幼馴染「ずっと前は好きだったよ」 男「えっ」

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396 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/24(木) 00:20:52.37 ID:sFOQwJYz0
後輩「はあ……。すみません。先輩を捕まえてきます」

男「大変だね、君も」

後輩「いいのです。こういうダメな部分も含めて好きなのですから」

男「友は幸せ者だな」

後輩「男先輩だって、幼先輩から愛されているでしょう」

男「……うん。俺も充分幸せ者だね」

後輩「ふふふ。お二人が順調で私も嬉しいです!」

男「……土曜日に試練が待ち受けているけどね」

後輩「えっ?」

男「いや、なんでもないよ」
397 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/24(木) 00:28:53.11 ID:sFOQwJYz0
後輩「それでは、私は失礼しますね」

男「行ってらっしゃい」

女「じゃあ、また後でね」

後輩「あ、お姉ちゃん」

女「なーに? お別れのキスでもする?」

後輩「男先輩に失礼なことをまた言ったら、お風呂はなしですからね」

女「もうしない! 絶対しないよ! 妹に誓って絶対しない!」

後輩「だから、私に誓っても大した効力は……」

男「ああ、よかった。それなら安心だ」

後輩「ある、みたいですね……」
398 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/24(木) 00:32:38.84 ID:sFOQwJYz0
男「俺もそろそろ行くわ」

女「えー? ちょっとくらい構ってよー」

男「は? お前には部活あるだろ。西高に勝って全国行くんだから、ちゃんと練習しろよな」

女「部活までちょっと時間あるしいいじゃん。土曜日の試練について聞かせてよ」

男「……聞こえてたのか」

女「面白そうな話を私が聞き逃すわけないでしょ」
399 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/24(木) 00:35:58.98 ID:sFOQwJYz0
女「試練っていうのは同窓会のことだよね。昨日、私が話したことは解決してるんでしょ。一体、何が試練なの?」

男「……同窓会の幹事が厄介なんだよ。そいつは中学の頃、幼に惚れてて、猛烈アプローチをしてたんだ。まあ、幼は相手の好意にさえ気づいていなかったみたいだけど」

女「ふーん。でも、それは中学時代の話でしょ? 今も好意を抱いているのかわからないじゃない」

男「いや、間違いなく、想いは継続してる。前回の同窓会は5月。こんな短期間に同窓会をやるか?」

女「……なるほど。幼に会うために同窓会を開催してるわけね」
400 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/24(木) 00:37:49.69 ID:sFOQwJYz0
男「あいつは一方的に俺をライバル視しててよ、いろいろあったんだ」

女「その君が、幼を口説くために設けた場に来る。これはひと悶着ありますねえ……」

男「しかも、幼自ら俺を連れていくって連絡したからな」

女「相手からすれば屈辱的だね。ちなみに、その人は君たちが付き合ってることを知ってるの?」

男「いや、知らないはずだ。同窓会でサプライズ発表するって幼が意気込んでたし」

女「おお! これは修羅場確定だ!」

男「……お前、なんで喜んでんの?」
401 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/24(木) 00:38:49.11 ID:sFOQwJYz0
女「でも、発表するならいいじゃん。それで向こうも諦めるでしょ」

男「降伏どころか、宣戦布告するような人間なんだよなあ……」

女「宣戦布告されたら応戦するのは当然のこと。ぺんぺん草も生えないくらい爆撃してあげな」

男「どうやって?」

女「イチャイチャすればいいんだよ。相手が入り込む余地がないと悟らせるくらいにね」

男「ば、馬鹿! 人前でイチャつけるか!」

女「球技大会の時、私の目の前で抱き合ってた人がよく言うよ」
402 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/24(木) 00:39:31.85 ID:sFOQwJYz0
男「お前が思ってる以上にあいつは厄介なんだよ!」

女「大丈夫だって。下手な策略巡らせる人間なんて大抵自爆するから。大爆死したこの私が言うんだから間違いない」

男「えっ? お前、何かやったの?」

女「まーまーそれはいいじゃない。とにかくさ、自信もって戦いなよ」

女「君以上に幼に相応しい人間はいないんだから」

男「……っ」

女「や、やっばい! 柄にもなく励ましちゃった! これはもう料金発生するレベル! うん。3000円くらいは貰わないと割に合わない!」

男「お、おい……」

女「支払いは後でいいからねー!」タッタッタ

男「……サンキューな」
403 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/24(木) 00:40:39.32 ID:sFOQwJYz0
今日はここまで!
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 00:56:11.31 ID:7x7x2Cm+o
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 12:23:28.17 ID:3JTVF/eqO
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/24(木) 18:44:23.14 ID:ZdXgCVzTO
407 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/26(土) 01:52:18.93 ID:nuov5SJi0
>>404
>>405
>>406
ありがとう! すっごい嬉しい! これからも宜しくね!
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/30(水) 10:23:04.15 ID:W116BgtbO
乙です
409 : ◆TMTTBwd/ok [sage]:2019/02/04(月) 00:41:08.06 ID:hV8MJ/b00
>>408
ありがとう! 頑張ります!
410 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:17:19.05 ID:6E7IkrCf0
北高 正門前
男(まさか、女があんなこと言うなんてな……)

女『君以上に幼に相応しい人間はいないんだから』

男(……本当にそうならいいんだけどな)

???「男くん、やっと来たか」

男「おまえは……!」

???「忘れちゃったかな? 南中で一緒だったんだけど。……まあ、君とはあまり接点なかったから覚えてなくてもしょうがないけど」

男「……いや、覚えてるよ。ただ、ちょっと面食らっただけだよ。まさか……」

男「俺に会いに来るとは思わなかったからよ、元生徒会長さん」

会長「久しぶりだね、男くん」
411 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:18:07.54 ID:6E7IkrCf0
カフェ
会長「あー、涼しい。何か飲むかい? 奢るよ」

男「いやいい。とっとと用件を済ませよう。同窓会の話だろ?」

会長「へえ、よくわかったね?」

男「お前が俺に会いに来る理由なんてそれしかねえだろ」

会長「それほど察しがいいのなら、同窓会に誘われても断ってほしかったなあ」

男「しょうがねえだろ。幼にしつこく誘われたんだから」

会長「だからこそ、だよ。幼くんが君を誘ったことを他の参加者が知ったら、幼くんが何を言われるかくらい想像つくだろう?」

男「……っ」

会長「前にも忠告したじゃないか」

会長「君が傍にいるだけで、あの子の評判が悪くなってしまう、って」
412 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:22:04.61 ID:6E7IkrCf0
会長「幼くんが君を連れて来ると言ったとき驚いたよ。君たちにまだ付き合いがあったことにね」

会長「あの時、忠告をして、男くんは受け入れたじゃないか。幼くんと距離を置いて、関わらないようにしていたよね」

男「中学時代は暗黒すぎて、記憶から抹消しちまったよ」

会長「何を言ってるんだ。覚えているからこそ、今年の5月まで幼くんと疎遠になっていたんだろ?」

男「……よく知ってるな」

会長「前回の同窓会で聞いたからね。君たちに何があったのかは知らないが、どうしてそのまま離れていることができなかったんだ」

会長「そうすれば、幼は今頃、僕の彼女になっていただろうに」
413 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:26:12.32 ID:6E7IkrCf0
男「……ねえよ。幼がお前と付き合うなんて、百パーセントあり得ない」

会長「どうして断言できるんだい? 前回の同窓会での僕たちを君は知らないだろ」

男「なにかあったのかよ……?」

会長「この写真を見てくれ」スッ

男「……っ」

会長「どうだい? これ以上ないくらい親密な2ショットだろう?」

男「なんで、幼はお前に肩を……」

会長「抱かれているのか、って? 決まってるだろ。彼女もまんざらじゃないからだよ」
414 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:27:28.69 ID:6E7IkrCf0
会長「まあ、この後、彼女は僕の腕を……」

男「……」ガタッ

会長「どこに行くんだい?」

男「黙れ。お前には関係ない」

会長「おやいや、嫉妬かい? 男なら黙って彼女を祝福してあげたらどうだい」

男「無理な相談だな。俺はそこまで器が大きくない」

会長「身の程を知りなよ。君は幼くんに釣り合わない。格が違うんだよ、格が」

男「……そんなことは知ってるよ。今の俺があいつに相応しいなんておこがましいにも程がある」

男「ただ、それでも俺は幼から離れねえ。いや、離さない。あいつは俺の女だ。誰にも渡すつもりはない」

会長「なっ……!?」

男「絶対、誰にも渡さねえ」
415 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:30:21.96 ID:6E7IkrCf0
西高 正門前
幼馴染「……」キョロキョロ

マネージャー「部長?」

副部長「あ、本当だ。先に帰ってたんじゃ?」

幼馴染「それが……男がまだ来てないの」

副部長「珍しいですね。いつもなら待ってるのに」

幼馴染「何かあったのかな……」

マネージャー「連絡してみたんですか?」

幼馴染「……連絡がつかないの」

副部長「まあ、どこかで寄り道してるんじゃないですか」

幼馴染「なら、いいんだけど……」

副部長「大丈夫ですよ。男さんは事故に巻き込まれたって、しぶとく生き残りますよ」

幼馴染「男が事故に巻き込まれた!? 大丈夫なの!? どこの病院にいるの!?」

マネージャー「お、落ち着いてください、部長! たとえ話ですって!」
416 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:31:48.94 ID:6E7IkrCf0
幼馴染「もう! 誤解させるようなこと言わないでよね!」

副部長「勘違いするほうがどうかと思いますけど」

幼馴染「しょうがないじゃない! 私は男のことになるとおかしくなるの!」

副部長「開き直っちゃったよ……」

マネージャー「前から気になってたんですけど、部長の彼氏さんってどんな人なんですか? 先輩たちからいろいろ聞くんですけど、実際のところどうなのかなって」

幼馴染「えっと、男はね……」

副部長「草食系ヘタレ童貞だよ」

幼馴染「ちょっと! 何よそれ!」

マネージャー「そうですよ。いくらなんでも、それは言いすぎですって」

幼馴染「いや、事実なんだけどさ」

マネージャー「えっ」
417 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:32:49.86 ID:6E7IkrCf0
副部長「事実ならいいじゃないですか」

幼馴染「よくない! 他にもいいとこたくさんあるもん! 例えば……」

副部長「じゃ、お疲れ様でーす」

幼馴染「聞きなさいよ!」

副部長「嫌ですよ。朝日が昇るまで語りそうだし」

マネージャー「さすがにそれはないでしょう……」

幼馴染「朝刊の配達が始まる頃には終わるわよ!」

マネージャー「それ、日付変わってるじゃないですか……」
418 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:34:06.91 ID:6E7IkrCf0
マネージャー「さすがにそこまでは付き合えないですよ。門限あるし……」

幼馴染「やだな。冗談だよ、冗談。そんなに長いわけないじゃん」

副部長「そうそう。1時間くらいで終わるって」

マネージャー「それでも充分長いんですけど!?」

幼馴染「女子トークが長引くのは常識だよ。知らないの?」

マネージャー「僕帰ります!」

幼馴染「なに言ってんのよ。聞いたのはそっちでしょ。最後まで聞きなさい!」グイッ

マネージャー「い、嫌です! 家に帰してください!」

???「……おい」

「!!!?」

男「なにやってんだよ」
419 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:34:43.11 ID:6E7IkrCf0
幼馴染「お、男かあ……びっくりしたあ……」

マネージャー(この人が部長の彼氏さんなんだ。でも、なんか……)

男「俺に見られちゃいけないことでもしようとしてたのかよ」

副部長(……どうしたんだろ、男さん)

幼馴染「そうじゃなくて、突然声をかけてきたからびっくりしたの」

マネージャー(聞いてた人とは違うような……)

副部長(いつもと雰囲気が違う……)
420 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:35:29.33 ID:6E7IkrCf0
男「そいつ誰?」

幼馴染「この子はうちのマネージャーだよ。最近、入部したの」

マネージャー「よ、よろしくお願いします!」

男「女子部なのに男子がマネージャーやるのか」

副部長「いろいろありまして……」

男「ふーん。まあ、どうでもいいけど」

幼馴染「どうしたの? さっきから様子が……」

男「行くぞ」グイッ

幼馴染「ど、どこ行くの?」

男「いいから、来いよ」

幼馴染「わかったから引っ張らないでよ!」

マネージャー「……本当にあの人が男さんなんですか?」

副部長「それはあたしも聞きたい……」
421 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:36:00.98 ID:6E7IkrCf0
今日はここまでですっ!
422 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 22:28:54.30 ID:6E7IkrCf0
神社
男「ここなら誰も来ねえか」パッ

幼馴染「もうどうしたのよ! ここに連れてきてなにするつもり!?」

男「なんでもいいだろ」ギュウ

幼馴染「ち、ちょっと、え、ええ!?」

男「うるせえ」チュウ

幼馴染「!!!?」
423 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 22:32:24.93 ID:6E7IkrCf0
幼馴染「ま、待ってよ!」

男「待てねえ」チュウ

幼馴染「んんっ……!」

幼馴染「落ち着いてってば!」

男「落ち着かせてくれよ」チュウ

幼馴染「ん……」

幼馴染「わ、わかったから、少し休ませて……」

男「まだまだこれからだろ」チュウ

幼馴染「……」
424 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 22:35:04.89 ID:6E7IkrCf0
十分後
男「ふぅ……」

幼馴染「……」

男「あー、その……大丈夫か?」

幼馴染「……抱き締められただけでヘロヘロになる人間が、これだけキスされて平気だと思う?」

男「ご、ごめん……」

幼馴染「もういいから、しっかり抱きとめてて。……力が入らないの」
425 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 22:45:29.64 ID:6E7IkrCf0
男「す、座るか?」

幼馴染「いい。こうして、私を抱き締めてるほうが安心するでしょ?」

男「……お前はなんでもわかるんだな」

幼馴染「唇が震えてたから。どんなに強がっても、私は誤魔化ないよ」

男「幼ちゃん……」ギュウ

幼馴染「大丈夫。大丈夫だよ。私は男の傍にいるよ」ナデナデ

男「うん……」ギュウウウウウ
426 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 22:51:44.41 ID:6E7IkrCf0
男「……今日、ある写真を見たんだ」

幼馴染「写真?」

男「幼ちゃんが会長に肩を抱かれてる写真」

幼馴染「な、何それ!?」

男「前回の同窓会の時のものらしいんだけど」

幼馴染「……あ! あの時か! えっ、写真に撮られてたの!? あれは違うんだよ! あいつが勝手に私の肩に手をかけてきて……でも、すぐに手を払ったんだよ! 本当だよ!」

男「わかってる。幼ちゃんが会長のことをあまり好きじゃないことも、付き合う前の話だからとやかくいう権利がないことだってわかってる……そんなことわか
ってるんだ。だけど、どうしても」

男「怖いんだ……」ギュウウウウ

幼「男……」
427 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 22:53:46.00 ID:6E7IkrCf0
男「あの写真を見たとき、恐ろしくなったんだ。いつか、こうなってしまうんじゃないかって」

幼馴染「ならないよ。私は離れないもん」

男「……そうだね。今は俺の傍にいてくれる。でも、いつか……俺に愛想をつかして、会長に靡いてしまうかもしれない。他の誰かのもとに行ってしまうかもしれない」

男「それは仕方のないことだってことはわかってる。むしろ、俺みたいな男より、もっといい人と付き合うべきだってことも」

男「だけど、嫌なんだ。幼ちゃんを失いたくない。誰にも渡したくない。ずっとずっと俺の傍にいてほしい」

男「……独善的だよね。幼ちゃんには、自分よりも他に相応しい人間がいるってことに気付いているのに、自分のために幼ちゃんを縛りつけてる……本当に最低だよね」

幼馴染「どうして?」

男「ど、どうしてって……」

幼馴染「だって、私はそれを望んでるんだよ? 男のことが大好きで、男の傍にずっといたいって願ってるんだよ?」

男「幼ちゃん……」

幼馴染「私を離さないで」ギュウ
428 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 22:54:33.23 ID:6E7IkrCf0
男「今回のことでわかったと思うけど、俺は相当独占欲強いよ」

幼馴染「それはお互い様だよ」

男「これからもウジウジ悩むかもしれないよ」

幼馴染「一緒に悩んであげる」

男「……不安になったときはこうやって幼ちゃんに甘えてもいい?」ギュウウ

幼馴染「大歓迎だよ、甘えん坊さん」ナデナデ

男「幼ちゃん……」

幼馴染「なーに? 男くん」

男「……大好きだよ」

幼馴染「うん。私も大好き」チュウ
429 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 22:56:58.09 ID:6E7IkrCf0
ここまで!

せっかくの同窓会編なのに、同窓会開催前にオチるっていうね……
同窓会はエピローグとしてお届けします。
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 05:42:57.42 ID:/o7AZ1W70
おつ
431 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/06(水) 22:48:02.73 ID:RXzevk+40
>>430
ありがとう! これからも宜しく!
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/08(金) 08:55:36.25 ID:NR7n11kYO
乙です
433 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/09(土) 21:12:59.03 ID:1gENetxq0
>>432
ありがと! これからも糖分多めで頑張ります!
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/13(水) 16:01:33.77 ID:vl9MqQAy0
話が読みたいのであって別にお前が見たいわけじゃないねん
435 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 01:37:11.88 ID:2mnBoQmX0
土曜日 男宅 リビング
男「親父、ちょっといい?」

父「なんだ? 小遣いならやらんぞ」

男「ちっげーよ。駅前まで車で送ってほしいんだよ」

父「あー、悪いんだけど、いま忙しくてな」

男「スマホゲームやってるだけじゃねえか……」

父「休日に何をしようが私の勝手だ。駅前くらい歩いて行け」

母「そんなこと言わずに送ってあげてくださいよ」

父「この愚息を甘やかすことなんてないさ」

母「幼ちゃんも一緒だそうよ」

父「よしわかった。幼ちゃんは俺が送っていく。お前は走っていけ」

男「クソ親父……!」
436 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 01:46:17.81 ID:2mnBoQmX0
男「なんで、俺は乗せてくれねえんだよ!」

父「車の定員は2人なんでな」

男「軽トラかよ!」

母「荷台に載せてあげればいいじゃない」

男「マジで軽トラなの!?」
437 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 01:52:51.45 ID:2mnBoQmX0
男「うちの車はミニバンだろうが!」

母「あー、そういえばそうだったかしら」

父「最近物忘れが激しくてなあ……」

男「物忘れってレベルじゃねえだろ……」

父「それにしても、幼ちゃんに会うのは久しぶりだな」

母「小学生ぐらいまではよく家に遊びに来てくれていたのにねえ……」

父「あの頃はうちに嫁に来てくれるんじゃないかってひそかに期待してたんだけどなあ……」

母「今となっては叶わぬ夢よね……」

男「……そういや、言ってなかったっけ。俺、幼と付き合ってるんだ」

父&母「な、なんだって!?」
438 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 01:56:11.64 ID:2mnBoQmX0
母「たたたたた大変よ、お父さん!」

父「母さん、落ち着くんだ! きっと男の妄想だよ!」

男「妄想じゃねえよ。ほれ」スッ

父&母「これは……!?」

男「幼と撮ったプリクラだよ」

父「お母さん、今日は焼肉にしよう! もちろん、幼ちゃんも一緒に!」

男「同窓会に行くって言ってんだろ!」

母「お姉ちゃん、男がやったわ! 幼ちゃんを口説き落としたのよーーー!」

男「やめろ! 姉ちゃんに報告すんな!」
439 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 02:01:34.18 ID:2mnBoQmX0
男「ったく、落ち着いてくれよ……」

母「落ち着いていられますか! ああ……あの可愛い幼ちゃんがうちに嫁いでくれるなんて夢みたいだわ……」

男「現時点では夢だろ。付き合ってるだけなんだから」

父「……待てよ。確か、幼ちゃんは一人娘だったよな?」

男「そうだけど?」

父「母さん、そうなると、男を婿養子で欲しがるかもしれないぞ」

母「それもそうだわ……男、幼からあちらのご両親の希望を聞いてない?」

男「付き合って2週間程度でそんな話するかよ」
440 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 02:04:05.54 ID:2mnBoQmX0
男「俺たちは付き合ったばっかりなの。結婚なんて遠い話で……」

父「お前に悠長に構えている余裕があると思ってるのか!」

母「そうよ! さっさとプロポーズしてきなさいよ!」

父「もうお前には任せておけん! 私たちで話を進める!」

母「今日、幼ちゃんはうちに来るのよね? だったら、ここで婚約してしまいましょう!」

男「お、おい! 余計なことするなよ!」

ピンポーン

父&母&男「!!」
441 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 02:06:51.44 ID:2mnBoQmX0
玄関前
幼馴染(男の家に来るの久しぶりだな。小学生の頃とかよく泊まりにきてたのに)

幼馴染(……男のお父さんとお母さん、最近会ってないけど元気かな)

男「幼! 逃げろ!」ガチャ

幼馴染「へっ……?」

父「どけ!」ゲシッ

男「うわっ!」ドサッ

幼馴染「お、男!?」

母「幼ちゃん!」ギュウウ

幼馴染「おばさん……?」

父「大丈夫。君のことは必ず私たちが幸せにするからね!」

幼馴染「は、はあ……?」

男「やめろ、馬鹿夫婦!」
442 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 02:08:13.61 ID:2mnBoQmX0
母「ごめんなさい。幼ちゃんがうちの愚息を選んでくれたって聞いて嬉しくなっちゃって」

幼馴染「あっ! す、すみません! ご挨拶が遅くなってしまって……」

父「大丈夫だよ。そんなことよりも将来の話をしよう」

幼馴染「将来ですか……?」

母「とりあえず結婚式の日取りを決めましょう」

幼馴染「結婚式!?」

男「いい加減にしろ! 幼が困ってるだろ!」

幼馴染「わ、私としては、大学卒業して就職してから1年経ったくらいの時期がいいかなーって……」

男「満更でもねえのかよ!」
443 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 02:10:44.11 ID:2mnBoQmX0
父「お、幼ちゃん、男と結婚することを考えてくれていたのか?」

幼馴染「も、もちろんです! 付き合ったとき、いえ付き合う前からそうなったらいいなって思ってました!」

母「わたしたちだって、幼ちゃんが嫁に来てくれればいいなってずっと願っていたのよ!」

父「私たちは両想いだったってことだな!」

幼馴染「で、でも、本当に私でいいんですか? 家事はまったくできませんし……おじさんとおばさんにご迷惑をかけてしまうかも……」

父「おいおい。何を言ってるんだ。私たちはもう家族なんだぞ? 迷惑なんていくらかけたっていいんだ」

母「そうよ! 貴女はわたしの娘よ!」ギュウウ

幼馴染「お義父さん、お義母さん……」ウルッ

男「幼の両親に聞かれたら絶縁されんぞ……」
444 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 02:12:54.44 ID:2mnBoQmX0
移動中
幼馴染「おじさんとおばさんに交際を認めてもらえてよかったね!」

男「……交際だけならよかったんだけどな。なんで、結婚まで話が飛躍するんだ」

幼馴染「あはは……まあ、ちょっと行き過ぎだったかもね」

男「喜々して話に加わったくせによく言うよ」

幼馴染「だ、だって……嬉しかったんだもん。こんなに簡単に認めてもらえるなんて思ってなかったし」

男「そりゃ、交際して僅か2週間で結婚を勧められるとは思わないだろうよ」
445 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 02:14:04.08 ID:2mnBoQmX0
幼馴染「それもそうなんだけどね。私としては、交際さえ受け入れてもらえるか不安だったわけですよ」

男「なに言ってんだよ。うちの親は昔から幼のこと可愛がってただろ」

幼馴染「それとこれとは話は別なの!」

男「そういうもんかね……」

幼馴染「じゃあ、逆に男はどうなのさ。うちの親に認めてもらえる自信ある?」

男「……やめてくれ。それを考えると胃が痛くなるから」

幼馴染「まあ、一発くらいは殴られるだろうしね」

男「!?」
446 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 02:14:42.75 ID:2mnBoQmX0
幼馴染「なんてね。冗談だよ」

男「シャレにならないからやめてくれ」

幼馴染「むしろ、二人とも喜んでたよ」

男「おじさんたちに報告したのか?」

幼馴染「うん。付き合ったその日にね。お父さんが、絶対、幸せにしてもらわないとな! って言ってた」

男「……それ、別の意味で怖いんだけど」
447 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 02:15:18.03 ID:2mnBoQmX0
今日はここまで!
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 06:55:16.66 ID:2zccWxxk0
まだか
449 : ◆TMTTBwd/ok [sage]:2019/03/04(月) 19:36:19.84 ID:tsme4vrt0
>>448
あともう少しお待ちください!
450 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/08(金) 21:41:42.30 ID:Nq9c7yUp0
駅前
幼馴染「あれー? みんな、どこにいるんだろう?」キョロキョロ

男「まだ集合時間すぎてねえよな?」

幼馴染「うん。むしろ余裕あるくらいだけど……どうしたんだろ?」

男「……嫌な予感がする」

幼馴染「大丈夫だって。私がついてるから」

男「いや、そういうことじゃなくて……」

???「やあ、幼くん」

幼馴染「おー、久しぶりー」

男「やっぱりお前かあ……」

会長「なんだ、男くんも一緒だったんだね」
451 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/08(金) 21:51:06.75 ID:Nq9c7yUp0
幼馴染「まだ、みんな来てないみたいだよ」

会長「いや。全員到着して先にお店に入ってる」

幼馴染「でも、集合時間は……」

会長「君たちには他の人たちとは違う時間を伝えたのさ」

男「そんなことだろうと思ったよ……」

会長「相変わらず察しがいいねえ」

幼馴染「どうして、そんなことしたの?」

会長「決まっているじゃないか。君たちと話がしたいからだよ」

幼馴染「そっか。じゃあ、お店に入ろ?」

会長「えっ? ぼ、僕の話聞いてた?」

幼馴染「聞いてたよ。お店の中で話すればいいじゃん」

男「だな。行くか」

会長「……」
452 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/08(金) 22:02:43.78 ID:Nq9c7yUp0
店内
幼馴染「やっほー!」

モブ子「やっと来た! 幼、遅すぎだよー!」

幼馴染「ごめんごめん。なんか、間違った集合時間教えられてさ」

モブ子「なにそれ。おい、幹事! ちゃんと仕事しろよ!」

会長「も、申し訳ない……」

幼馴染「そうそう。今日ね、男と一緒に来たんだー」

モブ子「えっ? 男くん……?」

男「ど、ども……」

会長(予定は狂ったが、まあいい。まずは男に精神的ダメージを与えてやる……!)

会長「なんだい、その挨拶は。ちゃんと……」

モブ子「やっばい! 男くんとか超レアなんだけど! みんなー! 男くん来たよ!」

「おお! マジだ!」

「今日はヘッドホンで洋楽聞いてないのかー?」

会長(あ、あれ? 思ってた反応と違う……)
453 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/08(金) 22:09:24.76 ID:Nq9c7yUp0
モブ子「アタシのこと覚えてる? 隣の席になったこともあるんだけど」

男「お、覚えてます!」

モブ子「なんで敬語!? ウケるんだけど!」

幼馴染「もー。あんまり弄らないであげてよ。スーパーコミュ障なんだからさ」

モブ子「うーわ。相変わらず、男くんの保護者やってんのー?」

「ったく、いつまで男を甘やかすつもりだよ」

「男もシャキッとしろよな」

会長(よ、よし! ついに流れが来たぞ!)

会長「そうだよ。もう高校生なんだし、そろそろ……」

幼馴染「やだなー。ちゃんと保護者からランクアップしたよ」

モブ子「じゃあ、まさか……」

幼馴染「そうなんです。実は私たち……」

幼馴染「付き合ってるんです!」

会長「!!?」
454 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/08(金) 22:12:52.90 ID:Nq9c7yUp0
会長「う、嘘だ!」

幼馴染「本当だよ? 3週間前から付き合ってるんだ」

会長「どうして男くんなんだ! どう見ても釣り合って……」

モブ子「おめでとー! やっと付き合えたんだね!」

会長「えっ」

「おお。ついに男が覚悟を決めたのか」

「俺よかシャキッとしてたわ。マジごめん」

会長「……」
455 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/08(金) 22:19:52.01 ID:Nq9c7yUp0
会長「ぼ、僕は認めないぞ! この根暗が幼くんの彼氏だなんて許せない!」

幼馴染「どうして?」

会長「どうしてもだ! 僕は絶対認めない!」

幼馴染「……いいよ。じゃあ、認めさせてあげる」グイッ

男「お、お前、まさか……!」

幼馴染「そのまさかです!」チュ

男「!!」

モブ子「おー! いいぞ、いいぞー!」

「うらやま」

「男、爆発しろ」

会長「 」
456 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/08(金) 22:27:23.53 ID:Nq9c7yUp0
男「お、お前なあ……!」

幼馴染「ちゃんと事前に予告しておいたでしょ。納得しなければキスでもする、って」

男「本気でするとは思わねえだろ!」

幼馴染「いいじゃん。これで認めてもらえただろうし。ねっ、会長?」

会長「あ、ああ……」

幼馴染「男は私の彼氏なんだからね。もう悪口言わないでよ!」

会長「……はい。もう二度と言いません」
457 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/08(金) 22:27:55.45 ID:Nq9c7yUp0
今日はここまで!
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/10(日) 00:15:04.36 ID:XlSUbdtE0
乙です!
最近忙しくて来れませんでしたが、応援していますz( ̄^ ̄)ゞ
459 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/11(月) 10:41:51.78 ID:fyvTvndT0
>>458
ありがとう! 全力で頑張ります!!
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/19(火) 01:17:51.30 ID:10O1n6zO0
楽しみに待ってます!
461 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/20(水) 23:23:13.70 ID:H4qI8FF10
モブ子「えー、それでは皆さん、幼と男くんの交際を祝して……」

「かんぱーい!」

幼馴染「いえーい!」

男「ど、ども……」

モブ子「いやー! 本当におめでとう! 男くん、幼を泣かせたら承知しないからね!」

男「は、はい! 絶対泣かせません!」

モブ子「いやいや、だからなんで敬語なのよ」

幼馴染「いいじゃん。そういうところも可愛いんだから」

モブ子「はいはい。ごちそうさまー」

「あいつらラブラブだなー」

「つけ入る隙ないって感じだな」

「まあ、昔から幼は男一筋だったし、最初から隙なんかなかったけどな」

会長「……」フラッ

「おい。どこ行くんだよ?」

会長「ちょっと夜風に当たってくる……」

男「……」
462 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/20(水) 23:26:01.30 ID:H4qI8FF10
会長(幼くんの気持ちにどうして気付かなったんだろう)

会長(……いや、そうじゃない。僕は気付いていたんだ。なのに……)

男「おい」

会長「……なんだ、君か」

男「幼じゃなくて悪かったな」

会長「いや、むしろ感謝してるよ。彼女が来たら全力で逃げだしているところだからね」
463 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/20(水) 23:32:26.75 ID:H4qI8FF10
会長「で、用件はなんだい? 負け犬を嘲笑いにきたのかい?」

男「ああ、そういうのも有りか」

会長「はっ?」

男「いや、特になにをしようってわけじゃねえんだ。馬鹿にしたいわけでも感謝したいわけでもない」

男「ただ、お前を一人にさせたくなったんだよ」

会長「……僕は一人になりたいんだがね」

男「一人になりたいって人間ほど、誰かに話を聞いてもらいたいんだよ」
464 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/20(水) 23:37:36.42 ID:H4qI8FF10
会長「僕は気付いていたんだ。幼くんが君に惚れていることに。だからこそ、僕は君を幼くんから遠ざけようとしたんだ……」

男「ああ、効果は抜群だったぜ。お前に言われてから、俺は幼を避けるようになったし」

会長「……そうなれば、幼くんが振り向いてくれると勘違いしてしまったんだ。……そんなことあるわけないのに」

???「わかる! わかるなあ、その気持ち!」

会長「えっ?」

男「な、なんでお前がここに……」

女「えへへ。来ちゃった」
465 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/20(水) 23:42:19.18 ID:H4qI8FF10
会長「知り合いかい……?」

男「こいつは北高の生徒だよ。3年間同じクラスでな」

女「君は会長さんだよね? 男くんから話は聞いてるよ」

会長「それはきっといい話ではないだろうね……」

女「まあ、普通の人ならそうかもしれないね。でも、大丈夫。私は君に共感できたよ」

会長「えっ……?」

女「私も叶わない恋をしてたからさ」
466 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/21(木) 00:17:09.74 ID:r+RhLGVa0
男「お前、好きな人いたの!?」

女「うん。ずっーと前から好きな人がいたよ。その人が傍にいてくれればそれだけで幸せになれるくらい好きだった」

女「でも、その人は私以外の人に恋をしてしまった。その二人を引き裂こうといろいろ策を巡らせたりしたんだけど……会長くんと一緒で失敗に終わっちゃった」

男「……その人って北高生?」

女「うん。男くんも知ってる人だよ」

男「ま、まさか……友、か……?」

女「あはは。いくら冗談でも怒るよー」

会長「……」
467 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/21(木) 00:19:04.14 ID:r+RhLGVa0
女「会長くんは私が面倒みるから、男くんはお店に戻りなよ」

男「お前が?」

女「うん。同じ境遇の者同士いろいろ話してみたいの」

男「どうする?」

会長「僕は構わないよ。みんなにはうまく伝えておいてくれ」

男「わかった。適当に誤魔化しておくよ」

会長「ああ、頼むよ」

男「気をつけろ。そいつは可愛い顔してるが、かなり性格悪いぞ」

会長「えっ」

女「言葉責めしてあげるね!」

会長「僕はSだよ……」

女「これは調教しなくてはなりませんなあ……」
468 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/21(木) 00:26:12.10 ID:r+RhLGVa0
女「ここで話すのもなんだし、どっかお店入る?」

会長「……その前に聞きたいことがあるんだけど」

女「いいよー。胸の大きさ以外なら答えてあげる」

会長「そんなの聞かなくても見ればわか……」

女「骨の髄まで調教してあげようか?」

会長「ぼ、僕が聞きたいのは、君の好きな人だよ!」

女「なーんだ。どうしても調教されたいのかと思った」

会長「だから、僕はSなんだって……そんなことより、君の好きな人って……男くんかい?」

女「たぶん君は相当のドMなんじゃないかな」
469 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/21(木) 00:30:26.43 ID:r+RhLGVa0
会長「ち、違うのかい……?」

女「残念なことに私は男くんの男性としての良さがわからないからねー。わかるのは幼だけ」

会長「……だからこそ、彼女は彼に惹かれたんだもんね」

女「たぶん、最初から男くんの良さを知っていたわけではなくて、接しているうちに感じとっていったんだと思う。でも、私はいつまで経ってもわからない。この差はなんだと思う?」

会長「興味があるかないか……とか?」

女「正解! 私は男くんにまったく興味がないのでーす」
470 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/21(木) 00:42:48.18 ID:r+RhLGVa0
女「そういうことで言うと、君は幼に興味もたれてなかったってことなんだけどね」

会長「ず、ずいぶんはっきり言うね……」

女「それが真実だからね」

会長「……そうだね。真実から逃げ回っていた僕は、ここで甘いことを言われてしまうより、真実を突きつけられたほうが僕を救ってくれるかもしれない」

女「しょうがないよ。真実に立ち向かったら自分の想いを否定されてしまうんだから。逃げてしまった君の気持ちは私にはわかる」

女「痛いほどわかるよ」
471 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/21(木) 00:54:25.40 ID:r+RhLGVa0
女「君のしたことは間違ってたと思う。世間は誰も認めないし、許されることじゃない」

女「でも、私は否定できない。誰かが君の行動を間違っていると糾弾しても、私は君の味方側に立つ」

会長「……ありがとう」

女「いーえ。まあ、私の場合は君と同じ罪を犯したからを言えることなんだけどね」

会長「君も……?」

女「うん。むしろ、君よりも重罪だよ」

会長「ど、どんなことをしたんだい?」

女「簡単に女性の秘密を聞き出せると思ったら大間違いだよ」ギロッ

会長「ええ……」
472 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/21(木) 00:57:56.28 ID:r+RhLGVa0
女「まったく。そんなんだから男くんに好きな人を奪われるんだよ」

会長「君は慰めたいのか、傷を抉りたいのかどっちなんだい!」

女「どっちでもないけど?」

会長「ないの!?」

女「うん。その二つの選択肢には当てはまらないね」

会長「じゃあ、何のために……?」

女「んー。お店に入ってからって思ったけど、ここでいいか」

女「私も君のこと好きになるから、君も私のこと好きになってくれないかな?」

会長「……はっ?」
473 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/21(木) 01:31:43.46 ID:r+RhLGVa0



数時間後 駅前
幼馴染「お待たせ!」

男「ずいぶん長かったな。みんなは先にカラオケに行ってるって」

幼馴染「えへへ」

男「……なんだよ?」

幼馴染「お店に着くまでは二人っきりだなーって思ってさ」

男「よく言うよ。狙ってたくせに」
474 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/21(木) 02:24:08.53 ID:r+RhLGVa0
移動中
幼馴染「そういえば、会長ってなんでいなくなっちゃったんだろうね?」

男「お前が言うか……」

幼馴染「あー、やっぱり私かあ……。だって、あいつ昔から男の悪口言ってたんだよ? 私がどんなに男の良さを教えても理解してくれなくてさ」

男「そりゃ、理解できないだろうな……」

幼馴染「今日こそは男を認めさせようと思ったらアレなんだもん。ついカッとしちゃってさ」

男「まあ、俺は嬉しいけど……あいつの気持ちを考えると手放しでは喜べないんだよなあ」

幼馴染「どうして? 男の悪口言ってたんだよ?」

男「……逆に聞くけど、あいつの想いに気付いてたか?」

幼馴染「なにそれ?」

男「マジで会長が可哀想だわ……」
475 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/21(木) 02:36:57.23 ID:r+RhLGVa0
男「まー、でも俺の気持ちにさえ気付いてなかったもんな。ただ単に幼は鈍感ってことか」

幼馴染「もー、なんなの?」

男「……ってことは、だ」

幼馴染「?」

男「もっとストレートに愛情表現しないと伝わらないよな」ギュウ

幼馴染「に、にゃにお!?」

男「幼」

幼馴染「ひゃい!?」

男「……」チュ

幼馴染「!?」

男「好きだよ」

幼馴染「もう、だめ……」クラッ
476 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/21(木) 02:38:40.13 ID:r+RhLGVa0
カラオケ店
幼馴染「ごめん、遅くなった」

モブ子「ったく。何分かかって……な、なんでお姫様抱っこされてんの!?」

男「あ、あはは……」

幼馴染「しょうがないじゃない。骨抜きにされたんだから……」
477 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/21(木) 02:39:42.35 ID:r+RhLGVa0
幼馴染「ばか! ばかばかばかばか!」

男「わ、悪かったって……」

モブ子「夫婦喧嘩はもういいから。何か歌いなよ」

幼馴染「では、男が得意の曲を披露します」

男「勝手に決めんなよ!」

モブ子「おっ。いいねー。アタシも男くんの歌、聞いてみたい」

幼馴染「はい、決定―」

男「ええ……」

モブ子「得意な曲ってやっぱり洋楽?」

幼馴染「そうそう。男が好きなバンドの曲で、題名は……」

「Don't Go Away」
478 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/21(木) 02:50:19.58 ID:r+RhLGVa0
今日はここまで!

『教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 4時間目』と『変態王子と笑わない猫。13』が3月25日に同時刊行!
是非、2冊とも買って、さがら先生が描くロリロリヒロインをぺろぺろしよう! あ、天神は私の嫁なので、手出し無用で。

『変態王子と笑わない猫。』1〜12巻
『クズと金貨のクオリディア』1巻
『さびしがりやのロリフェラトゥ』1巻
『そんな世界は壊してしまえ -クオリディア・コード-』1・2巻
『教え子に脅迫されるのは犯罪ですか?』1〜3巻
も好評発売中! 
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/21(木) 23:29:00.97 ID:6QCkGIi+0
乙です!
今回も甘々でした(*´∀`*)
480 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/03/22(金) 01:29:47.86 ID:7rZigYZk0
>>479
コメントありがと!
次の話ではもっと糖分プッシュするので、よろしくです!
481 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/04/21(日) 23:11:13.53 ID:i9k13Pv+0
7月中旬 昼休み 西高 職員室
西高顧問「本当にいいのか? こんな好条件はなかなかないぞ?」

幼馴染「いいんです。もう決めましたから」

西高顧問「お前の決めた道は茨の道じゃ。それでもその道を進むか?」

幼馴染「私にはその道しかないんです」

西高顧問「そうか……。お前が決めたのなら、わしはこれ以上言わん」

幼馴染「……ありがとうございます」
482 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/04/21(日) 23:13:21.92 ID:i9k13Pv+0
西高顧問「まあ、これで目標が明確になったわけじゃ。今まで以上に厳しくいくで」

幼馴染「はい! お願いします!」

西高顧問「うむ。では、明後日は休みにする」

幼馴染「はい! 全力で頑張り……えっ、休み?」

西高顧問「明後日はオフにする。しっかり休むんじゃぞ」

幼馴染「い、今、厳しくするって……」

西高顧問「お前の場合、ボールを一切触らずに休息することのほうが辛いじゃろ?」
483 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/04/21(日) 23:16:50.10 ID:i9k13Pv+0
幼馴染「お言葉ですが、先生! 夏休み明けすぐにウインターカップの予選ですよ!? 休んでる暇はありません!」

西高顧問「去年も一昨年もこの時期に相当負荷をかけたが、結果は県予選敗退じゃ」

幼馴染「そ、それはそうですが……」

西高顧問「特に今年のチームはお調子者集団や。適度に休みを与えてやらんとモチベーションを保てんじゃろ」

幼馴染「でも……」

西高顧問「お前、彼氏できたんやろ? デートでもしてリフレッシュしてきたらええ」

幼馴染「!!?」
484 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/04/21(日) 23:32:47.98 ID:i9k13Pv+0
幼馴染「な、なんで知ってるんですか!?」

西高顧問「彼氏のことならアホ五人組から聞いたで」

幼馴染「あいつら……!」

西高顧問「そう怒るな。あいつらのおかげで球技大会を観に行けたんやろ?」

幼馴染「……なんで知ってるんですか?」

西高顧問「アホ五人組を尋問したからのう」

幼馴染「……」

西高顧問「あの時のことを職員会議にかけられたくなかったら、おとなしく休むんやな」
485 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/04/21(日) 23:37:13.33 ID:i9k13Pv+0
放課後 帰り道
男「休みもらえたんだ。よかったじゃん」

幼馴染「よくない!! 私はウインターカップで必ず全国に行かないといけないの! 休んでる暇なんてない!」

男「追いこみすぎて怪我したら元も子もないぞ」

幼馴染「しないもん! ちゃんと鍛えてれば怪我なんかしない!」

男「中学最後の大会を怪我で棒に振った人間が何を言ってるのかな?」
486 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/04/21(日) 23:54:43.53 ID:i9k13Pv+0
男「ったく……わかりました。明後日は一緒にいますよ」

幼馴染「えへへ。ありがと!」

男「どこか行きたいところとか、やりたいことあるか?」

幼馴染「そうだなあ……小学生の頃みたいに、二人で楽しく過ごせればそれでいいかな」

男「あの頃、放課後はいつも一緒にいたよな」

幼馴染「うん。校庭でバスケしたり、男の家でゲームしたりしたよね」

男「家でゲーム……」

幼馴染「どうしたの?」

男「な、なんでもない! よし。久しぶりにゲームでもやるか!」

幼馴染「いいよー。でも、どこでするの?」

男「……俺の家しかねえだろ」

幼馴染「えっ!?」
487 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/04/21(日) 23:56:41.49 ID:i9k13Pv+0
幼馴染「お、男の家でやるの?」

男「ダメか?」

幼馴染「そうじゃなくて、その……」

男「……うちの親のことなら気にしなくていいぞ。明後日はいないから」

幼馴染「い、いないの!?」
488 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/04/21(日) 23:57:22.12 ID:i9k13Pv+0
男「じいちゃんが入院したらしくてさ。お見舞いに行くんだと」

幼馴染「……あのさ、確認なんだけど、その日は私と男の二人しかいないってことだよね?」

男「……まあ、そうなるな」

幼馴染(両親がいないときに家に誘ってきた……これはつまり……)

幼馴染(えっち……するってことだよね……?)
489 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/04/21(日) 23:58:13.76 ID:i9k13Pv+0
今日はここまで!
490 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/04/25(木) 23:51:08.31 ID:/KO2Y6jp0
翌日 昼休み 女子バスケ部部室
生意気娘「いや、その結論はおかしい」

元気っ子「アタシもそう思うなー。飛躍しすぎだよね」

真面目っ子「男さんの自宅に誘われて取り乱すのはわかりますが、冷静に考えてくださいよ。相手は男さんですよ?」

無口っ子「……部長がベッドの上で裸になっても、男さんはそっと服を着せそう」

幼馴染「ち、ちゃんと確認したわよ! そしたら、男は……」
491 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/04/25(木) 23:55:36.74 ID:/KO2Y6jp0



幼馴染『男は、その……したいの?』

男『そりゃまあ……俺だって、やりたいよ』



生意気娘「……」

幼馴染「ヤリたいって! 私とヤリたいって言ったのよ!!」

生意気娘「……それ」

元気っ子「ゲームのことだと勘違いされてるんじゃ……」

無口っ子「……」コクリ
492 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/04/26(金) 00:01:12.36 ID:bc3HdTLz0
生意気娘「部長って、あいつのことになると本当にポンコツになるよな……」

元気っ子「それだけ男さんのことが好きってことなんだよ」

真面目っ子「恋は盲目とはよく言ったものですね」

幼馴染「じゃあ、男の部屋でそれも二人だけでナニするっていうのよ!」

無口っ子「……いや、だから、ゲーム……」

幼馴染「ほら、えっちなげーむするんでしょ!? どっちが先にイクのか勝負するんでしょ!?」

無口っ子「……」

真面目っ子「……ここまでくると、部長が欲求不満なだけなのでは?」
493 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/04/26(金) 00:06:54.00 ID:bc3HdTLz0
生意気娘「だいたい、付き合ってまだ一ヶ月くらいだろ。いくらなんでも早すぎないか」

真面目っ子「どのくらいが平均的な期間なのかは知りませんが、初体験同士で一ヶ月というは早急すぎますね」

幼馴染「で、でも、付き合った当日に処女卒業した人が……」

無口っ子「……あり得ない」

真面目っ子「そんな人に身体を捧げた女性も女性ですよ」

元気っ子「当日はさすがにね」

生意気娘「そんな女が存在するなんて世も末だな」

???「やほー!」

「あっ」

副部長「おお!? なんだ、なんだ? 視姦プレイ? いやん、濡れちゃうー!」
494 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/04/26(金) 00:10:07.72 ID:bc3HdTLz0
真面目っ子「そうでした……この人がいたのでした……」

元気っ子「ま、まあ、副部長は特殊だから……」

副部長「なによ?」

幼馴染「ね、ねえ! 明日、男の家に遊びに来ないかって誘われたの! しかも、両親はいないから気にしなくていいって言うの! これってもうそういうことだよね!?」

無口っ子「……だから、ゲーム……」

副部長「なに言ってるんですか、部長!」

生意気娘「さすがのお前でもおかしいと思うよな! ガツンと言ってやれ!」

副部長「H以外になにするんですか!!」

生意気娘「やっぱりお前はおかしいな! 黙ってろ!」
495 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/04/26(金) 00:15:40.64 ID:bc3HdTLz0
副部長「両親がいないから気にしなくてもいい、というのは、喘ぎ声を気にしなくていいってことですよ」

幼馴染「そういうことだったの……!」

生意気娘「絶対違うだろ……」

副部長「まあ、男さんのことですし、挿入まではいかないかもしれませんが。最低でもその手前まではするでしょうね」

真面目っ子「キス……ですか?」

副部長「小学生かよ! まあ、男さんが部長を揉んで舐めて愉しんで、最終的には部長がペロペロしてフィニッシュってとこじゃないかな」

「!!?」
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