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北上「我々は猫である」
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267 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/13(水) 04:20:31.66 ID:qHHMg8wg0
結局提督室はそこそこ焼けちゃったらしい。
大事なものとかは特に被害がなかったらしいがそれでも火事は火事。
机とかソファーとかは全滅だとか。床や天井も貼り直さなきゃならない。
大井「磯風は?」
提督「流石は艦娘だよ。地震が来たから艤装で最低限の防御はできるようにしてたみたいでな、髪の毛がギャグマンガみたいになる程度ですんだ」
北上「提督は?」
提督「机が守ってくれた。その後真っ先に磯風を風呂に突っ込んで消化活動」
大井「そして?」
提督「磯風が吹雪にこってり絞られてるすきに逃げてきた」
北上「でも提督は悪くなくない?」
提督「俺の言い方が悪かったっちゃ悪かったし、監督責任ってやつもあるしな。俺に怒るのは仕方ない」
大井「でも、怒られるのはいやなんですね」
提督「だって俺悪くないし」イジイジ
北上「どっちやねん」
268 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/13(水) 04:21:18.81 ID:qHHMg8wg0
提督「被害は大した事ないって言ったけど、道具とか結構焼けちまってんだよな」
北上「あのホワイトボードとか?」
提督「そうそう。また買い直さなきゃなあ」
大井「もう少し早く燃えてれば私達が買ってこれたんですけどね」
提督「もしもの話をするなら家事を防ぐ方向でいきたい」
北上「なんなら明日また私らでかいにいこっか?」
提督「明日からは仕事だろお前ら」
北上「むむむ」
提督「俺はそうだなあ…ここで一晩過ごしちまおうかな。どうせ寝室も使えないし」
北上「燃えたの?」
提督「いや。でも復旧作業があるから今日明日は無理だろ」
北上「あれま」
269 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/13(水) 04:21:46.35 ID:qHHMg8wg0
大井「…」
北上「大井っち?」
球磨「ただいまクマァ」
提督「おーどうだったよ」
多摩「吹雪はそんなに怒ってなかったにゃ」
提督「マジで!?」
木曾「不幸な事故って話だしな。ただ謎の七輪については要調査だと」
北上「そりゃそうだ」
球磨「ただ」
提督「ただ?」
球磨「机の引き出しにあったいくつかの写真について話があると言っていたクマ」
提督「」
北上「写真って?」
木曾「なにかは教えてくれなかったよ。ろくなもんじゃなさそうだが」
270 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/13(水) 04:26:49.07 ID:qHHMg8wg0
提督「やっぱしばらくここで過ごしますはい」
北上「何隠してたのさ」
提督「黙秘権!黙秘権を行使する!」
球磨「ここに留まってると皆にバレるしさっさと戻るクマ」
木曾「だな。上姉もおい姉も戻ろうぜ」
北上「ほーい。んじゃね提督」
提督「おう」
大井「あ、私は少し残ってますね」
多摩「にゃあ?逢引ですかにゃあ?」
提督「ちげーよ!で何のようだよ?」
大井「秘密です秘密!ほら、バレたらまずいですし戻っていてください」
北上「はーい」
271 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/13(水) 04:27:15.75 ID:qHHMg8wg0
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・
【食堂】
北上「で、さっき提督と何話してたのさ」
大井「黙秘権を行使します」
木曾「やっぱここも少し騒がしいな」
多摩「火災事故だからにゃ、仕方ないにゃ」
阿武隈「北上さーん!」
北上「おーおーどったの」
阿武隈「聞きました!?見ました!?火事!」
北上「聞いた聞いた、見てはないけど」
阿武隈「もう凄かったんですから、私ちょうど外から見てたんですけど」
木曾「それ俺も聞きたい」
272 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/13(水) 04:27:55.48 ID:qHHMg8wg0
あーなるほど。
食堂を見渡すとどうやらこの騒がしさは事件の事を話す側と聞く側で成り立っているようだ。
各テーブルで遠征や出撃で鎮守府にいなかった組が一部始終をここで聞いているようだった。
当然話題は晩御飯だけに収まるわけもなく。
【風呂】
神風「びっくりしましたよ。火事っていうからてっきり工廠で夕張さん達がやらかしたんだと」
北上「至極真っ当な推理だけどなんかヒドイよね」
神風「工廠は以前爆発事故で半壊とかしてますからね」
北上「うそん」
神風「ホントですって。原因は、確か宇宙の方のヤマト砲をどうとかこうとかって」
北上「波動砲かよ」
何してんだあの二人。
273 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/13(水) 04:28:28.28 ID:qHHMg8wg0
北上「しかし相変わらずというかなんというか、騒がしくわあるけど緊迫感はゼロだよね」
神風「日本でいう地震と同じ感じですよ」
北上「希によくあるって感じか」
神風「そんな感じですね。結局のところみんな慣れちゃってるんでしょうね」
北上「それはそれでどうなんだろうか」
神風「言ってみれば私達歩く兵器ですからね。ちょっとした事でとんでもない事故に繋がる訳ですし」
北上「本物の船もそういう事故は多かったらしいよね」
神風「艦娘の宿命って事なんでしょうね。なまじ普段から戦火に身を晒してる分この程度の事故じゃ特に危機感は抱きませんし」
北上「神風はなんか事故に遭ったりした事ある?」
神風「私はとくになにも。あーでも旗風が電ちゃんとぶつかった事があったかしら」
274 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/13(水) 04:29:28.19 ID:qHHMg8wg0
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
【提督室前】
北上「立ち入り禁止テープってホントに貼るもんなんだ」
推理小説なんかで見る黄色いテープが入口にはられていた。
ドアは開けっ放しで中が見えるようになっている。今は暗くて見えないけど。
興味本位で来てみたが見えないんじゃしょうがない。
吹雪「気になりますか?北上さん」
北上「吹雪、どったの?」
吹雪「まだいくつか書類がここに残ってたんで回収に。せっかくだし中見ていきます?」
北上「そりゃありがたいね」
275 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/13(水) 04:30:02.62 ID:qHHMg8wg0
吹雪「よっと」カチッ
北上「え?」
テープを潜り中に入ると吹雪がスイッチを入れた。
すると部屋の明かりがついた。
当たり前だ。当たり前、だが
北上「電気つくの!?」
吹雪「そりゃまあ」
北上「火事だったんでしょ?」
吹雪「あー、火事って言ってもホントにしょぼいもんですよ。ボヤですボヤ」
北上「ボヤって、でもソファーとか」
部屋のソファーを見る。
背もたれにいくらか焦げた後があった。しかし半分以上は特に被害がなくちょっとした修理で使えそうに見える。
北上「机とか色々と」
提督の机を見る。
爆発で飛んできたのか銃痕のようにいくつかの黒い跡が残っていた。でもそれだけだ。
北上「ダメになって、ない?」
276 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/13(水) 04:30:44.99 ID:qHHMg8wg0
吹雪「ね?火事自体は大したもんじゃないんですよ」
北上「ならなんでこんなに大げさに」
吹雪「ソファー触ってみたらわかります」
北上「ソファー?」
なんだろうか。言われた通り手をソファーに押し込む。
北上「うえぇ」グチャ
濡れていた。それも尋常じゃない濡れ方で。
吹雪「ボヤで済んだのはこうしてスプリンクラーや消火作業で辺り一面水浸しにしたからですよ。部屋が使えなくなったのもそれです」
北上「なるほど、そっちは考えてなかったや」
吹雪「火で全部燃えることを考えたら必要な犠牲って感じですけどね。水はなんとか抜いたんで後は床の張替えですねえ」
北上「大変そうだね」
吹雪「そこら辺は夕張さん達の頑張り次第ですかね。でも明日中には終わると思いますよ?」
北上「意外と早い」
277 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/13(水) 04:31:16.44 ID:qHHMg8wg0
吹雪「腕は確かですから。あったあった」
探し物は見つかったらしい。
何にせよ部屋の被害はたいしたことなさそうだ。
北上「ん」
扉を見つめる。
この先は確かに提督の部屋になっていたはずだ。こっちは無事なのかな?
あれ、というか今更だがこの部屋入った事ないや。
吹雪「そこは、普段から立ち入り禁止ですよ」
北上「…後に目でも付いてるの?」
吹雪「そんなもの使わなくてもだいたい分かりますよ」
北上「付いてるのは否定しないんかい」
吹雪「基本的にそこは提督の許可無しでは立ち入り禁止です。鍵もかかってますし」
北上「基本的に?」
吹雪「例外的に私が合鍵使う時もあります」
278 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/13(水) 04:32:52.64 ID:qHHMg8wg0
吹雪「さ、行きましょう」
北上「はいはーい」
テープを潜り部屋をあとにする。
北上「てーとくどこ行ったのかね」
吹雪「知りませんよ」
少しムスッとした表情で答える吹雪。
北上「怒ってる?」
吹雪「火事の件に関しては特になにも。事故ですからね。それにまず何よりも磯風の事を優先してますし」
今度は、なんだろうか、安心というか信頼というか、言葉に表せない表情をする。
北上「そーいや写真が見つかったんだって?」
吹雪「あーアレですか。しっかり回収してやったんで安心してください。それじゃ、おやすみなさい」
北上「おやす〜」ノシ
安心して?どういう意味だ?あ、大井っちの写真だったのかな。
さもありなん。
279 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/13(水) 04:33:35.86 ID:qHHMg8wg0
【屋上】
谷風「いやぁ大変だったよ。磯風のやつ責任取って腹を切るとか言い出す始末でね」
北上「吹雪にこってりしぼられたんだって?」
谷風「まあ事故だしね、そんなにこってりってわけじゃあないよ。ただ反応が面白いから色々といじってたら段々おかしくなってきちまってし」
北上「それ笑い事なの?」
愉快犯め。姉妹に対しても容赦がない。
谷風「そういや君は今日姉妹でデートだったんだってね。いいねぇ熱々だねぇ」
北上「まあね」
谷風「どうだった?外の世界は」
北上「楽しかったよ。相容れないなとも思ったけど」
谷風「ま、そんなもんさね。だからこそたまに行くくらいで楽しいのさ」
280 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/13(水) 04:34:06.01 ID:qHHMg8wg0
北上「後初めてまともにスマホに触った」
谷風「そこはもう少し努力してみてもいいと思うけどねえ。この谷風さんだってこいつはそれなりに使いこなしてるんだぜい」
北上「使いこなすねぇ」
ポケットからスマホを出す。新品同様のピカピカのそれは外の世界と同じかそれ以上に相容れない気がする。
谷風「おや?メッセージが来てるみたいだね」
北上「そうなの?」
谷風「ホントに使ってないんだね…ほらこれこれ」
北上「おー凄い。これは、提督から?」
谷風「何かあったのかね?」
北上「さあ。えー、今から会ってくれって」
谷風「ほほぉう」ニヤニヤ
うわすっごい悪い顔してる。
281 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/13(水) 04:34:33.83 ID:qHHMg8wg0
やれ逢引だの密会だの散々囃し立てる谷風を何とか振り切って駐車場に向かう。
そういうのは大井っち相手にして欲しいもんだ。
しかしそうなると一体全体私にどういった要件だというのか。
少しづつ駆け足になる。
気になるからだ。
それだけだ。
282 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/13(水) 04:35:30.54 ID:qHHMg8wg0
最後のお茶を求めて
無理だこれ
283 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/13(水) 05:10:01.83 ID:S8287FqX0
リランカあたりが良い
284 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/13(水) 08:30:16.93 ID:qOcsD8Nf0
お茶はカレーの外れマス、EOまだなら6-5がでやすい
後は2-3ボスでろ号平行、オリョール外れマスが梅干出るから其なりに美味しい
更新乙です
285 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/14(木) 03:27:19.97 ID:PTLyOwo4o
おつなのさー
286 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/14(木) 08:43:28.10 ID:GGCB3TSDO
おつおつ
287 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/16(土) 04:16:07.18 ID:HAi9OBWH0
63匹目:A cat may look at a king
私は言わばなり損ないみたいなものかもしれない。
人でも船でも猫でもない。
でも、そんな私でも、ちょっとばかし夢を見るくらいの権利はあると思う。
少しくらい、いい目にあってもいいと思う。
288 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/16(土) 04:17:21.62 ID:HAi9OBWH0
提督「…」
北上「やほー、さっきぶりだね」
提督「だな」
北上「で、何のよう?」
車内には辛うじて運転席に座る提督の顔が認識できる程度の薄い明かりだけが灯っている。
提督「あーっと、そのだなあ」
何やら歯切れの悪い提督。
提督「…ッシ、実はその、お前にお願いがあってな」
意を決したというふうにそう会話を切り出す提督。
北上「お願いって、まあ提督の頼みなら早々断ることもないけど。でなにさ?」
289 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/16(土) 04:18:06.14 ID:HAi9OBWH0
お使いかなにかだろうか。まさか自分の寝巻きを持ってこいとかか?
確かにここで一晩過ごすなら必要かもしれないがよりによってそれを私にという事もあるま「パンツを見せてくれ」
ん?
北上「え?今なんて?」
提督「パンツを見せてくれ」
はい?
提督「いや、待て、間違えた。今のはなしだ。もう一度言い直す」
北上「う、うん、だよね。もう一度聞き直すね」
提督「下着を見せてくれ」
北上「変わってねぇよ」
290 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/06/16(土) 04:19:43.26 ID:HAi9OBWH0
ロスタイムに落ちた奇跡のお茶
毎度のアドバイスに感謝の気持ちしかないのです
だから頑張って書くのです
291 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/16(土) 10:22:45.65 ID:/IAsxAkbo
え…えぇ…
292 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/16(土) 21:20:59.46 ID:NyIqIKAy0
おお、おめでとう 届いたのね
もっと早く聞いてくれw毎度心配でならぬ
293 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/05(木) 03:01:57.53 ID:HtUfy3Xf0
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
北上「つまり、大井っちへのプレゼントとして下着を買いたいから手伝ってくれと」
提督「ハイ」
蚊の泣くような声で答える提督。
北上「はぁ…」
提督のあまりのぶっとんだ発言に逆に冷静になれたので一つ一つ問い詰めていくとつまりはそういうことだった。
北上「それにしてももうちっと言い方があるでしょうに…」
仮にも私達の命を預かる立場なのだ。言動に少しは気を使ってほしい…
提督「ゴメンなんかテンパった」
北上「別にパンツくらいいいんだけどね」ペラ
提督「ちょぉお!?…お?」チラ
北上「この時期は少し寒いのでスパッツを履いてみたり」
提督「くっ!」
294 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/05(木) 03:02:38.67 ID:HtUfy3Xf0
提督「いやでもほら!普段からパンツなんて見慣れてるしな!」
北上「その通りなんだけどそれはそれでどうなのよ」
艦娘なんて半数くらいがパンツ丸見えみたいな服装だしそこは仕方ない。
というか見慣れてるとか言いつつチラ見してきたじゃんか…
北上「でもなんだって今このタイミングでプレゼント?」
提督「あいつがここに来て丁度2年くらいなんだよ。それで」
北上「へぇ」
それは知らなかった。
295 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/05(木) 03:03:17.92 ID:HtUfy3Xf0
北上「まあ手伝うのはいいけど、私でいいの?というか私じゃない方がいいと思うけど」
提督「なんで?」
北上「私オシャレとかさっぱりだし」
提督「そりゃーほら、大井といつも一緒だし好みとかそういうの詳しいかなって」
北上「それなら球磨姉や多摩姉でいいじゃん。いや球磨姉は微妙か…でも私よりはマシでしょ」
提督「お前そんなにセンスないのか?」
北上「センスというか、興味が無い。そもそも大井っちと違って私ブラしてないし」
提督「へー、え!?してないの!?」
北上「そんなに大きくないしさ」
提督「へ、へぇ〜」チラ
北上「…いや、あれだよ?ブラしてないだけでスポブラみたいな、カップ付きみたいな下着はしてるからね?」
提督「アーナルホドネー」
ブラ1つでこんなに心動かされるとは男って楽しそうだな。
296 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/05(木) 03:03:44.39 ID:HtUfy3Xf0
北上「まあともかくそんなわけで私以外にした方がいい」
提督「ぐっ…いや待て!」
北上「なにさ」
提督「ひとつ決定的な理由がある」
北上「その心は」
提督「お前以外にこんな事頼めるやついない」
私以外に?
提督ラブな人達なら…いやそれはそれで色々問題がありそうだ。
他は大抵参考にならなそうだったり参考になり過ぎて逆に危なげだったり…
アレ?他誰がいる?
北上「引き受けた」
提督「感謝」
297 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/05(木) 03:04:22.46 ID:HtUfy3Xf0
北上「で、私はどうすればいいの?」
ネット通販とかだろうか。
提督「明日、一緒に買いに行こう」
北上「え?買いに行くの?」
提督「そりゃそうだろ」
北上「でもいいの?提督外に出て」
提督「燃えちまったもの買い足さにゃならんしな。それにほら!俺いなくてもなんとかなるしな!」
北上「嬉嬉として言うことじゃないでしょそれは」
それに大井っちのためとはいえ私達二人で出かけるというのはあまり知られてはいけないと思うが。
298 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/05(木) 03:04:51.47 ID:HtUfy3Xf0
提督「安心しろ。皆には内緒でいく」
北上「それこそまずいのでは?」
提督「そこら辺は任せろって。策はある」
北上「不安しかないけど…まあいっか、任せるよ」
提督「よし。じゃあ集合時間は明日の11時な。ここなら球磨型はお前以外遠征か出撃だ」
既に計画済みだったらしい。
北上「で、こっそり出てこいと」
提督「そゆこと」
北上「提督はどうすんのさ」
提督「燃えた書類関係で隣の鎮守府行ってくると言っときゃ大丈夫だろ」
北上「ホントかよ」
提督「あたぼーよ。もう吹雪の協力は取り付けた」
北上「マジか」
299 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/05(木) 03:05:25.75 ID:HtUfy3Xf0
提督「燃えたもの新調しなきゃ行けないのはホントだしな。お土産を要求されたけど」
北上「意外だなぁ吹雪がOKだすなんて」
提督「アイツは意外とそういうやつだぜ」
北上「覚えとくよ」
提督「じゃ明日、鎮守府前のバス停って事で」
北上「りょーかい」
提督「んじゃおやすみ」
北上「おや…提督マジにここで寝るの?」
提督「ここで寝た方が明日スムーズに外でれるし」
北上「そこまでせんでも…まあいいや、おやすみ」
300 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/05(木) 03:06:21.05 ID:HtUfy3Xf0
やれやれ妙な事に巻き込まれた気がする。
車から部屋への帰り際に掲示板に貼られていた明日の予定表を見る。
ならほど確かに球磨姉多摩姉木曾は出撃のようだ。
あれ?大井っちはいるのか。でも1人くらいなら問題なかろう。
廊下から外を見る。
真っ黒な窓には私の顔だけが映る。
北上「何ニヤけてんだ私」
301 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/05(木) 03:09:39.75 ID:HtUfy3Xf0
イチャイチャさせよう
試合時間もう少し早くできないですかね…
度重なる夜更かしに耐えられる歳ではもうないのです。
302 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/05(木) 09:25:52.02 ID:NiyEDUz/0
更新乙です
日頃の感謝を示すのになぜいきなり下着などというハードルの高いものを…
もうね、これをつけて貰って薄い本の展開をって意図が下心まるだしの提督…
303 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/05(木) 09:50:12.03 ID:vaDXSN6tO
おつ!
なぜ下着なんだw
304 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/05(木) 14:45:00.38 ID:6ScrR7Ls0
普段使えるものをプレゼントしよう!
あ、普段は規定で制服じゃん はわわ
そうだパンツ!パンツです!(錯乱)
こうだなw
305 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:10:35.91 ID:nQsWyKb10
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
時刻。きっかり11時。
もちろん私が時間に正確というのではなく、慌てて準備した結果なんとか時間丁度には間に合ったという、つまり私の性格がルーズなだけである。
提督「おう、おまたー…せ?」
北上「はよーてーとく」
提督「おはよう。北上?」
北上「ん?どったの提督」
提督「髪型」
北上「あーこれね。結ぶの面倒だったからそのままにした」
提督「一瞬誰かと思ったぞ」
北上「いっつも髪は大井っちに任せてたからさ、自分でやるのはめんどくさい」
提督「それくらいはやれよ」
北上「毎日毎日やってる飽きるものだよ」
提督「そういうものか。ってやってるのは大井なんだろうが」
北上「てへ」
実は別の鎮守府の北上に感化されてたり、とは言わなくてもいいか。
306 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:12:43.89 ID:nQsWyKb10
北上「どーかなこれ?私的には楽でいいんだけど」
提督「あーうん、いい、と思うぞ。凄く」
北上「なんか煮え切らない反応だね」
提督「だってここでその髪型褒めたらいつものは微妙みたいな感じになりそうじゃん」
北上「言っちゃうんだ。提督にしては珍しい気遣いだね」
提督「女性の容姿を褒める時は慎重にってよく言われてるから…」
北上「ほー」
大井っちにかな。案外吹雪とか?
北上「別に私ゃオシャレとか興味ないし見たまんまの感想でいいよ」
307 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:13:51.60 ID:nQsWyKb10
提督「そうか?じゃーあれだ、慣れない」
北上「風呂上がりとかも髪ほどいてるし何回か見たことあるじゃん」
提督「服装までちゃんとしてると全然違うよ。普通にロングの美少女」
北上「それは重畳。これなら変装効果もあるしね」
提督「なんつーか照れくさいな」
北上「見た目変わっただけでそんなに?」
提督「うん」
北上「どーてー」
提督「うるせー」
本気で不満そうな顔をされた。
308 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:14:52.36 ID:nQsWyKb10
北上「…」ジー
提督「んだよ?」
北上「むしろ提督の服装の方が珍しいと思うけどね」
提督「確かにな、俺もこれ着たのすげぇ久々だ」
北上「いっつも制服かシャツだもんね」
提督「この生活じゃどうしたって機能性利便性重視になるからな」
仕事場とはいえ年がら年中同じ施設に閉じこもってるのだから服装なんて誰も気にしないのだ。
北上「こうしてみると金髪が映えるね」
提督「カッコイイか?」
北上「いやチャラい」
提督「ダメかな」
北上「金髪にしなきゃいいのに、染めてるんでしょ?」
提督「ここは譲れん」
北上「こだわるのね」
309 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:15:23.73 ID:nQsWyKb10
提督「お、バスが来たな」
北上「ホントだ」
あれ?そういや提督の服って部屋から持ってきたってことだよね。
取りに帰ったってことは無さそうだしこれも吹雪の協力なのだろうか。
提督「バスってのも久々だ」
北上「今日は車じゃなくてよかったの?」
提督「車だしたら目立つじゃん」
北上「あーね」
310 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:16:09.05 ID:nQsWyKb10
「おー嬢ちゃん。その人が前に言ってた兄ちゃんか」
提督「兄?」
北上「げっ」
まさか同じ運転手とは…
提督「兄ちゃんってのは?」
くそう全く対策してなかったい。
北上「そうなんですよー今日久々の休日でしてー」ギュゥ
提督「ッァタ!そ、そうなんすよー」
「そいつはよかったな」
北上「あはは」
提督「わはは」
311 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:17:27.02 ID:nQsWyKb10
提督「で?どういう事だよ」
北上「前に咄嗟の嘘で鎮守府の兄に会いに来たって言っちゃって」
提督「なるほどね」
北上「完全に忘れてたよ…」
提督「ところで捻られたケツが地味に痛い」
北上「ゴメン、マジゴメン」
バスの一番後ろ。運転手から可能な限り離れた場所に座る。
北上「窓側は譲らないよ〜」
提督「なんだよ、車酔いでもするのか?」
北上「窓際と関係あるのそれ?」
提督「外眺めてると酔いにくいんだと」
北上「へ〜、私は単に景色を見たいだけ」
312 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:18:01.96 ID:nQsWyKb10
北上「昨日皆とも話してたけどさ、私達って長時間海上にいる事が多いじゃん?景色がどこを見ても同じようなものだから退屈でさ」
提督「あー、あー!確かに、そりゃ考えた事無かったな」
北上「まあそれはいいんだけどさ」
提督「いいのかよ」
北上「それはそれだよ。でさ、提督もいっつも机で書類とか画面とかと睨めっこじゃん?退屈じゃないのかなって」
提督「俺はよくゲームの画面みてたりするけどな」
北上「これはひどい」
313 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:21:05.09 ID:nQsWyKb10
提督「でも、そうだなぁあんまし退屈はしないかな」
北上「そうなの?」
提督「1番目に映るのはお前らだしな、退屈しないよ」
北上「おー提督っぽい事言った」
提督「どーよ少しは尊敬したか」
北上「これが普段からならなぁと」
提督「バッカおめえこういうのはここぞという時に言ってこそなんだよ」
北上「今がその時ぃ?」
提督「違ったかな」
北上「いいけどね、私はちょっと嬉しかったよ?」
事実だ。なんというか、つい顔が綻んでしまうような嬉しさがあった。
提督「…」
北上「え、何その沈黙は」
提督「なんでもないっす」
北上「うっそだーなんだなんだ何を考えてたコノヤロウ」
提督「うわ揺らすな揺らすな」
314 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:22:32.36 ID:nQsWyKb10
北上「…」
提督「…今度はそっちが沈黙かよ」
北上「大井っちってさ、最近変わったよね」
提督「あ、アイツが?んなことないだろー」
棒読みくさい。
北上「前はこんな風に私が引っ付くと反応が凄かったんだ」
提督「例えば」
北上「んー一言で言えばトロけてたね」
提督「あーうん分かるわ想像つくわ」
北上「なのに最近全然そういうのなくなってさ」
提督「寂しいのか?」
北上「どっちかって言うと嬉しい」
提督「あ、そこは普通なのね」
北上「私はノーマルだよ」
315 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:23:52.62 ID:nQsWyKb10
提督「別にアイツもアブノーマルなんてことはないと思うんだがな」
北上「それには同意するけどね。ぽさはあるけど」
提督「何やかんやで常識はしっかり持ち合わせてるからなアイツ」
北上「だよねぇ。いつから変わったのかなあ大井っち」
提督「改ニ辺りからじゃねえか?」
北上「やっぱ変わってんじゃん」
提督「げっ」
北上「正直者だなぁ提督は」
提督「うっせ」
北上「褒めてるんだよ?」
提督「はいはい。でもさ、俺もなんで急にアイツが変わったのかよくわかんねぇんだよ」
北上「そうなの?」
これは本当っぽい。カンだけど。
316 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:24:44.14 ID:nQsWyKb10
提督「ま、きっかけなんて些細な事だったりするからな。俺らが話しててもわからないだろうさ」
北上「そりゃそうだ」
きっかけ、きっかけねぇ…
北上「えい」スッ
提督「…あんまり寄りかかると危ないぞ」
北上「私にもきっかけがあったのだよ」
提督「きっかけ?」
北上「もう一人の私が囁いたのだ」
提督「なんだそりゃ」
317 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:26:11.13 ID:nQsWyKb10
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
北上「一日ぶりだ」
提督「俺は、どれだけぶりだろうな。覚えてねぇや」
お馴染みのでっかいデパート。あれだけ新鮮だったこいつも僅か二回でお馴染みと思えるようになるんだから面白い。
提督「丁度お昼だしなんか先に食べちまうか」
北上「さんせー」
提督「何かご注文は?」
北上「タバスコ入りピッツァ以外ならなんでも」
提督「は?」
318 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:26:52.79 ID:nQsWyKb10
北上「エスカレーターは、あれか。いやあっちかな?」
提督「覚えてないのかよ」
北上「あんまり使わなかったからさ」
提督「あと多分北上が探してんのはエレベーターだ」
北上「え?えーっと、箱の方がエレベーター?」
提督「エレベーター。階段の方がエスカレーター」
北上「移動手段としては車と電車くらいに違いがあるのになんでこんなに名前がややこしいんだ」
提督「気持ちはわかる」
北上「そしてやっぱ場所がわからない」
提督「なら丁度いいや。エスカレーター使おうぜ」
丁度いいって何がだ?
319 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:27:22.45 ID:nQsWyKb10
北上「エ、スカレーターは噴水の横だったよ」
提督「噴水。あー写真撮ってたやつか」
北上「見たの?」
提督「おうよ」
昨日大井っちに見せてもらってたのかな。
北上「どうだった?」
お洒落した大井っちなんて提督もあまり見ることはないだろう。
提督「そりゃあ、うん、凄く良かったと思う」
北上「良かったって、具体的には?」
提督「か、可愛かったよ」
何赤くなってんだこの野郎。なんかイラッとする。
こういうのをちゃんと大井っち本人に言ってあげてるのかねぇ。
320 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:27:49.86 ID:nQsWyKb10
北上「あ」
提督「どした?」
北上「あのお店」
提督「お店、アレか」
北上「大井っちが気にしてたんだよね」
提督「噴水横のお店、なるほど。よっしあそこ行こうぜ」
流石の食いつきだ。大井っちの名前出せば月でも行くんじゃなかろうか。
北上「で何の店だろ」
提督「喫茶店じゃないか?」
北上「あ、Cafeって書いてある」
提督「じゃカフェか」
321 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:29:08.71 ID:nQsWyKb10
北上「Cafeと喫茶店って何か違うっけ?」
提督「カフェはカフェが出てくるんじゃね?」
北上「いやCafeくらい何処でもあるんじゃないかな」
提督「そうなのか」
北上「というかCafeってコーヒーって事じゃん」
提督「マジか。知らなんだ」
北上「今は普通に飲食店って意味で使われてると思うけど。やっぱ喫茶店と同じか」
提督「言葉ってめんどくさいな」
北上「外来語って大抵意味と響きのどっちかが置いてかれて伝わるからね」
提督「世界で統一してくれりゃいいのにな」
北上「ヤード・ポンド法とかね」
提督「何それ」
北上「夕張と明石がよく呪ってた」
提督「何それ…」
322 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:30:34.55 ID:nQsWyKb10
店内は木の色に近い茶色をメインにしたシックな感じで、
ところでシックな感じってつまりどういう感じなのだろうか。私としてはあーよく小説なんかである感じの落ち着いた喫茶店だーとしか言いようがない。
北上「なんか大井っちを思い出すや」
提督「なんで?」
北上「ほら、髪の色」
提督「あー、確かに似てるな」
北上「茶髪って聞くとなんとなくチャラチャラしたイメージだけど大井っちの髪って凄く落ち着いた雰囲気があるよね」
提督「それはチャっていう響きのせいだろ…それにこの色は俺にとってはやかましいイメージが強いな」
北上「そんなの提督の前だけだよ、多分」
323 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:31:00.28 ID:nQsWyKb10
提督「お前の前じゃ違うのか?」
北上「子犬みたい」
提督「子犬?」
北上「遠くにいると尻尾ブンブン降って物凄い勢いで近づいてくるんだ。で近くまで来ると物凄い落ち着いてゆったりしてくれる」
提督「なるほど、そりゃ子犬だな」
北上「そんな感じ、だった」
提督「今は?」
北上「どこにいても落ち着いてる」
提督「子犬から成長したとか?」
北上「かもね。っと、それよりメニュー決めようメニュー」
324 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:31:54.27 ID:nQsWyKb10
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
提督「俺が知らねぇとこでそんな事になってたのか」
北上「最終的にゴキブリは金剛さんが捕まえて終わり」
提督「え、どうやって」
北上「素手」
提督「やだ怖い」
北上「瑞鶴さんが爆撃機取り出した時はビビったね」
提督「あいつのあの何でも爆撃しようとするクセはどうにかしたい」
「お待たせ致しました」
北上「お、きたきたきましたよ」
提督「グルメかよ」
北上「提督って意外とネタが通じるよね」
提督「俺としては北上がネタを降ってくるのが意外なんだけどな」
北上「そこはほら夕張達が」
提督「あんにゃろ余計なことばかり」
北上「余計でもないよ」
325 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:32:53.41 ID:nQsWyKb10
提督「それにしても…」
北上「まあ、こうなるな」
私の前にはオレンジジュースとフレンチトースト。提督の前にはコーヒーがとスパゲッティ。
北上「提督って舌が結構お子様だよね。カレーも辛いのダメだし」
飲み物を交換する。
提督「舌が若いと言ってくれ。それに普通に考えたら苦いものや辛いものを美味いと思うのってむしろ変じゃないか?」
コーヒーを飲んだ訳でもないのに苦い顔をしながらそういう。
北上「それは、言われてみるとそうかもね」
326 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:34:21.58 ID:nQsWyKb10
提督「それに北上がコーヒーを飲むってのも意外だな」
北上「好きってわけじゃないよ。嫌いじゃないだけ。こんな場所だしなんか飲んだ方がいいかなぁって」
提督「雰囲気の問題かよ」
北上「いつもは牛乳とかお茶とかだよ。ジュースはあんまり飲まないかも」
提督「へぇ、俺もお茶かな。あと炭酸」
北上「お酒か」
提督「俺はそんなに飲まねえよ。吹雪はやたら飲むけどな」
北上「さすふぶ」
提督「うちだと何派が多いんだろうな」
北上「駆逐艦なんかは結構コーヒー紅茶を飲む子が多いよ。コーヒーは阿武隈の影響が強いのかな。紅茶は言わずもがな」
提督「阿武隈ってコーヒー派なのかよ。意外すぎる」
北上「私としては1番以外なのは六駆でコーヒー飲めるのが電だけってとこかな」
提督「全員酒は飲めるくせにな」
北上「ねえ」
327 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:35:33.36 ID:nQsWyKb10
提督「スパゲッティなんて久々に食べたわ」
北上「いつも和食?」
提督「和食、というか米だな。ご飯がなきゃダメだ」
北上「私は結構なんでもかな。朝も和食だったりパンだったり」
提督「気分か?」
北上「そんな感じ。他のみんなは和食だね。多摩姉はキャットフードだけど」
提督「ええ!?嘘だろ!?」
北上「嘘だよ」
提督「おい」
北上「ジョーダンのつもりだったんだけどさ…」
提督「いやぁなんか多摩ならあるいはって思えて…」
気持ちはわかる。
328 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:36:35.25 ID:nQsWyKb10
北上「せっかくだしどう?コーヒー」ハイ
提督「え、それはちょっと」
北上「そんなに嫌い?」
提督「そーゆーんじゃねえけどさ。ええいままよ」ゴクッ
北上「おーいい飲みっぷり」
提督「にっげぇ…」
北上「苦いのは当たり前だよ。それが美味しいかどうか」
提督「俺はきっと生まれる星を間違えたんだな」
北上「そんなにダメか」
提督「…でもちょっと甘い」
北上「え?」
329 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:38:10.97 ID:nQsWyKb10
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
北上「ごちそうさま」
提督「さて。でこれが今日の買い物内容だ」
北上「んー、ん?少なくない?」
提督「被害は主に床と家具だからな。そういうのは流石に業者に頼むさ」
北上「そりゃそうか」
提督「それにあの部屋あんまり書類とか置いてないしな!」
北上「仕事しろ」
提督「実際今じゃ仕事の殆どはパソコンだし」
北上「それは大丈夫だったの?」
提督「ダメだった。でも新しいのを明石達が組み立てるってさ」
北上「…パソコンって組み立てられるものなの?」
提督「らしいぞ」
北上「流石だね2人とも」
提督「ホンマそれ」
330 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:38:48.54 ID:nQsWyKb10
提督「じゃあ行くか」
北上「あいあいさー」
提督「買い物は少しだしサクッと終わらせちまおう」
北上「そしたらパンツか」
提督「それはもう忘れてくれ」
北上「え〜どうしよっかなぁ。吹雪とか大井っちとかに話したら面白そうじゃない?」
提督「待て、それは待てマジで待って頼むから」
北上「じゃあなんか奢りって事で」
提督「あのなぁ…今自分の上官を脅してるって分かってんのかよ。それに奢られほど金に困っちゃういねぇだろ」
北上「でもさ、だからこそ奢られるって中々ないじゃん?」
提督「なるほど。いやなるほどじゃねえよ」
北上「さあ行こう」
提督「無視かおい」
北上「とっかーんすすめー」
331 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/12(木) 04:43:56.80 ID:nQsWyKb10
北上は髪解くとヤバイ
もうまる1年も経つんですねこれ
これしか書けていない…
332 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/12(木) 10:05:14.46 ID:aYJaBVL7O
わかるわ
のんびりで続くのが一番嬉しいんですよ?
乙!
333 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/12(木) 18:47:13.91 ID:31cUbfcxo
乙上さん
334 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:45:55.24 ID:djwBBFT40
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
提督「これ良さそうだな」
北上「ファイルとかなら夕張達がいっぱい持ってるよ。キャラものの」
提督「あの手のを仕事に使うってのはちょっとな」
北上「身内しかいない職場だしいいんじゃない?」
提督「そもそも夕張とかはその手のファイル使ってんのか?」
北上「燃えたり焦げたりの事故が多発してやめたらしいよ」
提督「それは辛い」
335 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:47:24.42 ID:djwBBFT40
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
北上「ペンってやたら種類が多いよね」
提督「正直どれがいいとかわかんねぇよな」
北上「どうすんのさ?」
提督「前使ってたのと同じのでいいだろ」
北上「無難だね」
提督「そもそも今は書くより入力する時代だしなぁ」
北上「秋雲も言ってたよ。今の方が便利で良いけれど唯一性が減ったというか、絵一枚一枚が消費される時代になったって」
提督「つまりどういうことだってばよ」
北上「私も理解したとは言い難いけど、本と電子書籍とかに置き換えてみると分からなくもないかなって」
提督「なんでも電子化ってのも困りものか」
北上「一長一短でしょ。便利になったのは間違いないんだからさ」
336 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:47:57.20 ID:djwBBFT40
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
提督「テレビを新調しようか迷っててさ」
北上「どこの?食堂の?」
提督「俺の部屋の」
北上「部屋にテレビあったんだ」
提督「テレビっつーかモニターだな。ゲーム用だよ」
北上「まさか経費で」
提督「提督権限で」
北上「悪い大人だー。きっとこの後私が食べるアイスも経費で落とすつもりに違いない」
提督「んな細かいのするかよ。つかアイスの奢りをご所望か」
337 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:48:41.16 ID:djwBBFT40
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
北上「てーとくの部屋に入ったことないんだよね」
提督「まあ基本人は入れないようにしてるしな」
北上「なんで?」
提督「秘密の書類とかあるしな。うっかり見ちまうと命を狙われるぜ」
北上「私ら球磨型を甘く見ちゃあいけないよ。並の軍隊なら球磨姉がぶっとばしちゃうからね」
提督「大井は暗殺とか得意そうだよな。ニコニコしながらサクッとやってきそう」
北上「多摩姉はあれかな、ボケっとしてそうに見えて実は裏切り者で、とみせかけて二重スパイみたいな」
提督「北上は、そうだなあ。スナイパーとか似合いそう。バレットとかさ」
北上「対物じゃんそれ。木曾はー、木曾は、真っ先にやられそう」
338 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:49:20.97 ID:djwBBFT40
提督「何故かそういうイメージになるな」
北上「強いんだけどね。なんか生き残るイメージないよね」
提督「純粋に良い奴なんだけど純粋過ぎて死亡フラグ乱立した挙句やられそう」
北上「世の中を生きていくにはあまりにもバカ正直だからねぇ」
提督「…これは悪口だろうか」
北上「褒めてるという事にしておこう。実際褒めてるし」
提督「そうだな。そうかな」
北上「いい子だよ」
提督「そうだな」
339 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:50:22.34 ID:lcRkh4d20
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
提督「よし。買い物はこれで終わり」
北上「ではアイスを食べよう」
提督「そんなに食べたいのかよ」
北上「ちょうど小腹すいたしちょうどいいじゃんか」
提督「それもそうか。あそこでいいか?」
北上「いいよ。何食べる?」
提督「俺はバニラでいいや」
北上「じゃあ私ゃメロンでお願いしますよー」
提督「あいよお姫様」
340 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:51:02.60 ID:lcRkh4d20
近くの椅子に座りパツキンの背中を見送る。
周りには随分と人がいるけれど2回目ともなると少しは慣れてきたようだ。
改めて見るとカップルが多いな。
私達もそう見えるのだろうか。
北上「だとしたらやはりパツキンはいただけない」
あれ?そういえば私の飼い主も金髪だったがあれはどうだったっけな。
記憶としてはかなーり微妙な感じだ。
写真の女性は確かに綺麗な金髪だったけど。
北上「ん?」
341 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:51:34.11 ID:lcRkh4d20
鳴き声がした。
おっと字が違う。泣き声だ。
見ると店の横のテーブルのひとつで小学校低学年くらいの男の子が泣いていた。
側で膨れっ面になっているのは姉だろうか。
こちらも男の子の方とそう年は離れていないように見える。
「ほら、いったい何があったの」
提督と同じようにアイスを買いに行って戻ってきたらしい母親が必死にとりなす。
「お゛ね゛え゛ぢゃんがぁ!」
「違うもん!私は取り返しただけだもん!」
姉弟喧嘩というやつか。
342 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:52:06.07 ID:lcRkh4d20
兄弟、姉妹。いや、
北上「ケンカかぁ…」ハァ
提督「どうした?ため息なんかついて」
北上「おかえりー。って、ありゃ?都会のメロンアイスクリームってオレンジ色なの?」
提督「メロンの方は生憎と売り切れでな。変わりにオレンジにした。嫌いだったか?」
北上「うんにゃ。甘けりゃかまいませんよー」
差し出されたオレンジアイスクリームを受け取りひと舐めする。
北上「うんうん。いいねぇ、侘び寂びだねぇ」
提督「そういうのは抹茶味とかに言う感想なんじゃねーの」
そう苦笑しながら提督もアイスクリームを食べる。
343 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:52:41.52 ID:lcRkh4d20
私達(艦娘)は喧嘩をしない。
勿論小さな喧嘩。小競り合いというか言い合いというか取っ組み合いというか、それくらいはある。
というか日常茶飯事だ。
でも大きな喧嘩はない。滅多にない。
結局のところ少しばかり言い合いをしたり、ちょっとばかし取っ組みあったりするのはコミュニケーションのうちだ。
中には全力で拳で語り合う者もいると聞くが。
それでも本当に殴る蹴るだとか、無視するだとか、仲違いをするだなんて事が起こらないのは、私達が知ってるからだ。
それはもう刷り込まれていると言ってもいい。
戦場においてそういった亀裂は死を招くことを。自分にも、相手にも。
344 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:53:15.25 ID:lcRkh4d20
だから本気で本音を言い合える人間が羨ましい、と言う訳では無い。
別にどちらがいいとか悪いという訳ではなく、要は隣の芝生という事なのだ。
冷静に考えれば喧嘩なんて起こらない方がいいに決まってるのだから。
自分達にないものというのはどうにも輝いて見えるものだ。
北上「…提督はよく大井っちと喧嘩してるよね」
提督「喧嘩…喧嘩かなぁ?いや喧嘩かぁ。あんまし考えた事なかったな」
北上「いいよねえ、仲睦まじくて」
提督「そう見えるのはおかしくないか?」
北上「喧嘩するほど仲がいいっていうじゃん」
提督「まあ仲が悪いわけじゃないけどさ。ならやっぱ喧嘩じゃねえのかなあ」
北上「じゃあなんなのさ?」
提督「んー取り合い?」
北上「何の?」
提督「…秘密」
345 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:53:45.84 ID:lcRkh4d20
北上「えーズルいなぁ」
提督「なんでだよ」
北上「お詫びにアイス1口ちょーだい」
提督「何がお詫びだ食いしん坊め」
北上「食いしん坊といえば多摩姉だね。すごいよ多摩姉のお腹は。四次元ポケットだよあれ」
提督「猫型ロボットだったのか」
北上「えい」ペロッ
提督「うわあっぶね、零れたらどうすんだよ」
北上「うーんバニラ」
提督「そりゃバニラだからな」
北上「もっと甘いのがいい」
提督「ホント好きな甘いの」
346 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:54:29.80 ID:lcRkh4d20
北上「はい」
提督「?」
北上「私のメロン、もといオレンジアイスを1口やろうじゃないか」
提督「えっと、いいのか?」
北上「そんなに躊躇するとこじゃなくない?」
提督「いやだって、食べかけだしさ」
北上「そこ気にするところ?」
提督「はぁ、わかったわかったいただきます」
北上「どお?」
提督「…めっちゃ甘い」
北上「そんなにかな」
コーヒーもそうだったが提督、なんでも甘いと感じる舌でも持ってるのだろうか。
347 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:55:08.34 ID:lcRkh4d20
北上「でさ、考えたんだけどさ、別に下着じゃなくてもいいんじゃないって」
提督「俺も出来ればそうしたいけど他に思いつかなくてな」
提督の言わんとすることは分かる。
艦娘はオシャレをしない、しにくい。
着飾っても基本的に鎮守府の中だけ。出撃は不思議と入渠で回復する制服しか着ない。
バックなんかも使わないしキーホルダーなんかも付けるところもない。
普段から身につけてくれるようなものをあげたいとなると選択肢がヒジョーに狭いのだ。
北上「となると髪留めとか寝間着とかいいんじゃないかなって」
提督「あいつ髪留めなんか使うのか?」
北上「邪魔だからってまとめる事は割とあるよ。貰ったら積極的に使いたくもなるだろうし」
348 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:55:38.25 ID:lcRkh4d20
提督「北上だったら何が欲しい?」
北上「私?なんで?」
提督「参考までに」
北上「私はもっと普段使うものが少ないしなぁ」
今欲しいものかあ。本とかしか思い浮かばない。
北上「あ、スマホケースだ」
提督「スマホケース?北上とは1番縁遠い単語だな」
北上「私だってこいつと仲良くなろうと頑張ってるんですよ〜。で、手始めにというか訳あってケースが欲しくて」
提督「昨日買わなかったのか?」
北上「買おうと思ったのが結構後の方でさ。大井っちにもまた今度にしたらって言われたし」
提督「はぁん、流石だぜ大井っち」
北上「え?」
してやられたというような顔でよくわからない事を言う。
349 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:56:10.81 ID:lcRkh4d20
提督「じゃケース買いに行くか」
北上「そんなんでいいのホントに?」
提督「下着よりはいいだろ」
北上「そりゃまあ」
提督「北上にも買ってやるよ。今日のお礼って事で」
北上「いよっ太っ腹」
提督「腹と言やあそろそろダイエットの季節だな」
北上「食欲の秋?」
提督「そゆこと」
北上「それならこの前阿賀野が減量失敗宣言してたよ」
提督「早くない!?」
350 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:56:42.94 ID:lcRkh4d20
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
北上「これ」
提督「相変わらず猫好きだな」
北上「可愛いじゃん?」
提督「そりゃそうだがな」
私が選んだのは猫のマークがあしらわれた黒いケース。
北上「ここにカードとか入れるポケットもあるしね」
提督「なんか入れるのか?」
北上「えーっと、今運の上がるお守りとか?」
提督「なんだそりゃ」
ゴムとは言えない。
351 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:57:22.47 ID:lcRkh4d20
北上「てーとくは何買うか決めたの?」
提督「モチのロン」
北上「どれどれ?」
提督「これとかどうよ」
北上「…え?」
提督「変か?」
北上「変、じゃあないけどさ」
それは私のと色違いの、白いケースだった。
提督「北上とお揃とかいいんじゃないかなって」
北上「喜ぶとは思うけどね」
提督「じゃあいいんじゃね?」
そこは普通提督とお揃いにする流れだろうよ。天然なのかこの人。
352 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:58:23.97 ID:lcRkh4d20
北上「じゃあこれでいっか」
提督「よっし買ってくるぜ」
北上「あいあい」
まあいいや、別に私がそこまであの二人を応援する理由もないし。
考えてみればお揃いのものなんて恥ずかしくって出来なさそうなら2人である。
北上「面倒なカップルだ事」
お店を出て入口で提督を待つ。
これで今日の買い物は終わりかぁ。
案外あっという間だ。
あっという間すぎて少々、もったいない。
353 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 02:58:57.79 ID:lcRkh4d20
提督「おまたー」
北上「意外と荷物増えたね」
提督「かさばるものも多いしな。つってもどれも軽いから問題ない」
北上「エー、スカレーターはあっちか」
提督「他になんか買いたいものあるのか?」
北上「ん?帰るんじゃないの?目的のブツは買えたんだし」
提督「いやいや、せっかくなんだしもう少しいようぜ」
北上「いいの?」
提督「多少遅くなったって問題ないだろ」
北上「ホントかよ」
提督「そのための今日だ」
354 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 03:00:15.53 ID:lcRkh4d20
北上「ふーん、そっかあ」
提督「あ、いや、帰りたいってんなら別にそれでもいいんだぞ?」
北上「まさかでしょ。せっかく、なんだしね」
提督「だな」
北上「へへ、じゃあもうちょっとだけたくさん遊びましょうかねぇ」
人間は、例えばズル休みとかそういう少しだけ背徳感のあるわるーい事を妙に楽しいと感じる生き物だ。
北上「ねっ、てーとく」ニッ
そんな背徳感は例えば秘密を共有する悪友なんかがいるとさらに気持ちよくなって、ついついニヤリと笑ってしまう。
提督「」
北上「…てーとくー、おーい」
提督「お、おう。わりぃわりぃ」
355 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/20(金) 03:03:50.93 ID:lcRkh4d20
また長くなってきてる
地獄のように暑いですが夏イベまで頑張って生きましょう
356 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/20(金) 11:45:04.75 ID:AjX19L6wO
おつ
ほんと暑いよね…
357 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/20(金) 11:48:29.13 ID:AH4yoXgIo
おつ溶けそうなぐらい暑いねえ
358 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/20(金) 22:32:08.34 ID:1uj13XO10
提督欲張りすぎて自滅コースかこりゃ
359 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/23(月) 02:14:47.24 ID:RQNzXMYG0
提督「で、北上はどこ行きたい?」
北上「んーそだねぇ」
何処か。
大井っち達と来た時は時間の都合でそう多くは回れなかった。
夕張達の言ってたアニメやら漫画やらの店も行ってみたいし、
ペットショップじゃなくて魚や鳥なんかも見てみたい。
ブックカバーや栞なんかを探すのも悪くないかな。
他にも…
360 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/23(月) 02:15:39.88 ID:RQNzXMYG0
北上「ん」
提督「ん?」
北上「ほら」
提督「いや、なんだ?その手は」
北上「てーとくが連れてってよ。私が行きたい所じゃなくて、提督が連れてってくれる所に行きたい」
提督「…いいのか?俺なんかで」
北上「私が行きたい所ならまた大井っち達と、なんなら私一人でも来れるからさ。なら今は今しか行けないところに行きたい」
提督「やれやれ。責任重大だなこりゃ」
北上「そんなに固く構えなくてもいーよ。お散歩気分でいいんだよこーゆーのは」
提督「仮にも男だからな。エスコートくらいしっかりやれって言われてんのさ」
361 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/23(月) 02:16:28.47 ID:RQNzXMYG0
北上「…」
まぁた大井っちか…もうデートとかしたのかな。
提督「よし決めた!いつまでも女性を待たしちゃいけねえやな」
そう言って差し出した私の手をしっかりと握ってくれた。
北上「今日は提督が羅針盤だね」
提督「変なところに連れてかれないように祈っとくんだな」
北上「で、進路は?」
提督「お前ゲームとか興味あるっけ?」
北上「夕張達とやったりしてるよ、色々と。一人の時は読書優先なだけ」
提督「オーケーオーケー。ならまずは、ゲーセン行こう!」
北上「わお」
362 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/23(月) 02:17:08.27 ID:RQNzXMYG0
遊んだ。ひたすらに遊んだ。そりゃもうネジの二三本落っことしてきたんじゃないかってくらいに。
北上「私運転の才能ないのかな」
提督「レ、レーシングゲームで負けたくらいで運転の才能はわからんだろ」
北上「まさか曲がりたい方向に身体を傾けちゃうような奴が実在した上にそれが自分だとは…」
提督「免許取るつもりとかあったのか?」
北上「原付くらいは乗ってみたかった」
上司と部下とか提督と艦娘とか人とか船とか猫とか男女とか関係なく、気の合う友人との愉快な時間だった。
363 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/23(月) 02:17:52.96 ID:RQNzXMYG0
提督「死んだ…」orz
北上「情けないなあ。仮にも軍人でしょ」バババ
提督「俺は銃なんか訓練した事ねえっての。なんでお前はそんなに得意なんだよ」
北上「そりゃまあ実際に撃ってるしね」リロード
提督「え」
北上「え、あ、あれね、単装砲とかをね」バババ
提督「あーそゆこと。確かに大きさ的には銃と変わらないものな」
ゴメン、本物の銃握ってます。
北上「よしクリア。次のステージ行く?」
提督「もういいや、他のやろ」
北上「拗ねた…」
364 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/23(月) 02:18:29.78 ID:RQNzXMYG0
北上「リズムゲームって意味がわからない」
提督「でもクリア出来たじゃん」
北上「流れてくるアイコンに合わせて太鼓を叩くって意味なら別にそう難しくはないよ。でも曲にのってってのがサッパリ。多分無音でやっても私の得点は変わらないと思うよ」
提督「あーそういうことか。でもこればっかしは感覚的なもんだしなあ」
北上「だよねえ」
提督「うんうん」
北上「ところで提督」
提督「なんだ?」
北上「イージーでやったら?」
提督「ノーマルより下げたら負けかなって」
北上「クリアしてから言おうよそれは」
365 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/23(月) 02:19:12.02 ID:rz/jPoUI0
提督「これがプリクラ」
北上「お金を入れてくださいだって」
提督「お、始まった」
北上「なんか色々選べるね」
提督「おい時間制限あるぞこれ」
北上「短っ!初見殺しじゃん」
提督「とりあえずノーマルで」
北上「補正もいっぱいあるね」
提督「目の大きさってなんだよ」
北上「若さ補正まである」
提督「若さ、若さってなんだ」
北上「振り向かないことだよ」
366 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/07/23(月) 02:19:51.04 ID:RQNzXMYG0
提督「これでいいかな」
北上「うわ始まった」
提督「早くね!?早くね!?」
北上「ど、どーする?ポーズどうする?」
提督「なんかこう、かっこいいやつでいこう!」
北上「よし来た!」
パシャッ
提督「なんで2人してガイナ立ち」
北上「咄嗟に簡単に取れるかっこいいポーズ」
提督「まあそうだけど」
北上「次来た」
提督「やっぱ短ぇ!」
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