レッド「擬人化ポケモン……最高だな」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/05(木) 11:34:20.56 ID:ocovSoLA0
レッド「……あぁ、よく寝た……」

レッド「……っ!やべっ、今日オーキドの爺さんに呼ばれてる日じゃん!かんっぜんに忘れてた!」


オーキド「それで遅刻したのかお主は」

レッド「生きるのに必死すぎて自分の10歳の誕生日忘れてましたわ」

オーキド「今何時だと思ってるんじゃ」

レッド「午後の3時っすね」

オーキド「約束してたポケモンはもういないぞ」

レッド「えっ」

オーキド「朝来た、お前と同い年の子達が連れていった」

レッド「……一体もいない?」

オーキド「残念じゃが」

レッド「……マジかよ」

オーキド「まあそれだけ時間というのは大切という事じゃ」

オーキド「今回は特別に明日また約束の時間にここに来ればポケモンを渡すが、気を付けるように」

オーキド「よいか? 危険なのでくれぐれも自分一人でポケモンを捕まえに行こうなどとは……レッド?」




〜1番道路〜

レッド「母さんの目を盗んで小さい頃から駆けまわってきた、ここは俺の庭みたいな場所だ」

レッド「ぜったい大丈夫……俺ならぜったい大丈夫だ……」

コラッタ「グルルルル……」

ポッポ「………」

レッド「落ち着け落ち着け、相手は鼠と鳥だ。不安に思う事はない……万事大丈夫……」

コラッタ「……!」

レッド「……っ!やっぱ無謀なのか……!」

レッド「……? 衝撃が来ない?」


こんなところに一人でどうしたの?

衝撃に備えて目をつむったままの俺の耳元に、優しい吐息と鈴の鳴るような美しい声。
目を開けた俺の視界に映るのは、ブラウンの楚々としたワンピースに、耳に掛かるくらいのショートな茶髪が似合う、おっとりした美人だった。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1522895660
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/05(木) 12:05:01.75 ID:ocovSoLA0
???「どうしたの?」

レッド「……かわいい」

???「えっ」

レッド「……あんたに惚れた」

???「ええっ……」

レッド「一緒に来てほしい」

???「いやあ、困るよお。群れの皆のこともあるし……」

レッド「群れ?」

???「私ここに住んでるから〜」









オーキド「そりゃあ変異種じゃな、恐らくポッポか」

レッド「変異種? なんじゃそりゃあ」

オーキド「ポケモンには2種類おってな、稀に通常のポケモンから突然変異的に人間の姿を象った変異種が生まれる事がある」

レッド「普通のポケモン? 通常種? とどう違うんだ、それは」

オーキド「人間の身体をしているが、それだけじゃ。ポケモンとしての能力を発揮するのになんの支障もない」

オーキド「人間の高度な文明社会に適応するための種としての進化だとか、学説はいろいろ有るんじゃが……」

レッド「じゃあいつはポケモンなんだな」

オーキド「1番道路に住み着いている人間の方が考えづらいじゃろ」

レッド「おっし、決めたぜオーキドの爺さん。俺はあいつを相棒に旅に出る」



その日から、レッドは1番道路に足しげく通い始めた



レッド「頼む、俺にはあんたが必要なんだ!」

ポッポ「そんな事言われても〜」



レッド「何が駄目なんだ!」

ポッポ「うーん、別に何も駄目じゃないけど〜」

レッド「じゃあっ!」

ポッポ「私は毎日のんびり生きて行きたいから。」

レッド「その生活に刺激はあるのか!」

ポッポ「必要〜?」

レッド「必要!」



レッド「生活の心配はないから!俺が全部養うから!」

ポッポ「それじゃあ私ヒモみたいだ〜、でもどうやってお金を?」

レッド「バトルとかで」

ポッポ「あら〜。それじゃあ君が私のヒモだ〜」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/05(木) 12:40:55.13 ID:ocovSoLA0
ポッポ「おっ、今日も来た。待ってたよ〜」

レッド「お、おう。なんか調子狂うな」

ポッポ「ご飯一緒に食べよ?」

レッド「途中で買ってきたおにぎりしか持ってないけど」

ポッポ「なんでもいい。君と一緒に食べればなんでも美味しいよ〜」

レッド「……そのほわほわした笑顔に俺は惚れたんだ」

ポッポ「えへへ〜、なんだか照れるよ」

レッド「……もうこれで最後にするよ。─────俺と一緒に来てくれるか」

ポッポ「うん、いいよ」

レッド「……えっ、いいのか?」

ポッポ「君と一緒に居るのも楽しいから、気が変わっちゃった」

レッド「……嬉しいよ、本当に」

ポッポ「……わっ、泣いてるの〜?中々良い返事出来なくてごめんね、よしよし」

レッド「断られると思ったし、これで断られたら諦めようと思ってたから」

ポッポ「わ〜、じゃあ危ないところだったね〜」

レッド「……マイペースな奴だ、本当」

ポッポ「何回断っても来るんだから、君も大概でしょ〜」

レッド「違いないや」

ポッポ「ふふっ、似た者同士だ」

レッド「……マサラタウンのレッド。よろしくな」

ポッポ「名前、初めて知った」

レッド「別に聞かれなかったからな」

ポッポ「それもそっか〜。じゃあよろしくね、レッド君♪」


なんだかんだ レッドは ポッポ を なかま にした !
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/05(木) 13:09:46.92 ID:ocovSoLA0
オーキド「……たまげたもんじゃ。まさか本当に変異種を従えて帰ってくるとは」

ポッポ「褒められてる?」

レッド「褒められてる」

ポッポ「よしよし」

レッド「頭撫でるのやめてくれ、なんか恥ずかしい」

ポッポ「え〜」

オーキド「信頼関係も良好のようじゃな」

レッド「皮肉か?」

オーキド「お主にもポケモン図鑑を授けよう。これでカントー地方全域のポケモンを登録してきて欲しい」

レッド「報酬は?」

オーキド「弾む、とだけ言っておこう」

レッド「請け負おう」

ポッポ「わ〜……」

オーキド「後はまあ、ポケモントレーナーとしての目標の話じゃな」

オーキド「世の中には人がいて、沢山の世界がある。カントーを周ってみて、見識を深めるんじゃ」

レッド「目標はもう決まってる」

オーキド「ほお」

レッド「カントー地方チャンピオンの竜使いをぶっ潰す。いい年こいてマントだし隣のポケモンかわいいし許せねえ」

オーキド「そ、そうか。つまりチャンピオンになりたいということじゃな?」

レッド「チャンピオン自体に興味はない。あのワタルとかいう痛い竜使いが気に食わないだけだ。隣の巨乳おっとりポンコツお姉さんかわいいし許せねえ」

オーキド(カイリューの事か……?)「ま、まあ目標がはっきりしているのは良い事じゃ。頑張ってみなさい」

レッド「色々ありがとな爺さん。俺はワタルとかいうおっとり巨乳ポンコツお姉さんを侍らせてる許せねー奴をぶっ潰しに行くわ」



ポッポ「おっとり? とかポンコツ? とかは分からないけど、レッド君の好きな巨乳になれるように頑張るね」

レッド「……そのままのポッポが一番かわいいよ」

ポッポ「……そう?」

5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/05(木) 13:55:08.29 ID:ocovSoLA0
〜セキエイ高原〜

レッド「何?バッジ? とかいうのを8個集めないと、あの竜使いには挑めないのか?」

職員「そうじゃなきゃ、挑戦者がきりないからねえ。挑戦に見合った実力を証明してもらわないと」

レッド「……じゃあ、こっから一番近いそのジムバッジもらえる施設はどこにある?」

職員「そうだな〜……トキワのもりを抜けた先のニビシティかな。本当のこのトキワシティにもジムがあるんだけど、ジムリーダーが長い事留守にしてるみたいで」

レッド「何だそりゃあ。大した職務怠慢だな。訴える事は出来ないのか」

ポッポ「そんな物騒な……」

職員「あはは……それがまるで足取りが掴めなくてねえ……まあ君達の旅が終わる頃には帰ってきてるだろうから、またその時来てみたらどうかな」


〜トキワの森〜

レッド「ポッポ」

ポッポ「ん? なになに〜?」

レッド「トキワシティのジムリーダーもぶっ潰すリストに加えた。聞けばもう半年近くジムを空の廃墟にしてるらしい」

ポッポ「何か事情があるのかも?」

レッド「それでも奴らの仕事なはずだ。リーグから雇われている人間が施設を空けて失踪していい理由を探す方が難しいだろ」

ポッポ「……確かに。うん、一緒にぶっ潰そっか♪」

レッド「……お前も案外ドライなとこあるよな」

ポッポ「……レッド君に染められちゃった?」

レッド「……なんかドキっとしちゃってムカつく」

ポッポ「ん〜!髪わしゃわしゃされるの、そんなに嫌いじゃないから効果ないもんね〜」

虫取り「おい」

レッド「なんだとーもっとやってやる」

ポッポ「わーやめてー♪」

レッド「喜んでんじゃねえか!」

虫取り「おい!」

レッド「なんだよ!」

虫取り「聞こえてんなら返事しろよ!」

レッド「うるせえな、こっちは相棒とイチャついてんだ。お前に構ってる暇ないんだよ!」

ポッポ「イチャ……!」

レッド「不意打ちされて照れるのも最高にかわいいぞポッポ」

ポッポ「もう……!……バカ」

虫取り「だから!イチャついてんじゃねえこんな場所で!」

虫取り2「そーだそーだ、ポケモントレーナーは目が合ったらポケモン勝負!」

虫取り3「僕のビードルの餌食になりな!」

レッド「……初めての対人戦だ。いけるか? 嫌なら嫌って言ってもいいんだぞ、徐々に慣れていけば。お前以上に大事なものはないんだからな」

ポッポ「……大丈夫、ちょっと不安だけど、レッド君と2人なら、きっと大丈夫!」

レッド「よしっ、行くぞポッポ!……信じてる」

ポッポ「……うん!」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/05(木) 14:57:30.25 ID:rS/dSjDhO
全部♀というご都合主義
なら♂より弱くしとけよ
7 :>>6 夢を見させてくれや [saga]:2018/04/05(木) 16:23:46.50 ID:ocovSoLA0
むしとりしょうねん x3 との しょうぶに かった !
220 円 を てにいれた !

レッド「余裕だったなポッポ」

ポッポ「うん!」

レッド「よっし、この勢いを大切に進もう」

ポッポ「任せて!私今ちょっとハイになってるから!」

レッド「この森の生態系を乱すくらいバッタバッタ薙ぎ払え!経験値荒稼ぎだ!」

???「ちょ……ちょっと、やめなさいよ!森をどうする気なの!?」

ポッポ「人型!レッド君、あの娘多分私と同じ変異種だよ!」

レッド「多分ピカチュウだな……金髪ツインテのロリというビジュアルは割と好みだが、ピカチュウ自体が割と好みじゃない」

ピカチュウ「酷い!?」

レッド「倒して構わないぞポッポ」

ポッポ「はーい♪」

ピカチュウ「ちょっと!?」





〜ニビシティ〜

レッド「……ポケモンセンターで体力も回復したし、アイテムも買い込んだ」

ポッポ「……なーに緊張してるの。らしくないよ?」

レッド「ごめんな。実際に戦うのは俺じゃないのに、気を遣わせちゃって」

ポッポ「まったくだよも〜。世話の焼けるマスターなんだから」

スッ

レッド「?」

ポッポ「手、出して?」

ギュッ

ポッポ「知ってるよ。レッド君が言う程強くない事は。そんなに長い付き合いでもないけど、いっぱいお話ししたから」

レッド「ごめん。メンタルが弱い相棒でほんとごめん……」

ポッポ「さっき、信じてるって言われてとっても嬉しかった」

ポッポ「───私は、レッド君が信じてくれる限り戦えるから。忘れないで」

レッド「……ありがとう、ポッポ」

ポッポ「手、あったかいね」

レッド「手があったかい人は心が冷たいって言うけどな」

ポッポ「じゃあ私も?」

レッド「ポッポは例外」

ポッポ「なにそれ〜」


8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/05(木) 16:48:04.62 ID:mTJrTLveO
良い
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/05(木) 17:57:20.31 ID:Ap+lmUXc0
10歳の思考じゃないわ
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/05(木) 18:15:21.12 ID:SEUQ6DzMO
このレッド、ポッポがピジョットになって30後半のどエロボディになった瞬間に即切りしそう
11 :>>10 残酷すぎて草 [saga]:2018/04/05(木) 20:08:27.60 ID:ocovSoLA0
〜ニビシティ ジム〜

レッド「たのもー!」

ポッポ「たのもー」

タケシ「来たか挑戦者……おっ、珍しい変異種を連れているな」

レッド「あぁ、世界一かわいいポッポだ」

ポッポ「何それ、告白?」

レッド「好きにとってくれ」

タケシ「おいおい、随分甘い二人組だな……ブラックコーヒーが欲しくなるぜ」

イワーク「全くだな……本当に1つ目のジムの挑戦者なのかと疑いたくなる絆だ」

レッド「人型……あんたも変異種を!ってか何故1つ目だと」

イワーク「知らんのか? 各地のジムリーダーは最低1匹は私のような変異種を持っている」

タケシ「それに随分長いことジムリーダーやってるからな、挑戦者の実力はオーラで大体分かる」

レッド「……そのようだな。なんかもう熟年夫婦のような安定感を感じる」

タケシ「だ、そうだ婆や。確かに俺達の方ももう長い付き合いになるな」

イワーク「そうだな爺や。まあ悪い気はしない、そこらのトレーナー達とは絆が違うのは我々も一緒だからな」

レッド(この高身長クールビューティー、仕事しかしない真面目タイプに見えて意外とノリもいい……!?できる……!)

ポッポ(人の事甘いとか言っといて自分達も惚気てるじゃん)

タケシ「さあ、茶番はここまでだ。同じ変異種使い同士、何か縁を感じなくもないが手は抜かない」

イワーク「こっちもそう簡単にバッジを渡すわけにはいかなくてな。負けても恨んでくれるなよ?」

レッド「上等!こっちも変な緊張が抜けた、勝たせてもらうぞ!頂点に狂い咲くために!」

ポッポ「ふぁいてぃーん!」

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