【艦これ】暁が如く【極道】

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130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/03(木) 16:10:44.49 ID:W2WY+gXe0
二水戦テレビはどこに行けば見れますか!!?
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/04(金) 19:19:51.90 ID:ZTJE4ObQ0
キャッツアイかぁ
懐かしいなぁ、シティハンターにも喫茶店の名前だけ出てきてたりしてたの思い出した
本編も続き待ってます
132 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/04(金) 23:21:44.88 ID:0vVFI0yr0
>>130
二水戦テレビは、水雷魂を持ってテレビつければきっと見れるよ。
133 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/04(金) 23:22:27.17 ID:0vVFI0yr0

―――CM明け


―――暁組・事務所


アナタハダァレ?

暁「………………」ゴクッ

アハハ‼アハハハハハ‼

雷「んー! んーー……!」チラッ

ソレハナァ…―

電「はわわ……! はわわわわ…………!!」ガタガタ…


オマエダァアアアアアアアアアアアアアア‼


「「「いやぁああああああああああああっ!!」」」


ガチャ…

響「ただいま。いま、なにか悲鳴が聞こえたような――」


「「「きゃあああああああああああああ――!」」」


暁「――って! ひ、響じゃない!! び、びっくりさせないでよ、もうっ!!」


響「……すまない」


電「はわ………………」チーン…


雷「こ、こんなに怖いなんて、聞いてないじゃない……!」


響「……ふーん、ホラー映画を見てたのかい?」


暁「ま、まぁね! ぜ、全然怖くなかったけど!」

電「……電はすごい怖かったのです……」

雷「ウソよっ! 組長だって叫んでたじゃない!」

暁「そ、それは――!」


響「――まぁまぁ。それよりも……」


暁「…………? それよりも?」


響「いや、そこに居る赤い服の人は誰かな……って思ってね」


暁「」ピキッ

電「」パキッ


雷「――だ、騙されないわっ! そういって、響は私たちを驚かそうとしてるのね!」

響「そう言われても……」

暁「そ、そうだわっ! ふんっ、どうせ誰も居な――」クルッ


早霜「…………こんにちは」フフッ…


――イヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア……

134 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/04(金) 23:22:56.38 ID:0vVFI0yr0

――

――――

――――――


暁「――ゴホンっ。……えーと、それじゃ改めて……」


暁「……私たちの事務所に勝手に入り込んで、あなた誰なのよっ?」


早霜「ごめんなさい……つい。映画を見終わるまで、待っていようかと思ったのですけど……」


雷「というか、いつから居たの?」


早霜「ずっといましたよ。ずーっと……」フフフ…


電「この人怖いのです」


響「……その服から察するに、キミは夕雲組だろう? ……いったいどんな用件で?」


早霜「それは、まず私の口よりもこれを……」スッ


暁「……DVD? ……こ、怖いのじゃないのよね?」


早霜「ご安心を……。夕雲組長からの伝言です……」カチッ



夕雲『――初めまして、暁組の皆さん。夕雲組組長、夕雲と申します』

夕雲『このような形での挨拶となってしまい、大変申し訳ない気持ちであります』

夕雲『ですが、いま夕雲組はとある事情から陽炎組に目を付けられていまして、外出はおろか通信機器すらも傍受されている可能性から、使うことができないのです。どうかご容赦くださいますようお願いいたします』

夕雲『私どもの方にも、暁組の活躍は聞き及んでおります。さぞ、組長様は器の大きい方なのでしょう』


暁「そ、それほどでも……あるわね」

雷「………………」

電「………………」


夕雲『――そこで一つ。無茶な事なのは承知の上で、暁組にお願いしたいことがあるのです』

夕雲『陽炎組に居る私たちの内通者。秋雲の救出をお願いしたいのです』


暁「救出……?」


夕雲『こうなってしまった経緯は話せば長くなってしまうので割愛しますが、彼女は多くの情報を私たちに与えてくれました』

夕雲『私たちはその情報をもとに、陽炎組の力を削っていたのですが。しかし、陽炎組も馬鹿ではありません。ついに情報提供の事が感付かれてしまったのです』

夕雲『まだ秋雲さんが内通者だということは気付かれていないようですが、それも時間の問題でしょう』

夕雲『……そこで、陽炎組の目がこちらに向いている隙に、秋雲さんを暁組に救出していただきたいのです』

夕雲『もちろん、本来であれば私たち夕雲組で解決しなければいけないことでしょう。しかし、先ほども申しました通り。夕雲組は陽炎組に目を付けられてしまっていて動くことができません』

夕雲『……無茶なお願いなのはわかっています。強要はできませんし、お断りしていただいても構いません』


夕雲『――……ですが、もしやっていただけるとの事であれば、私たち夕雲組は暁組に絶対の忠誠を誓いましょう』

夕雲『どうか、ご一考いただければ幸いでございます。……これ以上の詳しい話は、その場に居る早霜にお聞きください』



早霜「――以上が、夕雲組長からのお言葉です」

135 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/04(金) 23:23:31.46 ID:0vVFI0yr0


暁「きゅ、救出って……あの陽炎組相手に……? な、なんで私たちなのよっ?」


早霜「……それはそうでしょう。いまや、あの陽炎組に対抗できるのは、睦月組・吹雪組・秋月組を傘下に置く、あなた方暁組だけなのですから」


電「さ、傘下って……?」


雷「……まぁ睦月組はともかく、他二つはそう見えてもおかしくないわね……」


響「――しかし、理解できないな。なぜ、その内通者一人のためにそこまでするのか……。もともと、そういうリスクは承知の上なのでは?」


早霜「……それについては、少し複雑なのです……。その秋雲ですが、もともと私たちが送り込んだものでもありません」


暁「どういうこと?」


早霜「秋雲は元から陽炎組の組員なのです。……それが、ある時私たちに接触してきて情報を提供してきたのです」


雷「へぇ……。どんな見返りを望んでたのかしら?」


早霜「……いいえ、秋雲は見返りを要求しなかったのです。ただ、陽炎組が大きくなるのを止めてくれればそれでいいと」


電「え、えぇっと……?」


早霜「それ以上のことはわかりません……。秋雲本人に聞いてみないことには」


響「……それで? 夕雲組が秋雲一人のためにそこまでする理由は?」


早霜「……夕雲組長は仁義を重んじるお方です。秋雲を見捨てておくのが我慢ならないのでしょう」


暁「……か、考える時間はどれくらいあるの?」


早霜「実は……あまり猶予がありません。なぜかと言いますと、このDVDを録った後に陽炎組の萩風という組員から電話があったのです」


早霜「『秋雲を、守ってほしい』と」


電「で、でも……、さっき通信機器は……」


早霜「そう。おそらくは下の組員まで詳しく話をしていなかったのでしょう……。萩風のその電話はたぶん……」


雷「もし、私たちが断ったら?」


早霜「……その時は、夕雲組と陽炎組の戦争になるでしょう。……勝ち目は薄いかもしれませんが」


暁「……みんなはどう思う?」


電「い、電は……よくわからないのです……」


雷「難しいわね……。夕雲組が味方になるのはすごいことだと思うけど……」


暁「……響は?」


響「――私は反対だ。『絶対の忠誠を誓う』とは言っても、夕雲組がそれを守る保証はどこにもない」


響「陽炎組を相手にすれば、私たちだってタダじゃ済まないかもしれないんだ……」

136 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/04(金) 23:24:57.25 ID:0vVFI0yr0

暁「…………そうよね」


早霜「さっき夕雲組長が言った通り。断ってもそれはしょうがない事です。暁さんが気に病むことではありません」


暁「………………」


雷「組長…………」

電「はわわ……」

響「…………組長」


暁「――……決めた」


早霜「…………はい」






暁「 秋雲救出の件。私たち暁組が請け負ったわ 」






早霜「…………え……?」


雷「――ふふっ! 組長なら、そう言うわよね!」


電「なのですっ!」


響「………………っ!」


暁「…………響。あの、えっと……」


響「――ハラショー。……それでこそ、我が組長だ」


暁「え? いいの……?」


響「もちろんさ。……私は、それがたとえ地獄へ通ずる道だとしても、組長と共に歩くよ」ハラショー


暁「響……!」


早霜「あ、あの……! 本当に……」


暁「――早霜、帰って夕雲さんに伝えなさい。秋雲は、私たちが必ず救い出してみせる……ってね」ニコッ


早霜「――っ! ……必ず」グッ



暁「戦争だなんて、そんな物騒なこと止めた方が良いに決まってるわ。……みんなを集めましょう。今すぐに作戦会議よ!!」

雷「えぇっ! 秋月達に伝えてくるわね!」

電「い、電はお茶とお菓子を用意するのです!」

響「それじゃ、私は作戦を考えようかな……」


 第九話
 『のうある鷹はなんとやら? 夕雲組の覚悟』

お わ り
137 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/04(金) 23:25:52.81 ID:0vVFI0yr0

【次回予告】

デデンデデン♪


曙「綾波組の若中をやってるわ、曙よ。……お相撲さんではないわ」


曙「あーあー、まったく面倒くさいことになってきたわね」


曙「正直な話、陽炎組と夕雲組が戦争したところで、私の知ったことじゃないわ」


曙「……でもまぁ、組長が言うんだったら仕方がないか」


曙「見てなさい。目に物を見せてあげるから」


曙「次回『暁が如く』」


曙「『嫁菜の如く』」


曙「任侠桜に仁義の嵐……ってなによこれ?」


曙「ホント……冗談じゃないわ」


デデデン♪


138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/04(金) 23:48:29.77 ID:ZTJE4ObQ0
乙でございます
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/05(土) 17:50:56.17 ID:2NcOATpm0
提督って概念が存在しない世界観?
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 02:15:57.92 ID:LpzZrWUj0
暁さん素敵すぎます
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 05:13:00.88 ID:ouEd6JK/0
響が暁を大好きなことがよくわかる、尊い
142 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/13(日) 02:42:07.97 ID:GyzhkNKc0

 第十話
 「嫁菜の如く」



―――陽炎組・本部・昼

ザワザワ…
プップー‼
ワーワー‼


嵐「――なんだぁ? 今日はヤケに人の往来がある気がするなー」

野分「そうね。なんでも、遊園地の料金が半額になったり、有名人とかもくるみたい」

谷風「かぁーっ! 粋だねぇ!」

浜風「……しかし、何故急に?」

舞風「まぁまぁいいじゃん。楽しいのはいいことだよ!」


秋雲「あはは……」

スッ

初風「……秋雲」ボソッ


秋雲「…………っ! ――は、初風の姉貴……」


初風「ちょっと話があるの。……来てもらえる?」ゴゴゴゴ…


秋雲「………………!」ゴクッ

秋雲(――もうバレたのか……。思ってたより早かったな……)

秋雲「……はい。行きます……」


――――――


黒潮「――おぉ、秋雲。急に呼び付けて悪いなぁ」


秋雲「い、いえ……。そ、それで、お話というのは……」


黒潮「それがなぁ、この前話した内通者の事なんよ」


秋雲「………………」


初風「……もう目星はついたの。でも、いま組長の心労を増やすのも嫌でね。……わかるでしょう?」


秋雲「……はい」


黒潮「それで、その目星っていうんがな――」


秋雲「…………っ」ギュッ…






黒潮「萩風……だったんよ」






秋雲「…………えっ、萩風の姉貴?? ど、どうしてっ!?」

143 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/13(日) 02:42:55.77 ID:GyzhkNKc0

初風「気持ちはわかるわ。私だって、最初は信じたくなかったけど……」


黒潮「実はなぁ、うちらは情報の流出先が夕雲組と見て、いろんな角度から様子を見てたんやけど」


黒潮「……この前、一つの通信を傍受したんや」


秋雲「ぼ、傍受……?」


黒潮「それはなぁ、夕雲組の若頭補佐……風雲への通信だったんよ。……残念ながら内容までは把握できんかったけども、おそらくは萩風の声やったと思う」


秋雲「そんな…………」


初風「秋雲、あなたには何か決定的な証拠を掴んでほしいの。萩風もあなた相手だったら気を許すと思うから」


秋雲(萩風の姉貴が風雲の姉貴に……? いったい何がどうなって……。――とりあえず、ここは承諾して様子を見ないと……)


秋雲「わ、わかりました。なんとか、やってみます」


黒潮「すまんなぁ秋雲。よろしく頼むわ……――」



――――――



秋雲「――やっぱり無い……。風雲の姉貴にもらった、あの連絡先の紙が……」

トントン…

秋雲「――っ! ……は、はい!」


萩風「秋雲? ちょっと話があるの」


秋雲「……ちょうどよかった。私も、萩風の姉貴に話があるんだ」


萩風「そう。……じゃあ入るわね」ガチャ…


秋雲「萩風の姉貴……! 風雲の姉貴に連絡したのかっ!?」ガシッ


萩風「えっ!? そ、そうだけど……、なんで知ってるの? 秋雲も連絡を?」


秋雲「違うんだ……。その連絡の事が、もう本部長達にバレてる」


萩風「そんな……!」ハッ…


秋雲「なんでそんな勝手な事をしたんだよっ!」


萩風「……ごめんなさい。――でもっ、秋雲は陽炎組に居ないほうがいいと思ったから……! 結果的に私のせいでこうなってしまったけど、いずれはこうなる。隠しきれるはずがないもの」


秋雲「それならそれでよかったんだ! ……その連絡のせいで、本部長達は萩風の姉貴を内通者だと思ってる!」


萩風「…………っ! ――なら好都合ね。秋雲が逃げやすくなる」


秋雲「馬鹿なこと言うなよッ!」


萩風「実はね、私が今日ここに来たのは、さっき折り返しの連絡があったからなの」


秋雲「えっ……? 風雲の姉貴から……?」

144 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/13(日) 02:43:34.23 ID:GyzhkNKc0

萩風「えぇ、連絡とは言っても『朝霜を見た時、雲が集まる場所で』っていう謎めいたものだったけれど」


萩風「でも、その話を聞いてわかったの。傍受されてることを知って、暗号を使っているんだ……って」


秋雲「………………」


萩風「きっと明日の朝に、その『場所』に行けば――」


秋雲「……違う。冬じゃないから……」


萩風「え?」


秋雲「明日の朝じゃないんだ――」




秋雲「――今日の……夕方だ」




――――――

――――

――



―――某所・夕方

コソコソ…

萩風「――ほ、本当に夕方でいいの? 『朝霜』って確かに言ってたと思うんだけど……」


秋雲「教えられたんだ。こういう時の言葉に矛盾があれば、別の意味を考えろって」


秋雲「『雲が集まる場所』っていうのは、秋雲と風雲の姉貴の落ち合い場所ってことだと思う」


秋雲「でも『朝霜』は冬の季語で季節外れ。――それと同時に、『夕雲』組の組員の一人だから……」


萩風「なるほど……? ――でも、私も来て大丈夫なのかしら」


秋雲「こうするしかないよ。秋雲は残ってもよかったのかもしれないけど、萩風の姉貴だけじゃ信じてもらえないだろうし……」


萩風「……ご飯、作れなかったから……。みんな、もう気付いてるのかな」


秋雲「どちらにしたって、私たちは戻れない……。――ほら、もうすぐ着くよ」

ガサガサ…

萩風「――えっ……!?」

秋雲「な、なんであんた達がここに……っ!!?」




暁「――よかった、ちゃんと来たわね。秋雲と萩風かしら?」




秋雲「あ、あぁ……。なんで、夕雲組は……?」


雷「夕雲組はいま動くことができないらしくてね、代わりに……って頼まれたのよ」

電「なのですっ!」
145 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/13(日) 02:47:13.70 ID:GyzhkNKc0


萩風「信じて……いいんですか?」


響「それを決めるのはそっちさ。……さぁ行こう。まだ明るいうちになんとか――」


バンッ‼
バンッ‼
バンッ‼


暁「――ッ!? 探照灯……!?」





陽炎「――……そう。やっぱり、夕雲組と繋がってたのね。……初めまして、暁組の皆さん」





秋雲「く、組長……!!」


黒潮「……イジワルしてすまんなぁ、秋雲。本当はわかってたんよ……。でも、出来ればそうであって欲しくなかった」


初風「悲しいわね……」


秋雲「泳がされたってことか……」


萩風「み、みんなも……」



谷風「なんでこうなっちまったんだい……」

野分「覚悟は……出来てるんだよね」

嵐「まいったな……。こういうのはどーも……」

舞風「もう、ステップ踏めないね……」


雷「陽炎組が勢ぞろいじゃない……」

電「はわ、はわわわわ……」


陽炎「こちらとしては、大人しくしてくれると助かるんだけど……」


響「それは、無理な相談だね」


陽炎「……そうよね」


暁「……私たちも、争いたくはないのよ」


陽炎「ふふっ、おもしろいこと言うじゃない。冗談のつもり?」


暁「いいえ、だから争わないようにするために――」




暁「――こうなることも、予想してたってことよ」




陽炎「…………っ! ――みんな、周りを警戒してっ!!」



146 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/13(日) 02:48:52.61 ID:GyzhkNKc0

バシュッ‼ バシュッ‼


嵐「――なっ! 照明弾か!?」


卯月「うーちゃんだぴょ〜んっ! どんどん撃つっぴょん!」

長月「思い知れっ!」バシュッ‼
菊月「行けっ!」バシュッ‼
三日月「えぇい!」バシュッ‼
望月「いよっ」バシュッ‼


初風「睦月組……っ!!」ギリッ…


暁「――よし、今のうちに逃げるわよ!!」

響「了解っ!」

雷「さぁ、二人も行くわよ!」

電「早くなのですっ!」グイッ

秋雲「あ、あぁ……!」

萩風「は、はいっ!」



陽炎「――浦風、磯風っ! 組員を連れて暁組を追いなさいっ!」

浦風「はいっ!」

磯風「了解!」


暁「うーちゃん! 私たちの目的は戦いじゃないってことを忘れないで!」


卯月「わかってるっぴょん!」

ザザッ

卯月「――頃合いをみて散開するぴょん。戦闘と、捕まることは禁止だぴょ〜ん」

「「「「了解」」」」



ピピピッ‼

陽炎「――親潮っ? どうしたの、こっちも忙しいんだけど!」


親潮『すいませんっ! 浜風、時津風と共に夕雲組を見張っていたのですが、一斉に動き出しました!!』


陽炎「くっ……、そりゃ大人しくしてるわけないわよね……っ!」


親潮『ど、どうしましょう!?』


陽炎「親潮たちはそのまま! 戦わないで、気付かれない程度の距離で様子を見て、報告して!」


親潮『了解しました!』

プツッ…


黒潮「組長……どうするん? 夕雲組も関わってるとなれば、うちらの兵力だけじゃ……ちと厳しいかもしれんよ」


陽炎「……いえ、これは私たち陽炎組の問題。他の組に頼るわけにはいかないわ」


陽炎「出来ることを全力でやりましょう――」グッ…


―――CMへ
147 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/13(日) 02:50:07.40 ID:GyzhkNKc0

―――CMI

『メイド喫茶 アガにゃん』


キャルルーン♪

阿賀野「――おかえりなさいっ、提督さんっ♪」ニコッ


日常の生活に、疲れていませんか……?
 そんなあなたにお届けしたい! メイドのパワー!


酒匂「ぴゃんっ♪ 司令……だーい好き!」


ここ『メイド喫茶 アガにゃん』なら、素敵なメイドさんがお出迎え!
 中には少し個性的なメイドさんも……?


能代「オ、オカエリナサイマセッ! テ、テイトク……サマ……」ガチガチ


矢矧「な、なんで私がこんな……っ!」モジモジ…


ツンデレなメイドさんも、ちゃーんと居ますよ!
ぜひ、あなたの癒しになれば!



※『メイド喫茶 アガにゃん』をご利用いただく前に。

・ご利用料金は入場料800円(税抜)+メニュー代金になります。

・ご滞在は基本1時間までとさせていただいています。

・メイドさんと記念撮影(1000円)やゲーム対戦(500円)なんかもできます!(料金はお会計時に追加させていただきます)


・メニュー一覧(表記はすべて税抜です)
かいぼうかんコース  1500円
くちくかんコース   1800円
けいじゅんコース   2000円
じゅうじゅんコース  2300円
せんかんコース    2700円

アガにゃんスペシャルコース
・あがの      7500円
・のしろ      7000円
・やはぎ      6800円
・さかわ      6500円




たくさんのご来店、お待ちしてます!




気になる点や文句があれば、お気軽にお電話を!

TEL:○○○−△△△−□□□
(運営・天龍商会 店長・龍田まで)



148 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [sage]:2018/05/13(日) 02:57:52.71 ID:GyzhkNKc0
>>139
実は答えづらいのですが、存在しないって感じで見てもらった方が見やすいと思います。

季節の事なんか一つも出してなかったのですが、急に出してしまって申し訳ないです。
六話で「祭り」というのは出してるので、「祭り」の季語は三夏ということで、そこら辺の季節感でお願いします。
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/14(月) 18:16:30.25 ID:rZT+EeVp0
開店から閉店まで粘れないのか
更新乙です、リーダーは頼りなくても周り(主に響)がしっかりしてて
それでも〆るところは〆る、毎回続き楽しみにしてますよー
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/16(水) 20:37:34.43 ID:rk3/tgLLO
一時間で回転って結構ハードだな。ヘルプとかもあるだろうし、体が持たなそう
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/17(木) 09:59:26.99 ID:3ymZ38zAO
>>150
提督さんにとって、私は何人目の私かしら?

もしかしたら各10人ぐらいずつ居て、シフトがあるのかもしれない
152 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/18(金) 01:14:17.95 ID:icXtthss0
>>149
いつもありがとう。


よみずいランド行ってきましたー。
瑞雲も日向もカッコよかったです。
行けそうな提督さんが居たら、ぜひ行ってみてください。
ガンビアベイは、観覧車の奥の所に居ましたー。(場所変わってたらごめんなさい)
153 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/18(金) 01:15:18.96 ID:icXtthss0

―――CM明け

―――時刻はさかのぼり 暁組・事務所


暁「――さて、だいたいの話はわかったかしら?」


秋月「か、陽炎組を相手に……ですか」

吹雪「本当に大丈夫でしょうか……」

睦月「きっと、みんなで力を合わせれば大丈夫にゃしぃ!」


暁「そうっ! 出来るか出来ないかじゃないの。やるしかないのよっ!」


暁「……それでこれから、私たち暁組が考えた『秋雲絶対救出大作戦』を説明するわ」


電「私たち……というか、全部響ちゃんが考えたのです」


暁「黙りなさい、細かいことはいいのよ。――それじゃ、響。説明よろしく!」グッ?


響「わかった。それじゃ、この作戦の概要と各組のやってもらいたい役割を話すよ――」


――――――


響「――と、そこまで出来ればもうこっちのものさ。……簡単に行けばそれが一番だけど、おそらくは陽炎組が出てくることになる」


響「でも、みんながベストを尽くせば、絶対に出来るはず。……説明は以上だよ」


暁「以上よ! 何か質問はある?」ドヤッ

雷「質問されても、組長は答えられないと思うけど……」ボソッ


睦月「なるほどなるほど……! まかせてよっ、なんとかやってみせるにゃしぃ!」

秋月「これなら確かに……! 私たちでもお役に立てると思います!」

吹雪「ふ、吹雪組の役割はこれですか……? だ、大丈夫かな……」


暁「……よし、大丈夫ねっ! 響、このこと夕雲組にはどう連絡しようかしら」


響「早霜がまた来るらしいから、その時に伝えるよ」


電「ところで、早霜さんは外に出ても大丈夫なのです?」


雷「……まぁでも、事務所の中にだっていつの間にか居たんだもの。気付かれずに動けるのかもしれないわね……」


電「やっぱあの人怖いのです……――」


――――――


―――夕雲組・本部


早霜「――くしゅんっ」


夕雲「早霜さん、大丈夫?」


早霜「フフフ……大丈夫です」


夕雲「……それで、その話は本当なのかしら? まさか、本当にやってくれるだなんて……」

154 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/18(金) 01:16:02.66 ID:icXtthss0

巻雲「夕雲組長……。なにか心配事でもあるんですか?」


夕雲「……いえ。――ダメね、悪い方向にばかり考えてしまう」フルフル…


風雲「すいません……。私の軽率な行動のせいで――」


長波「おいおい、風雲の姉貴。それは言わないって約束だぜ。遅かれ早かれ秋雲のヤツは救うつもりだったんだし、ちょうどいいじゃん」


高波「な、長波姉さま……。それはちょっと楽観的すぎかも……」


夕雲「なんにしろ、この一本の蜘蛛の糸……。たとえお釈迦様にだって切られるわけにはいきません」


夕雲「私たちも、暁組を信頼して動きましょう。……それで、早霜さん。暁組はどう動くと?」


早霜「それはまだ……。どうやら作戦を立てるようなので、頃合いを見て戻ろうかと」


夕雲「そう……。ごめんなさいね、早霜さんに頼るしかないの」


早霜「フフフ……気にしないでください」


夕雲「――さぁ、皆さん覚悟して。暁組が動いたと同時に、私たちも援護に回るわ。……夕雲組の本気、見せてあげましょう」


「「「「はいっ!」」」」



――――――

――――

――



―――暁組・逃走中

ダダダダ…

暁「――響! 次はどっちっ!?」


響「あっちだ!」



嵐「逃げる道に迷いがない! よく調べてきてるな……!」


浦風「ウチらのシマの中でケリを着けるけんっ!」


谷風「浦風の姉貴っ! 砲は撃ってもいいんですかいっ?」


浦風「……ダメじゃ! 秋雲と萩風に当たる……!」


磯風「慌てなくていい、このシマの事なら私たちのほうが詳しい。野分、先回り出来るか?」


野分「はいっ! ――嵐、舞風っ!」

嵐「おうっ!」

舞風「りょーかい!」




秋雲「ぐっ……! 本当に大丈夫なのかっ!?」

萩風「いいから! 着いていくしかないでしょう!」
155 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/18(金) 01:16:48.54 ID:icXtthss0


暁「……少し厳しいわねっ! 最初の地点までは後どれくらいかしらっ?」ハァハァ…


電「ま、まだまだなのですっ!」


雷「や、やっぱり、装備持ってきた方がよかったんじゃないっ!?」


暁「ダメよっ! 戦うぐらいなら、身軽になって走った方がいいわっ!」


ガッシャーン?


響「…………っ!! マズい、先回りされてるっ!」


暁「くっ……! イチかバチかで突っ切るわよ!」



野分「――止まれッ!! 秋雲、萩風っ、逃げ切れるわけがないのはわかってるでしょう!」ガチャ?



萩風「……わ、私が囮になりますっ! だからその隙に、秋雲を連れて――」


暁「馬鹿言ってんじゃないわよ! それじゃ意味ないの!」


萩風「で、でもっ! そうしないと皆さんが……!」


暁「ぐっ……!」


ドンガラガッシャーン?


野分「――――ッ!!?」


「いよっし、邪魔するぜぇ!!」

「またそんなに張り切って……。――……失礼しました、暁組の皆さんですね?」


暁「えっ……だ、誰なのよっ!?」


響「……血霧姉妹? 綾波組の……、何故……!?」


狭霧「詳しく説明する時間はありませんが、夕雲組との縁がありまして……」


天霧「あぁもう、まどろっこしいぜっ! いいから、ここはあたし達に任してさっさと行きなっ!」


電「で、でも……!」


暁「……行きましょう! 綾波組のお二人、ありがとう……。でも、出来れば戦わないで欲しいというか――」


狭霧「それも承知しています。今はとにかく、暁組の方々は逃げることに専念してください」ニコッ

天霧「そういうことだっ!」


雷「あ、ありがとうっ!」ダダダ…



浦風「どういうことじゃ……! 綾波組まで出てくるなんてっ!」


磯風「……やってくれるな」


156 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/18(金) 01:17:42.37 ID:icXtthss0

磯風「――浦風の姉御。……あの二人は私と野分が相手します。谷風、嵐、舞風と暁組を追ってください」


浦風「……わかった。でも、あの二人は相当な実力者と聞くけん、無理はしちゃいかんよ?」


磯風「わかってます……」


浦風「――谷風、嵐、舞風っ! ウチ達は暁組を追いかけるけん!」

谷風「がってんっ!」

ダダダダ…



磯風「……野分、立てるか?」


野分「問題ありません……」


狭霧「……浦風さん達は、仕方がないですね。何とか逃げ切れればいいんですけど……」


天霧「大丈夫さっ! あたし達は出来ることをやるだけ……そうだろ?」


狭霧「……そうですね――」


――――――

――――

――


―――陽炎組・陽炎


陽炎「――綾波組ですって!?」


嵐『はいっ、間違いありません! 磯風の姉貴が残って相手をしています!』


陽炎「……わかったわ。そのまま、暁組を追って」


プツッ…


陽炎「くっ……。そうか……、夕雲組と綾波組はすでに繋がっていたのね……」


黒潮「あはは……。暁組・夕雲組・睦月組・吹雪組・綾波組・秋月組の全部を陽炎組だけで相手にせなあかんのか……」


陽炎「初風っ! 睦月組はもういいわ、磯風の所に行ってあげて!」


初風「わかりましたっ!」ダッ?


陽炎「黒潮、天津風と雪風はどこに居たかしら?」


黒潮「たしか……、本部の守りやったと思うけど」


陽炎「本部の守りはしょうがないわ。ひとまず動いてもらいましょう」ピッ…


陽炎「……天津風、聞こえる?」


天津風『はい、聞こえます』

――――――
――――
――
157 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/18(金) 01:18:11.38 ID:icXtthss0


―――陽炎組・本部

陽炎『――状況は予断を許さないわ。お願いね』


天津風「はい、わかりました」

プツッ


天津風「……雪風、出かけるわ」


雪風「へっ? 本部に居なくていいんですか?」


天津風「状況が変わったの。すぐに準備して」


雪風「はいっ!」


「その必要はないですよ」


天津風「――誰ッ!?」ガチャ

雪風「ふぇっ!?」


綾波「勝手に上がってしまって申し訳ありません。初めまして、綾波組の組長を務めております、綾波と申します。どうぞよろしくお願いしますね」ニコッ


天津風「う……そでしょ……!? 綾波がここに……っ!?」


敷波「――その物騒なもん下ろしてくんないかなー? 私たちに戦闘の意思はないから」ガチャリ…


天津風「――――っ!!」


天津風(もう一人……!? 若頭の敷波……全然気付けなかった……! なんて私は馬鹿なのっ!!)


天津風「せ、戦闘の意思はない!? 意味が分からないわ、勝手に本部にまで上がり込んでおいて……!!」


綾波「本当です。私たちは夕雲組との縁はありますが、暁組とはありません。……いま、見極めている最中なのです」


天津風「へ、へぇ……。どうでもいいわ、さっさと出てってくれない?」


敷波「……うちの組長に向かって言ってくれるじゃん。……覚悟はできてんの?」


綾波「やめなさい、敷波。天津風さんの言う通りです、私たちは出て行きましょう」


綾波「――ですが、夕雲組のため……。天津風さんと雪風さんを外に出すわけにはいきません。……雪風さんの噂は聞いていますよ。だから私が来たのです」


天津風「……なるほど……ね」


綾波「……では、私たちは失礼します。……また、いつの日か」

ピシャン…


雪風「……こ、怖かったです」


天津風「……そうね、私もよ」


天津風「これで私たちは動けなくなった……。あぁもう、組長になんていえばいいのよ……――」



――――――
158 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/18(金) 01:18:46.70 ID:icXtthss0


―――陽炎組・陽炎


陽炎「――そう……。いいわ、気にしないで。天津風のせいじゃない」


陽炎「えぇ……。何かあったらすぐに連絡して」

プツッ…


黒潮「……なるほどなぁ。暁組と完璧につながっとるわけじゃないっちゅうことか」


陽炎「えぇ。……でも、流石は綾波だわ。見事にやられた……」ギリッ…


黒潮「さっき、組長が天津風と話してる間に親潮たちから連絡があって、夕雲組に見つかったらしいけどなんとか逃げたらしいわ」


陽炎「……そう」


黒潮「万事休すってとこやろか」ハァ…


陽炎「いいえ、まだよ。……この勝負、暁組を止められれば私たちの勝ちってことになるんだから」


陽炎「……頼んだわよ、浦風達――」


――――――

――――

――



浦風「――おどりゃあっ、待つんじゃッ!」


暁「そう言われて待つ奴はいないわよっ!」


暁「響っ、最初の地点はっ!?」


響「もう少しだっ!」



谷風「……あれぇ? あっちって……」

嵐「大通りの方に向かってる? なにが狙いで……」



電「着いたのです!」

雷「吹雪組っ! お願いっ!」



舞風「……何かおかしくない――?」


パッパー?
ワーワー?
アハハハハハッ?
ドンチャンドンチャン…


浦風「――っ!? 人がこんなに……!? どうして……」




吹雪「――ご、ご協力ありがとうございまーす! ただいま通行止め解除しましたー!」


159 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/18(金) 01:19:35.10 ID:icXtthss0


―――時刻はさかのぼり 暁組・事務所


吹雪「――ふ、吹雪組は交通整備って……、そんなの……」


響「侮らないでくれ。むしろ、この役割は一番重要だと言っても過言じゃない」


吹雪「……そ、そうなんですか?」


響「あぁ。この役割は人数が多く必要で、何よりも絆が強くないとうまくいかない。……君たち吹雪組が適任なんだ」


吹雪「……わかりました! 吹雪組にお任せください――!」


――――――

――――

――



谷風「――マズいっ! 暁組に距離を離されちまうよっ!」


嵐「クッソーっ! なんで今日に限ってこんな人が多いんだよ!」


舞風「……そっか、遊園地だ……っ!!」ハッ…?


浦風「なるほど……。睦月組はずっと動いてたんやね……!」



暁「あの路地ねっ!!」ダダダ…



浦風「――あそこじゃ! 追うよっ!」


嵐「……ここで捕まえないと本当にマズいっ! もう陽炎組のシマじゃなくなる!」



ザザッ…

初月『――ターゲット、見つけた』


秋月「経路は?」


初月『計画通り』


秋月「了解っ」


秋月「――照月、準備して」


照月「はいっ!」ガチャリ…


初月『ターゲット、目標地点まで5……4……3……2……――』


秋月「――撃って!」


照月「…………っ!」パァンッ?



――――――

160 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/18(金) 01:20:31.41 ID:icXtthss0

パァン?


浦風「――ッ!! 下がるんじゃ!」バッ?


キュンッ?


谷風「す、スナイパーかいっ!?」


舞風「姉御っ! こっちの道から行きましょう!」


浦風「くっ……!」




秋月「――照月、少し遅いっ! 当てちゃダメ、ビックリさせるだけなんだから!」


照月「ご、ごめんなさい……」シュン…


ザザッ…
初月『ターゲットは予想通り、B地点に向かってる』


秋月「了解。……涼月、準備はできてる?」


涼月『いつでも、大丈夫です……!』




嵐「――随分離されちまった……!」ダダダッ…


パァン?


浦風「またっ!? ――止まって!」


キュインッ?


谷風「動きが読まれてるみてぇだねぇ……!」


浦風「いったいどこから……! ――あれって……!」

ブーン…

浦風「ぐっ……!」パパパンッ?

バァン?



初月『――ドローンを撃墜された』


秋月「そう……。まぁ、十分に時間は稼いだでしょう!」


秋月「……それじゃみんな、空包をこめて!」


秋月「――撃ってっ!」


パァン?パァン?
パァン?
パァン?


ワーワー? ハナビカシラ?
ワー、ハナビダー?
ドコドコ…?
161 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/18(金) 01:21:16.29 ID:icXtthss0


舞風「――うわぁ! また銃弾がっ!?」


谷風「……でも弾がこないねぇ」


浦風「空砲……!? 祝砲のつもりなんか……!!」ギリッ…


嵐「姉御っ! 追いましょう――!」





磯風「――ちっ! まさかこっちも追いかけっこすることになるとは……!」


天霧「狭霧、少しぐらいやり合ったっていいだろっ!?」


狭霧「ダメです。組長に言われたじゃないですか」


野分「――磯風の姉貴! あの先に追い込めば行き止まりです!」


磯風「わかった……!」

ダダダダッ…

狭霧「――しまった……!!」


天霧「行き止まりかっ!?」


磯風「さて……、観念してもらおうか?」ガチャ…


狭霧「くっ…………!」


狭霧「――…………なんて、ね」


ガチャ?
ガチャリ?


野分「なっ……!?」


朧「残念、罠に嵌まったのはそっちよ」

曙「ざまぁないわね」フンッ

漣「キタコレ!」

潮「お、大人しくしてください……!」


磯風「――ははっ、してやられたな……」

野分「………………っ」グッ?



――――――


浦風「――暁組を見つけるんじゃ!」


谷風「しっかし、こりゃもう……」


嵐「くっそぉ……!!」


舞風「あ、あはは……」

162 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/18(金) 01:21:42.98 ID:icXtthss0


ピピピ…?

浦風「組長? もう少し待ってくれんじゃろうか! すぐに見つけて……!」


陽炎『……いいえ、だいたいの様子はわかったわ。実はね、磯風達も綾波組に捕まっちゃったみたいなの。初風から連絡があってね』


浦風「そ、そんな…………!!」


陽炎『向こうは、私たちが負けを認めて秋雲達を諦めれば、そのまま解放してくれるらしいわ』


浦風「……組長……っ!! 組長……すいません。ウチが不甲斐ないばっかりに……!」ギリッ…?


陽炎『いいえ、それは違うわ。……これは私のミス。陽炎組という力に甘えて、相手の力を見誤ってしまった』


浦風「………………」


陽炎『……認めましょう。この勝負――』





























陽炎『 私たちの、完敗よ 』




























163 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/18(金) 01:22:18.06 ID:icXtthss0



萩風「――ねぇ、秋雲?」


秋雲「ん? なにさ、萩風の姉貴」


萩風「……まだ教えてくれない? どうして、情報を流すなんてことをしてたのかって……」


秋雲「………………」


萩風「……まぁいいわ。でも、いつか教えて――」


秋雲「……信じてくれないかもしれないけど、秋雲はさ……。陽炎組が好きなんだ」


萩風「………………」


秋雲「でも、いつからだろうな。陽炎組は自分たちの強さを疑わなくなっちゃってさ。きっと……このままじゃ大変なことになるって思ったんだ」


秋雲「だから、夕雲組に陽炎組を抑えてもらって。そしてあわよくば、夕雲組と陽炎組が手を取り合ってくれたらいいなって……」


秋雲「……私はさ、嫁菜みたいな花でいいんだよ。道端に生えてるような、そんな花でさ」


秋雲「でも……秋雲は……。陽炎組と、夕雲組……。その両方に迷惑かけちゃったのかな……」


萩風「……そんなことないわ。秋雲は十分頑張った。少し、無茶なやり方だったかもしれないし、結果的にだったけども陽炎組は初めて負けを認めた」


萩風「秋雲のやったことは、無駄じゃなかったに違いないわ」


秋雲「……そうかな」


萩風「そうよ……」


秋雲「……そうだと、いいな――」


――――――

――――

――

?
164 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/18(金) 01:23:58.20 ID:icXtthss0


――

――――

――――――


―――後日 暁組・事務所


トントントン…


暁「――ん? はーい」


ガチャ


夕雲「お邪魔いたします。……お初に、暁さん」


暁「わぁ、夕雲ね! 秋雲と萩風の調子はどう?」


夕雲「何も問題はありません。……今日は、改めてお礼をしに参りました」


暁「気にしなくていいわ。ほら、困ったときはお互いさまっていうじゃない」


夕雲「そういうわけにはいきません。……お約束通り、私たち夕雲組は暁組に絶対の忠誠を――」



暁「――いいわよそんなの。面倒くさいし」



夕雲「えっ……??」


電「そうなのです! 私たちはお友達なのです!」

雷「そうね。やっぱ、そういうのは私たちには向いてないわ」

響「ハラショー」


暁「ほらね。……だから、これからも仲良くしましょ。……それでいいじゃない」ニコッ


夕雲「ふふっ……! あはははっ……! ……この夕雲が、相手の器の大きさを見誤るなんて……」ボソッ


暁「え、なにか言ったかしら?」


夕雲「いいえ……。――暁さん、では友達として……。この恩は絶対に忘れはしません。何かあったら、夕雲組を頼ってくださいね。……約束です」


暁「……えぇっ!」ガシッ?


電「――ところで、夕雲さんが来るって聞いたから、お菓子をいっぱい用意したのです!」


雷「それじゃ、私はお茶を淹れるわね!」


響「ふふふっ、ハラショー」


アハハハハ…?
ワーイワーイ?




 第十話
 「嫁菜の如く」

お わ り
165 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/18(金) 01:24:35.97 ID:icXtthss0


【次回予告】

デデンデデン♪


海風「白露組若中、海風です」


海風「暁組と陽炎組がぶつかったみたいですね」


海風「村雨さんと夕立さんの若頭補佐達が張り切ってしまって、それを抑えるのが大変でした」


海風「でもその時、時雨の若頭が言ったんです」


海風「すぐにその時はくる……って」


海風「決戦前夜、そんな気がしてなりません」


海風「――次回『暁が如く』第十一話」


海風「『はりきってまいりましょー! 結成、暁水会と陽炎連合』」


海風「任侠桜に仁義の嵐っ!」


海風「……海風組……とか作れないかな……」ボソッ


デデデン♪

?
166 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [sage]:2018/05/18(金) 01:26:37.74 ID:icXtthss0
あれ? なんで「?」が最後に……。
すいません、無視してください。
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/18(金) 05:53:27.63 ID:dA1yAxXr0
おつ
やっぱ暁組はかわいいなあ! …海風は改白露組で独立か?
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/18(金) 07:59:46.75 ID:riwP8hroO

いいねぇ
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/18(金) 08:55:00.26 ID:ec4+4ok6o
乙でしたー
どの組も魅力的でいいねぇ
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/18(金) 13:01:58.54 ID:/5X6vj7/0
海風は若中というより若奥……(ゲフンゲフン)
1さん、キーボードに何か挟んじゃったのかな?
!がかなり?の変換になってる、もしくは携帯で下書き書いていてタップミスかしら
海外艦の駆逐艦がマフィアで出てくるのかどうか気になりますね
更新乙です
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/18(金) 19:49:45.02 ID:erW97BZo0
着実に勢力を伸ばしつつあるけど二組は居候なんだよな
しかも収入源は近所からの差し入れとか微笑ましい限り
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/19(土) 18:00:54.14 ID:bwX9ROqU0
なんだかんだで響有能
173 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/26(土) 10:31:10.78 ID:C90wuXuc0
>>171
差し入れじゃないよ、みかじめ料だよ。


十話後半は「‼」と、ワードの改ページのやつが「?」になってしまってるみたいですね。
最近このサイトの表示がおかしくなってしまったので、専用ブラウザを使ってみようと思ったのですが失敗でした。
諦めて普通にやります。ですので十話後半は「‼」に置き換えて読んでいただければ……。
174 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/26(土) 10:32:21.61 ID:C90wuXuc0

 第十一話
 「はりきってまいりましょー! 結成、暁水会と陽炎連合」



―――暁組・事務所


暁「――え、夕雲から手紙?」


雷「えぇ、私たち全員で夕雲組の本部まで来てほしいらしいわ。理由が書いてないけど……」


電「なぜお手紙なのです?」


雷「さぁ? そういう気分だったんじゃない?」


響「あぁ、形式を重んじたのかもね」


暁(え、形式……?)

暁「時間はいつ?」


雷「えぇっとね……。――今日の夕方だわ」


暁「どうしたのかしら? ……もしかして、パーティとかっ!?」ハッ‼


電「ぱ、パーティなのです!? はわわ……、どんな服着てけば……!」


雷「いやいや……、それならそう書くんじゃない? ……でも、みんなでご飯とかかもしれないわね」


響「…………まぁ、黙っていようか」ボソッ


暁「ん? 響、何か言った?」


響「いいや。楽しみだね」ハラショー


暁「ふーん……? ――でもそうなると、ここを空けることになるわね」


電「秋月組と吹雪組がいるから大丈夫なのですっ!」


暁「……それもそうね」


雷「それは出かけるときに言えばいいわよね」


暁「えぇ、大丈夫でしょ」


暁「――……うーん、お腹とか空かせといた方がいいのかしら」


電「……ご飯だったら、食べられなかったら困るのです」


雷「そうね。今日はみかじめ料はいらないって言っておきましょ」


響「………………」


――――――

――――

――


175 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/26(土) 10:33:16.85 ID:C90wuXuc0


―――陽炎組・本部


不知火「……不知火がいない間にそんなことが。そんな肝心な時に……」グッ…


陽炎「しょうがないわよ。……それに、不知火が居ても結果は変わらなかったと思うわ。だから気負わないで」


陽炎「――それよりも、例の件はどうだったかしら?」


不知火「問題ありません。……今日の夕方に集まるかと」


陽炎「さすがね。……はぁ、それにしても。この前の事で白露組になんて言われるか不安だわ」フフッ…


不知火「その時は……」


陽炎「あーあー、何もしちゃダメよ。……さて、否が応でも私たちの関係は動き出すわ。……不知火も準備を怠らないでね」


不知火「はい……」



――――――



親潮「――磯風っ!」


磯風「……あぁ、親潮の姉貴。……すいませんでした、私が捕まってしまったせいで……」


親潮「……そのことで、親潮は言わなければいけないことがあって……」


磯風「え……?」



親潮「――実は、私たちは夕雲組に見逃されたの」



磯風「…………っ! ……それはいったい?」


親潮「あの時……――」


――

――――

――――――



陽炎『――戦わないで、気付かれない程度の距離で様子を見て、報告して!』


親潮「了解しました!」


プツッ…


親潮「浜風、時津風。……私たちは気付かれない程度の距離で様子を伺います。周囲の警戒も怠らないで」


浜風「はいっ!」

時津風「はーい!」


親潮「暁組と同時に動いた……。どうやって連絡を取っていたのかはわからないけど、もう決まりですね……」

176 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/26(土) 10:35:05.23 ID:C90wuXuc0


時津風「――……若頭ほさー!」ピコンッ


親潮「何か動きが?」


時津風「いやぁ、この風……どうかなぁ」


浜風「…………たしかに、何かを感じるような……」


親潮「……時津風の勘は当たる……。しかし……――」




沖波「――あっ……」

バッタリ

浜風「……あっ」




親潮「――撤退しますっ!! 急いで!」ダッ‼


沖波「あ、あぁ……えっと……! か、陽炎組見つけましたぁー!」アワワ…


時津風「一人なら……」ガルル…


親潮「ダメですっ! 浜風も遅れないでっ!」


浜風「はいっ!」

ズザァアア‼

朝霜「――おぉっとっ! ここはあたい達のシマだよ! 逃げ切れると思うっ?」


親潮「くっ……――!」





親潮「――つい倉庫のようなところに隠れてしまったけど……」

ドコイッター?
サガセー‼

浜風「見つかるのも時間の問題かもしれませんね……」


時津風「やっぱりさー、少しぐらい戦っても……」


親潮「でも、組長が『戦わないで』と言っていたので……」



藤波「――おーい、浜ちん! ここら辺調べたー?」


浜波「ま、まだだけど……。し、調べたほうが……いいの?」


藤波「もち! たぶんどっかにいると思うんだよねーこれが」



親潮「――仕方ありません……。最悪の場合は……」グッ…

時津風「いつでもいいよー……」

浜風「……浜ちん……」

177 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/26(土) 10:36:24.75 ID:C90wuXuc0


長波「――おーい、藤波ー!」


藤波「えっ? 長波姉さん……。どうしてここに?」


長波「陽炎組の捜索は中止! 帰るよー」


浜波「えっ……で、でも……」


長波「中止オブ中止だよ。組長命令だからさ」


藤波「この辺に居ると思うんだけどなー……」


長波「いいのいいの。……綾波組がうまくやれそうみたいだからさ。ほら、今回ばかりは……手柄は譲った方がいいじゃん?」


藤波「はぁー、なるほど。……じゃ、浜ちん帰ろっか」

浜波「う、うん……」



親潮「……綾波組もこの件に? それにしても、今の会話は……――」


――――――

――――

――



親潮「――ってことがあったの」


磯風「……なるほど。……しかし、何故それを私に?」


親潮「磯風が捕まっていなかったら、私たちが捕まっていたはず……」


親潮「……だから、あまり落ち込まないで。組長も言っていましたが、どちらにしろ結果は変わらなかったでしょうし……」


磯風「親潮の姉貴……、わざわざ励ますために……。――ふふっ、わかっています。……次は必ず、この磯風が結果を出して見せましょう」


親潮「えぇ、期待してますよ……――」フフッ…






―――暁組・事務所


暁「――えっ?? 秋雲と照月が居ないの??」


涼月「えぇ……。暁さんは知っているとばかり思ってましたけど……」


暁「え? なんで私が知ってるのよ?」


初月「えぇっと……」


暁「…………?? ――まぁいいわ。とにかく、留守は頼んだわね」




――――――

178 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/26(土) 10:38:47.51 ID:C90wuXuc0

雷「――えぇっ?? 吹雪と白雪が出かけてるの?」


浦波「はい。夕雲組のところに行くって……」


電「吹雪ちゃんたちもお呼ばれしてたのですね」


雷「なるほどね……。――まぁわかったわ。それじゃ留守の間、お願いね」


深雪「りょーかい!」





―――夕雲組・本部


暁「――わぁー……夕雲組の本部って大きいのね」


雷「すごいわね……」


電「でも、これなら確かにパーティ出来そうなのです!」


響「ハラショー」ポチッ

ピーンポーン…

ガララッ

風雲「――あぁ、暁組のみなさん。待ってたわ……さぁ、こっちへ……」ススス…


暁「お、お邪魔しまーす……」


雷「風雲、みんな来てるのよね?」


風雲「えぇ。すでに夕雲組長と睦月組・吹雪組・綾波組・秋月組の組長たちが集まっているわ」


電「はわわ……。どんなパーティなのです?」


風雲「えっ?」


暁「えっ?」


風雲「……えぇっと? ……とりあえず、大広間に着いたわ――」ススッ…



――――――

179 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/26(土) 10:40:07.18 ID:C90wuXuc0


―――陽炎組・本部


陽炎「――さて、全員集まったわね。みんな……今日はわざわざ集まってくれて、感謝するわ」


白露「へぇー、ここが陽炎組の本部かー。……白露組の本部より大きい? 一番じゃない?」

時雨「いえ、ほら……。白露組は庭が広いですから……」


朝潮「私たちも、入るのは初めてですね」

大潮「き、緊張するー……」


神風「ふぅん……。まぁまぁってことかしら」

朝風「あれが白露組……」


初春「ふっふっふ。わらわたちも呼んでもらえるとはのう……」

子日「………………」






―――夕雲組・本部


暁「……えっ??」
雷「……あれっ??」
電「はわわ……」
響「ハラショー」フフッ…



夕雲「あぁ、やっと主役オブ主役の登場ですね」

巻雲「いよー、待ってましたー」


睦月「わぁー! ぱちぱちぱちー!」

如月「く、組長……。すこし落ち着いて……」


吹雪「………………あ、あはは……」

白雪「……組長。いつまで緊張してるんですか……」


綾波「……あれが暁組……ですね」

敷波「ふぅーん? なんかあんまり……」


秋月「わ、私たちまでここに居ていいのかな……」

照月「ど、堂々としてないと……」





暁「…………あれ……全然パーティの雰囲気じゃない……かしら……」


雷「ど、どういうこと……」


電「はわわ……。はわわわわ……」


響「ふふっ……ハラショー」



―――CMへ
180 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/05/26(土) 10:42:07.64 ID:C90wuXuc0

―――CMJ

『ウォースパイトの3分クッキング』


テレレッテッテッテッテ♪
テレレッテッテッテッテ♪

テンテンテンテンッ♪


ウォースパイト「――Hello,everyone! 3分Cookingの時間よっ」


ウォースパイト「さて、今日は我が英国の伝統料理であるパイを作ろうと思うわ」


ウォースパイト「――……と、その前に。大事なGuest performerを紹介しなくちゃね!」


ウォースパイト「Come on! Arkよ、みなさん拍手を!」パチパチ…

ワーワー
パチパチパチ…

アークロイヤル「やぁWarspite、今日は呼んでくれて感謝する。Thank you very much indeed」


ウォースパイト「いいえ、こちらこそ」ガシッ


ウォースパイト「――それじゃさっそく、まずは材料の紹介からね」


ウォースパイト「…………えぇっと、これは日本の言葉だと……難しいわね。――大淀、頼んでもいいかしら?」

テレレン♪

<材料>(4人前)

・バター 25g
・玉ねぎ 1個
・小麦粉 大さじ1/2
・白ワイン 大さじ3
・生クリーム――

――――――
――――
――


ウォースパイト「――そして、これを黄金色になるまで焼き上げるわ」


アークロイヤル「……ん? これって、3分じゃ無理じゃないか?」


ウォースパイト「Don’t worry! ――これが焼き上がったパイよ!」


アークロイヤル「あぁなるほど……」


ウォースパイト「今日は、Japanにも馴染み深いサンマを使ったわ。その名も『Stargazy pie』よ!」ドーン‼


アークロイヤル「日本語にすると『星を見上げるパイ』になるのだろうか」


ウォースパイト「そう、素敵な名前よね。……これの起源は、飢えに苦しむ村を救ったある勇敢な漁師を称えて、fishがちゃんと中に入っているということを示すために頭が出てるの」


アークロイヤル「ふむ。……では、さっそく頂くとしよう。――おぉ……美味しいじゃないか、腕を上げたな」


ウォースパイト「Thank you very much。……ちなみに、このパイはJapanの有名なアニメ映画にも出ているらしいわ。興味があったら調べてみて」


ウォースパイト「――あら、もう時間? ……そうね、来週はウナギを使った料理を紹介しようかしら」


ウォースパイト「それじゃ、See you next week! Cheerio!」フリフリ…

181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/26(土) 11:55:08.85 ID:PgFpVkvY0
おつ
>>177の「秋雲と照月〜」は、「秋月と照月〜」が正ですかね
しっかし暁組は、一人を除いて抜けてるなー(かわいい)ww
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/26(土) 16:42:53.01 ID:h6b/rNMW0
マテ
そのウナギを使った料理はいけない
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/26(土) 17:54:29.49 ID:W4zAvHkL0
差し入れとみかじめ料(現物支給)の違いを教えて下さい
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/28(月) 19:14:55.85 ID:Jdp5nCGK0
あたしこのパイ苦手なのよね
何はともあれ更新乙です後篇楽しみにしてます
185 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/06/05(火) 21:57:25.42 ID:GwO0Zx8O0
>>181
そうですね。間違いが無いよう気を付けてたのですが、ご指摘ありがとうございます!

>>183
なんだかんだ言っても、この世界ではまだ人間の極道に悩まされる人が多いので、暁組や吹雪組と秋月組は見回りや報告を受けてシマの住民を守っているのです。
それの対価みたいな感じなので、差し入れではなくみかじめ料なのです。
186 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/06/05(火) 21:58:58.01 ID:GwO0Zx8O0

―――CM明け


暁「――ゆ、夕雲っ? これはどういうことかしら……???」


夕雲「まぁまぁ、まずは上座へお座りください」グイグイ


雷「え、えぇ……わかったわ」

電「はわわ……」


夕雲「――ごほんっ。……それでは、皆さんもう見知った仲とは思いますが……簡単な挨拶から始めましょうか」


夕雲「……では私から。夕雲組をまとめております、夕雲です。私も含めて、構成員は11名。主力オブ主力の働きをすることを約束しましょう」

巻雲「夕雲組の若頭、巻雲といいます! お力になれるよう、がんばりますっ!」


睦月「睦月ですっ! 睦月組の構成員も11名にゃしぃ! ぜーったい、お役に立てるはずにゃあ」

如月「睦月組若頭、如月です。……よろしくお願いしますね」ウフッ


吹雪「ふ、吹雪組の組長をやっています! 吹雪です! 構成員は……えっと……――7名です! が、頑張ります!」

白雪「若頭の白雪です。暁組への御恩、少しでも返すことが出来ればと思います」


綾波「初めまして……ですね。綾波組組長、綾波と申します。構成員は8名。……先日の暁組の任侠、しかと見届けさせていただきました」

敷波「綾波組若頭、敷波。……以後、よろしく」


秋月「秋月組の組長をしています、秋月ですっ! 秋月組は4名と少ないかもしれませんが、主力級の活躍をご期待ください!」

照月「て、照月です! 練度はバッチリ……だと思います!」



暁「あ……えっと…………」


夕雲「……さ、暁さんの番ですよ」


暁「えぇっ!? ――……あ、暁よ。わ、私も一人前の組長として扱ってよね!」

ワーワー‼
パチパチパチ…

暁「え、えっと……夕雲? これはいったい……」


夕雲「――あぁ、そうです。……実はもう一人いるんですよ」


暁「えっ??」

ガララッ

タシュケント「――……Здравствуйте! ……タシュケントだ。『ホテル・ガングート』に所属している者さ」


暁「す、すとら……?? えっと……た、タシュケントね」


タシュケント「……Привет。ヴェー……――おっと、響……だったね」


響「やぁ、よく来てくれたね」


雷「ひ、響の知り合いなの?」


響「まぁ、ちょっとね」


電「はわわ……。か、海外の方なのです……!」
187 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/06/05(火) 22:00:00.45 ID:GwO0Zx8O0


タシュケント「まぁ、あたし達にも色々とあってね。とにかく、よろしく頼むよ」スッ


暁「え、えぇ……わかった――」


タシュケント「――っと、その前に忠告だけしておこう」


タシュケント「……あたしがこの世で我慢ならないものが二つある。一つは冷えたブリヌイ、もう一つは仁義を欠く輩さ。……覚えておいてくれ」


暁「………………」

コソコソッ

暁「――……ひ、響っ、ブリヌイってなに……?」ボソッ

響「え? うーん、そうだね……。まぁ、クレープみたいなものだよ」ボソッ

暁「ふーん……?」


ガシッ

暁「――私は冷えてるのも好きだわ! ……よろしく!」


タシュケント「あ、いや……。…………うん、よろしく」ガシッ



暁「…………って、待ってよ! 夕雲、私はまだよくわかってないんだけど……」


夕雲「今日、皆さんに集まってもらったのは他でもありません。ここに居る暁組を頭として、一つの組織を作るためです!」

ワーワー‼
ヒューヒュー‼

暁「そ、それって……」


夕雲「失礼ながら、この夕雲が名前の方を考えさせていただきました。その名も――」



夕雲「――『暁水会』。……どうでしょうか、暁さん。……いえ、暁会長?」



暁「な、名前はいいけど……。か、会長って――」


夕雲「決まりました! 今、この時を持ちまして暁水会の結成です!」

ワーワー‼
パチパチパチ‼

睦月「おーっ! 暁かいちょー!」


吹雪「お、おめでとうございます!」


綾波「ふふっ、おめでたいですね」


秋月「わぁー! おめでとうございます!」


タシュケント「ふふっ、ハラショー」


暁「あ……えっと……」


夕雲「さ、会長。……さっそく皆さんにお言葉を」


暁「えっ?」

188 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/06/05(火) 22:00:36.65 ID:GwO0Zx8O0


暁「え、えっと……」


夕雲「会長……」
巻雲「はわぁ……」キラキラ

睦月「むむぅ……」キラキラ
如月「うふふ……」

吹雪「…………っ!」キラキラ
白雪「ふふ……」


暁「あの……えぇっと……」


綾波「…………」ニコッ
敷波「…………」ジーッ

秋月「わ、わー……」ワクワク
照月「わぁ……」キラキラ




暁「――が、がんばりましょう!」グッ‼



ワーワー‼
ガンバルニャシー‼
ハワワワ‼
メガネガー‼
ワーワー‼


夕雲「――暁水会、全員合わせて46名……。これなら……――」


――――――

――――

――


―――陽炎組・本部


陽炎「――さて、これで簡単な挨拶は済んだわね」


時雨「合わせて、42名……になるのかな」


陽炎「いえ、実はまだ居るのよ。……入ってきて」

ガララッ…

レーベ「――Guten Tag。……『ビスマルクファミリー』から来た、レーベレヒト・マース。……レーベでいいよ、よろしく」

マックス「同じく、マックス・シュルツ。……よろしく」


神風「へぇ……」


朝潮「海外の……」


陽炎「この場にいる六組を、形式的にだけど陽炎組が仕切らせてもらうわ。『陽炎連合』……ってとこかしら」


時雨「……このまえ、あれだけの失態を演じた陽炎組から名前をとるのかい?」フフッ…


不知火「――ッ!」グッ‼


陽炎「不知火、やめなさい。……ただの名前よ。なんなら白露連合でもいいわ」


189 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/06/05(火) 22:01:28.52 ID:GwO0Zx8O0


時雨「――いいや、実のところどうでもいいよ。……でもね、勘違いしないでほしいのだけど、何もキミ達を馬鹿にしているわけじゃないんだ」


時雨「それよりも、陽炎組に一杯食わせた向こうの事が気になってね」


初春「たしか、暁組……とかいったかのう?」


レーベ「へぇ……、少し興味があるね。強いのかい?」


陽炎「えぇ。でも、向こうも一組だけではないわ。暁組・夕雲組・睦月組・吹雪組・綾波組・秋月組……。調べによると、合わせて40〜50名ってとこかしら」


朝潮「なるほど、数だけで見ればほぼ互角……というところなのですね」


陽炎「そうね。この前はさすがにしてやられたわ」


神風「――それで。……私たちとしてはどうするつもりなのかしら? 相手の動きがあるまで待つの?」


陽炎「……いいえ」



陽炎「――今回は私たちから攻めるわ。……でも、仁義は通す。正面から、正々堂々と叩き潰すわ」ゴゴゴ…



不知火「…………っ!?」


神風「……えらく好戦的じゃない」


時雨「いや、いいじゃないかシンプルで。僕たちからすれば、早期決着するのは歓迎だ」


朝潮「……陽炎さんがそう望むのであれば……」


初春「ま、まぁ、わらわの力があれば……」


レーベ「ふぅん? そうそうにやるのかい?」


陽炎「実はね、もう手紙は送ってあるの。そろそろ届いてる頃じゃないかしら」


神風「はぁ……、まぁいいわ。……場所は?」




陽炎「今はもう誰も使っていない、宿毛湾泊地の鎮守府。……あそこなら誰にも迷惑もかからないでしょ」




朝潮「また随分と……、懐かしいですね……」


時雨「ふふっ……。そうか……楽しみだね」


陽炎「あとはどう返事が来るか、よ。……そんなところで、今日の所は一旦解散にしましょう」


陽炎「……各々、覚悟は決めておいてね――」


――――――

――――

――


190 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/06/05(火) 22:05:17.90 ID:GwO0Zx8O0


不知火「………………」

陽炎「……不満かしら、不知火?」

不知火「…………いえ」

陽炎「じゃあ、どうしてそんなに機嫌が悪いの?」

不知火「…………組長らしくありません」

陽炎「……そうかもね」

不知火「……それでも――」

陽炎「――ねぇ不知火。……最後まで私に、付いてきてくれる?」

不知火「はい、もちろんです」

陽炎「……ありがとう――」


――――――

――――

――



―――夕雲組・本部


夕雲「――会長。……さっそく、陽炎組から手紙が来たようです」


暁「て、手紙?」


夕雲「えぇ……。決着の時……みたいですね」


雷「……場所は……宿毛湾鎮守府。……確かに、決着をつけるのにはいい場所ね」


電「また……あの場所に行くのですか」


響「…………懐かしいね」


暁「……もう、引き下がることはできないのね」


暁「……私も、覚悟を決めなきゃ……」ボソッ…



暁「――みんな、よーく聞いて。私たち暁水会は、早くも陽炎組率いる陽炎連合との決着をつけることになってしまったわ」


暁「本当のことを言えば、戦いたくなんかないのよ。いつもの私なら逃げてたかもしれない」


暁「……でもね。いま、ここに立ってなんとなくわかった気がするの。私が背負っているものと、陽炎組の覚悟の大きさがね」


暁「応える為にも、行かなくちゃいけない。とても怖くて、足がすくむわ。……だから――」






暁「 だからお願い。みんなの力を貸してちょうだい 」ドンッ‼





191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/05(火) 22:11:51.91 ID:VRvXia9+0
ホテル・モスクワ
名前の時点で露助の勝ちだな(確信)
更新乙様です
192 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/06/05(火) 22:23:25.00 ID:GwO0Zx8O0


夕雲「……えぇ、もちろんです! ねぇ、巻雲さん?」

巻雲「はいっ! 本領発揮しますよぉー!」


睦月「まかせてよっ! 暁ちゃんは、絶対に睦月が守るにゃしい!」

如月「組長だけではありませんよ。睦月組のみんなが、暁組に感謝してるんですから」


吹雪「はいっ! 私も、暁組への恩を忘れてはいません!」

白雪「吹雪組一同。会長のために尽力いたします」


綾波「お任せを。綾波組が、守ります」

敷波「へぇ、なかなか良い眼するじゃん」


秋月「やらせはしません。秋月組が健在な限り!」

照月「もちろんです!」


タシュケント「同志よ。空色の巡洋艦の力、お見せしよう」


暁「――ありがとう!」


暁「……みんな」スッ

雷「大丈夫よ、組長。私が居るじゃない」

電「電もいるのです!」

響「私もいる。組長は前だけを見てればいい」


暁「……えぇ、わかってる」フフッ


暁「もう、怖くなんかないわ――!」


――――――

――――

――



 第十一話
 「はりきってまいりましょー! 結成、暁水会と陽炎連合」

お わ り

193 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/06/05(火) 22:26:30.84 ID:GwO0Zx8O0

【次回予告】

デデンデデン♪


暁「暁水会会長、暁っ!」

雷「雷よっ!」

電「電なのです!」

響「響だよ」


暁「ついにこの時が来てしまったわね」


雷「私たち、どうなるのかしら……」


電「怖いのです……」


響「……でも、私たちには仲間がいる」


暁「えぇ、そうね。心強い仲間が、いっぱいできたわ」


雷「きっと私たちなら……」


電「大丈夫に違いないのです」


響「ハラショー」


暁「……さぁ、行きましょうか。……決着の場所へ」



暁「――次回『暁が如く』!」


雷「最終回よっ!」


電「1時間すぺしゃるなのです!」


響「 『暁の水平線に』 」



「「「「任侠桜に仁義の嵐っ!!」」」」



暁「……それでも本当は、戦いたくなんかないわ……」



デデデン♪


194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/06(水) 08:44:18.50 ID:Fv9Ir1GBO
乙です
さすがにシチリアン?マフィアのドン?リベッチオはいないかw
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/07(木) 23:52:19.98 ID:cmpatvLA0
おつん
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/11(月) 01:14:07.21 ID:g7sBauNB0
秋雲と萩風がどう動くかも気になる
そして日本駆逐艦なのに最終決戦にハブられそうな島風に涙w
197 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/06/16(土) 14:15:30.73 ID:yczfQvz/0
提督の皆さん、おにぎりイベントお疲れさまでしたー。

リベも出したかったのですが、CMの方への出演が決まってたので……。
198 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/06/16(土) 14:15:59.41 ID:yczfQvz/0


 最終話
 「暁の水平線に」



―――夕雲組本部


秋雲「………………っ」ソワソワ…


萩風「秋雲? ……少し落ち着いたらどう?」


秋雲「う、うん。わかってはいるんだけどさ……」ソワソワ…


秋雲「……でもやっぱり、ここで待ってろっていうのは落ち着かないもんだねぇ。元々の原因は秋雲にあるのに……」


萩風「夕雲さんも私たちの事を考えてくれたのでしょう。私たちが付いていくということは、陽炎組を相手にするということ」


萩風「……かつての仲間に武器を向けるというのは、簡単な事ではありませんしね」


秋雲「………………」


秋雲「――……でも、だからこそ……っていうのもあるんじゃないかな?」


萩風「どういうこと?」


秋雲「……発端はこの秋雲にあるんだ。逃げて一人だけ安全地帯に居るなんて、やっぱり考えられない」


萩風「で、でも、そしたら陽炎組と戦うってことっ??」


秋雲「……いいや、戦わない。でも、見届けることはできる。……どんな結果になっても、秋雲はもう逃げない」


萩風「秋雲……」


秋雲「……萩風の姉貴はここに居なよ。秋雲の問題に巻き込まれただけなんだから、萩風の姉貴には安全なところに居てほしいんだ」


萩風「……馬鹿言わないで。妹分がそこまで言っているのに、今度は私だけなんて……。そんなこと出来るわけないわ」


萩風「萩風だって、陽炎組の端くれ。……通す仁義は持っています」ドンッ


秋雲「……わかった。それじゃ行こう……決戦の鎮守府へ!」



――――――

――――

――



199 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/06/16(土) 14:16:41.38 ID:yczfQvz/0

―――宿毛湾鎮守府廃墟


ザザッ‼
ガチャガチャ…


陽炎「――ちゃんと来たわね。……暁水会、っていうのかしら?」


暁「…………そ……そうよっ!」ドーン‼


陽炎「正直、あなたを見くびっていたわ。……まさか、ここまでの勢力を持つとはね」


暁「……私もびっくりよ……」ボソッ


陽炎「…………?」



電「声が小さいのです!」ボソッ

雷「それじゃ聞こえないわよ!」ボソッ

暁「あぁもう、うるさいわねっ! ちょっと静かにしててっ!」ボソッ



陽炎「……ところで、秋雲と萩風はいないのかしら?」


夕雲「二人は私たちの本部に居ますよ。ご心配なさらず」


黒潮「へぇ、場所を教えてくれるなんて親切やなぁ」


夕雲「えぇ……。まさか、この状況で陽炎組が組員を向かわせる……なんてことはないでしょうしね」


陽炎「安心して、仁義は通すわ。――暁水会を壊滅させてから、ゆっくりと迎えに行くことにしましょう」



睦月「むむっ……!」

綾波「大した自信ですね」

吹雪「か、陽炎連合……。ちょ、ちょっと怖いかな……」

タシュケント「へぇ、これは面白い……」


時雨「……あの中で手ごたえがありそうなのは、夕雲組か綾波組かな。一応、暁組は陽炎組に譲ろうか」

ポイー‼
ウフフフ…

白露「時雨ー、これに勝てば一番になれるの?」

時雨「いいえ、まだ……。ですが、一気に近づくことでしょう」


朝潮「これは、陽炎組のため……。でも、本当に……」

神風「平和のために戦う……。いつの時代も変わらないものね」

レーベ「あれはソ連の……? ややこしいことになってきたかな……」


200 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/06/16(土) 14:17:17.42 ID:yczfQvz/0


暁「……本当に、やるのね」


陽炎「何を今さら……。まさか、まだ覚悟が出来ていないのかしら?」


暁「………………」


陽炎「へぇ、『会長』が聞いてあきれるわね。……暁水会の事は評価するけど、暁組については過大評価だったみたい」


暁「…………っ!」


夕雲「会長、耳を貸してはいけません。……安心してください、ここに居る皆さんは暁さんの人柄に着いてきているのですから」


暁「……えぇ、そう……よね」


暁(……そうよ、覚悟を決めたはずでしょう? 私は……。私がやらなくちゃいけないことは、もう決まってるんだから……!)


暁「陽炎……! 私たち暁水会は――」



「ま、待ってくれっ!!」



暁「――絶対に……。……え?」


夕雲「あ、秋雲と萩風……?? ど、どうしてここにっ?」


秋雲「この勝負、ちょっと待ってくれ!」ハァハァ…


陽炎「……どうしたの秋雲。……もし、今さら落とし前つけに来たとしても、もう止められないわよ?」


萩風「く、組長! わかっています……。――でも、違うんです!」


秋雲「いま、ここの周りを人間の極道達が――」




「ふっふっふ……。バレちまっちゃあ仕様がねぇ」




暁「――えっ?」


モブ山「おうおう……。久しぶりじゃねぇか……暁組の皆さんよぉ」

ゾロゾロ…
ヘヘヘ…


雷「あ、あんた達は……っ!!」

電「はわ、はわわわ……!」

響「へぇ……」






暁「誰だっけ?」
雷「誰だったかしら?」
電「覚えてないのです」
響「ハラショー」

201 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/06/16(土) 14:18:05.75 ID:yczfQvz/0


モブ山「いい加減にしやがれッ!! お前らがいま使ってる事務所は、元々誰のだと思ってやがるっ!!?」


暁「えっ? ……あぁ、そういえば……」

雷「あっ、思いだしたわ」

電「たしか、モブ山組……とかだった気がするのです」

響「――で、こんなところでどうしたんだい?」


モブ山「ふっ! そんな余裕ぶっていられるのも今のうちだぜ? ――おい、全員出て来い!」

ヘヘヘ…
ゾロゾロ…
ヤッテヤルゼ…
ゾロゾロ…
カクゴシヤガレ‼


陽炎「……あら、アンタは確か……」

モブ田「よぉ、今度こそ潰しに来てやったぜ、陽炎さんよぉ!」

モブ藤「いけませんなぁ。我々の事を忘れてもらっちゃあ……」


モブ間「俺たちは……! お前らに復讐するために牙を磨いてきたんだ……!」

モブ口「叩き潰してやるぜぇ……!」

時雨「あぁ……。そう言えば居たね……」


朝潮「あなた達は……ッ!!」

モブ本「おうおう、俺たちのシマ……返してもらうぜ」


モブ木「へへへ……っ!」

初春「お、おぬし達まで……!? 

モブ村「洗脳できてると思ってたのか? おめでたいぜ!」


睦月「また来たのね……!」

モブ辺「あの遊園地はなぁ、金の生る木なんだよ。簡単に諦められるわけがねぇ!」



ハッハッハー‼
ニゲラレルトオモウナヨ‼
ゾロゾロ…
ブッタオシテヤルゼ‼



暁「こ、この数は……!」


モブ山「へへへ……! 同盟を組んでるのがお前ら艦娘だけだとでも思ってたのか?」


陽炎「あぁ、確か徒党を組んでるって噂があったような……」


モブ山「本来だったら、お前たちが争って疲弊しきってるところを叩きのめす作戦だったが……。まぁいい」



モブ山「――お前らの数は何人だ? 合わせても百もいかないだろう? ……俺たちは極道という極道を集めて、もはや何千人という勢力になった!!」



ウオォーー‼
カカッテコイヤー‼
オォーー‼


202 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/06/16(土) 14:18:57.23 ID:yczfQvz/0

ウォオオオ‼
ワーワー‼
カクゴシヤガレー‼


陽炎「くっ……!」


モブ山「周りは全部固めてる。もうお前たちに逃げ場なんかないぜ?」


暁「なんて数なの……!」


モブ山「ハァーハッハァ! 全員で土下座するなら、許してやってもいいぜぇ」


陽炎「…………暁会長?」


暁「な、なによ……」


陽炎「少しだけ、協力しないかしら? ……それとも土下座する?」


暁「ふ、ふざけないでっ! わかったわ、協力しましょう……!」


陽炎「――みんなっ、一時休戦よ! やることはわかってるわね?」


暁「――さぁ、みんな準備して!」

オォー‼
ガチャガチャ‼


モブ山「土下座するつもりはねぇみてぇだな……!」



モブ山「――よぉしっ!! 俺たち全員で、こいつ等を叩き潰してやれッ!!!」


ウォオオオオオオオ‼
ワァアアアアアアア‼


――――――

――――

――



―――CMへ

203 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/06/16(土) 14:20:00.27 ID:yczfQvz/0

―――CMK

『【劇場版】ボーキ戦隊・クウボレンジャー 〜裏切りのブラック〜』予告CM 前編


――それは、ある姉妹がクウボレンジャーの所に来たことから始まった……。


ガチャバン‼

天城「――助けてくださいっ! クウボレンジャーの皆さん!」

雲龍「………………」


蒼龍「うわっ! ……天城じゃない、どうしたの?」


天城「葛城が……。葛城が、悪の軍団タイホーンに捕まってしまったんですっ!!」


瑞鶴「葛城が……そんなっ!?」


天城「雲龍姉様も、ショックで喋れなくなってしまって……!」

雲龍「………………」


飛龍「なんてヒドイことを……!」


赤城「――みんな、すぐに準備して! 出動よ!」



――捕らわれた葛城。それを助けるため、クウボレンジャーが動く。



赤城「――リュウジョーン! 葛城を今すぐに返しなさいっ!!」


リュウジョーン「はっ! そう言われて素直に返すわけないやろ! 返してほしかったら力づくでやってみぃ!」


飛龍「ぐっ、行きますっ!」

蒼龍「全艦載機、発進!」


赤城「翔鶴ホワイト、瑞鶴ブラック! あなた達は葛城の元へ!」


翔鶴「はいっ!」
瑞鶴「わかりました!」



――葛城を追う翔鶴ホワイトと瑞鶴ブラック。しかし、その前には新たな敵が……。



ズイホーン「ここは通しませんっ! 攻撃隊っ!」


翔鶴「ぐっ……! ――瑞鶴、ここは私が止めるわ! だから先に行って!」

瑞鶴「――っ! ……わかった!」ダッ



――そして、ついに葛城へと追いついた瑞鶴ブラック。しかし……


葛城「……待ってましたよ? 瑞鶴先輩……」ニヤッ

瑞鶴「……えっ?」


―――しかし、それは悪の軍団タイホーンの罠だった。

後編へ続く
204 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [sage]:2018/06/16(土) 14:36:25.89 ID:yczfQvz/0

ごめんなさい。
どうでもいいとは思うのですが、すごい違和感だったのでCM後半は下記に置き換えてください……。



―――葛城を追う翔鶴ホワイトと瑞鶴ブラック。その二人の前に新たな敵が立ちふさがる。


ズイホーン「ここは通しませんっ! 攻撃隊っ!」


翔鶴「ぐっ……! ――瑞鶴、ここは私が止めるわ! だから先に行って!」

瑞鶴「――っ! ……わかった!」ダッ



―――そして、ついに瑞鶴ブラックは葛城へと追いついた。しかし……


葛城「……待ってましたよ? 瑞鶴先輩……」ニヤッ

瑞鶴「えっ……?」


―――しかし、それは悪の軍団タイホーンの罠なのであった……。

後編へ続く

205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/18(月) 04:10:57.04 ID:p/kwyYQW0
おつ、この話も次がラスト?なのかな
それとも一時間スペシャルを銘打っていたし、もうすこしあるのか…?
どちらにせよ、楽しみ
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/22(金) 12:45:58.38 ID:qaEcBeKoO
ここでモブ橋組が暁組の救援に来たら胸アツ
207 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/07/01(日) 23:37:38.93 ID:85EXeE8y0
>>205
今から投稿する分と、あともう一回あります。
208 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/07/01(日) 23:38:10.33 ID:85EXeE8y0

―――CM明け


ウワァアアアアアアアアア‼
ドォン‼ドォン‼
ギャアアアアアアアアア‼
ドゴォッ‼


シーン…―


モブ山「――いや……あの……」


暁「……で、どうするのかしら?」




モブ山「ほ、本当に……、調子に乗ってすいませんでしたぁっ!!」ドゲザァ




陽炎「これだけの数を揃えたのはよくやったと思うけど、私たちに勝てるわけがないじゃない……」


神風「ま、準備運動にはなったわ」


夕雲「みんな大丈夫ですか? 怪我人は……」


長波「んーと、巻雲の姉貴が転んだぐらいかなぁ」


巻雲「うわーんっ! こんな時にぃ!」


暁「と、とりあえず、大きな怪我をした人はいないみたいね……」ホッ…


秋月「……それで、アナタはどうするんです? 他の皆さんはほとんど逃げちゃいましたけど」


モブ山「あ、あの……、もう手出ししないと約束しますんで、ここはどうか……!」


陽炎「……私はどうでもいいし、判断は任せるわ」


暁「……わかったわ。今回の事で懲りたでしょうし、もうしないのなら――」




時雨「――ちょっと待った」




朝潮「時雨さん……? いったい何をしようと……」


時雨「いや、別に海に沈めるとかそんな物騒な話じゃないよ。……ただ、気になることがあるんだ。――……ねぇ?」ズイッ


モブ山「ひぃっ!」ビクッ


時雨「聞きたいんだけどさ、どうやってこの場所を知ったの?」


時雨「これだけの大人数を僕たちにバレないように取り囲めた……ってことは、暁水会と陽炎連合がこの場で戦争するのを知っていたってことだよね?」


モブ山「そ、それは……」


時雨「……話してもらおうか?」ガチャ


209 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/07/01(日) 23:38:39.40 ID:85EXeE8y0


綾波「……時雨さん? 貴女は、私たちの中にそれを教えた艦娘が居る……と、そう言いたいのですか?」


時雨「あぁ、その通りさ」


吹雪「で、でも……? そんなことをしても、誰も得をしないような……?」


時雨「そう、それが不思議なんだ。……だから、知りたい。――ねぇ、誰からこの場所を聞いたの?」


モブ山「あ……て、手紙が、届いたんだ……」


レーベ「手紙……ね。差出人と内容は?」


モブ山「差出人は無かった……。で、でも内容は――」

モブ山「『忌まわしき艦娘共が戦争をするらしい。お互いが消耗する時を狙って、今こそ俺たちの力を合わせて潰してやろう』」

モブ山「――っていう内容と、場所と時間が……。他の組長たちに聞いたら、そいつらにも同じ手紙が届いていたようだったから、急いで兵を集めたんだ……」


睦月「んんっ?? それじゃ、誰が手紙を送ったのか疑問に思わなかったにゃしぃ?」


モブ山「あ、あぁ……。た、たぶん、俺たちの内の誰かが突き止めたんだろうって思って……」


タシュケント「ははっ。なんともお粗末だね、日本の極道というのは」


モブ山「ぐっ……!」


陽炎「――まぁ、まだ疑問は残るけど……。人間の極道と仲良くしてた組もあったみたいだし……」チラッ


初春「うぐっ……。で、でも待つのじゃ! わらわ達は教えたりなんか……っ」


陽炎「わかってるわよ。……ただ、何処から漏れてもおかしくないってこと」


陽炎「こいつはこれ以上叩いてもホコリは出なさそうだし……。もういいんじゃない?」


時雨「…………まぁ、しょうがないね」スッ


モブ山「そ、それじゃあ……!」


陽炎「――でも言っておくわ、もうこの街から去りなさい。次に見かけたら……言わなくてもいいわよね?」ゴゴゴ…



モブ山「す、すすす、すいませんでしたぁああああ――」ダダダダ…



神風「……さて。とんだ邪魔が入ったものだけど、これで仕切り直しかしら?」


暁「………………っ」


陽炎「そうね。もう邪魔も入らないでしょうし……。――まさか、『疲れた』とか言わないでしょうね?」フフッ…


暁「………………」グッ


雷「……組長?」

電「ど、どうしたのです?」

響「………………」


210 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/07/01(日) 23:39:56.47 ID:85EXeE8y0





暁「――……もう、やめましょう」





陽炎「…………いま、なんて?」


暁「やめましょうって言ったのよ。……こんな戦い、なんの意味もないわ」


夕雲「か、会長!? こ、ここに来て何を……っ!!」


時雨「ははっ! 急に何を言い出すのかと思えば……。――ふざけてるのかい?」ゴゴゴ…


暁「ふざけてなんかないわっ!!」


時雨「…………っ」


暁「私はいま、『会長』だなんて言われてるけどね……! 正直、こんなのやってられないのよっ!!」


睦月「あ、暁ちゃん……」


暁「……なんで、なんで仲良くできないのっ? 最初から争いなんかしたくなかった! だって、私たち……同じ艦娘じゃない……!!」


神風「……言いたいことは、まぁわからなくもないわ。それでも、覚悟をもってここに来たんじゃないの? どうして今さら……」


暁「今さらじゃないわ。……たった今、気付いたのよ」


綾波「………………」


暁「だって……。だって、いま私たち……一緒に戦えたじゃない」


朝潮「……それは……」


暁「……争う必要なんてないのよ。私たちは……みんなで、手を取り合える――」


陽炎「――それで終わりかしら? ……そんなの、理想でしかないのよ。貴女も組を背負っている身でしょ?」


暁「なんでそう決めつけるのよっ! 組同士の上下関係なんて無くせばいいわっ! みんなで……一緒に。それが一番よ!」


陽炎「…………そう」ニコッ



暁(え……笑った?)




陽炎「――それもそうねっ」ポンッ




時雨「…………ッ!? な、何を言って……!」


陽炎「…………暁水会会長、暁」


暁「えっ?? は、はい……」

211 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/07/01(日) 23:41:39.72 ID:85EXeE8y0




陽炎「――私たち陽炎組を、暁水会に入れてもらえないかしら?」




暁「えっ」

時雨「なっ…………!!」


黒潮「く、組長っ!!?」


不知火「………………」



――ねぇ不知火。……最後まで私に、付いてきてくれる?



不知火「――……不知火も、賛成です」


黒潮「不知火姉さんまで……!」


陽炎「いやかしら、黒潮?」


黒潮「い、いやというか……。――ま、まさか、最初からこれを……?」ハッ…


陽炎「………………」


黒潮「……はぁ、まったく……。ええよ、ウチは組長に着いていく」


陽炎「他のみんなも……――」


ワァー‼
モチロンデス‼
クミチョー‼


陽炎「――いいみたいね。……それで、大丈夫かしら?」


暁「えっ、あ、あぁ……。だ、大丈夫……よ」


陽炎「……それじゃ、陽炎連合は今を持って解散よ」アッサリ


吹雪「あ、あの……?? い、いったい何が……」

白雪「わ、私も……よくわかりません……」


陽炎「――朝潮。……あなたはどうする?」


朝潮「陽炎さん……。ふふっ、争いのない……。そういうのであれば、私たちの答えは決まっています」


朝潮「――暁さん、朝潮組もお世話になってよろしいでしょうか?」


暁「え、えぇ……」


陽炎「神風組は?」


神風「はぁ……。なにか変だと思ってたけど……」


神風「――いいわ、神風組も暁水会に入りましょう。……もともと、私たちは平穏に暮らせればそれでいいのよ」
212 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/07/01(日) 23:42:54.72 ID:85EXeE8y0


初春「――そ、それなら! わらわ達も入ってやってもいいぞ」フンッ


夕雲「……これは……」

巻雲「はわわわ……」


レーベ「……正直、僕たちにはどうなっているのかよくわからないけど……」


レーベ「そちら側に付いた方が、色々と動きやすそうだね。……僕たちもいいかな?」


暁「も、もちろんよっ!」



時雨「………………ッ」ギリッ


陽炎「……さて、白露組はどうするのかしら?」


時雨「……やっとわかったよ。人間の極道達に手紙を送ったのはキミだったんだね……!」


陽炎「……さぁ? なんのことかしら――」



―――時間はさかのぼり 陽炎組・本部


島風「――わかった! それじゃ、この手紙を暁組に持ってけばいいのね!」

陽炎「あーいや、夕雲組に持って行ってくれる? 向こうも集まるとしたら夕雲組の本部で集まるでしょうし」

島風「ふんふん! それじゃ、今度こそ――」

陽炎「待って待って! ……実はね、この手紙を人間の極道の組長たちに送ってほしいの。……あなたならどこにいるかわかるでしょ?」スッ…

島風「えーっ!」

陽炎「……あー、届けてくれたら天津風に話しつけてあげようと思ったんだけど……」

島風「うぐっ……。――わかった、もう無いよねっ?」

陽炎「えぇ、無いわ」

島風「それじゃ、行ってきまーっす!」ドヒュン‼

陽炎「……さて、後はどうなるか。ちょっとした賭けね……――」



――――――

――――

――




陽炎「――で、どうするの? ……戦うの?」


時雨「………………」

夕立「ど、どうなるっぽい……?」

村雨「私はいいけど……。組長は守り切れないかしらねぇ……」



時雨「――はぁ……、キミも意地悪だね……。ここに居る全部の組を、白露組だけで相手にしろと言うのかい?」


時雨「……組長」


213 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/07/01(日) 23:43:39.22 ID:85EXeE8y0


白露「時雨ー? どうなってるの?」


時雨「え、えっと……説明し辛いのですが……」


白露「……白露組は一番になったの?」


時雨「………………」


――組同士の上下関係なんて無くせばいいわっ!


時雨「――暁さん」


暁「な、なによ……?」


時雨「組同士の上下関係を無くす……。それは本当かな?」


暁「……えぇ! レディは一度言ったことは曲げないわ!」


時雨「……そうか」


時雨「――組長、白露組は一番になれたかもしれません」


白露「本当っ?」


時雨「えぇ。……ただ、二番はいない。不思議な一番かもしれませんが」


白露「二番が居ない?」



白露「……そっか。そういうのも、いいかもね」ニコッ



時雨「……はいっ」


時雨「――暁さん……。僕たち白露組も、暁水会に入れてもらえるだろうか?」


暁「……もちろんよ!」


秋月「そ、それじゃあ、戦わなくていいんですねっ!」


綾波「……なるほど、暁さんはそのような方でしたか」フフッ…

敷波「なんだ、見た目よりやるじゃん」


夕雲「暁さん、あなたの器の大きさはこの夕雲には計り知れません……」

巻雲「わぁー! みんなで仲良くできるんですね!」




暁「――それじゃ、みんなで手を繋ぎましょ!」


神風「はぁ? なんでそんなこと……」


雷「まぁまぁ、いいじゃない!」


電「そうなのです!」

214 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/07/01(日) 23:45:03.83 ID:85EXeE8y0

ワーワー‼
ハワワッ‼


秋雲「ははっ……。まさか、みんな仲間にしちまうなんて……」


萩風「……そうね」フフッ…


陽炎「――秋雲、萩風」


秋雲「……っ! く、組長……」


陽炎「………………」


萩風「あ、あの……――」



陽炎「――苦労をかけたわ。不甲斐ない組長でごめんなさい。……よかったら、私の手を繋いでくれるかしら?」スッ…



秋雲「組長……っ!!」


萩風「……もちろんです!」グスッ…



ギャーギャー‼
アハハハ…‼
ワーイ‼


タシュケント「……良い組長だね、響」


響「……ふふっ。当然じゃないか」



ミンナツナイダー?
ワーワー‼
ウワーン、メガネガー‼




暁「――さぁっ! みんなで帰りましょう!」




暁「私たちの――――」






―――CMへ


215 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/07/01(日) 23:47:52.29 ID:85EXeE8y0

―――CML

『【劇場版】ボーキ戦隊・クウボレンジャー 〜裏切りのブラック〜』予告CM 後編



翔鶴「――どうして……ッ!! どうしてなの……瑞鶴っ!!」



――翔鶴の前に立ちはだかったのは、実の妹……瑞鶴だった。



瑞鶴「…………翔鶴姉ぇにはわからないよ」



――仲間の裏切り。



蒼龍「ぐっ……! きっと卑怯な事をしたに違いないわっ!」


加賀「僥倖ね」


飛龍「か、加賀さん! 台詞がちが――」



――最後に勝つのは、悪か。それとも、姉妹の愛か。



赤城「うぐっ……!」ドサッ…


リュウジョーン「なーはっはっは! 仲間一人居ないとこんなに脆いんかクウボレンジャーはっ!」


ズイホーン「口ほどにもないわねっ! お、おーほっほっほ……」


瑞鶴「………………っ」グッ…



――その力を前に、ついに膝をつくクウボレンジャー。……しかし、そこへ――



「……久しぶりね、龍驤。……いえ、今はリュウジョーン……だったかしら?」


赤城「あ、あなたは……っ!!」


リュウジョーン「はっ……。今さら何しに来たんや……。――鳳翔ッ!!」



――あの、伝説のレンジャーが現れるっ!!



鳳翔「……あの日の誓いを果たしに――」



『【劇場版】ボーキ戦隊・クウボレンジャー 〜裏切りのブラック〜』 ○月△日、全国同時上映っ!!


飛龍「――そして、私たちの映画を見に来てくれた人には、入場者特典として私たちの飛行甲板ストラップがもらえるよっ!」

蒼龍「だから、絶対に見に来てねっ!」


※入場者特典は数量限定となっております。無くなり次第終了とさせていただきます。
※飛行甲板ストラップは全6種+シークレット1種となります。
※入場の時に袋に入れてお渡しします。種類は選べませんので予めご了承ください。

216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/02(月) 05:16:47.31 ID:zekDujpe0
おつ
クウボレンジャーももうすぐ終わりか…、ストラップ欲しいな
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/05(木) 23:10:18.96 ID:xdjA2rrB0
駆逐艦が極道を制圧する一方で
軽巡がメイド喫茶、空母が戦隊モノのアクターを務めるカオスな世界観、嫌いじゃないです

深海棲艦の転職先は何なのだろうか?
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/06(金) 19:50:15.74 ID:iIICkkHGo
きっと真面目にOLやってるよ
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/07(土) 22:11:03.37 ID:NNlPl4c30
ストラップのシークレットが気になる
220 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/07/09(月) 22:41:26.71 ID:JnkEXGJ80

―――CM明け


暁「私たちの――――」



ついに一つとなった彼女たち。
もう、彼女たちの道を遮るものは無い……。
多くがそう思っていた。


――その時までは。



響「――っ! ……この音はっ!」ハッ‼

不知火「…………組長ッ!」



すぐさま気付いたのはごく少数。
しかし身構える暇もなく。その直後、轟音と共に彼女たちを衝撃が襲う。



吹雪「きゃあ――ッ!!」


神風「う……ぐっ……!」


タシュケント「い、今のは砲撃……!?」



先ほどの衝撃により濛々と砂ぼこりが立ち込める。
だが、さすがというべきか、彼女たちの多くがすぐに体勢を立て直していた。



朝潮「こ、これはいったい……!?」


夕雲「誰かっ、怪我をした人はっ?」



夕雲の問いかけに皆が応える。
幸いにも、その砲弾は近くに落ちただけのようで、怪我をした者は居なかった。
けれども安堵はできない。
その犯人が、まだそこに居るのだから。



雷「……砂ぼこりが晴れてきたわ……」


電「…………っ! あ、あれって……もしかして…………」


響「……間違いない」




暁「 レ、レキュウダーよっ!! 」




彼女たちの間にどよめきが走る。

そう、そこに居たのは悪の手先レキュウダーだったのだっ!!




レキュウダー「………………」ゴゴゴゴ…



221 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/07/09(月) 22:42:09.35 ID:JnkEXGJ80


その圧倒的な存在感と威圧感。
彼女たちの戦意はすでに折れかけていた……。


――しかしっ!!



陽炎「――みんな立ちなさいっ!! 立って武器を取るのよっ!」



他の駆逐艦たちが、陽炎を見つめる。



陽炎「たった今、私たちは一つになったじゃない! これぐらいの相手がなんだっていうの!? ――そうでしょう、暁!」


暁「……そうね。私たちはもう……ッ!! ――さぁ、みんなで立ち向かいましょう! 私たち暁水会の力を見せてやるのよ!」



その言葉を契機に、駆逐艦たちは立ち上がるっ!!



雷「そうだわっ!! 私たちがレキュウダーなんかに負けるわけないわ!」

電「はわわっ! 倒しちゃうのですっ!」

響「…………っ」ガチャン‼



彼女たちの目に、再び闘志の火が点いた。
そうして、レキュウダーとの戦いの火蓋が切られたっ!



時雨「……ちょうどいいじゃないか。僕たちはもともと戦う気で来たんだから! ――砲撃用意っ!」


レーベ「さぁ、行くよ!」

マックス「えぇ……!」



総勢九十名を超える駆逐艦の砲撃がレキュウダーを襲う!



レキュウダー「………………っ!」バッ‼


綾波「――あれは艦載機っ!? 対空射撃をっ!」


秋月「私たちにお任せくださいっ!!」



レキュウダーが放った無数を艦載機を、秋月組の対空射撃が迎え撃つ。
そのほとんどを撃ち落とすことに成功したが、しかしそれだけでは終わらない。
レキュウダーは、次はこちらの番とばかりに砲塔を向ける。



初春「先ほどの威力……。当たったらただではすまんのぅ」


睦月「そんなのわかってるにゃしぃ! 絶対に当たったらダメだよっ!」



砲撃の威力では勝てない。
だが、彼女たちには駆逐艦ならではの機動力がある。


……しかし――。

222 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/07/09(月) 22:42:48.37 ID:JnkEXGJ80


彼女たちは戦い続けた。
その艦載機を撃ち落とし、砲撃を避け続け……。
着実に砲撃を当てていた。

――はずであった。



風雲「はぁ……はぁ……!」


長月「くっ……。もう弾が……!」


朝風「そんな……っ」



レキュウダー「………………」ゴゴゴゴ…



しかし、明らかに疲弊しているのは駆逐艦の方だった。
弾も尽き、動けるだけの体力も使い切った。

しかし……っ! しかしそれでもレキュウダーは倒れない。



文月「もう……動けないよぉ……」


山風「…………うぅ……」



彼女たちの心には絶望が。



陽炎「……なんてこと……っ」


暁「私たちの力を合わせても……レキュウダーには敵わないの……っ!?」





もう無理だ。

諦めよう。


誰しもがそう思った……。



「諦めちゃダメだよッ!!!」



――だがその時っ!!

一人の駆逐艦――清霜がその声を張り上げた!




清霜「諦めちゃダメだよっ!! まだ……、まだ……私たちには、あの人が居るじゃんか……っ!!」


夕雲「あ、あの人……!? ――ま、まさかっ!!」ハッ‼




「ふははははっ!! 待たせたなっ!!」




223 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/07/09(月) 22:43:23.37 ID:JnkEXGJ80


暁「こ、この声は……!!」


雷「そうよ! 私たちにはまだ……!」


電「はわわっ! そうなのです!」


響「…………あれは――っ!!」





「「「「「 ナ、ナガモンだーっ!!! 」」」」」





ナガモン「私を求める声がする……。私の名を呼ぶ、駆逐艦の声がするッ!!」


ナガモン「――さぁ、悪の手先レキュウダーよっ!! 駆逐艦の娘たちはやらせはせん! 私と勝負だっ!!」



ついにやってきたスクモ戦士・ナガモン!!
さぁ! 駆逐艦を守るため、宿毛湾を守るため! 戦うのだ!



レキュウダー「………………ッ!」ブンッ‼


ナガモン「ふんっ! そんな攻撃は私には効かんっ!」


ナガモン「――うぉおおおお! ナガモン……パーンチッ!!」


レキュウダー「………………ッ!!!」ビキィ‼



ナガモンパンチがレキュウダーに直撃する!
先ほどまで駆逐艦たちの砲撃にはビクともしなかったレキュウダーも、ナガモンの攻撃は効いているようだ!!



暁「す、すごい……! 互角以上にやり合っているわ!!」

雷「ナガモーンっ! がんばってー!」



レキュウダー「………………っ!」バッ



しかし、レキュウダーも一筋縄ではやられない!
ご自慢の艦載機をナガモンに向けて飛ばしてきた!



ナガモン「むっ……!」


吹雪「あ、危ないっ! 秋月組は……っ」


照月「ご、ごめんなさい……! もう……弾が……」



ナガモン「――うわぁあああああ!!」ガクッ…


清霜「そ、そんな……! ナガモンが!!」


224 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/07/09(月) 22:44:12.23 ID:JnkEXGJ80

形勢逆転か。
レキュウダーの放った艦載機攻撃を前に、ナガモンがついに膝をついてしまった……!



ナガモン「ぐぅ……!」


レキュウダー「………………」ガチャリ…



白露「ナガモンがやられちゃうよ!」


電「はわわ……! た、助けてあげないと……」


響「ダメだっ! 迂闊に近付いたら、私たちまで……!」



ナガモンに迫るレキュウダー……ッ!!
駆逐艦たちはそれを眺めていることしかできないのか……!



陸奥(?)「――いけないわっ! このままではナガモンがやられてしまう!」


清霜「この声は……陸奥さんっ!」


陸奥(?)「みんな、今こそ力を合わせる時よっ! みんなで、心の底からナガモンを応援するの!」



それぞれの顔を見合わせる彼女たち。
みんなが力強く頷く。
いま、駆逐艦たちの心が一つになった。



陸奥(?)「さぁ、せーので行くわよっ! せーのっ――!」





「「「「「 ナガモンがんばれーっ!! 」」」」」





ナガモン「――――ッ!!!」ドクンッ‼


ナガモン「――うぉおおおおおおおおお!!!」グググッ‼



説明しようっ!!
スクモ戦士ナガモンは、駆逐艦や海防艦など小さい娘達からの心からの声援を受けるとパワーアップできるのだっ!!




ナガモン「――ナガモン……改・二ッ!!!」


レキュウダー「………………ッ!!?」


ナガモン「喰らえっ!!」



ナガモン「――ナガモン……ビッグセブンパーンチッ!!!!!」




225 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/07/09(月) 22:45:22.18 ID:JnkEXGJ80


レキュウダー「………………――ッ」



ナガモンの一撃が決まった……。
レキュウダーは飛ばされ、海へと静かに沈んでいった。

しかし、ナガモンだけでは勝てなかったであろう。
みんなの力があったからこそ、強敵レキュウダーに勝つことができたのだ。



清霜「す、すごいねナガモン! やっぱり強いんだ!」


ナガモン「はははっ! 当り前じゃないか!」


皐月「わーっ! ナガモーン!」


深雪「さすがだぜっ、ナガモン!」


ナガモーン‼
ワーワー‼
ナガモンハツヨイゾー‼
ギャーギャー‼
ワーイワーイ‼



ナガモン「――まったく……! 私の体は一つしかないのだぞ! ……それっ!」ダッ‼


暁「あっ、ナガモン待ってよっ!」


ナガモン「はははっ、私はここだぞっ! さぁ……みんなで、共に行こうじゃないか……――!」





ナガモン「――あの、暁の水平線に向かって!!」





こうして、ナガモンは駆逐艦たちと宿毛湾を救った。

すごいぞ、ナガモン。やったな、ナガモン。


しかし、ナガモンの戦いはまだ始まったばかりだっ!!




――完――








※今まで「暁が如く」のご視聴ありがとうございました。来週のこの時間からは、引き続き「スクモ戦士・ナガモン」を放送します。みんな、楽しみに待っててくれよなっ!

226 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/07/09(月) 22:46:14.80 ID:JnkEXGJ80

【クレジット】

<出演>
・スクモ戦士・ナガモン
 ・長門

・暁組
 ・暁 ・雷 ・電 ・響

・夕雲組
 ・夕雲 ・巻雲 ・風雲 ・長波 ・高波 ・藤波 ・浜波 ・沖波 ・朝霜 ・早霜 ・清霜

・睦月組
 ・睦月 ・如月 ・弥生 ・卯月 ・皐月 ・水無月 ・文月 ・長月 ・菊月 ・三日月 ・望月

・吹雪組
 ・吹雪 ・白雪 ・初雪 ・深雪 ・叢雲 ・磯波 ・浦波

・綾波組
 ・綾波 ・敷波 ・天霧 ・狭霧 ・朧 ・曙 ・漣 ・潮

・秋月組
 ・秋月 ・照月 ・涼月 ・初月

・陽炎組
 ・陽炎 ・不知火 ・黒潮 ・親潮 ・初風 ・雪風 ・天津風 ・時津風 ・浦風 ・磯風 ・浜風 ・谷風 ・野分 ・嵐 ・萩風 ・舞風 ・秋雲

・白露組
 ・白露 ・時雨 ・村雨 ・夕立 ・春雨 ・五月雨 ・海風 ・山風 ・江風 ・涼風

・朝潮組
 ・朝潮 ・大潮 ・満潮 ・荒潮 ・朝雲 ・山雲 ・霰 ・霞

・神風組
 ・神風 ・朝風 ・春風 ・松風 ・旗風

・初春組
 ・初春 ・子日 ・若葉 ・初霜

・ホテルガングート
 ・Ташкент

・ビスマルクファミリー
 ・Z1 ・Z3


・エキストラの皆さん(敬称略)
 ・モブ田 ・モブ間 ・モブ木 ・モブ山 ・モブ川 ・モブ藤
 ・モブ橋 ・モブ中 ・モブ辺 ・モブ本 ・モブ村 ・モブ口 ・モブ上


227 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/07/09(月) 22:47:25.87 ID:JnkEXGJ80

<CM出演>

・CM@「スクモ戦士・ナガモン」
 ・長門

・CMA「MyOUKO-TANMEN アシガラ」
 ・妙高 ・那智 ・足柄 ・羽黒

・CMB「ボーキ戦隊・クウボレンジャー」
 ・赤城 ・加賀 ・飛龍 ・蒼龍 ・翔鶴 ・瑞鶴 ・龍驤

・CMC「パスタの国から」
 ・Italia ・Roma ・Aquila ・Zara ・Pola ・Libeccio ・Luigi torelli

・CMD「グリーンリーフ探偵事務所」
 ・青葉

・CME「ヒェーハウス・COnGO弐番亭」
 ・金剛 ・比叡 ・榛名 ・霧島

・CMF「健康青汁 〜鹿島さんver〜」
 ・香取 ・鹿島

・CMG「アイオワのテレビショッピング」
 ・Iowa ・Saratoga ・Intrepid ・Gambier Bay ・Samuel B.Roberts

・CMH「サーチ♥ライト」
 ・川内 ・神通 ・那珂 ・球磨 ・多摩 ・北上 ・木曾

・CMI「メイド喫茶 アガにゃん」
 ・阿賀野 ・能代 ・矢矧 ・酒匂 ・天龍 ・龍田

・CMJ「ウォースパイトの3分クッキング」
 ・Warspite ・Ark Royal

・CMK「ボーキ戦隊・クウボレンジャー 〜裏切りのブラック〜」
 ・赤城 ・加賀 ・飛龍 ・蒼龍 ・翔鶴 ・瑞鶴 ・鳳翔 ・雲龍 ・天城 ・葛城 ・龍驤 ・瑞鳳



<大道具・小道具・舞台製作>
 ・明石 ・夕張


<撮影>
 ・青葉


<原作・脚本>
 ・クラウド・アキ


<現場監督>
 ・大淀



<総監督>

 ・長門



228 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/07/09(月) 22:48:34.65 ID:JnkEXGJ80

<スポンサー>

この番組は――。


「改修の限界を目指して……」
 『AKASHI GARAGE COMPANY』


「確かな編成を、確かな海域へ」
 『大淀マネージメント事務所』


「明日は、今日よりもいい鎮守府を」
 『バリバリ夕張製作所』


「大切な一瞬を逃したくないアナタに」
 『スクリーンショット・アオバ』


――御覧のスポンサーの提供でお送りしました。





プツッ―





長門「――ってドラマを作ってみたんだが……。どうだろうか、陸奥?」


陸奥「ちょっと待って、ちょっと待って……。あ、頭の整理が追いつかないわ……」


229 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/07/09(月) 22:49:35.47 ID:JnkEXGJ80


―――鎮守府・執務室


陸奥「――えぇっと……。まず聞きたいんだけど、最後のは編集ミスかしら? 十二話の後半だけど」


長門「えっ? いや、編集ミスじゃないぞ」


陸奥「じゃ、じゃあ最後のアレは何?」


長門「ふふふっ! 実はな、スクモ戦士ナガモンは私なのだ!」


陸奥「そんなこと聞いてるんじゃないのよ。はっ倒すわよ」ゴゴゴ…


陸奥「――というか、いつの間にこんなの撮ったのよ、CMとかまで作って……。私、全然気付かなかったわ……」


長門「あぁ、陸奥にはバレないようにスケジュールを調整したからな」


陸奥「えっ……なんでよ?」


長門「まぁまぁ。それよりどうだろうか、面白かったか?」


陸奥「ま、まぁ……。内容は色々と疑問はあるけど、いいんじゃないかしら」


陸奥「――ただ、最後に突然長門が出てくるのはなんなの?」


長門「それはだな、話自体は秋雲に作ってもらったんだが、私の出番がなかったから付け足したんだ」


陸奥「そ、そう……、まぁみんなが納得してるならそれでいいわ。あと、最後の私の声は……?」


長門「あぁ、あれか! ふふっ、あれは私が陸奥の声を真似してみたんだ! どうだ、似ていなかったか?」


陸奥「え、えぇ……。ちょっとビックリしたわ」


長門「そうそう。だから、後で陸奥の声が欲しいって大淀が言ってたぞ」


陸奥「…………そう。――……それで、これを私に見せたのはどうして?」


長門「じ、実はだな……。これをぜひ放送したいと思って……」


陸奥「……いいんじゃない? もちろん、提督の許可は貰ってるんでしょ? まったく、提督も私に秘密にしなくてもいいのに……」


長門「いや……」


陸奥「えっ?」


長門「………………」


陸奥「………………」


長門「いや…………」


陸奥「……ね、ねぇ、まさかとは思うんだけど――」



陸奥「む、無許可なの……??」


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