P「アイドル達の親愛度がマイナスになった……」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:34:30.50 ID:xTYSJTlyo
とある日、事務所

P「おはようございます」

小鳥「あっ、プロデューサーさん! ちょうど良かったです!」

P「ちょうど良かった? 何かあったんですか?」

小鳥「はい。実は今朝事務所に来たら、机の上にこんなものがあって……」

P「? これは、小瓶と……手紙?」

小鳥「社長が置いていったものみたいなんですけど、とにかく、読んでみてください!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1522499670
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:35:36.79 ID:xTYSJTlyo
P「どれどれ、えっと……」

 『これは知人からもらった、親愛度をマイナスにする薬だ。
 これを飲むとアイドル諸君の親愛度がマイナスになる。
 プロデュースをする上でアイドルに嫌われる経験というのも貴重だろう。
 ぜひ活用してくれたまえ!』

P「ええ……」

小鳥「社長ったら、またこんな怪しげなものを……。どうしましょうプロデューサーさん?」

P「う、うーん……。なんだかよく分かりませんけど、
 取り敢えず飲んでみようという気にはなりませんね」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:36:19.62 ID:xTYSJTlyo
小鳥「ですよね? そもそも本当に効果があるのかも分かりませんし……」

P「だからって飲んで効果を確かめるわけにもいきませんから……。
 しかし一体どういう……ちょっと匂いだけでも嗅いでみますね」

小鳥「は、はい。うっかり飲んじゃったりしないでくださいね!
  絶対ですよ! 絶対うっかり飲んじゃったりしないでくださいよ!」

P「あはは、大丈夫ですよ。いくらなんでもそんなうっかりはしません。
 さてと、どんな感じかな、と……。ふむ、」

亜美真美「わーーーーーーーーーーーーっっっ!!!!」

P「!?」ビクッ

小鳥「きゃあっ!?」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/31(土) 21:36:32.92 ID:/k+rRVDL0
この手のSSは荒れる
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:37:05.60 ID:xTYSJTlyo
小鳥「あ、亜美ちゃん、真美ちゃん! いつの間に!」

亜美「んっふっふ〜! おどかし作戦大成功〜!」

真美「兄ちゃんピヨちゃん、びっくりした? びっくりしたっしょ? んっふっふ〜!」

P「……」

真美「? どしたの兄ちゃん、固まっちゃって」

亜美「っていうか、さっき二人で何見てたの? もしかして、エッチなもの〜?」

P「い、いや違う、そうじゃないけど……」

小鳥「まさかプロデューサーさん……」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:37:44.93 ID:xTYSJTlyo
小鳥(の、飲んじゃったんですか、さっきの薬!)

P(……びっくりした反動で、口に入って……)

小鳥(そんな! それじゃあ、その薬が本物だとしたら……!)

P(はい……。俺に対するアイドルの親愛度が、マイナスに……)

小鳥(ということは……今ここに居る亜美ちゃんと真美ちゃんも!?)

小鳥「ね……ねぇ亜美ちゃん、真美ちゃん!
  二人とも、プロデューサーさんのこと……って、あれ?」

亜美真美「……」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:38:18.40 ID:xTYSJTlyo
小鳥(ふ、二人ともさっきまですぐそこに居たのに……)

P(いつの間にかソファに移動してゲームをしている……)

小鳥「あ、亜美ちゃん、真美ちゃん?」

亜美「ん? なにピヨちゃん」

真美「どしたの? 何か用?」

小鳥「え、えっとね、ちょっと聞いてみたいことがあるんだけど……。
  二人とも、プロデューサーさんのこと、どう思う?」

亜美「……」

真美「……何、急に。なんでそんなこと聞くの?」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/31(土) 21:39:01.37 ID:/k+rRVDL0
嫌がらせはしないけど避けるようになるタイプか
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:39:15.34 ID:xTYSJTlyo
小鳥「え? えっと……な、なんとなく?」

真美「……知んないよ、そんなの」

小鳥「し、知らないって……。あ、亜美ちゃんは?」

亜美「……」

小鳥「えっと、亜美ちゃん? 亜美ちゃんはプロデューサーさんのこと……」

P「すいません小鳥さん、もういいです。わかりました。もう大丈夫です」

小鳥「あっ、はい、そうですねすみません……」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:40:01.30 ID:xTYSJTlyo
真美「もういい? じゃあ真美たち、レッスンルーム行ってくるね。またねピヨちゃん」

小鳥「あ、うん……」

真美「ほら行こ、亜美」

亜美「ん……。ごめんね、ピヨちゃん」

小鳥「え、いや私は別に……」

真美「んじゃ、いってきまーす」

 ガチャッバタン
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:40:37.01 ID:xTYSJTlyo
P「……」

小鳥「……」

P「なんですかこれ!? 辛すぎるんですけど!!」

小鳥「プ、プロデューサーさん! 落ち着いてください!」

P「もう無理なんですけど! たった二人で限界ですよもう!
 どうやったら元に戻るんですかこれ!!」

小鳥「え、えっと、社長の手紙には……十年経てば効果は切れる、って……」

P「はああああああああああ!? 十年!? 何考えてんですかあの社長!!」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:41:13.17 ID:xTYSJTlyo
小鳥「あっ、でも待ってください! 強制的に治す方法もあるみたいです!」

P「! 本当ですか! 教えてください!」

小鳥「えっと……。『誰か一人でいいから、親愛度を更にマイナスに振り切ること』だそうです」

P「さ、更にマイナスに?」

小鳥「つまり、限界まで嫌われろと……」

P「どういう仕組みなんですかそれ! 意味不明すぎる!」

小鳥「わ、私に言われても……」

 ガチャッ

律子「おはようございます」

P&小鳥「!」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:42:24.21 ID:xTYSJTlyo
小鳥「り、律子さん!」

P(な、なんてことだ……! 亜美と真美で既に限界なのに、
 この上律子にまであんな態度を取られたら泣いてしまいかねない!)

律子「おはようございます、小鳥さん。プロデューサーも、おはようございます」

P「えっ? あ、あぁ、おはよう」

P(あれ……? なんか普通に挨拶してくれたぞ)

律子「ところで小鳥さん、ちょっとお手洗いに来てもらっていいですか?
  なんだか、蛇口の調子が悪いみたいで見てもらいたいんですけど」

小鳥「えっ? はい、分かりました。
  すみませんプロデューサーさん、ちょっと行ってきますね」

P「あっ、はい……」

 ガチャッバタン
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:43:25.56 ID:xTYSJTlyo
P「……」

P(と、取り敢えず一旦落ち着いて状況を整理しよう……。
 まず俺はあの薬を飲んで、アイドル達の親愛度がマイナスの状態になっている。
 そして元に戻すには、十年待つか、誰かの親愛度を限界までマイナスにする……と)

P「……なんか整理してもよく分からない状況だ……。
 しかし、律子はどうだったんだろう。さっきの感じだと、いつもと変わらない気が……」

P(もしかして、律子の親愛度は変わっていないのか?
 いやそれとも、変わっていたのは亜美と真美だけとか……。
 あっ、まさか、実は最初からあの二人のイタズラだったのか!?
 あり得る! きっと今頃二人して、レッスンルームで笑って……)

 ガチャッ

やよい「おはようございまーす!」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:43:51.97 ID:xTYSJTlyo
P「! あぁ、おはようやよい!」

やよい「っ……!」ビクッ

P「えっ」

やよい「あ、あの、その……」

P「や、やよい? えっと、どうしてそんな……」

やよい「ひっ! ご、ごめんなさい! なんでもないです! ごめんなさい!」

P(あっ、ダメだこれ)
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:44:19.45 ID:xTYSJTlyo
 ガチャッ!

伊織「やよい、どうしたの!?」

やよい「伊織ちゃん……!」

P「い、伊織」

伊織「ッ……! ちょっとあんた! やよいに何したのよ!?」

P「え!? い、いや、俺は何も……」

伊織「なんであんたがここに居るの!? っていうか、いつまで765プロに居座るわけ!?」

P「ええ……」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:45:00.91 ID:xTYSJTlyo
伊織「いつも言ってるでしょ! 私たちの半径10m以内に近寄らないで!
  視界にも入らないでちょうだい! もし次やよいに何かしたら、
  水瀬財閥の力で765プロどころか日本から、いえ、地球から追放してやるわよ!」

やよい「伊織ちゃん……」

伊織「大丈夫よ、やよい。もう一人で事務所に行っちゃダメよ?」

やよい「うん、ごめんなさい……」

伊織「さ、外に行きましょう。……あんたは、さっき言ったこと覚えてなさいよね。フン!」

 ガチャッバタン!

P「……」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:45:35.83 ID:xTYSJTlyo
P(マジか……伊織が家の力に頼るのも辞さないレベルで嫌われてんのか……。
 それもだし、やよいの怯えた視線めっちゃ心に来た……)

美希「ん〜、騒がしいの……ミキ、せっかくお昼寝してたのに……」

P「! み、美希、居たのか!」

美希「えっ? うわっ……」

P(『うわっ』!?)

美希「……」

P「な、なんだ? なんでそんな、じっと見て……」

美希「……オジサン、ミキに何もしてないよね?」

P「お、おじさん!?」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:46:06.69 ID:xTYSJTlyo
美希「オジサンじゃなかったら、そこの人。
  お昼寝してるミキに、何か変なこと、してないよね?」

P「す、するわけないだろ!」

美希「……あーあ、朝からサイテーな気分なの。
  ミキ、今日はそこそこ頑張ろーって思ってたのにな。やる気なくなっちゃったの」

P「え? ど、どこへ行くんだ、美希!」

美希「帰るの。ミキ、オジサンのこと嫌いだから一緒に居たくないって感じ」

P「」

美希「さよならなのー。あふぅ」

 ガチャッバタン
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:46:46.70 ID:xTYSJTlyo
P「……」

 ガチャッ

小鳥「プ、プロデューサーさん」

P「音無さん……」

小鳥「えっと……今、美希ちゃんとすれ違ったんですけどもしかして……」

P「はい……ばっちりマイナスでした。あとやよいと伊織も」

小鳥「やっぱり……」

P「……そう言えば律子はどこへ?
 戻ってきたらちょっと確認しようと思ってたんですけど」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:47:23.24 ID:xTYSJTlyo
小鳥「確認っていうのは……律子さんの親愛度ですか?」

P「はい。だってほら、さっきは普通に俺にも挨拶してくれたでしょう?
 だからもしかしたら律子はマイナスになってないんじゃないかと思って」

小鳥「そ、そのことなんですが……」

P「え?」

小鳥「……やっぱり、律子さんもダメでした」

P「え……」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:48:02.66 ID:xTYSJTlyo
数分前

小鳥「それで律子さん、調子が悪い蛇口っていうのは……」

律子「すみません、小鳥さん。それは口実です。
  ちょっと、プロデューサーの居ないところで話をしたくて」

小鳥「えっ?」

律子「亜美と真美から聞きました。
  さっき、小鳥さんにプロデューサーをどう思ってるか質問されたって」

小鳥「え、えぇ、質問しましたけど……」

律子「えっと、ですね。やっぱり、出来ればあの子達にプロデューサーの話はしないで欲しいんです。
  私や何人かの子は、仕事相手だと割り切ってある程度は接することができますが、
  あの子達はまだ、それは無理ですから……」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:48:39.36 ID:xTYSJTlyo
小鳥「……は、はい、わかりました」

律子「それで、その……今日プロデューサーは、いつまで事務所に?」

小鳥「え? 確か、午後から営業に行く予定でしたからそれまでは……」

律子「う……それじゃあ、まだしばらくは居そうですね。
  わかりました。私は亜美達のレッスンを見てきます。
  午後になれば戻るので、それまではすみません、よろしくお願いしますね」

小鳥「は、はぁ……」

律子「……いつもすみません。小鳥さんにこんな役目を押し付けちゃって……」

小鳥「い、いえ私は別に」

律子「それじゃ……行ってきます」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:49:05.71 ID:xTYSJTlyo



小鳥「ということがあって……」

P「……」

小鳥「プ、プロデューサーさん、大丈夫ですか?」

P「めっちゃ泣きそうです……」

小鳥「き、気持ちは分かります」

P「音無さん……俺、決めました。
 次に事務所に来たアイドルの親愛度を、マイナスに振り切ります。
 そしてこの地獄に終止符を打ちます……!」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/31(土) 21:50:57.47 ID:xTYSJTlyo
小鳥「わ……わかりました。でも気をつけてくださいね。
  親愛度自体は元に戻っても、それで記憶も消えるとは限りませんから」

P「! そ、そうか、そうですね。嫌われるためにあまり酷いことをしすぎると、
 後々まで気まずくなってしまう恐れが……。
 い、いや大丈夫、俺はプロデューサーなんだ。
 後々に影響しないラインを見極めつつ、アイドルに合わせた嫌われ方を……」

 ガチャッ

雪歩「おはようございますぅ」

P「! 来たな雪h」

雪歩「ひいっ!? 嫌ぁああああああああ来ないでぇええええええええええええ!!!!!」

 ガチャッバタン!
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