしてレジスタンスの関係者なのは間違いなかった。問題なのは、自分がそこに接触していいのかということだ。
『千護、聞こえますか』
無線からの呼び声に、何だと答えながら。
「今、ストークとマント羽織った奴が接触してたが、ありゃなんだ?」
『…ちょうどいい。その件です、詳しく話をしたいので今から指定するポイントに移動をお願いします』
指定されたポイントを復唱して、頭に叩き込む。メモですれば確実だろうが、何らかの痕跡を残すのはこの新興都市の状況から、当然NGだ。
『彼の名はキャバリア、平たく言えばレジスタンスにおける戦闘員ですね』
「実力もちょうど見させてもらったよ。それで、話しというのはあれか。報告してないあたしらの今後の振る舞い、てところかい」
皮肉を言うでもなく、アイビスは素直にそうだと答えた。その様子からして、冗談ではなく真面目な内容なのは千護も当然察することは出来た。
50 :
◆e6bTV9S.2E
[sage saga]:2018/06/09(土) 03:22:38.40 ID:uMI3RNcR0
ここまで。
なんでこの終盤で生存者判定がぽこぽこ出てくるのか。
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/06/09(土) 05:17:23.94 ID:lpAvaT0t0
乙!
まさか、俺がこれ日に終わってほしくないと思っているから……?という冗談はさておき
マジレスすると生存者判定の枠を残しているからかと……w
52 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/13(水) 03:06:59.25 ID:Z8FfJGYq0
外は大雨だった。この地域では珍しいようにも思いながら、平山は都市入口エリア内の、都市中央エリアの境に作った休憩所。そのビルの中から、外から姿が見えないように外の様子を眺めていた。
休憩所はほとんど平山達、回収組が利用することが多い。彼女達はその名の通り、物資の回収と設置したバリケードの保守点検が主な任務。探索組よりは物資を集めやすい活動をしていて、持ち帰り切れない物資の保管、またバリケードの補修の為の道具や、材料の置き場としても利用している。
当然、休憩所もその意味で定期的な点検は欠かすことはできない。隠しておいた物資が、通り過ぎの生存者に収集されることも考えられるし、休憩所自体に設けられたバリケードの保守も必要な作業になってくる。
といっても、今日は大雨でそもそもの任務が中断していて、とりあえずとしてやっている状況。平山は休憩所内の物資の点検等を終わらせ、その事も記録済みだ。フェイについては、身体を動かす方が気楽と、ビル全体に問題はないか確認しに行っている。
「(とはいえ、ゾンビが紛れ込む。ということはないだるがな)」
なんであれ、この休憩所の外自体も確保されたエリア内なのだ。その部分では問題ないだろう、あり得るのは生存者が紛れ込んでいる可能性ぐらいのものだった。
53 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/13(水) 03:25:29.67 ID:Z8FfJGYq0
「戻ったス〜」
何事もなく戻ってきたフェイは、何かの本を持って現れる。平山は簡単なジェスチャーだけして、視線はそのまま外を見たまま。その態度に慣れているのか、フェイはそのまま彼女の横まで近づいた。
「何かあったか?」
「特にはないス。一応集めてなかったっぽい経済雑誌あったから持ってきたスよ」
ご苦労という言葉はあっても、警戒した様子を崩さない平山は相変わらず外を見たままだ。もちろん、不愛想な類の態度だが、その側に軽く休むためのイスとテーブルが置かれていて、テーブルには携帯できる食事と飲み物が置かれている。平山がフェイの為に準備していたもの。
こういう気遣いが出来る人なのになぁと、口には出さないが思うフェイはその雑誌を同じテーブルに置いて、遅い食事をとることにした。
「雨、止みそうにないス?」
「…。多分な、軽く濡れても大丈夫そうな物資を選定するしかなさそうだ」
聞こえてくるのは、雨音とフェイの食事の音だけ。いつもなら聞こえる死のうめき声(おと)は雨に覆い隠され、優しい静寂の中にいる気分に浸れる。
本当に全て、流されればいいのにと、フェイは少し思った。
54 :
◆e6bTV9S.2E
[sage saga]:2018/06/13(水) 03:31:26.81 ID:Z8FfJGYq0
>>51
まぁ、そうなんだけどねぇ。
6面ダイスで合計22以上出す→10面ダイスで7以上出す→12面ダイスで11以上出す
まぁ、状況や前の判定によって細かく変わるけど、今回はこんな感じで重要生存者イベ。まぁ出ないでしょっていう感覚がアウトだったか。
>>52
の訂正
×「(とはいえ、ゾンビが紛れ込む。ということはないだるがな)」
○「(とはいえ、ゾンビが紛れ込む。ということはないだろうがな)」
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/06/13(水) 04:46:44.81 ID:+t2VRUo60
イエスのおとーさん「……水系のイタズラする?」
56 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/14(木) 18:53:01.25 ID:TT4e2E/b0
六百二十四日目
大型駅エリアバリケード外の探索について、今日は好調だった。大雨の中の任務であったはずだが、予定が早まるとは思わなかった。悪天候でも動ける部隊という強力だろうが、そこまでの特殊性は必要はない。やらざる得ないという状況で、経験があることに越したことはないがな。
後はそれに合わせて、幾らかの物資も回収している。今のところ何かに困っているということはないが、あるに越したことはない。それに、本格的に拠点の開発が進んで行けば、資材に関わる物資はいくらあっても足りないだろう。
問題はどういう風に開発を進めていくかだな。開発をする以上、拠点自体を拡張するということだ。やはりその分守るべき範囲や警備が必要になってくる。発電施設の電力でロック&サーチのようなADSPの装置を増やしたり、監視カメラの増設することもできるだろうが、それでも限界が出てくる。
優先するのは発電施設、そして次に養鶏場か。養鶏場を作れば、家畜用の畑作りも考えなければいけない。発電施設に関する任務が終わり次第、大型駅エリアのバリケード内の任務へ戻るが、残ったその分が終わり次第、今度は人員確保も考えていかないとな。
やれやれ、やるべきことを潰しているはずなのに、いくらでも出てくるものだな。
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/14(木) 19:24:48.85 ID:97xOBKKa0
必要な事の為には手を広げなきゃならないからなぁ。その辺はどうしようもないのよな
58 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/14(木) 20:47:06.67 ID:TT4e2E/b0
レポートNO.160
井門圭司
今日はひどい雨だったな。そんな中で今までの任務の中で好調で、そして物資も回収できた。探索組は天気が悪くないと実力が出せないなんてジンクスでもあるのかね。戦う相手としては、正直最悪とも言えるな。そんな中戦うことは基本、そこまで前提としない。
大雨の中、雨音に紛れて襲ってくる部隊。そりゃあ、恐怖でしかないね。視界も悪いとなれば、接近に気づけないこと請け合いだ。もし、部隊が放浪者さんみたいな隠密スキル持ちばかりだとしたら、何も気づかず葬られるだろうな。まぁ、放浪者さんは1人だけで十分だ。
とりあえず、大型駅エリアのバリケード外探索も終わりが見えた。次は発電施設の為の物資を探しだ。これがうまくいかねぇと、施設の準備のパーな上、当てもなく重要なソーラーパネルとかありそうなとこ探さねぇといけないからな。上手く良きゃいいが。
59 :
無線機の前に日誌がある
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/14(木) 21:01:59.89 ID:TT4e2E/b0
5/7 担当浜村 朝
今日は朝から大雨ね。水がある分には困らないけど。
でも、畑の拡張をするとなったら、水源の確保も本格的に考えないとね。
担当三間 昼
畑には水、必要ですもんね。飲み水とかも、あと洗いものとか。
今は大丈夫みたいですけど、人が増えたら後回しに出来ないですよね。
担当フェイ 夜
うーん。料理できないと困るからお水は必要だね(ペットボトルの絵)
後、料理用の油とかも作れるようにならないかな(フライパンの絵)
60 :
ブレイクタイム
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/14(木) 21:21:00.39 ID:TT4e2E/b0
【雨音の中で】
「(…随分と降るな)」
「……………」スッ
「…流石に忍び寄られると警戒するぞ、西切」
「はは、ばれちゃいましたかー」
「…何かあったか?」
「これと言って何もないですよー」
「…そうか」
「……あの日のお話は、忘れてませんよね?」
「……、あぁ」
「ならいいです。任務にかまけて忘れられてた訳ではないようですし」
「………」
「あたしは…」
「…あぁ」
「本気ですからね」
「…わかった」
「あ、2人ともいたんですね。戻りました!」
「一ノ瀬ちゃん。はい、タオルですよー」
「ありがとうございます、ほんとに雨ひどいですよね」
「………」
61 :
◆e6bTV9S.2E
[sage saga]:2018/06/14(木) 21:23:00.84 ID:TT4e2E/b0
>>55
よくはわからんけど、嫌な予感がするのでお断りします
>>57
まぁねぇ・・・。
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/16(土) 06:27:48.71 ID:HR3Ymk200
乙
放浪者は大変だな。色々と、本当に
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/18(月) 11:19:12.96 ID:MSotk4gB0
雨の中の外作業とか嫌にしかなんないのになー。やんなきゃなんないとかなー
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/18(月) 19:25:19.82 ID:flQR/Z7lO
前スレ1000どーするべやー
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/06/19(火) 18:20:32.72 ID:LEbxW9Pj0
乙!
前スレも遂に埋まって、
>>1000
の願いは鶏関係。進展するってだけだから、餌も無しにいきなり飼う事になるかは……まぁダイス様のご機嫌如何(いかん)でしょうけど
66 :
ブレイクタイムでもなく本編に関わりは多分ないと思う幕間
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/20(水) 02:22:38.53 ID:a5AMPOma0
『サイバネティクス』
「各チームの状況はどう?」
「連絡が取れないのは東北方面のみです。それ以外は、かろうじてを含めて連絡は取れています。データを送ります」
お願いと女性が言うと、報告をしていた男性が端末を操作をする。操作する音が終わった後も、女性は何かそれを見る為に端末を開く様子はない。
「なるほど…。新興都市に潜伏している2人は変わりありませんか」
「ディープノアのデータ回収にWWPは躍起になっているようです。ただ、それがうまくいっていない様子ですね」
女性はそのデータをどうやって閲覧したかは、皆目見当がつかない。だが、女性はそれを全て把握しているようだ。ただ、そう強いて言うなら、その右目は青白くほのかに発光しているように、見える。
「…、アイビス達の報告が気になりますね。近くにいるのはハウンドのキャバリア…、まぁいいでしょう。内情調査を含めて、援護に向かうよう指示をして」
「畏まりました」
男性は再度端末の操作を始める。無言の中、その操作音だけが室内に広がる。女性はただ無言で、腕を組んで目を閉じ思案しているように、見える。
「チームが戻ったみたいね。指示と全体の確認をお願い。気になることは、逐一報告して」
「はい」
女性は立ち上がり、部屋を出る為出入り口へと歩く。その横にあるカードリーダーに手をかざすと、電子音の後開錠した扉を開け、外へと出ていった。
67 :
◆e6bTV9S.2E
[sage saga]:2018/06/20(水) 03:09:01.43 ID:a5AMPOma0
>>62
本当にねぇ
>>63
都合が合わないからやらない。という選択肢の余裕がない世界。というべきかな
>>64-65
ようやっと決まったのう
探索組の任務のひと段落と、新興都市に動きが出たため、更新にまだ時間頂いてます。
とりあえず、お目汚し程度の幕間を。レジスタンスの方向がなんとなくわかるやも(確定じゃないけど)
まぁ、具体的な指定ない場合はダイス振って決めてますが、時間かかりそうなので安価でも取りますか。
1.鶏飼育用の資材(餌など)が見つかる
2.養鶏場用の資材が見つかる
3.鶏が見つかる
4.1と2どっちも(コンマ判定、詳細は※で)
↓5までの多数決。希望の数字を記載のこと。同数の場合や対象外がある場合は↓1にずれます。
※4は、早い3票のコンマ下二桁合計が、150以上であれば通ります。
もし、150未満の場合は下一桁偶数で1に、奇数で2を採用します。
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/20(水) 04:01:21.58 ID:KICpYbPsO
蘭子「混沌電波第173幕!(ちゃおラジ第173回)」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1529353171/
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/20(水) 07:59:22.79 ID:YaQvFOqU0
1!
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/20(水) 22:36:57.90 ID:4Qfw7TDs0
4!
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/06/20(水) 22:54:53.21 ID:8fE4gssN0
あ、4、4(よ、よん)が4
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/20(水) 23:05:13.68 ID:dXFD91dCO
3
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/21(木) 03:51:46.43 ID:Chy35Jta0
4
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/21(木) 10:08:09.28 ID:5xY7ewQq0
ダブルゲットチャンス成立!?
75 :
◆e6bTV9S.2E
[saga sage]:2018/06/22(金) 02:54:55.70 ID:ODAetbB70
>>70
90
>>71
21
>>73
43
合計154、コンマ成功。
鶏飼育用の資材(餌など)、養鶏場用の資材を拠点は確保しました。
コンマ的にはギリギリというところですかの、どっちにしろこれを六百二十五日目に組み込むので
時間かかりそうでござる。
(まぁ、無理なら後日確定確保にします)
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/22(金) 23:09:23.78 ID:Rh4ZO78c0
1はproject zomboidやってたりするんだろうか
もしやってなかったら一人きりの過酷なゾンビサバイバルゲームだし興味があったらやって欲しいな
77 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/25(月) 20:05:31.10 ID:JSjtW4nJ0
新興都市にあるレジスタンスの隠れアジトに、キャバリアの姿があった。黒い外套や長いハンマーは、座っているソファー、自身の真横に置いている。体つきは、千護が確認した通り小柄で華奢だ。中性的な容姿でいて、どこか無表情。着ている服装はタンクトップとレザーのパンツ。首元にチェーンタイプのシンプルなネックレスをつけている。
両腕を組み、眼を閉じてキャバリアはただ佇んでいる。レジスタンスからの支援ということで来たが、状況からして自分達の内情調査の部分が大きい。アイビスはそう読みながら、到着の報告を本部へ送った。
ストーク、アイビスの活動そのものに後ろめたいことは何もない。定期報告も欠かしていない、WWPの動向も可能な限りは偵察している。その上で問題なのが、自分達以外の勢力との絡み。千護達のことだ。
レジスタンスの上層部は今、他の勢力の関わり方に消極的。いや、嫌疑的と言っていいだろう。相手をすでに何かしらの裏があるのではないか、そういう判断をする傾向が見受けられる。その状況での、千護が元防衛軍兵士。ロバートが元WWPの研究者となれば、どのよう判断をされるかは、想像に難くない。
故に、2人にとっても今は岐路に立っている。うまく事を運ばなければ、良くはない結果が確実に待っている。
78 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/26(火) 02:53:23.29 ID:m1qZ5sif0
とはいえ、キャバリアは最低限の確認の後、何かをしようとはしない。無駄な活動は控えるように、ただソファーに座って今の状態になってから、恐らく5時間以上は経過しただろうか。
「(彼があの方の差し金で、こちらに着たのは確実な事。私のミュータント化はさておいても、報告してしまった二人のことは確認したいはずなのだけれど)」
ため息もつけず、仕方なく心の中でついてみる。ストークは出ていて、彼女一人しかいない。この状況についてを愚痴れる相手がほしいところだ。
しかし、その彼がいないのはこの状況を打破する為のものでもある。良くも悪くも、千護達とキャバリアを対面させる。それでの報告によっては、レジスタンスを抜けるしかない。命あっての物種、当然WWP、そしてレジスタンスの脅威は知っている。中途半端な判断は身を亡ぼすだろう。
他に当てのある勢力はないが、それでも一蓮托生になる千護達は心強い仲間になる。千護はもちろん戦闘面、ロバートは医療面の当てになる。
もちろん、そうならないことが理想だが、最悪の事態の想定は忘れてはならないこと。そこまで考えを改めて巡らせていたところで、隠れアジト内に人が入ってきた。
79 :
◆e6bTV9S.2E
[sage saga]:2018/06/26(火) 03:31:50.25 ID:m1qZ5sif0
とりあえず、簡単に進められるところまで。
>>76
やってはないのでござる。ゲーム自体は把握してるけど、恐らくスペック不足。
とりあえず、自殺したくなったら拳銃かショットガン撃ちまくってればいいのよね。
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/06/27(水) 23:34:06.89 ID:DaxH3LT30
緊迫の対談が始まる・・・!!
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/28(木) 11:53:38.83 ID:EDxm5KTaO
>>79
銃撃ったら50〜100体は集まるから[
ピーーー
]るね
ゲームとしてはこれ日序盤の雰囲気をずっと楽しめるから面白い
鯖式のマルチも出来て○○がゾンビ多くて危険とかのやりとりや自警団が掃除してたり拠点帰ったら略奪されてたりするのもいいね
82 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/06/28(木) 20:17:58.98 ID:N0kQUGp40
入ってきた相手を確認するように、キャバリアは片目を開ける。入ってきたのはストークと、千護、ロバートの2人だ。
「あんたかい。レジスタンスのメンバーの一人ってのは」
それはあまりにもストレートな確認、千護らしくもあり、やり方を任せていたとはいえ、アイビスはその一言だけでフラストレーションが一気に溜まる。今ここでのやり取りは、4人全員の今後に関わる重要な局面なのだから、それも致し方ないだろう。
言葉は出さず、キャバリアは対面に座るよう促す。それを見た彼女は、素直に従ってから、キャバリアの言葉を待った。
「…。疑うべきは排除すべき、それが今のレジスタンスの方針」
「何がいいてぇんだ?」
その問いに目を閉じ、互いの沈黙が続く。考えているのは、それこそその言葉通りの意味を、どうするかを考えている。敵意がないからと言って、油断はできない。それは、答えが出ていないだけなのかもしれないのだから。
「自分はレジスタンス。ハウンドという部署にいるキャバリア…」
「……。名乗りは助かる。でも聞きてぇのは、さっきの方針の意味だ」
また、間が続く。
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/06/29(金) 16:59:13.01 ID:FowlFsVg0
ズバズバ行くなー。変に誤魔化すよりゃ良いのかも知れないけど、大丈夫なのかね?
84 :
◆e6bTV9S.2E
[saga sage]:2018/07/04(水) 02:54:11.98 ID:2Q74iPVw0
>>80
始まり申した
>>81
マルチも出来たのねぇ。あれは完全に生き延びることに対して殺意がありすぎるゲームよね
>>83
まぁ、そこらへんはダイス様次第です
展開が重いのと連勤続きと暑さにやられてあんまり活動できてませんが、もう少し気長にお待ちを。
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/04(水) 05:34:52.73 ID:nokPjl760
いやー、ガチガチにお疲れ様です。
86 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/07/10(火) 01:52:25.47 ID:dGlahWYA0
「言葉通り。レジスタンスは今、誰も信じようとはしていない」
「へぇ…。じゃあ、あんたらのことを知ってるあたしらは、邪魔ってわけかい?」
互いにやり取りは対照的だった。キャバリアは、明らかに言葉を選んでいて、千護は単刀直入に問う。彼女のそのストレートさが、アイビスを筆頭に3人の緊張を高めていく。その事は千護も百も承知している、自分とそしてロバートの目的である、ゾンビ化の解明がどうなるかの瀬戸際。
いざとなれば、ホルスターの中にある拳銃を抜く準備は出来ている。この世界に馴染んだ彼女に、ただ人だからという理由は引き金を引けない理由にならない。
「報告の内容によっては、そう判断される」
「はぁ。悪かったな、単刀直入に聞こう。あんたは、あたしらにとって敵か味方か。それだけだ」
ゆっくりとホルスターに手を伸ばす。まだ射殺する気はない、これは千護なりの意思表示だ。野良の犬などではなく、噛みころすことができる力を持つ一匹狼であるという表明。
だがそれを、キャバリアは見ることはない。相変わらず目を閉じたままだった。
87 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/07/10(火) 03:00:49.15 ID:dGlahWYA0
「キャバリアにとっては、敵ではない。もちろん、仲間でもない」
こういったやり取りは、千護にとって苛立ちを覚えさせるものだが、その事で集中力が切れるといったことはない。あと一歩、キャバリアが不用意なことを発言すれば、拳銃を抜き出すことに躊躇はなかった。
「……。キャバリアを殺すことに意味はない。殺せば、レジスタンスは間違いなく敵とみなす」
「それならそれで、仕方ないことだと、こっちは考えてる」
「そうか。けれど、それはレジスタンスへの報告が都合の悪いものだと思っているからか」
あぁ、と短い肯定に対し、キャバリアの返答はまた時間のかかるものだと、誰しもが思い、そして即座にそれはないと答え。
「キャバリアの指令は、ここの援護と君達の監査。問題があればそう報告する、そうでなければ、そう報告する。虚偽の報告をする気はない」
「そうかい」
とりあえずの一段落になる回答ではある。それでもまだ、油断ならない状況であることには変わりないとしても、すぐさま何か悪化する訳ではなさそうだ。千護はゆっくりと、ホルスターから手を離した。
「眠る、戦いが必要なら起こしてくれればいい」
そのまま、目が開けられることはなく、キャバリアは眠りについた。
88 :
◆e6bTV9S.2E
[saga sage]:2018/07/10(火) 03:02:51.47 ID:dGlahWYA0
>>85
もうちょっと休みたいでござる
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/10(火) 13:54:20.92 ID:bH58Fts5O
更新乙なの
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/07/12(木) 11:20:24.56 ID:WOFZS59H0
乙!
とりあえず、物事を性急に進ませようとする人でなくて良かったな
91 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/07/12(木) 18:50:25.00 ID:hWomIivW0
回収組からの連絡を受け、探索組はその場所へ急行していた。内容は養鶏場に関わる資材の発見。拠点の新たな食料供給の為に必要と考えられていたもの。
「(…やっぱ、放浪者さんってとこか?)」
井門は口に出さずそう思う。他のメンバーは移動中、無駄な会話はしないから意思疎通は取れないが、何人かは自分と同じ思いを抱いているはずとも、感じている。
そう感じるのもは、この状況について都合が良すぎること。回収組、平山からの報告は誰も疑っている訳ではない、だからこそ、やはり放浪者と結論するしかない。すでに何度かの奇跡を起こす彼の強運も、誰も疑えないのだから。
他の勢力でこんな都合良いことはあるのかと、考えてみて、少しして井門はそれを放棄した。正直なところ、略奪に身を堕とさざる得なかった頃でも、ここまで都合良いことはない。だから、これは例外的なことだ。
何者かに放浪者が愛されている。起きたこと、もちろんまだその眼で確認していない情報をうのみするのは危険、そう常に判断する井門でさえ、それに疑いがもたげようもなかった。
92 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/07/12(木) 19:17:36.16 ID:hWomIivW0
回収組が今活動している大通りエリア、そこの高速道路へ繋がる大型道路の通りに、報告のあったトラックはあった。トラックは恐らく移動中に惨劇に巻き込まれ、何かの理由でコントロールを失って、最終的に建物に衝突したように、井門には見えた。
お疲れ様ですと、冷静な声と共に平山が探索組を案内する。向かう先にはフェイがいつも通り、元気いっぱい両手を振ってこっちだと誘導していた。
「…しかし、なぜ資材があった?」
「中にあった書面を読む限り、鶏用の餌。及び、鶏を入れるケージの入れ替えの資材。これらを運搬中だったようです」
なるほどと、放浪者は納得する。疑うことに意味はないが、筋は通るなと、井門も周囲を警戒しながら、いろいろと納得した。
回収組が支援を要請することもあり、資材は量が多い。メインが餌で、ケージはそこそこと言ったぐらいか。それでも養鶏場の開発が大幅に進んだことには変わりない。
「うふふ、後は鶏を見つけるだけス!」
「見つかるといいねー」
フェイのやる気になっている姿を見て、一ノ瀬はにこやかに返す。だが、フェイの言うようにそれを入れる為のものは、まだ見つけられていない。そして、拠点のどの場所にそれを用意するかの検討も必要だ。
放浪者も、ありがたい発見だが、まだまだ頭を悩まさなければいけないことは続きそうだと思うのだった。
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/07/12(木) 20:00:59.13 ID:Ra29ZWXa0
でも餌も無限じゃないからな〜、例え鶏を見付けられたとしても、餌を使い切るまでに、新たに作れる様にしておく必要が……
あ、でも、そこを描写しなきゃいけなくなるまでに大形駅エリアを制圧させれば済む話か
94 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/07/12(木) 21:55:52.67 ID:hWomIivW0
六百二十五日目
大型駅エリアバリケード外の探索は、本日をもって終了した。合わせて、回収組が発見したもので養鶏場の資材、鶏の飼料を回収出来た。これで、畜産についてはまた目処がついてきている訳だが、今度はどこにそれを用意するかだな。
基本的にそういったものは街中にあるものではないが、惨劇後の今は管理などの問題を考えればバリケード内にするしかない。とはいえ、発電施設を敷設するエリアのような空き地は今のところない。それこそ、建っている戸建てを解体すればいいかもしれないが、それができる人材、道具、機材がない。それにそうすると騒音も起きるからな。
まぁ、優先されるのはあくまで発電施設だ。それが終わった後にやることが運よく早まったと考えるだけで今いいだろう。
あるいは、研究所で養鶏もやってもらった方が早いかもしれないな。あちらもあちらで忙しいのはわかっているが、こちらよりは敷設もしやすいだろう。検討してもいいかもしれない。
何にしても、バリケード外の任務は終わった。次は発電施設の為のソーラーパネル等の回収任務。気を引き締めていこう。
95 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/07/12(木) 22:42:24.61 ID:hWomIivW0
一ノ瀬DIARY May.8
今日で、大型駅エリアのバリケード外の任務は終わったよ。これで大型駅エリアの半分は終わったことになるのかな。でもまだまだ発電施設とかの任務があるみたいだから、まだまだゆっくりには程遠いかな。
都市の任務が終わったら、のんびり鶏さんとか畑の世話をしたりして過ごしたいな。あとは門日さんに医者としての技術と知識も教えて貰わないと。
それができるのは、まだ先かな。折角養鶏場のものとか見つかったけど、手が付けられる状況じゃないもんね。
でも、フェイちゃんも卵でデザートも作りたいって言ってたから、早く鶏さんがみつかるといいなぁ。
96 :
◆e6bTV9S.2E
[saga sage]:2018/07/13(金) 03:24:25.09 ID:k00/8QJq0
>>89
ありなの
>>90
まぁ、判定結果というところではあるけどね。
>>93
もちろんそういう部分は出てくるね。そもそも鶏さんのお迎えしなければまだ不要な心配だけれど。
しかし、ようやっと時間採れたけど、日にち開いた分やっぱり速度落ちてるねぇ。精進せねば。
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/07/13(金) 16:14:55.94 ID:FE6Tpoe/0
見付かるとして、ヒヨコだとヤバいな。死にやすい
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/07/14(土) 01:21:30.97 ID:/GIi9m5j0
おつ〜
見付けた鶏がゼルダシリーズのコッコみたいだったら最強なのになー
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/14(土) 01:33:12.18 ID:IfNo5LkK0
惨劇初期なら鶏解体で一悶着ありそうだったけど、現状ならするっと首コキしてモツ抜きするんだろうな
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/07/14(土) 18:44:57.57 ID:YigsmFiG0
そしてヒヨコはオスだとカラーに……
101 :
無線機の前に日誌がある
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/07/17(火) 18:35:09.00 ID:q/40Fchb0
5/8 担当喜読 朝
大雨ではありませんが、今日も引き続き曇り模様のようです。
穏やかなものですね。
担当門日 昼
放浪者さんはそう思ってないみたいだけどね。
やるべきことはまだ山積みとはいっているけれど、もう少し休んでもいいんじゃないかね。
担当平山 夜
養鶏場の資材と資料を回収することが出来ました。
当初予定はなかったことではありましたが、これで拠点も大きく進展するでしょう。
102 :
ブレイクタイム
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/07/17(火) 18:48:46.83 ID:q/40Fchb0
【必然か、運命か、幸運か】
「ふん、養鶏場の準備も大まかに整ったらしいな」
「うん。そうみたいだね」
「……。自分はここで古い、これが普通か?」
「うーん。僕らとしてはそうだけどね」
「ふん…。こんな幸運が、自分の勢力でもあればな」
「あぁ、うん。佐田さんはそうだったね」
「世話にならなかった訳じゃない。気にもなる」
「…。冬は来られたといいね。うん」
「超えられた可能性は低い。別の場所に移動したなら、別だろうがな。何にしても、どうなろうとそれが運命という奴だ」」
「………」
「それとも必然か。まぁいい、今は目の前にやれることを優先するだけだ」
「うん、そうだね」
103 :
◆e6bTV9S.2E
[saga sage]:2018/07/17(火) 18:51:29.29 ID:q/40Fchb0
>>97
生まれたばかっりはそうだろうねぇ
>>98
ラスボスよりつよい
>>99
まぁ、少しはあるだろうけど初期よりは抵抗ないだろうね。
>>100
あれってスプレー欠けて速攻で温風かけて定着させるみたいね。
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/07/18(水) 17:52:55.34 ID:DRuYx0LG0
乙!
>>1000
の願いは彼らやストーリーにとって改造チートみたいなもんだからね。そりゃ必然的幸運にもなりますよね
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/21(土) 18:48:21.96 ID:U6p/OeY50
卵の時に色素を注入する方法もあるみたいだね。こっちの方が、孵った後のストレスは少なめらしい
106 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/07/22(日) 17:14:14.47 ID:f1KSze4g0
放浪者は研究所に訪れていた。大型駅エリアにおける任務は半分終了し、再開までに行う任務についての説明。及び、研究所に送られてくる情報を精査する為だ。
会議室にいるのはいつものメンバー、野木、アリス、エクス。野木はいつも通りぶっきらぼうで、アリスは妙に目を光らせている。エクスはいつも通りのはずなのだが、どこかズレを放浪者は感じらせた。言葉にできない程度の違和感は、指摘するに至れない。
「君がここに来てから1年半以上経ち、まさか本当に都市解放を目前に出来るとはな」
「…与えられたことをこなしたまでだ」
当たり前と放たれたその言葉を、他のメンバーは当然、そうとは受け止められるものではない。惨劇後の状況で、1年以上という歳月がかかったとして、ここまでの段階まで持ってこれる勢力を、研究(じぶんたち)を含めて想像できないからだ。
あえて挙げるなら、出来るとすれば、WWPや把握しきれていないレジスタンスぐらいなものかもしれない。だが、今のこの時点で復興に関する情報がないなら、そのどちらもまともな理由で動いていない。そう考えられた。
107 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/07/22(日) 17:15:01.99 ID:f1KSze4g0
放浪者は研究所に訪れていた。大型駅エリアにおける任務は半分終了し、再開までに行う任務についての説明。及び、研究所に送られてくる情報を精査する為だ。
会議室にいるのはいつものメンバー、野木、アリス、エクス。野木はいつも通りぶっきらぼうで、アリスは妙に目を光らせている。エクスはいつも通りのはずなのだが、どこかズレを放浪者は感じらせた。言葉にできない程度の違和感は、指摘するに至れない。
「君がここに来てから1年半以上経ち、まさか本当に都市解放を目前に出来るとはな」
「…与えられたことをこなしたまでだ」
当たり前と放たれたその言葉を、他のメンバーは当然、そうとは受け止められるものではない。惨劇後の状況で、1年以上という歳月がかかったとして、ここまでの段階まで持ってこれる勢力を、研究(じぶんたち)を含めて想像できないからだ。
あえて挙げるなら、出来るとすれば、WWPや把握しきれていないレジスタンスぐらいなものかもしれない。だが、今のこの時点で復興に関する情報がないなら、そのどちらもまともな理由で動いていない。そう考えられた。
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/07/22(日) 17:20:02.11 ID:jOgaLbkM0
二重投稿?これ日では珍しい事が起こったな
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2018/07/22(日) 17:32:42.51 ID:TCwfSNoI0
「…与えられたことをこなしたまでだ」
クールの極み!
110 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/07/22(日) 17:41:44.96 ID:f1KSze4g0
「新興都市にいる千護についてだけどよ、こういう連絡が来てる」
エクスが差し出した書面を、放浪者は受け取る。中に書かれていたのは、彼女が知る限りのレジスタンスに関する情報と、新しく接触しているキャバリアの大まかな情報。そして。
「…今後、連絡は控えるように、か」
「本格的にレジスタンスと接触しなきゃいけねぇが、そのレジスタンスが排他的みてぇだな。野良の2人って装ってた方が、安全って判断じゃねぇかな」
こちらも動き出している状態だが、新興都市もまたレジスタンス接触という、新たな局面を迎えている。2人がいる場所としては、援護に向かえなくもない。ただ、それはかなり限定的なことになる上、到着後の戻りが保証できるものではない。
結局、それぞれがそれぞれで頑張るしかない。レジスタンスの状況があまり良くないことは懸念材料だが、うまくいくことを祈るしかないだろう。その目的は、拠点にとっても重要なことに違いないのだから。
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/22(日) 18:02:19.20 ID:uDdJMUCM0
(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。) ウンウン重要重要
112 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/07/22(日) 18:13:07.06 ID:f1KSze4g0
会議が終わり、用意された自室に戻ることなく、放浪者はアリスの研究室に訪れていた。彼の予想通り、あの目の輝きは新たなファントムシリーズが出来たことによるものだったようだ。
「ふっふっふっフ。今回はファントムジャベリンの発展形だヨ。名称はジャベリンウィング、杭が1発ずつの装填になっちゃったけど、その代わり展開して大きく出来る盾をつけたノ」
「…なるほど」
基本的な原型はファントムジャベリンと違いはない。あるのは、2発目の杭が入っていた部分が無くなり、そこが駆動する盾の部分に置き換わっている。展開してみると左右へ、扇状に盾部分が開く、名称通り翼(ウィング)のように見える。
杭が1つ減った分、重量も従来より軽くなっている。強力な攻撃が1発分なくなることにはなるが、安全性、機動力は高まったと言える。
普段の武装は新しいバージョンで使い、攻撃が求められる場合は元々のファントムジャベリンを使う、そういう切り替えが可能になった。
113 :
◆e6bTV9S.2E
[saga sage]:2018/07/22(日) 18:18:10.07 ID:f1KSze4g0
>>104
まぁ、データ書き換えみたいなものだからねぇ
>>105
なるへそ。まぁ、どっちもどっちだけれど・・・。
>>108
なんかエラったと思ったら投稿されたのよねぇ
>>109
いつも通りでもあるという恐ろしさ
>>111
重要で、もしこの世界で解決したら、残る人は大体超人と人外になってまうんかねぇ
もう少しで予定があるので、いったんここまで。
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/22(日) 23:10:25.73 ID:uaiSNrrV0
いやー、ほんにお疲れさん
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/23(月) 14:41:30.87 ID:4bHvm6lZ0
乙!
新装備良いね!どんどん作ってくれるとワクワク
選びどころを考えなくちゃいけないのはちょっと大変かもだけど
あ、でも、もしかするとそろそろ素材が不足気味だったりするのか?
116 :
◆e6bTV9S.2E
[saga]:2018/07/24(火) 17:57:10.11 ID:Jtxaceav0
「そうそウ、杭まではいかないけど、威力のある武器も作ってみたよ」
その言葉の後にアリスが取り出したのは、小さな斧だった。ハチェットと呼ばれるものをベースにしており、ウェーブソードの技術を応用し、その斧にも高周波の振動により切れ味も向上している。
放浪者の剣技は、我流であるものの他の追随を許さないものに昇華されている。だからこそ、通常、ウェーブソードであったとしても切り払うのが難しい、硬質な物質を2つにわけることができる。しかしそれは、極度の集中力を要求され、繰り返し容易く行えるものではない。
その意味では、斧の持つ役割である叩き切る、それの役割をそれぞれに補佐できる補助武器になるのは確かだった。
「…考えていたより軽いな」
「ふっふっフ、投擲での使用することも考えたからネ。高周波装置があるから、重心のバランスだけ重視して軽量化してるヨ」
補助道具である以上、それはもっともだ。それでなくても放浪者はファントムシリーズで全身を固めている。重量がさらに増えるのは、彼の持ち味を損なわせかねない。
名称は、ファントム・スローアックス。新たに放浪者に追加された武器だ。
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