勇者「作戦タイム!」魔王「よかろう!」

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47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/17(火) 22:51:18.24 ID:FLg06z/i0

僧侶「魔王さん、まだ動いちゃだめですよ!」

魔王「いやー、女戦士ちゃんの一撃、効いたよー。マジで死ぬかと思った」ヘラヘラ

女戦士「この期に及んでまだそんなヘラヘラと……!」

魔王「この期に及んではこっちのセリフだよ。どうしてあの時殺さなかったんだ勇者?」

勇者「お前の目的はなんだ?」

魔王「お前は私に『この世界を闇に染めることだ! ガハハハハ!!』とでも言ってもらいたいのか?」

勇者「それは……」

魔王「勇者と魔王、どちらかが倒れなければこの戦いは終わらない。どちらかの勝負に決着がつくまでは終わらないんだ。お前はこの魔王と勇者の戦いが何年続いているのか、知っているか?」

勇者「………」

魔王「もう200年だ。私は200年もお前たちの様な人間を殺し続けている。どうだ、憎いだろう?」

勇者「ああ、憎い。憎いさ。今すぐにでもお前を殺してやりたい」

魔王「だったらそうすればいいだろう? お前の心の赴くままに自らの使命を果たすがいい」

勇者「なぜ俺たちをすぐに殺さなかった? なぜ俺たちにチャンスを与えた?」

魔王「……お前には命を賭して守りたいものがあるか?」

勇者「ある。この世界と人類の平和だ」

魔王「まっすぐないい目だ。これなら任せられる」

勇者「え?」

魔王「立て、勇者。そして私と一対一で戦え」

女戦士「一対一でだと!!」

魔法使い「無茶じゃ! 5人がかりでようやくここまでこれたのじゃぞ!」

盗賊「ここにきてそれはないっすよ!」

勇者「わかった。お前がそう望むのなら」

くノ一「主様、無茶です!」

勇者「お前の本当の目的、それを暴いてやる」

魔王「………」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/17(火) 22:51:59.27 ID:FLg06z/i0



勇者「はあああああ!!」


ザンッ!!


魔王「ぐっ!」

女戦士「やった!」

魔王「……見事だ。勇者よ」ガクッ

勇者「魔王……」チャキッ

魔王「さぁ、その剣を私に突き刺せば世界に平和が訪れる。お前らにとっての平和がな」

勇者「お前の本当の目的はなんだ?」

魔王「答える義理は無いな」

勇者「答えろ!」

魔王「ふふ……楽しかったよ勇者。そしてその仲間たち。お前達との殺し合いは私の人生の中でも最高のひと時だった」

魔王「さぁ、その手で真の英雄になるがいい。勇者。そして人類の平和を手に入れろ」

勇者「くっそ……」ジャキッ


幼女「父上をいじめるな!」


女戦士「子供? 人間の!? どうしてこんなところに」

魔王「……幼女よ、なぜここに? 隠れていろと言っただろう!」

49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/17(火) 22:52:45.61 ID:FLg06z/i0

幼女「父上は余が守るのだ!」

勇者「この子は一体……」

盗賊「あああ!! この子! ロケットの子っすよ!」

くノ一「なんですって!?」

魔王「……私の子だ。魔族として産まれるはずが人間として生まれてきた」

勇者「そんなことがあるのか?」

魔王「私も魔族として純血では無いからな。可能性としては考えられる」

くノ一「そうか、それで……」

盗賊「どういうことっすか!?」

魔王「勇者、私はどのみちもうじき死ぬのだ。病に侵されている。もって1年と言うところだろう」

勇者「魔王が……死ぬ?」

魔王「私が死ねばこの子は次の魔王に即位するだろう。だがこの子は人間だ。特別な力も何も持たない人間だ。そんな子が魔王になることを許さない魔族は存在する。この子は命を狙われるだろう」

魔法使い「魔王よ。貴様はわしらになにをさせたかったのじゃ?」

魔王「私の命と引き換えにこの子を人間の世界に連れて行ってくれ。頼む……」

魔王「いずれ消えるこの命。この子を守り続けることは難しいのだ」

勇者「お前は俺たちに殺されるためにこんなことを……」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/17(火) 22:54:07.07 ID:FLg06z/i0

魔王「ようやくつかんだチャンスだというのにお前らが弱すぎて驚いたがな」ハハッ

盗賊「じょ、冗談じゃないっすよ! 勇者の兄貴、こんな奴の言うこと聞いちゃダメっすよ! 罠かもしれないっす」

女戦士「……ではなぜ魔王は何度も我々を助けたのだ?」

魔王「そ、それは……」

女戦士「魔王が言っていることが本当なら今までの奇行も説明がつく」

幼女「安心するのじゃ父上! 父上のことは余が守るのじゃ!」

魔王「ああ。ありがとう幼女。愛しているよ」パァァ

幼女「う……」ドサッ

勇者「魔王!?」

魔王「心配するな。眠らせただけだ。勇者、この子を頼む。俺の首ならくれてやる。好きなだけ持っていけ」

勇者「魔王……ああ、わかったよ」

魔王「なぁ勇者。図々しいけどもう一つ頼んでいいか?」

勇者「なんだ?」

魔王「どうせだったら人間だけじゃなく、魔族も幸せにしてくれない?」ヘヘッ

勇者「そりゃ難しいな」

魔王「ま、魔王を倒した英雄様ならできるだろうよ」

勇者「ああ、そうだな」


勇者「俺は、あんたを倒して英雄になる……!!」


ザンッ!!!



51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/17(火) 22:54:39.96 ID:FLg06z/i0




王様「よくぞ魔王を倒した!」

女戦士「お褒めの言葉ありがたく頂戴します」

王様「これで人類の平和は約束されたであろう。お主たちは英雄じゃ。その名は後世にも語り継がれるものとなるであろう!」

王様「ところで……勇者と僧侶の姿が見えぬのじゃがどこに行ったんじゃ?」

女戦士「彼らならもう冒険の旅に出かけました」

王様「なんじゃと?」

女戦士「真の平和を目指す旅です」

52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/17(火) 22:55:08.19 ID:FLg06z/i0




勇者「これでよしっと」

僧侶「できましたね、魔王様のお墓」

勇者「体は魔王城に置きっぱなしだけどな。流石に持っていくことはできないし。形だけだ」

僧侶「幼女ちゃんの様子はどうです?」

勇者「まだ馬車の中でふさぎ込んでる」

僧侶「早く元気になってくれればいいんですが……」

勇者「しばらくは無理だろうな。俺があいつの父親を殺したから」

僧侶「勇者様……」

勇者「とりあえず全部背負っていくよ。魔王の頼みも、幼女のことも」

僧侶「真の平和、探しにいきましょう」

勇者「ああ……」


バァァァン!!


勇者「ぐああああああ!!」

53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/17(火) 22:55:43.75 ID:FLg06z/i0

僧侶「勇者様!? 大丈夫ですか!?」

勇者「な、なんて威力の魔法だ!」

幼女「覚悟しろ! 勇者!」

僧侶「よ、幼女ちゃん!?」

幼女「父上の仇は余がとるのだ!!」

勇者「やめろ幼女!」

幼女「うるさい! うるさい! うるさい!」ゴゴゴゴ

勇者「なんて魔力だ……!」

僧侶「これが魔王の血族の力ですか!? このままじゃ……」

幼女「お前ら人間なんて大っ嫌いだ! みんないなくなっちゃえばいいのだ!」

勇者「くっ、こんな時どうしたら……」ハッ


勇者「さ、作戦タイム!!」

54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/17(火) 23:01:50.36 ID:FLg06z/i0

僧侶「勇者様!?」

幼女「なにが作戦タイムじゃ! くだらん! お前たち人間は今すぐ死ぬべきなのじゃ!」

勇者「お前の父親はそうやって俺たちに時間をくれた。俺たちに考える時間をくれたんだ」

幼女「その結果、お前たちに殺された!」

勇者「違う。魔王は俺たちに託したんだ。この世界の未来を」

幼女「なんじゃと?」

勇者「作戦タイムだ幼女。俺たちに時間をくれ」

幼女「なにを……そんな、そんな戯言! 余が信じると思うてか!!」

勇者「信じてくれ! 必ず、魔王が望んだ世界にして見せるから。絶対にしてみせるから、頼む。俺たちに時間をくれ!」

僧侶「勇者様……」

幼女「……父上が、望んだ世界……」

勇者「頼む。幼女」

幼女「ううう……父上……」

勇者「作戦タイムだ。幼女」

幼女「………よかろう。認めてやる」

勇者「……ありがとう」


<終わり>
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/17(火) 23:02:32.63 ID:FLg06z/i0
以上です。お付き合いありがとうございました。
また妄想が溜まったら投下したいと思います。ありがとうございました。
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/17(火) 23:30:07.27 ID:oz2VdHU4O
都合良くて頭の軽い奴ばかりだね
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/17(火) 23:34:41.11 ID:WCmwtf3po
ヘンダーランドかと
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/17(火) 23:42:29.40 ID:YsDhhAooO
真っ先に浮かぶのはヘンダー
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/17(火) 23:53:40.62 ID:p8+q9g+M0

ギャグで終わらしときゃいいのに
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 00:39:11.27 ID:eTntpfMpo

俺は結構好き
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 00:51:43.37 ID:eQ8eFOA0o
そこまで酷評されるほどかな
確かに急なシリアスよりギャグで終わった方が良かったけど
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 08:37:26.87 ID:gNUhVEZrO
俺は好きだよ
ただ>>46で魔王はなんでの部分が勇者はなんでになってるのが
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 09:50:46.84 ID:7S0rb5kwO
まぁ楽しかったけど重要なところで名前間違いが残念
気絶してるはずの勇者が作戦タイム発言したりとか
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 10:31:40.42 ID:TZ+bFP9k0
勇者課の人だろうか?
おもしろかったです>46の名前間違いがww
うっかり直し忘れ怖いww
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 10:54:04.84 ID:CikQqqMIo
おもしろかったよー
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/23(月) 13:09:01.22 ID:ogJanQK/O
槍本多
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/26(木) 10:19:28.32 ID:8mTDFlPQ0
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