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【ラブライブ!】えりまきほの会
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 00:29:19.13 ID:6af9PLcq0
ラ板で落ちてしまったので立て直し
大学生の春休み(3月)
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1523201358
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/09(月) 00:31:22.05 ID:7lXTTEX1o
スレタイ変えたのか
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 00:31:55.32 ID:6af9PLcq0
穂乃果「海未ちゃんも昔は可愛かったんだよね〜」
真姫「“昔は”って……海未が聞いたら怒るわよ」
絵里「今は可愛くないわけ?」
穂乃果「もちろん今も可愛いけどさぁー」
絵里「ならいいじゃないの」
穂乃果「いやほら、ちっちゃい頃は海未ちゃん人見知りで恥ずかしがり屋だから、『ほのかちゃぁん、ほのかちゃぁん』ってずーっと後ろからついてきて」
真姫「あの海未が? ちょっと想像つかないわよね」
絵里「ねえ」
穂乃果「今考えたらあの頃の海未ちゃん可愛かったなぁって思う今日このごろなんだよ」
真姫「何? 穂乃果ってロリコン?」
穂乃果「ちっがうよ、子供ってやっぱり可愛いんだよ」
絵里「海未って高校の時はもうそんな感じではなかったわよね」
真姫「時の流れは残酷ね」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 00:33:28.40 ID:6af9PLcq0
絵里「真姫もどうしてこんなに捻くれちゃったのかしら」
真姫「うるさいわね、昔からこうだったわよ」
穂乃果「捻くれてる自覚はあったんだ」
真姫「っていうか別に捻くれてませんケド?」
絵里「はいはい、ほら飲んで。全然進んでないじゃないの」
真姫「私のペースってものがあるのよ」
穂乃果「真姫ちゃんってさ、意外と弱いよね」
絵里「そうよね〜、もっとグイグイいくイメージだったけど」
真姫「私アセトアルデヒドが分解できないのよ」
穂乃果「あせと……なんて?」
真姫「CH3CHO」
絵里「あー……なんだか久しぶりに聞いたわ」
穂乃果「何? シースリーピーオー?」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 00:35:50.18 ID:6af9PLcq0
絵里「お医者さんの話は難しいわね」
真姫「まだお医者さんになれるかどうかわかんないわよ、国試もこれからだし」
穂乃果「でシースリーピーオーをバラバラにするの? 真姫ちゃんひどーい」
真姫「あのね、アルコールってつまりエタノールでしょう?それが分解されてまずアセトアルデヒドになるわけ」
穂乃果「エタノールって消毒用の?」
絵里「あれは流石に飲めたもんじゃないわ」
穂乃果「飲もうとしたことあるの!?」
絵里「え、いやまあ……ないけど」
穂乃果「なんだビックリした〜」
真姫「絵里ならやりかねないわよね」
絵里「私のことどう思ってるのよ……」
穂乃果「ヤバイ人」
真姫「アル中一歩手前」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 00:37:26.23 ID:6af9PLcq0
絵里「私がヤバイなら穂乃果も十分ヤバイわよ?」
穂乃果「いやいや私は普通だよ? 絵里ちゃんはちょっと頭おかしいけど」
絵里「何よ、私こそ普通よ。私が世界のスタンダードと言っても過言ではないわ」
真姫「過言でしょ、どう考えたって」
穂乃果「普通の人はウイスキーを2時間で空けたりしないんだよ。ねえ真姫ちゃん」
真姫「ちょっと引くわね」
穂乃果「私ちょっと寝ちゃってて、起きたら一瓶すっからかんになってんの。ええ!? って感じだよね」
絵里「だってあの時は他に何も無かったの、しょうがないじゃない」
穂乃果「だからって、ねえ? 普通全部いく? やっぱり異常だよ、絵里ちゃん酔ったことないもん」
絵里「酔う。酔うわよ。もう今も酔ってるから」
穂乃果「うっそだ〜!」
真姫「ちょっと顔赤い?」
絵里「ね?」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 00:38:21.86 ID:6af9PLcq0
穂乃果「ちょっとだけじゃん。そんなの真姫ちゃんに比べたら誤差だよ。真姫ちゃんいつも最後の方トマトみたいだもん」
絵里「真姫はトマトが好きだもの」
穂乃果「トマトが好きすぎてトマトになっちゃうの?」
真姫「人をトマトの妖怪みたいに言ってくれるわね」
絵里「真姫も本望でしょうね」
真姫「私はご存命よ」
穂乃果「絵里ちゃんはねザルだよ、こういうのを日本ではザルっていうの」
真姫「やっぱりロシアの血?」
穂乃果「あ、そうだウォッカ飲んでよ、ウォッカ。ここあるかな」
真姫「そういえばウォッカって本場だとウォッカって言わないんじゃない?」
穂乃果「えー、じゃあ何ていうの?」
真姫「ほら、エリー」
絵里「私?」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 00:39:25.56 ID:6af9PLcq0
穂乃果「そりゃそうだよ、ロシア人なんだから」
絵里「100%ロシア人ではないけれど」
穂乃果「だいたいロシア人だよ」
真姫「世界地図みたらだいたいロシアだもの」
穂乃果「じゃあ私もロシア人かもね」
絵里「それは言い過ぎ」
穂乃果「ねー、何ていうの〜?」
絵里「えーっと、водкаよ」
穂乃果「うぉどか?」
絵里「ノーノーノー、водкаよ」
真姫「どうして英語とロシア語混ぜるのよ」
穂乃果「やっぱりウォドカじゃん」
絵里「だからводка」
穂乃果「もうウォッカのままでいいや」
絵里「……まあ通じることが一番大事ね」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 00:42:31.97 ID:6af9PLcq0
穂乃果「ロシア語全然わかんないよ、ちょっと考えた人ここ呼ぼう? なんであんな難しくしたのか私聞きたい」
真姫「呼べたとしても多分話通じないわよ」
穂乃果「そこは絵里ちゃんがさ」
絵里「あのね、日本語だって難しいわよ。日本の人ってひらがなとカタカナと漢字、全部覚えてるわけじゃない? これって凄いことよ」
穂乃果「いやいやいや、ロシア語の、あれなんて言うんだっけ? 顔文字とかよく使うよね?」
真姫「キリル文字?」
穂乃果「それかな? 多分それ、あれ絶対書きづらいと思うんだよね」
絵里「慣れればそうでもないわよ?」
穂乃果「絵里ちゃんは頭おかしいからちょっと参考にならないよ」
絵里「あのねぇ……」
穂乃果「あ、そうだ、ロシア語って言ったらあれ。あれ、あれだよ」
真姫「どれよ」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 00:43:32.97 ID:6af9PLcq0
穂乃果「ここまで来てるんだけど、ほら、あれだよあれ」
絵里「お婆ちゃんじゃない」
穂乃果「思い出した、絵里ちゃんの練習着!」
真姫「え? ああ……」
穂乃果「ほら、何かロシア語書いてあったでしょ?」
絵里「そうだっけ?」
穂乃果「そうだよ、あれね私最初シャツ裏返しに着てると思ったの」
絵里「そんなわけないでしょうよ」
穂乃果「わーかんないよあれ。いやほんと『うわ、会長シャツ裏返して着てる……』と思ってさ。どうやったら気付くかなって大真面目に凛ちゃんと話したもんね」
真姫「それで絵里に言いにいったの?」
絵里「私何も聞いてないわよ?」
穂乃果「確かね、希ちゃんとこ行ったら『あれロシア語やで〜』って言われて解決したんだよ」
真姫「今の希のマネ?」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 00:45:52.47 ID:6af9PLcq0
穂乃果「えりち〜、あれロシア語やんな〜?」
真姫「似てる?」
絵里「全然よ。0点」
穂乃果「うわ、会長きびし〜」
真姫「そりゃ生徒会長様は希のこと世界一知ってるわけだもの。体の隅々までご存知なわけだし」
穂乃果「会長やらし〜」
絵里「会長は穂乃果もでしょう? ていうか何その言い方、悪意があるわよ、真姫。飲みなさいほら」
真姫「エリー、これアルハラって言うの」
絵里「私達の間に先輩も後輩もないんだからハラスメントじゃないわ」
穂乃果「運命共同体だからね、三途の川も一緒に泳ぐ約束しましたね」
真姫「私はした覚えがないんだけど」
絵里「いいから、この水あげるわ」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 00:47:33.87 ID:6af9PLcq0
真姫「ちょ、どう見たってさっき頼んでた日本酒じゃない」
絵里「何言ってるの? 水でしょ?」
真姫「穂乃果も笑ってないで助けて」
穂乃果「いやまあ、高いお酒は水みたいに飲みやすいって言うからねぇ」
真姫「そんなにいいやつには見えないわよ」
穂乃果「じゃあまあ真姫ちゃんの代わりにここは私が」
絵里「なら穂乃果」
穂乃果「はい」
絵里「日本語は素晴らしいわね、乾杯とはどう書くの?」
穂乃果「杯を乾かすと書くであります!」
絵里「その通りよ! はい、かんぱーい!」
穂乃果「かんぱーい!」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 00:48:35.37 ID:6af9PLcq0
穂乃果「あ゛あ゛ぁ、効くねぇ……」
絵里「五臓六腑に染み渡るわ」
穂乃果「ごぞーろっぷってどこ?」
真姫「人の体にはね、5つと6つ大事な臓器があってそれをまとめてそう言うのよ」
穂乃果「まーたお医者さんみたいなこと言ってる」
絵里「だってお医者さんだもの」
真姫「だからまだ違うって」
絵里「部活の練習着で思い出したけどさ、あれ穂乃果のも大概じゃない?」
真姫「あー……“ほ”Tね」
穂乃果「いいでしょあれ」
絵里「良くないわよ、最初見た時目を疑ったわ」
真姫「私二度見した」
絵里「私は三度見した」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 00:53:55.21 ID:6af9PLcq0
穂乃果「そんなこといって実は欲しいんでしょ?」
絵里「いらないわよ。どんな思考してたらそうなるの」
穂乃果「いいよいいよ嘘つかなくて、いっぱいあるからさ」
真姫「なんなのあれ、やっぱり穂乃果の“ほ”なの?」
穂乃果「穂むらの“ほ”だよ〜」
絵里「あ、そっち?」
穂乃果「ええ? なんで知らないの? あれね、うちで一枚千円で売ってるから」
絵里「安いわね」
穂乃果「でしょ? 欲しくなってきたでしょ? いいよ、2人にはタダであげる」
真姫「だから欲しくないわよ」
穂乃果「だってタダだよ? タダ」
絵里「タダより怖いものはなんとやらってね」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 00:56:03.25 ID:6af9PLcq0
穂乃果「あれさ、みんなにあげるって言ってるんだけど、誰も受け取ってくれないんだよね」
絵里「それは商材に原因があるの」
穂乃果「“ほ”Tね、ちゃんとカラーバリエーションもあるから」
絵里「多分今年一番いらない情報だわ」
真姫「あれの名前、結局“ほ”Tでいいわけ?」
穂乃果「名前? 私も心の中でずっとそう呼んでたから“ほ”Tでいいんじゃない?」
真姫「大丈夫なの? 看板娘がそんな適当なこと言って」
穂乃果「いいのいいの、だから皆で“ほ”T着ようよ」
絵里「でも私達名前に“ほ”が入ってないし、“ほ”Tに申し訳ないわ」
真姫「“ほ”Tに申し訳ないって凄い言葉ね」
穂乃果「気にしなくていいよー、“ほ”はね、皆に心の中にあるから」
絵里「そんなものは私の心の中にはないのよ。失ってしまったわ」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 00:57:28.32 ID:6af9PLcq0
穂乃果「言ってもね、現代人は誰しも無意識の中に“ほ”を飼ってるんだから」
真姫「飼ってない、飼ってない」
穂乃果「あれ着て皆で一緒に踊ろうよ〜」
絵里「トンデモ集団ね……」
真姫「μ'sの曲でも踊るわけ?」
穂乃果「そうそうそう、っていうかちゃんと覚えてる?」
絵里「だいぶ怪しいかもね、細かいとことか。真姫は今でもピアノで弾けるの?」
真姫「誰が曲作ったと思ってるのよ」
穂乃果「ちょっと絵里ちゃん、西木野大先生に向かって失礼だよ」
絵里「ははーっ、私が悪うございました」
真姫「一応3回までのミスはセーフってことにしましょう」
穂乃果「自信無くさないでよ大先生」
真姫「素面なら平気だから」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 00:58:16.57 ID:6af9PLcq0
穂乃果「別に今弾いてくれとは言わないよ」
真姫「そうなの?」
絵里「酔ってる?」
穂乃果「酔ってるね、水飲む? ほら」
真姫「日本酒でしょうが」
絵里「つまり水よ」
真姫「つまり水なわけないじゃない」
穂乃果「ロシア語だとお水と日本酒がおんなじ発音なんだよ。うっわ、おそロシア」
真姫「私絶対ロシア行かない」
絵里「まあでもグラスも空いたし次のいきましょうよ」
穂乃果「真姫ちゃん何がいい?」
真姫「ジュース」
穂乃果「もうソフドリ?」
真姫「エリーに合わせてたら私死ぬわ」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 00:59:44.19 ID:6af9PLcq0
穂乃果「まあ無理はしないでいいからさ」
絵里「じゃあレッドアイとかいいんじゃない?」
穂乃果「なんだっけそれ。前も聞いた気がするけど」
絵里「ビールとトマトジュースの」
真姫「どうして混ぜるのよ」
絵里「だってカクテルだもの」
真姫「トマトジュースはトマトジュースでいいのよ、トマトジュース単体で完結してるの」
絵里「出たわね、妖怪リコピン娘」
穂乃果「トマトに対するこだわりがもう面倒臭い。あ、冷やしトマトあるよ」
真姫「いいわね。トマトにはね、血中のアルコール濃度を抑える効果があるのよ」
穂乃果「まーた難しいこと言ってるよ」
絵里「屁理屈こねてないで頼みなさい真姫」
穂乃果「じゃあそれとレッドアイ」
真姫「結局?」
穂乃果「無理なら私貰うよ。あ、それか絢瀬宴会部長が全部処理してくれるから」
絵里「じゃんじゃん持ってきなさい」
真姫「味方で良かったわ」
穂乃果「あい。じゃ、すいませーん」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:00:21.26 ID:6af9PLcq0
穂乃果「で、何の話だっけ?」
絵里「トマトがどうして赤いのか?」
真姫「情熱の色よ」
穂乃果「それは答えになってるの?」
絵里「っていうかそんな話じゃなかったわよね」
穂乃果「絵里ちゃんが言ったんじゃん」
絵里「ちょっと真姫〜」
真姫「なんで私」
穂乃果「とりあえず一回謝っとこ」
真姫「ごめん」
絵里「許す」
真姫「許されたわ」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:02:14.35 ID:6af9PLcq0
穂乃果「あ、それでダンスだよ、ダンス」
絵里「箪笥? 箪笥がどうしたの」
穂乃果「ここもできあがってる?」
絵里「私ね、今日結構疲れてるかもしれない」
真姫「なのに来たわけ?」
穂乃果「お酒あるとこに呼んだらこの人だいたい来るよ。木にアルコール塗っとけば多分次の日捕まえられるもん」
絵里「人を虫みたいに……今日は希もゼミの追いコンだって言うからいないのよ」
穂乃果「あー、帰っても誰もいないんだ」
絵里「だから付き合ってよ」
真姫「まあ結局いつも通りじゃないの」
穂乃果「で、μ'sのダンスだよ。箪笥じゃないよ?」
絵里「誰が箪笥とダンス間違えるのよ」
穂乃果「なんなのこの人」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:03:05.05 ID:6af9PLcq0
真姫「いいからそれがどうしたのよ」
穂乃果「それがさ、私ね、こないだ踊ったの」
絵里「何で?」
真姫「何かあった?」
穂乃果「いやなんもないけど、プライベートで、お風呂上がりに」
絵里「服は着なさいよ」
穂乃果「着てたよ、ギリギリ」
真姫「ギリギリ?」
穂乃果「ギリギリ?」
真姫「自分で言ったんでしょ」
穂乃果「まあ、まあ多分着てた。いやそこはいいんだよ」
絵里「それでどうしてまたそんな突然」
穂乃果「なんかもう曲がさ、急に頭の中で流れ出しちゃって」
絵里「これは踊るしかないな、って?」
穂乃果「そうそう」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:05:00.80 ID:6af9PLcq0
絵里「先生、これは耳鼻科がいいですか」
真姫「精神科案件かもしれないわ」
穂乃果「ちょっとちょっと、別に病んでないよ」
絵里「突然頭の中にミュージックが鳴り響いたら踊りだす? そこが電車の中でも?」
穂乃果「真姫ちゃんなら一緒にやってくれるよ」
真姫「いや一緒にしないでよ、私知らない人のフリするから」
穂乃果「やってみたらけっこうちゃんと覚えてて感動するよ〜、でもさ、やっぱりちょこちょこ忘れてるとこあるの」
絵里「そりゃあね、完璧にはやっぱりもう無理よね」
穂乃果「なんかそれ、高坂的には凄いショックだったの。だって何十回何百回って練習したじゃん?」
真姫「まあそう言われると、確かにショックね」
絵里「あー、青春の記憶が蘇るわ」
穂乃果「ショック過ぎて、昔の動画あるかなと思ってネットで探したもんね」
真姫「そりゃ何かしらはあるでしょうよ」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:06:43.66 ID:6af9PLcq0
穂乃果「あったんだよねまあ。でも私達のじゃなくて最近の子が動画撮ったやついっぱいあるの、知ってる?」
絵里「本物は?」
穂乃果「あったけど見てない」
真姫「そこ見ないとだめでしょ」
穂乃果「だって気になるじゃーん。で再生数多いの見て、何か違った気がしたけどさ、これはこれでアレンジ効いてて良いいなって。見る? 後で動画送るから見てよ。こっちの方が良くない?」
真姫「オリジナルがフォロワーに影響されてどうするの」
穂乃果「これさぁ、何で絵里ちゃん先に思いつかなかったかな」
絵里「そこで私に矛先向く?」
穂乃果「振り付け責任者だもん」
絵里「全部私が決めてたわけじゃないけれど。ちなみにそれは何人くらいで踊ってたの?」
穂乃果「えー? 2人だったかな」
絵里「それよ。あのね、世の中のだいたいの振りっていうのは私が先に思いついてるのよ」
真姫「大きく出たわね」
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:08:09.00 ID:6af9PLcq0
絵里「甘くみるんじゃないわよ。思いついてたけどやらなかっただけ。いい? バランスってものがあるの」
穂乃果「バランス?」
絵里「9人いるわけじゃない? それがね、全体を意識してステージ上で美しく見える構成ってものを考えた結果が、μ'sのダンスなの」
穂乃果「えー、すっごい考えてる〜」
絵里「PVのカメラ割りとかも合わせて考えるのよ? 適当なことやってたんじゃないんだから」
穂乃果「卒業してから初めて知ったよ、会長かしこい」
絵里「かわいい、エリーチカ、はいハラショー」
穂乃果「真姫ちゃん、ハラショーいただきました」
真姫「ほとんど一人でやっちゃってるじゃない」
穂乃果「本日ハラショー1発目?」
真姫「多分ね」
穂乃果「あ、じゃあ後9回ハラショー言ったら今日絵里ちゃんの奢り」
絵里「またそれやるの? 私それで奢った記憶ないわよ」
穂乃果「今日こそはだよ、10ハラショーチャレンジ」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:11:16.42 ID:6af9PLcq0
絵里「あなた達途中から数えてないじゃないの」
穂乃果「いやなんか上手いことさ、ここ2人が忘れてるタイミングでハラショー入れてくるじゃん、ほんとそういうとこ、こずるいよ」
真姫「今日も私達が覚えてないだけでもう8回くらい言ってるんじゃない?」
穂乃果「それだ! いやほんと上手いな〜、今日はあと2ハラショーにしよう」
絵里「待ちなさい待ちなさい」
真姫「あと2回なら余裕ね」
絵里「じゃあもう私喋んないわよ」
穂乃果「それはズルいよ、真姫ちゃんなんか聞いてあげて」
真姫「そうね、希とはどうなの?」
絵里「ええ? 言わない」
穂乃果「ズルいズルい、気になるよ。今月の希ちゃん情報」
絵里「別にぼちぼちよ」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:12:46.52 ID:6af9PLcq0
穂乃果「ぼちぼちって言ったって色んなぼちぼちがあるじゃん。いいぼちぼちと悪いぼちぼちがさ」
絵里「“ぼち”が多いわ」
穂乃果「だってなんかぼちぼちって言葉面白くない? ね? 多分粒あんだよね」
真姫「はぁ?」
穂乃果「ごめん、私もよくわかんない」
絵里「穂乃果って何も考えずに喋る時あるわよ」
真姫「普段からでしょ」
穂乃果「いやいやいや、まあそうなんだけど」
真姫「あ、わかったわ。きっと穂乃果は世の中の物事を全てこしあんか粒あんかに分別できるのよ」
絵里「それ何か役に立つ?」
真姫「粒あんだからこしあんだから何なの?って話ね」
穂乃果「真姫ちゃん言ったんじゃん」
絵里「その能力で我が社にどんな貢献ができますか」
穂乃果「うわ、急に面接始まった」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:13:40.08 ID:6af9PLcq0
絵里「だって穂乃果も今年就活でしょう?」
真姫「ああ、そうね……穂乃果が働いてるとこって想像つかないわね」
穂乃果「いや私めちゃくちゃバイトしてるからね」
絵里「あ、そうだ実家継げばいいじゃない」
真姫「それで粒あんこしあんのスキルが活かされるのね」
穂乃果「和菓子屋でも使わないんだよそんなの」
絵里「でも和菓子屋さんね〜、朝とか早そうだけど大丈夫?」
穂乃果「いや……継がないよ?」
真姫「えっ?」
絵里「ええっ!?」
穂乃果「まあ、しばらくはって意味だけど」
真姫「なによそれ話が違うわ」
穂乃果「話してないからね」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:15:21.41 ID:6af9PLcq0
絵里「じゃあどうするの」
穂乃果「まあ就活? 一回社会に出て勉強してこいってさ」
絵里「社会勉強ねぇ」
穂乃果「あとお婿さん見つけてこいって」
真姫「なに? 不倫?」
絵里「まさか……海未のこと話してない?」
穂乃果「だって実際言えないでしょ〜」
真姫「まあ、ねえ……」
絵里「実は私、女の子と付き合ってるんですよ〜、とはね」
穂乃果「でしょ? 絵里ちゃんとこは知ってるの?」
絵里「私も親には言ってない」
真姫「あっちって宗教的にそういうの厳しいんじゃないの?」
絵里「んー、言ったらロシアに帰れなくなるかもしれないわね」
穂乃果「えー、じゃあそれうちよりきついじゃん」
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:16:19.71 ID:6af9PLcq0
真姫「でも絵里的には希と付き合うのはいいわけ?」
絵里「だってもう、好きになっちゃったものはしょうがないじゃない?」
穂乃果「わお、今の聞きました西木野さん?」
真姫「しっかりと」
穂乃果「名言ですよ」
真姫「好きになっちゃったものはしょうがない、ね」
絵里「やめなさいって」
穂乃果「でも実際そういうことなんだよね。真姫ちゃん恋ってするものじゃなくて、落ちるものなんだから」
絵里「それこないだ私が言った」
穂乃果「そうだっけ? あ、なんかスッと出てきたなと思ったらそういうことか。さすがは愛の伝道師」
真姫「エリーは愛の星で生まれたんだもの」
絵里「地球に愛を伝えに来たのよ」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:17:24.02 ID:6af9PLcq0
穂乃果「私の色んな知識、絵里ちゃんから来てるからね。師匠だよ」
絵里「大いに敬いなさい」
穂乃果「じゃあついでに聞くけど周りになんて説明してるの? 今一緒に住んでるわけだよね?」
絵里「周りに? 仲いい人以外には私ルームシェアって言ってる」
真姫「バレるでしょ」
絵里「いやバレてないわ」
穂乃果「バレバレだよそれ」
絵里「まだバレてないのよ」
穂乃果「まだ?」
真姫「怪しいわよ」
絵里「あー……でも、私これ言ってなかったんだけど希が留学してた時期に一回ね」
穂乃果「絵里ちゃんマジギレ事件の時?」
絵里「いやだから別に切れてないわよ」
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:18:39.58 ID:6af9PLcq0
真姫「何言ってるのよ、あの時は本当に面倒だったんだから」
穂乃果「会うの怖かったもんね」
絵里「だから怒ってなかったって。あのね、私怒らせたらあんなもんじゃないから」
穂乃果「変なキレ方するんだよなこの人」
絵里「だって……だってよ? 百歩譲って留学自体は良いわ」
真姫「まだ怒ってるの?」
絵里「だから最初から怒ってないのよ、別に4年の時期に行くのもそれで卒業が1年遅れるのも希が納得してるなら良いもの」
穂乃果「じゃあいーじゃん」
絵里「でもね!」
真姫「でも?」
絵里「それを私に黙って決める!?」
真姫「まあまあまあまあ」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:20:03.49 ID:6af9PLcq0
絵里「私聞いたの事後報告よ?」
穂乃果「どんな感じだっけ?」
絵里「エリチ〜、ウチな、何月の何日に留学行くねーんって」
穂乃果「さすが、モノマネのクオリティが」
真姫「仕上がってるわね」
絵里「笑い事じゃないのよ……ねえ、私達付き合ってるのよね?」
穂乃果「もしかしたらそう思ってるの絵里ちゃんだけかもよ?」
絵里「!?」
穂乃果「ごめん。ウソ。ほんとにウソ。冗談だよ。今のはごめん」
絵里「そうよね……私の気のせいじゃないわよね」
穂乃果「今のは私が悪かったって、ほんとごめん」
真姫「大丈夫よ絵里、希のエリチLOVEは相当なものだから」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:20:51.96 ID:6af9PLcq0
穂乃果「ほんとだよね、今でもアッツアツだし。羨ましいよ私」
絵里「本当?」
穂乃果「ほんと」
絵里「嘘ついてない?」
穂乃果「ついてない」
絵里「愛してる?」
穂乃果「愛してる」
絵里「じゃあわかった……」
穂乃果「いや最後のは私よくわかんないけど」
真姫「まあ希って秘密主義みたいなとこあるわよね」
絵里「そうなのよ!」
穂乃果「でもさ、その留学の話、相談してたらしてたで絵里ちゃん引き止めたでしょ?」
絵里「止め…………ないけど?」
真姫「今の間が全てじゃない」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:23:21.32 ID:6af9PLcq0
絵里「それでも一回くらい私に相談して欲しかったのよ」
真姫「まあ、そうね」
絵里「その時は確かに引き止めるかもしれないわよ? でも気持ちを整理して心よく送り出す方向になってたのよ、そうしてたら」
穂乃果「あー、それはわかるよ」
真姫「穂乃果は一回ドタキャンさせたものね」
穂乃果「うぅん……まあ、急に言われるとどうしてもね。ちょっと考える時間が欲しかったんだよ」
絵里「そうでしょ?」
真姫「まあ絵里の気持ちもわかるけれど、希からしたらそれもしょうがなかったのよ」
絵里「真姫はいつも希の肩持つわよね」
真姫「だって大学4年になって、もう留学なんて行くタイミング他にないじゃない? 絵里って頑固だし万が一説得に時間かかるようなことを考えたら事後承諾で済ますしかなかったのよ」
絵里「希と同じようなこと言ってる……」
真姫「実はこれ、直接希から聞いたのよ」
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:24:31.68 ID:6af9PLcq0
穂乃果「でも実際さ、多分こんなかで一番希ちゃんに感覚近いの真姫ちゃんだよね」
絵里「確かにね、似てるとこあるのよ」
真姫「私も希の言ってることって割とすんなりわかる気がするのよね」
穂乃果「もう絵里ちゃんさ、真姫ちゃんのこと希ちゃんだと思って、あのとき思ってたこと言ったげなよ。それで今日スッキリしよ」
真姫「受けて立つわよ」
絵里「じゃあ……希」
真姫「うん」
絵里「……」
真姫「……」
絵里「今日も綺麗ね」
真姫「んふっ」
穂乃果「ちょっと真姫ちゃん! 照れないでよー!」
真姫「いやっ、どう言い返してやろうかと思ってたら完全に想定外のとこから来たの」
絵里「だから私、元から怒ってないんだって」
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:25:35.50 ID:6af9PLcq0
穂乃果「荒れに荒れてた人がよく言うよ」
真姫「そうよね、呼び出される度作戦立ててたもの」
穂乃果「今日はどうやって無事に帰ろうかってね」
絵里「え、何? そんなことしてたの?」
穂乃果「まあまあまあ、希ちゃん帰ってきてくれてよかったよ。あ、けどさ、希ちゃん行ってる間ちゃんと絵里ちゃん待ってたんだから偉いよね」
絵里「そりゃあね、待つわよ」
真姫「まあそうなるわよね」
穂乃果「まあねぇ」
絵里「待つしかないもの。あ、それでさっきの話」
穂乃果「なんだっけ?」
真姫「トマト?」
絵里「戻りすぎ」
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:26:43.45 ID:6af9PLcq0
穂乃果「トマトはもう終わったんだよ」
真姫「何言ってるの、トマトは無限に話せるわ。トマトのポテンシャルを信じなさい」
穂乃果「トマト会はトマト会でちょっと今度別枠でやろう、ね?」
絵里「じゃなくてほら、希がいない時期にね、私どうも誘われてたみたいなの」
穂乃果「あ、なんかそんな話だっけ」
真姫「モテ自慢?」
穂乃果「そりゃ絢瀬さんはおモテになりますよ」
絵里「それほどでもあるけれど」
真姫「で、何? ヤったの?」
絵里「なわけないでしょ。不貞は死で償うルールだから」
真姫「バイオレンスなルールね」
絵里「っていうか私最初全然気づかなくて、後で気づいたのよね」
穂乃果「絵里ちゃんさ、初対面の人に冷たすぎるんだよ、怖いって」
絵里「これでも丸くなったわよ?」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:27:44.29 ID:6af9PLcq0
真姫「これで丸く?」
穂乃果「心臓弱い人だったら絵里ちゃんと会ったら死ぬよ?」
絵里「それは嬉しくてでしょ?」
穂乃果「まあそういうこと」
絵里「で、最後言われたのよ、『やっぱり絢瀬さん、男に興味ないんだ』って」
穂乃果「あ、バレてんじゃん」
絵里「いやバレてない」
穂乃果「いやバレてるよ、ねえ真姫ちゃん」
真姫「バレバレよ」
絵里「いやバレてないのよ」
穂乃果「いやバレてんだよ、やっぱりって言われてるじゃん」
真姫「疑惑が確信に変わったんでしょうね」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:28:41.69 ID:6af9PLcq0
絵里「いえ、実際はやっぱりとは言ってなかったかもしれないわ」
穂乃果「でも最初から疑われてたんでしょそれ」
絵里「何で?」
穂乃果「何でって……そりゃこんな美人さんにずっと恋人の噂がないんだからさ」
真姫「そうじゃなければよっぽど内面に難があるかよね」
絵里「あれ? 真姫?」
真姫「やかましいわよ」
穂乃果「真姫ちゃんは高嶺のフラワーだからいいんだよ」
真姫「そうなのよ」
絵里「そうなのよって、あなた」
穂乃果「ちなみにご予定は?」
真姫「白紙だけど」
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:30:23.63 ID:6af9PLcq0
絵里「そろそろ真姫のそういう話聞きたいわね。私、真姫に愛を伝えないと星に帰れないのよ」
真姫「良いわよ、ずっと地球にいなさいよ。希を置いて帰れないでしょ」
絵里「あ、そうだわ」
穂乃果「希ちゃんも連れてけばいいんじゃないの?」
絵里「来てくれるかしら?」
穂乃果「大丈夫だよ〜、ラブラブだもん」
真姫「私に付いてきなさいとか言ったらイチコロよ」
絵里「そう?」
穂乃果「そうそう、そうだよ。あ、それで真姫ちゃんは恋愛に対してどうなの、まだ全然?」
真姫「興味ないわね」
絵里「それね……だから私と同じこと言ってるのよ。高校の時までの私」
穂乃果「言ってたよね、絵里ちゃん。それが今はこうだよ」
絵里「こうって……指をさすんじゃないわよ」
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:31:51.85 ID:6af9PLcq0
穂乃果「いやだって、こうだよ。真姫ちゃんも2年後に出身地、愛の星になってるよ」
真姫「どこにあるのよ愛の星」
穂乃果「多分おとめ座あたりだろうね」
真姫「最近感じるのは2人の話を聞いてる限りは面白いけれど、自分がそうなると思うと面倒なのよね」
穂乃果「や、そんな面倒なことばっかりじゃないよ」
絵里「確かに悪いこともあるけど、良いこともいっぱいあるわよ」
穂乃果「ぶっちゃけさ、真姫ちゃんはどっち側なの?」
真姫「どっち側って?」
穂乃果「ほら、絵里ちゃん側か、普通か」
絵里「私と穂乃果側かでしょそれ」
真姫「私はノーマルだけど」
穂乃果「いやいやいやいや」
真姫「聞いといて勝手に否定しないでよ」
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:32:36.45 ID:6af9PLcq0
真姫「聞いといて勝手に否定しないでよ」
穂乃果「いや、ねえ。私いるじゃん? 絵里ちゃんもいるじゃん? ここ2人に挟まれたら真姫ちゃんもそうだよ」
真姫「オセロ理論はやめなさいって、それ言われたら私もうどうしようもないわよ」
絵里「堪忍しなさいよ、真姫」
真姫「私は断固抗議するから」
穂乃果「でも真姫ちゃんも結構おモテになるでしょ?」
真姫「同性から?」
穂乃果「そうそう」
真姫「まあ……否定はしないけどそれってμ's時代のファンって扱いでしょ?」
穂乃果「そうなるのかなぁ」
絵里「ファンに手を出したの?」
真姫「何聞いてたのよあなた」
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:33:27.87 ID:6af9PLcq0
穂乃果「じゃあカテキョの娘は?」
真姫「は?」
絵里「関係は進んだ?」
真姫「いや狙ってないのよ」
穂乃果「JKだよね? 真姫ちゃん18歳以下は犯罪だよ」
真姫「だから狙ってないし。私はね、あなた達とはオーラからして違うと思うの」
絵里「何、スピリチュアルな話?」
穂乃果「やっぱ真姫ちゃんって希ちゃんに似てるよね」
真姫「まあオーラっていうか、雰囲気がね」
穂乃果「雰囲気、ね」
真姫「絵里なんか、出ちゃってるわよ」
穂乃果「女好きの雰囲気が? まあ絵里ちゃんはね、そんな感じする」
絵里「待ちなさいよ、女の子なら誰でもいいわけないでしょうが」
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:34:30.27 ID:6af9PLcq0
真姫「ちなみに穂乃果も出てるわよ」
穂乃果「私!?」
絵里「実際そうじゃない」
穂乃果「いや、まあ……そうだけどさ。絵里ちゃんと一緒にされるのは困るよ」
絵里「同じよ!」
穂乃果「じゃあ真姫ちゃんも一緒だよ!」
真姫「私は違うわよ」
穂乃果「いやいやいやいや」
絵里「それはないわ」
真姫「それこそないわ」
絵里「どんな根拠があってそんな風に言えるのよ」
真姫「あのね、絵里も穂乃果も、2人はね、独特なのよ。高校のときから」
穂乃果「そんなに前から?」
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:35:48.80 ID:6af9PLcq0
真姫「そうね、普通の人とはあなた達違うの」
穂乃果「いやいやいや、そんなことないよ、私なんてその辺にいっぱい歩いてるもん」
絵里「穂乃果がいっぱい……?」
真姫「もしそうだったら日本が滅びるわよ」
穂乃果「ちょちょちょ、なんか意味おかしくない?」
真姫「別に変な意味ではなくて」
穂乃果「そうなの? え、まあ、いや確かに絵里ちゃんはオンリーワンだったけど」
絵里「私こそ、その辺にいっぱいいるわよ」
穂乃果「な訳ないじゃん。絵里ちゃんなんか遠くにいてもわかるもん。あれ絵里ちゃんかな? と思ったらだいたい絵里ちゃんだよ」
絵里「髪色でしか判断してないでしょ、イギリスとかフランスとかの私なのよそれ。別人なのよ」
穂乃果「いやもう、絵里ちゃんすぐわかるよ。わかりやすさで言ったらハチ公前、109、絵里ちゃんとこ、みたいな括りだもん」
絵里「あなた適当なことしか言わないわね」
穂乃果「違う違う、私大真面目だよ」
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:38:25.99 ID:6af9PLcq0
真姫「待ち合わせ場所なら穂乃果前も十分使えるわよ?」
穂乃果「私なんか一般人だよ、誰からも気づかれないよ」
絵里「一般じゃないのは一般人とは言わないのよ」
穂乃果「ひどくない? そんな言い方する?」
真姫「リーダーだから一般とは程遠いの」
絵里「そうよリーダー」
穂乃果「都合のいい時だけリーダー呼ばわりするよね?」
真姫「穂乃果は永遠に私達のリーダーよ」
絵里「そうよリーダー、私を導いて」
穂乃果「納得いかないなぁ」
真姫「少なくともね、普通を自称するならスクールアイドルで廃校を救おうなんて思いつかないのよ」
穂乃果「え……まあ、いや……そうなのかな」
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:39:46.16 ID:6af9PLcq0
真姫「二人とも異彩を放ちすぎてるのよね。マイノリティだって聞いても私別に驚かなかったもの」
絵里「真姫は私達を褒めたいの? 貶したいの?」
真姫「別にどっちでもないわ。ただ二人ともかなり特殊……っていうか独特なのよ。その他大勢の中には絶対に埋もれないわよ」
穂乃果「真姫ちゃんも大概だよねぇ」
絵里「そうよね」
真姫「断言するけどあなた達程ではないわ」
穂乃果「……」
絵里「……」
真姫「わかった?」
穂乃果「まあ……断言までされちゃったらね」
絵里「ええ……つまり、私が穂乃果に対して抱いているようなイメージを私自身にも持たれてるってことよね」
真姫「そういうことね」
穂乃果「え、何? 私のことどう思ってるのそれ」
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:40:28.01 ID:6af9PLcq0
絵里「いや、凄い人だなぁって。別に変な意味ではなくて」
穂乃果「なんかぼやかしてるよね? ね?」
絵里「違うわよ。私これ本気で思ってるから」
穂乃果「ほんと? 嘘ついてない?」
絵里「本当よ、本当。愛してるわ」
穂乃果「え? あ、私も。聞こうと思ったのに先言われちゃったよ」
真姫「なんなのよそれ」
絵里「やっぱり愛が地球を救うのよ」
穂乃果「かなぁ? あ、私次カシオレにしよ」
真姫「何かわい子ぶってるの」
穂乃果「ぶってないよ。そんなこと言う?」
絵里「焼酎にしなさい」
穂乃果「何で絵里ちゃん決めるの?」
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/09(月) 01:42:13.91 ID:6af9PLcq0
絵里「2人して可愛いカクテルで私だけ日本酒なんて、このテーブル1人だけ酒飲みがいると思われるじゃない」
真姫「実際そうよ」
穂乃果「思われなよ」
絵里「そんな事言わないでよほのか〜」
穂乃果「ええ〜、じゃあウーロンハイとか?」
絵里「それがいいわね」
穂乃果「真姫ちゃんは? いい? 絵里ちゃんはそれおかわりでいいの?」
絵里「私ハイボール」
穂乃果「はいはい」
絵里「濃いめでね」
穂乃果「自分で言いなよそれ」
絵里「ねえリ〜ダ〜」
穂乃果「ほんと、都合のいい時だけさぁ……まあ良いけど」
真姫「さすがよリーダー」
絵里「スパシーバ」
穂乃果「あいあい。すいませーん」
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/09(月) 01:44:31.64 ID:6af9PLcq0
続く
>>2
言うほど最初海未ちゃんの話しなかったのでこっちの方がわかりやすいかと思って変えました
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/09(月) 01:59:04.31 ID:56rAIG1oO
建て直しありがとう
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/09(月) 09:03:30.91 ID:RjGqOPF00
続いた!やった!
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/10(火) 14:12:30.24 ID:bNekNwiKO
楽しみにしてる
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/11(水) 01:23:48.56 ID:9/zi8dPR0
絵里「話戻るけれど真姫、同性じゃなくても、医学部って男子の方が多そうだけどそういうのないの?」
真姫「まあ実際医者って男社会よね」
穂乃果「そしたらもうお医者さん選び放題じゃん」
真姫「でも私、本気でそんな暇ないのよ」
穂乃果「そんなに忙しい?」
絵里「なんだか聞いた感じ、常にテストの勉強してるわよね」
穂乃果「まとめてやればいいのに」
真姫「そうしてほしいわよ、私も」
穂乃果「あの分厚い教科書? 全部覚えるんでしょ?」
真姫「全部じゃないけど、だいたいね」
絵里「やっぱりお医者さんって大変ね」
穂乃果「真姫ちゃん偉いよ」
絵里「本当偉いわよ。医療って、新しい治療法とか薬とか毎日開発されてるわけじゃない? お医者さんになってからも勉強するんでしょう?」
真姫「まあそうなるわよ」
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/11(水) 01:24:53.31 ID:9/zi8dPR0
穂乃果「あー、私なら絶対無理だそれ」
絵里「真姫のこと敬いなさいよ、多分ここ半径100メートルの中で一番偏差値高いんだから」
真姫「その半径100メートルの中の偏差値に何の意味があるのかはわからないけど」
穂乃果「わ、なんだか頭良さそうなこと言ってる」
真姫「バカにされたわ……」
穂乃果「いやいやいや、そんなつもりじゃないって。真姫ちゃんがおバカなら私なんかミジンコ以下になっちゃうよ」
真姫「ゾウリムシくらいよ」
穂乃果「褒められた?」
絵里「世の中にはね、知らなくてもいいことがあるわ」
穂乃果「そう?」
絵里「そう」
真姫「そうね」
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/11(水) 01:25:59.92 ID:9/zi8dPR0
穂乃果「ふーん……でも真姫ちゃんはさ、今は余裕がないからできないだけだよね。余裕ができればすぐできるってことだよね」
真姫「作れないんじゃなくて、作らないだけだから」
絵里「言うわね」
穂乃果「だって真姫ちゃんだし」
絵里「確かに」
真姫「そうね」
穂乃果「そうねって。真姫ちゃんってさ〜、恋したらどんな感じになる?」
絵里「私ね、極端だと思うのよ。『恋愛? やっぱり面倒ね』とか言って今と全然変わらないか、もうあり得ないくらいベッタベタに惚れるかどっちかよ」
真姫「私もそんな気がする」
穂乃果「ぽいよね、真姫ちゃんに中途半端はないよ。もう貢ぐか貢がせるかの勢いだね」
真姫「何言ってるのよ、そこまでではないわよ」
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/11(水) 01:27:06.64 ID:9/zi8dPR0
絵里「いやそうよ、セックスもサッとやってサッと終わるかねっとり一晩中かけるかのどっちかね」
真姫「そう?」
穂乃果「そうだねー! どっちかだよ、どっちだろうなぁ」
絵里「真姫どっちなの? 早く教えて?」
真姫「私だってわかんないわよ、実際そうなってみないと」
穂乃果「彼女でも彼氏でもいいけどできたら早く教えてよ」
真姫「まあ近いうちにね」
絵里「じゃあ話変わるけど、穂乃果は何て言ってるの?」
穂乃果「何を?」
絵里「海未との関係」
穂乃果「あー、その話?」
真姫「っていうか穂乃果が最初に言い出したんじゃない?」
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/11(水) 01:27:44.03 ID:9/zi8dPR0
穂乃果「そっか、そうだっけ。いや、私もはっきりとは言ってないんだけど、付き合ってる人がいるとは言ってる」
絵里「それはバレてるわね」
穂乃果「そうなのかな」
真姫「皆気を使ってるのよ」
穂乃果「ええ? そうなの? まあ私下ネタとかわかんないときあるからね、おかげで凄い清純派みたいなキャラになってるんだよ」
真姫「女子校育ちの」
穂乃果「そうそう」
絵里「アイドルだからイメージは壊しちゃダメよ」
穂乃果「元だからもう一般人だけどね。あれ? 私一般じゃないのか」
真姫「永遠のリーダーだもの」
絵里「穂乃果はキャラ濃いのよ、きっとアメリカとか向いてると思うわ」
穂乃果「向いてるの私?」
真姫「そもそもアメリカに向き不向きがある?」
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/11(水) 01:28:17.04 ID:9/zi8dPR0
絵里「あるのよ。希が言ってたんだけどね、向いてる人と向いてない人がいるんだって」
穂乃果「へえ」
絵里「向いてないのはほら、せっかく留学とか行っても日本人どうしでコミュニティー作っちゃって、現地であんまり友達作らない様な人」
穂乃果「え、それもったいないよ〜」
絵里「でしょ? 穂乃果はそう思うタイプでしょ? あと受け身な人もダメだってね」
真姫「穂乃果は主体性の塊よね」
穂乃果「え? え? そうかな」
絵里「主体性が服着て歩いてるようなものよ」
穂乃果「そう? そうなのかな? え、なんか全然私一般じゃないじゃん」
真姫「だからそうなのよ」
穂乃果「実は私アメリカ人?」
絵里「やっぱり向いてると思うわ」
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/11(水) 01:28:45.56 ID:9/zi8dPR0
穂乃果「じゃあ私も留学行けばよかったかもね。あ、それでさっきの話だけど海未ちゃんの家にはちょっと気づかれてるかもしれないんだよ」
真姫「付き合ってますってこと?」
穂乃果「それ」
絵里「そっちにも言ってないのね」
穂乃果「うちに言ってないのに先に海未ちゃんとこに言わないよ〜、海未ちゃんも言ってないと思う」
真姫「でもだいぶグレーだと思うわよ」
穂乃果「海未ちゃんしょっちゅううち来てるからね」
絵里「けど何も言われてないんでしょ?」
穂乃果「まだね、まだグレーだから。でもかなり怪しまれてるんじゃないかな」
真姫「もう穂乃果と海未の今までの関係考えたら、言っても大丈夫じゃない?」
穂乃果「大丈夫? でも万が一、万が一ね、何かあったらさ……海未ちゃん家継ぐだろうし」
絵里「ん〜、難しいわね」
穂乃果「あ、それで今日の本題だよ」
真姫「今更本題?」
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/11(水) 01:29:52.79 ID:9/zi8dPR0
穂乃果「や、だってさ、二人して変な方向に話進めるんだもん」
真姫「穂乃果だって加担してたじゃないの」
穂乃果「私のせいにしないでよー」
絵里「それで、本題って?」
穂乃果「いや、まあさ……そろそろはっきりさせた方が良いのかなって思うんだよね。絵里ちゃんて希ちゃんとこれから先どうする?」
絵里「どうするって、別にどうもしないけど」
穂乃果「けどもう3年とか4年付き合ってるわけじゃん? で、今一緒に住んでるわけだし」
真姫「まさか、結婚?」
穂乃果「まあ、そういうことだよね」
絵里「でも実際問題、私達結婚できないのよ」
穂乃果「そうだけどさ、私の友達もそんくらい付き合ってね、大学卒業ってなって就職も決まったらその先の話が出てくるんだよね」
真姫「絵里なんかまさに4月から社会人ね」
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/11(水) 01:30:30.32 ID:9/zi8dPR0
穂乃果「だからさ、こう……いつまでもダラダラ付き合ってていいのかなって」
絵里「結婚……とは言わなくても将来のことを見据えたとき、これから先どうしたらいいかってことかしら」
穂乃果「そういうこと、かなぁ」
真姫「難しいこと考えてるのね……」
穂乃果「そりゃ私だって多少は考えるよ、就活もあるし。海未ちゃん子供欲しいって言ってるんだよね」
絵里「それ、希も言ってるのよ」
真姫「最近は人工受精とか体外受精とかあるし、大丈夫よ。日本でも何件か例があったと思う」
穂乃果「けどねぇ……」
絵里「ちょっとまだ想像できないわよね」
穂乃果「そうなんだよね」
絵里「簡単なことじゃないし、まだ働いてもいないわけだし」
真姫「今すぐじゃなくてもそういう手段もあるってことよ、覚えておいて損はないと思うけど。同性婚自体もフランスとかならできるらしいじゃない」
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/11(水) 01:31:31.29 ID:9/zi8dPR0
穂乃果「でもそのために海未ちゃん連れだす?」
絵里「永住権取らないとダメだものね。結局日本じゃ意味ないし」
穂乃果「そうなんだよ、海未ちゃんはやっぱり家がね、あるから」
絵里「でもね、私は別にしばらくこのままでもいいかなって思ってるのよ」
穂乃果「それはやっぱり良くないんじゃない?」
絵里「そう? 別に同棲したから特に何か変わったってわけじゃないし、仮に籍入れられたとしてもそうだと思うのよ」
真姫「婚期逃す女のセリフね」
絵里「お一人様に言われたくないわね」
穂乃果「むしろ結婚引き伸ばすオトコのセリフだよね」
絵里「ええ……」
真姫「まあ海未が勘当されたらフランスでもアメリカでも愛の高飛びよ」
穂乃果「や、まずいってそれは。なるべく穏便に済ませないと」
絵里「でも将来的に考えたらいつかカミングアウトが必要で、それこそ子供ができたら両親の手を借りないわけにはいかないわよ」
真姫「そうしたら説得するしかないわね」
穂乃果「将来かぁ……」
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/11(水) 01:32:45.97 ID:9/zi8dPR0
絵里「将来、ね」
真姫「難しいわね」
穂乃果「私最近思うんだよね。もしかしたら海未ちゃんの相手、私じゃない方がいいのかもって」
絵里「ちょっと……どうしたのよリーダー。喧嘩でもした?」
穂乃果「そういうことじゃないけど、普通に子供なんてできないし、愛とか恋とかよくわかんなくなっちゃって」
真姫「あんなにラブラブだったのに?」
穂乃果「多分それってさ、子供の頃からずーっとおんなじなんだよ。私と海未ちゃんの付き合い方」
絵里「ならそんな子供の頃からキスしてた? エッチしてたの?」
穂乃果「その辺は付き合ってからだけど……」
絵里「充分変化してるじゃない」
真姫「私から見たら穂乃果も海未も大学入ってからだいぶ変わったと思うわよ」
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/11(水) 01:33:47.17 ID:9/zi8dPR0
穂乃果「私の考え方なんて中学とか高校の頃から変わってないんだよ。周りは皆大人になってるのに」
絵里「穂乃果……私だってね、自分が大人になっただなんて、胸張って言える程大きくなってないわ」
穂乃果「絵里ちゃんも?」
絵里「ええ、これからも学ぶことはたくさんあるわけだし」
真姫「きっと二十代なんて皆そんなものじゃない? 私は大人になりましたなんて言ってるほうが精神年齢低いわよ」
絵里「真姫の言う通りね」
穂乃果「そうかなぁ……うーん……」
絵里「今すぐ大人にならなきゃいけないって思う必要はないわよ? 多分気づいたらあっという間に歳取ってるんだから」
真姫「体感時間だと20歳で人生半分終わってるらしいわね」
穂乃果「え、そうなの?」
真姫「10歳の子にとったら1年はそれまでの人生の10分の1でしょ? 20歳になったら20分の1」
絵里「やだ、半分じゃない」
真姫「80くらいまで生きるとしたら、20歳までの体感時間とそれから80歳になるまでの時間が同じくらいってこと」
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/11(水) 01:38:12.44 ID:9/zi8dPR0
穂乃果「やだねぇ……私の人生、高校の時がピークだったかも」
真姫「こら、バカ言うんじゃないわよ」
絵里「そうよ、これからもまだまだ上り坂よ」
穂乃果「……時を巻き戻して」
真姫「1億円ね」
絵里「できるの?」
穂乃果「ブラックジャックなの?」
真姫「それくらいあればタイムマシンができるまで寝てられるかもしれないわね」
穂乃果「前はこんな変なこと考えなくてよかったのに…………私ね、今春休みだから実家に帰ってるけど、昔の写真とか見てて思ったの。あの頃の好きと今の好きって気持ち、変わってないのかも」
真姫「それは……いいことじゃないの?」
穂乃果「わかんないよ、私の気持ちは幼馴染とか友情の延長線上だったら? 絵里ちゃんのとことは、意味が違うよね……?」
絵里「違いなんかないわよ。世界で一番、海未が大事なんでしょう?」
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/11(水) 01:39:44.37 ID:9/zi8dPR0
穂乃果「私も海未ちゃんも、男の人と付き合ったことなんてないし、それって私が恋愛感情だって思い込んでるだけじゃないの?」
真姫「けれど、好きだと思ったから告白して、今も付き合ってるんでしょ」
穂乃果「そうだけど、あの時は……離れたくなくて、ずっと一緒にいたいと思って……」
絵里「それよ。そういうことよ。難しいこと考えなくても、この人と一緒にいたいと思ったのならそれでいいじゃない」
穂乃果「難しいよ、全然わかんなくなっちゃった。恋ってそういうこと?」
絵里「逆に聞くけれど恋愛感情とはこういうものですって誰かが定義して、それと違ったらあなたは海未と別れる?」
穂乃果「……いつまでも海未ちゃんの時間奪ってらんないよ」
真姫「へぇ……」
絵里「じゃあ……ほら、ついさっき海未の誕生日だったじゃない? プレゼントは渡した?」
穂乃果「まあ……」
絵里「喜んでくれたでしょ?」
穂乃果「多分ね……」
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/11(水) 01:50:54.92 ID:9/zi8dPR0
絵里「喜んでくれたのよね? なら海未の笑顔見てどう思った? この人の笑顔の為ならまた明日も、いやもう1週間くらい、あーもう、いっそあと1年くらい頑張れる気がしない?」
穂乃果「……多分」
真姫「まどろっこしいわね……」
穂乃果「だって……」
真姫「なら例えばよ? 海未が知らない男と手を繋いで歩いてたらどう思う?」
穂乃果「……」
絵里「ちょっと、それはまずいわよ」
真姫「別に女でもいいけど。愛なんてつまり独占欲よ。そうじゃないの?」
穂乃果「わかんないよ……」
真姫「いっそのこと『穂乃果。私、別に好きな人ができてしまいました』、なんて言われたら?」
穂乃果「そうなったら……むしろそうなって…………別れた方が、グスッ……」
絵里「あぁ、ほら……泣かない泣かない」
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/11(水) 01:51:48.31 ID:9/zi8dPR0
穂乃果「海未ちゃんのためなのかも……」
絵里「よしよし、穂乃果」
穂乃果「泣いてないよ…………」
絵里「……真姫?」
真姫「いや……ごめんなさい。これ、ハンカチ」
穂乃果「……ありがと」
絵里「……」
真姫「……」
絵里「あー……」
穂乃果「ごめん、ちょっとお手洗い」
真姫「……」
絵里「……」
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/11(水) 01:53:28.36 ID:9/zi8dPR0
続く
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/11(水) 02:29:50.57 ID:KMJGylDR0
おもしろい
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/11(水) 23:08:36.35 ID:GuMfaJwkO
もっともっと続いて
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/12(木) 01:47:31.31 ID:exJtT0+c0
真姫「……ごめん」
絵里「私じゃなくて穂乃果に言いなさい。ね?」
真姫「ええ……ちょっとショック療法でいこうと思ったんだけど……」
絵里「度が過ぎるのよ、真姫。これで破局でもしたら次のμ's同窓会、雰囲気最悪よ」
真姫「縁起でもないこと言わないでよ」
絵里「きっかけは今日この場だからね?」
真姫「……あれだけ相手のこと思いやれるのに、どうしてああなっちゃうのかしら」
絵里「思いやるからこそ、自分も相手も時々わからなくなるのよ」
真姫「経験あり?」
絵里「まあ……しばらく距離置いたほうがいいかもしれないわね」
真姫「酸いも甘いも乗り越えてると思ってたけど、外野にはよくわからないものね」
絵里「とりあえず穂乃果が帰ってきたらフォローいれなさい」
真姫「フリが雑過ぎるわよ……」
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