私「ドッペルゲンガー?」級友「それはあたしのことですー」

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43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 21:34:22.03 ID:nh9Xbzc20
>>42

すみません、誤爆です。

銀髪「姉ちゃん、あんたもだ。誰にも邪魔されたくねぇんだ。さっさと消えろよ!」

私「どうして、どうしてこんなこと!!」

ドッペル?「……あんた、さっさと逃げなさい……」

私「でも!」

ドッペル?「私のことは……いいから……」

銀髪「さっさと消えろって言ってんだよ!」

「消えるのはあんたの方ですー」

銀髪「あ?」


ザンザンザン!!!


銀髪「ガアアアアア!!!」

ドッペル「てってれー、救いのヒーロー、ドッペルさんですー」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 21:35:18.64 ID:nh9Xbzc20
銀髪「てめぇ……!」

ドッペル「さっさと目の前から消えてくださいー、でないと今度こそ殺しますよー? それこそ完膚なきまでにー」

銀髪「覚えてやがれ! てめぇは俺が殺してやる!」

ドッペル「やれやれですー」



私「級友さん!!」ダッ

ドッペル?→級友「……愛している人なら、見破れるって本当のことだったのね……」フフッ

ドッペル「だから言ったじゃないですかー」

級友「……疑ってごめんなさい……でもやっぱりそっかぁ……」

ドッペル「動いたら死にますよー?」

私「……なんでこんなこと?」

級友「言ったでしょ? ……あたし、やりたいことがあったのよ」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 21:35:50.46 ID:nh9Xbzc20
私「お母さんに会いたいんじゃなかったんですか!?」

級友「ええ……お母さんに会いたかったわ……会って、殺してやりたかった……」

私「え?」

級友「……信じられる? 出会って数日しか経ってないあんたがあたしのことに気が付いて、あの人はあたしがドッペルさんと入れ替わっていることに気が付かなかったのよ? 嘘みたいな話でしょう……?」

級友「あの人、お父さんを置いて外に別の男を作って出て行ったのよ! お父さんはそれで精神を病んで自殺したわ……私も親戚中をたらい回しにされた……全部、全部あいつのせい!!」

私「級友さん……」

級友「あたしが有名になれば絶対に向こうから近づいてくると思った。誰だって有名人とは仲良くなりたいでしょう? 自分の娘ならなおさら。だからあたしは絵を描き始めた。あいつをおびき出すために……」

級友「殺してやりたかった。この手で。あたしから全部奪ったあいつを。あたし、それだけのために生きてきたのよ。それだけのために……」

級友「あとちょっと、包丁を突き立てるだけでよかったのよ」

級友「だけどなんでかなぁ……あんたの顔を見たら……できなくなっちゃった……」

級友「……思えば、誰かに心配されたのなんて……初めてだったかもしれないわね……」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 21:36:23.15 ID:nh9Xbzc20
私「気をしっかり持ってください! 今、救急車を!」タッ

級友「馬鹿ね……もう、間に合わないっつーの……」

級友「ドッペル……さん……」

ドッペル「動かないでくださいー。出血が激しいので下手したら死にますよー」

級友「下手しなくても……死ぬよ、これはもう……」

ドッペル「黙ってください―」

級友「……これはこれで……悲劇のヒロインぽくない……?」

ドッペル「喋らないでくださいー」

級友「ドッペルさん、最後にお願いが……あるんだけど……」

ドッペル「喋るなって言ってるだろ!」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 21:37:43.27 ID:nh9Xbzc20
級友「……どうしたの? キャラ、崩れてるよ?」

ドッペル「私が魂を吸収するまで死なれては困ります―」

級友「ふふっ、そっか……お母さんの記憶をいじることってできる?」

ドッペル「僕はドッペルゲンガーですよー、人の認識をいじるくらいはお茶の子さいさいですー」

級友「そっか。さっきあったこと、無かったことにできるかな?」

ドッペル「わかりましたー、いずれお母様になるかたですからーうまいことやっておきますー」

級友「よかった……それともう1つ」

ドッペル「図々しいですねー」

級友「いいじゃない、最後なんだし……ドッペルさんの本当の姿、見せてくれない?」

ドッペル「………」ズズズ

級友「なんだ、思ってたより大したことないね?」

ドッペル「そんなこと言うのあなたが初めてですよー」

級友「あたしは、好きだよ。ドッペルさんの本当の姿……」

ドッペル「………」

級友「……あー、もう満足……あたしはもう……満足」

級友「ドッペルさん」

級友「あたしの魂、好きに使っていいよ」

ドッペル「………」スッ


パアアアアアア!!


私「今、救急車を呼んでき……! それ、なんですか?」

ドッペル「級友さんの魂ですー。あーあ、死んじゃいましたー」

私「そんな……」

ドッペル「予定は少し狂いましたが、魂は手に入ったのでなにも問題ありませんー」

ドッペル「あとは彼女の魂を取り込めば完全な成り代わりの成功ですー」

ドッペル「いやー、あっけなくて笑いがこみ上げてきましたよー」

ドッペル「うふふー」

私「級友さん……そんな……」

ドッペル「うふふー」

ドッペル「うふふー……」


48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 21:38:10.40 ID:nh9Xbzc20





――数日後――


級友「えっと、久しぶり。急に呼び出しちゃってごめんなさい。お母さんのこと、ずっと探してたんだ。ううん、お互い生活があるから……だから会うのはこれ1回きり。どうしても伝えたいことがあったから」

級友「……私、お母さんのこと大好きだよ! 産んでくれてありがとう。お母さんのお陰で毎日楽しいの。私、今すごい幸せだから! だからお母さんも安心して幸せになってね!」




49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 21:38:48.27 ID:nh9Xbzc20




ドッペル「……ふう」

私「お疲れ様」

ドッペル「……うまくできたでしょうかー? まぁ、できなくても仕方ないですよねー」

私「愛している人なら気付くはずですよ」

ドッペル「ですねー。あーあ、折角の成り代わりのチャンス、逃しちゃいましたー」

私「なんで成り代わらなかったんですか?」

ドッペル「あなたがそれを聞きますかー?」

私「それを聞かなきゃいけないような気がするから」

ドッペル「あたしが彼女と交わした契約、ご存じですかー?」

私「お母さんに会わせる、ですよね?」

ドッペル「いえー、正確には『母親に会って伝えたいことがある』ですー。彼女はお母さんにまだなにも伝えられていませんー。あの日のことは記憶を操作しましたから、お母さんにはなにも伝わっていないのですー」

ドッペル「ですからあたしは彼女の魂を使うわけにはいきませんー。契約違反はできませんから―」

私「ドッペルさん……」

ドッペル「まったく、面倒な人に絡んでしまいましたー。お陰でこんな目にー、ヨヨヨー」

私「……ドッペルさんはこれからどうするんです?」

ドッペル「彼女の魂を探して、契約を果たさせますー。どんな手を使ってもですー」

私「そっか。私も協力しますよ」

ドッペル「なぜあなたはそんなに首を突っ込みたがるのでしょうかー?」

私「なんでですかね? 乗りかかった舟と言うやつでしょうか」

ドッペル「変わってる人ですー」

私「あはは……でもこのままバットエンドは悔しいじゃないですか」

ドッペル「そうですねー。このままじゃ終われませんー」

ドッペル「まぁ、彼女がいつかあたしの前に現れるまで、仕方が無いのでこの姿のまま醜く、歪んだまま生きるとしますー」

ドッペル「うふふー」



これは私とドッペルゲンガーが一人の少女に出会った話。そしてこれから続いていく話。



<終わり>
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 21:39:28.97 ID:nh9Xbzc20
以上です。
久々に書いてみました。お付き合いありがとうございました。
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/26(月) 06:12:11.47 ID:BWVOUd95o
おつおつ
続きもあったらまってるぞ
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