男「三階男子トイレ、三番目の個室」

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1 : ◆P2YuCWYKVM [saga]:2018/03/24(土) 02:31:32.32 ID:T56p5/i/0
オリジナルSS


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2 : ◆P2YuCWYKVM [saga]:2018/03/24(土) 02:33:16.85 ID:T56p5/i/0
東京都/ある高校/昼休み


友「なあ、知ってるか」メロンパンウマー

男「なに?」オレンジジュースウマー

友「噂さ」

男「噂?」

友「男子トイレの話、聞いてないか?」

男「むろん、知らないね」

友「お前、情報疎いからなあ」

男「知っているべきことを知っていれば、十分だ」

友「知っているべきことね……例えば?」

男「マルク・ブロックについて、とか」

友「いや、知らねえよ」イミフー
3 : ◆P2YuCWYKVM [saga]:2018/03/24(土) 02:34:10.86 ID:T56p5/i/0
男「で、どんな噂なの?」

友「結局、気になるわけ?」

男「まあね。退屈しのぎにはなるから」

友「特別教室棟の三階の男子トイレ、あるだろう?」

男「あるね」

友「あそこのトイレの個室、一つだけいつも使用不可の張り紙が貼ってあるの、お前知っているか」

男「言われてみれば、貼ってあったような、という程度」

友「ま、教室棟と違って、あっちの棟のトイレはそう頻繁に使わないからな」

男「三階となると、図書室やアリーナは一階二階だし、三階は音楽室と理科室くらいか」

友「ああ」
4 : ◆P2YuCWYKVM [saga]:2018/03/24(土) 02:35:18.22 ID:T56p5/i/0
男「で?」

友「ああ、その個室はさ、何故か扉が開かないらしいんだ」

友「ああ、でもこれは俺自身も試したから言えるんだが、壊れて開かない、というのとは違うんだよな、感触が」

男「壊れて開かないドアの感触を知らないから、なんとも言えんな」

友「で、上の隙間から覗いてみたんだが、見た所、トイレ自体が故障しているようには見えない」

男「ほうほう」ウナズキ

友「で、噂によると、使用不可の張り紙が貼られているのは、もう三ヶ月前かららしいんだ。確かに、あまり使われていないトイレだが、さすがにずっと使えないままにしておくのも、変だと思わないか?」

男「そうかもしれない」

友「だろう?」

男「でも、逆に言えば、たかがそれだけのこと、とも言える。噂になるほどではないように思えるけど」

友「まあ、急かすなって」
5 : ◆P2YuCWYKVM [saga]:2018/03/24(土) 02:37:23.37 ID:T56p5/i/0
友「ここからが噂の本題さ」

友「俺が聞いた話ではこうだ」

友「あの扉の向こうは」

友「なんと!」ドン!

友「異世界に繋がっている!」ドドン!!

男「……」

友「……」

男「おー」

友「気になるか?」

男「いや、なろう小説妄想乙としか」ヤレヤレ

友「デスヨネー」
6 : ◆P2YuCWYKVM [saga]:2018/03/24(土) 02:38:36.96 ID:T56p5/i/0
友「ま、実際そんなこと、もちろん俺も信じていない」

男「現実と虚構の違いは大事だ」

友「ただ、そう噂されるに至る理由がないわけでもなくてさ。例えば、三階男子トイレに入っていく人間を見たにも関わらず、中に入ると誰もいなかった、とか」

友「使用不可とか書かれた個室から、水を流す音が聞こえた、とか」

友「なのに、そのあとピタリと音がしなくなって、上から覗いてみたら誰もいなかった、とか」

男「トイレの上の隙間から覗くやつ、多いな」ヒクワー

友「ま、いろいろな噂が積み重なり、最終的に異世界の扉などと言われるようになったらしい」

男「ふむふむ」

友「興味ある?」

男「何に?そのトイレに?」

友「異世界に」

男「……」

男「まあ、あるかな」

友「へえ、意外だな。おすすめの転生モノ教えようか?」

男「いや、大丈夫」
7 : ◆P2YuCWYKVM [saga]:2018/03/24(土) 19:42:45.41 ID:T56p5/i/0
友「休み時間、そろそろ終わりだな」

男「ああ」チラッ

女「……」

男「おい友、席戻れ。女さんが困ってる」

友「あ、ごめんごめん。じゃあな、男」タッタッタッ

男「女さん、俺からも謝っておくよ。席ごめんね?」

女「ううん、大丈夫」フルフル

男(席が隣の女さん、俺はそれほど会話をしたことがない)

男(間違いなく美少女だ。おとなしいというか、大人らしい雰囲気を纏っているからか、表立って騒ぐ奴や絡みに挑む輩は少ない)

男(俺だって、席が隣だからといって、何かあるわけでもない)

男(やがて教師がやってきて退屈な授業が始まる。教室という箱の中で、文字を書き写し、時間が過ぎてゆく)

男(友が昼休みにしていた話を思い出していると、やがて強烈な睡魔が俺を襲った)ウトウト
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