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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:26:29.90 ID:TGr/+ryX0
第4菓子「ようかんこわい」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1521887189
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:27:34.50 ID:TGr/+ryX0
【夜・お好み玉井前】
ココノツ「全く親父のやつ…「飲みすぎちゃったから帰りに拾って」とか、何考えてんだよ…」
ココノツ「人に仕入れ手伝わせておいて、挙句迎えまで頼むとは…」
ハジメ「ま、まあまあ…」
ハジメ「とりあえず、早いとこパパさん回収しちゃいましょう」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:28:40.71 ID:TGr/+ryX0
【お店の中】
ガラッ
ココノツ「おい父さん、酔い潰れるにしても玉井さんにも迷惑かけるのは…」
「うぇ〜〜いっ…!」
ヨウ「おうココノツゥ…随分遅かったじゃーん?」
玉井「社長出勤か〜?良いご身分だねぇ」
ヨウ・玉井「うぇ〜〜いっ」
ココノツ・ハジメ「…………」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:29:46.57 ID:TGr/+ryX0
ココノツ「…ハジメさん」
ハジメ「は、はい?」
ココノツ「帰りましょう」ニコッ
ハジメ「だ…ダメっすよ…!?」
ココノツ「いやだって…もう色んな意味でめんどくさいし…」
ハジメ「わ、分かりますけど…ここは堪えて…ね?」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:31:10.45 ID:TGr/+ryX0
玉井「…あ〜っ?この前の巨乳メガネちゃんもいるじゃん!」
ハジメ「…………」
ハジメ(…ん?もしや、自分のことを言ってるんだろうか…?)
玉井「なんだよ二人揃って並んじゃってさぁ〜…もしかして…」
玉井「…そういう関係…?」
ヨウ「…………」ニヤリ
ココノツ・ハジメ「!」
ハジメ「……ど、どういう関係のこと言ってるんスかね…?」
ココノツ「…えっと、酔っ払いの戯言なんで無視していいと思います…」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:32:22.54 ID:TGr/+ryX0
ヨウ「…はぁう…!?」
ヨウ「あ、あぁぁぁ……」
ココノツ「え…?」
ヨウ「い、痛い…頭が痛いよう…!」
玉井「なんだよ、もう二日酔いか〜?」
ハジメ「いや、二日酔いって翌日に来るものなのでは…」
ヨウ「…あ、いやこれは昨日の分の二日酔いだね…」
ココノツ(……こぉ〜のクソ親父ィ…っ……!)
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:33:31.04 ID:TGr/+ryX0
ヨウ「あいたたたた…」
ハジメ「…あ、そうだ。気休めかもしれないスけど…」
ハジメ「よければ、これどうぞ」
ヨウ「ん…?」
玉井「これは…」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:34:54.64 ID:TGr/+ryX0
ハジメ「二日酔いっていうのは、一種の低血糖症が原因なんスよね」
ハジメ「アルコールを分解する臓器である肝臓は、アルコール分解所であると同時に…」
ハジメ「グリコーゲン…つまり糖っスね。その糖分を貯めておくための貯蔵庫でもあるんスよ」
ハジメ「でもアルコール分解で肝臓が使われると、糖分の供給がお休みがちになって、頭痛やだるさ…更には筋肉痛等の症状が出るってわけっス」
ココノツ・ヨウ・玉井(……へ、へぇ……?)
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:36:02.70 ID:TGr/+ryX0
ハジメ「とは言っても、低血糖症は二日酔いの主な原因のうちの一つでしかなく…」
ハジメ「日本酒なんかに多く含まれるアデノシンが原因の頭痛には、糖の摂取による緩和効果はないのでコーヒーや牛乳などが…」
ココノツ・ヨウ・玉井「……………」
《なに言ってんのかサッパリわかんねぇ…》
ハジメ(…あれ、なんか変な空気にしてしまった…)
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:38:01.99 ID:TGr/+ryX0
ハジメ「え〜っとつまり、甘いもの食べてパワーア〜ップ…?って感じで…」
ハジメ「はい、というわけで…よければどうぞ」
ヨウ「……!?」ガタッ
玉井「あ…」
ココノツ「ん…?」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:38:43.84 ID:TGr/+ryX0
ヨウ「う、うわぁぁぁぁ…っ…!?」
ガタタァン…!
ハジメ「えっ…!?」
ココノツ「ど、どうしたんだよ!?父さん…!」
ヨウ「……よ、ようかん……」
ヨウ「…ようかん…こわいよぉ…!」
ココノツ・ハジメ(……え、えぇ〜……?)
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:39:50.12 ID:TGr/+ryX0
玉井「…どうやら、オッサンにとっての禁断の箱…アンタッチャブル(不可侵領域)に触れちまったみたいだね」
ココノツ「き、禁断の箱…?」
ココノツ「っていうか、何か知ってるんですか?玉井さん」
玉井「…ま、オッサンとは昔馴染みというか、腐れ縁というか…」
玉井「いい機会だ。語ってもいいんじゃないか?」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:40:45.94 ID:TGr/+ryX0
ヨウ「…そうだな、そろそろココノツにも伝えるべき時期かもしれない」
ヨウ「…話そうか…」
《駄菓子屋、鹿田ヨウのトラウマ話…“ようかんこわい”を…!》
ココノツ「…え、なにこれ…?」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:41:20.12 ID:TGr/+ryX0
〜25年前〜
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:42:09.20 ID:TGr/+ryX0
【クソ田舎のとある小学校】
『意外かもしれないが…当時の俺はお菓子…特に駄菓子を愛して止まない純朴な少年だった…」
ココノツ「意外じゃねえよ」
『小学校ではひょうきん者のヨウちゃんとして、クラスのみんなの人気者…』
『…だったような、そうでもなかったような…』
『まあ、それは一先ず置いといて…だ』
『忘れもしない小学6年生の夏…”ヤツ“が俺の前に現れた…』
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:43:38.75 ID:TGr/+ryX0
担任「…というわけでだ、みんなに日本の菓子文化を知ってもらう一貫としてだなぁ」
ヒロシ「なあヨウちゃん、給食に和菓子が出るなんて楽しみだよなぁ」
ヨウ「別にぃ…駄菓子の方が千倍うめーし」
ヒロシ「そりゃお前、自分が駄菓子屋の息子だからって…」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:44:29.00 ID:TGr/+ryX0
担任「こちらの澤田さんのお店にご協力いただいたおかげで、これから月に一度…」
担任「なんと給食の時間に、ようかんが出るぞ!」
「おぉ〜!」
澤田「みんな、いっぱい食べてねぇ」
ヒロシ「やったぁ…!ようかんだってよヨウちゃ…」
ヒロシ「ヨウちゃん…?」
ヨウ「……………」ガタガタ
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:45:15.73 ID:TGr/+ryX0
『俺は基本的に好き嫌いのない、何でも食べる良い子ではあったが…』
『唯一、ようかんだけは大嫌いだった…』
『あんこ味自体は好きだ。だが…ようかんのあの食感…あれがどうしてもダメだったんだ』
『給食にようかんが登場するという事実を聞いた日、俺は家に帰った後布団に潜り…静かに…震えた』
『そして…』
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:46:55.21 ID:TGr/+ryX0
【ある日の給食】
担任「お前ら〜、今日はみんなお待ちかねの“ようかん”が出る日だぞぅ」
「いぇ〜い!」
ヨウ(…ッく、ついにこの日が来てしまったか…)
ヨウ(思い返せば2年生のとき、ばーちゃんが持ってきたようかんを食べ…あのぐにゅっとした歯ごたえが気持ち悪くて吐き出した事件から4年…)
ヨウ(あれ以来ようかんは遠ざけて生きてきたが…果たして…)
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:47:52.41 ID:TGr/+ryX0
ヒロシ「ヨウちゃん、なんでようかんをそんな睨みつけてんの?」
ヨウ「…あ、ああ…実は昔ようかんにかーちゃんを殺されてな…」
ヒロシ「…いや、ヨウちゃんのお母さん生きてるっしょ…」
「それじゃあ皆さんご一緒に」
「いただきま〜す!」
ヨウ(…まあ、この4年で俺も進化したしな、ようかんくらい余裕…)パクッ
ヨウ「…………」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:48:38.71 ID:TGr/+ryX0
〜それから3週間後〜
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:49:38.23 ID:TGr/+ryX0
【その辺の田んぼ道】
ヨウ「…………」トボトボ
ヨウ「……はぁ……」
『ようかんが給食に出たあの日、俺は結局ようかんをどうしても噛むことができず…』
『クラスのみんなが注目する中、先生の熱烈なエールを浴びつつようかんと格闘するという地獄を味わった…』
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:51:14.90 ID:TGr/+ryX0
担任「頑張れ鹿田ァ!お前ならできる!」
担任「噛め!噛むんだヨウ!」
ヨウ(…勘弁してよもぉ〜〜〜…)
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:52:14.64 ID:TGr/+ryX0
『クラスのみんなから笑われ、俺のプライドはズタズタに引き裂かれた…』
『そして、そんな俺の気持ちをあざ笑うかのように…』
『来週の献立には…またヤツ(ようかん)の名が刻まれていたんだ…!』
ココノツ「…いや、そんなに苦手なら残せばいいじゃん…」
ヨウ「当時はお残し=死って風潮だったのっ!」プンプン
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:53:37.17 ID:TGr/+ryX0
『そんな失意に暮れる最中…』
ヨウ「…………」
「…なーにシケたツラしてんだよ」
ヨウ「……玉井ちゃん……」
玉井「……………」
〜To Be Continued〜
ココノツ(……え…つづくの……?)
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 19:54:21.86 ID:TGr/+ryX0
〜つづく〜
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 20:09:45.54 ID:TGr/+ryX0
わがしかし C−2
「ようかんこわい A」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 20:10:34.37 ID:TGr/+ryX0
【その辺の田んぼ道】
玉井「なにシケたツラしてんだよ」
ヨウ「…なんだ玉井ちゃんか」
玉井「なんだとはなんだよ。レディに対して失礼なヤツだな」
ヨウ「レディって…玉井ちゃんまだ2年生のがきんちょジャン…」
玉井「な、なにぃ!?シメるぞお前!」
ヨウ「…じゃあ俺忙しいから、これで…」
玉井「なっ…」
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 20:11:35.01 ID:TGr/+ryX0
玉井「……………」
玉井「………“ヨウ噛ん”………」
ヨウ「は…はぅあ……っ…!?」
ヨウ「…な、なぜその名を…?」
玉井「上級生が言ってたぜ、ヨウちゃんはようかん苦手で噛めないから…」
玉井「ようかんヨウ噛んで食え〜…ってさ」
ヨウ「クッ……!」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 20:12:23.16 ID:TGr/+ryX0
ヨウ「…ああそうだよ、俺はどうせようかん一つも満足に噛めねぇ半端モンだよ…!」
玉井「なーに開き直ってんだよ」
ヨウ「ひ、開き直ってないモン!」
玉井「いや、泣くなよ…」
ヨウ「…とにかく、俺忙しいからもう帰るわ」
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 20:12:57.61 ID:TGr/+ryX0
玉井「忙しいって、何が忙しいのさ」
ヨウ「さ、サンデー読んだり、ビックリマンシールの整理やったり…」
ヨウ「と、とにかく忙しいのっ!」
玉井「要するにヒマなんだな」
ヨウ「いや、だからっ…」
玉井「じゃーちょっと付き合いなよ」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 20:13:38.08 ID:TGr/+ryX0
【シカダ駄菓子】
ヨウ「…っておい、なんでウチに…」
玉井「えーっと、どこだどこだ…」
ヨウ「な、何してんの…?」
玉井「…あっ、あったあった!」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 20:14:26.61 ID:TGr/+ryX0
玉井「おじさーん、これちょうだい」
「あいよー、30円ね」
玉井「ほれっ」
ヨウ「わっとっと…な、投げんなよ…」
ヨウ「…って、こ…これはーーーっ!?」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 20:15:16.38 ID:TGr/+ryX0
ヨウ「こいつぁ…ようかん…“焼きいもようかん”じゃあねぇか…!」
ヨウ「基本全ての駄菓子は等しく愛する俺だが、ようかんという理由から唯一コイツだけは避けてきた…」
ヨウ「食感がようかんそっくりな…焼きいもようかんじゃあねぇか…!」
玉井「まあそういうのはいいからさ、とりあえず食ってみてよ」
ヨウ「な、なにぃ…っ…?」
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/03/24(土) 20:16:07.98 ID:TGr/+ryX0
ヨウ「おいおい玉井ちゃん…俺がようかん大嫌いだって話、さっきしてたやん…」
玉井「は?嫌いだから食べるんだろ?」
ヨウ「え…」
玉井「来週給食でようかん出るじゃん」
玉井「そんとき食べられなくてまた恥かきたくねぇなら、そいつで練習すりゃいいだろ」
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