Bismarck「死んだフリをして艦娘の反応を見る?」

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1 : ◆6JdLhB27E2 [saga]:2018/03/18(日) 15:09:48.35 ID:gqrBASFk0
提督「ああ、手伝ってくれないか?」
Bismarck「嫌よ……艦娘を騙すんでしょう? 楽しいの?」
提督「うーん、楽しいと言うよりは好奇心かな? どんな反応するんだろう、って」
Bismarck「……息抜きも大事だとは言ったけど、そういう感情って自制すべきだと思わないの?」
提督「ああ、もちろん思ったさ。本来なら死亡ドッキリなんてしちゃいけないし、命は大事にすべきだってね」
Bismarck「罪悪感があるんならやめて欲しいんだけど……」
提督「まあ、怪我人は出さないよう気を付けるよ。心に傷を残さないようにネタバラシも早めにな」
Bismarck「仕方ないわね……私は何をすればいいの?」
提督「さすがビスマルク、分かってくれると思ってたよ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1521353387
2 : ◆6JdLhB27E2 [saga]:2018/03/18(日) 15:10:23.76 ID:gqrBASFk0
提督「実はな、昨日隠し撮り用の小型カメラを設置したんだ。で、映像が俺の自室のモニターで見れるんだが、とりあえずはそれを楽しんでくれればいい」
Bismarck「あ、見てるだけでいいの?」
提督「ああ。あと、ネタバラシは基本俺がやるが、きっかけとして良いタイミングで執務室に来てほしい」
Bismarck「でも死んだフリってなかなか難しそうだけど……秘策でもあるの?」
提督「安心してくれ、工廠含め各所から援助して貰えたんだ。ま、俺達だけで準備と片付けをしなきゃいけないから、結構時間はかかるだろうが」
Bismarck「結構用意周到なのね……仕方ない、やるわよ。誰に仕掛けるの?」
提督「最初は駆逐艦で行こう。演習から帰ってくる親潮が狙い目だな」
Bismarck「あの頑張ってる子ね……ん? 最初は?」
提督「もうすぐ帰ってくるだろうし、ビスマルクも俺の部屋に行っててくれ」ソソクサ
Bismarck「ねえ、あの……」
Bismarck「まあ、提督も嫌われないよう気を付けなさいね」
3 : ◆6JdLhB27E2 [saga]:2018/03/18(日) 15:11:12.79 ID:gqrBASFk0
Bismarck「なんだかんだ、流されてしまったけど、本当にこんなことしていいのかしら……」
Bismarck「それに、私はこうやって別の所で眺めてて、卑怯じゃないかしら……」
Bismarck「また今度言ってやらなきゃ」
Bismarck「……ともかく! モニターを見ましょう、そろそろ始まるでしょうし」
4 : ◆6JdLhB27E2 [saga]:2018/03/18(日) 15:11:44.21 ID:gqrBASFk0
コンコンコン
親潮『失礼します、親潮です!』
Bismarck「ん、親潮が来たわ。表情は晴れやかね。って、提督?」
親潮『司令、艦隊、演習より帰投しました!』
親潮『……あれ? 司令、いない? うーん、とりあえず報告書を提……』
親潮『しゅ……つ……え』
Bismarck「うわっ」
Bismarck「ナイフはないけど、刺されたのかしら、お腹から血を流して執務室の壁にへたり込んでる……辺り一面血の海じゃない」
Bismarck(これ、ドッキリよね?)
親潮『し、れい……? え? 嘘ですよね? こんなの、いたずらですよね? だって、司令がこんな、こんな……』ペタン
Bismarck「これは誰だって腰抜かすわよ……」
親潮『起きて……下さいよ。おかえり、って言って下さいよ。あたし、まだ司令に恩返しできてないのに……迷惑ばっかり掛けて、何も出来てないのに!』
Bismarck「やっぱ抱きつくわよね。あ、これ暖かいとバレるんじゃ」
親潮『っ……まだ暖かい……。あたしが途中寄り道したせいだ……真っ直ぐ来ていれば助けられた……!』
Bismarck「え、寄り道?」
親潮『久々に完全勝利出来たからって、間宮さんで休んでたから……』
親潮『ごめんなざい、ごめんなざいっ……ひぐっ、あたし、あたしっ……うぐっ……』
Bismarck「こういうのを泣きじゃくるっていうのね。初めて見たかも」
親潮「どうしたら……あたし、何をすれば……」
Bismarck「何をすれば、って……あ、ネタバラシすればいいのかしら」
5 : ◆6JdLhB27E2 [saga]:2018/03/18(日) 15:12:20.98 ID:gqrBASFk0
Bismarck「アトミラール、入るわよ」
親潮「」ビクッ
親潮「あ、あぁ……ビスマルクさん、あたし、その、あの……」
Bismarck「分かってるわ。ほら、アトミラール、起きなさい」
提督「ん、おはよう」
親潮「ひゃぁっ!」
提督「ちょ、そんな逃げなくても……生きてるよ、ドッキリだよ、親潮」
親潮「え?」
Bismarck「ドッキリ。死んでない、生きてるわ」
親潮「いや、ドッキリは分か……え?」
提督「死んだフリだよ。騙してごめんな」
親潮「あ、じゃあ生きてる……と?」
提督「ピンピンさ」
親潮「司令っ!」ダキッ
提督「おわっ」
親潮「あた……親潮、怒りました。まんまと騙されて大泣きさせられて。あたし、司令が死んじゃったと思って、あたしのせいだと思って……」
提督「悪かったよ、本当に」
提督「あ、そう言えば寄り道したんだ?」
親潮「あっ……。あの、その……すみません、本当ならすぐ報告しに来なきゃいけないのに……」
提督「分かってるならいいよ。次からはちゃんと真っ直ぐ来てくれ、な?」
提督「あと、今回のお詫びと言っちゃなんだが今度はこれを使うと良い。タダで楽しめるぞ」
Bismarck(間宮券で詫びるとは。まぁ駆逐と軽巡と一部大型艦にしか通用しなさそうだけど……)
親潮「うぅ……分かりました。これからはすぐに報告に来ます。あ、あと、二度とあたしに死んだフリなんてしないで下さい。失礼します」
6 : ◆6JdLhB27E2 [saga]:2018/03/18(日) 15:13:50.31 ID:gqrBASFk0
Bismarck「片付け終わったわね」

提督「……親潮に嫌われたかな」

Bismarck「どうかしら」

提督「でも『あたしに』って言ってたし他の子には仕掛けてもいいんだよね」

Bismarck「最低ね……人間性を疑うわ」

提督「そんなぁ。ああ、ビスマルク、次はお前にも芝居して貰いたい、頼めるか」

Bismarck「やっと手伝えるのね!」

提督「やっぱり見てるだけじゃ面白くないだろ?」

Bismarck「!! ……まぁね」ボソッ

提督「乗ってきたな」

Bismarck「ところで次のターゲットは?」

提督「今度は大淀さんだ。昨日は過労気味だったから早めに寝かせた。まだ寝てるかもな」

Bismarck「過労の原因は提督だったりして」

提督「さぁ、どうだか? ビスマルク、彼女を呼んできてくれ。あと、このおもちゃのピストルも持っていてくれ。持ってるのが大淀にバレないようにな」

Bismarck「ピストル? まぁ、良いけど……貴方が呼んでるって言えばいいかしら?」
7 : ◆6JdLhB27E2 [saga]:2018/03/18(日) 15:14:32.76 ID:gqrBASFk0
Bismarck(アトミラールの指示通り大淀を起こしたわ。大淀は執務室へ、私は提督の部屋に向かう。無線でアトミラールと通信できるようになっているわ)

提督(今はマイクを切ってるから何言ってもあっちには聴こえない。あと、ビスマルクには俺の部屋へ行ってもらった)

提督「今回は特に準備はねえな、血糊をバラ撒いてニセ弾痕と出血を演出してと」ベチャ

提督「過労の原因、か」

提督「よく考えてみれば、大淀さんって物凄く仕事の出来るだけで、艦娘なんだよなぁ……」

提督「提督になった頃からの流れで随分頼っちまってたな」

提督「この際、大淀さんには休暇をあげよう。あの人なら『休みだけど仕事します』とか言い出しそうだが」

ピピッ
Bismarck『貴方の部屋に来たわ。何すればいいの?』

マイクオン
提督「起こしてくれたか? ありがとう、機を伺ってこっちへ来てくれ。内容については追って話す」

提督「あと、大淀が入ってくるのが聞こえるまでモニターをつけるな」

Bismarck「え、いいけど、どうしたの?」

提督「俺の死に方を見るっていう、お前の楽しみがなくなるだろ?」

Bismarck「なっ……」
8 : ◆6JdLhB27E2 [saga]:2018/03/18(日) 15:15:12.15 ID:gqrBASFk0
大淀「提督が私を呼ぶなんて珍しい……私、一日中寝てたみたいだし書類仕事も手伝わなきゃ」

パァン!
大淀「!!」

大淀(執務室から銃声!?)

タッタッタッタッ
提督(お、来るな……。ちなみに銃声は玩具拳銃、本体は机の上に乗せておいた)

Bismarck(それじゃあ、モニターの電源を入れましょう。アトミラールはどんな死に方してるのかしら)

ガチャガチャッ、バンッ!
大淀『提督っ、大丈夫ですか!』

Bismarck「わっ、これは大丈夫じゃないわね……後頭部を撃たれてうつ伏せに倒れてるわ。もちろん頭の周りは血塗れで」

大淀『うっ!? 物凄い血の匂い、提督! ……いや、ダメですね。後頭部を銃で一発……凶器は机上の拳銃ですかね』

Bismarck「大淀、凄く冷静ね。何とも思ってないのかしら……よし、行ってみましょう。彼女と話がしてみたいし」
9 : ◆6JdLhB27E2 [saga]:2018/03/18(日) 15:16:41.53 ID:gqrBASFk0
Bismarck「入るわよ」

大淀「あぁ、ビスマルクさん。こんにちは」

Bismarck(こんにちは? 提督が死んだことに対して動揺してないのかしら)

Bismarck「ええ、こんにちは。提督は?」

大淀「殺されました」

Bismarck「え? どういうことよ、なにこれ、ちょっと、アトミラール、起きてよ! なにやって……って。ねえ、貴方が撃ったの?」

大淀「まさか。もしそうなら貴方も部屋に入ってきた時点で撃ち殺してますよ」ニコッ

Bismarck「」ビクッ

Bismarck(今、冗談抜きで寒気がしたわ……殺意はこもってないのに、冷淡な笑顔がこんなに恐ろしいなんて)

大淀「……私、以前から『いつかこうなる』って思ってました」

Bismarck「え、こうなる、って? どういうこと?」

大淀「提督が殺されて、私も一緒に消される。他所の提督が秘書艦共々、何者かにより射殺されたという話を聞いて、それ以来、ずっとです」

Bismarck「……真犯人に嵌められるってこと? 提督殺しとして顔に泥を塗られ、そのまま殺されて、真犯人は提督の敵を討った英雄になれる。まあ、そんなところかしら」

大淀「ええ。そうです。そして、貴方が提督を殺したんでしょう?」

大淀「私を執務室へ呼びつけ、到着する前に提督を射殺し、執務室隣の給湯室へ逃げる。私が執務室へ入ったら給湯室から廊下へ出て、執務室へ入る。そうすれば、見事私は殺人犯」

Bismarck(物凄い推理力……いや、これはただの思い込みね。でも、まさか私が殺人犯にされるとは思わなかったわ。これ、アトミラールのシナリオ通り……なのかしら)

大淀「もし私が抵抗しても、貴方なら私を抑えつけて撃ち殺せる。自分以上のベテラン秘書艦で、提督をよく知る私を殺しておけば、後々自分が真犯人だとは突き止められないでしょう」

Bismarck「ええ、そうね。じゃあ、殺される準備は出来てるかしら?」ジャキッ

大淀「はい。私、提督の為、艦隊の為、ひいては私の為に頑張ってきましたが、提督が亡くなっては私が生き長らえる意味もありません」

Bismarck(なんか凄く悪いことしてる気がしてきたわ……でも、殺るしかないっ)

Bismarck「いい覚悟ね。じゃあ、提督をよろしく頼むわね」

大淀「こちらこそ、艦隊をよろしくお願いします」

パァン!
大淀「っ!」ビクッ

大淀「うっ、ん……? 生き、て……る?」

Bismarck「おめでとう、大淀」

大淀「紙吹雪……クラッカー? ん、この大きいの、裏に文字が……」

『ぱんぱかぱーん!
   ドッキリ大成功!』

大淀「はい……? あ、まさか。提督?」

提督「おはよう、大淀さん」ムクリ

大淀「はあ……私、騙されましたか」

提督「えーと、まず。ごめんな、大淀さん」

大淀「大丈夫です。提督が生きていてくれればこの艦隊は……私は大丈夫ですから」

提督「そっか。あと、大淀さん。悩みがあるなら相談してくれっていつも言ってたよな?」

大淀「確かに仰ってましたけど……提督のミスで殺されるのが怖いなんて言えるわけないじゃないですか!」

提督「ああそれ、艦娘からセクハラの苦情を受けた憲兵が無断で執務室を襲撃して、秘書艦も巻き添え食らったってだけでミスは関係ないぞ」
10 : ◆6JdLhB27E2 [saga]:2018/03/18(日) 15:17:11.91 ID:gqrBASFk0
大淀「あ、そうなんですか……ビスマルクさん」

Bismarck「なに?」

大淀「その、殺人犯扱いしてすみません。私、殺されるって分かってタガが外れてしまって……お陰であることないこと口走って……」

Bismarck「別に気にしてないわ。それより、まだ疲れが抜けてないんじゃない?」チラッ

提督「ん? あぁー。そうだよ大淀さん。お詫びといっちゃ何だが3日程休暇をあげるよ」

大淀「え、三日もですか? それは困ります、三日もあれば提督は書類仕事を溜めますし、その始末をするのは私になりそうなので二日で十分です」

提督「あ、うん……俺ってそんなに仕事サボってるかなぁ……そう言うなら二日あげるね」

大淀「あと、提督。生きてて良かったです。また明日からも頑張って下さい。それでは!」
11 : ◆6JdLhB27E2 [saga]:2018/03/18(日) 15:17:51.30 ID:gqrBASFk0
提督「片付け終わったな」

Bismarck「大淀、大人だったわね」

提督「まあ大淀さんは軽巡だが中身は重巡と大して変わらないしな。でも涙目だったな」

Bismarck「え? じゃあ堪えてたってこと?」

提督「だろうな。俺への涙だったのか自分への涙だったのかは、大淀さんにしかわからん」

Bismarck「ところで、これで終わり?」

提督「期待してんだろ?」

Bismarck「なっ、そんな事ないわよ。辛い思いをする子は少ない方が良いってだけ」

提督「まあ確かにな。にしても、お前も大淀に銃向けた時かなりツラそうだったな」

Bismarck「当たり前じゃない。仲間に銃を向けるなんて禁忌中の禁忌よ。……本気でやりたくはないわね」

提督「まあ、そうだな。でも次はあるぞ。もう夜だし夕食を食べたら再開しよう」
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