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[安価]男「旧い町の旧い家を相続した」[ホラー]
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1 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/29(木) 21:20:14.33 ID:xR0IOYiEO
ガタン、ガタン
電車に揺られている
ゆったりと通りすぎる景色は深い緑が一面に広がっており、ここが都会から遠く離れた田舎だということを示している
やがて景色は濃い霧に包まれ始め、窓を見るという暇潰しを覆い隠す
それでも窓の外を向いて物思いに更ける
両親が死んでから、はや数年
しかしお金に困ったことはない
顔も見たことの無い祖父が遊んでも余る程のお金を送ってくれていたからだ
そんな祖父も死に、遂に俺もダメかと思った
そんな時。遺言を伝えに来たという弁護士からあることを聞かされた
とんでもない額の財産を一律俺にのみ渡す
他に親戚もいないらしく、子供が持つにはいささか多すぎる額を相続することになるということだった
しかしそれには一つだけ条件があり、それを飲めないならば全てどこかに寄付すると
男「墓場…」
霧の中から辛うじて見えたのは夥しい数の墓石
そう、もう電車はその町に入っていた
その町、唯一の条件である「家を相続し、一生そこに住むこと」と言われた祖父の家がある町
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1522326014
2 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/29(木) 21:20:43.60 ID:xR0IOYiEO
「いらっしゃい、よく来たね」
駅員が俺に話しかける
他に降りた乗客はいない。
駅員の顔は青白く、不健康そうであったが対照的に不自然なくらいニンマリと笑っている
だがその笑顔はまるで貼り付けられたように動かない。仮面を被っているんじゃないかと思ってしまうほど不自然な笑顔
その駅員には不気味に思いながらも愛想笑いだけ返してホームを出る
駅から出ると唯一舗装された道は墓場を突っ切って延びていた
一歩、一歩踏み出す度に冷たい水に足を浸けるような悪寒が走り、もう三月だというのに不自然な寒気を覚える
墓石を侵食している雑草がざわざわと揺れ、足元では虫が蠢いているかのような気味悪さが犇めいている
ようやく墓場を抜け、大通りに出るとうっすらとした霧の中を幽鬼のようにゆらゆらと歩く人影が見える
そんな人々に訪ねる気にはなれず、地図を見ながら自分が住むことになる家を探す
3 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/29(木) 21:35:55.88 ID:xR0IOYiEO
「ここか」
そこは周りに比べてとても大きな家だった
表札には「古神(こがみ)」と書かれている。もちろん祖父の名字だ
主人公の名前は
@男(表記上)
A自由安価
>>4
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 21:37:20.99 ID:ieYk9jR0O
明(あきら)
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 21:38:22.87 ID:nDFQ5EjM0
4
篠田 和緑 しのだかづのり
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 21:56:17.24 ID:dlb0nB+L0
ホラーものなら呪怨みたいな女の幽霊の登場に期待してます
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 22:01:46.39 ID:uV9VlqcL0
じゃあ俺はおぞましい化け物の登場を期待するわ
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 22:05:59.14 ID:bqe538t10
なら俺はシザーマン的なのを期待しよう
9 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/29(木) 22:15:23.26 ID:xR0IOYiEO
主人公の名前:古神明(こがみあきら)
明「うっ…」
扉を開け、中に入ると酷い臭いが鼻を劈く
これが人の死から生じる腐臭なのだろうか、激しい不快感と吐き気を覚えて思わず吐きそうになるも何とか耐える
電気を付けるとガサガサガサと何かが走り回る音がした
明「猫でもいるのか?」
そう思っていると痩せこけた猫が逃げ出していくのが見えた
明「…まずは掃除だな」
―――――
―――
―
明「ん?」
二回に神棚が備え付けられていた
そのお供え物の皿には名も知らぬ虫の死骸が積み重なっている
@無視
A掃除
B掃除して手を合わせておく
>>10
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 22:16:18.25 ID:ZP8Enyf10
1
11 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/29(木) 22:34:13.36 ID:xR0IOYiEO
元々神だとかそういうのは信じてない。供え物のように積み重なっている気持ち悪い死骸だけゴミ袋に入れ、それから目を逸らす
―――――
―――
―
ゴキブリ、蜘蛛の巣、タンスの裏の名も知らぬ虫のコロニー
殺虫剤が思った以上に活躍した
埃が積もっている家の中はとても広く、一日ではとても掃除しきれない
明(こんな広い家にたった一人で…死ぬまでか)
祖父は孤独死だった。この広い家の中で
何故か脳裏にたくさんの虫に集られる老人の死体を思い浮かべ、また吐き気がこみ上げる
臭いは鼻の奥にこびりつき、窓を全開にしていても消えることは無い
死体が発し、家に染みついた"腐臭"それを再び意識してしまう
12 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/29(木) 22:40:15.25 ID:xR0IOYiEO
その夜、夢を見た
こびりついた腐臭は夢の中でなお一層増殖され、もはや自分自身から漂ってくるように感じる
不意に、腕が痒くなった
見るともぞもぞと皮膚の下で何かが蠢いており、それはやがて腕から肩に、腹に、足に、目の中に、繁殖し、増殖し
ウゾウゾと
耐えきれなくなって掻くと、中から無数の虫が湧きだしてくる
虫はまた体内に戻ろうと皮膚に噛みつき、ふるい落としてもふるい落としても足から中に入ろうとしてくる
やがて外からも虫が集まり、逃げようとすると蜘蛛の巣が邪魔をし、何十匹、何百匹もの虫が自分の体に入り込み、よじ登り
ついに
体を
内側も外側も
埋め尽くしていった
その視界に最後に映っていたものは
あの、神棚
13 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/29(木) 22:52:45.18 ID:xR0IOYiEO
明「はっ!」
目が覚める。口の中に違和感を覚えて吐き出す
明「うっ、おえぇっ」
それは一匹の大きなゴキブリだった。噛み千切られ、体が真っ二つになったゴキブリ、しかも足がまだピクピクしてる
ゴキブリが水分を求めて口に入り込んでくるという話は聞いたことがある
だがまさか本当にこんなことが起こるなんて…
すぐに洗面台に行き、口を洗う。歯に挟まった考えたくもない何かを爪楊枝でとる
@掃除を続ける
Aやっぱり神棚も掃除する
B気分転換に外に出る
C自由安価
>>14
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 22:53:32.42 ID:+d9qIm1E0
3
15 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/29(木) 23:32:02.04 ID:xR0IOYiEO
明「気分転換にでも行くか…」
町に出る
常に誰かに見られているような気配がしている
電柱の陰に、建物の隙間に、影という陰に何かが潜んでいるような不気味さがそこかしこから感じ、不安になる
コンビニやドラッグストアで色々買い、不健康そうな店員は俯いてボソボソと聞き取り辛い対応をしていた
―――――
―――
―
視線を感じて顔を上げると周りの家の窓が一斉に閉まった
明「何なんだよ…いったい」
@同い年ぐらいの女子とすれ違う
A同い年ぐらいの男子とすれ違う
B家に帰る
C自由安価
>>16
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 23:36:27.44 ID:YR6VXkG6o
1
17 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/29(木) 23:45:11.99 ID:xR0IOYiEO
帰り際、一人の女子とすれ違う
同い年ぐらいの女子、学校の制服を着ており、髪は黒のロングストレート、一見美人ではあるがその目は冷たく、何かを睨んでいるような目つきだった
「ねえ」
明「え?俺」
無言で肩を指さされる
明「うわっ」
蜘蛛が肩に乗っていた。手で払い落す
「見ない顔。この町に何しに来たか知らないけど早く出て行った方がいい」
@明「引っ越してきたばっかだ」
A明「関係ないだろ」
B明「何が言いたいんだよ」
C明「自由安価」
>>18
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 23:46:25.97 ID:JZe8x+TJ0
1
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 23:49:47.40 ID:dlb0nB+L0
4 忠告なのかな? よければ訳を聞かせてくれないかな?
20 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/29(木) 23:50:11.22 ID:xR0IOYiEO
明「引っ越してきたばっかだ」
「…」ジー
訝しげに顔を覗き込まれる
「そう、もう遅いんだね。とんでもないのに憑かれてるよ」
@明「俺はそういうのは信じないんだ」
A明「どんでもないもの?」
B明「お前は何者だ?」
C明「自由安価」
>>21
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 23:52:09.92 ID:dlb0nB+L0
4 君幽霊とかが見えるの
22 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/30(金) 00:00:49.50 ID:zTQTPFhPO
今日はここまで
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 00:06:53.97 ID:wveAnH62o
おつ
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 00:07:53.94 ID:uH1JhDMA0
1に質問、この主人公選択肢間違えて幽霊に殺されちゃたらどうするんですか?
選択肢前に戻るのか、それとも新しい主人公作成するのか
25 :
◆lLetEg34Vc
[sage]:2018/03/30(金) 00:12:52.45 ID:zTQTPFhPO
>>24
前に戻ります
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 00:14:29.98 ID:uH1JhDMA0
回答感謝します
27 :
◆bCs0r4M9IE
[saga]:2018/03/30(金) 09:02:19.11 ID:Hj7mYvt7O
明「君幽霊とかが見えるの」
「ただの幽霊ならまだマシ。この町にはわけのわからないものがたくさんいる」
明「わけのわからないものって…じゃあ俺に憑いているっていうのは…」
「別段質の悪いもの。でもボクに分かるのはそこまで」
そう言うと名刺を渡してきた
そこには
「時雨佐波学園不可思議研究解決部、水上・静寂(みなかみ・しじま)」と書かれていた
静寂「これ以上はここで聞く。気を付けてね」
静寂はそう言って歩き出す
@明「自由安価」
A帰る
>>28
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 09:04:17.79 ID:T32BOEh/0
1、君の周りにいる黒い影は何なんだ
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 09:04:26.12 ID:uH1JhDMA0
1 女の子の後に付いて行く
30 :
◆bCs0r4M9IE
[saga]:2018/03/30(金) 09:24:27.86 ID:Hj7mYvt7O
明「君の周りにいる黒い影は何なんだ」
彼女の後ろには陽炎のようにゆらゆらと黒い影が揺れていた
先程から目の端で動いていた
それを直視すると背中に冷たいものが走り、黒い感情が心に影を落とす
静寂「へえ、見えるんだ。素質があるんだね」
明「俺霊感なんて持ってなかったはずだけどな」
静寂「…この町はそういう場所。不思議なものが集い、不思議な感覚が覚醒する」
明「そんなこと」
静寂「…実際見えているんでしょ?」
明「…」
静寂「そういうこと。ここに引っ越してきたなら学校は一つしかない。また明日、会えたら会おう」
静寂「もう一度言う。気を付けて」
そう言って歩き出し、霧の向こうに消えた
残ったのは一つの名刺
31 :
◆bCs0r4M9IE
[saga]:2018/03/30(金) 09:25:08.57 ID:Hj7mYvt7O
自宅
@やっぱり神棚も掃除する
A寝る
>>32
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 09:28:33.61 ID:vLFz+qEt0
1
33 :
◆bCs0r4M9IE
[saga]:2018/03/30(金) 09:35:16.38 ID:Hj7mYvt7O
明「やっぱり掃除するか…うぇ」
供え物の皿には虫が積み重なっていた
明「片付けたはずなのに…」
それをまた捨て神棚を掃除する
明「っ!?」
ゾワッ
全身の毛穴が一斉に開くような感覚。全身が震え、鳥肌が治まらない
それでも簡単に掃除を済ませる
━━━━━
━━━
━
明「お、終わった…」
34 :
◆bCs0r4M9IE
[saga]:2018/03/30(金) 09:41:28.89 ID:Hj7mYvt7O
その夜
ゴト、ゴトゴトゴト
真夜中に目を覚ますと神棚のある2階から音がした
硬い足音、それも一人ではない。いや、間隔的には一人が歩き回っている感じだがまるで何本も足があるような男
ゴトゴトゴト
ゴト、ゴトゴト
@二階に見に行く
A行かない
>>35
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 09:42:26.88 ID:JFR2V8lC0
1
36 :
◆bCs0r4M9IE
[saga]:2018/03/30(金) 09:56:02.28 ID:Hj7mYvt7O
恐る恐る二階を見に行く
そこで見たものは巨大な蜘蛛
ごわごわした茶色の毛を全身に生やし、太い足でゴトゴトと歩いている
明「ひっ」
短く息を飲む。だがそれは聞こえてしまったようで
「…」
それはこちらを向いた
巨大な蜘蛛の顔は人間の女性だった
ただし牙が生え、目は8つもある
「…シュー」
口から鋭い息が漏れていた
@気絶
A明「あ、あんたは…誰だ」
B自由安価
>>37
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 10:02:06.56 ID:T32BOEh/0
2
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage ]:2018/03/30(金) 10:02:07.39 ID:548GmqL+0
3 巨大な蜘蛛に襲われる直前、公園で合った同い年くらいの少女が助けに来てくれた
39 :
◆bCs0r4M9IE
[saga]:2018/03/30(金) 10:39:39.19 ID:sQOkLN0DO
明「あ、あんたは…誰だ」
「ソンナニ警戒スルナ。我ハ掃除ノ礼ヲシニ来タダケダ」
明「掃除の礼…まさか、あの神棚…」
「古神(コガミ)トハ蟲神(コガミ)、貴様ノ血ハ我ニ繋ガッテイル」
この蜘蛛の化け物が神、そしてその血が俺に繋がっている…?
蟲神「ジジイメ、奴ガ死ンデ我モ野良神二ナルカト思エバ子孫ヲ寄コシタカ」
ゾッとした。昨日の夢を思い出す
蟲神「マア我モ可愛イ子孫ノ面倒ヲ見ルノハヤブサカデハナイ」
血管から虫が這い出して来る。体の中に虫が入り込んでくる夢
蟲神「ヨロシク頼ムゾ。我ガ子孫」
蟲神と名乗った化け物が俺に近づいてくる
蟲神「逃ゲルナ」
後ずさると蟲神は糸を吐き、それが足に絡みつく
蟲神「アー…」
牙の生えた口を開け、首筋に噛みつこうとしてくる
40 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/30(金) 10:40:32.80 ID:sQOkLN0DO
今更ながら酉一文字間違えて違うのになってた
41 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/30(金) 10:41:24.29 ID:sQOkLN0DO
次の日の朝
明「いただきます」
朝食の前で手を合わせる
真由「いただきまぁす」
双子の妹の真由も手を合わせていた
今日は何だか昨日よりご機嫌そうだ
@今日から学校
Aまだ学校じゃない
>>42
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 10:42:44.13 ID:KXNbusDQ0
1
43 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/30(金) 11:24:03.64 ID:kbirVlVzO
明「今日から学校だな」
真由「楽しみー」
明「そんなに学校好きだったっけ?」
真由「行くの久しぶりだからねえ」
明「久しぶりって引っ越し期間そんなじゃないだろ」
そんな会話をしながら学校へ向かう
相変わらず町は霧に包まれ、何かの息遣いが耳元で聞こえる
明「っ」
真由「どうしたの?」
明「あっ、あれ…あ?」
電柱の陰にたくさんの目がついていた気がした
…が、二度見するとそれは消えていた
@静寂と出会う
A出会わず
>>44
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage ]:2018/03/30(金) 11:24:22.39 ID:548GmqL+0
1
45 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/30(金) 12:07:24.63 ID:nMJgqnrdO
学校は霧の中に黒く聳え立っていた
とてつもない古さを醸し出す寂れた外見、植物の蔦が覆い、鴉がギャアギャアと喚く
リ〜ン、ゴ〜ンと重々しく鐘が鳴る
その校庭で昨日であった女生徒、水上・静寂と出会う
明「水上、さんだっけ」
静寂「静寂でいいよ。それでっっっ」ビクゥッ
真由を見るとビクッと体を震わせる静寂
明「俺の妹だよ?」
真由「うん、妹だよ」
静寂「…ちょっと来て、二人だけで話したい」
そう俺の手を引く静寂
真由「え?ええ?」
@明「すまん、真由先に行ってくれ」
A明「ちょ、ちょっと」
>>46
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage ]:2018/03/30(金) 12:10:44.91 ID:548GmqL+0
1
47 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/30(金) 13:29:52.15 ID:nMJgqnrdO
明「すまん、真由先に行ってくれ」
真由「うん、早く来てね」ニヤ
―――――
―――
―
静寂「ねえ、あの子が何だか分かってないの?」
明「だから妹だって」
静寂「あれ、人間じゃないよ」
@明「何言ってんだ?」
A明「…ふざけんな」
B明「…妹、だ」
C明「自由安価」
>>48
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 13:30:17.03 ID:CMT7b1ml0
3
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 13:30:51.47 ID:KXNbusDQ0
知ってるが?俺は一人この町へ来た
50 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/30(金) 15:17:07.29 ID:nMJgqnrdO
明「…妹、だ」
静寂「違う!あれは人間じゃない。とんでもな━
明「妹だ!」
静寂「」ビクッ
明「悪いが何を言っているのか分からない」
そう言ってその場を後にする
本当にあいつは何を言っているんだろう。あいつは俺の妹だというのに
@静寂に対して不快感を抱いた
A一度妹に対して記憶を思い返してみる
B真由にこのことを話す
>>51
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 15:17:44.13 ID:T32BOEh/0
2
52 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/30(金) 16:22:58.08 ID:nMJgqnrdO
妹の記憶を思い返してみる
ほら、どの記憶にも必ず妹がいる
遊んでいる時も勉強でいるときも一人で寂しがっているときも…
明「あれ?」
違う、確かにおかしい
どの記憶にも妹はいすぎなんだ
確かにあの時一人で寂しかったはずだ
あの子と二人きりになれて嬉しかったはずだ
だけどどの記憶にも必ず妹が隣でほほ笑んでいた
なのに妹から二人でやる遊びを提案してきたことはない
いつも俺が一人で遊んでいるのを隣で見ていただけだ
真由「どうしたの?お兄ちゃん」
明「お前、いつの間に…」
真由が立っていた
記憶のどこにもいるのとまったく同じ笑顔で
不自然なくらいの笑顔で
@明「お前は、俺の妹…だよな?」
A明「記憶が…おかしいんだ」
B明「ちゃんと話してくれ。お前は誰なんだ」
C明「な、何でもないよ」
D明「自由安価」
>>53
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 16:23:39.34 ID:sOlt3Qs/0
3
54 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/30(金) 17:41:48.65 ID:Hj7mYvt7O
明「ちゃんと話してくれ。お前は誰なんだ」
真由「お兄ちゃんの妹だよ。酷いなあ」
@明「…そうか」
A明「違う。俺は一人っ子だったはずだ」
B明「真由!…悪いようにはしない。一緒にいてやるから正直に話せ」
C明「自由安価」
>>55
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage ]:2018/03/30(金) 17:47:22.14 ID:548GmqL+0
3+君はあの大蜘蛛何だろ
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 17:48:28.45 ID:jwcHuTd+o
3
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 17:50:27.37 ID:CMT7b1ml0
死にそう
58 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/30(金) 18:06:21.30 ID:Hj7mYvt7O
明「真由!…悪いようにはしない。一緒にいてやるから正直に話せ」
明「君はあの大蜘蛛なんだろ」
真由「…」
真由の顔が無表情になる
真由「記憶操作が解けてる。誰がやったの?」
明「…真由、いや蟲神だっけか」
真由「ああそうか」
真由は答えない。ただ無表情で言葉を紡ぐ
真由「さっきのあの女だ。そうでしょう?」
@明「違う!」
A明「だとしたらどうする?」
B真由を抱き締める
C自由安価
>>59
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 18:12:14.57 ID:rrJMm3HJO
3+愛してる
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage ]:2018/03/30(金) 18:14:41.96 ID:548GmqL+0
これでヒロインは決まったな、浮気したら絶対殺されそう
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 18:29:49.33 ID:oB4UQZe4O
神様相手に愛してるとか鼻で笑われそうだな
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 18:42:15.76 ID:CMT7b1ml0
ここ連取りokなんだ...取っとけばよかった
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 18:45:18.02 ID:Ln8Yc9zUO
昨日会ったばかりのクモにそこまで…
64 :
◆lLetEg34Vc
[sage]:2018/03/30(金) 19:54:47.37 ID:O7P/2SzfO
抱きしめ、その耳に
明「愛している」
と囁いた
ここで止めなければとんでもないことになりそうだったからだ
真由は顔もいいし…蜘蛛の姿にならないでさえいてくれれば
真由「言ったね?神に対して言ったことは反故にできないからね…」ニタァ
なんか大変なことを言ってしまったかもしれない
真由「あのジジイは死ぬまで、いや、死んでからもその約束を守りついたよ」
そうか、祖父が俺に金を送り続けて恩を売ったのは、祖父があの家に一生住めって言ったのは
@この子を一人にさせたくなくて
A俺とこの子を結ばせたくて
>>65
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 19:56:24.74 ID:T32BOEh/0
1
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/30(金) 19:56:37.35 ID:Ln8Yc9zUO
1
67 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/30(金) 21:13:22.68 ID:Falw5OOaO
この子を一人にさせたくなくて
そう考えると愛おしく思えてもう一度抱き締める
真由「ふふ、聞いたからね?」ニタァ
手と足に蜘蛛の糸が巻き付かれているような、そんな感じがした
真由「さ、流石に行こうか。"お兄ちゃん"?」
68 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/04/02(月) 10:42:34.56 ID:0twjBAZ1O
どことなく不機嫌そうな教師に説明を受け、教室に連れていかれる
2年4組にて転校生として自己紹介をする
クラスを見渡すと皆笑っていた。どうやら明るいクラスのようでひとまず安心した
その中には水上静寂もいた
授業前
@静寂に話しかけられる
A男子に話しかけられる
B知らない女子に話しかけられる
>>69
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/02(月) 10:49:15.56 ID:PZkFimzE0
2
70 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/04/02(月) 11:33:33.22 ID:7y3BBRvkO
「よう、俺は畔上・青磁(くろかみ・せいじ)ってえんだ、よろしくな」
そういって話しかけられる
快活で笑顔の眩しい、よく運動しているのか日に焼けた浅黒い肌の男だった
明「ああ、よろしく」
青磁「お前はさ、この町に来てから変なものを見たり変な目に遭ったりしたか?」
そんなことをいきなり言われる
@明「ああ、色々」
A明「いや、特には…」
B明「自由安価」
>>71
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/02(月) 11:43:33.51 ID:thAUGpSzo
1
72 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/04/02(月) 12:04:22.34 ID:mvmR2jK3O
明「ああ、色々」
そう言うと青磁は心底面白そうに眼を細めた
青磁「そうかそうか。まああんまり心配すんな。大半は無害だ」
明「そうなのか?」
青磁「ああ、でも中には本当に危険なものもあるから気をつけな」
そう言って「時雨佐波学園不可思議研究解決部、畔上・青磁」と書かれた名刺を渡してくる
明「君もなのか」
青磁「え?」
明「そっちの静寂って子にもこれ渡されたよ」
静寂「…聞く気あるの?」
@明「真由のことに関してはもう大丈夫だから何も言わないでくれ」
A明「まあ、この部活?に関してはちょっと気になってるな」
B明「自由安価」
>>73
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/02(月) 12:05:49.77 ID:PZkFimzE0
2
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/02(月) 12:11:44.43 ID:f/cd/fBy0
3 後で真由に危険な妖怪の類いにどんなのがいるか聞いてみるか?
75 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/04/02(月) 13:28:31.37 ID:mvmR2jK3O
明「まあ、この部活?に関してはちょっと気になってるな」
青磁「」ニッ
青磁「じゃあ放課後にでも案内するぜ!」
静寂「…」
青磁「どうした?静寂よ」
静寂「い、いや…」
真由「真由のことが怖いんでしょう?」ニタァ
静寂「」ビクッ
真由が静寂の肩に手を置いて耳元に囁く
明「真由、やめろ」
真由「ニヒヒ、真由は何もしないよ?勝手に怖がられるんだもん、仕方ないじゃーん」
@明「真由は確かに人間じゃないけど何もしないから怖がらないでやってくれ」
A明「真由、あまり怖がらせるなよ?」
B明「真由は何もしないよ。な?真由?」
C明「自由安価」
>>76
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/02(月) 13:36:05.07 ID:f/cd/fBy0
4 なあ真由この街にはきみ以外にも危険な妖怪の類いて居るのか?
77 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/04/02(月) 14:22:45.78 ID:mvmR2jK3O
明「なあ真由この街にはきみ以外にも危険な妖怪の類いて居るのか?」
真由「いるよー、皆好き勝手に遊んでいるねえ」ニヤニヤ
真由「この学校にも色々あるねえ。楽しそうなところじゃん」ニマニマ
静寂「…」
青磁「まあそれは俺たちも分かっているところだけどな。退治には至ってねえんだ」
真由「ふふ、真由はなぁんにも言わないよ。彼らの楽しみを奪う事なんか出来ないし」
真由「お兄ちゃんに手を出すような不届き物がいれば別だけどねえ」
そう言って舌なめずりをする真由
その目は妖しく光っていた
@明「それはつまり守ってくれるってことか?」
A明「まあ、役に立つかはともかく危害を加える気は無いから。真由は」
B明「教えてくれないのか?」
C明「自由安価」
>>78
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/02(月) 14:25:38.43 ID:npqkHU750
3
79 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/04/02(月) 15:22:13.80 ID:mvmR2jK3O
明「教えてくれないのか?」
真由「教えない、教えない」クスクス
真由「そっちの方が面白いじゃん?お兄ちゃんもスリルあった方がいいでしょ?」
明「よくねえよ。教えろ」
そう言って真由の肩を掴もうとしたらするっと腕をすり抜けられた
真由「ほらほら、もう授業始まっちゃうよ?」
@昼休み
A放課後
>>80
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sahe]:2018/04/02(月) 15:27:51.14 ID:f/cd/fBy0
2
81 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/04/02(月) 16:12:47.89 ID:IGgH9YirO
放課後
青磁「じゃあ我が部活へ行こうぜ!」
真由「真由も行ってもいいよね?ね?」ニタァ
静寂「う、うん…」
明「真由、怖がらせるな」
真由「勝手に怖がられるんだもーん」―――――
―――
―青磁「ここは旧校舎なんだ。話によればここが学校になる前、何かのオカルト的実験をしていた時からある建物をそのまま使ってるんだと」
真由「なるほどー、だからこんなに居心地いいんだー」
明「何かいるのか?」
真由「今のところ有害なのはいないんじゃない?」
静寂「まあ、ボクたちも長い間ここで活動してるけど危ない目には遭ったことないけど」
旧校舎の地下一階、その中でも特に暗い廊下の端
青磁「また電灯切れてんのか…いくら替えてもキリねえな」
真由「」ニヤニヤ
建付け悪い引き戸をギシギシ音立てて何とか開く、その扉の横には「不可思議研究解決部:誰でも相談可」と書いてある表札が
静寂「部長ー」
部長は
@女子
A男子
>>82
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/02(月) 16:14:57.39 ID:npqkHU750
1
83 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/04/02(月) 16:45:44.05 ID:IGgH9YirO
「いらっしゃい、後輩君」
奥の椅子で足を組んで座っている女子がこっちを向いた
大きな黒のポニーテールを振り、深い緑色の目を細め、舐めるような目線で俺を、そして真由を見る
「ふむ…私がこの部の部長、荒神・美麗(あらがみ・みれい)だ」
明「ど、どうも…」
美麗「うむ。そっちの神様もよろしく」
真由「へえ、分かるんだ!」
真由が嬉しそうに言う
美麗「分かるよ、私はそういう目があるからね」フフ
美麗「さて、君たちは見学でいいのかな?」
@明「はい」
A明「何をする部活なんですか?」
B明「連れてこられただけなんで…」
C明「自由安価」
>>84
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/02(月) 16:46:56.41 ID:DOrQ+vsvo
2
85 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/04/02(月) 17:20:08.41 ID:IGgH9YirO
明「何をする部活なんですか?」
美麗「うむ。この部は超常的、不可思議的、その他都市伝説、噂等々を追いかけ、調査解決する部活だ」
美麗「所謂オカ研とは違い、オカルト・非オカルト問わず受け付けている」
明「非オカルト?」
美麗「時たまオカルト関係なさそうな依頼からでも面白い事実に辿り着けたりするもんだ」
青磁「ほとんど下らない事件だったりするけどな」
美麗「そう言うな。人の役にたてるならいいことだよ」
優しそうに微笑む
真由「つまらなーい」
美麗「そうでもない。不思議を追いかけるのは楽しいよ。きっと神様でも退屈はしない」
真由「へえ、真由を楽しませられるっての?」
美麗「無論だ」
真由「お兄ちゃん、体験入部してみようよ」
@明「ああ」
A明「楽しそうだなお前」
B明「自由安価」
>>86
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/02(月) 17:21:25.47 ID:npqkHU750
1
87 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/04/02(月) 17:35:59.75 ID:IGgH9YirO
明「ああ」
真由「やったあ!」
青磁「よし、静寂、今すぐ入部志願者を持ってこい。どんな手を使っても入部させるんだ」
美麗「やめんか」
静寂「廃部の危機は去ったでしょ」
明「そんなこと、あったのか」
美麗「廃部にするとか言っていた先生は転勤したから問題ないよ」
青磁「そうそう。謎の失踪を遂げたからな」
美麗「だからただの転勤だってば」
静寂「いつもはあと一人いるんだけど…」
そのあと一人は
@男子
A女子
B自由安価(名前や性格・設定など)
>>88
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/02(月) 17:46:03.49 ID:DOrQ+vsvo
1
89 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/04/02(月) 18:03:06.40 ID:IGgH9YirO
美麗「彼ならそこで寝てるよ」
見るとソファで寝ている男が見えた
青磁「顔に落書きしてやろうかこいつ」
静寂「やめなよ」
明「お前もペンを用意するんじゃない」
真由「う、バレたか」
「うるさいなぁ…」
静寂「寝てる方が悪い。目が覚めたら起きてよ」
「はいはい…誰?」
それは背の低い、童顔の少年だった
明「転校してきた二年四組の古神明だ、よろしく」
真由「双子の妹の真由だよー」
「ん…僕は白海・真琴(しらうみ・まこと)専門は夢の解析…ということで寝る…」
静寂「寝るな!」グリグリグリ
真琴「あぅぅぅぅ、頭グリグリやめてぇぇぇぇ」
美麗「さて、今日の活動だが」
明「あの、スルーしてよろしいんでしょうか」
青磁「いつものことだ」
@美麗「とある噂の調査だ」
A美麗「依頼人が来るまで待機」
B美麗「特に無いから面白いものを見せよう」
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