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[安価]男「旧い町の旧い家を相続した」[ホラー]
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1 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/29(木) 21:20:14.33 ID:xR0IOYiEO
ガタン、ガタン
電車に揺られている
ゆったりと通りすぎる景色は深い緑が一面に広がっており、ここが都会から遠く離れた田舎だということを示している
やがて景色は濃い霧に包まれ始め、窓を見るという暇潰しを覆い隠す
それでも窓の外を向いて物思いに更ける
両親が死んでから、はや数年
しかしお金に困ったことはない
顔も見たことの無い祖父が遊んでも余る程のお金を送ってくれていたからだ
そんな祖父も死に、遂に俺もダメかと思った
そんな時。遺言を伝えに来たという弁護士からあることを聞かされた
とんでもない額の財産を一律俺にのみ渡す
他に親戚もいないらしく、子供が持つにはいささか多すぎる額を相続することになるということだった
しかしそれには一つだけ条件があり、それを飲めないならば全てどこかに寄付すると
男「墓場…」
霧の中から辛うじて見えたのは夥しい数の墓石
そう、もう電車はその町に入っていた
その町、唯一の条件である「家を相続し、一生そこに住むこと」と言われた祖父の家がある町
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1522326014
2 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/29(木) 21:20:43.60 ID:xR0IOYiEO
「いらっしゃい、よく来たね」
駅員が俺に話しかける
他に降りた乗客はいない。
駅員の顔は青白く、不健康そうであったが対照的に不自然なくらいニンマリと笑っている
だがその笑顔はまるで貼り付けられたように動かない。仮面を被っているんじゃないかと思ってしまうほど不自然な笑顔
その駅員には不気味に思いながらも愛想笑いだけ返してホームを出る
駅から出ると唯一舗装された道は墓場を突っ切って延びていた
一歩、一歩踏み出す度に冷たい水に足を浸けるような悪寒が走り、もう三月だというのに不自然な寒気を覚える
墓石を侵食している雑草がざわざわと揺れ、足元では虫が蠢いているかのような気味悪さが犇めいている
ようやく墓場を抜け、大通りに出るとうっすらとした霧の中を幽鬼のようにゆらゆらと歩く人影が見える
そんな人々に訪ねる気にはなれず、地図を見ながら自分が住むことになる家を探す
3 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/29(木) 21:35:55.88 ID:xR0IOYiEO
「ここか」
そこは周りに比べてとても大きな家だった
表札には「古神(こがみ)」と書かれている。もちろん祖父の名字だ
主人公の名前は
@男(表記上)
A自由安価
>>4
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 21:37:20.99 ID:ieYk9jR0O
明(あきら)
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 21:38:22.87 ID:nDFQ5EjM0
4
篠田 和緑 しのだかづのり
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 21:56:17.24 ID:dlb0nB+L0
ホラーものなら呪怨みたいな女の幽霊の登場に期待してます
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 22:01:46.39 ID:uV9VlqcL0
じゃあ俺はおぞましい化け物の登場を期待するわ
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 22:05:59.14 ID:bqe538t10
なら俺はシザーマン的なのを期待しよう
9 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/29(木) 22:15:23.26 ID:xR0IOYiEO
主人公の名前:古神明(こがみあきら)
明「うっ…」
扉を開け、中に入ると酷い臭いが鼻を劈く
これが人の死から生じる腐臭なのだろうか、激しい不快感と吐き気を覚えて思わず吐きそうになるも何とか耐える
電気を付けるとガサガサガサと何かが走り回る音がした
明「猫でもいるのか?」
そう思っていると痩せこけた猫が逃げ出していくのが見えた
明「…まずは掃除だな」
―――――
―――
―
明「ん?」
二回に神棚が備え付けられていた
そのお供え物の皿には名も知らぬ虫の死骸が積み重なっている
@無視
A掃除
B掃除して手を合わせておく
>>10
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 22:16:18.25 ID:ZP8Enyf10
1
11 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/29(木) 22:34:13.36 ID:xR0IOYiEO
元々神だとかそういうのは信じてない。供え物のように積み重なっている気持ち悪い死骸だけゴミ袋に入れ、それから目を逸らす
―――――
―――
―
ゴキブリ、蜘蛛の巣、タンスの裏の名も知らぬ虫のコロニー
殺虫剤が思った以上に活躍した
埃が積もっている家の中はとても広く、一日ではとても掃除しきれない
明(こんな広い家にたった一人で…死ぬまでか)
祖父は孤独死だった。この広い家の中で
何故か脳裏にたくさんの虫に集られる老人の死体を思い浮かべ、また吐き気がこみ上げる
臭いは鼻の奥にこびりつき、窓を全開にしていても消えることは無い
死体が発し、家に染みついた"腐臭"それを再び意識してしまう
12 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/29(木) 22:40:15.25 ID:xR0IOYiEO
その夜、夢を見た
こびりついた腐臭は夢の中でなお一層増殖され、もはや自分自身から漂ってくるように感じる
不意に、腕が痒くなった
見るともぞもぞと皮膚の下で何かが蠢いており、それはやがて腕から肩に、腹に、足に、目の中に、繁殖し、増殖し
ウゾウゾと
耐えきれなくなって掻くと、中から無数の虫が湧きだしてくる
虫はまた体内に戻ろうと皮膚に噛みつき、ふるい落としてもふるい落としても足から中に入ろうとしてくる
やがて外からも虫が集まり、逃げようとすると蜘蛛の巣が邪魔をし、何十匹、何百匹もの虫が自分の体に入り込み、よじ登り
ついに
体を
内側も外側も
埋め尽くしていった
その視界に最後に映っていたものは
あの、神棚
13 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/29(木) 22:52:45.18 ID:xR0IOYiEO
明「はっ!」
目が覚める。口の中に違和感を覚えて吐き出す
明「うっ、おえぇっ」
それは一匹の大きなゴキブリだった。噛み千切られ、体が真っ二つになったゴキブリ、しかも足がまだピクピクしてる
ゴキブリが水分を求めて口に入り込んでくるという話は聞いたことがある
だがまさか本当にこんなことが起こるなんて…
すぐに洗面台に行き、口を洗う。歯に挟まった考えたくもない何かを爪楊枝でとる
@掃除を続ける
Aやっぱり神棚も掃除する
B気分転換に外に出る
C自由安価
>>14
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/29(木) 22:53:32.42 ID:+d9qIm1E0
3
15 :
◆lLetEg34Vc
[saga]:2018/03/29(木) 23:32:02.04 ID:xR0IOYiEO
明「気分転換にでも行くか…」
町に出る
常に誰かに見られているような気配がしている
電柱の陰に、建物の隙間に、影という陰に何かが潜んでいるような不気味さがそこかしこから感じ、不安になる
コンビニやドラッグストアで色々買い、不健康そうな店員は俯いてボソボソと聞き取り辛い対応をしていた
―――――
―――
―
視線を感じて顔を上げると周りの家の窓が一斉に閉まった
明「何なんだよ…いったい」
@同い年ぐらいの女子とすれ違う
A同い年ぐらいの男子とすれ違う
B家に帰る
C自由安価
>>16
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