美玲「最強銀河ッ!」 レイ「シンデレラ・ゼロ!」

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2 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:14:42.98 ID:cmwV1Vwl0

輝子「……そうだ。信じられないなら……見せてあげるから、乃々ちゃんも、今度おいでよ…」

乃々「えっ」

輝子「小梅ちゃんセレクション、映画鑑賞会……イン、私の部屋…」

乃々「ヒエッ…。…もも、も、もりくぼ、ホラーはむりくぼなので、そういうのはちょっと…」

輝子「大丈夫だ……私も最初は怖かったけど、すぐ慣れて、キモチヨク楽しめるようになるから…」

乃々「あまりにもあんまりな誘い方なんですけどぉ…」

輝子「フ、フフ……私の部屋に、またトモダチが…。か、歓迎するぞ…!」

乃々「う、うぅぅ〜〜……無下に断れないぃ…」

美玲「……ハァ」

輝子「美玲ちゃんも、どうだ…?」

美玲「オマエらなぁ…」
3 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:16:07.54 ID:cmwV1Vwl0

輝子「み、美玲ちゃん…?」

乃々「…?」

美玲「なんて言うか……よくそんなにノンキしてられるな…」

輝子「あぅ……駄目だったかな…」

美玲「いや、ダメとかじゃないケド…。もっとこう、緊張感とかないのかよ……これからLIVEなんだぞッ?!」

輝子「そうは言っても……わ、私、本番前でもいつもこんな感じだし…」

美玲「肝が据わってるよな…」

乃々「大丈夫です……LIVE前だろうとなかろうと、もりくぼはいつでも『帰りたい』の一心で平常運転ですから…」

美玲「ネガティブな方向にポジティブだなッ?!」

乃々「『嫌なことから目を逸らせ』がもりくぼのルール第1条なので…」

輝子「1番目が、それなのか……流石だ…」

美玲「物理的に目を逸らすな! 視線を戻せッ! こっち見ろ!」

乃々「戻って良いんですか…? はい、戻ります…。もりくぼは帰らせていただきます…」

美玲「だっ、駄目だぞ帰っちゃ! そういう意味じゃなーいッ!」

4 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:17:02.71 ID:cmwV1Vwl0

輝子「…美玲ちゃんは、緊張してるのか…?」

美玲「なぁっ!?」

輝子「なんだか……美玲ちゃんが、1番そわそわしてるような気が…」

美玲「べっ、別に、緊張なんかしてないッ! ムシャブルイってやつだ!」

乃々「…」

輝子「……そうか。なら……本番前くらい、いつも通りに過ごしてて、良いんじゃないかな……フヒ」

乃々「平常心が1番なんですけど…」

美玲「…。まぁ……確かに、それはそうだけど…ッ」

輝子「……肩の力、抜いていこう? 美玲ちゃん」

美玲「そんなこと言ったってさぁ! だって今日は、ただのLIVEじゃないんだぞ!? 分かってるのかッ?」

輝子「あ、あぁ……それも分かってる、ぞ…?」

乃々「合同LIVE、ですよね」

美玲「そう! 今日はウチらインディヴィジュアルズと、あの"マジカルスター咲"との対バン式LIVEなんだからなッ!」
5 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:17:40.79 ID:cmwV1Vwl0

輝子「マジカルスター、咲さん……か」

乃々「大手も大手、宇宙レベルのS級アイドル…」

美玲「イベントのチケットは即日完売、会場は常に満員ッ!」

乃々「先月も、全宇宙同時配信の特別LIVE、大盛況みたいでした…」

輝子「きょ、今日のステージも、各階層のLV会場とかで同時中継されるらしい、ぞ…」

乃々「……帰りたい」

美玲「CDは軒並みミリオンヒット、新しくCMに出た商品は店から消え、今や宇宙経済すら動かすアイドル! おまけにバトルもむちゃくちゃ強いッ!!」

輝子「そんな大人気アイドルと、合同でLIVEだなんて…」

美玲「なッ! この企画決めたウチの事務所、今回ばかりはマジにスゲーぞッ!」

6 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:19:10.88 ID:cmwV1Vwl0

乃々「うぅぅ……荷が重すぎるんですけど…」

美玲「弱気になるなノノ! 咲とLIVEできるくらい、ウチらも名前が知れてきたってことじゃないかッ!」

乃々「でもぉ…」

輝子「そう、だな…。他の階層のことはよく知らないけど……私たちの曲も良い調子で売れてるって、親友も、言ってた…フフ」

美玲「だろッ、だろッ!? ウチらの事務所で、インディヴィジュアルズが宇宙デビュー1番乗りなんだッ!」

乃々「あまり目立ちすぎると、どんどんお仕事が…」

美玲「でっっっかい宇宙嵐、今度はウチらが起こしてやるんだよ!」

輝子「この間みたいな、宇宙が壊れそうになるのは……勘弁、だけどな……フヒ…」

美玲「そのくらいの意気込みで、ってことだってば! 燃えるだろッ?! なッ!」

乃々「…」

美玲「……なッ!?」

乃々「………うぅ」

美玲「燃えろよそこはッ!!」

輝子「乃々ちゃんも、いつも通りだな…」

7 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:20:19.52 ID:cmwV1Vwl0

美玲「今日のセトリには、LIVEバトルのコーナーもあるッ! この日の為に、ウチは1週間前からデッキを練ってきた!」

輝子「おぉ……やる気だね、美玲ちゃん」

美玲「当ったり前だろ! LIVEでもバトルでも、今日はウチらインディヴィジュアルズの強さを、全宇宙に見せつけてやるチャンスなんだからな!」

乃々「も、もりくぼは、デッキを持っていないので…」

美玲「…ノノ、前から言ってるけどさ、言ってくれればカード貸すぞ?」

乃々「むむっ、む、むりです……もりくぼにバトルとか……絶対むーりぃ…」

美玲「全く…」

輝子「そ、それじゃあ……今日のバトルは、美玲ちゃんに任せようかな…」

美玲「何言ってるんだ、ショーコも勝つんだよッ!」

輝子「でも……私も、バトスピそんなに、自信ないから…」

美玲「そう言って、ウチといっつも良い勝負してるだろ」

輝子「そ、そうだったかな…」

美玲「そうだよッ!」

8 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:21:15.86 ID:cmwV1Vwl0

美玲「…よぉし。ショーコ、デッキ出せ!」

輝子「え」

美玲「前哨戦するぞッ」

輝子「い、今か…?」

美玲「はーやーくー! ウチ、滾っちゃってしょうがないんだッ」

輝子「わ、わかったよ……あれ」

美玲「ん? なんだ、いつまでカバンごそごそしてるんだよ」

輝子「あ、あれ、おかしいな……えーっと…」



輝子「……あー」

美玲「ど、どうしたッ?!」

輝子「デッキ、事務所に忘れてきちゃった…」

美玲「……」

乃々「え、えぇー…。きのこは連れてきてるのに…?」



―――

――



9 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:24:34.18 ID:cmwV1Vwl0

【前置き】


最強銀河 究極ゼロ×シンデレラガールズ のつもりです

究極ゼロは本編後を想定してるつもり。世界観はだいぶバトスピ側に寄ってるかも

双方知らないと分かりにくい部分があるかもしれませんが、合わせてご容赦ください


∀nswer発売おめでとうございます、という前置きもしておきます

10 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:25:33.12 ID:cmwV1Vwl0

――


【一番星号】


ライラ「……騎士ペンタンでアタック! 効果でBPをプラス2000!」

リクト「それでもBPはこっちの方が上だよ? ソーディアス・アーサーでブロック!」

ライラ「甘い! フラッシュタイミング、《エンジェルストライク》! アーサーのBPを5000マイナス!」

リクト「そ、そのカードは!」

ライラ「ふふーん、エリス様からもらっちゃった♪ やっちゃえ、あたしの騎士ペンタン!」

               
《騎士ペンタン》          《騎士の覇王ソーディアス・アーサー》
 LV2          VS   LV1
 BP7000 ↑Up!       BP5000 ↓Down!



リクト「やられちゃった…」

ライラ「せっかく出したのに、残念だったわね! 私はこれでターンエンド!」

11 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:26:26.11 ID:cmwV1Vwl0

レイ「…お、やってるなぁ2人とも」

リクト「あっ! レイ!」

ライラ「ということは…」

リクト「地球に着いたんだね?」

レイ「ああ、到着だ。っと、どれどれ…? なるほど、エンジェルストライクか」

ライラ「良いでしょー♪」

リクト「お姉ちゃんばっかりズルい! レイ、僕もマジックカードほしいよぅ!」

ライラ「あ、こらリクト!」

レイ「んー……なら、これとかどうだ?」

リクト「わぁ、《ネオ・フレイムテンペスト》! いいの!?」

レイ「良いぜ? ただし、このバトルに勝てたらな!」

リクト「うん! よぉし、絶対負けないよお姉ちゃん! スタートステップ!」

ライラ「全くもう。…ふふっ」

リクト「で、でも……この手札で、どうしよう…」


12 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:27:16.43 ID:cmwV1Vwl0

ライラ「…ねえレイ」

レイ「んー?」

ライラ「ムゲンとソルトは?」

レイ「あいつらならもうとっくに行ったよ…」

ライラ「そっか」

レイ「たまたま第1階層近くにいたからって、わざわざ会場まで連れてくることになるなんてなぁ…」ハァ

ライラ「銀河テレビ局のライブ中継だってあるのにね」

レイ「『こんなに近くでマジカルのライブがあるってのに、現地入りできなかったら、オレは死んでも死にきれない!』…とか何とか言いやがって」

ライラ「アイドルのおっかけも大変よねぇ」

レイ「一番星号はタクシーじゃねえんだぞ、全く!」

ライラ「あはは…」

リクト「…よし、これだ! まずはバーストセット!」


13 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:28:03.08 ID:cmwV1Vwl0


レイ「…でもまぁ、地球はライラたちの母星でもあるしな。寄ること自体は別に構わねえんだ」

ライラ「え?」

レイ「地球に帰ってきたのも久しぶりだろ? たまには故郷の空気吸って、のんびりしてくのも悪くねえ」

ライラ「レイ…」

レイ「あいつらが楽しんでる間に俺たちは、2人の爺さんに挨拶でもしに行こうぜ」

ライラ「うんっ! ありがとう、レイ!」


リクト「ネクサス、《要塞都市ナウマンシティー》を配置!」

ライラ「げっ」

レイ「おっ」

リクト「その効果で《獅機龍神ストライクヴルム・レオ》を、レベル2でノーコスト召喚だぁっ」

ライラ「うっひー、出たぁ…」

レイ「ネクサス戦術とは、やるじゃねえかリクト!」

リクト「へへーん、どうだ!」

ライラ「んー…。私、あのカードちょっと苦手なのよね…」

リクト「レオの【重装甲】は、ペンタンたち黄色の効果を受け付けないからね! このバトルもらったよ!」

ライラ「むぅぅ〜〜っ!」

14 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:28:51.65 ID:cmwV1Vwl0

レイ「はははっ! 随分激しい姉弟バトルになってきたじゃねえか!」

ライラ「笑ってないで、助けてよレイ〜!」

レイ「そうはいかねえ。勝利の星は、自分の手で掴み取るもんだぜ?」

リクト「そうだよお姉ちゃん!」

ライラ「急に強気になるな!」

リクト「待っててねレイ、お姉ちゃんなんかさくーっと倒してみせるから!」

ライラ「こ、こンの〜〜……言わせておけば生意気な…」

レイ「さてと。終わるまで俺は、スターダストコーラでも…」




beep! beep! beep!



15 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:29:41.82 ID:cmwV1Vwl0

レイ「んぁ、なんだぁ?」

ライラ「急にブザーが…」

リクト「これ、SOS信号じゃない?!」

レイ「SOSゥ? こっちも、随分ご無沙汰じゃねえか」

ライラ「確かに……ギルドが新しくなってから、事件らしい事件もめっきりだったわよね」

リクト「近くの星からかな?」

レイ「…いや、これは……地球だな」

ライラ「地球? ここから?」

レイ「しかも、すっげー近くだ。さっきまで船を停めてたところじゃねえか!」




pi!


16 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:30:51.16 ID:cmwV1Vwl0

「…ぁ。映った、ぞ…」

「も、もしもし……誰かぁ…」

レイ「こちら一番星号、SOS信号を確認。どうした?」

ライラ「ん、んん〜…?」

リクト「どうしたの? お姉ちゃん」

ライラ「この2人、どこかで見たことあるような…」

「た、助けてほしいんですけど…」

「会場が襲われて……み、美玲ちゃんが、連れ去られて…」

リクト「ひ、人さらい?!」

ライラ「会場って、もしかして…」

レイ「ああ。さっきムゲンたちを降ろした、ライブ会場からだな」

「そ、そうなんだ…。控え室に、いきなりやって来て…」

ライラ「控え室…」

「美玲さんが眠らされて…。あ、あっという間に船で飛んでいってしまって…」


17 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:32:13.89 ID:cmwV1Vwl0

リクト「もしかして、宇宙山賊の仕業…?」

レイ「かもな…」

ライラ「この辺はまだまだ田舎で、ギルドの目が届いてない奴らも多いから…」

レイ「だが、この船なら追いつける。どっち行ったか分かるか?」

「それが、分からないんだ……本当に、あっという間で…」

「何もできなかったんですけど…」

リクト「そっか…」

ライラ「とりあえず、現場に向かった方がいいかもね」

レイ「だな。よし、じゃあまずそっちに行くから、待っててくれ!」

「わ、わかった…」

「よろしくお願いします…」



pi!

18 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:33:11.04 ID:cmwV1Vwl0

レイ「そういう訳だ、ライラ、リクト!」

リクト「うん! バトルはお預けだね、お姉ちゃん」

ライラ「……今の2人、つい最近どこかで…」

リクト「お姉ちゃん?」

ライラ「…ぁ、ううん! そうね、緊急事態だもん」

レイ「会場なら、ムゲンやソルトとも合流できるかもしれねえな」

ライラ「確かに!」

レイ「1度Uターンするぜ、しっかり掴まってろよ!」

リクト「この感じ、なんかちょっと久しぶりかも!」

ライラ「そうねっ! ライラのルール第32条、『困ったときは、お助け1番』!」

レイ「っしゃあ! 一番星号、発進だ!!」



――


19 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:34:13.79 ID:cmwV1Vwl0

――


乃々「美玲さん…」

輝子「だ、大丈夫だよ、乃々ちゃん…。今、SOS信号も出したじゃないか…」

乃々「でもぉ…」

輝子「船で宇宙を飛び回ってる奴らは……地球の、ましてや日本の警察じゃ、どうにもできないだろ…? だから…」

乃々「うぅ〜……むーりぃ〜…」



バァン!


レイ「無理じゃなぁーーいッ!!!」

乃々「ひゃ?!?」

輝子「フヒィ!!?」

20 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:35:13.32 ID:cmwV1Vwl0

リクト「ど、どうも〜…」

ライラ「お邪魔しまーす。…ちょっとレイ! わざわざドア蹴り飛ばすことないでしょ!」

レイ「おう、ワリーワリー! さっきのSOS、お前らだな?」

輝子「…ぁ、はい……そうです、けど…」

レイ「俺は一番星のレイ! 話を聞かせてくれ!」

輝子「フヒ…」

乃々「は、早すぎませんか…?」

レイ「へへっ、1番に駆けつけてやったぜ!」

リクト「一番星号のスピードは、宇宙一だからねっ!」

レイ「そういうこと!」

乃々「はぁ…?」

ライラ「たまたま近くにいただけなんだけどね。……って、あなたたち!」

輝子「?」
21 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:35:46.96 ID:cmwV1Vwl0

ライラ「やっぱり! ショーコちゃんと、ノノちゃんでしょ?! "インディヴィジュアルズ"の!」

乃々「え…?」

輝子「そ、そう……だけど」

レイ「いんでぃ?」

リクト「知ってるの? お姉ちゃん」

ライラ「え゛っ…、レイはともかく、リクトも知らないの?!」

レイ「ともかくとは何だ、ともかくとは」

リクト「わ、わかんない…」

ライラ「我らが地球出身、最近超活躍中の人気アイドルユニットよ!?」

22 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:37:07.61 ID:cmwV1Vwl0

ライラ「先月の宇宙オリコンランキング、第2階層シングル部門第3位! 第3階層では5位! 発売からずっと上位をキープしてる!」

リクト「へえ…、そんなに…」

レイ「おー」

輝子「そ、そんなにだったのか…」ヒソ

乃々「具体的な数字は初耳なんですけど…」ヒソヒソ

輝子「他の階層の話、あんまり知らないからな…」ヒソソ

ライラ「尖った個性とカッコよさを前面に押し出した、鮮烈なあのデビューライブ! あれ以来、『次にバズるのはこの3人だ!』ってウワサで、宇宙中持ちきりなんだから!」

レイ「ほぉー」

乃々「な、なんだか熱弁されてませんか…?」ヒッソリ

輝子「照れるな……フヒ…」ヒソヒソ

乃々「恥ずかしくなってきました……穴があったら入りたいんですけど…」

ライラ「あっ、名前まだだった! 私、ライラっていいます! ライラ・エイプリル! インディヴィのファンなんです!!」

輝子「あ、うん……ドモ…」

リクト「僕はリクト! 弟のリクトだよっ」

乃々「あぅあぅ…」

23 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:38:49.35 ID:cmwV1Vwl0

ライラ「今日だって、マジカルと一緒に合同ライブなんだよ?! ムゲンも言ってたでしょ!」

レイ「そうだっけ?」

リクト「言ってた、かも…。聞いてなかったよ…」

ライラ「聞いてあげなさいよ…」

リクト「マジカルのことは知ってるけど……僕、そもそもアイドルはあんまり詳しくないし…」

ライラ「ミーハーなんだから」

レイ「《インビジブルクローク》なら知ってるぜ、俺」

リクト「そ、それはもう禁止カードだよぅ!」

レイ「ああ。昔は世話になったもんだ…」

ライラ「あ、あんたたちねぇ…」



輝子「あ、あの…」

乃々「そろそろ、本題に…」

24 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:39:38.28 ID:cmwV1Vwl0

レイ「っとと。すまねえ、そうだったな」

ライラ「ね、ねえ……もしかして、攫われたのって、今ここにいない…」

輝子「うん…」

乃々「美玲ちゃんが…」

ライラ「やっぱりー!?」ガーン

リクト「ミレイ?」

レイ「俺か?」

ライラ「ちっがーーう! ミレイ、早坂美玲ちゃん! インディヴィジュアルズのセンター!」

リクト「あ、そっか! さっき3人いるって言ってた内の、もう1人だね?」

ライラ「そう!」

輝子「美玲ちゃん…」

25 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:40:23.47 ID:cmwV1Vwl0

レイ「どんな奴らだったんだ?」

輝子「や……奴ら、というか…」

乃々「連れてったのは、1人だったんですけど…」

リクト「えぇっ! 1人で?!」

輝子「きょ、今日……夕方の開演で、私たちのLIVEがあるのは、知ってるんだよな…?」

ライラ「うん」

乃々「朝に会場入りしてから昼のリハーサルまで、控え室で待機していたんです。そしたら…」

26 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:41:32.42 ID:cmwV1Vwl0


――
―――

美玲「まっっっ……たくッ!! デッキ忘れてくるとか、どういうことだよ!」

輝子「す、すまん……今朝、ちょっとバタバタしてて…」

美玲「前哨戦どころか、これじゃ本番だってバトルできないじゃないか…ッ」

乃々「きのこは忘れない辺りは、流石ですね…」

輝子「原木ない…」

美玲「は?」

乃々「えっ」

輝子「…ぁ。今のは、"面目ない"と"原木"をかけたキノコジョーク、です……フヒ…」

美玲「……」

乃々「…イマイチ、ですかね」

輝子「あぅ……ダメか…」

27 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:42:11.79 ID:cmwV1Vwl0

美玲「ノノは元々デッキ持ってないし、ショーコは忘れ物。戦えるのはウチだけ…」

乃々「い、今からデッキを組むとか…」

美玲「そんなに予備のカードなんて持ってきてない…」

乃々「では、市販のスターターを買ってくる、とかは」

美玲「出来合いの構築済みデッキでバトルなんて、観客にすぐバレちゃうぞッ」

乃々「なら、今からプロデューサーさんに、取ってきてもらうのは…」

美玲「そんなパシリみたいなことさせられるかよッ!!」

乃々「ひっ……も、もりくぼ、そんなつもりじゃ…」

美玲「…悪い、少し声でかかった」

輝子「でも確かに、プロデューサーに申し訳ないよ……私が悪いのに…」


28 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:43:02.22 ID:cmwV1Vwl0

美玲「…しょーがないッ。LIVEバトルの時は、ウチが1人で戦う!」

乃々「美玲さん…」

美玲「予定では、2人で順番にバトルすることになってた筈だけど……スタッフに伝えて、バトルのコーナーを1回分減らしてもらおう」

輝子「…」

美玲「ウチが1人で頑張る! なんだったら、ウチが2連戦でもしてやるさッ!」

輝子「ご、ごめんな、ほんとに…」

美玲「ショーコの責任は、ユニット全員の責任だ! 何とかなる!」

乃々「お、応援だけは精一杯しますので…」

美玲「おうッ! 任せとけって」



美玲「……ハァ」

輝子「…」

乃々(ちょっと、きまずいんですけど…)


29 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:43:33.49 ID:cmwV1Vwl0


ズズン…


乃々「ひっ…」

美玲「…お?」

輝子「今……何か音しなかったか…?」

美玲「したよな。爆発音? みたいな」

乃々「せ、設営でステージが動いてるんですよ……きっと…」

輝子「…なら、良いけど」

美玲「……いいや、」


30 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:44:02.06 ID:cmwV1Vwl0


ドーンっ!


輝子「また…っ!」

美玲「やっぱり、何か変だぞッ!」

乃々「ひぃ…。な、なんなんですか…」




ガチャリ…

31 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:44:30.55 ID:cmwV1Vwl0

「出演者のみなさん!」

輝子「す、スタッフさん…?」

「早く逃げてください! 会場内で、爆発物が見つかりました!」

美玲「はぁ!?」

「爆破テロかもしれません、早くここから避難を!」

輝子「フヒャ……そんな、なんで急に…」

乃々「あわわわ…」

美玲「…ッ! と、とにかく逃げるんだ! ほらノノ、こっちッ!」

乃々「は、はひぃぃ…」

「………」


32 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:45:27.35 ID:cmwV1Vwl0

美玲「おいショーコ! きのこなんか持ってくな?! 逃げ遅れるぞッ!」

輝子「いや……ダメだ……トモダチは、置いて行けない……!」

美玲「こんな時に何言ってんだぁ!」

「……こいつが咲だな」ボソ

美玲「え? 今、なんか言ったか?」

「……っ」グイ

美玲「ッ!? お、オイ、どこ引っ張ってんだ、やめ…ッ、モゴ?!」

輝子「…え ちょ、何してるんだ、スタッフさん…?」

乃々「美玲さん…?!」

「…」タタタ



ズガン!

33 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:46:45.81 ID:cmwV1Vwl0


輝子「おわ、また爆発…」

乃々「み、美玲ちゃんっ、美玲ちゃん!」

輝子「だ、ダメだよ乃々ちゃん、追いつけないし、危ない…っ」

乃々「でも、美玲ちゃんが…」

輝子「そんな……スタッフさんが、どうして…」

乃々「美玲ちゃぁぁん………」



―――
――


34 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:47:32.36 ID:cmwV1Vwl0

輝子「…」

レイ「なるほどな…」

リクト「ひどい…!」

ライラ「会場スタッフに変装して攫ったのね!」

乃々「もりくぼ、わけがわかりません……どうして、美玲、ちゃん、が…」グス

リクト「…ハンカチ、使って?」

乃々「ありがとう……ござ、ぃ……ふえぇっ…」

輝子「わ、私が悪いんだ……私がもたもたしてたから…」

ライラ「…そうやって、自分を責めちゃ駄目だよ」

輝子「だって…」

ライラ「悪いのは、みんなそいつなんだから!」

35 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:48:40.42 ID:cmwV1Vwl0

レイ「おそらく、計画的な犯行だったんだろうな」

リクト「うん。会場にたくさんの爆弾なんて、すぐには用意できないよ」

レイ「それに、1人で設置できる数にだって限りがある。きっと色々根回しした上での、複数人での仕業だ」

ライラ「攫った奴の特徴は?」

輝子「……咄嗟のことで、全然覚えてないんだ…」

リクト「船の形とか、色とか」

輝子「…すまん」

ライラ「そっか…」

レイ「……うーーむ」

リクト「せめて、どっちの方向に行ったのかだけでも分かれば…」



「場所なら、分かるよ?」
36 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:49:18.79 ID:cmwV1Vwl0

リクト「その声は…!」

咲「みんな、久しぶりっ」

ライラ「マジカル!」

レイ「よう、久しぶりだな」

咲「ゼロ様っ!! …じゃないのか、今は。ムゲンさんと、ソルトさんは?」

レイ「ああ、あいつらなら今……」



輝子「ま、マジカルスター、咲……さん…」

乃々「ぐすっ……な、なんでここに…?」

輝子「LIVE会場だからな…。居ても、おかしくはない、けど……フヒ」

乃々「みなさん、お知り合いだったんですね…」

輝子・乃々((…ぜろさま?))



咲「…なんて、こんなお話してる場合じゃないよね」


37 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:50:24.23 ID:cmwV1Vwl0

咲「ノノさん、ショーコさん、初めまして。怪我はない?」

輝子「ふひゃ……ア、ハイ。大丈夫…」

乃々「咲さんも、無事で何よりです…」

咲「私も大丈夫! せっかくの合同ライブなのに、こんなことになるなんて…」

ライラ「まぁまぁ、怪我がなくて良かったよ!」

咲「でも、ミレイさんが…」

リクト「攫われたの、知ってるの!?」

咲「うん。さっき私の事務所の元に、こんなメールが届いたみたいなの」ピラ

ライラ「マジカルの?」

38 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:50:57.81 ID:cmwV1Vwl0

  マジカルスター咲は預かった

  返してほしければ、5000億マニーを用意して、下の口座に振り込め

  ・連鎖銀行 異合支店 口座番号5-3-14000

  ・口座人名義 ガルゴル


  もしくは、直接手渡しに来ること      以上

39 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:52:08.32 ID:cmwV1Vwl0


輝子「『マジカルスター咲は預かった』…。……フヒ?」

リクト「で、でも、マジカルはここに」

レイ「なるほどな…」

咲「うん。どうやらこの犯人は、元々私が狙いだったみたい」

ライラ「ええーっ!?」

咲「ライブ会場を襲撃、騒ぎに乗じて誘拐。そして身代金を要求…」

リクト「でも犯人が連れて行ったのはマジカルじゃなくって…」

ライラ「ミレイちゃん!」

レイ「確かに、辻褄は合う」

咲「恐らく、間違えちゃったんだね。咄嗟の手際で、向こうも人違いまでは気付けなかったのかも」

乃々「い、言われてみれば、美玲ちゃんと似ているような……似てないような…」

ライラ「ええー、そう? 全然違うくない? 眼帯もあるし」

輝子「ツメとか、色合い、かな…。私服とか、髪形の雰囲気……うん、言われれば、まぁ…」


40 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:52:42.32 ID:cmwV1Vwl0

ライラ「……それにしても、アホなメールよね」

リクト「うん。口座番号なんか書いたら、すぐ特定されちゃうよ」

ライラ「ていうか、名前ももう分かっちゃったし。お金引き出してやろうかしら…」

リクト「手渡しに来いって言いながら、肝心の場所は書かれてないね」

ライラ「アホだわ。間違いなく、アホ!」



レイ「場所が分かるってのは、こういうことか」

咲「うん。メールからの逆探知で、送信した宇宙船は絞り込める。けど…」

レイ「ああ、爆弾使うような奴らだ。人違いってバレたら、最悪の場合、命が危ないかもしれねえ」

乃々「そ、そんな…」

輝子「…」

41 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:53:16.83 ID:cmwV1Vwl0

咲「ごめんなさい、2人共」

乃々「…」

咲「私のせいで、ミレイさんを危険な目に合わせてしまいました」

輝子「そんな……咲さんのせいじゃ、」

咲「ライブが無ければ、こんなことにはならなかったのに…」

乃々「…っ」

咲「本当の狙いは私。だったら、今すぐにでも犯人と交渉して…」

輝子「……い、いや…。それは、違う、ぞ」

咲「え?」

輝子「誰のせい、とか。誰が悪い、なんて…。…私も、色々思っちゃうけど。…でも、LIVEがなかったら、なんて言うのは、1番ダメだよ…!」

レイ「!」

42 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:55:47.46 ID:cmwV1Vwl0

輝子「美玲ちゃん……今日のLIVE、すごく楽しみにしてたと、思う…」

乃々「…はい。私たちの中で1番、気合が入ってました」

輝子「緊張も、多分すごくしてたみたいだけど。…でも、宇宙一有名なアイドルの、あの咲さんと一緒にLIVEができる楽しみは、それ以上だったハズなんだ…」

咲「ショーコさん…」

乃々「『3人で宇宙に嵐を起こす、ウチらの強さを銀河中に見せつけてやるんだ』 …って、よく言ってました…」

咲「…ノノさん」

輝子「わ、私たち、よく美玲ちゃんに引っ張ってもらうことが多くて…。レッスンとか、大変だったし…」

乃々「実際、引っ張り出してもらったこともあります……物理的に…」

輝子「でも……そうやってハッパかけられて、ユニットで頑張ろうって今日までやってこれたのも、咲さんとのLIVEがあって、目標があったから、だと、思うんだ…」

輝子「だ、だから、その……ら、LIVEがなければよかったなんて、お願いだから、言わないで、くれ…」

乃々「美玲ちゃんが聞いたら、悲しむと思うんですけど…」

咲「…そっか」

43 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:56:27.41 ID:cmwV1Vwl0


咲「……うん、そうだね。私もまだまだだなぁ」

輝子「…ぁ、いや、違うんだ……あの、お説教とか、そういうつもりじゃなくって…」

咲「大丈夫。分かってるよ」

輝子「…ぁう」

乃々「というか……こんなに悠々と喋っている場合でもありませんよね…。もりくぼ、ちょっぴり反省します…」

レイ「…ああ、そうだな」
44 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:57:19.97 ID:cmwV1Vwl0

乃々「ひぅっ……すみませ…、」

ライラ「ちょっと、レイ?」

レイ「マジダチなんだろ?」

乃々「…へ?」

レイ「お前らの、1番の」

輝子「ま、まじ?」

リクト「友達とか、仲間、みたいな意味だと思って」コソッ

乃々「あ、なるほど…?」

輝子「…お、おぅ。そうだな、まじだち…」

レイ「なら! お喋りはこれくらいにして、さっさと取り返さなくっちゃな!」

乃々「……っ、」

ライラ「レイ!」

45 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:57:53.19 ID:cmwV1Vwl0

レイ「マジカル、船のデータは分かるんだよな?」

咲「うん。宇宙GPSで、大体の座標も特定できるよ」

レイ「一番星号に今すぐ送ってくれ! 発進するぞ、リクト! ライラ!」

リクト「うん!」

ライラ「まっかせて!」

輝子「お、お願いして、良いのか…?」

レイ「なーに言ってんだ、SOS出したのはお前らじゃねえか」

乃々「そう、ですけど…」

リクト「レイなら大丈夫!」

レイ「ああ。だから待ってな、必ず連れて帰る!」

輝子「……フヒ」



beep! beep! beep!

46 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:58:20.12 ID:cmwV1Vwl0

レイ「…ったく、なんだよまた救難信号か? 今手一杯なんだっつーの」

リクト「ち、違うよレイ! これ…」

ライラ「ソルトからの、無線通話だ!」



pi!


レイ「もしも……

『レェェーーーイィィィーーーー!!!』キーーーーン


47 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:59:11.96 ID:cmwV1Vwl0

乃々「ふゃッ…」

レイ「っだぁうるっせえ!」

『レーイー! 聞こえてるか?! おーい!!』キーーン

レイ「聞こえてンだよボリューム落とせ!!」

『オット、ソーリー! 音下ゲヨオーット!』

『おうレイ! …あん? なんだなんだ、なんか増えてないか?』


輝子「あ……あの、赤いドラゴンくんは…?」

リクト「ムゲンだよ! レイの相棒! モニターを映してるのは、ソルトっていう調理ロボット!」

ライラ「今ちょっと別行動してて……って、なんか、画面の背景ヤバくない? ジェットコースターみたいなんだけど」

レイ「お前ら、どこにいるんだ?」

『そう、そうなんだよ! 大変なんだ聞いてくれ!』

48 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 14:59:59.19 ID:cmwV1Vwl0

ムゲン『今空飛んでんだ! ソルトのジェットモードでな!』

リクト「空!?」

ソルト『飛ンデマス、飛ンデマス!』

輝子「じぇっと…?」

乃々「……お料理ロボ、なんですよね…?」

ライラ「あはは……ま、色々と機能あるのよね」



ムゲン『オレたちさっきまで、マジカルのライブ入場列で並んでたんだ! でも、急に会場が爆発してさぁ!』

輝子「さ、さっきの爆発だ…」

ムゲン『なんかざわざわ騒ぎだすわ、変な船は飛んでくるわで、ヤバい感じになったわけ』

ムゲン『そしたらさ! 変な奴が、マジカルたんを抱えて船に乗り込んでくの見たんだよ!」

乃々「美玲ちゃん…っ」

リクト「遠目だと、やっぱり似てるんだ…」

49 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 15:00:31.04 ID:cmwV1Vwl0

ムゲン『よくわかんねーけど、これって誘拐だろ?! ゆ・う・か・い!!』

ソルト『コレ誘拐ッテ言ウノカイ? 全ク、ソルトハ不愉快デース!』

ライラ「ま、待ってよ、それで飛んでるって、まさか…っ」

ムゲン『そう! 慌てて船を追っかけてるんだ!!』

リクト・ライラ「「やっぱり!」」

ムゲン『マジカルのピンチとなれば、このオレが駆け付けてやらなきゃな♪』

ソルト『……デモ、スピードガ足リナクテ、ソルト息切レ気味ナノデス…』

ムゲン『そういうことなんだ、頼むよレイ! 一番星号で来てくれないか?!』

レイ「…ッ!」

50 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 15:01:14.28 ID:cmwV1Vwl0

レイ「でかしたぜ、ムゲン! ソルト!! やっぱお前ら、最高だっ!」

ムゲン『…はぇ? 何だ急に』

レイ「今から俺もそっちに向かう! それまでに、なんとか船に追いついてくれ!」

ソルト『追イツク?! オウ! ソレまじデ言ッテマスカー!??』

レイ「細けえことは省くが、今捕まってるのはマジカルじゃない! 別人だ!」

ムゲン『ええぇーっ!!』

ソルト『ウッソー!?』

リクト「似てる子が攫われちゃったんだよ!」

ライラ「……そんなに似てるかなぁ」

ムゲン『…お、おい! マジカルは!? オレのマジカルたんは無事なんだろうなっ?!』

51 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 15:01:50.67 ID:cmwV1Vwl0

咲「はーい! 無事ですっ」

ソルト『ソ、ソノ声ハッ?!』

ムゲン『っきゃーーっ!☆! マジカルたーーん!♪!?』

咲「ソルトさんムゲンさん、久しぶり。私は大丈夫だよ!」

ムゲン『そっかそっかぁ! 良かったよぉ、マジカルたん…!!』

ソルト『オーマイゴーッド! 映像ヲ映シテルノデ、ソルトニハ姿ガ見エマセーン?!』

咲「心配かけてごめんね…」

ムゲン『そんなこと気にしなくて良いっすよぉーー♪ いやー良かった良かった!』

ソルト『ヒト安心デスネ!』

52 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 15:02:29.31 ID:cmwV1Vwl0

ムゲン『……マジカルが無事なら、帰ろっかな』

レイ「おいコラァ!!」

ムゲン『だってよぉ……なあ?』

ソルト『安心シタラ、出力パワーダウンデース…』

ムゲン『ほら』

レイ「助けてやらなきゃいけない奴が、その船に乗ってる! マジダチを待ってる奴らがいるんだよ!」

輝子「…あぅ」

乃々「……」

ムゲン『ほーん…?』

ソルト『ホホウ…』

レイ「今はお前らだけが頼りなんだ! 頼むソルト!」

リクト「ムゲン!」

53 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 15:02:59.31 ID:cmwV1Vwl0

咲「お願いソルトさん!」

ムゲン『えっ』

ソルト『ファッツ?!』

咲「その子は私のマジダチ、大切な人でもあるの…!」

輝子「さ、咲さん…」

咲「ミレイさんを、助けてあげて!」

ソルト『フ、フォ…』

ムゲン『ちょっ…』



ソルト『フオオオオオーーーー!!!』

54 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 15:03:43.11 ID:cmwV1Vwl0

ソルト『マジカルたんニソウ言ワレタラ、元気100倍・システム全快! フルパワーノ、タフネスリカバリーデース!!』グオッ

咲「きゃー♪ ソルトさんすごーい!」

ムゲン『な、なあマジカルたん! オレには!? オレにはそういうのなんかないの?!』

咲「がんばってね! ソルトさん!」

ソルト『ソルト、行ッキマーーース!!!』ゴオオ

ムゲン『オーレーにぃーはぁぁぁ……、』



ぷっ

55 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 15:04:49.72 ID:cmwV1Vwl0

レイ「……よし!」

ライラ「なんとかなりそうね!」

レイ「あいつらなら、きっと大丈夫だ!」

リクト「宇宙GPS、表示できたよ、レイ!」

レイ「ああ! それを辿って、追いかける!」

咲「私は一度事務所に戻って、宇宙警察に報告をしてくるね」

ライラ「よろしく!」

レイ「さぁ行くぜ…」



乃々「あの…っ!」

レイ「…っとぉ?」

56 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 15:05:49.72 ID:cmwV1Vwl0

輝子「の、乃々ちゃん…?」

乃々「も、もり……もりくぼ…」

レイ「?」

乃々「もりくぼも…! つ、連れ……、連れてって、ほしいんですけど…!」

リクト「えぇ?!」

ライラ「あ、危ないわよ!?」

乃々「分かってます…! 私、バトルもできないし、さっきも何もできなくて……美玲ちゃんに、また引っ張ってもらって…」

リクト「そ、それはしかたないよ…」

乃々「さっきだけじゃないです…。いつも美玲ちゃんには、助けてもらってばかり…」

乃々「だっ、だから…っ、今度は私が、美玲ちゃんを助けたいんです…!」

レイ「…お前」

57 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 15:06:52.27 ID:cmwV1Vwl0

輝子「…なら、私も行く…っ」

乃々「輝子ちゃん…」

輝子「いつも、引っ張ってもらってるからな……フヒ」

輝子「デッキも無いし、全然、力にはなれないかもしれないけど……私も、美玲ちゃんを、助けに行きたい…!」

リクト「…うんっ」

ライラ「どうするの、レイ…?」

レイ「良いんだな?」

乃々「…っ」コクコク

輝子「頼む……連れてってくれ…!」

レイ「…最初は気弱なヤツらかと思ったのに。さっきから見てりゃ、なかなかどうして、根性ありそうじゃねえか」
58 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 15:07:24.66 ID:cmwV1Vwl0

レイ「おっしゃ! みんなまとめて、乗りやがれ!」

乃々「…はいっ」

リクト「行こう!」

輝子「あ、ありがとう…!」

ライラ「しっかり掴まってないと、振り落とされちゃうよ♪」

レイ「エンジン全開! 一番星号、全速前進だぁーーッ!!」



―――

――



59 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 15:09:30.52 ID:cmwV1Vwl0

ちょっと休憩

ここまでAパートということで


ムゲンはどこかな?

60 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:17:09.71 ID:cmwV1Vwl0

オレはここだぜ! いぇいっ


という訳で後半
61 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:17:50.71 ID:cmwV1Vwl0

――


「…はっはっは! よくやったぞ、お前たち」

「はっ」

「誘拐計画、まさかこんなに上手くいくとはなぁ。がはは」

「いよっ、大統領!」

「おう! 銀河大監獄から脱獄して数年…。宇宙警察やギルドから逃げながら今日までなんとか生き延びてきたが、今こそ再び、俺様の名前を銀河に轟かせる時!」

「その足掛かりとして、まずマジカルには不足コストになってもらう!」

「あいつの身代金で大金持ちになってギルドを潰し、ゆくゆくは宇宙を俺様の物とするのだ!」

「そう! 俺様は天下無双のバトラー、爆裂のガルゴル! この宇宙に戻ってきたぜー! わっはっはーっ!」

「ヒューヒューっ」

62 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:18:22.03 ID:cmwV1Vwl0

ガルゴル「おい、金はまだ振り込まれないのかっ!」

「まだみたいですね…」

ガルゴル「爆弾3つの製作費に加えて、地球への滞在費でもう金がカツカツだというのに、全く…」

ガルゴル「まあいい。どうせ明日には大金持ちだ! ぐわっはっは」



「…ガルゴル様!」

63 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:19:02.25 ID:cmwV1Vwl0

ガルゴル「なんだ、人が気分よく笑ってる時に」

「後方から猛スピードで、こちらに向かってくる飛行物体を確認!」

ガルゴル「なにぃ? 振込じゃなく、手渡しに来たか! ははは」

「いえ……普通に考えたら、追いかけてきた宇宙警察ではないかと」

ガルゴル「ふぬぅ、随分対応が早かったな…。よし、お前ら様子を見て来い!」

「えぇ…」

ガルゴル「金なら、そのまま俺様の船まで通せ! 持ち逃げなんかするなよ? もし追手だった場合は…」

「しかし、この船に1人になってしまいますが…」

ガルゴル「俺様を誰だと思ってやがる? ギルドもビビる、爆裂のガルゴル様だぞ!」

64 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:19:35.37 ID:cmwV1Vwl0

「ビビるって、それ昔の話じゃん…」ヒソ

「ていうか前のギルドだって別にビビってなかったし」ヒソヒソ

「そもそも覚えてるやつなんているのか、この人のこと…」ボソ

「何年前のアニメだと思ってるんだよ」ボソボソ

ガルゴル「良いからとっとと行けぇい!」

「「「へーい」」」

ガルゴル「ったく…」



――



65 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:20:06.39 ID:cmwV1Vwl0

――



ムゲン「……行ったか?」

ソルト「行キマシタ…」

ムゲン「よっしゃ侵入だっ」

ソルト「オウ! 侵入、潜入、船ニ参入デース」

ムゲン「さて、どこに捕まってるんだぁ? おーい! マジカルに似たやつー!」

ソルト「アワワ、ムゲン! 見ツカッチャイマスヨ?!」

ムゲン「大丈夫だって! さっき飛んでったんだから、人なんか残っちゃいねーよっ。 おーいっ!!」

66 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:20:58.76 ID:cmwV1Vwl0

ソルト「…ムゲン、張リ切ッテマス」

ムゲン「マジカルの頼みだからな! さっさと助けて、今度こそオレが褒めてもらうんだっ」

ソルト「反面、ソルトハオ疲レ。サッキノフライトデ、目ノ前モ暗イト…」

ムゲン「くふふ。ここまで運んでくれてごくろーさん! 後はオレ1人でやるからよ!」

ソルト「マ、待ッテムゲン! バトルニナッタラ、ドウスルツモリデスカ?」

ムゲン「あん?」

ソルト「イザトナッタラ、ソルトガ戦イマス! ダカラ、一緒ニ…」

ムゲン「おいおい、オレは銀河最強のアルティメット・ムゲン様だぜ? 悪党なんか、けちょんけちょんのぷっぷっぷーだ!」ぷっ

ソルト「デモ…」

ムゲン「まぁ良いから良いから。ここはオレに任せて、ソルトはちょっと休んでろよ! 良いなッ!」ぴゅーん

ソルト「ムゲーン!」
67 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:21:41.80 ID:cmwV1Vwl0

ソルト「相変ワラズ、口ガ悪イノデース…」

ソルト「デハアリガタク、ソルトハシバシ休憩…。オヤスミ、タコスミ、次ニ焼クノハ、イカスミピッツァ…」


ソルト「…オヤ?」

ソルト「ナナ・ナントッ!コンナ場所デ、 コンセントノ差込口発見デース!」

ソルト「早速、充電サセテモライマース! アリガタヤー、アナスタシヤー」


――


68 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:22:59.09 ID:cmwV1Vwl0

【一番星号】


輝子「は、はやいな…」

乃々「町が、あっという間に見えなく…」

レイ「言ったろ? 一番星号は、宇宙一速いって!」

輝子「フヒ……こんなエネルギー、どこから…?」

ライラ「このスピード差なら、追いつけそうね!」

リクト「でもレイ、このルートだと…」

レイ「ああ、大気圏を出ちまう。一旦離れて、別の星に降りるつもりなのかもしれねえ」

ライラ「もし第2階層に逃げられたら…」

レイ「別階層は、こっちのGPSの範囲外だ。見失っちまうかもな…」

乃々「そんな…」

レイ「そうなる前に、追いついてみせる!」

ライラ「ムゲンとソルトも、うまくやってくれると良いんだけど…」


レイ「…ん?」

69 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:23:31.93 ID:cmwV1Vwl0


blink!


乃々「ひゃっ…! デッキケースが、光って…」

レイ「な、なんだぁ? ターゲットされたぞ?」

ライラ「どこから?!」

リクト「レ、レイ! 前から、何かが近付いてるよ?」

輝子「レーダーに、点が3つ…」

ライラ「別の宇宙船かしら。でも、3つも?」

レイ「そうか…。小型の飛空船だなこりゃ」

乃々「犯人でしょうか…」

レイ「ああ。こっちが追いかけてるのに気付いて、時間稼ぎってところか…」

70 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:24:01.10 ID:cmwV1Vwl0

レイ「はっ、おもしれえじゃねえか!」

乃々「どうするんですか…?」

レイ「ここは銀河バトスピ法が支配する、宇宙という名の大海原だぜ? 売られた喧嘩は、買うまでだ!」

輝子「でも、3機もいるぞ…。か、勝てるのか…?」

ライラ「だーいじょうぶっ♪」

リクト「たった3人なら、レイがこてんぱんにやっつけてくれるよ!」

レイ「まかせとけ! 勝って、ボスへの道を開けてもらう! ムゲンっ!」
71 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:24:54.70 ID:cmwV1Vwl0

しーん…。



レイ「…あ、そっか」

リクト「レイ……ムゲンは今…」

レイ「いっけね、つい癖で」

乃々「…?」

ライラ「わかるわ…。私も癖で、ついスタートステップ飛ばしちゃったりするもん…」

リクト「ぼ、僕もたまに…」

レイ「じゃあ改めて! お前らの悪事、白き正義が撃ち抜くぜ!!」

輝子「白…っ」

レイ「ゲートオープン! 界放!!」



――



72 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:25:32.55 ID:cmwV1Vwl0

――


ムゲン「…おーい、どこだー?」

ムゲン「意外と広いんだなぁ。迷っちまいそうだぜ……おん?」

美玲「……」

ムゲン「見つけた!」

ムゲン「はっはーん、こいつだな? マジカルに似てるってのは!」


ムゲン「……言う程似てるか? 髪とツメくらいじゃんか……まぁ良いケド」

73 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:26:29.55 ID:cmwV1Vwl0

ムゲン「おい、起きろ!」ペチ

美玲「…」

ムゲン「起きろっての、偽マジカル!」ペチペチ

美玲「……んぅ、」

ムゲン「かぁーっ、寝付きの良いこった! こうなったら…」


ムゲン「…おりゃ、起きろ!」


ぷーっ


もくもく…


74 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:27:12.41 ID:cmwV1Vwl0

美玲「ふにゃぁあ?! なんだなん……っげほ、げほ…!? なんだこれ、げっほごほ……うぇ」

ムゲン「ふぃー。目覚めの一発は、やっぱこれに限るぜ!」

美玲「げほ……な、何なんだ、一体…」


美玲「…あえ? ウチ、縛られて……なんで? ここは…?」

ムゲン「やっと起きたか、この寝ぼすけコピペマジカル!」

美玲「うわ…!? なんだよ、誰だオマエッ、こっち来んな!」

ムゲン「こんな固いベッドで寝てたら、若いのに腰やっちゃうぜ?」

美玲「そんな、どっかのウサミン星人みたいなこと…」

ムゲン「おっ? なんだお前、ウサミン星のこと知ってるのか、良い趣味してるじゃねえか!」

美玲「…は?」

ムゲン「前に寄り道したことあるぜ? 惑星ウサミン。名物は温泉とか団子とか……いやぁ、なかなかの観光星だった…」ホワンホワン

美玲「え? …えっ?」

ムゲン「ナナちゃんって女将さんがかわいくってなぁ…。あれはいつの話だったか。…忘れちった、てへ」

75 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:27:54.74 ID:cmwV1Vwl0

ムゲン「まあいいや、そんな話はどうでも良いんだ」ポイッ

美玲「……いやいやちょっと待て! 今、ウチにとってはどうでも良くないワードがッ」

ムゲン「黙らっしゃい!」ペチーン

美玲「ふぎゃっ」

ムゲン「このオレがせっかく助けにきてやったってのに、ぐーすかお寝んねとはいい度胸じゃねーの、おうおう?」

美玲「助けに…?」


美玲「……あッ、そうだ! ウチ、あの時眠らされて…」

ムゲン「お前、船で連れ去られたんだぜ?」

美玲「そうだったのか…。それで、ロープ…」

ムゲン「たまたま見かけて、わざわざ追いかけてきてやったんだ。オレに感謝しろよな♪」

美玲「あ、ありがと…?」

76 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:29:02.68 ID:cmwV1Vwl0

美玲「…ていうか、オマエは誰なんだよ」

ムゲン「オレはムゲンってんだ。よろしくな、マジカルの2番煎じ!」

美玲「に、2番煎じぃ!?」

ムゲン「だってよぉ。遠目で見たら、お前マジカルにそっくりだったぜ」

美玲「似てない! 人をパクリみたいに言うなッ」

ムゲン「その通り! マジカル一筋のオレに言わせりゃ、まだまだだな! 近くだとぜんっぜん似てない、マジカルたんの方が、お前より100倍かわいい!」

美玲「いちいちムカつくヤツだなオマエ…ッ」

ムゲン「まぁ? その眼帯外して、ちょちょーっと毛先いじれば、少しはマジカルたんに近付けるかもな、偽マジカル!」

美玲「さっきから聞いてれば…ッ! ウチは偽マジカルなんかじゃない!」

ムゲン「へえー? じゃあなんだってんだよ」

美玲「早坂美玲っていう、ちゃんとした名前があるんだウチにはッ」

ムゲン「はいはいミレイさんね、みれ……い…、」

美玲「それに、眼帯は外さない! これは、ウチのトレードマークなんだからな!」

ムゲン「……美玲?」

77 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:29:38.08 ID:cmwV1Vwl0

ムゲン「…驚いた」

美玲「やいッ! 聞いてるのか、このちびトカゲ! くっそぉ、縛られてさえなければ…ッ」ジタバタ

ムゲン「そうか……お前、インディヴィのミレイだな? 今日、マジカルとライブやる筈だった!」

美玲「んぇ、あ、おぅ…。そうだけど」

ムゲン「会場の中にいたのも、控え室に居たとかそんなんだろ? 出演する側だから!」

美玲「そ、そうだよッ、それがどうかしたか!」

ムゲン「なるほど、納得! それでマジカルたんが…」

美玲「??」

ムゲン「よーし分かったぜマジカル! キミのライブにかけるその願い、このムゲン様が手伝うよ…!」
78 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:30:06.41 ID:cmwV1Vwl0

美玲「…あ、あのさ…」

ムゲン「ん? なんだよ今良いとこなのに」

美玲「勝手に納得されても…。ウチ、ただでさえ状況が掴めてないんだ、分かるように教えてくれよ…」

ムゲン「しゃあねえなぁ……じゃあよ、その縄ほどきながら、オレが説明してやる!」

美玲「…一体、何がどうなってるんだ…ッ」

79 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:31:03.18 ID:cmwV1Vwl0

――



白銀「……白銀の第8ターン。《ウィングソルジャー》、もう1体出撃! バグ・レシアを撃ち墜とせ!」

「しまった…」

白銀「エネルギー充填、出力レベル5にアップ! 往くぞ、アルティメット・オーディーン!! 殲滅せよ!」

「あ、アルティメット使いがいるなんて、聞いてない…!」

白銀「【Uトリガー】! ロック・オン!」

「ひぎっ…」

白銀「宣言せよ。コストは?」

「よ、4…、フォレストオーラ…」

白銀「ヒット…!」バシュ

「ブ、ブロックできない…。ライフだっ」


<ライフ 3→2>


80 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:31:50.14 ID:cmwV1Vwl0


リクト「相手のライフ、残り2! いっけえ、ゼロー!」

乃々「白のカード…」

輝子「し、しかも、アルティメット…。レベル5なんて、初めて見た…!」

ライラ「ふふっ。ゼロはとーっても強いから、安心して見ててね♪」

乃々「心なしか、さっきまでと雰囲気違うんですけど…?!」

輝子「それに、ぜろ…? あの人、名前はレイって言わなかったか…?」



白銀「全軍、戦闘態勢! 飛べ! ウィングソルジャー!」

「ぶ、ブロック…!」

白銀「さらにウィングソルジャー、続け!」

「ライフで受ける…」

白銀「これで終わりだ! ディフェンザード、最後のライフを破壊せよ!」

「うわぁ…っ!」


<2→1→0>



Win!


白銀「白く輝け一番星! 轟け、勝利の凱歌!!」

81 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:32:40.71 ID:cmwV1Vwl0

リクト「やった!」

輝子「か、勝った…っ」

白銀「任務完了…」

「つ、次は俺が相手だ…!」

白銀「フ、いくらでもかかって来るが良い。我が軍が、全て薙ぎ払ってくれよう!」



――



82 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:33:20.84 ID:cmwV1Vwl0

美玲「……おい」

ムゲン「ふぎぎぎ…!」

美玲「大丈夫かよオマエ…」

ムゲン「ほどけねえ! つぁぁああ!!」

美玲「あんま無理すんなよ?」

ムゲン「ふんぬぉぉおおあああ!!」ぷ

美玲「おいィ!!? 今なんか音したぞッ!?」

ムゲン「気のせいだ! 気合入れてんだよ、話しかけるな!」

美玲「ちゃんと蓋しろバカ! バカちび!」

ムゲン「うるせえええぇ……ッ」グググ

83 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:34:00.68 ID:cmwV1Vwl0

美玲「大体さ、大人の男が結んだロープを、お前みたいなちびすけにほどけるワケないんだよ」

ムゲン「はー、はーっ……それも、そうかもな……はーっ…」

美玲「ドラゴンなんだろ? ツメとかないのか?」

ムゲン「ある!」

美玲「ならそれで、」

ムゲン「でも今朝切った」

美玲「はぁッ?!」

ムゲン「ライブ後のマジカルたんと、握手できるかもしれないだろ!? 手に怪我でもさせたら大変だ!」

美玲「ら、LIVE会場に夢見すぎだろ…」

ムゲン「うるせー! アイドルに夢見て何が悪いんだーッ」ウガー

84 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:34:31.51 ID:cmwV1Vwl0

美玲「…なあ」

ムゲン「なんだよっ?!」

美玲「とりあえずさ、もういいよ。お疲れ」

ムゲン「よくねえ!」

美玲「レイってヤツが、今向かってくれてるんだろ?」

ムゲン「ああ! お前のためにな!」

美玲「だったら、ソイツが来た時にほどいてもらうよ…」

ムゲン「そんなことしたら、オレが助けたことにならねーじゃんかッ」

美玲「いや、もう十分だって…」

ムゲン「やだやだ! ちゃんと助けたってお前の口から言ってもらって、マジカルたんに認めてもらうんだぃ!」

美玲「わがままだな…」

85 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:35:39.93 ID:cmwV1Vwl0

美玲「……ンなこと言ったら、さっきのことも全部喋っちゃうぞ?」

ムゲン「…へ?」

美玲「良いのか? オマエのお尻からのアタック、2回も喰らったって咲に言っちゃっても」

ムゲン「……あ、ああ…」

美玲「にひひ。とびっきりの喰らって、ウチのライフも尽きちゃうかと思った。…って、言っちゃおーッと」

ムゲン「や、やめ……それは、そんな……、」



咲『ムゲンさん、女の子にそんなことするなんて! サイッテー!! サイッテー! サイッテー! サイッテー…(エコー)

86 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:36:16.72 ID:cmwV1Vwl0

ムゲン「それだけはやめてぇー!!」

美玲「あっははは♪」

ムゲン「お願い頼む、それだけはっ」

美玲「だったら、ウチの言うこともちょっとは聞いてもらおうかッ♪」

ムゲン「…ちぇ、わかったよ」

美玲「ありがとなッ、少し休めよ」

ムゲン「そうする…。はぁー、休憩だ……ちょっと腹貸してくれ…」

美玲「おい、返事する前に勝手に乗るな!」

ムゲン「良いだろ減るもんじゃねえし。仰向けになってるお前が悪い」

美玲「縛られてて、他にどうしろって言うんだよッ…」

美玲「……ハァ」

87 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:36:51.44 ID:cmwV1Vwl0

ムゲン「…なんだよ辛気くせえ、やっぱりほどいてやろうか?」

美玲「いや、もう良いって…。ていうか、オマエにだけはくさいとか絶対言われたくないぞ…」

ムゲン「んだとォ?!」ぷ

美玲「だから漏れてるんだよッ! 休んでる時ぐらい栓しとけ、アホドラゴン!!」

ムゲン「あ、あほどらごん…っ!? 聞き捨てならねえな! バカは良いけどアホは許せねえ!」

美玲「どっちも同じだッ! このアホッ!」

ムゲン「やるかぁ!?」

美玲「やりたきゃとっくにやってるよッ!」

ムゲン「へんっ! 縛られてても、それだけ騒げりゃ問題ないみたいだな!」

美玲「余計なお世話だよッ、ベーッ!」

ムゲン「……」

美玲「……ぷふっ」

ムゲン「…くふふ」



あははは……っ

88 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:37:35.74 ID:cmwV1Vwl0

ムゲン「はーおっかし…。お前、ほんとに捕まってる自覚あるのか?」

美玲「そっちこそ! 助けに来たーとか言って、全然役に立たないじゃんか」

ムゲン「良いんだよ! 今にレイが来てくれて、縄なんかちゃちゃーっとほどいてくれっから!」

美玲「……なぁなぁ」

ムゲン「んー?」

美玲「さっきからそのレイってヤツだけどさッ」

ムゲン「おう」

美玲「どんなヤツなんだ?」

ムゲン「どんなって…、えーっと」

美玲「やっぱり、ドラゴン? どんな色してるんだ?」

ムゲン「……は」

美玲「こっちに向かってて、助けてくれるってことはさ! オマエより、デカくて強いドラゴンが飛んでくるのか? なあ!」

89 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:38:05.87 ID:cmwV1Vwl0

ムゲン「…ふはっ、はははっ!」

美玲「な、なんだよ…」

ムゲン「ドラゴン! レイがドラゴンだって! こりゃ傑作だ! あっははは!!」

美玲「……え。違うの?」

ムゲン「ひー、ひーっ…。……違うぜ、レイは人間。飛んでっていうのは、船で来るってことだよ」

美玲「そ、そっか、そうなのか…」

ムゲン「レイがドラゴン…。くふふっ! これでしばらく、笑いのタネは尽きねえな♪」

美玲「う、うるさいなッ! そんなに笑わなくても良いだろ、知らなかったんだからッ!」

ムゲン「そうだな……しししっ」

美玲「うぅぅ〜〜ッ」

90 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:38:52.74 ID:cmwV1Vwl0

ムゲン「あー笑った笑った!」

美玲「ふんッ」

ムゲン「でもよぉ、レイが強いってとこだけは、正解だぜ?」

美玲「…ふーん?」

ムゲン「あいつの強さは、宇宙で1番! 誰にも負けねえ!」

美玲「そ、そんなにか」

ムゲン「宇宙にいる、どんなドラゴンよりも強いぞ! なんたって、宇宙一だからな」

美玲「…さ、流石にそれは言い過ぎじゃないのか?」

ムゲン「そんなことない! このオレが付いてるんだから、言い過ぎなんてことはない!」

美玲「オマエが?」

ムゲン「おうよ! オレだってつえーんだ! 宇宙一のドラゴン……人呼んで、アルティメット・ムゲン様だ!」

91 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:39:32.57 ID:cmwV1Vwl0

美玲「……」

ムゲン「あっ! 信じらんねーって顔してやがる! 本当なんだぞ?!」

美玲「…縄もほどけない、オマエが?」

ムゲン「うっ…。それは、アレだよ。タイミングが悪かったっつーか」

美玲「お尻からぷっぷかぷっぷか漏らしてるような、オマエがか?」

ムゲン「あれだって手加減してやったんだぞ? マジの本気、見せてやろうか」

美玲「いや、いい! 止めろ! 別の機会にしてくれッ」

ムゲン「オレが本気になれば、ケツから炎だって出せるんだかんな!」

美玲「それはフツーにすごいなッ!? なんかこう、穴とか大丈夫なのか?!」


美玲「……いや、火なら口から出せよ!! そっちのがフツーだろッ??!」

92 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:40:05.04 ID:cmwV1Vwl0

ムゲン「…お前、ツッコミ気質だなぁ」

美玲「放っとけ!」

ムゲン「良い反応してるぜ!」

美玲「嬉しくない…」

ムゲン「まぁとにかく、オレもレイも超強いってこと! 分かったか?」

美玲「わ、分かったよ…」

ムゲン「へへーん、参ったかっ」

美玲「…羨ましいな」

ムゲン「……あん?」

93 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:40:57.12 ID:cmwV1Vwl0
――



紫電「……それでは、冥界よりお出まし頂きましょう! アロケインの【スピリットソウル】も使い、召喚! 《アルティメット・ベルゼビート》!!」

「ま、またアルティメット…!」

紫電「参りましょう、ベルゼビート。【Uトリガー】ロック・オンでございます」

「ダーク・カリブー、コストは2!」

紫電「【クリティカルヒット】…!」パシュ

「あっ…」

紫電「さあ、墓場よりお目覚めでございます。《ダークヴルム・ノヴァ・レムナント》!!」



リクト「紫のトラッシュ戦術だ! 大型スピリットを、ノーコスト召喚!」

乃々「さ、さっきと色が違うんですけど…」

輝子「性格も衣装も、また変わった…。あんなだったか…?」


94 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:41:49.30 ID:cmwV1Vwl0

紫電「さらにクリティカル・ヒットの効果発揮。貴方のナインテイル・ダークのコア、全てトラッシュへ送らせて頂きます」

「ブ、ブロッカーが…! しかたない、ライフで……くぅっ」


<ライフ 3→2>


紫電「ベルゼビートの追加効果。其方で疲労しているダーク・ウラヌスも、破壊させて頂きましょう」

「あ、あぁ…」

紫電「では、レムナント。ダブルシンボルで、トドメをお願いします」

「ダブル……ライフで受けるぅぅ…」


<2→0>



Win!


紫電「フフ……ではまた。素敵な地獄で、お会いしましょう…!」

95 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:42:31.68 ID:cmwV1Vwl0

ライラ「やったぁ! ライフ2個削って、一気に勝利!」

「く、くそぉ…」

「てめえ、余裕ぶって紅茶なんか飲みやがって!」

紫電「あっという間に、あと1人。まだ、やりますか?」

「当前だ! こっちだって、金がかかってんだよ!」

紫電「…やれやれ、仕方がありませんね」


紫電「貴方で最後です。ギッタギッタのボコボコに、叩きのめしてさしあげましょう♪」ニコ

リクト「うわぁ、出た…」

ライラ「ドSのゼロ…」

乃々「か、かっこいい……かも」

輝子「…えっ」



――



96 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:44:16.75 ID:cmwV1Vwl0

ムゲン「……ふんふん。いわゆる温度差ってやつ?」

美玲「…うん。まあ、そんなトコ」

ムゲン「嫌だったら、さっさと辞めちまえば良いじゃねーか」

美玲「いや…、ウチは別に、温度差があることが嫌なワケじゃないんだ」

ムゲン「ほーん」

美玲「人それぞれなのは当然だし。2人だって、やる時はしっかりキメるから。そういうの、"コセイ"っていうんだろ?」

ムゲン「良く言えばなー」

美玲「良く言えばって……オマエなぁ」

ムゲン「"ホーコーセーの違い"って言葉も、この宇宙にはあるらしいぜ?」

美玲「んぐっ…」

ムゲン「そんで? 続けろよ」
97 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:45:18.98 ID:cmwV1Vwl0

美玲「……ショーコは、すごいヤツだ。普段は大人しすぎるくらいの癖に、歌は上手いし、ステージ観てても横で歌ってても、今にも叫びたくてしょうがないってのが、ビリビリ伝わる。どんどん周りを巻き込んでく」

美玲「ノノもすごいよ。ちょっとだけビビりだけど、だからこそ自分のことも周りのこともよく見えてる。自分の限界の引き出し方も、ノノ自身がちゃんと分かってる。あれは、ウチには真似できないや」

ムゲン「…」

美玲「でもウチだって負けてないッ! ツメとかファッションだけじゃない…! 歌とか衣装とか、ステージもバトルも、全部!」

美玲「戦うための武器、ようやく全部手に入れたんだ! 好きなこととか、自分らしさとか、そういう主張は、絶ッ対にやめたりしない! やめるもんかッ」

美玲「ウチら3人が揃えば無敵なんだ、どんなヤツにも絶対負けないッ!」



美玲「…って、ウチは思ってるんだけど」

ムゲン「そいつらは思ってない?」

美玲「どーだろ…。分かんないや…」

98 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:46:11.11 ID:cmwV1Vwl0

ムゲン「おいおい…」

美玲「だってアイツら、そういう主張全然しないんだモン…」

ムゲン「…ま、そうだよな。してりゃこんなことで悩まないよな」

美玲「今日のLIVEだって、なんかウチだけ盛り上がってたっていうか? ウチは気合入れようとしてんのに、2人はいつも通りな感じだったっていうか」

ムゲン「いつも通りなのは良いことじゃねーか」

美玲「だ、だって! 咲とのLIVEだぞ? 全宇宙に向けて歌えるんだぞッ? 気合も入るだろッ」

ムゲン「そういうのよくわかんねー。オレ、アイドルじゃないし」

美玲「……闘争心、みたいなのがさ。あの2人からイマイチ見えてこないんだよ」

美玲「LIVEもバトルも、どっちも」

ムゲン「そいつらにとっちゃ特別なことでもなかった、ってことなんじゃねーの?」
99 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:47:48.36 ID:cmwV1Vwl0

ムゲン「…おいコラ待てよ、マジカルとのライブが特別じゃないってどういうことだ? あァン!?」

美玲「じ、自分で言ってキレんなよ、めんどくさいなッ…」

ムゲン「へんっ、オレなんかにぐちぐちいじけてるお前もなー」

美玲「……だよな」

ムゲン「ちょ、おいおい冗談だよ、間に受けんなって」

美玲「3人なら最強だって、ウチは思ってる。…でも、2人は、そうじゃないかもしれない」

美玲「そしたらウチも、もしかしたらそうじゃないのかもって過っちゃうんだ」


美玲「だって……ウチ、1人だけじゃちっぽけで弱いヤツだから。自信なんか、あったもんじゃない」

美玲「だからさ。レイってヤツがこの場にいないのに、『オレたちは強いッ!』…って自信満々に言えるオマエが、ちょっと羨ましくって」

ムゲン「なるほどなぁ」

美玲「ウチ、間違ってるのかなぁ…」

100 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:48:18.19 ID:cmwV1Vwl0

ムゲン「…オレはその2人を知らないから、あんまバシっと言ってやれねーけどよぉ」

美玲「え?」

ムゲン「直接聞いた方が早いんじゃねーの?」

美玲「それは…」

ムゲン「"インディヴィズアルズ"っていうチームを強いと思うか、それとも違うのか。直接2人にさ」

101 : ◆uMEAzbBMSc [saga]:2018/04/08(日) 17:49:44.68 ID:cmwV1Vwl0

ムゲン「オレが思うに、お前は多分間違ってねーよ。っていうか、こういうのに合ってるも間違ってるもねえ」

美玲「そ、そうなのか?」

ムゲン「ああ。自分が強いって心から言える自信なんてのは、後から付いてくるもんだぜ? オレらみたいになっ」

美玲「え…。オマエらは、最初から強かったんじゃないのか?」

ムゲン「そりゃーオレは昔っから強かったさ! 同級生の軟弱なドラゴンたちよりも、ずーーーっとな!」

美玲「同級生いたのかよ…」

ムゲン「…でも同じくらい強いヤツが、宇宙にはいっぱいいた。オレより強かったヤツも」

美玲「…」

ムゲン「そういうのに会う度、何度も負けたり、鼻折られたりしたもんだ」

美玲「そうだったのか…」

ムゲン「でな? 負ける度に思うんだ! 次は負けねー、アイツよりもっと強く!…ってよ!」

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